JP3673699B2 - シートリクライニング構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前後揺動可能に装備されたシートバックを所望の姿勢で固定するロック装置と、前記シートバックを前倒し方向に揺動付勢する付勢手段とを備えたシートリクライニング構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記のようなシートリクライニング構造においては、例えば特開平10−99157号公報で開示されているように、シートバックの揺動操作域を、シートバックの前倒し姿勢への切り換えが可能となるように設定することで、シートが配設された居室の一部を荷物室として利用できるようにし、かつ、ロック装置を、前倒し姿勢に切り換えたシートバックをその姿勢で固定できるように構成することで、シートバックを前倒し姿勢に切り換えた状態での走行中に、そのシートバックががたつくことによる異音の発生を防止するようにしたものがあった。尚、この従来技術においては、付勢手段として、シートバックの起立姿勢から後方側のリクライニング操作域においてのみシートバックを前倒し方向に揺動付勢するように構成された渦巻きバネが採用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来技術によると、シートバックを前倒し姿勢からリクライニング操作が可能な起立姿勢に戻す場合には、ロック装置によるシートバックの前倒し姿勢での固定を解除しながら、シートバックを後方の起立姿勢に向けて揺動させる、といった複合操作を行う必要があることから、シートバックの前倒し姿勢から起立姿勢への戻し操作が面倒なものとなっていた。
【0004】
ちなみに、上記の従来技術ではリクライニング操作域においてのみシートバックを前倒し方向に揺動付勢するように構成されている付勢手段の一例である渦巻きバネを、リクライニング操作域から前倒し姿勢位置に亘るシートバックの全揺動操作域においてシートバックを前倒し方向に揺動付勢するように構成すれば、ロック装置を上記従来技術のように構成しなくても、渦巻きバネの付勢でシートバックを前倒し姿勢にて保持することができるようになって、前倒し姿勢に切り換えたシートバックのがたつきに起因した異音の発生を防止できることから、シートバックを前倒し姿勢から起立姿勢に戻す際にロック装置の解除操作を行う手間を省くことができるようになるのであるが、その反面、シートバックを前倒し姿勢から起立姿勢に切り換える際に、シートバックの重量と渦巻きバネの付勢力とに抗するだけの大きい操作力を要するとともに、リクライニング操作域での渦巻きバネの付勢力が強くなり過ぎてリクライニング操作が行い難くなる不都合を招くようになり、その不都合を回避するために渦巻きバネの巻き数を多くしてバネ定数を穏やかにすると、その分、渦巻きバネが大型化するようになることから、その渦巻きバネを配設できる大きい配設空間を確保するための改良を施す必要が生じるようになる。
【0005】
本発明の目的は、シートバックの前倒し姿勢から起立姿勢への戻し操作が面倒になる不都合や、その戻し操作の際に要する操作力の増大を招くことなく、前倒し姿勢に切り換えたシートバックががたつくことによる異音の発生を防止できるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
[構成]
上記目的を達成するため、本発明のうちの請求項1記載の発明では、前後揺動可能に装備されたシートバックを所望の姿勢で固定するロック装置と、前記シートバックを前倒し方向に揺動付勢する付勢手段とを備えたシートリクライニング構造において、次のように構成した。
固定部側に備えられたベースプレートと、シートバック側に備えられた可動プレートとを備えて、ロック装置を構成する。ロック装置及び付勢手段がシートバックの揺動操作域における起立姿勢から後方側のリクライニング操作域で作用するように構成する。シートバックを前倒し姿勢で保持する保持機構を、ロック装置のベースプレートと可動プレートとの間で構成する。保持機構によりシートバックが前倒し姿勢で保持された状態において保持機構の保持力よりも大きいシートバックに対する後方側への揺動操作力により、シートバックの前倒し姿勢での保持が解除されるように、保持機構を構成する。
