JP3674623B2 - メソカーボンマイクロビーズ - Google Patents

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Description

本発明は、高密度、高強度および耐薬品性、耐熱性等に優れた特殊炭素材やリチウム二次電池負極材料等の各用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズに関する。
コールタールやコールタールピッチを300〜500℃で加熱し、反応生成物を150〜450℃で高温遠心分離等を行うと、固形分、すなわち粗MCMB(以下、メソカーボンマイクロビーズとあるのは、MCMBと略す。)が生成する。これらの製造方法を記載した文献として、例えば、特公平01−27968号公報、特開平01−242691号公報などがある。反応タールやピッチマトリックスから生成したMCMB生品を分離するに際しては、溶剤抽出法、希釈重力沈降法などの溶媒を用いる方法と高温遠心分離法などの溶媒を用いない方法の2つがある。後者の方法においても、得られた粗MCMBを洗浄、精製するために溶剤が用いられる。ここで、キノリン等のように溶解力が強過ぎる溶剤を用いれば、MCMBの球体の周囲にはタールやピッチマトリックスに由来するピッチ成分が付着していない単離MCMB(この単離MCMBは、キノリン不溶分リッチな成分から成る球体である。)となる。このような単離MCMBから特殊炭素材の各用途に使用する場合、単離MCMBとバインダーを混合した後、成型焼成していた。また、粗MCMBは、タールやピッチマトリックスに由来するピッチ成分(以下、単に、ピッチ成分という。)がMCMBの球体の周囲を取り囲み、ピッチ成分が癒着することにより、図13に示すように、ピッチ成分で覆われたMCMB同士が癒着、凝集した状態となっているが、トルエン等のように溶解力が弱過ぎる溶剤を用いれば、ピッチ成分の癒着部分を溶解し、MCMBの球体の周囲が、ピッチ成分で覆われたMCMBをピッチ成分から、独立に分離することが困難であった。
特公平01−27968号公報 特開平01−242691号公報
従来用いられたキノリン等とトルエン等の溶剤の溶解力が強過ぎ又は弱過ぎたため、溶解力が中程度の安価な溶剤によりタールやピッチマトリックスに由来するピッチ成分の癒着部分のみを溶解し、MCMBの球体の周囲のピッチ成分はそのまま溶解させないで残し、ピッチ成分で覆われたMCMBを独立して分離精製することが大きな課題となっていた。さらに、このような単離MCMBから特殊炭素材の各用途に使用する場合、単離MCMBとバインダーを混合した後、成型焼成する必要があったが、このバインダーを混合する行程の省略化によるコストダウンを図ることも課題となっていた。そこで、本発明は、コールタールやコールタールピッチなどの石炭系重質油を原料として、独立分離精製された、MCMBの球体の周囲を均一な膜厚のピッチ成分で覆われたMCMBを製造することを目的とする。また、従来用いられたキノリン等により独立して分離精製されたMCMBを製造することができるが、キノリン等は高価であり、安価な溶剤により、独立して分離精製されたMCMBを製造することをも目的とする。
従来用いられたキノリン等とトルエン等の溶剤の溶解力が強過ぎ又は弱過ぎたため、溶解力が中程度の安価な溶剤としてタール中油を選定することにより、ピッチマトリックスに由来するピッチ成分の癒着部分のみを溶解して ピッチ成分の膜厚を制御して 球体の周囲を覆っているMCMBを発明した。

[請求項1]石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを遠心分離後、沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理することにより得られる、メソカーボンマイクロビーズの球体の周囲が0.01〜1μmの厚さのピッチ成分で覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集しないメソカーボンマイクロビーズ生品を、粉体のまま炭化することによって得られ、表面に異方性組織を有するリチウム2次電池負極材料の用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズ炭化品。
[請求項2]石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを遠心分離後、沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理することにより得られる、メソカーボンマイクロビーズの球体の周囲が0.01〜1μmの厚さのピッチ成分で覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集しないメソカーボンマイクロビーズ生品を、粉体のまま炭化し、次に黒鉛化することによって得られ、表面に異方性組織を有するリチウム2次電池負極材料の用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品。
[請求項]1〜10μmの厚さのピッチ成分で覆われた請求項1〜記載のリチウム2次電池負極材料の用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズの黒鉛化品又はメソカーボンマイクロビーズの炭化品。

すなわち、コールタールやコールタールピッチなどの石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを遠心分離後、沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理することにより得られる0.01〜10μmのピッチ成分で覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集しないメソカーボンマイクロビーズ生品、を得る。この時洗浄処理することにより、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚を0.01〜10μmに調製することができる。(溶剤分析におけるTI〜QIの値を0〜20%に調製することができる。)
