JP3810174B2 - 燃焼装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、給湯器等の燃焼装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
給湯器等の燃焼装置は、図10に示すように、室内に設置されて使用される場合が多く、このように室内に設置されて使用される場合には、給湯器1の排気側に排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサ28が設けられ、このCOセンサ28がCOの危険値を検出したときには、燃焼停止を行う等の燃焼安全手段が設けられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近の住宅は、室内の気密性に優れており、換気扇2やレンジフードを駆動させたときには、室内が負圧化し、この負圧環境状態で給湯器1の燃焼運転が行われると、給排気の空気量が不足し、燃焼状態が悪化するという問題が新たにクローズアップされてきた。
【0004】
室内の負圧を室内に負圧センサを設けて検出する方法も特開平4−165200号公報で提案されているが、負圧検出専用のセンサを別途用意しなければならず、その分のコストが高くなる上に装置構成が複雑化するという問題が生じ、その上、負圧検出センサが燃焼装置から離れた位置に設置された場合には負圧センサの信号が燃焼装置の燃焼環境を正確に反映したものか疑わしいものとなる。
【0005】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、給湯器等の燃焼装置を室内で使用したときに、室内の負圧の程度を専用の負圧センサを設けることなく確実に検出し、室内の負圧の程度に見合った風量制御等の負圧モードの燃焼運転を的確に行うことが可能な燃焼装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、次のような手段を講じている。すなわち、第1の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0007】
また、第2の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の下側しきい値が負圧解除検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0008】
さらに、第3の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、前記負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0009】
さらに、第4の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0010】
さらに、第5の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号および負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0011】
さらに、第6の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号および負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0012】
さらに、第7の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられ、前記燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0013】
さらに、さらに、第8の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられ、燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0014】
さらに、第9の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部と、時間計測手段とが設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間内でのフレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する構成と成し、フレームロッドがフレームロッド電流を出力してからフレーム電流検出部で検出されるまでのフレームロッド電流取り込み遅延時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部はフレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられ、かつ、下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられたときには現時点よりも前記フレームロッド電流取り込み遅延時間分だけ前の時点を基準点とし、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と前記基準点よりも前の判断基準時間内でフレームロッドから出力されたフレームロッド電流のフレーム電流検出値とを比較し現時点のフレーム電流検出値が前記判断基準時間内で上昇変化基準値を上回る上昇変化が生じていたときには負圧検出信号を出力し、下降変化基準値を下回る下降変化が生じていたときには負圧解除検出信号を出力する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0015】
さらに、第10の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに前記燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0016】
さらに、第11の発明は、バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに前記燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0017】
さらに、第12の発明は、前記第5又は第6又は第9又は第10又は第11の発明の構成を備えたものにおいて、負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0018】
さらに、第13の発明は、前記第乃至第12のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、バーナはガスを燃料として燃焼され、負圧検知データと負圧解除検知データは燃料のガス種毎に与えられており、使用ガス種を設定するガス種設定部が設けられ、このガス種設定部のガス種設定情報を取り込み、使用されるガス種に応じた負圧検知データと負圧解除検知データを設定する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0019】