【0007】
[作用]
上記請求項1記載の発明によると、リクライニング操作域では、ロック装置によってシートバックを所望のリクライニング姿勢で固定することができ、ロック装置の解除操作を行うことで、付勢手段の揺動付勢によってシートバックを所望のリクライニング姿勢から起立姿勢に揺動復帰させることができ、起立姿勢に揺動復帰したシートバックを前方に向けて揺動させることで、シートバックを前倒し姿勢に切り換えることができるとともに、保持機構によってシートバックを前倒し姿勢で保持することができるようになる。
【0008】
持機構によってシートバックが前倒し姿勢で保持されている状態では、保持機構の保持力よりも大きい後方側への揺動操作力をシートバックに付与することで、保持機構によるシートバックの前倒し姿勢での保持を解除することができ、その解除後は、シートバックの重量に抗する揺動操作力をシートバックに付与することで、シートバックを起立姿勢に揺動復帰させることができ、その復帰後は、ロック装置の解除操作を行うとともに、シートバックに付勢手段の揺動付勢に抗する揺動操作力を付与することで、シートバックを起立姿勢からリクライニング操作域の所望位置まで揺動させることができ、ロック装置によってシートバックを所望のリクライニング姿勢で固定することができるようになる。
【0009】
つまり、保持機構によってシートバックを前倒し姿勢で保持できることから、前倒し姿勢に切り換えたシートバックががたつくことによる異音の発生を防止できるようになり、又、シートバックを前倒し姿勢から起立姿勢に切り換える際には、その切り換え操作の初期に、シートバックに対して、保持機構の保持力よりも大きい揺動操作力を、その切り換え方向となる後方向きに付与するだけの簡単な操作で、保持機構によるシートバックの前倒し姿勢での保持を解除することができるので、シートバックの前倒し姿勢での保持をロック装置で行う場合に必要となっていた、ロック装置の解除操作を行いながらシートバックを後方に向けて揺動させる、といった面倒な複合操作を行う必要がない。
【0010】
又、リクライニング操作域においてのみ付勢手段がシートバックを前倒し方向に揺動付勢することから、付勢手段にてシートバックの前倒し姿勢での保持を行えるようにするために、付勢手段がシートバックの全揺動操作域でシートバックを前倒し方向に揺動付勢するように構成した場合に生じる、シートバックを前倒し姿勢から起立姿勢に切り換える際に、シートバックの重量と渦巻きバネの付勢力とに抗するだけの大きい揺動操作力が必要になる、及び、リクライニング操作域での渦巻きバネの付勢力が強くなり過ぎてリクライニング操作が行い難くなる、などの不都合を招くこともない。
上記請求項1記載の発明によると、保持機構をロック装置のベースプレートと可動プレートとの間で構成しているので、保持機構を構成する上においてロック装置の構成部品を保持機構に有効利用することができるようになる。
【0011】
[効果]
従って、保持機構によりシートバックを前倒し姿勢で保持することができるとともに、前倒し姿勢のシートバックを後方に向けて揺動させるだけの簡単な操作で、シートバックの前倒し姿勢での保持の解除と前倒し姿勢から起立姿勢への切り換えとを一連で行えることから、シートバックの前倒し姿勢から起立姿勢への戻し操作が面倒になる不都合や、その戻し操作の際に要する操作力の増大を招くことなく、前倒し姿勢に切り換えたシートバックががたつくことによる異音の発生を防止できるようになった。
保持機構を構成する部品点数を削減できることから、構成の簡素化や製造コストの低減化を図れるようになった。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
[構成]
本発明のうちの請求項2記載の発明では、上記請求項1記載の発明において、次のように構成した。
リクライニング操作域に対応する箇所に複数の被咬合歯を形成してベースプレートを構成し、被咬合歯に噛合する咬合歯を備えて噛合位置と噛合解除位置とに亘って位置変更可能に可動プレートを構成して、可動プレートの噛合位置からの移動を阻止する突っ張り姿勢と噛合解除位置への移動を許容する突っ張り解除姿勢とに亘って揺動可能な揺動部材をシートバック側に備え、揺動部材を突っ張り方向に揺動付勢する付勢バネをシートバック側に備えて、ロック装置を構成する。シートバックを前倒し姿勢に姿勢変更した状態でのベースプレートにおける咬合歯との対向箇所に、ベースプレートの被咬合歯よりも深さの浅い係合凹部を形成して、保持機構を構成する。
