JP2002333432A - ピンホール検査装置およびその方法 - Google Patents

ピンホール検査装置およびその方法

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JP2002333432A
JP2002333432A JP2001138662A JP2001138662A JP2002333432A JP 2002333432 A JP2002333432 A JP 2002333432A JP 2001138662 A JP2001138662 A JP 2001138662A JP 2001138662 A JP2001138662 A JP 2001138662A JP 2002333432 A JP2002333432 A JP 2002333432A
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JP
Japan
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inspection
pinhole
pinhole inspection
inspected
roller
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JP2001138662A
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Akira Yamanaka
山中  明
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Nikka Densok Ltd
Maruha Nichiro Corp
Original Assignee
Maruha Corp
Nikka Densok Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い検査処理能力を有するピンホール検査装置
の提供を目的とする。 【解決手段】概略軸対称形状の製品を被検査物1とする
ピンホール検査装置8であって、ピンホール検査領域8
aを通過する周回手段35を形成し、その周回手段35
に複数のローラ30を並列配設して被検査物1の搭載部
301を形成し、ピンホール検査領域8aに位置するロ
ーラ30を回転させるローラ回転手段40を設置するこ
とにより搬送された被検査物1を回転可能として、連続
供給される被検査物1の全周検査を可能とした構成とし
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はピンホール検査装置
およびその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】食料品や薬液等を容器に封入した製品で
は、その容器にピンホールがあると、ピンホール部分か
ら細菌などが侵入して内容物の品質を変化させるおそれ
がある。そのため、導電性を有する内容物を、電気絶縁
性を有する容器に封入した製品の場合には、製造工程で
ピンホール検査が行われている。ピンホール検査は、容
器の一部分に放電検知電極を配置し、ピンホール検査部
分に高電圧印加電極を配置して行われる。ピンホールが
存在すると、当該ピンホール部分を通して高電圧印加電
極から内容物に火花放電が発生する。その際に流れる電
流を放電検知電極が検知して放電の発生を知ることによ
り、ピンホールの有無を判断している。
【0003】ところで、電気絶縁性を有する軸対称形状
容器に、導電性を有する内容物が隙間なく充填された製
品に対しては、図10に示す装置でピンホール検査が行
われている。従来のピンホール検査装置では、図10
(1)に示すように、リング状の外枠112からその中
心に向けて導電性を有するブラシ114を配置した、高
電圧印加電極110が設置されている。また図10
(2)に示すように、その前後には被検査物101を移
動させるベルトコンベア132,134が設置されてい
る。さらに入口側コンベア132および出口側コンベア
134の上方には、導電性を有するブラシを備えた入口
側放電検知電極122および出口側放電検知電極124
が設置されている。
【0004】この装置を使用したピンホール検査では、
まず高電圧印加電極110に高電圧を印加する。次に入
口側コンベア132により、被検査物101の前半部を
高電圧印加電極110の中心部に挿入し、高電圧印加電
極のブラシ114を前半部の外周に接触させる。そのと
き被検査物101の後半部は入口側放電検知電極122
に接触しているので、前半部におけるピンホール検査が
行われる。さらに被検査物101を移動させて、高電圧
印加電極のブラシ114を後半部の外周に接触させる。
そのとき被検査物101の前半部は出口側放電検知電極
124に接触しているので、後半部におけるピンホール
検査が行われる。そして出口側コンベア134により、
被検査物101を高電圧印加電極110の中心部から排
出する。このようにして、被検査物全体101のピンホ
ール検査が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のピンホール
検査装置に対しては、以下のように被検査物を供給して
いた。すなわち図9(1)に示すように、被検査物10
1の軸方向をベルトコンベア130の搬送方向と一致さ
せ、ベルトコンベア130の表面に形成した仕切板13
1の間に被検査物101を配置して、ピンホール検査領
域108aに供給していた。その供給量は、例えば20
0個/分程度であった。
【0006】ところで近時では、ピンホール検査の処理
能力の向上が要求されている。その対策として、被検査
物101の供給間隔を短くすることが考えられる。しか
し上記従来のピンホール検査装置で検査を行うには、被
検査物101の軸方向をベルトコンベア130の搬送方
向と一致させ、縦列配置して供給する必要があり、供給
間隔を短くするには限界があった。
【0007】また供給間隔を短くするには、ベルトコン
ベア130の表面に形成した仕切板131の間隔を狭く
する必要がある。しかしこの場合には、ベルトコンベア
の移動速度に同期して被検査物を供給するのが困難にな
り、仕切板131の間に被検査物101を配置する際
に、被検査物101が仕切板131の上に乗り上げて、
ピンホール検査が実施できなくなるという問題があっ
た。
【0008】また別の対策として、ベルトコンベア13
0の搬送速度を上げることにより、ピンホール検査の時
間を短縮することも考えられる。しかし上記従来のピン
