JP2003183305A - 粘着性ゴムのブロッキング防止方法 - Google Patents

粘着性ゴムのブロッキング防止方法

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JP2003183305A JP2001381165A JP2001381165A JP2003183305A JP 2003183305 A JP2003183305 A JP 2003183305A JP 2001381165 A JP2001381165 A JP 2001381165A JP 2001381165 A JP2001381165 A JP 2001381165A JP 2003183305 A JP2003183305 A JP 2003183305A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着性ゴムの搬送・保存および加工の際のブ
ロッキングの発生を、簡単な手段で、かつ少量の粉体の
使用によって解決する方法を提供する。 【解決手段】 (A)粘着性ゴム100重量部の表面
に、(B)粉体0.01〜20重量部を、(C)上記
(A)に対する貧溶媒または非溶媒0.1〜10重量部
中に分散させた懸濁液を付着させることを特徴とする、
粘着性ゴムのブロッキング防止方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着性ゴムのブロ
ッキングを防止する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、架橋してゴム状弾性体を形成す
るポリマー、それに充填剤などを配合した混和物、また
はそれらの架橋体(以下、ゴム類という)をペレット状
にして搬送・供給することは、この供給形態が、装置へ
のゴム類の連続的な供給を可能にすること、また高い処
理量が可能になることから、大変望ましいことである。
しかしながら、ゴム類、特に粘着性の強いポリマーやそ
の混和物を、既知の技術を用いてペレット状にした場合
には、そのペレットが、即座に、もしくは保管・搬送中
に凝集したり、または塊が容易にくずし難い程の粘着状
態となる、いわゆるブロッキングを生じる。このため、
通常、ゴム類は、ベールなどの塊状で、搬送・供給され
ている。このような塊状の形態で搬送・供給される場
合、たとえば、通常、ゴム類の成形加工の際に、その塊
を切断する必要があるが、これには多くの人手と時間を
要し、工程改良の課題となっている。
【0003】一方、プラスチックの改質材として未架橋
ゴムの用途が広がりつつあり、未架橋ゴムと樹脂ポリマ
ーおよび必要に応じて添加剤を配合してゴム改質プラス
チックを製造するコンパウンディングの際に、固形の未
架橋ゴムが用いられる場合には、あらかじめ機械的に粉
砕することが一般的であり、この場合、粉砕後の未架橋
ゴム同士がブロッキングを生じて、コンパウンディング
作業を妨げている。
【0004】ゴム類をペレット状の形状で運送・供給し
た場合でも、低温倉庫で保管したり、コンパウンディン
グを行う際に、押出機などに供給する前に、ブロッキン
グしたゴム類を、前記の塊状のゴム類と同様に、粉砕装
置などでほぐす前加工が必要になるなど、特別な設備や
装置が必要となる。その対応策として、ペレットの表面
にタルクなどを打粉処理して、フレークまたは顆粒状に
して販売されているが、荷重、加温などの保存条件によ
っては、粘着を完全には防止できずに、ブロッキングを
起こすことがある。
【0005】このようなゴム類のブロッキングを防止す
る方法として、特開昭59−19134号公報には、未
架橋のクロロプレンゴム、クロロスルホン化ゴムのよう
な特定構造の結晶性ゴムの表面に、界面活性剤を単独
で、または粉体とともに付着させる、上記ゴムのブロッ
キング防止法が提案されている。具体的には、未架橋ゴ
ムチップを、直接か、またはあらかじめタルクなどの粉
体により打粉を施した後、界面活性剤の水溶液に浸漬
し、ついで液から引き上げて、乾燥する。
【0006】しかしながら、この方法では、浸漬後の乾
燥工程が必要であって、乾燥の際に、分離した未架橋ゴ
ムが再び相互に付着しやすいうえ、たとえばコンパウン
ディングや形成加工の現場に乾燥設備を設置する必要が
あり、現実的ではない。
【0007】上述の特開昭59−19134号公報に