【0016】
[作用]
上記請求項2記載の発明によると、リクライニング操作域では、ベースプレートの被咬合歯に可動プレートの咬合歯を噛合させることで可動プレートが噛合解除位置から噛合位置に位置変更し、付勢バネの揺動付勢により揺動部材が突っ張り姿勢になって可動プレートの噛合位置からの移動を阻止することによって、シートバックを所望のリクライニング姿勢で固定することができ、付勢バネの揺動付勢に抗して揺動部材を突っ張り解除姿勢に切り換えて可動プレートの噛合解除位置への移動を許容することで、シートバックの所望のリクライニング姿勢での固定を解除することができるとともに、付勢手段の揺動付勢によってシートバックを所望のリクライニング姿勢から起立姿勢に揺動復帰させることができ、起立姿勢に揺動復帰したシートバックを前方に向けて揺動させることで、シートバックを前倒し姿勢に切り換えることができ、それに伴ってベースプレートの係合凹部に可動プレートの咬合歯が係合し、可動プレートが噛合解除位置から噛合位置側に位置変更し、付勢バネの揺動付勢により揺動部材が突っ張り気味になって可動プレートの噛合解除位置側への移動を抑制することによって、シートバックを前倒し姿勢で保持することができるようになる。
【0017】
又、保持機構によってシートバックが前倒し姿勢で保持されている状態では、そのシートバックに、保持機構の保持力よりも大きい後方側への揺動操作力を付与すると、それに伴って発生するシートバック側の咬合歯を固定部側の係合凹部から離脱させようとする離脱力が、付勢バネの揺動付勢によって突っ張り気味になった揺動部材の突っ張り力に勝るようになることから、付勢バネの揺動付勢に抗した揺動部材の突っ張り解除姿勢への切り換えとともに可動プレートの噛合解除位置への移動を許容するようになり、もって、咬合歯を係合凹部から離脱させた保持解除状態を現出することができるようになる。その解除後は、シートバックの重量に抗する揺動操作力をシートバックに付与することで、シートバックを起立姿勢に揺動復帰させることができ、その復帰後は、揺動部材を突っ張り解除姿勢に切り換えた状態で、シートバックに付勢手段の揺動付勢に抗する揺動操作力を付与することで、シートバックを起立姿勢からリクライニング操作域の所望位置まで揺動させることができ、シートバックをリクライニング操作域の所望位置に位置させた状態において、付勢バネの揺動付勢による揺動部材の突っ張り姿勢への切り換えを許容することで、ベースプレートの被咬合歯に可動プレートの咬合歯が噛合する噛合位置からの可動プレートの移動を阻止する固定状態を現出することができるようになる。
【0018】
つまり、ロック装置を構成する部品の一つであるベースプレートの所定箇所に被咬合歯よりも深さの浅い係合凹部を形成するだけの極簡単な改良を施すことで、ロック装置の構成部品であるベースプレート、可動プレート、揺動部材、及び付勢バネによって保持機構を構成することができるようになる。
【0019】
[効果]
従って、保持機構を構成する上において保持機構専用の部品を新たに設ける必要がないことから、構成の簡素化や製造コストの低減化を効果的に図れるようになった。
【0020】
【発明の実施の形態】
図1及び図2には乗用車の後部に配設されるベンチ型のリヤシート1が示されており、このリヤシート1は、車体のフロア2に連結されるシートクッション3に、左右のシートバック4を、対応するリクライニング装置5を介して連結することによって、左右のシートバック4を、それぞれ所望のリクライニング姿勢に設定することができるとともに前倒し姿勢に切り換えられるように構成されている。尚、図1及び図2に示す符号6はリクライニング装置5の露出部を覆うカバーである。
【0021】
図2〜7に示すように、各リクライニング装置5は、対応するシートバック4を横軸芯P1周りに前後揺動可能に支持する左右一対の揺動アーム7、揺動アーム7を起立姿勢よりも後方側のリクライニング操作域において所望の揺動姿勢で固定するロック装置8、ロック装置8による揺動アーム7の固定を連係機構9を介して解除する操作具10、及び、リクライニング操作域において揺動アーム7を前倒し方向に揺動付勢する付勢手段の一例である渦巻きバネ11、などによって構成されている。揺動アーム7、ロック装置8、及び渦巻きバネ11は、シートリクライニング構造において固定部側となるシートクッション3に装備され、操作具10は、シートリクライニング構造において可動部側となるシートバック4のショルダー部に配備されている。