さらに、第14の発明は、前記第13の発明の構成を備えたものにおいて、ガス種設定部はガス種切り替えスイッチによって形成され、このガス種切り替えスイッチのスイッチ動作に連動してガス種に応じた負圧検知データと負圧解除検知データが検知データ設定部により設定される構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0020】
さらに、第15の発明は、前記第5又は第7又は第10又は第12又は第13又は第14の発明の構成を備えたものにおいて、時間計測手段が設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間の全区間にわたってフレーム電流検出値が負圧検知データである上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、負圧解除検出用の判断基準時間の全区間にわたって負圧解除検知データである下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号を出力する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0021】
さらに、第16の発明は、前記第6又は第8又は第9又は第11又は第12又は第13又は第14のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、時間計測手段が設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間内でのフレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0022】
さらに、第17の発明は、前記第12乃至第16のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0023】
さらに、第18の発明は、前記第7又は第8又は第17発明の構成を備えたものにおいて、バーナの燃焼熱量を監視し、燃焼熱量が大となるに従いシステム遅延時間を大となる方向に変更するシステム遅延時間変更設定部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0024】
さらに、第19の発明は、前記第16の発明の構成を備えたものにおいて、フレームロッドがフレームロッド電流を出力してからフレーム電流検出部で検出されるまでのフレームロッド電流取り込み遅延時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部はフレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられ、かつ、下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられたときには現時点よりも前記フレームロッド電流取り込み遅延時間分だけ前の時点を基準点とし、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と前記基準点よりも前の判断基準時間内でフレームロッドから出力されたフレームロッド電流のフレーム電流検出値とを比較し現時点のフレーム電流検出値が前記判断基準時間内で上昇変化基準値を上回る上昇変化が生じていたときには負圧検出信号を出力し、下降変化基準値を下回る下降変化が生じていたときには負圧解除検出信号を出力する構成としたことをもって課題を解決する手段としている。
【0025】
さらに、第20の発明は、前記第5乃至第のいずれか1つ又は第12乃至第19のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている。
【0026】
さらに、第21の発明は、前記第1乃至第20のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、燃焼熱量の変化を監視し、燃焼熱量の変化が予め与えられる熱量変化設定値を越えたときには燃焼熱量の変化が予め与えられる許容範囲に収まるまで負圧燃焼状況検出部の動作を中断させる負圧状況検出中断部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている
さらに、第22の発明は、前記第1乃至第21のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されたときには予め定められている負圧モードの運転を行う負圧モード運転制御部が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている
さらに、第23の発明は、前記第1乃至第22のいずれか1つの発明の構成を備えたものにおいて、負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されている間その負圧燃焼状況を報知する報知手段が設けられている構成をもって課題を解決する手段としている
さらに、第24の発明は、前記第23の発明の構成を備えたものにおいて、負圧燃焼状況検出部はフレーム電流検出値が負圧検知データを越える超過分に応じた負圧検出信号を出力する構成とし、報知手段は負圧検出信号の情報を取り込み負圧燃焼の程度を区別報知する構成としたことを持って課題を解決する手段としている
さらに、第25の発明は、燃焼装置の排気側には排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサが設置され、バーナ点火後の燃焼運転に際しては前記COセンサによって検出されるCO濃度が高くなるにつれてファン風量制御データを風量アップ側に切り替えるファン風量制御データ切り替え制御部が設けられており、該ファン風量制御データ切り替え制御部にはCO濃度が高くなるにつれてファン風量制御データを風量アップ側に切り替える基本機能の他に、フレームロッド電流が予め設定される上側しきい値を上側に越えたときにファン風量制御データを風量アップ側に切り替えフレームロッド電流が予め設定される下側しきい値を下側に越えたときにファン風量制御データを風量ダウン側に切り替える機能と、フレームロッド電流の上昇変化量が予め設定されている基準時間内で上昇変化基準値を越えたときにファン風量制御データを風量アップ側に切り替える機能と、フレームロッド電流の下降変化量が予め設定されている基準時間内で下降変化基準値を越えたときにファン風量制御データを風量ダウン側に切り替える機能との1つ以上の付加機能が備えられており、燃焼熱量制御範囲内の指定値以下の低燃焼能力範囲内の燃焼運転時には前記基本機能と付加機能の組み合わせによってファン風量制御データを切り替え制御する構成とした構成をもって課題を解決する手段としている
【0027】
本発明においては、フレームロッドから出力されるフレームロッド電流がフレーム電流検出部で検出され、このフレーム電流検出値と予め与えられている負圧検知データ、および負圧解除検知データとが比較される。そして、フレーム電流検出値が負圧検知データを上回ったときには、燃焼環境が負圧状態であると判断され、負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力される。また、フレーム電流検出値が負圧解除検知データを下回ったときには、燃焼環境の負圧状態が解消されたものとと判断し、負圧燃焼状況検出部から負圧解除検出信号が出力される。
【0028】