は、先行技術として、ゴムラテックスなどを少量添加し
た粉体を水に分散させた接触浴にゴム類を通過させると
いう前処理の後に、粉体を添加する方法が記載されてい
る。しかしながら、この方法は、複雑な工程を経るため
経済性がない割に、粉体の付着力は改善されない。
【0008】特公昭55−34179号公報には、エチ
レングリコールまたはアルコールエーテル類をクロロプ
レンゴムチップ表面に浸潤させて、ブロッキングを防止
する方法が記載されている。しかしながら、これらの液
体は、クロロプレンゴムに対する濡れが悪く、均一な塗
布ができない。
【0009】特開2001−55448号公報には、極
性ゴム粒剤の凝集を防止し、流れやすくするために、粉
末化剤を疎水化して該ゴムに添加することが開示されて
いる。しかしながら、この方法は、シリル化剤のような
高価な疎水化剤を用いる必要がある。
【0010】また、これら各種の方法において、ゴム類
に付着させる粉体は、かなりの量が必要であり、とくに
ペレット状ないし粒状のように表面積の大きいゴム類に
は、相当量の粉体を付着させる必要がある。したがっ
て、これを次工程、たとえば混和物の調製や成形に用い
ると、該粉体の混入によってゴム本来の性質が大きく損
なわれることがある。
【0011】一方、特開平6−192483号公報に
は、アクリル系ゴムのエマルションに必要な配合剤を分
散させた水性懸濁液を噴霧乾燥して、粉末状のアクリル
ゴム組成物とし、これを成形して架橋させる方法を開示
している。この方法によれば、ゴム表面に粉体を付着さ
せることなく保存してブロッキングを防止することがで
きるが、保管および処理に必要な期間を通して安定なエ
マルションを得るためには、ゴムへの配合剤の種類と量
に制約がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上述
のような粘着性ゴムの搬送・保存および加工の際のブロ
ッキングの発生を、簡単な手段で、かつ少量の粉体の使
用によって解決する方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、粉体を直接用い
る代わりに、該粉体を粘着性ゴムに対して貧溶媒または
非溶媒である液体中に分散させた懸濁液を用いることに
よって、広く粘着性ゴム全般についてその目的を達成し
うることを見出して、本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち、本発明は、(A)粘着性ゴム1
00重量部の表面に、(B)粉体0.01〜20重量部
を、(C)上記(A)に対する貧溶媒または非溶媒0.
1〜10重量部中に分散させた懸濁液を付着させること
を特徴とする、粘着性ゴムのブロッキング防止方法に関
する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明において、ブロッキング防
止のための処理を受ける(A)粘着ゴムとは、極性ゴ
ム、非極性ゴムのいずれでもよく、また、架橋によって
エラストマーを形成する非架橋のポリマー、それに充填
剤などを配合した混和物、ならびにそれらを部分架橋ま
たは架橋することによって生ずるゴム状弾性体など、ポ
リマーからゴム状弾性体に至るどのような段階であって
も、その表面が、常態または加圧された状態で粘着性を
有する、外観上固体のものを包含する概念である。たと
えば、ポリブタジエン、ポリペンタジエン、ポリヘキサ
ジエン、ポリオクタジエン、ポリメチルオクタジエン、
ポリイソプレン、イソブチレン−イソプレンゴム(II
R)、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレ
ン−ジエンゴム(EPDM)、ポリクロロプレン、アク
リロニトリル−ブタジエンコポリマー(NBR)、スチ
レン−ブタジエンコポリマー(SBR)、エチレン−酢
酸ビニルコポリマー、アクリル系ゴム、オレフィン系ゴ
ム、オレフィン系熱可塑性エラストマー、ポリジオルガ
ノシロキサンゴム、クロロトリフルオロエチレン−ビニ
リデンフルオリドコポリマー、ヘキサフルオロプロペン
−ビニリデンフルオリドコポリマーなど、または、これ
らに共重合可能な単量体を重合してなる共重合体などの
ポリマー、ならびにそれを含む混和物、その架橋体が挙
げられ、これらの1種または2種以上を用いることがで
きる。
