JP3674784B2 - ピンホール検査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はピンホール検査装置に関するものであり、特に軸対象形状の製品を被検査物とするピンホール検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食料品や薬液等を容器に封入した製品では、容器にピンホールが存在すると、そのピンホール部分から細菌などが侵入して、内容物の品質を変化させるおそれがある。そのため、導電性を有する内容物を、電気絶縁性を有する容器に封入した製品については、製造工程でピンホール検査が行われている。ピンホール検査は、ピンホール検査部分に高電圧印加電極を配置し、他の部分に検知電極を配置して行う。ピンホールが存在すると、当該ピンホール部分を通して各電極と内容物との間に火花放電が発生する。その際に流れる電流を検知電極が検知して、放電の発生を知ることにより、ピンホールの有無を判断している。
【0003】
ところで、電気絶縁性を有する軸対称形状容器に、導電性を有する内容物が隙間なく充填された製品については、図7に示す装置によりピンホール検査を行なっている。図7(1)に示すように、このピンホール検査装置には、リング状の外枠112から、その中心部に向けて金属繊維等からなるブラシ114を配置した、高電圧印加電極110が設けられている。また、図7(2)に示すように、高電圧印加電極110の前後には、被検査物101を搬送するベルトコンベア132,134が設けられている。さらに入口側コンベア132および出口側コンベア134の上方には、導電性を有するブラシを備えた、入口側検知電極122および出口側検知電極124が設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近時、ピンホール検査の処理能力の向上が求められている。その対策として、被検査物101の供給間隔を短くすることが考えられる。しかし、上記従来のピンホール検査装置で検査を行うには、被検査物101の軸方向をベルトコンベア132,134の搬送方向と一致させ、縦列配置して供給する必要があり、供給間隔を短くするには限界があった。なお、ベルトコンベア132,134の搬送速度を上げることにより、ピンホール検査の時間を短縮することも考えられる。しかし、上記従来のピンホール検査装置では、被検査物1の搬送速度を上げると、ブラシ114が被検査物1に対して十分に接触できずに、ピンホールの検出漏れが発生するおそれがある。従って、ピンホール検査時間を短縮するには限界があった。
【0005】
そこで、図2に示すように、被検査物1を並列配置した状態でピンホール検査領域8aに供給する方法が開発されている。すなわち、ローラコンベア等の周回手段35に被検査物1を並列配置して、ピンホール検査領域8aに供給するのである。ピンホール検査領域8aでは、被検査物1をその対称軸回りに回転させて、被検査物1全周のピンホール検査を行う。なお、ワークの回転方向はいずれの方向でもよい。これにより、被検査物1の供給間隔を短くすることが可能となり、高い検査処理能力を発揮することができる。
【0006】
ここで、ピンホール検査領域に配置する高電圧印加電極および検知電極として、従来と同様に金属繊維等からなるブラシ型電極を使用することも考えられる。しかし、ブラシ型電極を長期間にわたって使用すると、被検査物の形状に沿って金属繊維がへたり、被検査物との接触状態が変化するという問題がある。また、金属繊維がブラシ型電極から抜け落ちて、被検査物との接触状態が変化するほか、ピンホール検査装置の各部に入り込んで故障を引き起こすという問題がある。
本発明は上記問題点に着目し、耐久性に優れ、また確実にピンホール検査を実施することが可能な、ピンホール検査装置であって、特に、被検査物の検査表面全体に電極を接触させることが可能となり、確実にピンホール検査を実施できる検査装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るピンホール検査装置は、概略軸対称形状の製品を被検査物とするピンホール検査装置であって、ピンホール検査領域を通過する周回手段を設け、前記周回手段の周回方向と交差する方向に配列された複数のローラにより前記被検査物の搭載部を形成して、前記被検査物を前記周回方向と交差する方向に配列した状態で前記ピンホール検査領域に搬送可能とし、前記ピンホール検査領域において、前記被検査物を搭載しているローラを強制回転させることにより、前記被検査物を前記対称軸回りに回転させるローラ回転手段を設けるとともに、前記ピンホール検査領域に、導電性を有する玉鎖を複数本垂下して構成された電極を設置して、前記被検査物の全周検査を可能とし、前記電極は高電圧印加電極および検知電極から構成するとともに、前記周回方向と交差する方向に沿って検知電極に対する高電圧印加電極の位置を調整可能に形成し被検査物の形状に対応して表面全体に隙間なく玉鎖が接触するように調整できる構成とした。
