JP3673753B2 - 粘着性ゴムのブロッキング防止方法 - Google Patents

粘着性ゴムのブロッキング防止方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着性ゴムのブロッキングを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、架橋してゴム状弾性体を形成するポリマー、それに充填剤などを配合した混和物、またはそれらの架橋体(以下、ゴム類という)をペレット状にして搬送・供給することは、この供給形態が、装置へのゴム類の連続的な供給を可能にすること、また高い処理量が可能になることから、大変望ましいことである。しかしながら、ゴム類、特に粘着性の強いポリマーやその混和物を、既知の技術を用いてペレット状にした場合には、そのペレットが、即座に、もしくは保管・搬送中に凝集したり、または塊が容易にくずし難い程の粘着状態となる、いわゆるブロッキングを生じる。このため、通常、ゴム類は、ベールなどの塊状で、搬送・供給されている。このような塊状の形態で搬送・供給される場合、たとえば、通常、ゴム類の成形加工の際に、その塊を切断する必要があるが、これには多くの人手と時間を要し、工程改良の課題となっている。
【0003】
一方、プラスチックの改質材として未架橋ゴムの用途が広がりつつあり、未架橋ゴムと樹脂ポリマーおよび必要に応じて添加剤を配合してゴム改質プラスチックを製造するコンパウンディングの際に、固形の未架橋ゴムが用いられる場合には、あらかじめ機械的に粉砕することが一般的であり、この場合、粉砕後の未架橋ゴム同士がブロッキングを生じて、コンパウンディング作業を妨げている。
【0004】
ゴム類をペレット状の形状で運送・供給した場合でも、低温倉庫で保管したり、コンパウンディングを行う際に、押出機などに供給する前に、ブロッキングしたゴム類を、前記の塊状のゴム類と同様に、粉砕装置などでほぐす前加工が必要になるなど、特別な設備や装置が必要となる。その対応策として、ペレットの表面にタルクなどを打粉処理して、フレークまたは顆粒状にして販売されているが、荷重、加温などの保存条件によっては、粘着を完全には防止できずに、ブロッキングを起こすことがある。
【0005】
このようなゴム類のブロッキングを防止する方法として、特開昭59−19134号公報には、未架橋のクロロプレンゴム、クロロスルホン化ゴムのような特定構造の結晶性ゴムの表面に、界面活性剤を単独で、または粉体とともに付着させる、上記ゴムのブロッキング防止法が提案されている。具体的には、未架橋ゴムチップを、直接か、またはあらかじめタルクなどの粉体により打粉を施した後、界面活性剤の水溶液に浸漬し、ついで液から引き上げて、乾燥する。
【0006】
しかしながら、この方法では、浸漬後の乾燥工程が必要であって、乾燥の際に、分離した未架橋ゴムが再び相互に付着しやすいうえ、たとえばコンパウンディングや形成加工の現場に乾燥設備を設置する必要があり、現実的ではない。
【0007】
上述の特開昭59−19134号公報には、先行技術として、ゴムラテックスなどを少量添加した粉体を水に分散させた接触浴にゴム類を通過させるという前処理の後に、粉体を添加する方法が記載されている。しかしながら、この方法は、複雑な工程を経るため経済性がない割に、粉体の付着力は改善されない。
【0008】
特公昭55−34179号公報には、エチレングリコールまたはアルコールエーテル類をクロロプレンゴムチップ表面に浸潤させて、ブロッキングを防止する方法が記載されている。しかしながら、これらの液体は、クロロプレンゴムに対する濡れが悪く、均一な塗布ができない。
【0009】
特開2001−55448号公報には、極性ゴム粒剤の凝集を防止し、流れやすくするために、粉末化剤を疎水化して該ゴムに添加することが開示されている。しかしながら、この方法は、シリル化剤のような高価な疎水化剤を用いる必要がある。
【0010】
また、これら各種の方法において、ゴム類に付着させる粉体は、かなりの量が必要であり、とくにペレット状ないし粒状のように表面積の大きいゴム類には、相当量の粉体を付着させる必要がある。したがって、これを次工程、たとえば混和物の調製や成形に用いると、該粉体の混入によってゴム本来の性質が大きく損なわれることがある。
【0011】