【0016】本発明に用いられる(B)粉体、すなわち
粉末状を呈する物質としては、有機粉体、金属有機酸塩
粉体および無機粉体に分類できる。本発明においては、
有機粉体が条件によっては粉塵爆発を生じやすく、また
一部の有機粉体や有機金属塩粉体は、融点が低く、成形
温度で融解することから、無機粉体が好ましい。
【0017】有機粉体としては、ポリエチレン粉末また
はポリプロピレン粉末のようなポリオレフィン粉末およ
びカーボンブラックなどが挙げられる。金属有機酸塩粉
体としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸
カルシウムなどが挙げられる。
【0018】無機粉体としては、沈殿シリカ、煙霧質シ
リカ、けいそう土、溶融シリカ、石英粉およびそれらの
混合物のようなシリカ;酸化マグネシウム、酸化亜鉛の
ような金属酸化物;ケイ酸アルミニウム、ケイ酸アルミ
ニウムナトリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム、ケイ
酸アルミニウムカルシウム、クレーのようなアルミニウ
ム含有ケイ酸塩;タルク;カルシウムヒドロキシアパタ
イトのようなヒドロキシリン灰石類;炭酸カルシウム、
炭酸マグネシウム、炭酸マグネシウムカルシウム、炭酸
バリウム、炭酸ナトリウムのような炭酸塩などが挙げら
れる。このような無機粉体としては、たとえば貧溶媒ま
たは非溶媒として水を選択した場合、水への溶解性がな
く、かつ水に良好に分散して沈殿しにくいことから、シ
リカ、ケイ酸アルミニウム、クレー、タルク、ヒドロキ
シリン灰石および炭酸カルシウムが好ましい。
【0019】粉体の粒子径は、通常10nm〜500μm
の範囲であり、ブロッキング防止効果が優れることか
ら、好ましくは10〜100μmであって、非孔質でも
多孔質でもよい。これらの粉体は、1種または2種以上
を用いることができる。
【0020】粘着性ゴムの表面に付着させる粉体の量
は、粘着性ゴム100重量部に対して、0.01〜20
重量部であり、好ましくは0.05〜5重量部である。
0.01重量部未満では、充分なブロッキング防止効果
が得られず、20部を越えると、ブロッキング防止効果
は得られるものの、次工程でゴム類に混入して、該ゴム
類の本来有する特性を損ねる。
【0021】本発明においては、上述の粉体を、処理さ
れる(A)粘着性ゴムに対する(C)貧溶媒または非溶
媒(以下、単に「貧溶媒または非溶媒」という)に分散
させて用いる。ここで、貧溶媒とは、(A)粘着性ゴム
に付着させる温度、たとえば常温において、該粘着性ゴ
ム(混和物などの場合は、含有するポリマー)の溶解度
が低く、ゴムの表面を冒したり、その組成に影響を及ぼ
したりしない溶媒をいう。
【0022】上記の貧溶媒または非溶媒としては、
(A)粘着性ゴムの種類によっても異なるが、水のほ
か;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソ
プロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、s−
ブタノール、t−ブタノールのような1価アルコール
類;エチレングリコール、プロピレングリコールのよう
な多価アルコール類;エチレングリコールモノメチルエ
ーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルのよう
なアルコールエーテル類;テトラヒドロフラン、ジオキ
サンのような環状エーテル類;アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトンのようなケトン類;n
−ヘキサン、n−ヘプタン、シクロヘキサンのような脂
肪族炭化水素類などが例示される。水としては、通常の
市水のほか、純水、アルカリ金属水酸化物の水溶液など
を用いることができる。
【0023】貧溶媒または非溶媒は、1種または2種以
上を用いることができ、水とそれ以外の貧溶媒または非
溶媒との混合液も用いることができる。取扱いが容易
で、安全性、作業環境への影響がないこと、および処理
後、表面に残存する少量の水がブロッキング防止に寄与
することから、水が特に好ましい。
【0024】貧溶媒または非溶媒を、(A)粘着性ゴム
の表面に付着させる量は、粘着性ゴムの形状によっても
異なるが、粘着性ゴム100重量部に対して、0.1〜
