JP2815567B2 - 車両用シートバックの傾動装置 - Google Patents

車両用シートバックの傾動装置

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JP2815567B2
JP2815567B2 JP2706996A JP2706996A JP2815567B2 JP 2815567 B2 JP2815567 B2 JP 2815567B2 JP 2706996 A JP2706996 A JP 2706996A JP 2706996 A JP2706996 A JP 2706996A JP 2815567 B2 JP2815567 B2 JP 2815567B2
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成治 和久
浩己 関
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Imasen Electric Industrial Co Ltd
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Honda Motor Co Ltd
Imasen Electric Industrial Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シートバックを車
体に対して前後方向に傾動固定するための車両用シート
バックの傾動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、自動車用シート、特にリヤシー
トでは、乗り心地や使い勝手の向上を図るために、背も
たれであるシートバックを前倒し可能にするとともに、
前後方向に所定の傾動角度で固定する機能が望まれてい
る。
【0003】この種の要請に応じて、例えば、特開昭6
1−59444号公報(以下、従来例1という)に開示
されたリヤシートバックロック装置が知られている。こ
の従来例1は、図13に示すように、3本のロックバー
1a〜1cを設けたストライカ2と、シートバック3側
に固着されて回動中心ピンPを中心に回動可能なロック
プレート4とを備えている。このロックプレート4は、
ロックバー1a〜1cのいずれかと係脱するロック溝5
を有するとともに、引張ばね6および操作レバー7に付
着されている。
【0004】ところで、上記の従来例1では、ロックプ
レート4のロック溝5がロックバー1aに係合する際、
このロック溝5がシートバック3の傾動支点Oを中心と
しかつ回動中心ピンPを通る円周M上から離間して配置
されている。このため、車両が前方(矢印X方向)に加
速される時、シートバック3が回転しないようにロック
プレート4にロックバー1aから反力Fが作用し、この
反力Fの分力F1によるモーメント(=F1・L)が、
前記ロックプレート4に対して前記ロックバー1aから
離脱する方向に作用する。
【0005】従って、従来例1では、ロックプレート4
がロックバー1a(1b、1c)から離脱することを防
止するために、相当に大きな引張力を有する引張ばね6
が使用されている。これにより、操作レバー7の操作が
煩雑になり、特に子供等の力では容易に操作できないお
それがある。
【0006】そこで、図14に示すように、背摺3aに
支点軸Paを介して調節レバー4aが揺動自在に装着さ
れるとともに、この調節レバー4aには、ストライカ2
aに係合自在な歯溝5a〜5cが設けられた構成が知ら
れている(実公昭58−24593号公報参照)(以
下、従来例2という)。
【0007】この従来例2では、支点軸Paと歯溝5a
〜5cとが背摺3aの傾動支点を中心とする略同一円周
M上に配置されている。このため、調節レバー4aをス
トライカ2aから離間させる分力(図13中、分力F1
参照)が発生することがなく、調節レバー4aの操作性
が向上する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例2では、図14に示されるように、背摺3aは調
節レバー4aの歯溝5cにストライカ2aが係合する位
置からさらに前方(矢印X方向)に傾動することができ
ない。調節レバー4aにストライカ2aが当接してこの
調節レバー4aの前方への移動が阻止されるからであ
る。これにより、背摺3aの傾倒範囲が相当に限定され
るという問題がある。
【0009】また、シートバックの傾倒範囲を有効に確
保すべく、実公平1−30260号公報に開示されてい
るように、リヤシートバックの傾動方向と直交する平面
上でかつ軸が車長方向に指向して回動可能に支持され、
その回動側先端部分には下方に延在して折り曲げ部が設
けられるとともに、該折り曲げ部に2つのロック溝が形
成されたロックプレートを備え、ループ状ストライカの
2つの脚部に前記ロックプレートの2つのロック溝を選