これら、負圧検出信号および負圧解除検出信号が出力されたときには、報知手段によりその燃焼環境状態が報知される一方において、負圧検出信号が出力されたときには、例えば、燃焼ファンのファン風量制御データを風量アップ方向に切り替え制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには、その燃焼ファンのファン風量制御データを風量ダウン方向に切り替え制御する等の負圧モードの運転が行われる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態例を図面に基づいて説明する。図2には本発明に係る一実施形態例の燃焼装置の機械的構成が示されている。本実施形態例の燃焼装置は、給湯器に関するもので、器具ケース3内には給湯器の本体部4が収容設置されている。なお、器具ケース3には給気口5が設けられ、この給気口5からフィルタ(図示せず)を通して空気が本体部4の空気導入口6に導かれるようになっている。
【0030】
本体部4は燃焼室7を有し、この燃焼室7の下部側には一次空気と二次空気を利用して燃焼するタイプのセミブンゼンバーナ等のバーナ8が設置されており、このバーナ8にガス通路10が接続され、このガス通路10を通して燃料ガスがバーナ8に供給されるようになっている。
【0031】
ガス通路10には通路の開閉を行う電磁弁11,12とバーナ8へのガス供給量を開弁量によって制御する比例弁13が設けられている。この比例弁13は制御装置14によって制御されて印加される開弁駆動電流の大きさに応じて開弁量(ガス供給量)、すなわちバーナ8の燃焼熱量(燃焼能力)が制御される構成のものである。
【0032】
バーナ8の近傍にはバーナ8の点火を行う点火プラグ15と、バーナ8の火炎を検出するフレームロッド16が設けられている。このフレームロッド16は図11に示す如く、バーナ8に生じる火炎の内炎が接触する高さ位置に設置され、フレームロッド16に電圧が印加されることで、内炎に電離するイオンを伝搬してフレームロッド16からバーナ8側のアース端17にフレームロッド電流が流れる構成となっている。すなわち、フレームロッド16は、火炎に接触することで、フレームロッド電流を出力する火炎検出センサとして機能するものである。
【0033】
前記燃焼室7の上部側には給湯熱交換器18が設けられており、この給湯熱交換器18の入側には給水管20が接続され、給湯熱交換器18の出側には給湯管21が接続されている。この給湯管21は外部配管に接続され、この外部配管は台所等の所望の給湯場所に導かれ、出口側には給湯栓(図示せず)が設けられる。なお、図中、22は給水流量を検出する給水流量センサ、23は給水温を検出する給水温度センサ、24は出湯温度を検出する出湯温度センサ、25は給湯流量を制御する水量制御弁をそれぞれ示している。
【0034】
前記燃焼室7の上部側にはバーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファン26が設けられている。この燃焼ファン26の回転はファン回転検出センサ27によって検出されている。
【0035】
前記燃焼ファン26の下流側の排気通路には、COセンサ28が設けられており、このCOセンサ28により排気ガス中のCO濃度が検出される構成となっている。この実施形態例の給湯器が室内に設置される場合には、排気通路30の出口側に排気ダクトが接続されて、図10に示す如く、排気ガスは室外に排出される施工形態となる。
【0036】
前記制御装置14にはリモコン31が信号接続されている。このリモコン31には給湯温度を設定する温度設定器や、制御装置14からの適宜の情報(例えば、給湯温度やエラーの信号)を表示する表示部を備えている。
【0037】
図1は制御装置14の要部を示すもので、燃焼制御部32と、風量制御部33と、燃焼熱量監視部34と、フレーム電流検出部35と、データ格納部36と、負圧燃焼状況検出部37と、逆信号出力キャンセル部38と、時間計測手段としてのタイマ39と、システム遅延時間変更設定部40と、負圧状況検出中断部41と、検知データ設定部42と、ガス種設定部43と、負圧モード運転制御部44とを有して構成されている。
【0038】
前記燃焼制御部32は、給水温度をリモコン31等で設定される給湯設定温度に高めるのに要するフィードフォワード熱量と、給湯設定温度に対する給湯温度のずれを修正するフィードバック熱量とを加算して得られるトータル熱量を算出し、バーナ8の燃焼熱量がこのトータル熱量となるように比例弁13への比例弁電流(開弁駆動電流)を制御する。
【0039】
すなわち、燃焼制御部32には図9に示すような比例弁開度と燃焼熱量(燃焼能力)の関係を示す燃焼制御データが与えられており、燃焼制御部32は、最大燃焼熱量Maxと最小燃焼熱量Minとの燃焼能力の範囲内で比例弁開度を制御する。例えば、演算によって得られる燃焼熱量がPのときには、図9の制御データから比例弁開度はQとして求められ、この比例弁開度Qが得られるように比例弁13への比例弁電流を供給すべく制御するのである。なお、図9に示す制御データでは、最小燃焼熱量に対応する比例弁開度を0%とし、最大燃焼熱量に対応する比例弁開度を100 %とし、比例弁開度を0%から100 %の範囲内で制御して最小燃焼熱量と最大燃焼熱量の範囲内の燃焼熱量を得る制御形態が採られる。
【0040】
風量制御部33は、図8に示すような風量制御データを備えており、室内が負圧環境下でない通常の燃焼運転に際しては、Aの制御データを用いて比例弁開度に対応するファン回転数(ファン風量)を求め、このファン回転数(ファン風量)が得られるように燃焼ファン26の回転制御を行う。この風量制御により、燃焼熱量(ガス供給量)に見合う風量が得られ、燃焼熱量と風量とがマッチングした燃焼制御が達成されるものとなる。
【0041】
燃焼熱量監視部34は比例弁13に供給される比例弁電流の制御指令値(演算値)を監視し、燃焼運転中は常時比例弁電流値を取り込んで燃焼熱量の変化を監視し、その監視結果をシステム遅延時間変更設定部40と、負圧状況検出中断部41と、検知データ設定部42にそれぞれ加える。
【0042】
データ格納部36は、メモリによって構成され、負圧検知データと、負圧解除検知データと、フレームロッド電流取り込み遅延時間のデータと、システム遅延時間のデータとが格納されている。前記負圧検知データは給湯器の燃焼運転中に、室内が負圧状態になったか否かを検出するための判断基準となるデータであり、また、負圧解除検知データは室内が負圧状態からその状態が解除されたことを検出するための判断基準となるデータである。本実施形態例では、負圧検知データと負圧解除検知データを2種類の形態に分類しており、少なくともその一方側のデータがデータ格納部36に格納される。第1分類の負圧検知データと負圧解除検知データはフレームロッド電流のしきい値によって与えるものであり、この場合は、負圧検知データとして、上側しきい値が与えられ、負圧解除検知データとして下側しきい値が与えられる。
【0043】
本発明者の実験による検討によれば、フレームロッドを適切な位置にした場合室内が負圧化して燃焼ファン26による給気量が減少すると、図11に示す火炎が上側に伸び、フレームロッド電流が増加し、その逆に、室内の負圧化が解消されることにより、火炎は元の状態に縮み、フレームロッド電流が減少する現象を突き止めるに至った。
【0044】
例えば、良好な燃焼状態であるときにフレームロッド16が、図11に示す燃焼火炎の外炎を検知している状態から、負圧状態が発生し負圧状態に起因した空気不足の燃焼状態になると、外炎と内炎が共に伸び、フレームロッド16は内炎を検知するようになる。
