JP3673363B2 - 燃焼機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は燃焼ファンの回転駆動により供給される空気を利用して燃焼を行う給湯器や風呂装置等の燃焼機器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図5には室内設置可能型の給湯器や風呂装置等の燃焼機器の一例が示されている。この図5に示す燃焼機器(器具)はバーナー1と該バーナー1の燃焼の給排気を行う燃焼ファン2とを器具ケース3内に有し、器具ケース3に設けられた空気の取り込み口4から燃焼ファン2の駆動によって室内の空気(給気)が取り込まれ、この給気と、バーナー1に供給された燃料ガスとによってバーナー燃焼が行われ、この燃焼により生じた排気ガスは前記燃焼ファン2の駆動により排気通路5を通って外部に排出される。
【0003】
上記燃焼機器はバーナー1の燃焼能力を可変することが可能な構成になっており、上記燃焼能力に対応させて燃焼ファン2の回転制御が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の建物は気密性が高くなってきており、建物の気密性の高さに起因して次のように室内の空気圧が低下して負圧状態になることが出願人等の実験によりわかった。
【0005】
例えば、部屋が閉め切られている状態で、部屋に設置されている燃焼機器が燃焼運転を行って燃焼ファン2が回転駆動し、かつ、換気扇(レンジフード)6も回転駆動している場合には、燃焼ファン2と換気扇6の回転駆動によって、室内の空気が外部に排出され、その外部に排出される空気量よりも室内に入り込む空気量が上記気密性の高さに起因して格段に少ないので、室内の空気圧は低下して負圧状態になる。
【0006】
上記のように室内が負圧状態である場合に燃焼機器の燃焼能力を低下する方向に変更したときに、室内の負圧状態に起因して燃焼機器の燃焼状態が空気不足により悪化することが出願人らの実験等により分かった。
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃焼能力の低下変更時に、空気不足による燃焼状態の悪化を回避することができる燃焼機器を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は次のような構成をもって前記課題を解決する手段としている。すなわち、第1の発明は、燃焼ファンの回転駆動により供給される空気を利用して燃焼を行い、その燃焼能力の可変制御が可能で、上記燃焼ファンの回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データを有し、上記燃焼能力とファン回転制御データに基づいて燃焼ファンの回転制御を行う燃焼機器において、燃焼能力に対する燃焼ファンの回転数が互いに異なる複数段のファン回転制御データが予め与えられており、燃焼能力の変化を監視し、燃焼能力が予め定められた能力低下変化量以上低下した場合にはファン回転制御データを能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換え、このファン回転制御データに基づいて、予め定めた待機時間が経過するまで継続して燃焼ファンの回転制御を行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える能力低下変更時ファン回転制御部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサが設けられ、COセンサにより検出出力される排気ガス中のCO濃度を監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときに排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続した後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える高CO発生時ファン回転制御部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0010】
第3の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、燃焼火炎を検知するフレームロッド電極が設けられ、このフレームロッド電極により検出出力されるフレームロッド電流値を監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が多いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときにフレームロッド電流値が予め定めた上側しきい値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続して行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える電流上昇時ファン回転制御部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0011】
第4の発明は、上記第1の発明の構成に加えて、燃焼火炎を検知するフレームロッド電極と、排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサとが設けられ、上記フレームロッド電極により検出出力されるフレームロッド電流値と、COセンサにより検出出力される排気ガス中のCO濃度と、燃焼能力とを監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときに、燃焼能力が予め定めた燃焼能力以下にありフレームロッド電流値が予め定めた上側しきい値以上に上昇したとき、あるいは、排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が多いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続して行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換えるフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部が設けられている構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0012】
第5の発明は、上記第1又は第2又は第3又は第4の発明を構成する燃焼ファンの回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データの代わりに燃焼ファンの風量が燃焼能力に対応させて与えられているファン風量制御データを用い、燃焼能力に対応する風量を燃焼ファンの回転数によって制御する構成をもって前記課題を解決する手段としている。
【0013】
上記構成の発明において、例えば、燃焼能力に対する燃焼ファンの回転数が互いに異なる複数段のファン回転制御データを予め与えておき、能力低下変更時ファン回転制御部は、燃焼能力の変化を監視し、燃焼能力が予め定めた能力低下変化量以上低下したときにはファン回転制御データを能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換える。
【0014】
負圧状態の室内で燃焼機器が燃焼運転を行っているときに上記能力低下変更量以上の燃焼能力低下変更が行われた場合に、引き続き能力低下変更前のファン回転制御データに従って燃焼ファンの回転制御を行うと、燃焼ファンの風量が負圧状態に起因して良好な燃焼を行うための風量よりも低下し空気不足の燃焼異常状態になる虞があるが、上記の如く、能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えることによって、能力低下前のファン回転制御データに従って燃焼ファンの回転制御を行うよりも燃焼ファンの回転数が多くなって燃焼ファンの風量が増加し、このことにより、燃焼への供給空気量が良好な燃焼を行わせるための空気量よりも大幅に低下するのが回避され、空気不足による燃焼状態の悪化を防止する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明に係る実施形態例を図面に基づき説明する。
【0016】
この実施形態例の燃焼機器である給湯器は室内設置可能型のもので、図4に示すようなシステム構成を有している。