【0022】
図3〜8に示すように、各揺動アーム7には、シートバック4の背面と連結される連結部7Aが備えられており、連結部7Aには、シートバック4側に片寄った状態で揺動アーム7の遊端側に向けて延出する係止爪7aと、ボルト連結用の2つの貫通孔7bとが形成されている。係止爪7aは、シートバック4の背面を形成するプレート4Aに穿設された係合孔4aとの係合で揺動アーム7に対するシートバック4の位置決めを行うようになっており、この位置決めが行われた状態で、連結ボルト12を各貫通孔7bに挿通し、シートバック4のプレート4Aに備えられた螺合部4bに螺合させることで、連結部7Aにシートバック4を連結できるようになっている。
【0023】
図3〜9に示すように、ロック装置8は、シートクッション3にボルト連結されるベースプレート13、揺動アーム7に横軸芯P2周りに揺動可能に支持された可動プレート14、及び、揺動アーム7に横軸芯P3周りに揺動可能に支持された揺動部材15、などによって構成されている。ベースプレート13は、揺動アーム7に固着される支軸16を横軸芯P1周りに回動可能に支持するとともに、その上縁部13Aが横軸芯P1を中心とする円弧状に形成され、かつ、その上縁部13Aにおけるリクライニング操作域に対応する後部側箇所に複数の被咬合歯13aが形成されている。可動プレート14は、ベースプレート13の被咬合歯13aに噛合する複数の咬合歯14aを備えるとともに、横軸芯P2周りの揺動で、それらの咬合歯14aを被咬合歯13aに噛合させる噛合位置と被咬合歯13aとの噛合を解除する噛合解除位置とに亘って位置変更可能となっている。揺動部材15は、その揺動支点である横軸芯P3と可動プレート14の遊端に形成された接当部14Aとの間に入り込むことで可動プレート14の噛合位置からの移動を阻止する突っ張り姿勢と、その遊端が可動プレート14に形成された凹部14Bに対向することで可動プレート14の噛合解除位置への移動を許容する突っ張り解除姿勢とに亘って横軸芯P3周りに揺動可能となっており、又、揺動アーム7と横軸芯P1周りに一体揺動する支持プレート17から、揺動部材15と横軸芯P3周りに一体揺動する被操作アーム18に亘って架設された付勢バネ19によって突っ張り方向に揺動付勢されている。
【0024】
尚、図9の(イ)に示すように、揺動部材15の突っ張り姿勢は、可動プレート14と揺動部材15との接点と、可動プレート14の揺動支点である横軸芯P2とを結ぶ線L1に対して、その接点と揺動部材15の揺動支点である横軸芯P3とを結ぶ線L2が直交する状態である。又、図5に示すように、揺動部材15の突っ張り解除姿勢においては、揺動部材15の遊端側が、可動プレート14における凹部14Bの後端縁に接当して可動プレート14を押し上げるようになっている。
【0025】
図2〜8に示すように、連係機構9は、揺動アーム7に支持された被操作アーム18、シートバック4に横軸芯P4周りに揺動可能に支持されたクランクアーム20、及び、シートバック4に配備された操作具10とクランクアーム20の一方の遊端とに亘って架設された連係ロッド21、などによって構成され、クランクアーム20の他方の遊端には、付勢バネ19の揺動付勢によって被操作アーム18に接当する接当ピン20Aが装備されており、これによって、操作具10の引き上げ操作に連動して、シートバック4側の接当ピン20Aが揺動アーム7側の被操作アーム18を付勢バネ19の付勢に抗する方向に押圧操作するようになっている。尚、図2〜8に示す符号4Bは、クランクアーム20との接当でクランクアーム20の揺動を規制するようにシートバック4に備えられたストッパピンである。
【0026】