すなわち、タール中油の量と洗浄時間を洗浄温度を加減することにより、溶剤の洗浄力をコントロールすることによりピッチ成分に覆われたMCMB生品を独立して分離精製することができ、さらにMCMBを覆ったピッチ成分の膜厚を均一かつ所定の厚さにすることが可能となった。タール中油の量が少なすぎると均一に洗浄することができず、多すぎるとタール中油がコスト高となる。洗浄時間は短か過ぎると、ピッチ成分に覆われたMCMBを独立して分離することができず、長すぎると、ピッチ成分に覆われていないMCMBを独立して分離することができるが、必要以上の時間をかけ過ぎ不経済となる。洗浄温度は、高くなる程、タール中油の溶解力が大となり、MCMBを覆ったピッチ成分の膜厚を薄くまたはピッチ成分で覆われていないMCMBを製造することができる。ここに、洗浄は、機械攪拌等の攪拌下、MCMBを覆っているピッチ成分の癒着部分のみを溶解させた後、各ピッチ成分で覆われたMCMB同士を衝突させて、機械的な力によりピッチ成分の角部分が研磨されて球面状の均一な膜厚とすることができる。MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分は、MCMB生品を成型及び焼成して炭素製品を製造するに際し、焼成時に軟化溶融して収縮率を高め、炭素製品の密度及び強度を向上させる効果を有するため、非常に有用なものである。特に、ピッチ成分の膜厚が均一であることは、MCMB生品を成型及び焼成してできた炭素製品の密度及び強度等の品質が均一であるという利点がある。また、上記の方法で得られたMCMBの球体の周囲が均一にピッチ成分で覆われているMCMB生品は、粉体のまま炭化さらには黒鉛化焼成を行ってもMCMBの球体の周囲のピッチ成分は異方性組織となって維持され、図14に示すように、球体同士が癒着、凝集することはない。さらに、生品の段階で酸化処理を行っておけば、焼成時に表面のピッチ成分は等方性組織となる。こうして得られたMCMBの球体の周囲がピッチ成分で覆われているMCMBの炭化品ならびに黒鉛化品はリチウム二次電池の負極材として用いた場合、電解液の有機溶媒と反応しにくいという利点を有している。この理由として、MCMBは、活性な結晶子の端面(edge plane)が、外側に配向しているため、電解液の有機溶媒と反応しやすい。これを炭素の縮合多環網目である基底面(basal plane)が外側に配向しているピッチ成分で覆うことにより、電解液の有機溶媒との反応を防止できるからであると考えられる。MCMBの球体の周囲がピッチ成分で覆われていないMCMBは、粉体のまま炭化さらには黒鉛化することにより、MCMB炭化品および黒鉛化品が得られる。こうして得られたMCMBの球体の周囲がピッチ成分で覆われていないMCMBの炭化品、黒鉛化品はリチウム二次電池の負極材として用いた場合、ピッチ成分で覆われていない効果として、リチウムイオンの吸蔵能力が向上するため、放電容量より充放電効率が高い値となる。この理由として、球体表面のピッチ成分は、炭素の縮合多環網目である基底面(basal plane)が球面方向に配向しているので、リチウムイオンの出入りを阻害する。しかし、この表面層が除去されれば、精製MCMB内の結晶子の端面(edge plane)が、球体表面に露出するため、この端面から出るためリチウムイオンが出入りしやすくなり精製MCMBが本来有するリチウムイオン吸蔵能力を十分に発揮するからであると予想される。また、これらのMCMBを炭化、さらには、黒鉛化しても、表面のピッチ成分は維持され、異方性組織のままであることが実験的に確認された。また、生品の段階で酸化しておけば、ピッチ成分は等方性組織となることも実験的に確認された。なお、上記において、等方性組織からなるピッチ成分に覆われたMCMBの炭化品または黒鉛化品は、リチウム二次電池負極材料等の各用途に使用されると、異方性組織からなるピッチ成分に覆われたMCMBの炭化品または黒鉛化品に比較して、溶媒と反応しにくいという利点がある。すなわち、MCMB生品を粉体のまま、炭化および黒鉛化する前に、酸化雰囲気中、20〜300℃の温度範囲で酸化する行程を設ければ、MCMB生品をそのままで、粉体のまま、炭化および黒鉛化した場合に比較して、炭化品または黒鉛化品は、より溶媒と反応しにくくなる。
本発明は、精製MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚を0.01〜10μmとくに0.01から1μmの薄さに制御できるため、MCMBの球体の周囲がピッチ成分で均一に覆われたMCMBを製造することができる。タール中油による洗浄条件をコントロールすることにより、電解液の有機溶媒と反応しにくいという性質を有するMCMBの球体の周囲が厚いピッチ成分で均一に覆われたMCMB、あるいは、充放電効率が高いという性質を有するMCMBの球体の周囲が薄いピッチ成分で均一に覆われたMCMBの両方を適宜選択的に製造することができる。
したがって、ピッチ成分の膜厚を制御することによりピッチ成分で均一に覆われたMCMBの性質を予測してピッチ成分で覆われたMCMBを製造することができる。さらに、MCMBの球体の周囲がピッチ成分で均一に覆われたMCMBは、成型する場合、従来であれば、単離MCMBを接着するために、用いるバインダーの役割をMCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分に負わせるためにバインダーとMCMBを混合する行程を省略できるという効果がある。そして、従来は、単離MCMBとバインダーを混合して成型されたものを炭化または黒鉛化する場合、バインダーの量が少な過ぎると、単離MCMBの隙間をピッチ成分が十分に埋めることができず局部的に強度が弱い部分を生じ、全体の製品としても強度が不十分となる。また、逆に、バインダーの量が多過ぎると、焼成時に膨張して、成型時に割れてしまうという不都合があり、単離MCMBとバインダーを混合割合に留意する必要があった。ここに、本発明では、バインダーの役割をするピッチ成分の膜厚を適当な厚さに制御することにより従来の上記の様な不都合を回避できるという効果を有する。
以下に実施例および比較例を示し、本発明の特徴とするところをより一層明確にする。
〔偏光顕微鏡観察〕MCMBを樹脂と混合して、成型、研磨を行ない、光源にハロゲン白熱灯を用いたZeiss社製オルソルックス反射偏光顕微鏡により、直交ニコル下で石こう検板を入れて組織を観察した。