10重量部、好ましくは0.5〜5重量部のような、比
較的少量で済む。0.1重量部未満では、充分なブロッ
キング防止効果が得られず、10重量部を越えると、多
量の貧溶媒または非溶媒の存在によって、次工程(たと
えば、押出機における混練りなど)への搬送や仕込が不
可能になったり、それを避けるために乾燥工程が必要に
なる。
【0025】本発明において、(B)粉体の(C)貧溶
媒または非溶媒への分散を助けるために、懸濁液(D)
界面活性剤を配合することが好ましい。界面活性剤とし
ては、ノニオン性、アニオン性、カチオン性および両性
活性剤のいずれを用いてもよいが、粘着性ゴム表面への
粉体の固着を促進することから、アニオン性界面活性剤
が好ましい。
【0026】アニオン性界面活性剤としては、カプリン
酸塩、ロジン酸塩、ラウリン酸塩、ミスチリン酸塩、パ
ルミチン酸塩、ステアリン酸塩、オレイン酸塩、リノー
ル酸塩、リノレン酸塩、ベヘン酸塩のような脂肪酸塩;
ミリスチルアルコール硫酸エステル塩、セチルアルコー
ル硫酸エステル塩、ステアリルアルコール硫酸エステル
塩、ヒマシ油硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンラウ
リルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル硫酸塩のような硫酸エステル塩;ドデシルベ
ンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸
塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ナフ
タレンスルホン酸塩縮合物のようなスルホン酸塩;なら
びにジオクチルスルホコハク酸塩のようなスルホコハク
酸塩が例示される。上述の塩としては、リチウム塩、ナ
トリウム塩、カリウム塩のようなアルカリ金属塩のほ
か;アンモニウム塩、トリエタノールアミン塩などを用
いることができる。
【0027】ノニオン性界面活性剤としては、ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポ
リオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビ
ット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂
肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテルなどが例示され、親油性基と
しては、炭素数8〜22の脂肪酸残基またはアルキル基
を用いることができる。
【0028】カチオン性界面活性剤としては、炭素数1
2〜22の長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチル
アンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウ
ム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩などが例示さ
れ、対イオンとしては塩素イオン、臭素イオンなどを用
いることができる。両性界面活性剤としては、炭素数1
2〜22の長鎖アルキル基または脂肪酸残基を有するア
ルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロ
ピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−
カルボキシルメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリ
ウムベタインなどが例示される。
【0029】界面活性剤は、1種または2種以上を用い
ることができる。
【0030】界面活性剤の添加量は、それ自体が前述の
貧溶媒また非溶媒中に溶解ないし分散して、粉体の分散
性を向上させる効果を奏し、かつ粘着性ゴム表面への粉
体の固着を促進することから、粉体の懸濁液100重量
%に対して、通常20重量%以下であり、好ましくは
0.001〜5重量%である。
【0031】本発明に用いられる懸濁液は、たとえば、
(C)貧溶媒または非溶媒に対して、必要に応じて所要
量の(D)界面活性剤を通常の撹拌装置によって分散な