一方、特開平6−192483号公報には、アクリル系ゴムのエマルションに必要な配合剤を分散させた水性懸濁液を噴霧乾燥して、粉末状のアクリルゴム組成物とし、これを成形して架橋させる方法を開示している。この方法によれば、ゴム表面に粉体を付着させることなく保存してブロッキングを防止することができるが、保管および処理に必要な期間を通して安定なエマルションを得るためには、ゴムへの配合剤の種類と量に制約がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、上述のような粘着性ゴムの搬送・保存および加工の際のブロッキングの発生を、簡単な手段で、かつ少量の粉体の使用によって解決する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、粉体を直接用いる代わりに、該粉体を粘着性ゴムに対して貧溶媒または非溶媒である液体中に分散させた懸濁液を用いることによって、広く粘着性ゴム全般についてその目的を達成しうることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、(A)粘着性ゴム100重量部の表面に、
(B)粉体0.01〜20重量部を、
(C)上記(A)に対する貧溶媒または非溶媒0.1〜10重量部
中に分散させた懸濁液を付着させることを特徴とする、粘着性ゴムのブロッキング防止方法に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、ブロッキング防止のための処理を受ける(A)粘着ゴムとは、極性ゴム、非極性ゴムのいずれでもよく、また、架橋によってエラストマーを形成する非架橋のポリマー、それに充填剤などを配合した混和物、ならびにそれらを部分架橋または架橋することによって生ずるゴム状弾性体など、ポリマーからゴム状弾性体に至るどのような段階であっても、その表面が、常態または加圧された状態で粘着性を有する、外観上固体のものを包含する概念である。たとえば、ポリブタジエン、ポリペンタジエン、ポリヘキサジエン、ポリオクタジエン、ポリメチルオクタジエン、ポリイソプレン、イソブチレン−イソプレンゴム(IIR)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリクロロプレン、アクリロニトリル−ブタジエンコポリマー(NBR)、スチレン−ブタジエンコポリマー(SBR)、エチレン−酢酸ビニルコポリマー、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリジオルガノシロキサンゴム、クロロトリフルオロエチレン−ビニリデンフルオリドコポリマー、ヘキサフルオロプロペン−ビニリデンフルオリドコポリマーなど、または、これらに共重合可能な単量体を重合してなる共重合体などのポリマー、ならびにそれを含む混和物、その架橋体が挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。
【0016】
本発明に用いられる(B)粉体、すなわち粉末状を呈する物質としては、有機粉体、金属有機酸塩粉体および無機粉体に分類できる。本発明においては、有機粉体が条件によっては粉塵爆発を生じやすく、また一部の有機粉体や有機金属塩粉体は、融点が低く、成形温度で融解することから、無機粉体が好ましい。
【0017】
有機粉体としては、ポリエチレン粉末またはポリプロピレン粉末のようなポリオレフィン粉末およびカーボンブラックなどが挙げられる。金属有機酸塩粉体としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどが挙げられる。
【0018】
無機粉体としては、沈殿シリカ、煙霧質シリカ、けいそう土、溶融シリカ、石英粉およびそれらの混合物のようなシリカ;酸化マグネシウム、酸化亜鉛のような金属酸化物;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、クレーのようなアルミニウム含有ケイ酸塩;タルク;カルシウムヒドロキシアパタイトのようなヒドロキシリン灰石類;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、炭酸バリウム、炭酸ナトリウムのような炭酸塩などが挙げられる。このような無機粉体としては、たとえば貧溶媒または非溶媒として水を選択した場合、水への溶解性がなく、かつ水に良好に分散して沈殿しにくいことから、シリカ、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、ヒドロキシリン灰石および炭酸カルシウムが好ましい。