【0017】
図4に示すように、この給湯器(器具)は器具ケース3に空気の取り込み口4が設けられ、また、器具ケース3内に燃焼室7が設けられ、該燃焼室7にはバーナー1(例えば、一次空気と二次空気を利用して燃焼を行う方式の例えばセミブンゼンバーナー)が配設されている。このバーナー1の上方には給湯熱交換器8が配設され、さらにバーナー1の上方の燃焼室7には燃焼ファン2が組み込まれた排気通路5が連通されている。燃焼室7の下方には燃焼室7内に空気を取り込むための給気孔10が形成されている。
【0018】
上記バーナー1のガス供給口にはガスノズル11が対向配設されており、このガスノズル11にはガス供給通路12が接続されている。このガス供給通路12には通路の開閉を行うガス電磁弁13と元ガス電磁弁14が介設されると共に、開弁量によって燃料ガス供給量を可変制御する比例弁15が設けられている。この比例弁15の開弁量は比例弁15に供給される比例弁駆動電流量に応じて可変するものであり、上記比例弁駆動電流量の可変制御により比例弁15の開弁量可変制御が行われる。
【0019】
前記給湯熱交換器8の入側には給水通路16の一端側が連接され、給湯熱交換器8の出側には給湯通路18の一端側が連接されており、上記給水通路16の他端側は外部配管を通して水供給源に連通され、上記給湯通路18の他端側は外部配管を通して台所やシャワー等の所定の給湯場所に導かれている。また、上記給湯熱交換器8の入側の給水通路16と出側の給湯通路18を短絡するバイパス通路20が設けられている。
【0020】
なお、図中に示す21は排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサを示し、22はバーナー1の点火を行う点火プラグを示し、24はバーナー燃焼火炎を検知するフレームロッド電極を示し、25は給湯通路18の湯水の流量を可変制御する水量制御弁を示し、26は出湯湯温を検出するための出湯サーミスタを示し、27は給水通路16の通水を検知する水量センサを示し、28は給水通路16の入水温を検知する入水サーミスタを示している。
【0021】
この給湯器には該給湯器の運転動作を制御する制御装置30が設けられている。この制御装置30には器具ケース3に設置される本体操作部31が接続されると共に、給湯器で作り出された湯の出湯使用場所(例えば、台所や浴室)等に設置されたリモコン32が接続されている。上記リモコン32には給湯温度を設定するための給湯温度設定手段等が設けられている。
【0022】
上記制御装置30により器具運転が次のように制御される。例えば、台所やシャワー等の給湯栓(図示せず)が開けられると、給水通路16と給湯熱交換器8と給湯通路18の湯水が流れ始め、給水通路16の通水を水量センサ27が検知すると、燃焼ファン2を駆動させて空気の取り込み口4から給気孔10を介してバーナー1に空気を供給し、点火プラグ22を作動させ、元ガス電磁弁14とガス電磁弁13を開弁してバーナー1へ燃焼ガスを供給しバーナー1の点着火を行う。
【0023】
そして、リモコン32に設定されている給湯設定温度と、入水サーミスタ28により検出出力される入水温度と、出湯サーミスタ26により検出出力される出湯温度と、給湯熱交換器8を流れる湯水の流量とバイパス通路20を流れる湯水の流量の比とに基づいて、上記給湯設定温度の湯を出湯させるための燃焼能力を求め、この求めた燃焼能力となるようにバーナー1への燃料ガスの供給量を比例弁15の開弁量により制御する。
【0024】
また、燃焼ファン2の回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データが与えられており、上記燃焼能力に対応した燃焼ファン2の回転数を上記ファン回転制御データから読み出し、該回転数となるように燃焼ファン2の回転制御を行ってバーナー1へ空気を供給し、上記燃料ガスと空気をマッチングさせてバーナー1に燃焼を行わせ、上記バーナー1の燃焼火炎によって給湯熱交換器8の通水を加熱して湯を作り出し、この作り出された湯を給湯通路18を通し、途中、バイパス通路20の水を加えて、所望の出湯場所に出湯する。
【0025】
湯の使用が終了して前記給湯栓が閉められ水量センサ27が通水停止を検知すると、元ガス電磁弁14を閉弁し、バーナー1の燃焼を停止する。その後、予め定められたポストパージ期間(例えば、5分間)、燃焼ファン2の継続駆動を行って次の出湯に備える。
【0026】
この実施形態例に示す給湯器のシステムは以上のように構成されており、この実施形態例では、器具運転の制御構成に特徴がある。その特徴的な制御構成とは、室内の負圧が発生したときに負圧発生に起因した燃焼状態の悪化を回避できる構成を有するとともに、室内が負圧状態であるときに燃焼能力が低下変更したときに、負圧状態に起因した空気不足による燃焼状態の悪化を回避する構成を有していることである。
【0027】
図1にはこの実施形態例において特徴的な制御構成が示されている。この給湯器の制御装置30は、図1に示されるように、燃焼制御部35とデータ格納部36とファン回転制御データ切り換え制御部37と能力低下変更時ファン回転制御部38と高CO発生時ファン回転制御部40を有して構成されている。
【0028】
上記燃焼制御部35には器具運転を制御するためのシーケンスプログラムが予め与えられており、燃焼制御部35は、リモコン32の情報や、各種のセンサのセンサ出力情報を取り込んで、それら取り込んだ情報と上記シーケンスプログラムに基づいて前述したように器具運転を行う。
【0029】
データ格納部36は記憶装置により構成され、データ格納部36にはファン回転制御データが格納されている。このファン回転制御データは燃焼ファン2の回転数が燃焼能力(この実施形態例では予め定めた最小燃焼能力から最大燃焼能力までの燃焼能力)に対応させて与えられているデータであり、この実施形態例では、図2に示すように、燃焼能力に対する燃焼ファン2の回転数が互いに異なる複数段のファン回転制御データR,S,T,Uがデータ格納部36に格納されている。なお、この実施形態例では、予め定めた最小燃焼能力を0%とし、燃焼能力が増加していくに従って%値が増加して最大燃焼能力が100%となるように燃焼能力を%値に置き換えて表している。
【0030】
この実施形態例では、図2に示すファン回転制御データS,T,Uから分かるように、ファン回転制御データを切り換えると、最小燃焼能力時にはファン回転数が大きく変化するのに対して、最大燃焼能力時にはファン回転数は殆ど変化しないようにしてある。これは、一般的に行われている空燃比を一定にして燃焼させるものとは異なり、本発明者等が独自に見出したものである。
【0031】
つまり、本来バーナーは最大燃焼能力で燃やすことができるバーナーを用い、燃料を少なくしても消えないように風量制御を行っているものである。言い換えると、低燃焼能力であるほど、風量制御を正確に行わないと、燃焼火炎が消えてしまうことを意味する。
【0032】
したがって、空燃比を一定にした相関関係では上記各ファン回転制御データは平行となるが、この実施形態例では、燃焼能力が低くなるに従って上記各ファン回転データS,T,Uの間隔は広がり、燃焼能力が高くなるに従って上記各ファン回転制御データS,T,Uの間隔は狭くなるように設定している。
【0033】
なお、図2に示す各ファン回転制御データS,T,Uは最大燃焼能力で一点に集まっているが、最大燃焼能力で一点に集まる必要はなく、高燃焼能力領域で各ファン回転制御データが交差するように設定してもよい。
【0034】
また、ファン回転制御データは、図2に示されるような形態で与える他に、図7に示すように、図2のファン回転制御データRに相当するX=0のファン回転制御データに対し、X=2,X=4のファン回転制御データのように平行な制御ラインの形態で与えるようにしてもよいものである。
【0035】
ファン回転制御データ切り換え制御部37は、COセンサ21や、フレームロッド電極24の信号を受けて、燃焼制御部35が使用するファン回転制御データをCOセンサ21によって検出されるCO濃度や、フレームロッド電極24の電流で検出される室内燃焼環境の負圧状況に応じてファン回転制御データを切り換え制御するもので、以下の1つ以上の機能を備えている。
【0036】
第1の機能は、COセンサ21で検出されるCO濃度が高くなるにつれ、ファン回転制御データを段階的にファン回転アップ側に切り換え設定する機能である。この機能の動作例を図11のフローチャートに基づいて説明すると、まず、ステップ101 で、CO濃度が上限値以上か否かが判断され、上限値以上のときにはステップ102 でファン回転制御データが1段階高められる。このフローチャートにおいては、図7に示すファン回転制御データを例にして説明してあり、フローチャート中のXの数字は図7に示す各ファン回転制御データのXの値に対応している。