実施例1
100℃以下の沸点留分を除去したコールタール(一次QI含有率2.0%)を高温遠心分離し、清澄液(一次QI含有率トレース)を得た。遠心分離機としては、保有容積40リットル遠心力分離機を使用し、回転数3000rpm、遠心力2280G、温度200℃、処理量1ton/hrの条件下に操作した。次いで、清澄液を温度395℃、圧力0.4MPaに16時間熱処理することにより、反応生成物(二次QI分4.4重量%)を得た後、上記と同様の第二の遠心分離機を使用して、回転数6000rpm、遠心力3000G、温度270℃、処理量1ton/hrの条件下に再度遠心分離に供し、粗MCMBを収得した。次いで、上記のようにして得た粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に150℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理をした後、遠心分離して二次洗浄を行い、精製MCMBを得た。図7に一次洗浄MCMBと生成MCMBの性状を示す。この精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図1(a)に示す。図1(a)においてMCMB球体の粒径は10μm、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚は0.1μmである。しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。以下、この精製MCMBをMCMB生品と呼ぶことにする。このMCMB生品を粉体のまま、窒素雰囲気中、1000℃で1時間焼成し、炭化した。この炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図1(b)に示す。図1(b)において炭化MCMBの球体の周囲が異方性組織からなるピッチ成分で均一に覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。以下、この炭化MCMBをMCMB炭化品と呼ぶことにする。このMCMB炭化品を粉体のまま、窒素雰囲気中、2800℃で1時間焼成し、黒鉛化した。この黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図1(c)に示す。図1(c)において黒鉛化MCMBの球体の周囲が異方性組織からなるピッチ成分で均一に覆われていることがわかる。
実施例2
実施例1と同様にして得られた粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に100℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して二次洗浄を行い、精製MCMBを得た。図8に一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す。この精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図2(a)に示す。図2(a)においてMCMB球体の粒径は10μm、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚は0.2μmである。しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。このMCMB生品を空気雰囲気中、120℃で3時間酸化処理した後、粉体のまま、窒素雰囲気中、1000℃で1時間焼成し、炭化した。この炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図2(b)に示す。図2(b)において球体の周りが、等方性組織からなるピッチ成分で均一に覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。このMCMB炭化品を粉体のまま、窒素雰囲気中、2800℃で1時間焼成し、黒鉛化した。黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図2(c)に示す。図2(c)において球体の周りが等方性組織からなるピッチ成分で均一に覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。
実施例3
実施例1と同様にして得られて粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理をした後、遠心分離して二次洗浄を行い、図9に一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す。この精製MCMB生品の偏光顕微鏡での観察結果を図3に示す。図3においてMCMB球体の粒径は10μm、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚は0.3μmである。しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。
実施例4
実施例1と同様にして得られた粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に200℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理をした後、遠心分離して二次洗浄を行い、精製MCMBを得た。図10に一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す。このMCMB生品の偏光顕微鏡での観察結果を図4(a)に示す。図4(a)において球体の周りのピッチ成分が完全に取り除かれていることがわかる。この精製MCMB生品を粉体もまま、窒素雰囲気中、1000℃で1時間焼成し、炭化した。この炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図4(b)に示す。このMCMB炭化品を粉体のまま、窒素雰囲気中、2800℃で1時間焼成し、黒鉛化した。この黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図4(c)に示す。