【0019】
粉体の粒子径は、通常10nm〜500μmの範囲であり、ブロッキング防止効果が優れることから、好ましくは10〜100μmであって、非孔質でも多孔質でもよい。これらの粉体は、1種または2種以上を用いることができる。
【0020】
粘着性ゴムの表面に付着させる粉体の量は、粘着性ゴム100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、好ましくは0.05〜5重量部である。0.01重量部未満では、充分なブロッキング防止効果が得られず、20部を越えると、ブロッキング防止効果は得られるものの、次工程でゴム類に混入して、該ゴム類の本来有する特性を損ねる。
【0021】
本発明においては、上述の粉体を、処理される(A)粘着性ゴムに対する(C)貧溶媒または非溶媒(以下、単に「貧溶媒または非溶媒」という)に分散させて用いる。ここで、貧溶媒とは、(A)粘着性ゴムに付着させる温度、たとえば常温において、該粘着性ゴム(混和物などの場合は、含有するポリマー)の溶解度が低く、ゴムの表面を冒したり、その組成に影響を及ぼしたりしない溶媒をいう。
【0022】
上記の貧溶媒または非溶媒としては、(A)粘着性ゴムの種類によっても異なるが、水のほか;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノールのような1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールのような多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルのようなアルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、ジオキサンのような環状エーテル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;n−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂肪族炭化水素類などが例示される。水としては、通常の市水のほか、純水、アルカリ金属水酸化物の水溶液などを用いることができる。
【0023】
貧溶媒または非溶媒は、1種または2種以上を用いることができ、水とそれ以外の貧溶媒または非溶媒との混合液も用いることができる。取扱いが容易で、安全性、作業環境への影響がないこと、および処理後、表面に残存する少量の水がブロッキング防止に寄与することから、水が特に好ましい。
【0024】
貧溶媒または非溶媒を、(A)粘着性ゴムの表面に付着させる量は、粘着性ゴムの形状によっても異なるが、粘着性ゴム100重量部に対して、0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部のような、比較的少量で済む。0.1重量部未満では、充分なブロッキング防止効果が得られず、10重量部を越えると、多量の貧溶媒または非溶媒の存在によって、次工程(たとえば、押出機における混練りなど)への搬送や仕込が不可能になったり、それを避けるために乾燥工程が必要になる。
【0025】
本発明において、(B)粉体の(C)貧溶媒または非溶媒への分散を助けるために、懸濁液(D)界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤としては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性および両性活性剤のいずれを用いてもよいが、粘着性ゴム表面への粉体の固着を促進することから、アニオン性界面活性剤が好ましい。
【0026】
アニオン性界面活性剤としては、カプリン酸塩、ロジン酸塩、ラウリン酸塩、ミスチリン酸塩、パルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、リノレン酸塩、ベヘン酸塩のような脂肪酸塩;ミリスチルアルコール硫酸エステル塩、セチルアルコール硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル塩、ヒマシ油硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸塩のような硫酸エステル塩;ドデシルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩縮合物のようなスルホン酸塩;ならびにジオクチルスルホコハク酸塩のようなスルホコハク酸塩が例示される。上述の塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩のほか;アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩などを用いることができる。
【0027】
ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルなどが例示され、親油性基としては、炭素数8〜22の脂肪酸残基またはアルキル基を用いることができる。
【0028】
カチオン性界面活性剤としては、炭素数12〜22の長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などが例示され、対イオンとしては塩素イオン、臭素イオンなどを用いることができる。両性界面活性剤としては、炭素数12〜22の長鎖アルキル基または脂肪酸残基を有するアルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシルメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインなどが例示される。
【0029】
界面活性剤は、1種または2種以上を用いることができる。
【0030】
界面活性剤の添加量は、それ自体が前述の貧溶媒また非溶媒中に溶解ないし分散して、粉体の分散性を向上させる効果を奏し、かつ粘着性ゴム表面への粉体の固着を促進することから、粉体の懸濁液100重量%に対して、通常20重量%以下であり、好ましくは0.001〜5重量%である。
【0031】
本発明に用いられる懸濁液は、たとえば、(C)貧溶媒または非溶媒に対して、必要に応じて所要量の(D)界面活性剤を通常の撹拌装置によって分散ないし溶解させた後、所要量の(B)粉体を配合して撹拌することによって調製することができる。調製は、常温でもよく、必要に応じて、たとえば界面活性剤を分散ないし溶解させるために若干の加温を行ってもよい。懸濁液中の(B)粉体の量は、必要な粉体をゴム類の表面に付着させるのに、粘着性ゴムに処理する(C)貧溶媒または非溶媒の量を過度に多量にすることなく、かつ保管および処理に必要な期間に安定な分散状態を保つことから、通常5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%である。
【0032】
本発明において、粘着性ゴム類を非粘着にするための表面処理は、たとえば次のように行うことができる。すなわち、(A)粘着性ゴム、特に破砕して得られたペレット状の該ゴム類を、反転しうる容器に収容し、これに上記の粉体が分散した懸濁液を加えて、反転を繰り返すことにより、ゴム類の全表面を懸濁液で湿潤させる。その後、容器からゴム類を取出す。
【0033】
また、上記の(B)粉体ならびに(C)貧溶媒または非溶媒を含有する懸濁液を、ドリップまたは塗布によって(A)粘着性ゴムの表面に付着させる方法、押出し成形と組み合わせる方法、ゴム類の湿式破砕機の循環液として、上記の懸濁液を用いる方法など、任意の方法をとることができる。界面活性剤の配合は、粉体を分散させる前だけでなく、それと同時に、またはその後に行っても差支えない。ただし、(B)粉体と(C)貧溶媒または非溶媒とを別個にゴム類の処理に用いると、(B)のみでは、有効なブロッキング効果を得るには多量の粉体が必要となって、成形したゴムの最終組成を変えることにもなり、(C)のみでは、ブロッキング防止効果がないばかりか、場合によってはブロッキング促進剤となる。したがって、両者は、懸濁液の形で同時にゴム類の処理に用いなければならない。
【0034】
本発明によって、懸濁液で表面処理された非粘着性ゴムは、乾燥などの後処理なしに次工程への搬送または仕込を行っても、この程度の貧溶媒または非溶媒、たとえば水の存在が、搬送または仕込に影響を与えないばかりか、水の場合、存在する少量の水がブロッキング防止効果にも寄与する。また、(C)は、必要に応じて、次工程、たとえば押出機内で、乾燥により除去することもできる。なお、本発明による処理の後に、粉体単独による処理を再度行う必要はなく、簡便な工程によって優れたブロッキング防止効果を得ることができる。
【0035】
粘着性ゴム表面への懸濁液の湿潤状態を観察するために、懸濁液に染料または顔料を溶解または分散させるなどの変形は、本発明の特徴を損なわない限り可能であり、そのような変形も、本発明に包含される。