択的に係合させることにより、前記リヤシートバックを
前段位置、中立位置および後段位置に傾動固定するリヤ
シートバック装置が知られている(以下、従来例3とい
う)。
【0010】しかしながら、上記の従来例3では、ロッ
クプレートとストライカの係合関係を解除するために、
このロックプレートの回動側先端部分に下方に延在して
設けられた折り曲げ部のロック溝を前記ストライカの脚
部から完全に離脱させなければならない。このため、ロ
ックプレートをリヤシートバックの傾動方向と直交する
平面上で比較的大きな角度だけ回動させる必要があり、
前記リヤシートバックの側部には、車幅方向に相当に幅
広なロックプレート回動用スペースが設けられている。
従って、装置全体が大型化するとともに、その占有スペ
ースが拡大し、しかもリヤシートバックの厚さ方向が大
きくなるという問題が指摘されている。
【0011】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、装置全体の小型化および占有スペースの削減を容
易に遂行するとともに、広範囲に傾動可能な車両用シー
トバックの傾動装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、シートバックの傾動方向に沿った面上
で揺動自在にロック部材が設けられるとともに、このロ
ック部材が、車幅方向外方にオフセットしてストライカ
に係合自在な係合溝を有する。このため、ロック部材を
揺動させて係合溝をストライカから離脱させた状態で、
シートバックを傾動させると、前記ロック部材に前記ス
トライカが当接することがなく、前記シートバックの傾
倒範囲が有効に拡大する。
【0013】また、ロック部材において、ストライカに
係合溝が係合する際に、この係合溝と揺動支点とが、シ
ートバックの傾動支点を中心に略同一円周上に配置され
る。これにより、車両の加速および減速時に作用する反
力によって、ロック部材にストライカから離間する方向
に分力が作用することがない。
【0014】さらに、ロック部材が、互いに逆方向に揺
動支点を有しかつ互いにオフセットして設けられる第1
および第2ロック部材を備える。このため、シートバッ
クの傾動固定位置が他段階で調整でき、しかも第1およ
び第2ロック部材同士の間隔を有効に短縮して傾動装置
全体の小型化が図られるとともに、ストライカがシート
バックより前方に突出することがない。
【0015】さらにまた、例えば、第1ロック部材が揺
動動作されると、駆動手段を構成する第1歯車部、中間
歯車および第2歯車部の作用下に第2ロック部材が同期
して揺動される。従って、単一の操作部材を比較的小さ
な角度範囲で操作するだけで、第1および第2ロック部
材がストライカから確実に離脱し、シートバックの傾動
固定作業が容易かつ効率的に遂行される。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施形態
に係る車両用シートバックの傾動装置10の正面説明図
であり、図2は、前記傾動装置10の側面説明図であ
る。
【0017】傾動装置10は、車体12側に設けられる
ストライカ14と、シートバック16側に対し、このシ
ートバック16の傾動方向(矢印A方向)に沿った面上
で揺動自在に設けられるロック部材18とを備える。
【0018】ロック部材18は、車幅方向(矢印B方
向)に軸線を有する揺動支点20と、前記揺動支点20
の軸線方向にかつ前記車幅方向外方(矢印B1方向)に
オフセットして設けられ、ストライカ14に係合自在な
係合溝22とを有する。ストライカ14は、傾動方向に
配列された互いに平行な第1および第2係止部24、2
6を有する。
【0019】ロック部材18は、ストライカ14の第1
および第2係止部24、26の一方に係合する際に、こ
のロック部材18の係合溝22と揺動支点20とが、シ
ートバック16の傾動支点16aを中心にした略同一円
周S上に配置される。シートバック16の側部上部側に
傾動装置10を構成する取付プレート28が固着され
る。
【0020】取付プレート28には、揺動支点20を介
して板状のロック部材18が揺動自在に装着されるとと
もに、このロック部材18の端部には、操作レバー30
の下端が係合し、この操作レバー30が支点32により
前記取付プレート28に回動自在に支持される。操作レ
バー30には、引張ばね34が係合してこの操作レバー
30を、常時、矢印方向、すなわちロック部材18がス
トライカ14に係合する方向に付勢している。
【0021】このように構成される傾動装置10の動作
について、以下に説明する。
【0022】先ず、図1中、二点鎖線に示すように、シ
ートバック16が前方ロック位置Rfに傾動固定されて
いる。そこで、操作レバー30が、矢印C方向に揺動さ
れると、ロック部材18が揺動支点20を中心に下方に