実施例5
100℃以下の沸点留分を除去したコールタール(一次QI含有率2.0%)を高温遠心分離し、清澄液(一次QI含有率トレース)を得た。遠心分離機としては、保有容積40リットルの横型遠心分離機を使用し、回転数3000rpm、遠心力2280G、温度200℃、処理量1ton/hrの条件下に操作した。次いで、清澄液を温度410℃、圧力0.4MPaに16時間熱処理することにより、反応生成物(二次QI分20重量%)を得た後、上記と同様の第二の遠心分離機を使用して、回転数6000rpm、遠心力3000G、温度270℃、処理量1ton/hrの条件下に再度遠心分離に供し、粗MCMBを収得した。次いで、上記のようにして得た粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に150℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理をした後、遠心分離して二次洗浄を行い、精製MCMBを得た。図11に一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す。この精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を図5に示す。図5においてMCMB球体の粒径は100μm、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚は1μmである。しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。
実施例6
実施例5と同様にして得られた粗MCMB1部に対し、1部のタール中油(沸点範囲230〜330℃)を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して一次洗浄したMCMBを得た。次いで、上記で得た一次洗浄後のMCMB1部に対し、トルエン1部を加え、攪拌下に20℃で1時間洗浄処理した後、遠心分離して二次洗浄を行い、精製MCMBを得た。図12に一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す。この精製MCMB生品の偏光顕微鏡での観察結果を図6に示す。図6においてMCMB球体の粒径は100μm、MCMBの球体の周囲を覆っているピッチ成分の膜厚は5μmである。しかも球体同士が癒着または凝集していないことがわかる。
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
(a)は、実施例1の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図。(b)は、実施例1の炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図(c)は、実施例1の黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 (a)は、実施例2の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図(b)は、実施例2の炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図(c)は、実施例2の黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 実施例3の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 (a)は、実施例4の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図(b)は、実施例4の炭化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図(c)は、実施例4の黒鉛化MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 実施例5の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 実施例6の精製MCMBの偏光顕微鏡での観察結果を示す図 実施例1の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 実施例2の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 実施例3の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 実施例4の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 実施例5の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 実施例6の一次洗浄MCMBと精製MCMBの性状を示す図表 相互に癒着した粗MCMBを示す図 独立分離したMCMBの球体の周囲がピッチ成分で均一に覆われたMCMBを示す図
符号の説明
1 MCMB
2 ピッチ成分
3 ピッチ成分同士の癒着部分

Claims (2)

  1. 石炭系重質油を熱処理し、生成した粗メソカーボンマイクロビーズを遠心分離後、沸点範囲100〜500℃のタール中油を粗メソカーボンマイクロビーズ重量の0.1〜20倍量加え、10〜300℃で0.1〜20時間洗浄処理することにより得られる、メソカーボンマイクロビーズの球体の周囲が0.01〜1μmの厚さのピッチ成分で覆われており、しかも球体同士が癒着または凝集しないメソカーボンマイクロビーズ生品を、粉体のまま炭化し、粉砕工程を有しないで、次に黒鉛化することによって得られ、表面に異方性組織を有するリチウム2次電池負極材料の用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズ黒鉛化品。
  2. 1〜10μmの厚さのピッチ成分で覆われた請求項記載のリチウム2次電池負極材料の用途に使用されるメソカーボンマイクロビーズの黒鉛化品。
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