【0008】
玉鎖は可撓性を有するため、いかなる形状の被検査物に対してもピンホール検査が可能となる。一方で、金属繊維のように長期間の使用により被検査物の形状に沿ってへたることがなく、被検査物に対する接触状態が変化することはない。また、金属繊維のように各電極から抜け落ちて、各電極の被検査物に対する接触状態を変化させることがなく、ピンホール検査装置の各部に入り込んで故障を引き起こすこともない。したがって、耐久性に優れたピンホール検査装置を提供することができる。なお、玉鎖は垂下した状態で電極として使用することになるが、本発明に係るピンホール検査装置では、被検査物を並列配置してピンホール検査領域に連続供給し、回転する被検査物の上から電極を接触させるので、垂下した玉鎖を電極として使用することができる。
【0009】
また前記電極は、複数のスリットを形成したホルダを備え、複数本の前記玉鎖の鎖部を前記スリットに挿入し前記鎖部の直上の玉部を前記ホルダで支持して構成した。これにより、被検査物の形状に対応して、玉鎖の本数および長さを簡単に調整することが可能となる。したがって、被検査物の表面全体に電極を接触させることが可能となり、確実にピンホール検査を実施することができる。
【0010】
また前記電極は、前記周回方向と交差する方向に沿って位置を調整可能に形成した。これにより、被検査物の形状に対応して、電極自体の位置を調整することができる。したがって、被検査物の表面全体に電極を接触させることが可能となり、確実にピンホール検査を実施することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に係るピンホール検査装置の好ましい実施の形態を、添付図面を用いて詳細に説明する。なお以下に記載するのは本発明の実施形態の一態様にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではない。
図2に、実施形態に係るピンホール検査装置およびその前後工程の説明図を示す。本実施形態に係るピンホール検査装置8は、ソーセージ等の軸対称形状製品を被検査物1とするピンホール検査装置である。概略的には、ピンホール検査領域8aを通過する周回手段35を設け、その周回方向の直交方向に配列した回転自在な複数のローラ30により被検査物1の搭載部を形成して、被検査物をピンホール検査領域8aに搬送可能としている。また、ピンホール検査領域8aにおいて、被検査物1を搭載しているローラ30を強制回転させることにより、被検査物1を対称軸回りに回転させるローラ回転手段40を設けている(図3参照)。そして、ピンホール検査領域8aに、導電性を有する玉鎖を複数本垂下して構成された電極10,20を設置して(図1参照)、被検査物の全周検査を可能としたものである。
【0012】
ピンホール検査装置8に対する被検査物1の搬送・供給は、主に、回転整列機70、縦列搬送手段78、分離搬送手段50、および並列搬送手段60によって行う。回転整列機70は、投入された被検査物1を縦列配置して、縦列搬送手段78に連続供給する。縦列搬送手段78はその被検査物1を分離搬送手段50に搬送する。ベルトコンベア等で構成される分離搬送手段50は、縦列供給される被検査物1を並列方向に分離して配置し、並列搬送手段60に受け渡す。そして、ローラコンベア等で構成される並列搬送手段60は、並列配置された被検査物1をスターホイル68まで搬送する。なお、図3に示すように、スターホイル68の外周上には、ピンホール検査装置8の周回手段35における隣接するローラ30の間隔に対応して、被検査物1の保持部69が複数設けてある。そして、その保持部69から、ピンホール検査装置8の周回手段35におけるローラ30の間に、被検査物1を1個ずつ供給する。
【0013】
図3に、ピンホール検査装置の側面断面図を示す。ピンホール検査装置8として、まずピンホール検査領域8aを通過する周回手段35を設置する。周回手段35は、図示しないモータ等の回転駆動手段に接続したスプロケット36と、複数のスプロケット36の間に渡し掛けられたチェーン37とによって構成する。そして、複数のローラ30を一定間隔で並列配置し、チェーン37のセグメントに対し回転可能に取り付ける。ローラ30は軽量かつ電気絶縁性を有する樹脂材料等で構成する。隣接するローラ30の隙間は被検査物1の直径より小さくして、隣接するローラ間の上方に被検査物1の搭載部を形成する。この周回手段35により、連続供給される被検査物1をピンホール検査領域8aに搬送可能となる。
【0014】
また、ピンホール検査領域8aに位置するローラ30を回転させる、ローラ回転手段40を設置する。ローラ回転手段40は、図示しないモータ等の回転駆動手段に接続したプーリ44と、複数のプーリ44の間に渡し掛けられた、ゴム材料等からなる駆動ベルト42とによって構成する。そして、この駆動ベルト42の表面を、ピンホール検査領域8aに位置するローラ30の下端に当接させる。これにより、ピンホール検査領域8aに搬送された被検査物1が、その対称軸回りに回転可能となる。