いし溶解させた後、所要量の(B)粉体を配合して撹拌
することによって調製することができる。調製は、常温
でもよく、必要に応じて、たとえば界面活性剤を分散な
いし溶解させるために若干の加温を行ってもよい。懸濁
液中の(B)粉体の量は、必要な粉体をゴム類の表面に
付着させるのに、粘着性ゴムに処理する(C)貧溶媒ま
たは非溶媒の量を過度に多量にすることなく、かつ保管
および処理に必要な期間に安定な分散状態を保つことか
ら、通常5〜20重量%、好ましくは5〜10重量%で
ある。
【0032】本発明において、粘着性ゴム類を非粘着に
するための表面処理は、たとえば次のように行うことが
できる。すなわち、(A)粘着性ゴム、特に破砕して得
られたペレット状の該ゴム類を、反転しうる容器に収容
し、これに上記の粉体が分散した懸濁液を加えて、反転
を繰り返すことにより、ゴム類の全表面を懸濁液で湿潤
させる。その後、容器からゴム類を取出す。
【0033】また、上記の(B)粉体ならびに(C)貧
溶媒または非溶媒を含有する懸濁液を、ドリップまたは
塗布によって(A)粘着性ゴムの表面に付着させる方
法、押出し成形と組み合わせる方法、ゴム類の湿式破砕
機の循環液として、上記の懸濁液を用いる方法など、任
意の方法をとることができる。界面活性剤の配合は、粉
体を分散させる前だけでなく、それと同時に、またはそ
の後に行っても差支えない。ただし、(B)粉体と
(C)貧溶媒または非溶媒とを別個にゴム類の処理に用
いると、(B)のみでは、有効なブロッキング効果を得
るには多量の粉体が必要となって、成形したゴムの最終
組成を変えることにもなり、(C)のみでは、ブロッキ
ング防止効果がないばかりか、場合によってはブロッキ
ング促進剤となる。したがって、両者は、懸濁液の形で
同時にゴム類の処理に用いなければならない。
【0034】本発明によって、懸濁液で表面処理された
非粘着性ゴムは、乾燥などの後処理なしに次工程への搬
送または仕込を行っても、この程度の貧溶媒または非溶
媒、たとえば水の存在が、搬送または仕込に影響を与え
ないばかりか、水の場合、存在する少量の水がブロッキ
ング防止効果にも寄与する。また、(C)は、必要に応
じて、次工程、たとえば押出機内で、乾燥により除去す
ることもできる。なお、本発明による処理の後に、粉体
単独による処理を再度行う必要はなく、簡便な工程によ
って優れたブロッキング防止効果を得ることができる。
【0035】粘着性ゴム表面への懸濁液の湿潤状態を観
察するために、懸濁液に染料または顔料を溶解または分
散させるなどの変形は、本発明の特徴を損なわない限り
可能であり、そのような変形も、本発明に包含される。
【0036】
【実施例】本発明を、以下の実施例によってさらに詳細
に説明する。本発明は、これらの実施例によって何らの
限定を受けるものではない。以下の例において、「部」
は重量部を示し、組成、濃度などの「%」は重量%を意
味する。
【0037】本発明によって得られたゴム類のブロッキ
ング防止効果を、次のようにして評価した。すなわち、
計量押出機(モデルCM−N−IISD01、株式会社ク
ボタ商品名)のホッパー(直径350mm、高さ710mm
の円筒形)を、表面処理されたゴム類30kgで満たし、
常温で4時間放置した。ゴム類の排出量を1kg/minに設
定して該計量押出機を起動し、排出開始後1〜11分の
間で、1分あたりの最大および最小排出量を測定した。
ブロッキングを生じると、ゴム類の排出量が減少する。
目安として、排出量が0.5kg/minまで減少すると、か
なりのブロッキングを生じていることを示す。
【0038】ムーニー粘度は、JIS K6300によ
り、温度125℃で測定した。
【0039】実施例1 粘着性ゴムとして、未架橋のEPDMポリマーであるI
P4520(エチレン単位:50%、プロピレン単位:
45%、5−エチリデン−2−ノルボルネン単位:5
%、ムーニー粘度:20、Dupont Dow社製)を使用し
た。約650×450×100mmの塊状のIP4520
を、破砕機により約6mm角のペレット状に砕き、すぐさ
ま、反転しうる容器に仕込んだ。ついで、あらかじめ水
100部、タルク10部およびオレイン酸カリウム1部
を、撹拌機付き容器で混合することによって調製してお
いた懸濁液を、IP4520のペレットに対して1重量
%加えて、10分間、繰返し反転させることにより、懸
濁液でIP4520を処理した。