ホール検査装置では、被検査物の軸方向に沿って相対的
に電極を長距離移動させてピンホール検査を行うので、
被検査物の搬送速度を上げるとブラシ114が十分に接
触できずに、ピンホールの検出漏れが発生するおそれが
ある。従って、ピンホール検査時間を短縮するには限界
があった。
【0009】そのため、複数のピンホール検査ライン1
05a,105bを設置し、並行してピンホール検査を
行うことにより、処理能力を確保していた。しかしこの
場合には多くのラインスペースが必要となり、また多く
の製造コストを必要とするという問題があった。本発明
は上記問題点に着目し、高い検査処理能力を発揮しうる
ピンホール検査装置およびその方法の提供を目的とす
る。
【0010】一方、従来のピンホール検査装置では、図
10(2)に示すように、高電圧印加電極110のブラ
シ114は、軸対称容器101の外周面に接触しなが
ら、その軸方向に沿って相対的に移動する。よって図1
1(1)に示すように、軸対称形状容器101の軸方向
にしなった状態で移動することになる。そして被検査物
101の端部102において被検査物の外径が急激に細
くなると、しなっていたブラシ114は高電圧印加電極
110の中心部に向かって急激に復帰する。そのとき、
被検査物の端部102にブラシ114が十分に接触でき
ずに、ピンホールの検出漏れが発生するという問題があ
った。
【0011】また図11(2)に示すように、被検査物
101の端部102がピンホール検査部分103に向か
って傾倒する場合がある。上述したように従来のピンホ
ール検査装置では、高電圧印加電極110のブラシ11
4は、軸対称形状容器101の軸方向に沿って相対的に
移動する。そのためブラシ114は、被検査物101の
傾倒した端部102に妨害されてピンホール検査部分1
03に接触できずに、ピンホールの検出漏れが発生する
という問題があった。
【0012】一方、被検査物によっては、内容物もしく
は容器の材料のばらつきにより、または製造工程におけ
る加熱処理等により、図12に示すように反りを生じる
場合がある。この点、従来のピンホール検査装置では、
高電圧印加電極110のブラシ114の先端が、反りを
生じた被検査物101における端部102の背面側10
2a等に接触できずに、ピンホールの検出漏れが発生す
るという問題があった。
【0013】本発明は上記問題点に着目し、ピンホール
の検出漏れがないピンホール検査装置の提供を目的とす
る。また本発明は、コスト低減が可能なピンホール検査
装置およびその方法の提供を目的とする。また本発明
は、確実にピンホールの検出が可能な検査装置の提供を
目的とする。また本発明は、被検査物を傷つけることが
ないピンホール検査装置の提供を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明に係るピンホール検査方法は、概略軸対称形
状の製品を被検査物とするピンホール検査方法であっ
て、前記被検査物を並列配置した状態でピンホール検査
領域に搬送し、前記被検査物をその対称軸回りに回転さ
せつつピンホール検査を行うことにより、前記被検査物
の全周検査を可能とした構成とした。
【0015】従来の検査方法では、被検査物の軸方向を
搬送方向と一致させて検査領域に供給する必要があるの
に対し、本発明の検査方法では、被検査物の軸方向を搬
送方向と交差させて検査領域に供給する。従って、被検
査物の供給間隔を短くすることができ、高い検査処理能
力を発揮することができる。
【0016】なお、前記被検査物はローラ対に搭載して
搬送し、前記ローラ対を回転させることにより間接的に
前記被検査物を回転させる構成とするのが好ましい。こ
れにより、連続供給される被検査物が、ローラ対の上方
に形成される搭載部において、自動的に一定間隔で搭載
されるので、従来のように搬送速度と被検査物の供給速
度とを同期させる必要がない。従って、被検査物の供給
間隔を短くすることができ、高い検査処理能力を発揮す
ることができる。加えて、被検査物を一定間隔で供給す
るための特別の装置は不要となり、製造コストを低減す
ることができる。
【0017】一方、本発明に係るピンホール検査装置
は、概略軸対称形状の製品を被検査物とするピンホール
検査装置であって、ピンホール検査領域を通過する周回
手段を形成し、前記周回手段には前記被検査物を周回方
向と交差する方向に配列して搭載する搭載部を形成し、
前記ピンホール検査領域において前記被検査物をその対
称軸回りに回転させる回転手段を設け、前記被検査物の
全周検査を可能とした構成とした。
【0018】従来の検査装置で検査を行うには、被検査
物の軸方向を搬送方向と一致させて検査領域に供給する
必要があるのに対し、本発明の検査装置で検査を行う場
合は、被検査物の軸方向を搬送方向と交差させて検査領
域に供給する。従って、被検査物の供給間隔を短くする
ことができ、高い検査処理能力を発揮することができ
る。
【0019】なお、前記被検査物の搭載部は前記周回手
段の周回方向と交差する方向に配列された複数のローラ
により形成され、前記ピンホール検査領域において前記
被検査物を搭載しているローラを強制回転させることに
より前記被検査物を前記対称軸回りに回転させる回転手
段を設けて、前記被検査物の全周検査を可能とした構成
とするのが好ましい。
【0020】これにより、連続供給される被検査物が、
隣接するローラ間の上方に形成される搭載部において、
自動的に一定間隔で搭載されるので、従来のように搬送
速度と被検査物の供給速度とを同期させる必要がない。
従って、被検査物の供給間隔を短くすることができ、高
い検査処理能力を発揮することができる。加えて、被検
査物を一定間隔で供給するための特別の装置は不要とな
り、製造コストを低減することができる。
【0021】また前記回転手段は、前記ピンホール検査
領域において前記ローラに当接するベルト手段である構
成とするのが好ましい。簡単な装置により、検査領域に
位置するローラのみを回転させることができるので、製
造コストおよび運転コストを低減することができる。
【0022】また、前記ピンホール検査領域に高電圧印
加電極と放電検知電極とを設置して、前記被検査物に対
するピンホール検査を可能とした構成とした。従来の検
査装置では、被検査物の軸方向に沿って相対的に高電圧
印加電極を移動させピンホール検査を行うのに対し、本
発明のピンホール検査装置では、被検査物の周方向に沿
って相対的に高電圧印加電極を移動させピンホール検査
を行うので、移動距離が短くなり検査時間を短縮するこ
とができる。従って、高い検査処理能力を発揮すること