【0037】
なお、このCO濃度の上限値は、COセンサ21で検出されるCO濃度の雰囲気中に人が晒されたときに、CO危険濃度に達する時間を上限値として与えてもよく、又は、高CO濃度のしきい値で与えてもよく、又は、COセンサ21で検出されるCO濃度の雰囲気中に人が晒されたと仮定したときの血中ヘモグロビンのCO濃度を求め、単位時間t毎に算出されるその血中ヘモグロビンCO濃度の危険到達時間Tに対する前記単位時間tとの比t/Tの積算値の上限値で与えてもよいものである。
【0038】
一方、前記ステップ101 で、CO濃度が上限値未満のときには、ステップ103 でCO濃度が規定値以下か否かが判断され、CO濃度が規定値以下ときにはファン回転制御データを1段階回転ダウン側に切り替える。このとき、ステップ105 でファン回転制御データがX=0のデータになるか否かを判断し、X=0のファン回転制御データになるときには、ファン回転制御データをX=0のデータよりもファン回転が1段階上側のX=1のデータに設定する。
【0039】
ステップ107 では前記ステップ102 でファン回転制御データが1段階回転アップ側に切り換えられることでX=5の値に達したか否かを判断し、X=5の値に達したときにはファン回転をアップさせても高濃度のCOガスの発生の防止が期待できないので、ステップ108 で燃焼停止を行う。
【0040】
前記ステップ107 でXが5に達しないときには前記ステップ102 で回転を1段階アップさせたファン回転制御データに基づき、燃焼能力に応じたファン回転数でもって燃焼ファンを回転させ、ステップ110 で室内の負圧強度としてXの値を登録する。ステップ111 では水量センサ27からオン信号が加えられているかを判断し、オン信号が加えられているときにはステップ101 以降の動作を繰り返す。これに対し、水量センサ27からオフ信号が出力されたときには、給湯栓が閉じられたものと判断して燃焼停止を行う。そして、ステップ112 では、タイマ等を用いて燃焼停止時からの経過時間を測定し、燃焼停止後10分以内か否かを判断する。燃焼停止後10分以内で燃焼運転が再開されるときには、室内の負圧状態は前記ステップ110 で登録されたXの値と同じであると推定し、その登録されたXの値のファン回転制御データを用いて燃焼運転を行うが、燃焼停止後10分を経過したときには、標準モードのファン回転制御データであるX=0のファン回転制御データを設定して次の燃焼運転に備える。
【0041】
この図11に示すフローチャートにおいては、室内が負圧になると、給気の不足状態が生じ、室内の負圧の程度に応じてCO濃度が上昇するので、このCO濃度の上昇を検出して、室内の負圧の強度に応じたファン回転制御データを選択指定し、室内の負圧化に伴う給気不足を解消し、良好な燃焼運転を行うものである。
【0042】
ファン回転制御データ切り換え制御部37によるファン回転制御の第2の機能は、フレームロッド電極24から出力されるフレームロッド電流を検出し、このフレームロッド電流により室内の負圧の程度を判断し、ファン回転制御データを切り換え設定する機能である。すなわち、図9に示すように、データ格納部36に燃焼能力とフレームロッド電流の関係データをしきい値として与えておき、この関係データに基づき室内の負圧の程度が大きくなるにつれ、ファン回転制御データをファン回転アップ側に段階的に切り換え、負圧の程度が減少するにつれて、ファン回転制御データをファン回転ダウン側に段階的に切り換えるように制御する機能である。
【0043】
図9に示す関係データは、フレームロッド電流の低位側に下側しきい値を与え、上位側に上側しきい値を与えている。この図9の例では、下側しきい値を下側固定しきい値と下側可変しきい値で与え、上側しきい値を上側可変しきい値と上側固定しきい値で与えている。これら上側と下側の固定しきい値は燃焼能力によって値が変動しない一定の値で与えるものであり、上側と下側の可変しきい値は燃焼能力が大きくなるにつれ、増加する方向に可変させた値で与えてあるが、これら下側しきい値は下側固定しきい値で与えてもよく下側可変しきい値で与えてもよく、あるいは燃焼能力の区分に応じ、下側固定しきい値と下側可変しきい値を使い分けるようにしてもよいものである。同様に、上側しきい値も、上側固定しきい値で与えてもよく、上側可変しきい値で与えてもよく、燃焼能力の区分に応じ上側固定しきい値と上側可変しきい値を使い分けてもよいものである。
【0044】
ファン回転制御データ切り換え制御部37は、この第2の機能の動作に際し、フレームロッド電極24からフレームロッド電流を取り込み、フレームロッド電流が上側しきい値を越えたときに、室内が負圧状況になったものと判断してファン回転制御データを回転数アップ側に切り換え設定し、フレームロッド電流が下側しきい値を下回ったとき(下側に越えたとき)は室内の負圧が解除方向に変化したものと判断しファン回転制御データをファン回転数ダウン側に切り換え設定するものである。
【0045】
図12はこの第2の機能の動作をフローチャートで示したものである。すなわち、ステップ201 でフレームロッド電流が上側しきい値を越えたか否かを判断し、上側しきい値を越えたときにはファン回転制御データをファン回転数増加側に1段階高め、ステップ203 でフレームロッド電流が下側しきい値を下側に越えたと判断されたときには室内の負圧状況が解除されたものと判断してファン回転制御データを1段階ファン回転数ダウン側に切り換え設定するものである。ファン回転制御データのアップダウンの切り換え動作は前記図11に示す動作と同様であり、同じ動作には同じステップ番号を付してその重複説明は省略する。
【0046】
本発明者は、室内の負圧の程度と、フレームロッド電流の関係を実験により検証しており、室内が負圧化されると、給気の不足により、良好な燃焼状態の図6の(a)に示す燃焼火炎に対して、燃焼火炎は図6の(b)に示すように上方に伸び、燃焼火炎の内炎46の電気抵抗率は外炎45よりも低いことからフレームロッド電流の大きさが大きくなり、室内の負圧が解除されると、給気の不足状態が解消されることで、火炎は元の状態に縮み、フレームロッド電流が減少する現象が生じることを突き止めており、この第2の機能の動作は、フレームロッド電流が上側しきい値を越えたときには室内の負圧が発生し、フレームロッド電流が下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除あるいは負圧の程度が低下したものと判断し、室内の負圧の程度に応じてファン回転制御データを切り換え設定し、室内の負圧の程度の応じてファン回転数を制御して良好な燃焼運転を確保するものである。
【0047】
ファン回転制御データ切り換え制御部37によるファン風量制御構成の第3の機能は、フレームロッド電流の変化量によって室内の負圧状況と負圧解除状況を検出する機能である。図10の(a)はフレームロッド電流の上昇変化量によって室内の負圧発生状況を検出してファン回転制御データをファン回転数アップ側に切り換え設定するもので、データ格納部36に上昇変化基準値Fth1(例えば1.1 μA)とその上昇変化基準値に対して与えられる基準時間Tth1(例えば0.6 秒)のデータが与えられており、ファン回転制御データ切り換え制御部37は、フレームロッド電流の上昇変化量が基準時間Tth1の時間内で、上昇変化基準値 Fth1を越えたときには、例えば燃焼運転中にレンジフードや換気扇が起動され る等して室内が負圧化されたものと判断し、ファン回転制御データXを回転数アップ側((X+1)側)に切り換え設定する。
【0048】
図10の(b)は、フレームロッド電流の下降変化量に基づいて室内の負圧解除を検出する機能であり、データ格納部36にはフレームロッド電流の下降変化基準値Fth2とこの下降変化基準値に対して与えられる基準時間Tth2とが与えられ、ファン回転制御データ切り換え制御部37は、フレームロッド電流の下降変化量が前記判断時間Tth2の時間内で、下降変化基準値Fth2を越えたときには、室内の負圧状況は解除(又は負圧減少方向に変化)したものと判断し、ファン回転制御データXをファン回転数ダウン側((X−1)側)に切り換え設定する。
【0049】