揺動し、係合溝22が第1係止部24から離脱する。
【0023】次いで、シートバック16が後方に傾動さ
れた後、操作レバー30が開放されると、ロック部材1
8の係合溝22がストライカ14の第2係止部26に係
合し、前記シートバック16は、後方ロック位置Rrに
傾動固定される(図1中、実線参照)。
【0024】この場合、第1の実施形態では、ロック部
材18が、揺動支点20の軸線方向にかつ車幅方向外方
(矢印B1方向)にオフセットして設けられ、ストライ
カ14の第1および第2係止部24、26に係合自在な
係合溝22を有している。
【0025】このため、操作レバー30によりロック部
材18が揺動されて係合溝22が第1または第2係止部
24、26から離脱された状態で、シートバック16を
前倒しおよび後倒しても、前記ロック部材18がストラ
イカ14に当接することがない。従って、シートバック
16の傾倒範囲(リクライニング量)が有効に拡大し、
簡単な構成で、利便性が一挙に向上するという効果が得
られる。
【0026】さらに、係合溝22と揺動支点20とが、
シートバック16の傾動支点16aを中心に略同一円周
S上に配置される。このため、車体12の加速および減
速時に作用する反力によって、ロック部材18にストラ
イカ14から離間する方向に分力が発生することがな
い。従って、ロック部材18をストライカ14に対して
大きな力で押圧する必要がなく、このロック部材18の
操作、すなわち操作レバー30の操作が容易かつ円滑に
遂行される。
【0027】次に、図3および図4には、本発明の第2
の実施形態に係る傾動装置50が示されている。
【0028】傾動装置50は、車体(図示せず)側に設
けられシートバック52の傾動方向(矢印A方向)に沿
って第1および第2係止部54、56を有したストライ
カ58と、前記シートバック52側に互いに逆方向に第
1および第2揺動支点60、62を有しかつ互いにオフ
セットして設けられ、いずれか一方が前記ストライカ5
8に係合する際に前記シートバック52を前方ロック位
置Rfまたは後方ロック位置Rrに傾動固定するととも
に、両方が前記ストライカ58に同時に係合する際に前
記シートバック52を中間ロック位置Rnに傾動固定す
る第1および第2ロック部材64、66と、操作レバー
68の操作に連動して前記第1および第2ロック部材6
4、66を揺動させる駆動手段70とを備える。
【0029】ストライカ58は、略コ字状を有してお
り、傾動方向に配列された互いに平行な第1および第2
係止部54、56を有する。
【0030】シートバック52の側部上部側に、傾動装
置50を構成する取付プレート71が固着される。取付
プレート71には、第1および第2揺動支点60、62
を介して板状の第1および第2ロック部材64、66が
揺動自在に装着される。
【0031】第1ロック部材64は、車幅方向に軸線を
有する第1揺動支点60を備え、この第1揺動支点60
に第1アーム部72が係合する。第1アーム部72の揺
動側端部には、第1揺動支点60の軸線方向にかつ車幅
方向外方(矢印B1方向)に延在した後に下方に屈曲す
る第1係合爪部74が設けられる。この第1係合爪部7
4の先端には、ストライカ58の第1および第2係止部
54、56に選択的に係合可能な第1係合溝76が形成
される。
【0032】第1アーム部72の揺動側端部には、車幅
方向内方に延在して第1突片部78が設けられるととも
に、その揺動側先端部に短尺な第1リンク片80の一端
が係合し、この第1リンク片80の他端が操作レバー6
8の下端に係合する。操作レバー68は、取付プレート
71に支点82を中心に回動自在に支持されており、こ
の操作レバー68の上端が外部に露呈している。
【0033】第2ロック部材66は、上記第1ロック部
材64と同様に構成されており、第2揺動支点62に係
合する第2アーム部84の揺動側端部には、第1係合爪
部74と車幅方向にオフセットして第2係合爪部88が
設けられ、この第2係合爪部88の先端に第2係合溝9
0が形成される。第1および第2係合溝76、90は、
中間ロック位置Rnで第1および第2係止部54、56
に同時に係合する。
【0034】第2アーム部84の揺動側端部には、車幅
方向内方に延在して第2突片部92が設けられ、この第
2突片部92と第1突片部78とにコイルスプリング9
4の両端が係合する。コイルスプリング94は、第1お
よび第2ロック部材64、66を互いに近接する方向、
すなわちストライカ58に係合する方向に常時付勢して
いる。
【0035】第2アーム部84の揺動側先端部に長尺な
第2リンク片96の一端が係合し、この第2リンク片9
6の他端が操作レバー68の下端に係合する。この第2
リンク片96と第1リンク片80とにより駆動手段70
が構成される。
【0036】第1および第2ロック部材64、66で
は、ストライカ58に第1および第2係合溝76、90