ができる。
【0023】また、前記周回手段の周回方向に沿った複
数のピンホール検査領域に前記高電圧印加電極と前記放
電検知電極とを設置した構成とした。これにより、ピン
ホールを確実に検出することができる。また、前記高電
圧印加電極は前記被検査物の端部に接触する電極ブラシ
であり、前記放電検知電極は前記被検査物の中央部に接
触する電極ブラシである構成とした。
【0024】この場合電極ブラシは、軸対称形状容器の
外周面に接触しながら、その周方向に沿って相対的に移
動する。従って、軸方向に沿って急激に形状が変化する
被検査物に対しても、電極ブラシを確実に接触させるこ
とができるので、ピンホールの検出漏れがない。
【0025】また、端部がピンホール検査部分に向かっ
て傾倒する被検査物に対しても、傾倒した端部とピンホ
ール検査部分との間に、電極ブラシを入り込ませること
ができる。従って、電極ブラシを確実に接触させること
ができるので、ピンホールの検出漏れがない。
【0026】また、反りを生じた被検査物における端部
の背面側等に対しても、電極ブラシを確実に接触させる
ことができる。従って、ピンホールの検出漏れがない。
加えて、一般にピンホールが発生しやすい被検査物の両
端部に対して、同時にピンホール検査を行うことができ
る。従って検査時間を短縮することができ、検査コスト
を低減することができる。
【0027】なお前記電極ブラシは、アモルファス金属
またはリン青銅により形成されてなる構成とするのが好
ましい。アモルファスの金属繊維は長期間使用しても形
状変化が少なく、被検査物の表面に確実に接触すること
ができるので、ピンホールの検出漏れを防止することが
できる。またリン青銅は導電性が高いので、ピンホール
の検出漏れを防止することができる。
【0028】また、前記ローラの外周面を導電性材料で
形成するとともに、前記放電検知電極を前記ローラの下
方に設置した構成とした。これにより、ピンホール検査
を行う必要がない検査不要領域に対して、放電検知電極
を接触させる必要がなくなる。従って、被検査物の表面
を傷つける可能性を低減することができる。
【0029】また、前記被検査物の最大外径部分と接触
する前記ローラの外周面に導電性材料からなる導電部分
を形成するとともに、前記放電検知電極を前記導電部分
の下方に設置した構成とした。これにより製造コストを
低減することができる。またローラが軽量化されるの
で、ローラ回転手段の消費エネルギーが低減され、運転
コストを低減することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】本発明に係るピンホール検査装置
の好ましい実施の形態を、添付図面を用いて詳細に説明
する。なお以下に記載するのは本発明の実施形態の一態
様にすぎず、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0031】最初に、第1実施形態について説明する。
図2に第1実施形態に係るピンホール検査装置の側面図
を示す。第1実施形態に係るピンホール検査装置は、ピ
ンホール検査領域8aを通過する周回手段35を形成
し、その周回手段35に複数のローラ30を並列配設し
て被検査物1の搭載部301を形成し、ピンホール検査
領域8aにおいてローラ30を強制回転させるローラ回
転手段40を設置することにより搬送された被検査物1
を回転可能として、連続供給される被検査物1の全周検
査を可能としたものである。
【0032】図1に、第1実施形態に係るピンホール検
査装置を使用した、ピンホール検査工程およびその前後
工程の説明図を示す。まず、ソータ整列機7により整列
された被検査物1を搭載してピンホール検査領域8aに
供給する、ベルトコンベア33を設置する。なお、被検
査物1の軸方向がベルトコンベア33の搬送方向と直交
する形でベルトコンベア33上に搭載されるように、ベ
ルトコンベア33の側方にソータ整列機7を配置する。
一方、ピンホール検査領域8aから被検査物1を包装領
域9aに供給する、ベルトコンベア39を設置する。
【0033】上記のピンホール検査領域8aには、実施
形態に係るピンホール検査装置8を設置する。まず図2
に示すように、ピンホール検査領域8aを通過する周回
手段35を設置する。周回手段35は、図示しないモー
タ等の回転駆動手段に接続したスプロケット36と、複
数のスプロケット36の間に渡し掛けられたチェーン3
7とによって構成する。
【0034】そして、複数のローラ30を一定間隔で並
列配置し、チェーン37のセグメントに対し回転可能に
取り付ける。ローラ30は樹脂材料等により形成し、ピ
ンホール検査時の高電圧を遮断することにより検査装置
各部の損傷を防止するとともに、軽量化することにより
周回手段35およびローラ回転手段40の消費エネルギ
ーを節約し運転コストを低減する。ローラ30の直径は
被検査物1の直径より大きくするのが好ましい。これに
より、ローラ1回転当たりの被検査物の回転数が多くな
り検査時間を短縮することができるとともに、隣接する
ローラ30間の上方に形成される搭載部から被検査物1
が脱離するのを防止することができる。一方、隣接する
ローラ30の隙間は被検査物1の直径より小さくして、
隣接するローラ間の上方に搭載部301を形成し、ベル
トコンベア33により連続供給される被検査物1を搭載
可能とする。以上により、連続供給される被検査物1を
ピンホール検査領域8aに搬送可能となる。
【0035】一方、ピンホール検査領域8aに位置する
ローラ30を回転させる、ローラ回転手段40を設置す
る。図3に、図2におけるピンホール検査領域8aの拡
大図を示す。ローラ回転手段40は、図示しないモータ
等の回転駆動手段に接続したプーリ44と、複数のプー
リ44の間に渡し掛けられた駆動ベルト42とによって
構成する。そしてこの駆動ベルト42の表面を、ピンホ
ール検査領域8aに位置するローラ30の下端に当接さ
せる。なお、駆動ベルト42はゴム等の高摩擦材料で形
成し、ローラ30を確実に回転駆動可能とするのが好ま
しい。以上により、ピンホール検査領域8aに搬送され
た被検査物1を、その対称軸回りに回転可能とする。こ
のように、ローラ回転手段40として駆動ベルト42を
採用すれば、簡単な装置により、ピンホール検査領域8
aに位置するローラのみを回転させることができる。従
って、製造コストおよび運転コストを低減することがで
きる。
【0036】以上のように構成した検査装置を使用すれ
ば、検査領域において被検査物全周の目視検査を実施す
ることは可能である。しかし第1実施形態ではこれに加