【0040】処理後のIP4520に付着したタルクお
よび水の付着量を分析したところ、それぞれ0.061
%および0.82%であり、仕込み量から計算される量
より若干低めの値を得た。
【0041】得られた処理IP4520のブロッキング
性を、前述の方法によって評価したところ、設定値とほ
ぼ同じ最大排出量1.05kg/min、最小排出量1.00
kg/minの値を得て、良好なブロッキング防止効果が得ら
れていることを確認した。
【0042】実施例2 実施例1で用いたのと同様の塊状のIP4520を、湿
式破砕機(モデルPR−30−360S−800 株式
会社タナカ商品名)を使用して約6mm角のペレット状に
砕いた。その際に、湿式破砕機の循環液として、水10
0部、タルク10部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム0.2部から調製した懸濁液100kgを用いた。
湿式破砕機と連動している遠心脱水機から排出されたペ
レットに付着したタルクおよび水の量を分析したとこ
ろ、それぞれ0.056%および0.74%であり、E
PDM表面に懸濁液が付着していることが確認された。
【0043】得られた処理IP4520のブロッキング
性を、前述の方法によって評価したところ、最大排出量
1.05kg/min、最小排出量0.98kg/minであり、良
好なブロッキング防止効果が得られていることを確認し
た。
【0044】実施例3〜12 表1に示す配合比により、実施例1と同様の方法によっ
て、各種の粉体を、必要に応じて界面活性剤とともに水
に濁液させた懸濁液を調製し、各種の粘着性ポリマーに
対して処理を行った。(A)粘着性ゴムの種類、懸濁液
の組成と使用量、(A)への(B)および(C)の付着
量およびブロッキング性の評価結果を、上述の実施例1
および2とともに、表1にまとめた。
【0045】比較例1〜5 下記を除いて実施例1と同様の実験を行った。すなわ
ち、比較例1では、粉体を用いないで水のみを用い、比
較例では、貧溶媒または非溶媒を用いないでタルクのみ
を用い、比較例3では、タルクを水に懸濁させた懸濁液
を少量用いた。その結果、(A)に対して用いた(B)
および(C)の量が少なく、比較例4および5では、シ
リカを水に懸濁させた懸濁液を多量に用いた。なお、比
較例5では、界面活性剤として多量のオレイン酸カリウ
ムを配合した。(A)粘着性ゴムの種類、懸濁液の組成
と使用量、(A)への(B)および(C)の付着量およ
びブロッキング性の評価結果を、表1にまとめた。
【0046】
【表1】
【0047】表1に用いられた粘着性ゴムの商品名、略
称で示された粉体および界面活性剤の化学名、およびそ
の他の注記は、下記のとおりである。 *1 EPDM:Dupont Dow社製 IP4520 SBR:日本ゼオン株式会社製 NS320S NBR:日本ゼオン株式会社製 Nipol 1043 アクリルゴム:日本ゼオン株式会社製 Nipol A
R32 IIR:Exxon Chemical社製 065Rubber *2 CHA:カルシウムヒドロキシアパタイト *3 KO:オレイン酸カリウム DBS:ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム *4 ○:ブロッキングなし ×:ブロッキングあり *5 懸濁液を湿式破砕機の循環液として使用 *6 樹脂粉末 *7 水を使用せずにタルクのみを使用、数値は部/
(A)100部 *8 運転不能
【0048】表1から明らかなように、水のみを用いた
比較例1、タルクのみを用いた比較例2および懸濁液の
使用量が少なく、タルクと水の付着量が少なかった比較
例3の処理ペレットは、いずれも顕著なブロッキングを
生じて、排出できなかった。一方、過剰の懸濁液を用い
た比較例4および5では、多量の水が存在して、計量押
出機を起動できなかった。
【0049】実施例13 粘着性ゴムとして、IP4520の100部に酸化チタ
ン5部を配合した混和物を用い、実施例1と同様にして
ペレットを作製して、実施例1と同様の容器に仕込ん
だ。これに、あらかじめ水100部およびタルク10部
を、撹拌機付き容器で混合することによって調製してお
いた懸濁液を、上記の混和物に対して1%になるように
加え、以下、実施例1と同様の実験を行った。処理後の
混和物への付着量は、タルクが0.068%、水が0.