【0045】
上記外炎は電気抵抗率が高く、内炎は電気抵抗率が低いので、上記のように負圧状態発生に起因してフレームロッド16が外炎検知の状態から内炎検知の状態に移行すると、電気抵抗率が低下し、フレームロッド16から検出出力されるフレームロッド電流値が上昇する。
【0046】
つまり、図3において、例えば燃焼能力(比例弁開度)Xよりも低めの低燃焼能力範囲内の燃焼能力で燃焼が良好に行われているときには外炎に位置し、負圧状態が発生して燃焼火炎が立ち上がったときには内炎に位置する高さ位置にフレームロッド16を取り付けることによって、負圧状態の発生時にフレームロッド16から検出出力されるフレームロッド電流値の上昇変化がより明確になり、排気ガス中のCO濃度に基づいて室内の負圧状態の発生を検知するよりも早く負圧状態の発生を検知することができる。
【0047】
このように、フレームロッド16の取り付け位置を設定することによって、室内が負圧状態になったときにはフレームロッド電流値が上昇するので、フレームロッド電流値が上昇したときには室内が負圧状態になったと検知することができる。この点に着目し、フレームロッド電流の低位側のしきい値を負圧解除検知データとして与え、それよりも大きい上側しきい値を負圧検知データとして与えている。
【0048】
前記上側しきい値と下側しきい値のデータの設定例が図3に示されている。この図3の例では、上側しきい値を上側固定しきい値と上側可変しきい値で与え、下側しきい値を下側固定しきい値と下側可変しきい値で与えている。上側固定しきい値と下側固定しきい値は比例弁開度によって変化しない固定値として与えており、本実施形態例では、バーナ8の点着火時には一定のガス量を供給して、つまり、一定の比例弁開度でもって点着火を行うので、点着火時には固定の上側と下側のしきい値を使用することとしており、このことで、上側固定しきい値と下側固定しきい値が与えられている。
【0049】
上側可変しきい値と下側可変しきい値は点着火後のしきい値として使用するもので、これらの可変しきい値は、比例弁開度が大きくなるにつれ、つまり、燃焼熱量が大きくなるにつれ、増加する方向に変化するデータとして与えてある。このように、上側と下側のしきい値を可変データの形態で与えたのは、燃焼熱量が大きくなるにつれ、フレームロッド電流が大きくなることを実験により確かめた結果に基づいたものである。なお、図3の例では上側しきい値を固定のしきい値と可変のしきい値で与えたが、一方側のしきい値で与えてもよく、また、下側しきい値も、固定のしきい値と可変のしきい値のうちの一方の値で与えてもよいものである。
【0050】
負圧検知データと負圧解除検知データの第2分類のデータは、フレームロッド電流の上昇変化基準値を負圧検知データとして与え、フレームロッド電流の下降変化基準値を負圧解除検知データとして与えるものである。すなわち、室内が正常状態から負圧状態に変化したときには、火炎が伸びてフレームロッド電流が上昇変化することに着目し、フレームロッド電流の上昇変化が上昇変化基準値を越えたときには室内が負圧化されたものと判断する基準データとし、フレームロッド電流の下降変化量が下降変化基準値を越えたときに室内が負圧状態から解除されたと判断する判断基準値とするものであり、データ格納部36には第1分類の上側しきい値と下側しきい値の組と、第2分類の上昇変化基準値と下降変化基準値の組の少なくとも一方のデータが負圧検知データと負圧解除検知データとして格納される。
【0051】
これら各分類の負圧検知データと負圧解除検知データは使用するガス燃料のガス種を考慮せずに与えてもよいが、本発明者の実験によれば、同じ比例弁開度であってもガス種によってフレームロッド電流の値が異なることを確認しており(例えば、ガス種12Aよりもガス種13Aの方がフレームロッド電流が大きい)、使用が想定される13A,12A,L1 (6B,6C,7A),L2 (5A,5B,5AN),L3 (4A,4B,4C),6A,5C,LPG等のガス種毎に前記負圧検知データと負圧解除検知データの値が与えられている。
【0052】
前記システム遅延時間は、燃焼制御部32が燃焼熱量の制御信号を出力してから比例弁13が動作し、その比例弁13の動作に対応した燃焼ガスがバーナ8から噴出し、その燃焼火炎がフレームロッド16で検出されてフレームロッド電流がフレーム電流検出部35で検出されるまでの遅れ時間であり、このシステム遅延時間として、例えば0.8 秒の値がデータ格納部36に格納されている。
【0053】
また、フレームロッド電流取り込み遅延時間は、フレームロッドから出力されるフレームロッド電流がフレーム電流検出部35で検出されるまでの遅れ時間であり、例えば、その遅れ時間に余裕を持たせて例えば0.3 秒の値がデータ格納部36に格納されている。
【0054】
フレーム電流検出部35は、フレームロッド16から出力されるフレームロッド電流を、例えば、0.1 秒のサンプリング間隔で取り込み検出し、その検出値を負圧燃焼状況検出部37へ加える。
【0055】
システム遅延時間変更設定部40は前記データ格納部36に格納されているシステム遅延時間を燃焼熱量に応じて変更設定する。すなわち、比例弁13はその開弁の位置によって動作の応答性に差異が生じる場合があり、燃焼熱量の大小による応答性の違いによる遅れ時間のばらつきを解消するために、燃焼熱量の大きさによって、連続的に、あるいは段階的にシステム遅延時間を変更設定するものであり、例えば、比例弁開度が40%未満のときには1秒、40%以上70%未満のときには0.8 秒、70%以上100 %以下のときには0.8 秒という如くシステム遅延時間を燃焼熱量に応じた値に変更設定してその値を負圧燃焼状況検出部37へ加える。なお、このシステム遅延時間変更設定部40は省略される場合もある。
【0056】
ガス種設定部43は、例えば、制御装置14の制御基板に設けられるもので、このガス種設定部43は、使用するガス種を設定するものであり、例えば、タクトスイッチ等を複数設け、各タクトスイッチにより使用するガス種を設定してもよいが、この実施形態例では、通常の給湯器等に設けられているガス種ごとに比例弁のゲインを変えるガス種切り替えスイッチ(特公昭57−3844に記載)をガス種設定部43として用いている。このガス種設定部43は、13A,12A,L1 (6B,6C,7A),L2 (5A,5B,5AN),L3 (4A,4B,4C),6A,5C,LPG等の使用ガス種をスイッチ操作により選択設定する。
【0057】
検知データ設定部42は、前記ガス種設定部43のガス種設定情報を取り込み、データ格納部36に格納されている各種ガス種毎の負圧検知データと負圧解除検知データのうちから、ガス種設定部43で設定されたガス種に応じた負圧検知データと負圧解除検知データをガス種切り替えスイッチのスイッチ操作に連動して選択し、さらに、燃焼熱量監視部34で検出される燃焼熱量に応じた負圧検知データと負圧解除検知データが設定される。例えば、燃焼熱量(比例弁開度)によって変化する負圧検知データが図3の上側可変しきい値として与えられ、負圧解除検知データが下側可変しきい値で与えられた場合に、燃焼熱量が比例弁開度の値でRであるときには、上側可変しきい値の値としてPP の値が設定され、下側可変しきい値の値としてPL の値が設定される。同様に、負圧検知データと負圧解除検知データが上昇変化基準値と下降変化基準値で与えられている場合も、燃焼熱量に応じたデータ値(燃焼熱量が大きくなるにつれ値が僅かに小さくなるデータ)が検知データ設定部42で設定され、その設定されたデータが負圧燃焼状況検出部37に加えられる。