えて、被検査物1に対する高電圧印加電極10および放
電検知電極20をピンホール検査領域8aに設置して、
ピンホール検査を可能とする。図4に、図3のA−A線
における正面断面図を示す。高電圧印加電極10は高圧
電源16に接続する。一方の放電検知電極20は接地す
るが、その途中に電流計測手段26を接続して、放電電
流を検知可能とする。高電圧印加電極10および放電検
知電極20として、水平配置した平板電極を使用するこ
とも可能であるが、本実施形態では被検査物1と常時接
触可能なブラシ型の電極を使用する。両電極のブラシ1
4,24は、アモルファスまたはリン青銅等の金属繊維
材料により、直径10μm〜100μm程度に形成し、
可撓性を付与する。特にアモルファスの金属繊維は長期
間使用しても形状変化が少なく、被検査物の表面に確実
に接触することができるので、ピンホールの検出漏れを
防止することができる。またリン青銅の金属繊維は導電
性が高いので、ピンホールの検出漏れを防止することが
できる。
【0037】高電圧印加電極10および放電検知電極2
0は、そのブラシ14,24の先端部が被検査物1に接
触可能となる高さに配置する。また、ピンホールは一般
に被検査物1の端部2に発生しやすいことから、高電圧
印加電極10,10を被検査物1の両端部2に配置する
とともに、放電検知電極20を被検査物1の中央部に配
置する。これにより、被検査物1の両端部2に対し同時
にピンホール検査を行うことができ、検査時間を短縮す
ることができる。なお高電圧印加電極10のブラシ14
の幅は、被検査物1におけるピンホール検査部分の長さ
に一致させる。一方の放電検知電極20のブラシ24
は、高電圧印加電極10のブラシ14の端部と一定間隔
をおいて配置し、高電圧印加電極10からの直接放電を
防止する。
【0038】一方、高電圧印加電極10および放電検知
電極20の長さは、図3に示すように、チェーン37に
対するローラ30の取り付けピッチより短くするのが好
ましい。これにより、各電極10,20に対して複数の
被検査物1が同時に接触することがなくなり、放電を検
知した場合にピンホールが発生している被検査物を特定
することができる。
【0039】なお、被検査物の搬送方向に沿って複数の
検査領域を設定し、各検査領域につき高電圧印加電極お
よび放電検知電極を設置してもよい。この場合には例え
ば、第1検査領域では被検査物の端部に高電圧印加電極
を配置し、第2検査領域では中央部から端部にかけて高
電圧印加電極を配置すれば、被検査物全体のピンホール
検査を実施することができる。また例えば、第1検査領
域および第2検査領域ともに被検査物の端部に高電圧印
加電極を配置すれば、一方の検査領域の電極に故障が発
生した場合でも、被検査物の端部におけるピンホールの
検出漏れを回避することができる。
【0040】上記のように構成した第1実施形態に係る
ピンホール検査装置は、以下のようにして使用する。な
お、導電性を有する内容物を封入した電気絶縁性を有す
る概略軸対称形状の容器であれば、本実施形態に係るピ
ンホール検査装置の被検査物となし得る。例えば、食料
品を封入したビニル容器やフィルム容器等を被検査物と
することができる。特に、図4に示すように一方または
両方の端部2を封止した先細形状の容器を被検査物とし
て、その端部のピンホール検査を行うことが可能であ
る。なお、内容物が隙間なく充填された被検査物の場合
には、火花放電を発生させ得る火花電圧がピンホールの
有無によって大きく異なるので、ピンホールの検出精度
が高くなる。また、そのような被検査物の場合には、被
検査物各部の火花電圧が同等となるので、放電検知電極
の位置においてもピンホール検査を行うことができる。
一方、被検査物は単純軸対称形状の容器に限られず、ロ
ーラ対によって回転可能でありなおかつ電極ブラシを連
続的に接触させ得るような、概略軸対称形状の容器であ
ればよい。
【0041】最初に、上記の被検査物をピンホール検査
装置に供給する。具体的には図1に示すように、まず被
検査物1をソータ整列機7のドラム内に投入する。ソー
タ整列機7は、ドラムの回転による遠心力を利用して、
投入された被検査物1を軸方向に整列させる。次に、被
検査物1をベルトコンベア33に搭載する。縦方向に整
列した被検査物1を、稼働中のベルトコンベア33の側
方から順次供給することにより、被検査物1は横方向に
整列した状態でベルトコンベア33上に搭載される。ベ
ルトコンベア33により被検査物1を搬送した後、図2
に示すように、ベルトコンベア33の端部からピンホー
ル検査装置8に被検査物1を連続供給する。すると、ピ
ンホール検査装置8における各搭載部301に、被検査
物1が一定間隔で搭載される。
【0042】次に、被検査物1をピンホール検査領域に
搬送する。具体的には、図示しないモータ等によりスプ
ロケット36を回転させ、スプロケット36に渡し掛け
られたチェーン37を移動させることにより、チェーン
37に取り付けられたローラ30が周回移動する。この
ように、周回手段35によってローラ30を移動させる
ことにより、ローラ30に搭載された被検査物1をピン
ホール検査領域8aまで搬送する。
【0043】次に、被検査物1を回転させ、ピンホール
検査を行う。ピンホール検査領域8aに搬送された被検
査物1は、高電圧印加電極10および放電検知電極20
(図4参照)に接触する。被検査物は電気絶縁性を有す
る材料から構成されているので、ピンホールがない部分
において火花放電を発生させ得る最小電圧(火花電圧)
Vsaは、ピンホールがある部分における火花電圧Vs
bより大きい。そこで、VsaとVsbとの間の電圧V
sを被検査物に印加することにより、ピンホールが存在
する部分でのみ火花放電を発生させることができる。こ
れにより、ピンホールを検出することができる。なおピ
ンホールの存在が確認された被検査物は、検査領域の下
流側に設置したプッシャ等により、ローラ上から排除す
る。
【0044】また、被検査物1を搭載したローラ30が
ピンホール検査領域8aまで移動すると、ローラ30の
下端が駆動ベルト42に当接する。そして図3に示すよ
うに、図示しないモータ等によりプーリ44を回転さ
せ、プーリ44に掛け渡された駆動ベルト42を矢印4
2aの方向に移動させることにより、駆動ベルト42に
当接したローラ30が矢印30aの方向に回転する。こ
れにより、ローラ30に搭載された被検査物1が矢印1
aの方向に回転する。従って、高電圧印加電極および放
電検知電極を被検査物1の全周に当接させることが可能
となり、全周に対するピンホール検査を行うことができ