が係合する際に、この第1および第2係合溝76、90
と第1および第2揺動支点60、62とが、それぞれシ
ートバック52の傾動支点を中心にした略同一円周S
1、S2上に配置される(図3参照)。
【0037】このように構成される傾動装置50の動作
について、以下に説明する。
【0038】先ず、図3に示す固定姿勢において、操作
レバー68が矢印C方向に揺動されると、この操作レバ
ー68に連結された第1および第2リンク片80、96
が引張される。このため、第1および第2ロック部材6
4、66が、第1および第2リンク片80、96を介し
て第1および第2揺動支点60、62を中心に揺動し、
第1および第2係合爪部74、88の第1および第2係
合溝76、90がストライカ58の第1および第2係止
部54、56から離脱する(図4参照)。
【0039】この状態で、シートバック52が前方また
は後方に傾動されて操作レバー68が開放されると、コ
イルスプリング94の引張力および駆動手段70を介し
て第1および第2ロック部材64、66が互いに近接す
る方向に同期して揺動する。このため、第1ロック部材
64または第2ロック部材66がストライカ58に係合
し、シートバック52が前方ロック位置Rfまたは後方
ロック位置Rrに傾動固定される。
【0040】この場合、第2の実施形態では、第1およ
び第2ロック部材64、66が、互いに逆方向に設定さ
れた第1および第2揺動支点60、62と、この第1お
よび第2揺動支点60、62の軸線方向にかつ車幅方向
外方(矢印B1方向)にオフセットして設けられ、スト
ライカ58の第1および第2係止部54、56に係合自
在な第1および第2係合溝76、90とを有している。
【0041】このため、第1および第2ロック部材6
4、66がストライカ58に当接することがなく、第1
の実施形態と同様に、シートバック52の傾倒範囲(リ
クライニング量)が有効に拡大するという効果が得られ
る他、傾動装置50全体が容易にコンパクトになる。
【0042】すなわち、図5には、比較のために、揺動
支点Pbを中心に揺動可能な単一のロック部材4cが示
されている。このロック部材4cには、第1および第2
係合溝5d、5eが形成されるとともに、前記第1およ
び第2係合溝5d、5eが選択的に係合する1つのスト
ライカ2bが配置されている。
【0043】このような構成では、シート幅Hにおい
て、ロック部材揺動幅H1と、ロック部材4cの揺動に
必要とされる揺動支点Pbから第1係合溝5dまでのデ
ッドスペースH2と、リクライニング量に相当する第1
および第2係合溝5d、5e間の歯幅とが存在してい
る。ロック部材揺動幅H1は、作動角θに比例し、デッ
ドスペースH2に反比例する。このため、所定のシート
幅H内で、デッドスペースH2を大きくすると、リクラ
イニング量である歯幅が小さくなる一方、このデッドス
ペースH2を小さくすると、ロック部材揺動幅H1が大
きくなる。これにより、構造上、十分なリクライニング
量を確保することができず、結果的に、シート幅Hが相
当に長尺化している。
【0044】これに対して、図3に示す傾動装置50で
は、構造上、第1および第2ロック部材64、66の第
1および第2係合溝76、90を相手の第2および第1
揺動支点62、60と同軸上に配置可能である。従っ
て、シート幅Haにおいて、ロック部材揺動幅Hbが存
在するだけでデッドスペースを略0にすることができ、
シート幅Haが有効に短尺化され、傾動装置50全体の
スペース効率が一挙に向上するという効果が得られる。
【0045】次に、本発明の第3の実施形態に係る傾動
装置110について説明する。
【0046】図6〜図10に示すように、傾動装置11
0は、車体112側に設けられ、シートバック114の
傾動方向(矢印A方向)に沿って第1および第2係止部
116、118が設けられたストライカ120と、前記
シートバック114側に互いに逆方向に第1および第2
揺動支点122、124を有しかつ互いにオフセットし
て設けられ、いずれか一方が前記ストライカ120に係
合する際に前記シートバック114を前方ロック位置R
fまたは後方ロック位置Rrに傾動固定するとともに、
両方が前記ストライカ120に同時に係合する際に前記
シートバック114を中間ロック位置Rnに傾動固定す
る第1および第2ロック部材126、128と、操作レ
バー130による前記第1ロック部材126の揺動動作
に連動して前記第2ロック部材128を揺動させる駆動
手段132とを備える。
【0047】ストライカ120は、略コ字状を有してお
り、車幅方向(矢印B方向)に互いに平行な第1および
第2係止部116、118の端部が連結部134を介し
て一体的に連結されている(図6参照)。
【0048】シートバック114は、図10に示すよう
に、シートクッション136の後部にヒンジ機構(図示
せず)を介して傾動可能に装着されている。このシート