【0058】
負圧燃焼状況検出部37は、フレーム電流検出部35からフレームロッド電流の検出値(フレーム電流検出値)を取り込み、検知データ設定部42で設定された負圧検知データと負圧解除検知データに基づき、給湯器の室内燃焼環境が負圧状態であるか否かの検出を行う。例えば、負圧検知データが上側しきい値で与えられ、負圧解除検知データが下側しきい値で与えられている場合には、図5に示す如く、フレーム電流検出部35から取り込んだ現時点の電流検出値FA と現時点からシステム遅延時TS だけ前の時点の上側しきい値PU1および下側しきい値PL1とを比較し、フレーム電流検出値FA が上側しきい値TU1を上回ったときには例えば、換気扇やレンジフードが起動されて室内の燃焼環境が負圧状態になったものと判断し、フレーム電流検出値が下側しきい値PL1を下回ったときには室内燃焼環境は例えば、換気扇やレンジフードが停止して負圧解除状態に戻ったものと判断する。
【0059】
燃焼制御部32からガス量制御指令、すなわち、比例弁電流値の指令信号が出されると、その比例弁電流(燃焼熱量)の大きさに応じた上側しきい値と下側しきい値の値が検知データ設定部42により設定されるので、上側しきい値と下側しきい値はガス量制御指令に遅延することなく設定されるが、ガス量制御指令が出力されてから実際にフレーム電流検出部35でそのガス量制御指令時のフレームロッド電流が検出されるまでには、システム遅延時間TS の遅れを伴うので、現時点で検出されるフレーム電流検出値は現時点よりもシステム遅延時間TS だけ前の時点の制御指令に応じたデータを取り込んでいることになり、このために、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値FA をTS の時間だけ前のしきい値と比較するようにしている。
【0060】
もしこのようなシステム遅延時間を考慮しないで現時点でのフレーム電流検出値と現時点の上側および下側のしきい値を比較してしまうと、例えば、図5に示す如くガス量制御指令が出されたときには、現時点でフレーム電流検出部35によって検出されるフレーム電流検出値FA が上側しきい値PU1′を越えているので、実際には燃焼環境が負圧状態でないにも拘わらず負圧状態と誤判断してしまうという問題が生じてしまう。本実施形態例では、このようなシステム遅延時間に起因した問題を解消するために、システム遅延時間TS を考慮し、前記の如く、現時点で検出されるフレーム電流検出値と、システム遅延時間だけ前の時点の上側しきい値および下側しきい値とを比較して室内燃焼環境状態を検出している。
【0061】
この負圧燃焼環境の検出に際し、フレーム電流検出値が上側しきい値を一時点において越えたと判断したときに直ちに負圧検知信号を出力し、フレーム電流検出値が下側しきい値を一時点において下回っていたと判断したときに直ちに負圧解除検出信号を出力するようにしてもよいが、本実施形態例では、負圧状態と負圧解除状態の検出を行う時間幅を判断基準時間として与え(この判断基準時間は上側しきい値と下側しきい値に対して同じ時間を与えてもよく異なる時間で与えてもよい)、フレーム電流検出値の全部(又は平均値)がその判断基準時間(例えば0.5 秒)の全区間に亙って上側しきい値を越えたときには負圧検出信号を出力し、フレーム電流検出値の全部(又は平均値)が判断基準時間(例えば0.1 秒)の全区間に亙って下側に越えていたときには負圧解除検出信号を出力するようにしている。なお、これら負圧検出用の判断基準時間(上側しきい値に対する判断基準時間)と負圧解除検出用の判断基準時間(下側しきい値に対する判断基準時間)のデータはデータ格納部36に予め与えておいてもよく、負圧燃焼状況検出部37に持たせておいてもよいものである。
【0062】
室内の負圧燃焼環境の検出を負圧検知データである上昇変化基準値と負圧解除検知データである下側変化基準値を用いて検出する場合は、例えば図4に示す如く、上昇変化基準値Fth1 (例えば1.1 μA)とその上昇変化基準値に対して与えられる判断基準時間(負圧検出用の判断基準時間)Tth1 (例えば0.6 秒)と、下降変化基準値Fth2 とその下降変化基準値に対して与えられる判断基準時間(負圧解除検出用の判断基準時間)Tth2 とのデータに基づき負圧状態と負圧解除状態を判断検出する。すなわち、負圧燃焼状況検出部37は、フレーム電流検出部35からフレーム電流検出値を取り込み、判断基準時間Tth1 の時間内で、フレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値Fth1 を越えたときには例えば、換気扇やレンジフードが起動されて負圧燃焼環境状態になったものと判断して負圧検出信号を出力し、判断基準時間Tth2 内でフレーム電流検出値の下降変化量が下降変化基準値Fth2 を越えたときには例えば、換気扇やレンジフードが停止されて室内燃焼環境は負圧解除になったものと判断して負圧解除検出信号を出力する。Fth1 ,Fth2 は固定値であってもかまわないが燃焼量0〜X%の範囲内で燃焼量大側(X%側)は判定値を小さく、燃焼量小側(0%側)は判定値を大きくしてもかまわない。
【0063】
この上昇変化基準値と下降変化基準値を用いて負圧燃焼状況を検出する場合も、前記しきい値を用いて負圧燃焼環境状態の検出を行う場合と同様に、システム遅延時間TS を考慮し、現時点で検出されるフレーム電流検出値をシステム遅延時間TS だけ前の時点の燃焼熱量に対応する上昇変化基準値および下降変化基準値と比較してもよいが、燃焼熱量の変化に対して上昇変化基準値と下降変化基準値の変化量は前記上側しきい値と下側しきい値に比べ小さいので、システム遅延時間を考慮せずに信号処理することも可能であり、その場合に、本実施形態例では、次のように信号処理を行っている。
【0064】
すなわち、フレームロッド16がフレームロッド電流を出力してからフレーム電流検出部35で検出されるまでの遅れ時間(例えば0.1 〜0.2 秒)があり、本実施形態例では、この遅れ時間を考慮したフレームロッド電流取り込み遅延時間TG を与え、図6に示す如く、現時点よりもその遅れ時間TG だけ前の時点を基準点とし、この基準点よりも前の判断基準時間Tth(Tth1 ,Tth2 )の区間内でフレムーロッドから出力されたフレームロッド電流を判断対象とし、具体的には、現時点で検出されたフレーム電流検出値、つまり、現時点よりもTG だけ前にフレームロッドから出力されたフレームロッド電流のフレーム電流検出値と判断基準時間Tth内でフレームロッドから出力されるフレームロッド電流のフレーム電流検出値とを比較し、現時点で検出されたフレーム電流検出値、すなわち、基準点でフレームロッドから検出されたフレームロッド電流値が時間Tthの範囲内でフレームロッドから出力されるフレームロッド電流値の何れよりも(あるいは平均値よりも)大きく、時間Tth1 の始点の電流値よりも上昇変化基準値Fth1 を越えていたときには負圧検出信号を出力し、現時点で検出されたフレーム電流検出値が基準点よりも前の時間Tth(Tth2 )の時間内でフレームロッドから出力されたフレームロッド電流値の何れ(あるいはその時間での平均値)よりも小さく、時間Tth2 の始点の電流値よりも下降変化基準値Fth2 を下回っていたときには負圧解除検出信号を出力する。