る。なお、駆動ベルト42を上記と逆方向に移動させ、
これにより被検査物を上記と逆方向に回転させてもよ
い。
【0045】なお、ローラ回転手段40によるローラ3
0の回転速度は、被検査物1の全周検査が可能となる速
度に設定する。図3に示すように、被検査物1は回転し
ながら矢印37aの方向に移動するので、被検査物1の
全周検査を可能とするには、被検査物1が高電圧印加電
極10に接触してから通過するまでの間に少なくとも1
回転することが必要である。なお周回手段35によるロ
ーラ30の移動速度は、工程能力との関係で低減するこ
とが困難である。そこでローラ回転手段40によるロー
ラ30の回転速度を調整することにより、被検査物1の
全周検査を可能とする。
【0046】次に、ピンホール検査後の被検査物1を包
装する。図2に示すようにピンホール検査後の被検査物
1は、ピンホール検査装置8からベルトコンベア39に
受け渡される。そして図1に示すように、ベルトコンベ
ア39により包装領域9に供給され、包装される。
【0047】上記のように構成した第1実施形態に係る
ピンホール検査装置を、上記のように使用することによ
り、検査処理能力を向上させることができる。この点、
従来のピンホール検査装置では、被検査物の軸方向をベ
ルトコンベアの搬送方向と一致させ、ベルトコンベアの
表面に形成した仕切板の間に被検査物を配置して、ピン
ホール検査領域に供給し、ピンホール検査を行ってい
た。そのため、被検査物の供給間隔の短縮ないし検査時
間の短縮により、検査処理能力を向上させることが困難
であった。そこで、複数のピンホール検査ラインを設置
し、並行してピンホール検査を行うことにより、処理能
力を確保していた。しかしこの場合には多くのラインス
ペースが必要となり、また多くの製造コストを必要とす
るという問題があった。
【0048】しかし第1実施形態に係るピンホール検査
装置は、ピンホール検査領域を通過する周回手段を形成
し、その周回手段に複数のローラを並列配設して被検査
物の搭載部を形成し、検査領域においてローラを強制回
転させるローラ回転手段を設置することにより搬送され
た被検査物を回転可能として、連続供給される被検査物
の全周検査を可能とした。
【0049】従来の検査装置でピンホール検査を行うに
は、被検査物の軸方向をベルトコンベアの搬送方向と一
致させてピンホール検査領域に供給する必要があるのに
対し、第1実施形態の検査装置でピンホール検査を行う
場合には、被検査物の軸方向をベルトコンベアの搬送方
向と直交させてピンホール検査領域に供給することがで
きる。従って、被検査物の供給間隔を短くすることが可
能となり、検査処理能力を向上させることができる。な
お、従来の検査装置における被検査物の供給量は、例え
ば200個/分程度であるが、第1実施形態の検査装置
における供給量は、例えば400個/分程度とすること
ができるのである。
【0050】また、従来のピンホール検査装置では、被
検査物の軸方向に沿って相対的に高電圧印加電極を移動
させピンホール検査を行うのに対し、第1実施形態のピ
ンホール検査装置では、被検査物の周方向に沿って相対
的に高電圧印加電極を移動させピンホール検査を行うの
で、移動距離が短くなり検査時間を短縮することができ
る。従って、検査処理能力を向上させることができる。
これに伴って、複数のピンホール検査ラインを設置する
必要がなくなり、ラインスペースおよび製造コストを低
減することができる。
【0051】また、従来の検査装置でピンホール検査を
行うには、ベルトコンベアの表面に形成した仕切板の間
に被検査物を配置する必要があり、そのためベルトコン
ベアの移動速度に同期してベルトコンベア上に被検査物
を供給する必要があった。そこで、図9(2)に示す供
給装置260を、ベルトコンベア130の入口部分の上
方に設置していた。なお図9(2)は、同図(1)の側
面図である。この装置では、ホッパ262に投入された
複数の被検査物101を、スターホイル264により一
定間隔に分離する。そして、ベルトコンベア130の移
動速度に同期すべくスターホイル260の回転速度を調
整した上で、被検査物101をベルトコンベア130上
に供給する。
【0052】ここで被検査物の供給間隔を短くするに
は、ベルトコンベア130の表面に形成した仕切板13
1の間隔を狭くする必要がある。しかしこの場合には、
ベルトコンベアの移動速度に同期して被検査物を供給す
るのが困難になり、仕切板131の間に被検査物101
を配置する際に、被検査物101が仕切板131の上に
乗り上げて、ピンホール検査が実施できなくなるという
問題があった。また供給装置160の製造コストが問題
となっていた。
【0053】しかし第1実施形態の検査装置では、図2
に示すように、連続供給される被検査物が、隣接するロ
ーラ間の搭載部301において自動的に一定間隔で搭載
可能となる。そのため、被検査物1はベルトコンベア3
3上において、必ずしも一定間隔で整列している必要が
ない。よって、ベルトコンベア33の移動速度に同期し
て被検査物1を供給する必要がない。従って、被検査物
の供給間隔を短縮することができ、検査処理能力を向上
させることができる。加えて、被検査物を一定間隔で供
給するための図9(2)に示す供給装置160が不要と
なり、製造コストを低減することができる。
【0054】ところで、高電圧印加電極10と被検査容
器との間に空間があると、その空間部分の電気抵抗によ
り火花電圧Vsbが高くなって、印加電圧Vsでは火花
放電が発生しなくなる。従って、ピンホールの検出漏れ
が発生する。そのため、ピンホール検査部分に対し高電
圧印加電極10のブラシ14を確実に接触させる必要が
ある。
【0055】この点、従来のピンホール検査装置では、
図10(2)に示すように、高電圧印加電極110のブ
ラシ114が、軸対称容器101の外周面に接触しなが
ら、その軸方向に沿って相対的に移動する。よって、軸
対称形状容器101の軸方向にしなった状態で移動する
ことになる。そして図11(1)に示すように、被検査
物101の端部102において被検査物の外径が急激に
小さくなると、しなっていたブラシ114は高電圧印加
電極110の中心部に向かって急激に復帰する。そのと
き、被検査物の端部102にブラシ114が十分に接触
できずに、ピンホールの検出漏れが発生する問題があっ
た。
【0056】しかし第1実施形態に係るピンホール検査
装置では、図3に示すように、ローラを平行に配置した
ローラ対の上方に被検査物1を搭載可能とし、ローラ3
0を回転させるローラ回転手段40を設置して被検査物
1を回転可能とし、ローラ対の上方にブラシ型の高電圧