バック114の側部上部側に傾動装置110を構成する
取付プレート138が固着される。取付プレート138
には、第1および第2揺動支点122、124を介して
板状の第1および第2ロック部材126、128が揺動
自在に装着される。
【0049】図6〜図8に示すように、第1ロック部材
126は、車幅方向(矢印B方向)に軸線を有する第1
揺動支点122を備え、この第1揺動支点122に第1
アーム部140が係合する。第1アーム部140の回動
側端部には、第1揺動支点122を回動軸心とする第1
歯車部142が一体的に形成される。
【0050】第1アーム部140の揺動側端部には、第
1揺動支点122の軸線方向にかつ車幅方向外方(矢印
B1方向)に延在した後に下方に屈曲する第1係合爪部
144が設けられる。この第1係合爪部144の先端に
は、ストライカ120の第1および第2係止部116、
118に選択的に係合可能な第1係合溝146が形成さ
れる。
【0051】第1アーム部140の揺動側端部には、車
幅方向内方(矢印B2方向)に延在して第1突片部14
8が設けられるとともに、その揺動側先端部にリンク片
150の一端が係合し、このリンク片150の他端が操
作レバー130の下端に係合する。操作レバー130
は、取付プレート138に支点152を中心に回動自在
に支持されており、この操作レバー130の上端が外部
に露呈している。
【0052】第2ロック部材128は、上記第1ロック
部材126と同様に構成されており、第2揺動支点12
4に係合する第2アーム部154の回動側端部には、前
記第2揺動支点124を回動軸心とする第2歯車部15
6が一体的に形成される。第2アーム部154の揺動側
端部には、第1係合爪部144と車幅方向にオフセット
して第2係合爪部158が設けられ、この第2係合爪部
158の先端に第2係合溝160が形成される。第1お
よび第2係合溝146、160は、中間ロック位置Rn
で第1および第2係止部116、118に同時に係合す
る。
【0053】第2アーム部154の揺動側端部には、車
幅方向内方に延在して第2突片部162が設けられ、こ
の第2突片部162と第1突片部148とにコイルスプ
リング164の両端が係合する。コイルスプリング16
4は、第1および第2ロック部材126、128を互い
に近接する方向、すなわちストライカ120に係合する
方向に常時付勢している。
【0054】第1および第2ロック部材126、128
では、ストライカ120に第1および第2係合溝14
6、160が係合する際に、この第1および第2係合溝
146、160と第1および第2揺動支点122、12
4とが、それぞれシートバック114の傾動支点114
aを中心にした略同一円周S1、S2上に配置される
(図8参照)。
【0055】駆動手段132は、第1ロック部材126
に設けられた第1歯車部142と、第2ロック部材12
8に設けられた第2歯車部156と、取付プレート13
8に回転自在に装着され、前記第1および第2歯車部1
42、156に一体的に噛合する中間歯車166とを備
える。
【0056】このように構成される傾動装置110の動
作について、以下に説明する。
【0057】先ず、図8および図10には、傾動装置1
10を介してシートバック114が中間ロック位置Rn
に傾動固定された状態が示されている。この中間ロック
位置Rnでは、第1および第2係合溝146、160が
ストライカ120の第1および第2係止部116、11
8に同時に係合している。
【0058】そこで、図9に示すように、操作レバー1
30が矢印C方向に揺動されると、この操作レバー13
0に連結されたリンク片150が矢印D方向に引張され
る。このため、第1ロック部材126が、リンク片15
0を介して第1揺動支点122を中心に矢印E方向に揺
動し、第1係合爪部144の第1係合溝146がストラ
イカ120の第1係止部116から離脱する。
【0059】その際、第1アーム部140に形成されて
いる第1歯車部142が矢印F方向に回転し、この第1
歯車部142に噛合する中間歯車166を介して第2歯
車部156が矢印G方向に回転する。従って、第2ロッ
ク部材128は、コイルスプリング164の引張力に抗
して矢印H方向に揺動し、第2係合爪部158の第2係
合溝160がストライカ120の第2係止部118から
離脱する。
【0060】この状態で、例えば、シートバック114
が前方に傾動されて操作レバー130が開放されると、
コイルスプリング164の引張力および駆動手段132
を介して第1および第2ロック部材126、128が互
いに近接する方向に同期して揺動する。このため、第1
ロック部材126がストライカ120から離間して第2
ロック部材128のみが前記ストライカ120に係合す
る。すなわち、第2係合爪部158の第2係合溝160
がストライカ120の第1係合部116に係合し、シー
トバック114を前方ロック位置Rfに傾動固定する