【0065】
負圧燃焼状況検出部37は上記の如くフレーム電流検出値を上側および下側のしきい値と比較するか、又は、フレームロッド電流の変化量を上昇および下降の変化基準値と比較して、室内燃焼環境の負圧発生と負圧解除を検出するが、本実施形態例ではこの負圧と負圧解除の検出はフレームロッド電流を安定、かつ、感度良く検出可能なフレームロッド電流値の範囲、つまり、フレームロッド電流を安定、かつ、感度よく検出可能なフレームロッド電流の上限値と下限値によって囲まれる範囲で行うようにしている。もちろんこのような上限値と下限値の範囲に限定せずにフレームロッド電流をしきい値や変化基準値と比較して負圧発生と負圧解除を検出するようにしてもよい。
【0066】
本考案発明者の検討によれば、換気扇やレンジフードの起動に伴う室内の負圧化による給気不足が燃焼性能に影響を及ぼす範囲は低燃焼熱量(低燃焼能力)側で顕著であり(消火しやすい)、燃焼熱量が大きい領域ではその影響は小さい。この点を考慮し、予めフレームロッド電極の取付位置を燃焼熱量(燃焼能力)の制御範囲(例えば、比例弁開度で0〜X%の値)で、負圧の有無でフレームロッド16が内炎内になったり外炎内になったりする位置に設定し(図3参照)、負圧燃焼状況検出部37による前記室内燃焼環境の負圧発生と負圧解除の検出を燃焼熱量が低燃焼熱量(低燃焼能力)の範囲で行う構成としたものであってもよい。
【0067】
負圧状況検出中断部41は、燃焼熱量監視部34から燃焼熱量の監視信号を受け、燃焼熱量の変化が予め与えられる熱量変化設定値を越えたときには、予め与えられる中止時間が経過するまで負圧燃焼状況検出部37の動作を中断する。より具体的に説明すれば、図7に示す如く、燃焼制御部32が出力するガス量制御指令が回路上を伝搬する例えば0.1 秒等の遅れ時間TD を考慮し、現時点からTD 時間前の基準点から判断時間のTW の時間内(例えば2.5 秒内)で、燃焼熱量に対応する比例弁開度の最大と最小の差が熱量変化設定値(比例弁開度の例えば10%)を越えて変化したときには、負圧燃焼状況検出部37の動作を中断させる。
【0068】
これは、燃焼熱量が熱量変化設定値を越えて大きく変化したときには、この燃焼熱量の変化がフレームロッド電流の変化として現れるので、フレーム電流検出値の変化が室内の負圧(あるいは負圧解除)によって変化したものであるか、燃焼熱量の変化によって生じたものかの区別ができなくなり、燃焼熱量の変化によるフレームロッド電流の変化が負圧発生(あるいは負圧解除)であるものと誤判断されるのを防止するために、燃焼熱量の変化が熱量変化設定値を越えたときには負圧燃焼状況検出部37の負圧および負圧解除の検出動作をその比例弁開度の変化が許容範囲内(例えば比例弁開度の3%の変動範囲内)に収まるまで負圧燃焼状況検出部37の動作を中断させて、前記燃焼熱量の変化による誤判断を防止するものである。
【0069】
報知手段45は前記負圧燃焼状況検出部37から出力される負圧検出信号と負圧解除検出信号とを区別報知する。例えば、この報知手段45はリモコン31の表示部等を用いて構成され、その表示部の液晶表示画面に負圧検出信号と負圧解除検出信号を異なる記号等を用いて区別表示するか、あるいは、負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されているときにはランプを点灯や点滅により報知し、負圧解除検出信号が出力されたときには、そのランプを消灯する等して、負圧検出信号と負圧解除検出信号を区別報知する。
【0070】
負圧モード運転制御部44は前記負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときに、通常の燃焼運転モードを予め定められる負圧モードの運転に切り替えるものである。この負圧モードの運転として様々な制御形態を採ることができ、例えば、第1の負圧モードの運転形態として、ファン風量の変更制御が行われる。このファン風量の変更制御は、例えば、図8に示すように、通常の燃焼制御データのAの制御線の他に、ファン風量が順次増加する方向に制御線C,B,D,Eを設け、制御線Aのライン上で燃焼させていたときに、負圧検出信号が出力されたときにはファン風量の不足状態を解消するために、ファン風量の制御ラインをAから例えばBの制御線に移行し、さらにこの制御線Bで燃焼させていたときに再び負圧検出信号が出力されたときにはさらに風量増加側の制御線Dに移行するという如く、負圧検出信号が出力されたときには風量増加側の制御ラインに移行し、負圧解除検出信号が出力されたときには、風量減少側の制御ラインに戻して風量制御を行う制御形態である。
【0071】
このように、負圧検出信号が出力されたときには、風量増加側に燃焼ファンの回転を制御することで、室内負圧に起因する給気の不足を解消し、燃焼改善を図ることができるものとなる。
【0072】
この図8に示すデータから分かるように、最小インプット時(最小比例弁開度時)にはB〜Eのファン風量制御データを切り替えるとファン回転数が大きく変わるのに対して最大インプット時にはファン回転数はあまり変わらないようにしてある。これは一般的に行われている空燃比を一定にして燃焼させるものとは異なり本出願人が独自に見い出したものである。つまり本来バーナは最大インプット(定格インプット)で燃やすことのできるバーナを用いて燃料を少なくしても消えないように風量制御を行っているものである。つまり低インプット(低燃焼熱量)ほど風量制御を正確に行わないと消えてしまうことを意味する。つまり空燃比を一定にした相関関係では各線は平行となるが、本願では比例弁開度小方向になるにしたがって各線間間隔は広がり、比例弁開度大方向になるにしたがって各線の間隔は狭くなる(各線が一点に集まる必要はなく各線の想像線が比例弁開度大方向のどこかで交差する)ようにしている。
【0073】
第2の負圧モードの運転形態は、例えば図8に示す如く、比例弁開度の制御範囲を0%〜100 %の範囲から10%〜100 %という如く、燃焼能力の下側をカットして燃焼熱量の制御範囲を狭める制御形態を採るものである。負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号を出力されたときに、この燃焼熱量の制御範囲をアンダーカットにより狭める制御形態とすることで、比例弁開度の最小開度が大きくなるので、室内が負圧化された場合においても、風量不足によってバーナ8の火炎が立ち消えるのが防止されるものとなる。
【0074】
第3の負圧モードの運転形態は、バーナ8の燃焼を開始するときの点火を風量増加側の制御ライン上で行う制御形態を採るものである。例えば、通常の運転においては、図8の風量の制御データAのライン上で点火を行うが、例えば燃焼停止前の、前回の燃焼運転時に負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときには、風量増加側の制御ラインBの線上で点火動作を行わせるものである。このように、風量を増加した側で点火を行うことで、給気不足による点火ミスを防止し、確実に点火を行わせることができるものとなる。
【0075】