連係機構9はシートクッション3側に配設された被操作アーム18などからなる第1機構部9Aと、シートバック4に配備されたクランクアーム20や連係ロッド21などからなる第2機構部9Bとの2分割構造で、かつ、揺動アーム7に対するシートバック4の連結に伴って、接当ピン20Aによる被操作アーム18の押圧操作が可能な状態に第1機構部9Aと第2機構部9Bとが連係されるように構成されており、これによって、リヤシート1をフロア2に組み付ける際には、揺動アーム7やロック装置8及び連係機構9の第1機構部9Aなどが装備されたシートクッション3を先に車内に搬入してフロア2に取り付けてから、連係機構9の第2機構部9Bなどが装備されたシートバック4を車内に搬入してシートクッション3側の揺動アーム7に連結する、といった作業手順で、リヤシート1をリクライニング操作可能な状態にフロア2に組み付けることができるのであり、結果、先にリクライニング操作可能な状態に組み上げることで嵩が大きく重量が重くなったリヤシート1を車内に搬入する場合に比較してリヤシート1の車内への搬入作業を容易にすることができ、又、リヤシート1をリクライニング操作可能な状態に組み上げる前の段階で車内に搬入しながらも、車内においてシートバック4側の操作具10とシートクッション3側のロック装置8とを連係させる専用の連結作業を別途行う必要がないことから、車内でのリヤシート組み付け作業の簡略化を図れるようになっている。
【0027】
図3〜7に示すように、渦巻きバネ11は、その中心側の端部11Aが揺動アーム7の支軸16に係止されるとともに、揺動アーム7がリクライニング操作域に位置する状態では、その外周側の端部11Bがベースプレート13に装備された係止ピン13Bにて受け止め支持され[図3〜5参照]、揺動アーム7が起立姿勢から前方側に揺動操作された状態では、その外周側の端部11Bが係止ピン13Bから離間するようになっており[図6参照]、これによって、渦巻きバネ11は、リクライニング操作域においてのみ揺動アーム7を前倒し方向に揺動付勢するようになっている。
【0028】
以上の構成により、リクライニング操作域においては、シートバック4に配備された操作具10を引き上げ操作すると、付勢バネ19の揺動付勢に抗して揺動部材15が突っ張り解除姿勢に切り換えられて可動プレート14が噛合解除位置に位置するようになることから[図5参照]、渦巻きバネ11の揺動付勢又はその揺動付勢に抗した人為操作によってシートバック4を所望のリクライニング姿勢まで揺動させることができるようになり、シートバック4を所望のリクライニング姿勢まで揺動させた段階で操作具10の引き上げ操作を解除すると、付勢バネ19の揺動付勢によって揺動部材15が突っ張り姿勢方向に揺動するとともに、可動プレート14が噛合位置に移動してその咬合歯14aをベースプレート13の被咬合歯13aに噛合させ、かつ、その噛合により揺動部材15が突っ張り姿勢に切り換わって可動プレート14の噛合位置からの移動を阻止するようになることから[図3、図4及び図9の(イ)参照]、シートバック4を所望のリクライニング姿勢で固定できるようになっている。
【0029】
又、シートバック4を起立姿勢から前倒し姿勢に切り換える際には、渦巻きバネ11が作用することによるシートバック4の急激な前倒し姿勢への切り換わりを回避でき、シートバック4を前倒し姿勢から起立姿勢に切り換える際には、シートバック4の重量に抗する操作力をシートバック4に付与するだけでシートバック4を起立姿勢に切り換えられるようになっている。
【0030】
図3〜6及び図9に示すように、ベースプレート13の上縁部13Aは、シートバック4を前倒し姿勢に姿勢変更した状態での可動プレート14の咬合歯14aとの対向箇所に被咬合歯13aよりも深さの浅い係合凹部13bが形成されており、これによって、シートバック4の前倒し姿勢への姿勢変更により可動プレート14の咬合歯14aがベースプレート13の係合凹部13bに到達する際には、付勢バネ19の揺動付勢によって揺動部材15が突っ張り姿勢方向に揺動し、その揺動で、可動プレート14が噛合位置方向に移動してその咬合歯14aをベースプレート13の係合凹部13bに係合させ、その係合に伴って、揺動部材15の揺動支点P3と、可動プレート14の接当部14Aにおける凹部14B側の端部との間に、揺動部材15が突っ張り気味に少しだけ噛み込む状態となって可動プレート14の噛合解除位置側への移動を抑制することから、ベースプレート13の係合凹部13bと可動プレート14の咬合歯14aとの係合が保持されるようになっている[図6及び図9の(ハ)参照]。
【0031】