図8はフレームロッド電流の急激減少変化量によって室内の急激な負圧変化を検出してファン回転数を増加する方向にファン回転制御データを切り換え設定する機能を示すものである。この機能では、データ格納部36にフレームロッド電流の下降変化基準値Fth0(例えば0.7 μA)のデータと前記図10の(b)に 示される判断時間Tth2よりも時間幅が狭い微小設定時間ΔTth(例えば0.1 秒 )のデータが与えられており、ファン回転制御データ切り換え制御部37はフレームロッド電流が微小設定時間ΔTthの時間内で下降変化基準値Fth0を越えて 下降したときには、例えば室内の戸が開けられている状態でレンジフードが起動状態で燃焼運転がされているときに、戸が急に閉められて室内が急激に負圧化して燃焼火炎が立ち消え寸前となって(火炎が極めて小さくなって)フレームロッド電流が急激に下降変化したものと判断する。そして、この場合には、急激な負圧発生による給気の不足を解消するために、ファン回転制御データXをファン回転数アップ側((X+1)側)に切り換え設定するのである。
【0050】
上記ファン回転制御データ切り換え制御部37により何れかの機能によってファン回転制御データが切り換え設定されたときには、燃焼制御部35は、その切り換え設定されたファン回転制御データを用いて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0051】
ファン回転制御データ切り換え制御部37には前記複数の機能のうち、1つ以上の機能が設けられて室内の負圧状況に応じたファン回転制御データの設定が行われるが、特に、燃焼能力が例えば制御範囲の指定値(例えば燃焼能力30%)以下の低燃焼能力範囲では燃焼性能が室内の負圧によってより影響を受け易いので、この低燃焼能力範囲においては、COセンサのCO検出信号に基づく前記第1の機能(基本機能)とフレームロッド電流に基づく前記1つ以上の機能(付加機能)とを組み合わせ、COセンサによる室内の負圧程度の検出に基づくファン回転制御データの設定と、フレームロッド電流による室内負圧程度の検出に基づくファン回転制御データの切り換え設定とを併用することにより、室内の負圧の程度に応じたより正確なファン回転制御が可能となる。
【0052】
すなわち、燃焼能力が低い領域では、ファン風量不足により燃焼が悪化して放出されるCOをCOセンサ21で補集して燃焼悪化を検知していると、COが発生してからCOセンサ21で検出されるまでに時間が掛かり、この間に失火してしまう虞がある。この点、フレームロッド電流は燃焼悪化に瞬時に反応し、フレームロッド電流の変化によって燃焼悪化を迅速に検出し、燃焼改善方向に風量をいち早く制御することで、失火を防止することができる。
【0053】
一方、フレームロッド電極には燃焼悪化を感度良く検出できる取り付け位置と燃焼能力との関係に基づく範囲があり、燃焼能力がその範囲から外れると、燃焼悪化の検出感度が低下するが、高燃焼能力範囲(例えば、図9に示す燃焼能力X〜100%の範囲)においては、COセンサによって燃焼悪化を良好に検出することができるので、低燃焼能力範囲(例えば、図9に示す燃焼能力0〜X%の範囲)におけるフレームロッド電流に基づく負圧検出と、高燃焼能力範囲におけるCOセンサによるCO濃度検出に基づく負圧検出とを併用することにより、燃焼能力の全範囲において室内の燃焼環境の負圧状況を精度良く検出でき、室内の負圧の程度に応じた、より正確なファン回転制御が可能となるものである。
【0054】
なお、上記図11や図12で示した実施形態例では、ファン回転制御データを順次回転数アップ側に上げるときには、X=0,X=1,X=2,X=3,X=4という如くXが1ずつ順に上げるようにし、ファン回転制御データを回転数ダウン側に下げるときにはX=4,X=3,X=2,X=1という如くXが1ずつ順次下げるようにしたが、これらファン回転制御データの上昇と下降の順序は必ずしもこれに限定されることはなく、例えば、ファン回転制御データを上げるときには、X=0,X=2,X=3,X=4という如く手順で上げるようにしてもよい。
【0055】
ところで、前述したように、閉め切られた部屋で給湯器の燃焼運転が行われて燃焼ファン2が回転駆動し、換気扇6も回転駆動している室内の空気圧は、部屋の高い気密性に起因して、室外の大気圧よりも図3に示す空気圧PLOのように低下して室内は負圧状態になっている。このように室内が負圧状態であるときに給湯設定温度の低下可変等によって給湯器の燃焼能力が低下した場合には、燃焼能力の低下変更に対応させて燃焼ファン2の回転数が低下制御されて室内から外部に排出される空気量が減少するので、例えば、図3の曲線Pに示すように、室内の空気圧がPLOからPhiまで上昇するというように室内の空気圧が上昇し、室内の負圧状態が緩和されることになる。
【0056】
この室内の負圧緩和時に次に示す負圧遅れの現象が発生する。負圧遅れとは、能力低下変更前の燃焼ファン2の回転数から能力低下変更後の燃焼ファン2の回転数に達するのに要する時間が、例えば、約1秒掛からないのに対して、燃焼ファン2の回転数の低下によって室内の空気圧がPLOからPhiまで上昇するのに要する時間Δtは、例えば、約10秒掛かるというように、上記負圧状態下における燃焼能力低下変更に伴う室内の空気圧の上昇変動は燃焼ファン2の回転数の低下変動に追従しない現象のことで、この負圧遅れに起因して次のように燃焼状態が空気不足により悪化するという問題が生じることが本発明者等の実験等によりわかった。
【0057】
室内が負圧状態になっている場合には、室外から排気通路5を通って室内に入り込む方向の空気の流れが室外の空気圧に対する室内の空気圧の低下分(負圧状態の大きさ)に応じた大きさで発生するので、能力低下変更によって能力低下変更後の燃焼ファン2の回転数が低下したのに、前記負圧遅れによって室内の負圧状態はほぼ能力低下変更前の状態である場合には、前記排気通路5から入り込む逆流の風量はほぼ能力低下変更前の大きさである。
【0058】
これに対して、能力低下変更後の燃焼ファン2の回転数は、室内の負圧状態が能力低下変更に起因して緩和された状態での前記逆流の風量を想定し、良好な燃焼を行うための風量を供給するための回転数であることから、上記負圧遅れに起因した大きさを有する逆流風によって、燃焼ファン2の風量は良好な燃焼を行うための風量よりも減少する。このため、バーナー1に供給される空気量が良好な燃焼を行うための空気量よりも格段に少なくなって燃焼状態が空気不足により悪化したり、過度の空気不足により燃焼火炎が立ち消えるという問題が生じる。
【0059】
そこで、この実施形態例では、上記燃焼能力の低下変更時に空気不足により燃焼能力が悪化したり、燃焼火炎の立ち消えが生じるのを回避することができる手段を提案する。
【0060】
能力低下変更時ファン回転制御部38は上記燃焼制御部35から燃焼能力の情報を時々刻々と取り込み、取り込んだ燃焼能力を時間に対応させて内蔵のメモリ(図示せず)に格納すると共に、それら取り込んだ燃焼能力の情報に基づき燃焼能力の変化を次のように監視する。
【0061】
例えば、能力低下変更時ファン回転制御部38は燃焼制御部35から現在の燃焼能力を取り込むと共に、予め定めた設定時間前(例えば、2.6秒前)に取り込まれて内蔵メモリに格納されている設定時間前の燃焼能力を読み出し、上記現在の燃焼能力を設定時間前の燃焼能力に比較して設定時間前の燃焼能力に対する現在の燃焼能力の変化量を求める。
【0062】
そして、能力低下変更時ファン回転制御部38は上記求めた燃焼能力の変化量を予め定めた能力低下変化量ΔE(例えば、10%)に比較する。上記能力低下変化量ΔEは燃焼能力の低下変更が行われたときに前記負圧遅れによって燃焼状態が悪化する虞があるか否かを判断するための燃焼能力低下変化量であり、予め実験や演算等により求め与えられている。
【0063】
能力低下変更時ファン回転制御部38は、上記燃焼能力の変化量に基づき、燃焼能力が上記能力低下変化量ΔE以上低下していたと判断したときに、能力変更前のファン回転制御データに従って燃焼ファン2の回転数を低下させると、室内が負圧状態である場合には、前記負圧遅れによって、燃焼状態が空気不足により悪化したり、過度の空気不足により燃焼火炎の立ち消えが生じる等の問題が発生する虞があると判断し、ファン回転制御データを能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行わせるための制御データアップ信号を燃焼制御部35に出力する。
【0064】