(図11参照)。
【0061】一方、第1および第2ロック部材126、
128がストライカ120から離脱した状態で、シート
バック114が後方に傾動されて操作レバー130が開
放されると、前記第1ロック部材126の第1係合爪部
144に形成された第1係合溝146がストライカ12
0の第2係止部118に係合し、前記第2ロック部材1
28が前記ストライカ120から離間する。これによ
り、シートバック114は、後方ロック位置Rrに傾動
固定される(図12参照)。
【0062】この場合、第3の実施形態では、第1およ
び第2ロック部材126、128が、第1および第2揺
動支点122、124と、この第1および第2揺動支点
122、124の軸線方向にかつ車幅方向外方(矢印B
1方向)にオフセットして設けられ、ストライカ120
の第1および第2係止部116、118に係合自在な第
1および第2係合溝146、160とを有している。
【0063】このため、操作レバー130により第1お
よび第2ロック部材126、128が揺動されて第1お
よび第2係合溝146、160が第1および第2係止部
116、118から離脱された状態で、シートバック1
14を前倒しおよび後倒しても、前記第1および第2ロ
ック部材126、128がストライカ120に当接する
ことがない。従って、シートバック114の傾倒範囲
(リクライニング量)が有効に拡大し、簡単な構成で、
利便性が一挙に向上するという効果が得られる。
【0064】また、第1および第2ロック部材126、
128では、ストライカ120に第1および第2係合溝
146、160が係合する際に、この第1および第2係
合溝146、160と第1および第2揺動支点122、
124とが、それぞれシートバック114の傾動支点1
14aを中心に略同一円周S1、S2上に配置される。
このため、車体112の加速および減速時に作用する反
力によって、第1および第2ロック部材126、128
にストライカ120から離間する方向に分力が発生する
ことがない。従って、第1および第2ロック部材12
6、128をストライカ120に対して大きな力で押圧
する必要がなく、この第1および第2ロック部材12
6、128の操作、すなわち操作レバー130の操作が
容易かつ円滑に遂行される。
【0065】さらに、第3の実施形態では、第1および
第2ロック部材126、128が、互いに逆方向に第1
および第2揺動支点122、124を有しかつ互いにオ
フセットして構成されている(図6および図8参照)。
このため、リクライニング量の調整を他段階で行うこと
ができるとともに、第1および第2ロック部材126、
128同士を可及的に近接して設定することが可能にな
り、この第1および第2ロック部材126、128の揺
動スペースを大幅に削減しかつデッドスペースを略0に
することができる。これによって、傾動装置110全体
の小型化が容易に図られる他、ストライカ120がシー
トバック114より前方に突出することがないという利
点がある(図10〜図12参照)。
【0066】また、第3の実施形態では、操作レバー1
30を介して第1ロック部材126が揺動されると、駆
動手段132を構成する第1歯車部142、中間歯車1
66および第2歯車部156の作用下に第2ロック部材
128が同期して揺動される。従って、単一の操作レバ
ー130を比較的小さな角度範囲で操作するだけで、第
1および第2ロック部材126、128がストライカ1
20から確実に離脱する。
【0067】これにより、傾動装置110全体のコンパ
クト化が図られ、しかもシートバック114を所定の位
置に傾動固定する作業が容易かつ効率的に遂行されると
いう効果が得られる。
【0068】
【発明の効果】前記のように、本発明に係る傾動装置で
は、ロック部材を揺動させて係合溝からストライカを離
脱させた状態で、シートバックを傾動させると、前記ロ
ック部材に前記ストライカが当接することがなく、前記
シートバックの傾倒範囲が有効に拡大する。
【0069】また、ストライカに係合溝が係合する際
に、この係合溝と揺動支点とが、シートバックの傾動支
点を中心に略同一円周上に配置されるため、車両の加速
および減速時に作用する反力によって、ロック部材にス
トライカから離間する方向に分力が発生することがな
い。従って、ロック部材をストライカに対して大きな力
で押圧する必要がなく、このロック部材の操作が簡素化
する。
【0070】さらに、ロック部材が、互いに逆方向に揺
動支点を有しかつ互いにオフセットして設けられる第1
および第2ロック部材を備えるため、シートバックの傾
動固定位置が他段階で調整でき、しかも前記第1および
第2ロック部材同士の間隔を有効に短縮して傾動装置全
体の小型化が図られるとともに、前記ストライカがシー
トバックより前方に突出することがない。
【0071】さらにまた、例えば、操作部材により第1