印加電極10を設置して被検査物1に接触可能とした構
成とした。この場合、高電圧印加電極10のブラシ14
は、軸対称形状容器1の外周面に接触しながら、その周
方向に沿って相対的に移動する。その間ブラシ14の姿
勢は、しなった状態のまま変化しない。従って、軸方向
に沿って急激に形状が変化する被検査物1に対しても、
高電圧印加電極10のブラシ14を確実に接触させるこ
とが可能であり、ピンホールの検出漏れがない。
【0057】また、図11(2)に示すように、被検査
物101の端部102がピンホール検査部分103に向
かって傾倒する場合がある。この点、従来のピンホール
検査装置では、高電圧印加電極110のブラシ114
は、軸対称形状容器101の軸方向に沿って相対的に移
動する。そのためブラシ114は、被検査物101の傾
倒した端部102に妨害され、ピンホール検査部分10
3に接触することが困難であった。またブラシ114
は、傾倒した端部102をさらに傾倒させる方向に押し
付けるので、ピンホール検査部分103に接触すること
が大変困難であった。従って、ピンホールの検出漏れが
発生する問題があった。
【0058】しかし第1実施形態に係るピンホール検査
装置では、高電圧印加電極10のブラシ14は、軸対称
形状容器1の周方向に沿って相対的に移動する。そのた
め図5に示すように、被検査物1の傾倒した端部2とピ
ンホール検査部分3との間に、高電圧印加電極10のブ
ラシ14を入り込ませることができる。従って、端部2
がピンホール検査部分3に向かって傾倒する被検査物1
に対しても、高電圧印加電極10のブラシ14を確実に
接触させることができるので、ピンホールの検出漏れが
ない。
【0059】一方、被検査物によっては、内容物もしく
は容器の材料のばらつきにより、または製造工程におけ
る加熱処理等により、図12に示すように反りを生じる
場合がある。この点、従来のピンホール検査装置では、
高電圧印加電極110のブラシ114の先端が、反りを
生じた被検査物101における端部102の背面側10
2aに接触できずに、ピンホールの検出漏れが発生する
問題があった。しかし第1実施形態に係るピンホール検
査装置では、ローラ間の上方に被検査物を搭載可能と
し、その被検査物を回転可能とし、その上方にブラシ型
の高電圧印加電極を設置したので、図6に示すように、
反りを生じた被検査物1における端部2の背面側2aに
対しても、高電圧印加電極10のブラシ14を確実に接
触させることができる。従って、ピンホールの検出漏れ
がない。
【0060】なお、高電圧印加電極のブラシを、軸対称
形状容器の周方向に沿って相対的に移動させるピンホー
ル検査装置として、実用新案登録第3044448号が
提案されている。この装置では、コンベアベルトの移動
方向と被検査物の軸方向とを直交させて、コンベアベル
ト上に被検査物を搭載する。そしてその被検査物を上方
から押さえつけた上で、そのコンベアベルトを移動させ
ることにより、被検査物を回転させる。ところがこの装
置では、被検査物を上方から押さえつけているので、反
りを生じた被検査物がコンベア表面から離れることがで
きずに、これを自在に回転させることができない。しか
し、上述した第1実施形態に係るピンホール検査装置で
は、被検査物を上方から押さえつけることがなく、しか
もローラは被検査物と点で接触していれば摩擦力を作用
させることができるので、反りを生じた被検査物を自在
に回転させることができるのである。
【0061】次に、第2実施形態について説明する。図
7に第2実施形態に係るピンホール検査装置の説明図を
示す。なお図7は、図3のA−A線に相当する部分にお
ける正面断面図である。第2実施形態に係るピンホール
検査装置は、ローラ80の外周面を導電性材料で形成
し、ブラシ型の放電検知電極70をローラ80の下方に
設置してローラ80の外周面に接触可能とする一方で、
ブラシ型の高電圧印加電極60を被検査物1の長さ以上
の幅に形成して、被検査物の長さ方向全体に接触可能と
したものである。なお、第1実施形態と同じ構成となる
部分については、その説明を省略する。
【0062】第2実施形態では、ローラ80の外周面を
金属等の導電性材料で形成する。すなわち、ローラ80
の全体を導電性材料で形成する必要はなく、その芯部を
樹脂等の電気絶縁性材料で形成し、外周部のみを金属等
の導電性材料で形成すればよい。これにより製造コスト
を低減することができる。またローラ80が軽量化され
るので、ローラ回転手段が消費するエネルギーが低減さ
れ、運転コストを低減することができる。
【0063】またローラ80の下方に、ブラシ型の放電
検知電極70を設置する。放電検知電極70は、そのブ
ラシ74の先端がローラ80の外周面に接触可能となる
位置に配置する。なお、ブラシ型の放電検知電極70の
代わりに、ベルト手段86の位置に導電性を有するスチ
ールコンベア等を設置することにより、ベルト手段およ
び検知電極の機能を兼務させてもよい。一方、ローラ対
の上方に設置するブラシ型の高電圧印加電極60は、被
検査物1の長さ以上の幅に形成して、そのブラシ64を
被検査物1の長さ方向全体に接触可能とする。
【0064】上記のように構成した第2実施形態に係る
ピンホール検査装置では、ブラシ型の高電圧印加電極6
0を被検査物1の長さ以上の幅に形成し、被検査物1の
長さ方向全体に接触可能としているので、被検査物1の
全面にわたるピンホール検査が可能である。この点第1
実施形態では、図4に示すように、高電圧印加電極10
から放電検知電極20への直接放電を回避するため、高
電圧印加電極10と放電検知電極20との間に一定間隔
をおく必要があり、ピンホール検査を実施できない部分
がある。しかし第2実施形態では、図7に示すように、
被検査物1と接触するローラ80の表面を導電性材料で
形成することにより、ローラ80を放電検知電極の一部
として使用する。そのため放電検知電極70をローラ8
0の下方に配置することができるのであり、さらには高
電圧印加電極60を被検査物1の長さ以上の幅に形成す
ることができるのである。従って、被検査物1の全面に
わたるピンホール検査が可能となる。
【0065】なお被検査物1において、ピンホール検査
を行う必要がない検査不要領域がある場合には、当該領
域に接触する高電圧印加電極60のブラシ64を削除す
るのが好ましい。この点第1実施形態では、検査不要領
域がある場合でも、当該領域に放電検知電極のブラシを
接触させる必要があり、被検査物の表面を傷つけるおそ
れがある。しかし第2実施形態では、放電検知電極70
はローラ80の下方に配置するので、検査不要領域には