燃焼制御部35は、上記能力低下変更時ファン回転制御部38から制御データアップ信号を受け取ると、ファン回転制御データを予め定めた上段のファン回転制御データ(例えば、能力低下変更前のファン回転制御データよりも1段階上段のファン回転制御データ)に切り換え燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0065】
具体的には、例えば、図2に示すファン回転制御データSに従って燃焼ファン2の回転制御を行っていたときに、例えば、湯の利用者が給湯設定温度を低下する方向に変更し、この給湯設定温度の低下変更に伴って燃焼能力が燃焼能力αから燃焼能力βに上記能力低下変化量ΔE以上低下変更され、上記能力低下変更時ファン回転制御部38から制御データアップ信号が出力された場合には、燃焼制御部35は上記制御データアップ信号を受けて、ファン回転制御データSから1段階上段のファン回転制御データTに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0066】
このファン回転制御データの切り換えによって、燃焼ファン2は、例えば、図2に示すファン回転制御データSの点Aの回転数からファン回転制御データTの点Bの回転数にアップされ、この点Bからファン回転制御データTに従って能力変更後の燃焼能力βに対応する燃焼ファン2の回転数である点Cの回転数までダウンされる。
【0067】
前記能力低下変更時ファン回転制御部38はタイマ(図示せず)を内蔵しており、上記制御データアップ信号を出力した後に、上記燃焼制御部35の運転情報に基づいて燃焼ファン2の回転数が能力変更後の回転数に達したと検知したときに、上記内蔵のタイマを駆動し、タイマの計測時間を予め定めた待機時間(例えば、10秒)に比較し、タイマの計測時間が上記待機時間に達したか否かを判断する。
【0068】
上記待機時間は燃焼ファン2の回転数が低下変更されてから前記負圧遅れがほぼ解消するまでの時間Δtに余裕時間を加えた時間であり、予め実験や演算等により求められデータ格納部36に格納されている。
【0069】
そして、能力低下変更時ファン回転制御部38は、上記タイマの計測時間が上記待機時間に達したと判断したときに、負圧遅れが解消したので下段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行わせても上記負圧遅れに起因した燃焼状態悪化の問題を回避できると判断し、燃焼制御部35に制御データダウン信号を出力する。
【0070】
燃焼制御部35は、上記能力低下変更時ファン回転制御部38から制御データダウン信号を受け取ると、予め定めた下段のファン制御データ(例えば、能力低下変更前のファン回転制御データS)に切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0071】
具体的には、例えば、上記能力低下変更後の燃焼ファン2の回転数である図2のファン回転制御データTの点Cを上記待機時間が経過するまで継続して行った後に、ファン回転制御データTからファン回転制御データSに切り換え、燃焼ファン2はファン回転制御データTの点Cの回転数からファン回転制御データSの点Dの回転数にダウンされる。
【0072】
上記のように、能力低下変更時に負圧遅れに起因して燃焼状態が空気不足により悪化する虞がある場合に、ファン回転制御データを能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転数を能力低下変更後の回転数までダウンさせるので、能力変更前のファン回転制御データに従って燃焼ファン2の回転数をダウンさせるよりも燃焼ファン2の回転数は多くファン風量が多くなってバーナー1への供給空気量が良好な燃焼を行うために要する空気量よりも大幅に減少するのを抑制することができ、能力低下変更時の負圧遅れに起因した空気不足による燃焼状態の悪化を防止することができる。
【0073】
その上、能力低下変更後の回転数にダウンしてから設定の待機時間が経過するまで、つまり、負圧遅れが解消するまで上記上段のファン回転制御データに基づいた回転数を継続して行うので、上記負圧遅れに起因した空気不足による燃焼状態の悪化防止の効果を負圧遅れが解消するまで継続させることができる。
【0074】
ところで、負圧遅れが発生しているときの燃焼ファン2の風量は、燃焼ファン2の回転数が等しくても、燃焼能力の低下変化量が大きくなるに従って少なくなる。このことから、前記能力低下変更時ファン回転制御部38により上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行っているのに、燃焼能力の低下変化量が大きいために、燃焼ファン2の風量が良好な燃焼を行うための風量よりも減少してしまい、バーナー1への供給空気量が良好な燃焼を行う空気量よりも低下し、空気不足により燃焼状態の悪化を招いてしまう場合がある。
【0075】
そこで、この実施形態例では、高CO発生時ファン回転制御部40を設け、燃焼能力が能力低下変化量ΔE以上低下し能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われているときに、上記高CO発生時ファン回転制御部40によって、空気不足の燃焼状態を検知したときには、ファン回転制御データをさらに上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行わせる構成を有している。本発明者等は空気不足により燃焼状態が悪化したときには排気ガス中のCO濃度が高くなることに着目し、空気不足による燃焼状態の悪化を排気ガス中のCO濃度の上昇により検出するようにした。
【0076】
高CO発生時ファン回転制御部40は、COセンサ21のセンサ出力を排気ガス中のCO濃度として検出し、燃焼制御部35や能力低下変更時ファン回転制御部38から取り込んだ動作情報に基づき、能力低下変更によって能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われていると検知している間に、上記COセンサ21により検出出力される排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値(例えば、2000ppm)以上であると判断したときに、高CO発生時制御データアップ信号を燃焼制御部35に出力する。
【0077】
上記危険値は空気不足により燃焼状態が悪化したか否かを判断するための排気ガス中のCO濃度であり、予め実験や演算等により求めてデータ格納部36に格納されている。
【0078】
燃焼制御部35は、上記高CO発生時ファン回転制御部40から高CO発生時制御データアップ信号を受け取ると、能力低下変更時ファン回転制御部38によって能力変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行ったのに空気不足により燃焼状態が悪化したので、空気不足の燃焼状態の悪化を改善するために、さらに上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行いファン風量を増加させバーナー1への供給空気量を増加させる必要があると判断し、ファン回転制御データをさらに上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0079】
例えば、能力低下変更時にファン回転制御データSからファン回転制御データTに切り換え、このファン回転制御データTに従って燃焼ファン2の回転数をダウンさせている途中(例えば、図2の点Eの回転数まで低下したとき)に、排気ガス中のCO濃度が上記危険値以上になった場合には、上記高CO発生時ファン回転制御部40から出力された高CO発生時制御データアップ信号を燃焼制御部35が受けて、さらに上段のファン回転制御データUに切り換え、つまり、燃焼ファン2の回転数を点Fの回転数に増加させた後に、上記ファン回転制御データUに従って能力低下変更後の回転数である点Gまで燃焼ファン2の回転数をダウンさせる。
【0080】
上記高CO発生時ファン回転制御部40はタイマを内蔵しており、上記燃焼制御部35から取り込んだ動作情報に基づき、燃焼ファン2の回転数が能力変更後の回転数に達したと検知したときに上記タイマの駆動を開始させ、上記タイマの計測時間を予め定めた待機時間Tco(例えば、10秒)に比較し、タイマの計測時間が上記待機時間Tcoに達したと判断したときに高CO発生時制御データダウン信号を出力する。
【0081】
上記待機時間Tcoは負圧遅れがほぼ解消するのに要する時間に余裕時間を加えた時間であり、予め実験や演算等により求められ前記データ格納部36に格納されている。
【0082】