ロック部材が揺動動作されると、駆動手段を構成する第
1歯車部、中間歯車および第2歯車部の作用下に第2ロ
ック部材が同期して揺動される。このため、単一の操作
部材を比較的小さな角度範囲で操作するだけで、第1お
よび第2ロック部材がストライカから確実に離脱し、シ
ートバックの傾動固定作業が容易かつ効率的に遂行され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る車両用シートバ
ックの傾動装置の正面説明図である。
【図2】前記第1の実施形態に係る傾動装置の側面説明
図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る車両用シートバ
ックの傾動装置の正面説明図である。
【図4】前記第2の実施形態に係る傾動装置の動作説明
図である。
【図5】前記第2の実施形態に係る傾動装置と比較する
ためのロッド部材の説明図である。
【図6】本発明の実施形態に係る車両用シートバックの
傾動装置の斜視説明図である。
【図7】前記傾動装置の分解斜視説明図である。
【図8】前記傾動装置の正面説明図である。
【図9】前記傾動装置の動作説明図である。
【図10】前記傾動装置の中間ロック位置の説明図であ
る。
【図11】前記傾動装置の前方ロック位置の説明図であ
る。
【図12】前記傾動装置の後方ロック位置の説明図であ
る。
【図13】従来例1に係る装置の概略説明図である。
【図14】従来例2に係る装置の概略説明図である。
【符号の説明】
10、50、110…傾動装置 14、58、120…ストライカ 16、52、114…シートバック 18、64、66、126、128…ロック部材 20、60、62、122、124…揺動支点 22、76、90、146、160…係合溝 24、26、54、56、116、118…係止部 28、71、138…取付プレート 30、68、130…操作レバー 70、132…駆動手段 74、88、144、158…係合爪部 94、164…コイルスプリング 142、156…歯車部 166…中間歯車
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 児玉 純久 愛知県犬山市字柿畑1番地 株式会社今 仙電機製作所内 (56)参考文献 実開 昭56−63634(JP,U) 実開 昭55−120345(JP,U) 実開 昭64−47242(JP,U) 実開 昭63−41245(JP,U) 実開 昭61−59444(JP,U) 実公 平1−30260(JP,Y2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A47C 1/025 B60N 2/10 B60N 2/20 - 2/22

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】シートバックを車体に対して前後方向に傾
    動固定するための車両用シートバックの傾動装置であっ
    て、 前記車体側に設けられるストライカと、 前記シートバック側に対し、該シートバックの傾動方向
    に沿った面上で揺動自在に設けられるロック部材と、 を備え、 前記ロック部材は、車幅方向に軸線を有する揺動支点
    と、 前記揺動支点の軸線方向にかつ前記車幅方向外方にオフ
    セットして設けられ、前記ストライカに係合自在な係合
    溝と、 を有することを特徴とする車両用シートバックの傾動装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の傾動装置において、前記ス
    トライカに前記係合溝が係合する際に、前記係合溝と揺
    動支点とが、前記シートバックの傾動支点を中心にした
    略同一円周上に配置されることを特徴とする車両用シー
    トバックの傾動装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の傾動装置において、前記ロ
    ック部材は、前記シートバック側に対し互いに逆方向に
    揺動支点を有しかつ互いにオフセットして設けられる第
    1および第2ロック部材を備えることを特徴とする車両
    用シートバックの傾動装置。
  4. 【請求項4】請求項3記載の傾動装置において、前記第
    1ロック部材と前記第2ロック部材を連動して揺動させ
    る駆動手段を備え、 前記駆動手段は、前記第1ロック部材にその揺動支点と
    同軸的に設けられた第1歯車部と、 前記第2ロック部材にその揺動支点と同軸的に設けられ
    た第2歯車部と、 前記第1および第2歯車部に一体的に噛合する中間歯車
    と、 を備えることを特徴とする車両用シートバックの傾動装
    置。
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