80%であった。
【0050】得られた混和物のブロッキング性を評価し
たところ、最大排出量1.02kg/min、最小排出量1.
00kg/minであり、良好なブロッキング防止効果が得ら
れていることを確認した。
【0051】実施例14 粘着性ゴムとして、IP4520の100部に、酸化亜
鉛5部、カーボンブラック35部およびパラフィンワッ
クス1部を混練した混和物を、ジクミルペルオキシドを
用いて架橋させて得たEPDMゴム状弾性体を用いた。
この弾性体から、実施例1と同様にしてペレットを作製
し、実施例1と同様の容器に仕込んだ。これに、あらか
じめ水100部、タルク10部およびオレイン酸カリウ
ム1部を撹拌機付き容器で混合することによって調製し
ておいた懸濁液を、上記のマスターバッチに対して1%
になるように加え、以下、実施例1と同様の実験を行っ
た。処理後の混和物への付着量は、タルクが0.070
%、水が0.92%であった。
【0052】得られた処理EPDMゴムのブロッキング
性を評価したところ、最大排出量1.02kg/min、最小
排出量1.00kg/minであり、良好なブロッキング防止
効果が得られていることを確認した。
【0053】実施例15〜18 (C)として各種の有機溶媒を用い、表2に示すように
粉体を分散させて懸濁液を調製し、実施例1と同様にし
て、表2に示す各種の未架橋ポリマーの処理を行った。
ただし、実施例16〜18では、実施例14で用いたの
と同様の、架橋EPDMゴム状弾性体を用いた。その結
果、表2に示すように、いずれの場合も優れたブロッキ
ング防止効果が得られた。
【0054】
【表2】
【0055】
【発明の効果】本発明によって、粘着性ゴムに対する貧
溶媒または非溶媒に粉体を分散させた懸濁液の少量を、
該粘着性ゴムの表面に付着させるという簡単な操作によ
り、従来からの課題であった粘着性ゴムのブロッキング
を効果的に防止することができる。しかも、本発明によ
って処理された粘着性ゴムは、過剰の粉体の混入によっ
て、その本来の特性に影響を受けることがない。本発明
によって、粘着性ゴムの製造、供給、貯蔵およびそれら
を用いるコンパウンディング、成形加工におけるゴムの
取扱いが容易になり、その工業的価値は大きい。また、
ポリマーやそれを含む混和物、または架橋したゴム状弾
性体の破砕・粉砕工程を伴うリサイクル分野においても
有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)粘着性ゴム100重量部の表面
    に、(B)粉体0.01〜20重量部を、(C)上記
    (A)に対する貧溶媒または非溶媒0.1〜10重量部
    中に分散させた懸濁液を付着させることを特徴とする、
    粘着性ゴムのブロッキング防止方法。
  2. 【請求項2】 上記懸濁液に、さらに(D)界面活性剤
    を配合する、請求項1記載のブロッキング防止方法。
  3. 【請求項3】 上記(A)粘着性ゴムが、未架橋ポリマ
    ーまたはそれを含む混和物である、請求項1または2記
    載のブロッキング防止方法。
  4. 【請求項4】 上記(B)粉体が、シリカ、ケイ酸アル
    ミニウム、クレー、タルク、ヒドロキシリン灰石および
    炭酸カルシウムからなる群より選ばれた1種または2種
    以上である、請求項1〜3のいずれか1項記載のブロッ
    キング防止方法。
  5. 【請求項5】 上記(C)貧溶媒または非溶媒が、水で
    ある、請求項1〜4のいずれか1項記載のブロッキング
    防止方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008069370A (ja) * 2007-12-07 2008-03-27 Kaneka Corp (メタ)アクリル系ブロック共重合体ペレットのブロッキング防止方法
JP2009298961A (ja) * 2008-06-16 2009-12-24 Kyocera Chemical Corp 封止用エポキシ樹脂組成物およびその製造方法
JP2016515647A (ja) * 2013-03-15 2016-05-30 ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー Epdm包装系及びプロセス

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