いかなるブラシも接触させる必要がない。従って、検査
不要領域に接触する高電圧印加電極60のブラシ64を
削除することにより、被検査物1の表面を傷つける可能
性を低減することができる。
【0066】次に、第3実施形態について説明する。図
8に第3実施形態に係るピンホール検査装置の説明図を
示す。なお図8は、図3のA−A線に相当する部分にお
ける正面断面図である。第3実施形態に係るピンホール
検査装置は、被検査物1の最大外径部分と接触するロー
ラ180の外周面に導電性材料からなる導電部分182
を形成し、ブラシ型の放電検知電極170を導電部分1
82の下方に設置して導電部分182に接触可能とする
一方で、ブラシ型の高電圧印加電極160におけるブラ
シ164の長さを、導電部分182に対する直接放電を
回避可能な長さとしたものである。なお、第1実施形態
または第2実施形態と同じ構成となる部分については、
その説明を省略する。
【0067】第3実施形態では、軸対称形状容器の最大
外径部分と接触するローラ180の軸方向所定部分につ
き、その外周面に導電性材料からなる導電部分182を
形成する。図8では、被検査物1の胴部が最大外径部分
であるため、その胴部と接触するローラ180の軸方向
中央部分につき、その外周面を導電性材料で形成して導
電部分182とする。なお、ローラ180の芯部および
導電部分182以外の外周面は、樹脂等の電気絶縁性材
料で形成する。
【0068】また、その導電部分182の下方にブラシ
型の放電検知電極170を設置する。放電検知電極17
0は、そのブラシ174の先端が導電部分182に接触
可能となる位置に配置する。なおベルト手段186は、
放電検知電極170との干渉を避けるため、ローラ18
0の軸方向両端部に配置する。なお、ブラシ型の放電検
知電極170の代わりに、導電性を有するスチールコン
ベア等を設置することにより、ベルト手段および検知電
極の機能を兼務させてもよい。この場合には、スチール
コンベア等はローラ180の軸方向中央部に形成する。
【0069】一方、高電圧印加電極160におけるブラ
シ164の長さは、導電部分182に対する直接放電を
回避可能な長さとする。具体的には、導電部分182の
直上またはその近傍部分のブラシ164につき、その先
端部分のみが被検査物1に接触する程度の長さとする。
なお図8では、被検査物1の長さ方向のほぼ全体につ
き、ブラシ164の先端部164aを短くして、導電部
分182に対する直接放電を回避可能としている。
【0070】上記のように構成した第3実施形態に係る
ピンホール検査装置では、ローラ180の軸方向一部分
のみに導電部分182を形成しているので、製造コスト
を低減することができる。また、ローラ180が軽量化
されるので、ローラ回転手段が消費するエネルギーが低
減され、運転コストを低減することができる。なお導電
部分182は、軸対称形状容器の最大外径部分と接触す
るローラ180の軸方向所定位置に形成しているので、
ローラ180との接触を常に維持することができ、ピン
ホールの検出漏れがない。
【0071】また、第3実施形態に係るピンホール検査
装置では、ローラ180の軸方向一部分のみに導電部分
182を形成しているので、導電部分182に対する直
接放電を回避することができる。具体的には、高電圧印
加電極160のブラシ164につき、導電部分182に
対する直接放電を回避可能な長さとすればよい。なお導
電部分182は、軸対称形状容器の最大外径部分に対応
する部分に形成しているので、当該部分におけるブラシ
164の長さを短くしてもこれを被検査物1に接触させ
ることが可能であり、ピンホールの検出漏れがない。
【0072】
【発明の効果】概略軸対称形状の製品を被検査物とする
ピンホール検査方法であって、前記被検査物を並列配置
した状態でピンホール検査領域に搬送し、前記被検査物
を前記対称軸回りに回転させつつピンホール検査を行う
ことにより、前記被検査物の全周検査を可能とした構成
としたので、高い検査処理能力を発揮することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態に係るピンホール検査装置を使用
した、ピンホール検査工程およびその前後工程の平面図
である。
【図2】第1実施形態に係るピンホール検査装置の側面
図である。
【図3】図2におけるピンホール検査領域の拡大図であ
る。
【図4】図3のA−A線における正面断面図である。
【図5】第1実施形態に係るピンホール検査装置によ
る、端部が傾倒した被検査物に対するピンホール検査の
説明図である。
【図6】第1実施形態に係るピンホール検査装置によ
る、反りを生じた被検査物に対するピンホール検査の説
明図である。
【図7】第2実施形態に係るピンホール検査装置の説明
図であり、図3のA−A線に相当する部分における正面
断面図である。
【図8】第3実施形態に係るピンホール検査装置の説明
図であり、図3のA−A線に相当する部分における正面
断面図である。
【図9】(1)は第1実施形態に係るピンホール検査装
置を使用したピンホール検査工程およびその前後工程の
平面図であり、(2)は被検査物の供給装置の説明図で
あって図9(1)の側面図である。
【図10】従来技術に係るピンホール検査装置の説明図
であり、(1)は高電圧印加電極の斜視図であり、
(2)はピンホール検査装置全体の側面断面図である。
【図11】従来技術に係るピンホール検査装置によるピ
ンホール検査の説明図であり、(1)は先細形状の端部
を有する被検査物に対するピンホール検査の説明図であ
り、(2)は端部が傾倒した被検査物に対するピンホー
ル検査の説明図である。
【図12】従来技術に係るピンホール検査装置による、
反りを生じた被検査物に対するピンホール検査の説明図
である。
【符号の説明】
1………被検査物、1a………回転方向、2………端
部、2a………背面側、3………ピンホール検査部分、
7………ソータ整列機、8………ピンホール検査装置、
8a………ピンホール検査領域、9a………包装領域、
10………高電圧印加電極、14………ブラシ、16…
……高圧電源、20………放電検知電極、24………ブ
ラシ、26………電流計測手段、30………ローラ、3
0a………回転方向、33………ベルトコンベア、35
………周回手段、36………スプロケット、37………
チェーン、37a………移動方向、39………ベルトコ
ンベア、40………ローラ回転手段、42………駆動ベ
ルト、42a………移動方向、44………プーリ、60
………高電圧印加電極、64………ブラシ、70………