燃焼制御部35は、上記高CO発生時ファン回転制御部40から高CO発生時制御データダウン信号を受け取ると、負圧遅れが解消されたので、ファン回転制御データを下段のファン回転制御データに切り換えてもよいと判断し、ファン回転制御データを下段のファン回転制御データ(例えば、ファン回転制御データUから1段階下のファン回転制御データTや、能力低下変更前のファン回転制御データS)に切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0083】
また、上記高CO発生時ファン回転制御部40は、前記高CO発生時制御データアップ信号を出力するときに、同時に、能力低下変更時ファン回転制御部38から制御データダウン信号が出力されるのをキャンセルさせるキャンセル信号を能力低下変更時ファン回転制御部38に出力し、能力低下変更時ファン回転制御部38から制御データダウン信号が出力されるのをキャンセルさせる。
【0084】
この実施形態例によれば、燃焼能力が変更された場合に、能力低下変更に起因した負圧遅れによって燃焼状態が空気不足により悪化する虞がある場合に、能力変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行うので、能力変更前のファン回転制御データに従って燃焼ファン2の回転制御を行うよりも燃焼ファン2の風量が増加し、バーナー1への供給空気量が良好な燃焼を行わせるための空気量よりも格段に減少するのを防止することができ、空気不足による燃焼状態の悪化の問題や、過度の空気不足による燃焼火炎の立ち消えの問題を回避することが可能となる。
【0085】
また、この実施形態例では、高CO発生時ファン回転制御部40を設けたので、能力低下変更時ファン回転制御部38によって上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行ったのに、バーナー1への供給空気量が良好な燃焼状態を行う空気量よりも減少して燃焼状態が空気不足により悪化してしまった場合には、その空気不足による燃焼状態の悪化を排気ガス中のCO濃度の上昇によって検知し、上記高CO発生時ファン回転制御部40により、さらに上段のファン回転制御データに切り換えることができる。
【0086】
このように、さらに上段のファン回転制御データに切り換えることができるので、燃焼ファン2の風量が増加してバーナー1への供給空気量を増加させることができ、空気不足の燃焼状態の悪化を改善することができ、過度の空気不足による燃焼火炎の立ち消えの問題を確実に回避することができる。
【0087】
さらに、負圧遅れが解消された後にも、負圧遅れが生じている場合に良好な燃焼状態を行うことができるような上段のファン回転制御データの回転数で燃焼ファン2の回転駆動を継続させると、燃焼ファン2の風量が良好な燃焼を行うことができる風量よりも多くなって、バーナー1への供給空気量が良好な燃焼を行う空気量よりも増加して空気過多により燃焼状態が悪化してしまう場合がある。
【0088】
これに対して、上記実施形態例では、能力低下変更時ファン回転制御部38や高CO発生時ファン回転制御部40は、能力低下変更後の回転数にダウンしてから予め定めた待機時間を継続して行った後に下段のファン回転制御データに切り換えるので、負圧遅れが解消した後に下段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行うことによって、上記空気過多による燃焼状態の悪化を回避することができる。
【0089】
なお、この発明は上記実施形態例に限定されるものではなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、能力低下変更時ファン回転制御部38は、燃焼制御部35から燃焼能力の情報を取り込んでいたが、例えば、燃焼能力に応じて可変制御される比例弁15の開弁量(つまり、比例弁駆動電流)を燃焼能力として検出してもよい。
【0090】
また、上記実施形態例では燃焼能力が予め定めた能力低下変化量ΔE以上低下したときには、負圧状態であるか否かに拘らず、能力低下変更時ファン回転制御部38は、燃焼能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えていたが、能力低下変更時に負圧遅れが生じるのは室内が負圧状態の場合であるので、室内の負圧状態を検知する手段を設けた場合には、上記能力低下変更時ファン回転制御部38は、室内が負圧状態であるときに燃焼能力が設定の能力低下変化量ΔE以上低下したときのみ、上段のファン回転制御データへ切り換えるようにしてもよい。
【0091】
なお、室内が負圧状態でない時に、燃焼能力が能力低下変化量ΔE以上低下して上段のファン回転制御データに切り換えられた場合、その上段のファン回転制御データに従って燃焼ファン2の回転制御を行う時間は、約10秒と非常に短いので、前述したような空気過多による燃焼状態の悪化はほぼ回避することができる。
【0092】
さらに、上記実施形態例では、能力低下変更時ファン回転制御部38は、能力変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えるときには、能力低下変化量の大きさに拘らず、能力変更前のファン回転制御データよりも1段階上段のファン回転制御データに切り換えていたが、例えば、能力低下変化量が10%以上、かつ、35%未満の範囲内である場合には能力変更前のファン回転制御データよりも1段階上段のファン回転制御データに切り換え、能力低下変化量が35%以上、かつ、50%未満の範囲内である場合には、能力低下変化量が大きいために空気不足による燃焼状態の悪化の度合が大きくなり易いので、空気不足による燃焼状態の悪化を回避するためには燃焼ファン2の回転数をより高める必要があることから、能力変更前のファン回転制御データよりも2段階上段のファン回転制御データに切り換えるというように、能力低下変更時ファン回転制御部38は、上段のファン回転制御データに切り換えるときには、能力低下変化量の大きさに応じたファン回転制御データを選択し該選択されたファン回転制御データに切り換えるようにしてもよい。
【0093】
このように、能力低下変化量の大きさに応じたファン回転制御データを選択して切り換えることによって、能力低下変更時ファン回転制御部38は負圧遅れに起因した燃焼悪化状態の度合に見合ったファン回転制御データに切り換えることが可能になる。このことから、能力低下変更時に、上段のファン回転制御データに切り換えたのに燃焼状態が空気不足により悪化することがなくなるので、このような場合には、前記高CO発生時ファン回転制御部40を省略してもよい。
【0094】
さらに、上記実施形態例では、能力低下変更時ファン回転制御部38や高CO発生時ファン回転制御部40は、切り換えたファン回転制御データに従って能力変更後の回転数まで低下したことを燃焼制御部35の情報に基づいて検知していたが、例えば、燃焼ファン2に回転数を検知する回転数検出センサが設けられている場合には、上記回転数検出センサにより検出される燃焼ファン2の回転数に基づいて検知するようにしてもよい。
【0095】
さらに、上記実施形態例では、ファン回転制御データはグラフデータにより与えられていたが、表データや演算式データ等のグラフデータ以外のデータ形式で与えてもよい。
【0096】
さらに、上記実施形態例では、下段のファン回転制御データに切り換えるタイミングを定める待機時間は一定であったが、能力低下変更量が大きくなるに従って負圧遅れが解消するのに要する時間が長くなることから、能力変化量が大きくなるに従って待機時間を連続的に又は段階的に長くするようにしてもよい。
【0097】
さらに、上記実施形態例では、燃焼ファン2の回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データに基づいて、燃焼ファン2の回転制御が行われていたが、上記ファン回転制御データの代わりに、燃焼ファン2の風量が、図2に示すように、燃焼能力に対応させて与えられているファン風量制御データを用いて燃焼ファン2の回転制御を行うようにしてもよい。
【0098】
さらに、上記実施形態例に示した高CO発生時ファン回転制御部40の代わりに、図1の点線に示す電流上昇時ファン回転制御部42を設けてもよい。この電流上昇時ファン回転制御部42は、前述したようにフレームロッド電流に基づいて燃焼悪化を検知できることに着目し、能力低下変更時ファン回転制御部38により上段のファイン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われているときに、フレームロッド電流に基づいて燃焼悪化を検知したときには、さらに上段のファン回転制御データに切り換えて、負圧遅れに起因した燃焼状態の悪化を回避するものである。以下に、上記電流上昇時ファン回転制御部42の制御動作の一例を説明する。