【0015】
さらに、ピンホール検査領域8aの上方には、被検査物1に対する高電圧印加電極10および検知電極20を設置する。図1に、ピンホール検査領域の上方からの斜視図を示す。なお図1は、図2のA部における拡大図である。高電圧印加電極10および検知電極20として、導電性を有する玉鎖13を複数本垂下したものを使用する。玉鎖13は、導電性を有する金属材料等によりアレイ状に形成した鎖部と、同じく金属材料等により中空球状に形成した玉部とを、交互に組み合わせて構成する。このように形成した玉鎖13は、可撓性を有するものとなる。
【0016】
図4に、各電極の製造方法の説明図を示す。まず、同図(1)に示すように、適当な長さに切断した玉鎖13を複数本用意する。一方、鋼板に複数のスリット12aを設けたホルダ12を形成する。そして、各玉鎖13の上端の鎖部を、ホルダ12のスリット12aに挿入し、スリット12aの端部を封止する。これにより、挿入した鎖部の直上の玉部がホルダ12によって支持される。なお、被検査物の形状に応じて、その表面全体に隙間なく玉鎖13が接触するように、玉鎖13を挿入するスリット12aの数を選択し、また各スリット12aに挿入する玉鎖13の数を選択することができる。また、玉鎖13の上端以外の鎖部をスリット12aに挿入することにより、玉鎖13の垂下長さを調整することができる。次に、図4(2)に示すように、ホルダ12をブラケット11に固定する。以上により、図4(3)に示すように、高電圧印加電極10および検知電極20が完成する。
【0017】
そして、高電圧印加電極10および検知電極20のブラケット11における貫通孔11bを、図1に示すように、ピンホール検査領域8aのスライドバー8bに嵌合させる。ここで、図3に示すように、各電極10,20における玉鎖部14,24の先端が、被検査物1に接触可能となる高さに、スライドバー8bを配置する。なお、被検査物1の上端部がローラ30の上端部より上方に位置するように、ローラ30の直径および隣接するローラ30の間隔を設定すれば、被検査物1に対して確実に電極を接触させることができる。
【0018】
一方、被検査物1の搬送方向における玉鎖部14,24の長さは、チェーン37に対するローラ30の取り付けピッチより短くするのが好ましい。これにより、各電極10,20に対して複数の被検査物1が同時に接触することがなくなり、放電を検知した場合にピンホールが存在する被検査物を特定することができる。
【0019】
図5に、図3のB−B線における正面断面図を示す。一般にピンホールは、被検査物1の端部に発生しやすいことから、高電圧印加電極10,10を被検査物1の両端部に配置するとともに、検知電極20を被検査物1の中央部に配置する。また、検知電極20の玉鎖部24は、高電圧印加電極10の玉鎖部14の端部と一定間隔をおいて配置し、高電圧印加電極10からの直接放電を防止する。そして、高電圧印加電極10は高圧電源16に接続する。また、検知電極20は接地するが、その途中に電流計測手段26を接続して、放電電流を検知できるようにする。これにより、被検査物1の先端部2に対して同時にピンホール検査を行うことができる。
【0020】
なお、図1に示すように、各電極10,20のブラケット11を、スライドバー8bに沿ってスライドさせることにより、被検査物の搬送方向と直交する方向に各電極10,20の位置を調整することができる。これにより、被検査物の形状に対応して、その表面全体に隙間なく玉鎖13が接触するように調整することができる。また、高電圧印加電極10から検知電極20への直接放電を防止すべく調整することができる。
【0021】
なお、図1に示すように、被検査物の搬送方向に沿って複数のピンホール検査領域8a,9aを設定し、各検査領域につき高電圧印加電極10および検知電極20を設置してもよい。この場合、第1検査領域8aでは、上述したように、被検査物1の端部に高電圧印加電極10を配置し、中央部に検知電極20を配置する。一方、第2検査領域9aでは、中央部と一方端部との間に高電圧印加電極10を配置し、中央部と他方端部との間に検知電極20を配置する。このように、複数のピンホール検査領域8a,9aについて、異なる位置に高電圧印加電極10および検知電極20を設置することにより、被検査物1の軸方向全域にわたってピンホール検査を実施することができる。なお、第1検査領域および第2検査領域とも、被検査物の端部に高電圧印加電極を配置すれば、一方の検査領域の電極に故障が発生した場合でも、被検査物の端部におけるピンホールの検出漏れを回避することができる。
【0022】
次に、上述した本実施形態に係るピンホール検査装置の使用方法について説明する。