第4の負圧モードの運転形態は、給湯器の再出湯湯温の安定化制御の機能を持つ給湯器において、燃焼停止後のポストパージ期間での燃焼ファンの回転数を風量増加側にアップさせる制御形態を採るものである。給湯器の燃焼停止後には、燃焼室7内の排気ガスを確実に排出させるために、給湯燃焼停止後も引き続き所定時間燃焼ファン26を回転させるが、再出湯湯温の安定化機能を持つ給湯器では、そのポストパージ期間での燃焼ファンの回転による給湯熱交換器18内の湯温の冷却の程度を推定し、このファン冷却による条件を考慮に入れて再出湯湯温安定化の制御常数を定めているが、室内が負圧化されている環境の下では、同じファン回転数で燃焼ファン26を回転させても、風量が減少するため、給湯熱交換器18の冷却の度合いが小さくなり、再出湯湯温安定化の制御常数にずれが生じる結果となる。
【0076】
この第4の負圧モードの運転形態では、前回の給湯燃焼運転の停止前に負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときには、ポストパージ期間での燃焼ファンの回転を風量アップ側にすることで、室内の負圧化による風量の減少分が補償され、室内が負圧化状態でないときの通常の燃焼ファンの風量と同じ風量が得られることで、前記再出湯湯温安定化の制御常数のずれを防止し、室内負圧化による再出湯湯温の不安定化を防止できるものとなる。
【0077】
負圧モード運転制御部44は予め定められた負圧モードの運転形態に従い、燃焼制御部32と風量制御部33を介して負圧モード運転形態の制御を行う。逆信号出力キャンセル部38は、負圧燃焼状況検出部37から出力される負圧検出信号と負圧解除検出信号の出力状況を監視し、負圧検出信号と負圧解除検出信号の何れか一方の信号が出力されたときには、予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止させる。負圧燃焼状況検出部37の信号出力により前記の負圧モード運転制御部44による負圧モード運転を行わせる場合、例えば、給湯燃焼運転中に、換気扇やレンジフードが起動されて室内が負圧化されて負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときに、前記負圧モード運転制御部44により燃焼ファンが風量増加側に変更制御されて、フレームロッド電流が減少して負圧燃焼状況検出部37から負圧解除検出信号が出力される。
【0078】
この負圧解除検出信号の出力によって、ファン回転数は風量増加前の元の状態に戻されるが、換気扇やレンジフードが駆動されていると、その直後に再び給気の不足状態が生じて負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が再び出力されるという如く、負圧検出信号と負圧解除検出信号が短時間のうちに交互に出力されるというハンチング現象が生じるが、前記逆信号出力キャンセル部38を設けることにより、負圧検出信号と負圧解除検出信号の何れか一方の信号が出力されたときには、他方側の信号の出力をキャンセル時間が経過するまではその信号出力が停止されるので、前記ハンチング現象を防止でき、燃焼制御の安定化が図れるものとなる。
【0079】
次に、本実施形態例の給湯器の動作を簡単に説明する。まず、給湯栓が開けられて給水流量センサ22により流水が感知されると、燃焼ファン26が回転する。ファン回転数が所定回転数に達すると、イグナイタ電極(図示せず)の放電が開始し、電磁弁11,12が開けられ、比例弁13が開いてバーナ8に燃料ガスが供給される。そして、バーナ8から噴出するガスに、点火プラグ15による点火動作が行われ、バーナ8の点火が行われる。そして、制御装置14の燃焼制御部32により、給水温度が給湯設定温度になるようにバーナ8の燃焼熱量が制御され、給湯熱交換器18で作り出した湯は台所等の所望の給湯場所に導かれて、湯の使用が行われる。
【0080】
この燃焼運転中には、フレームロッド16から出力されるフレームロッド電流がフレーム電流検出部35で検出され、そのフレーム電流検出値が負圧燃焼状況検出部37に加えられる。
【0081】
負圧燃焼状況検出部37では、前述した如く、フレーム電流検出値と負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較し、室内燃焼環境が負圧状態にあるか、負圧解除状態にあるかを判断し、負圧状態にあるものと判断したときには負圧検出信号を出力し、負圧環境状態にないものと判断したときには負圧解除検出信号を出力する。
【0082】
この負圧燃焼状況検出部37から出力される負圧検出信号と負圧検出解除信号が報知手段45により区別報知される。その一方で、負圧モード運転制御部44により、負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときには、予め定められた負圧モードの運転形態の制御を行う。
【0083】
この燃焼運転中には、排気ガス中のCO濃度がCOセンサ28により検出され、CO濃度の検出処理値が予め与えたCO危険値に達したときに、燃焼停止等のCOに対する安全動作を行う。
【0084】
ところで、ファン風量制御データは、図8に示されるような形態で与える他に、図12に示すように、図8のファン風量制御データAに相当するX=0のファン風量制御データに対し、X=2,X=4のファン風量制御データのように平行な制御ラインの形態で与えるようにしてもよいものである。
【0085】
次に、前記第1の負圧モードの運転形態につき、より詳細に説明する。負圧モード運転制御部44はファン風量制御データ切り替え制御部50を有しており、このファン風量制御データ切り替え制御部50は、COセンサ28や、負圧燃焼状況検出部37からの信号を受けて、風量制御部33が使用するファン風量制御データをCOセンサ28によって検出されるCO濃度や、フレームロッド16の電流に基づき負圧燃焼状況検出部37で検出される室内燃焼環境の負圧状況に応じてファン風量制御データを切り替え制御するもので、以下の1つ以上の機能を備えている。
【0086】
第1の機能は、COセンサ28で検出されるCO濃度が高くなるにつれ、ファン風量制御データを段階的にファン風量アップ側に切り替え設定する機能である。この機能の動作例を図13のフローチャートに基づいて説明すると、まず、ステップ101 で、CO濃度が上限値以上か否かが判断され、上限値以上のときにはステップ102 でファン風量制御データが1段階高められる。このフローチャートにおいては、図12に示すファン風量制御データを例にして説明してあり、フローチャート中のXの数字は図12に示す各ファン風量制御データのXの値に対応している。
【0087】
なお、このCO濃度の上限値は、COセンサ28で検出されるCO濃度の雰囲気中に人が晒されたときに、CO危険濃度に達する時間を上限値として与えてもよく、又は、高CO濃度のしきい値で与えてもよく、又は、COセンサ28で検出されるCO濃度の雰囲気中に人が晒されたと仮定したときの血中ヘモグロビンのCO濃度を求め、単位時間t毎に算出されるその血中ヘモグロビンCO濃度の危険到達時間Tに対する前記単位時間tとの比t/Tの積算値の上限値で与えてもよいものである。
【0088】
前記ステップ101 で、CO濃度が上限値未満のときには、ステップ103 でCO濃度が規定値以下か否かが判断され、CO濃度が規定値以下ときにはファン風量制御データを1段階風量ダウン側に切り替える。このとき、ステップ105 でファン風量制御データがX=0のデータになるか否かを判断し、X=0のファン風量制御データになるときには、ファン風量制御データをX=0のデータよりもファン風量が1段階上側のX=1のデータに設定する。