つまり、上記の構成によって、シートバック4を起立姿勢から前倒し姿勢に切り換えるだけで、シートバック4を前倒し姿勢で保持できるようになっており、もって、前倒し姿勢に切り換えたシートバック4ががたつくことによる異音の発生を防止できるようになっている。しかも、ベースプレート13に係合凹部13bを形成するだけの簡単な改良を施すことで、ロック装置8の構成部品であるベースプレート13、可動プレート14、揺動部材15、及び付勢バネ19などによって、シートバック4を前倒し姿勢で保持する保持機構22を構成できることから、構成の簡素化や製造コストの低減化を図れるようになっている。
【0032】
又、シートクッション3側の揺動アーム7にシートバック4を組み付ける場合には、図6及び図8に示すように、前もって揺動アーム7を保持機構22により前倒し姿勢で保持させておくようにすれば、揺動アーム7の係止爪7aにシートバック4の係合孔4aを前下方から係合させて揺動アーム7に対するシートバック4の位置決めを行う際に、シートバック4との接触で、揺動アーム7が後方側に揺動してシートバック4から逃げるようになることを防止でき、しかも、その位置決め状態では、揺動アーム7の貫通孔7bとシートバック4の螺合部4bとが、上方からの連結ボルト12の螺合による揺動アーム7とシートバック4との連結を許容する状態となることから、シートクッション3にシートバック4を組み付ける際の作業性の向上を図れるようになっている。
【0033】
ところで、保持機構22によりシートバック4を前倒し姿勢で保持した状態は、図6及び図9の(ハ)に示すように、揺動部材15の揺動支点P3と、可動プレート14の接当部14Aにおける凹部14B側の端部との間に、揺動部材15が突っ張り気味に少しだけ噛み込む状態であり、可動プレート14と揺動部材15との接点と、可動プレート14の揺動支点P2とを結ぶ線L3に対して、その接点と揺動部材15の揺動支点P3とを結ぶ線L4が鈍角に交わるようになるロック装置8の半固定状態であることから[図9の(ハ)参照]、シートバック4に対して、保持機構22の保持力よりも大きい後方側への揺動操作力を付与することによって、揺動部材15の揺動支点P3と可動プレート14の接当部14Aにおける凹部14B側の端部との間に突っ張り気味に少しだけ噛み込む状態となっている揺動部材15を突っ張り解除方向に揺動させることができて、可動プレート14を噛合解除位置に移動させることができるので、シートバック4の前倒し姿勢での保持を解除できるようになっている。
【0034】
つまり、前倒し姿勢のシートバック4を後方に向けて揺動させるだけの簡単な操作で、シートバック4の前倒し姿勢での保持の解除と前倒し姿勢から起立姿勢への切り換えとを一連で行えるようになっている。
【0035】
尚、ベースプレート13の係合凹部13bは、可動プレート14の咬合歯14aが引っ掛かる状態となる段差部aが滑らかな曲線を描くように形成されており、これによって、保持機構22により前倒し姿勢で保持されているシートバック4に対して保持機構22の保持力よりも大きい後方側への揺動操作力が付与された際には、可動プレート14が段差部aに徐々に乗り上がって揺動部材15の突っ張り解除方向への揺動を促すようになり、もって、保持機構22によるシートバック4の前倒し姿勢での保持をスムーズに解除できるようになっている。
【0036】
[別実施形態]
以下、本発明の別実施形態を列記する。
(1)本発明が適用されるシートとしては、シートバック4の全体が一体でリクライニング操作されるベンチ型のリヤシート1、セパレート型のリヤシート1、又は、パッセンジャーシートなどであってもよく、又、フロア2などにスライド機構を介して前後位置調節可能に連結されるものや、シートバック4が、リクライニング装置5を介してフロア2やスライド機構などに前後揺動可能に連結されるものであってもよい。
(2)リクライニング装置5としては、操作具10とロック装置8の被操作アーム18とが連係ロッドや連係ワイヤで連係されたものであってもよく、又、操作具10が固定部側となるシートクッション3などに配備されたものであってもよい。
(3)保持機構22としては、揺動部材15が突っ張り気味に作用せずに、単に、ベースプレート13の係合凹部13bと可動プレート14の咬合歯14aとの係合、及び、付勢バネ19の揺動付勢により、可動プレート14の噛合解除位置側への移動を抑制することで、シートバック4を前倒し姿勢で保持するように構成されたものであってもよく、又、付勢バネ19の揺動付勢によって接当する可動プレート14と揺動部材15との間に、可動プレート14をベースプレート13側に押し付ける押圧力を増大させるカム面を形成するようにしてもよい。