高電圧印加電極、74………ブラシ、80………ロー
ラ、81………中心軸、86………ベルト手段、101
………被検査物、102………端部、102a………背
面側、105a,105b………ピンホール検査ライ
ン、108a………ピンホール検査領域、109a……
…包装領域、110………高電圧印加電極、112……
…外枠、114………ブラシ、122………入口側放電
検知電極、124………出口側放電検知電極、130…
……ベルトコンベア、131………仕切板、132……
…入口側コンベア、134………出口側コンベア、16
0………高電圧印加電極、164………ブラシ、164
a………先端部分、170………高電圧印加電極、17
4………ブラシ、180………ローラ、182………導
電部分、186………ベルト手段、260………供給装
置、262………ホッパ、264………スターホイル、
301………搭載部
【手続補正書】
【提出日】平成13年12月10日(2001.12.
10)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】削除
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】また本発明は、コスト低減が可能なピンホ
ール検査装置およびその方法の提供を目的とする。また
本発明は、確実にピンホールの検出が可能なピンホール
検査装置の提供を目的とする。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0023
【補正方法】変更
【補正内容】
【0023】また、前記周回手段の周回方向に沿った複
数のピンホール検査領域に前記高電圧印加電極と前記放
電検知電極とを設置した構成とした。これにより、ピン
ホールを確実に検出することができる。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】削除
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】削除
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0027
【補正方法】削除
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】削除
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0029
【補正方法】削除

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 概略軸対称形状の製品を被検査物とする
    ピンホール検査方法であって、前記被検査物を並列配置
    した状態でピンホール検査領域に搬送し、前記被検査物
    をその対称軸回りに回転させつつピンホール検査を行う
    ことにより、前記被検査物の全周検査を可能としたこと
    を特徴とするピンホール検査方法。
  2. 【請求項2】 前記被検査物はローラ対に搭載して搬送
    し、前記ローラ対を回転させることにより間接的に前記
    被検査物を回転させることを特徴とする請求項1に記載
    のピンホール検査方法。
  3. 【請求項3】 概略軸対称形状の製品を被検査物とする
    ピンホール検査装置であって、ピンホール検査領域を通
    過する周回手段を設け、前記周回手段には前記被検査物
    を周回方向と交差する方向に配列して搭載する搭載部を
    形成し、前記ピンホール検査領域において前記被検査物
    をその対称軸回りに回転させる回転手段を設けて、前記
    被検査物の全周検査を可能としたことを特徴とするピン
    ホール検査装置。
  4. 【請求項4】 前記被検査物の搭載部は前記周回手段の
    周回方向と交差する方向に配列された複数のローラによ
    り形成され、前記ピンホール検査領域において前記被検
    査物を搭載しているローラを強制回転させることにより
    前記被検査物を前記対称軸回りに回転させる回転手段を
    設けて、前記被検査物の全周検査を可能としたことを特
    徴とする請求項3に記載のピンホール検査装置。
  5. 【請求項5】 前記回転手段は、前記ピンホール検査領
    域において前記ローラに当接するベルト手段であること
    を特徴とする請求項4に記載のピンホール検査装置。
  6. 【請求項6】 前記ピンホール検査領域に高電圧印加電
    極と放電検知電極とを設置して、前記被検査物に対する
    ピンホール検査を可能としたことを特徴とする請求項3
    ないし5のいずれか1に記載のピンホール検査装置。
  7. 【請求項7】 前記周回手段の周回方向に沿った複数の
    ピンホール検査領域に前記高電圧印加電極と前記放電検
    知電極とを設置したことを特徴とする請求項6に記載の
    ピンホール検査装置。
  8. 【請求項8】 前記高電圧印加電極は前記被検査物の端
    部に接触する電極ブラシであり、前記放電検知電極は前
    記被検査物の中央部に接触する電極ブラシであることを
    特徴とする請求項6に記載のピンホール検査装置。
  9. 【請求項9】 前記電極ブラシは、アモルファス金属ま
    たはリン青銅により形成されてなることを特徴とする請
    求項8に記載のピンホール検査装置。
  10. 【請求項10】 前記ローラの外周面を導電性材料で形
    成するとともに、前記放電検知電極を前記ローラの下方
    に設置したことを特徴とする請求項6に記載のピンホー
    ル検査装置。
  11. 【請求項11】 前記被検査物の最大外径部分と接触す
    る前記ローラ対の外周面に導電性材料からなる導電部分
    を形成するとともに、前記放電検知電極を前記導電部分
    の下方に設置したことを特徴とする請求項6に記載のピ
    ンホール検査装置。
JP2001138662A 2001-05-09 2001-05-09 ピンホール検査装置およびその方法 Pending JP2002333432A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008510999A (ja) * 2004-08-26 2008-04-10 ダイヤモンド マシン ワークス, インク. キャリアライン配向自転式高電圧漏出検出システム及び方法

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