【0036】
【実施例】
本発明を、以下の実施例によってさらに詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって何らの限定を受けるものではない。以下の例において、「部」は重量部を示し、組成、濃度などの「%」は重量%を意味する。
【0037】
本発明によって得られたゴム類のブロッキング防止効果を、次のようにして評価した。すなわち、計量押出機(モデルCM−N−IISD01、株式会社クボタ商品名)のホッパー(直径350mm、高さ710mmの円筒形)を、表面処理されたゴム類30kgで満たし、常温で4時間放置した。ゴム類の排出量を1kg/minに設定して該計量押出機を起動し、排出開始後1〜11分の間で、1分あたりの最大および最小排出量を測定した。ブロッキングを生じると、ゴム類の排出量が減少する。目安として、排出量が0.5kg/minまで減少すると、かなりのブロッキングを生じていることを示す。
【0038】
ムーニー粘度は、JIS K6300により、温度125℃で測定した。
【0039】
実施例1
粘着性ゴムとして、未架橋のEPDMポリマーであるIP4520(エチレン単位:50%、プロピレン単位:45%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位:5%、ムーニー粘度:20、Dupont Dow社製)を使用した。約650×450×100mmの塊状のIP4520を、破砕機により約6mm角のペレット状に砕き、すぐさま、反転しうる容器に仕込んだ。ついで、あらかじめ水100部、タルク10部およびオレイン酸カリウム1部を、撹拌機付き容器で混合することによって調製しておいた懸濁液を、IP4520のペレットに対して1重量%加えて、10分間、繰返し反転させることにより、懸濁液でIP4520を処理した。
【0040】
処理後のIP4520に付着したタルクおよび水の付着量を分析したところ、それぞれ0.061%および0.82%であり、仕込み量から計算される量より若干低めの値を得た。
【0041】
得られた処理IP4520のブロッキング性を、前述の方法によって評価したところ、設定値とほぼ同じ最大排出量1.05kg/min、最小排出量1.00kg/minの値を得て、良好なブロッキング防止効果が得られていることを確認した。
【0042】
実施例2
実施例1で用いたのと同様の塊状のIP4520を、湿式破砕機(モデルPR−30−360S−800 株式会社タナカ商品名)を使用して約6mm角のペレット状に砕いた。その際に、湿式破砕機の循環液として、水100部、タルク10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部から調製した懸濁液100kgを用いた。湿式破砕機と連動している遠心脱水機から排出されたペレットに付着したタルクおよび水の量を分析したところ、それぞれ0.056%および0.74%であり、EPDM表面に懸濁液が付着していることが確認された。
【0043】
得られた処理IP4520のブロッキング性を、前述の方法によって評価したところ、最大排出量1.05kg/min、最小排出量0.98kg/minであり、良好なブロッキング防止効果が得られていることを確認した。
【0044】
実施例3〜12
表1に示す配合比により、実施例1と同様の方法によって、各種の粉体を、必要に応じて界面活性剤とともに水に濁液させた懸濁液を調製し、各種の粘着性ポリマーに対して処理を行った。(A)粘着性ゴムの種類、懸濁液の組成と使用量、(A)への(B)および(C)の付着量およびブロッキング性の評価結果を、上述の実施例1および2とともに、表1にまとめた。
【0045】
比較例1〜5
下記を除いて実施例1と同様の実験を行った。すなわち、比較例1では、粉体を用いないで水のみを用い、比較例では、貧溶媒または非溶媒を用いないでタルクのみを用い、比較例3では、タルクを水に懸濁させた懸濁液を少量用いた。その結果、(A)に対して用いた(B)および(C)の量が少なく、比較例4および5では、シリカを水に懸濁させた懸濁液を多量に用いた。なお、比較例5では、界面活性剤として多量のオレイン酸カリウムを配合した。(A)粘着性ゴムの種類、懸濁液の組成と使用量、(A)への(B)および(C)の付着量およびブロッキング性の評価結果を、表1にまとめた。
【0046】
【表1】
Figure 0003673753
【0047】