なお、導電性を有する内容物を封入した電気絶縁性を有する概略軸対称形状の容器であれば、本実施形態に係るピンホール検査装置の被検査物となし得る。例えば、食料品を封入したビニル容器やフィルム容器等を被検査物とすることができる。なお、内容物が隙間なく充填された被検査物の場合には、火花放電を発生させ得る火花電圧が被検査物の各部において同等となるので、検知電極の位置においてもピンホール検査を行うことができる。一方、被検査物は単純軸対称形状の容器に限られず、ローラ対によって回転可能でありなおかつ電極ブラシを連続的に接触させ得るような、概略軸対称形状の容器であればよい。
【0023】
その被検査物を、図2に示す回転整列機70に投入する。回転整列機70は、投入された被検査物1を縦列配置して、縦列搬送手段78に連続供給する。縦列搬送手段78は、その被検査物1を分離搬送手段50に搬送する。分離搬送手段50は、縦列供給される被検査物1を並列方向に分離して配置し、並列搬送手段60に受け渡す。並列搬送手段60は、並列配置された被検査物1をスターホイル68まで搬送する。ここで、図3に示すように、ピンホール検査装置8の周回手段35における隣接するローラ30の間に、被検査物1を1個ずつ供給する必要がある。そこで、周回手段35に同期させてスターホイル68を回転させ、隣接するローラ30の間に被検査物1を1個ずつ供給する。
【0024】
そして、周回手段35は、被検査物1をピンホール検査領域8aに搬送する。具体的には、図示しないモータ等によりスプロケット36を回転させ、スプロケット36に渡し掛けられたチェーン37を移動させることにより、チェーン37に取り付けられたローラ30が周回移動して、ローラ30に搭載された被検査物1がピンホール検査領域8aに供給される。
【0025】
次に、被検査物1を回転させ、ピンホール検査を行う。具体的には、被検査物1を搭載したローラ30がピンホール検査領域8aまで移動すると、ローラ30の下端が駆動ベルト42に接触する。そして、図示しないモータ等によりプーリ44を回転させ、プーリ44に掛け渡された駆動ベルト42を水平方向に移動させる。これにより、駆動ベルト42に当接したローラ30が回転し、さらにローラ30に搭載された被検査物1も回転する。
【0026】
一方、ピンホール検査領域8aに供給された被検査物1は、高電圧印加電極10および検知電極20に接触する。被検査物は電気絶縁性を有する材料から構成されているので、ピンホールがない部分において火花放電を発生させ得る最小電圧(火花電圧)Vsaは、ピンホールがある部分における火花電圧Vsbより大きくなる。そこで、VsaとVsbとの間の電圧Vsを被検査物に印加することにより、ピンホールが存在する部分のみで火花放電を発生させることができる。これにより、ピンホールを検出することが可能となる。なお、放電を発生させなくても、ピンホールが存在する部分におけるインピーダンスの低下により、ピンホールを検知することも可能である。
【0027】
ここで、各電極10,20の玉鎖部14,24は、可撓性を有するので、被検査物1の形状に沿って自在に変形し、被検査物1の表面全体に接触する。そして、被検査物1を回転させるので、被検査物1の全周にわたってピンホール検査を行うことができる。なお、図6に示すように、先端部2が折れ曲がった被検査物1について、ピンホール検査を行う場合がある。ところが、図7に示す従来のピンホール検査装置では、被検査物1の肩部3にブラシ114を接触させることができずに、当該部分のピンホール検査を行うことができなかった。この点、本実施形態に係るピンホール検査装置では、被検査物1を並列配置してピンホール検査を行うので、電極10の玉鎖部14を肩部3の表面に接触させることが可能となる。したがって、先端部が折れ曲がった被検査物1についても、確実にピンホール検査を行うことができる。
【0028】
なお、被検査物1の全周検査を可能とするには、被検査物1が高電圧印加電極10に接触してから通過するまでの間に少なくとも1回転することが必要である。もっとも、周回手段35によるローラ30の移動速度は、工程能力との関係で低減することが困難である。そこで、ローラ回転手段40によるローラ30の回転速度を調整することにより、被検査物1の全周検査を可能とするのが望ましい。
【0029】
そして、ピンホールの存在が確認された被検査物1については、図2に示すように、検査領域8aの下流側に設置したエアノズルから空気を吹き出して、周回手段35の上から排除する。以上により、被検査物1のピンホール検査が完了する。
【0030】
以上に詳述した、本実施形態に係るピンホール検査装置は、高電圧印加電極および検知電極として、導電性を有する玉鎖を複数本垂下して構成したものを使用するので、耐久性に優れたピンホール検査装置を提供することができる。すなわち、玉鎖は可撓性を有するため、いかなる形状の被検査物に対してもピンホール検査が可能となる。一方で、金属繊維のように長期間の使用により被検査物の形状に沿ってへたることがなく、被検査物に対する接触状態が変化することはない。また、金属繊維のように各電極から抜け落ちて、各電極の被検査物に対する接触状態を変化させることがなく、ピンホール検査装置の各部に入り込んで故障を引き起こすこともない。したがって、耐久性に優れたピンホール検査装置を提供することができる。