【0099】
電流上昇時ファン回転制御部42はフレームロッド電極24から検出出力されるフレームロッド電流を検出し、燃焼制御部35や能力低下変更時ファン回転制御部38から取り込んだ動作情報に基づき、能力低下変更によって能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われていると検知している間に、上記フレームロッド電流が前記図9に示す上側しきい値以上に上昇したと判断したときに、電流上昇時制御データアップ信号を燃焼制御部35に出力する。
【0100】
燃焼制御部35は、上記電流上昇時ファン回転制御部42から電流上昇時制御データアップ信号を受け取ると、さらにファン回転数が高い側のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0101】
また、電流上昇時ファン回転制御部42はタイマ(図示せず)を内蔵しており、燃焼制御部35から取り込んだ動作情報に基づき、燃焼ファン2の回転数が能力変更後の回転数に達したと検知したときに上記タイマを駆動させ、上記タイマの計側時間を予め定めた待機時間Tst(例えば、10秒)に比較し、タイマの計側時間が上記待機時間Tstに達したと判断したときに電流上昇時制御データダウン信号を出力する。
【0102】
燃焼制御部35は、上記電流上昇時ファン回転制御部42から電流上昇時制御データダウン信号を受け取ると、ファン回転制御データを低回転数側のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0103】
上記電流上昇時ファン回転制御部42を設けることによって、能力低下変更時ファン回転制御部38により上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われているときに空気不足により燃焼状態が悪化してしまった場合に、その燃焼状態の悪化をフレームロッド電流に基づいて検出することができ、さらに上段のファン回転制御データに切り換えることができるので、負圧遅れに起因した空気不足による燃焼状態の悪化を確実に防止することができる。
【0104】
さらに、上記実施形態例に示した高CO発生時ファン回転制御部40の代わりに、図1の鎖線に示すフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44を設けてもよい。
【0105】
フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44は、例えば、フレームロッド電極24から検出出力されるフレームロッド電流と、燃焼制御部35から燃焼能力の情報とを取り込むと共に、COセンサ21により検出出力されたセンサ出力を排気ガス中のCO濃度として検出し、燃焼制御部35や能力低下変更時ファン回転制御部38から取り込んだ動作情報に基づき、能力低下変更によって能力低下変更前のファン回転制御データよりも上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われていると検知している間に、上記燃焼能力が予め定めた設定の燃焼能力(例えば、燃焼能力30%)以下にありフレームロッド電流が前記図9に示す上側しきい値以上に上昇したと判断したとき、あるいは、排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値(例えば、2000ppm)以上に増加したと判断したときには、電流上昇・高CO発生時制御データアップ信号を燃焼制御部35に出力する。
【0106】
燃焼制御部35は、上記フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44から電流上昇・高CO発生時制御データアップ信号を受け取ると、さらにファン回転数が高い側のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0107】
また、フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44はタイマ(図示せず)を内蔵しており、燃焼制御部35から取り込んだ動作情報に基づき、燃焼ファン2の回転数が能力変更後の回転数に達したと検知したときに上記タイマを駆動させ、上記タイマの計側時間を予め定めた待機時間Tst(例えば、10秒)に比較し、タイマの計側時間が上記待機時間Tstに達したと判断したときに電流上昇・高CO発生時制御データダウン信号を出力する。
【0108】
燃焼制御部35は、上記フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44から電流上昇・高CO発生時制御データダウン信号を受け取ると、ファン回転制御データを低回転数側のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御を行う。
【0109】
前述したように、フレームロッド電流には燃焼悪化を感度良く検出できる電流範囲があり、また、この電流範囲から外れる領域では、CO濃度により感度良く燃焼悪化を検出できることから、フレームロッド電流に基づく燃焼状態悪化検出と、排気ガス中のCO濃度に基づく燃焼状態悪化検出とを併用することによって、燃焼能力の全範囲に渡って燃焼状態の悪化を感度良く検出することができる。
【0110】
上記フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部44を設けることによって、能力低下変更時ファン回転制御部38により上段のファン回転制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転制御が行われているときに空気不足により燃焼状態が悪化してしまった場合に、その燃焼状態の悪化をフレームロッド電流に基づいて検出することができ、さらに上段のファン回転制御データに切り換えることができるので、負圧遅れに起因した空気不足による燃焼状態の悪化を確実に防止することができる。
【0111】
また、本実施形態例ではバーナ1を一次空気と二次空気を利用して燃焼するタイプのセミブンゼン等のバーナで構成したが、全一次空気燃焼式タイプのバーナのうち濃淡バーナにあっては濃バーナが淡バーナの空気をもらって燃焼するので濃バーナの燃焼がセミブンゼンバーナの燃焼形態に近似したものとなり、セミブンゼンバーナと同様に濃淡バーナにおいても室内燃焼環境の負圧の程度に応じてフレームロッド電流を上限と下限の比較的広い幅内で変化させることができるので、上記実施形態例に示した燃焼改善動作は濃淡バーナを備えた燃焼機器にも適用することができる。
【0112】
さらに、上記実施形態例は図4に示す給湯器を例にして説明したが、燃焼ファンの回転駆動により供給される空気を利用して燃焼を行い、その燃焼能力の可変制御が可能で、燃焼能力に対応させて燃焼ファンの回転制御を行う燃焼機器であれば、この発明は適用することが可能であり、例えば、石油ファンヒーター等、図4の給湯器以外の燃焼機器にも適用することができ、上記実施形態例同様の効果を奏することができる。
【0113】
【発明の効果】
この発明によれば、能力低下変更時ファン回転制御部が設けられ、また、燃焼能力に対する回転数が互いに異なる複数段のファン回転制御データ、又は、燃焼能力に対するファン風量が互いに異なる複数段のファン風量制御データが与えられているので、燃焼能力が予め定めた能力低下変化量以上低下した場合には、上記能力低下変更時ファン回転制御部によって、ファン回転制御データ、又は、ファン風量制御データを、能力低下変更前の制御データよりも上段の制御データに切り換えることができる。
【0114】
このことにより、燃焼機器が設置されている室内が負圧状態で能力低下変更に起因して負圧遅れが生じ燃焼状態が空気不足により悪化する虞がある場合に、燃焼能力の低下に伴って燃焼ファンの風量が良好な燃焼を行うための風量よりも減少するのを抑制することができ、良好な燃焼を行わせるための空気量を燃焼へ供給でき、空気不足による燃焼状態の悪化や、過度の空気不足による燃焼火炎の立ち消えを回避することができる。
【0115】