表1に用いられた粘着性ゴムの商品名、略称で示された粉体および界面活性剤の化学名、およびその他の注記は、下記のとおりである。
Figure 0003673753
【0048】
表1から明らかなように、水のみを用いた比較例1、タルクのみを用いた比較例2および懸濁液の使用量が少なく、タルクと水の付着量が少なかった比較例3の処理ペレットは、いずれも顕著なブロッキングを生じて、排出できなかった。一方、過剰の懸濁液を用いた比較例4および5では、多量の水が存在して、計量押出機を起動できなかった。
【0049】
実施例13
粘着性ゴムとして、IP4520の100部に酸化チタン5部を配合した混和物を用い、実施例1と同様にしてペレットを作製して、実施例1と同様の容器に仕込んだ。これに、あらかじめ水100部およびタルク10部を、撹拌機付き容器で混合することによって調製しておいた懸濁液を、上記の混和物に対して1%になるように加え、以下、実施例1と同様の実験を行った。処理後の混和物への付着量は、タルクが0.068%、水が0.80%であった。
【0050】
得られた混和物のブロッキング性を評価したところ、最大排出量1.02kg/min、最小排出量1.00kg/minであり、良好なブロッキング防止効果が得られていることを確認した。
【0051】
実施例14
粘着性ゴムとして、IP4520の100部に、酸化亜鉛5部、カーボンブラック35部およびパラフィンワックス1部を混練した混和物を、ジクミルペルオキシドを用いて架橋させて得たEPDMゴム状弾性体を用いた。この弾性体から、実施例1と同様にしてペレットを作製し、実施例1と同様の容器に仕込んだ。これに、あらかじめ水100部、タルク10部およびオレイン酸カリウム1部を撹拌機付き容器で混合することによって調製しておいた懸濁液を、上記のマスターバッチに対して1%になるように加え、以下、実施例1と同様の実験を行った。処理後の混和物への付着量は、タルクが0.070%、水が0.92%であった。
【0052】
得られた処理EPDMゴムのブロッキング性を評価したところ、最大排出量1.02kg/min、最小排出量1.00kg/minであり、良好なブロッキング防止効果が得られていることを確認した。
【0053】
実施例15〜18
(C)として各種の有機溶媒を用い、表2に示すように粉体を分散させて懸濁液を調製し、実施例1と同様にして、表2に示す各種の未架橋ポリマーの処理を行った。ただし、実施例16〜18では、実施例14で用いたのと同様の、架橋EPDMゴム状弾性体を用いた。その結果、表2に示すように、いずれの場合も優れたブロッキング防止効果が得られた。
【0054】
【表2】
Figure 0003673753
【0055】
【発明の効果】
本発明によって、粘着性ゴムに対する貧溶媒または非溶媒に粉体を分散させた懸濁液の少量を、該粘着性ゴムの表面に付着させるという簡単な操作により、従来からの課題であった粘着性ゴムのブロッキングを効果的に防止することができる。しかも、本発明によって処理された粘着性ゴムは、過剰の粉体の混入によって、その本来の特性に影響を受けることがない。本発明によって、粘着性ゴムの製造、供給、貯蔵およびそれらを用いるコンパウンディング、成形加工におけるゴムの取扱いが容易になり、その工業的価値は大きい。また、ポリマーやそれを含む混和物、または架橋したゴム状弾性体の破砕・粉砕工程を伴うリサイクル分野においても有用である。

Claims (5)

  1. (A)粘着性ゴム100重量部の表面に、
    (B)粉体0.01〜20重量部を、
    (C)上記(A)に対する貧溶媒または非溶媒0.1〜10重量部
    中に分散させた懸濁液を付着させることを特徴とする、粘着性ゴムのブロッキング防止方法。
  2. 上記懸濁液に、さらに(D)界面活性剤を配合する、請求項1記載のブロッキング防止方法。
  3. 上記(A)粘着性ゴムが、未架橋ポリマーまたはそれを含む混和物である、請求項1または2記載のブロッキング防止方法。
  4. 上記(B)粉体が、シリカ、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、ヒドロキシリン灰石および炭酸カルシウムからなる群より選ばれた1種または2種以上である、請求項1〜3のいずれか1項記載のブロッキング防止方法。
  5. 上記(C)貧溶媒または非溶媒が、水である、請求項1〜4のいずれか1項記載のブロッキング防止方法。
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