(4)保持機構22としては、ベースプレート13におけるシートバック4を前倒し姿勢に姿勢変更した状態での可動プレート14の咬合歯14aとの対向箇所の直前箇所に、可動プレート14を乗り越え揺動させる膨出部を形成し、その乗り越え揺動後の膨出部と可動プレート14の咬合歯14aとの係合、及び、付勢バネ19の揺動付勢などにより、可動プレート14の噛合解除位置側への移動を抑制することで、シートバック4を前倒し姿勢で保持するように構成されたものであってもよい。
(5)保持機構22を、例えば、揺動アーム7とベースプレート13との間にデテント機構を介装することによって構成してもよい。
(6)ロック装置8の構成としては種々の変更が可能であり、例えば、固定部側となるシートクッション3などに可動プレート14や揺動部材15が配設され、シートバック4の横軸芯P1周りの前後揺動に伴ってベースプレート13が横軸芯P1周りに回動するように構成されたものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 リヤシートの構成を示す斜視図
【図2】 リヤシートの構成を示す側面図
【図3】 リクライニング装置の構成を示す要部の側面図
【図4】 シートバックを所望のリクライニング姿勢で固定した状態を示す要部の側面図
【図5】 シートバックを所望のリクライニング姿勢で固定を解除した状態を示す要部の側面図
【図6】 シートバックを前倒し姿勢で保持した状態を示す要部の側面図
【図7】 リクライニング装置の構成及び揺動アームとシートバックの連結構成を示す要部の背面図
【図8】 揺動アームとシートバックの連結構成を示すリヤシートの側面図
【図9】(イ)ロック装置のシートバック固定状態を示す要部の側面図
(ロ)ロック装置のシートバック固定解除状態を示す要部の側面図
(ハ)保持機構のシートバック保持状態を示す要部の側面図
【符号の説明】
4 シートバック
8 ロック装置
11 付勢手段
13 ベースプレート
13a被咬合歯
13b係合凹部
14 可動プレート
14a咬合歯
15 揺動部材
19 付勢バネ
22 保持機構

Claims (2)

  1. 前後揺動可能に装備されたシートバックを所望の姿勢で固定するロック装置と、前記シートバックを前倒し方向に揺動付勢する付勢手段とを備えたシートリクライニング構造において、
    固定部側に備えられたベースプレートと、前記シートバック側に備えられた可動プレートとを備えて、前記ロック装置を構成し、
    前記ロック装置及び前記付勢手段が、前記シートバックの揺動操作域における起立姿勢から後方側のリクライニング操作域で作用するように構成するとともに、
    前記シートバックを前倒し姿勢で保持する保持機構を、前記ロック装置のベースプレートと可動プレートとの間で構成して、
    前記保持機構によりシートバックが前倒し姿勢で保持された状態において、前記保持機構の保持力よりも大きい前記シートバックに対する後方側への揺動操作力により、前記シートバックの前倒し姿勢での保持が解除されるように、前記保持機構を構成してあるシートリクライニング構造。
  2. 前記リクライニング操作域に対応する箇所に複数の被咬合歯を形成して前記ベースプレートを構成し、前記被咬合歯に噛合する咬合歯を備えて噛合位置と噛合解除位置とに亘って位置変更可能に前記可動プレートを構成して、前記可動プレートの噛合位置からの移動を阻止する突っ張り姿勢と噛合解除位置への移動を許容する突っ張り解除姿勢とに亘って揺動可能な揺動部材をシートバック側に備え、前記揺動部材を突っ張り方向に揺動付勢する付勢バネをシートバック側に備えて、前記ロック装置を構成するとともに、
    前記シートバックを前倒し姿勢に姿勢変更した状態でのベースプレートにおける咬合歯との対向箇所に、前記ベースプレートの被咬合歯よりも深さの浅い係合凹部を形成して、前記保持機構を構成してある請求項1に記載のシートリクライニング構造。
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