【0031】
なお、上記のように耐久性に優れた玉鎖は、垂下した状態で電極として使用することになるので、図7に示す従来技術に係るピンホール検査装置の高電圧印加電極110において、ブラシ114の代わりに玉鎖を使用することはできない。この点、本実施形態に係るピンホール検査装置では、被検査物を並列配置してピンホール検査領域に連続供給し、回転する被検査物の上から各電極を接触させるので、垂下した玉鎖を電極として使用することができる。したがって、上記効果を有効に発揮させることができる。
【0032】
【発明の効果】
被検査物に電極を接触させて、前記被検査物のピンホール検査を行う装置であって、前記電極は、前記ピンホール検査領域に、導電性を有する玉鎖を複数本垂下して構成された電極を設置して、前記被検査物の全周検査を可能とし、前記電極は高電圧印加電極および検知電極から構成するとともに、前記周回方向と交差する方向に沿って検知電極に対する高電圧印加電極の位置を調整可能に形成し被検査物の形状に対応して表面全体に隙間なく玉鎖が接触するように調整でき、高電圧印加電極から検知電極への直接放電を防止すべく調整することができる効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ピンホール検査領域の上方からの斜視図であって、図2のA部における拡大図である。
【図2】 実施形態に係るピンホール検査装置を含む、装置全体の斜視図である。
【図3】 実施形態に係るピンホール検査装置の側面断面図である。
【図4】 各電極の製造方法の説明図である。
【図5】 図3のB−B線における正面断面図である。
【図6】 先端部が折れ曲がった被検査物に対するピンホール検査の説明図である。
【図7】 従来のピンホール検査装置の説明図であり、(1)は高電圧印加電極の斜視図であり、(2)はピンホール検査装置全体の側面断面図である。
【符号の説明】
1………被検査物、2………先端部、3………肩部、8………ピンホール検査装置、8a,9a………ピンホール検査領域、8b………スライドバー、10………高電圧印加電極、11………ブラケット、11b………貫通孔、12………ホルダ、12a………スリット、13………玉鎖、14………玉鎖部、16………高圧電源、20………検知電極、24………玉鎖部、26………電流計測手段、30………ローラ、35………周回手段、36………スプロケット、37………チェーン、40………ローラ回転手段、42………駆動ベルト、44………プーリ、50………分離搬送手段、60………並列搬送手段、68………スターホイル、69………保持部、70………回転整列機、78………縦列搬送手段、101………被検査物、110………高電圧印加電極、112………外枠、114………ブラシ、122………入口側検知電極、124………出口側検知電極、132………入口側コンベア、134………出口側コンベア。

Claims (3)

  1. 概略軸対称形状の製品を被検査物とするピンホール検査装置であって、
    ピンホール検査領域を通過する周回手段を設け、前記周回手段の周回方向と交差する方向に配列された複数のローラにより前記被検査物の搭載部を形成して、前記被検査物を前記周回方向と交差する方向に配列した状態で前記ピンホール検査領域に搬送可能とし、
    前記ピンホール検査領域において、前記被検査物を搭載しているローラを強制回転させることにより、前記被検査物を前記対称軸回りに回転させるローラ回転手段を設けるとともに、
    前記ピンホール検査領域に、導電性を有する玉鎖を複数本垂下して構成された電極を配置して、前記被検査物の全周検査を可能とし、
    前記電極は高電圧印加電極および検知電極から構成するとともに、前記周回方向と交差する方向に沿って検知電極に対する高電圧印加電極の位置を調整可能に形成し被検査物の形状に対応して表面全体に隙間なく玉鎖が接触するように調整できるようにしたことを特徴とするピンホール検査装置。
  2. 請求項1に記載のピンホール検査装置において、
    前記電極は、複数のスリットを形成したホルダを備え、複数本の前記玉鎖の鎖部を前記スリットに挿入し前記鎖部の直上の玉部を前記ホルダで支持して構成したことを特徴とするピンホール検査装置。
  3. 請求項1に記載のピンホール検査装置において、被検査物の搬送方向における玉鎖部の長さは、チェーンに対するローラの取り付けピッチより短くすることを特徴とするピンホール検査装置。
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