高CO発生時ファン回転制御部や電流上昇時ファン回転制御部やフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部が設けられているものにあっては、上記能力低下変更時ファン回転制御部により上段の燃焼能力に切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときに、COセンサにより検出出力される排気ガス中のCO濃度やフレームロッド電流値に基づいて燃焼状態の悪化を検知した場合には、上記高CO発生時ファン回転制御部や電流上昇時ファン回転制御部やフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部によって、さらに上段のファン回転制御データ、又は、ファン風量制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御を行うので、能力低下変更時に、上記能力低下変更時ファン回転制御部により上段の制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御を行ったのに、空気不足による燃焼状態の悪化が発生してしまったときには、その空気不足による燃焼状態の悪化を排気ガス中のCO濃度やフレームロッド電流によって検知し、さらに上段の制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御を行うことによって、燃焼ファンの風量を増加させることができ、燃焼への供給空気量が増加して燃焼状態の悪化を改善することができる。
【0116】
また、上記能力低下変更時ファン回転制御部や高CO発生時ファン回転制御部や電流上昇時ファン回転制御部やフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部によって上段の制御データに切り換えて燃焼ファン2の回転数をダウンさせ、そのダウンした回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続して行った後に、下段の制御データに切り換えるので、負圧遅れが解消した後にも上段の制御データに従って燃焼ファンの回転制御を継続したために空気過多により燃焼状態が悪化するという問題を回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る一実施形態例を示すブロック構成図である。
【図2】ファン回転制御データの一例を示すグラフである。
【図3】室内が負圧状態であるときに燃焼能力が低下変更された場合の室内空気圧の変動例を示すグラフである。
【図4】給湯器の一例を示すモデル図である。
【図5】室内が負圧状態になる仕組みを示す説明図である。
【図6】良好な燃焼状態の燃焼火炎と空気不足による燃焼悪化状態の燃焼火炎の一例を示す説明図である。
【図7】ファン回転制御データのその他の例を示す説明図である。
【図8】フレームロッド電流の急激な降下変化量に基づいて室内の急激な負圧発生を検出する例の説明図である。
【図9】フレームロッド電流の上側しきい値と下側しきい値の設定例の説明図である。
【図10】フレームロッド電流の変化量によって室内の負圧発生と負圧解除を検出する例の説明図である。
【図11】CO濃度によって室内の負圧状況を検出してファン回転制御を行う動作例のフローチャートである。
【図12】フレームロッド電流によって室内の負圧状況を検出してファン回転制御を行う動作例のフローチャートである。
【符号の説明】
2 燃焼ファン
21 COセンサ
38 能力低下変更時ファン回転制御部
40 高CO発生時ファン回転制御部
42 電流上昇時ファン回転制御部
44 フレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部
Claims (5)
- 燃焼ファンの回転駆動により供給される空気を利用して燃焼を行い、その燃焼能力の可変制御が可能で、上記燃焼ファンの回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データを有し、上記燃焼能力とファン回転制御データに基づいて燃焼ファンの回転制御を行う燃焼機器において、燃焼能力に対する燃焼ファンの回転数が互いに異なる複数段のファン回転制御データが予め与えられており、燃焼能力の変化を監視し、燃焼能力が予め定められた能力低下変化量以上低下した場合にはファン回転制御データを能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換え、このファン回転制御データに基づいて、予め定めた待機時間が経過するまで継続して燃焼ファンの回転制御を行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える能力低下変更時ファン回転制御部が設けられていることを特徴とする燃焼機器。
- 排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサが設けられ、COセンサにより検出出力される排気ガス中のCO濃度を監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときに排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続した後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える高CO発生時ファン回転制御部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃焼機器。
- 燃焼火炎を検知するフレームロッド電極が設けられ、このフレームロッド電極により検出出力されるフレームロッド電流値を監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が多いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときにフレームロッド電流値が予め定めた上側しきい値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続して行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換える電流上昇時ファン回転制御部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃焼機器。
- 燃焼火炎を検知するフレームロッド電極と、排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサとが設けられ、上記フレームロッド電極により検出出力されるフレームロッド電流値と、COセンサにより検出出力される排気ガス中のCO濃度と、燃焼能力とを監視し、能力低下変更時ファン回転制御部により能力低下変更前のファン回転制御データよりもファン回転数が高いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転制御が行われているときに、燃焼能力が予め定めた燃焼能力以下にありフレームロッド電流値が予め定めた上側しきい値以上に上昇したとき、あるいは、排気ガス中のCO濃度が予め定めた危険値以上に上昇したときには、さらにファン回転数が多いファン回転制御データに切り換えて燃焼ファンの回転数を能力変更後のファン回転数まで減少させ、その減少した燃焼ファンの回転数を予め定めた待機時間が経過するまで継続して行った後に低ファン回転数側のファン回転制御データに切り換えるフレームロッド電流値・CO濃度併用ファン回転制御部が設けられていることを特徴とする請求項1記載の燃焼機器。
- 燃焼ファンの回転数が燃焼能力に対応させて与えられているファン回転制御データの代わりに燃焼ファンの風量が燃焼能力に対応させて与えられているファン風量制御データを用い、燃焼能力に対応する風量を燃焼ファンの回転数によって制御する構成としたことを特徴とする請求項1又は請求項2又は請求項3又は請求項4記載の燃焼機器。
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KR100742351B1 (ko) * | 2005-01-28 | 2007-07-24 | 주식회사 경동네트웍 | 풍량센서와 화염감지수단을 통해 이상 연소 상태를감지하는 보일러 및 그 제어방법 |
-
1997
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