【0089】
ステップ107 では前記ステップ102 でファン風量制御データが1段階風量アップ側に切り替えられることでX=5の値に達したか否かを判断し、X=5の値に達したときにはファン風量をアップさせても高濃度のCOガスの発生の防止が期待できないので、ステップ108 で燃焼停止を行う。
【0090】
前記ステップ107 でXが5に達しないときには前記ステップ102 で風量を1段階アップさせたファン風量制御データに基づき、燃焼量(燃焼熱量)に応じたファン回転数(ファン風量)でもって燃焼ファンを回転させ、ステップ110 で室内の負圧強度としてXの値を登録する。ステップ111 では給水流量センサ22からオン信号が加えられているかを判断し、オン信号が加えられているときにはステップ101 以降の動作を繰り返す。これに対し、給水流量センサ22からオフ信号が出力されたときには、給湯栓が閉じられたものと判断して燃焼停止を行う。そして、ステップ112 では、タイマ等を用いて燃焼停止時からの経過時間を測定し、燃焼停止後10分以内か否かを判断する。燃焼停止後10分以内で燃焼運転が再開されるときには、室内の負圧状態は前記ステップ110 で登録されたXの値と同じであると推定し、その登録されたXの値のファン風量制御データを用いて燃焼運転を行うが、燃焼停止後10分を経過したときには、標準モードのファン風量制御データであるX=0のファン風量制御データを設定して次の燃焼運転に備える。
【0091】
この図13に示すフローチャートにおいては、室内が負圧になると、給気の不足状態が生じ、室内の負圧の程度に応じてCO濃度が上昇するので、このCO濃度の上昇を検出して、室内の負圧の強度に応じたファン風量制御データを選択指定し、室内の負圧化に伴う給気不足を解消し、良好な燃焼運転を行うものである。
【0092】
ファン風量制御データ切り替え制御部50によるファン風量制御の第2の機能は負圧燃焼状況検出部37により、上側しきい値と下側しきい値を用いて負圧検出や負圧解除検出が行われたときに、その負圧検出信号や負圧解除検出信号を受けてファン風量制御データを切り替え設定する機能である。すなわち、ファン風量制御データ切り替え制御部50は、この第2の機能の動作に際し、フレームロッド電流が上側しきい値を越えて負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が加えられたときに、室内が負圧状況になったものと判断してファン風量制御データを風量アップ側に切り替え設定し、フレームロッド電流が下側しきい値を下回って(下側に越えて)負圧燃焼状況検出部37から負圧解除検出信号が加えられたときには室内の負圧が解除方向に変化したものと判断しファン風量制御データをファン風量ダウン側に切り替え設定するものである。
【0093】
図14はこのファン風量制御データ切り替え部50の第2の機能の動作を負圧燃焼状況検出部37の動作と共に示すフローチャートである。すなわち、ステップ201 でフレームロッド電流が上側しきい値を越えたか否かを負圧燃焼状況検出部37で判断し、上側しきい値を越えたときにはファン風量制御データ切り替え制御部50においてファン風量制御データをファン風量増加側に1段階高め、同様に、ステップ203 でフレームロッド電流が下側しきい値を下側に越えたと判断されたときには室内の負圧状況が解除されたものと判断してファン風量制御データを1段階ファン風量ダウン側に切り替え設定するものである。ファン風量制御データのアップダウンの切り替え動作は前記13図に示すフローチャートの動作と同様であり、同じ動作には同じステップ番号を付してその重複説明は省略する。
【0094】
ファン風量制御データ切り替え制御部50によるファン風量制御構成の第3の機能は、負圧燃焼状況検出部37により、フレームロッド電流の上昇変化基準値と下降変化基準値を用いて負圧検出や負圧解除検出が行われたときに、その負圧検出信号や負圧解除検出信号を受けてファン風量制御データを切り替え設定する機能である。すなわち、ファン風量制御データ切り替え制御部50は、図4に示される如く、フレームロッド電流の上昇変化量が基準時間Tth1の時間内で、上昇変化基準値Fth1を越えたことが負圧燃焼状況検出部37により検出されて、同検出部37から負圧検出信号が加えられたときには、例えば燃焼運転中にレンジフードや換気扇が起動される等して室内が負圧化されたものと判断し、ファン風量制御データXを風量アップ側((X+1)側)に切り替え設定する。
【0095】
また、ファン風量制御データ切り替え制御部50は、フレームロッド電流の下降変化量が前記判断時間Tth2 の時間内で、下降変化基準値Fth2 を越えたことが負圧燃焼状況検出部37により検出されて、同検出部37から負圧解除検出信号が加えられたときには、室内の負圧状況は解除(又は負圧減少方向に変化)したものと判断し、ファン風量制御データXをファン風量ダウン側((X−1)側)に切り替え設定する。なお、図4中のフレームロッド電流のA,B,Dは図3中のA,B,Dの点位置の電流値に対応している。
【0096】
上記ファン風量制御データ切り替え制御部50により何れかの機能によってファン風量制御データが切り替え設定されたときには、風量制御部33は、その切り替え設定されたファン風量制御データを用いて燃焼ファン26の風量制御を行う。
【0097】
ファン風量制御データ切り替え制御部50には前記複数の機能のうち、1つ以上の機能が設けられて室内の負圧状況に応じたファン風量制御データの設定が行われるが、特に、燃焼熱量(比例弁開度)が例えば制御範囲の指定値(例えば比例弁開度で30%)以下の低燃焼能力範囲では燃焼性能が室内の負圧によってより影響を受け易いので、この低燃焼能力範囲においては、COセンサのCO検出信号に基づく前記第1の機能(基本機能)とフレームロッド電流に基づく前記1つ以上の機能(付加機能)とを組み合わせ、COセンサによる室内の負圧程度の検出に基づくファン風量制御データの設定と、フレームロッド電流による室内負圧程度の検出に基づくファン風量制御データの切り替え設定とを併用することにより、室内の負圧の程度に応じたより正確なファン風量制御が可能となる。
【0098】
すなわち、燃焼熱量が低い(比例弁開度が小側)領域では、風量不足により燃焼が悪化して放出されるCOをCOセンサで補集して燃焼悪化を検知していると、COが発生してからCOセンサで検出されるまでに時間がかかり、この間に失火してしまうおそれがある。この点、フレームロッド電流は燃焼悪化に瞬時に反応し、このフレームロッド電流の変化によって燃焼悪化を迅速に検出し、燃焼改善方向に風量がいち早く制御されることで、失火を防止することができる。一方、フレームロッドには燃焼悪化を感度よく検出できるフレームロッド取付位置と燃焼量との関係があり、燃焼量がこの範囲から外れると燃焼悪化の検出感度が低下するが、高インプット側(高燃焼熱量側)においては、COセンサによって燃焼悪化を良好に検出することができるので、低インプット側(低燃焼熱量側)におけるフレームロッド電流に基づく負圧検出と高インプット側におけるCOセンサによるCO濃度検出信号に基づく負圧検出とを併用することにより、燃焼熱量制御の全範囲において室内燃焼環境の負圧状況を精度よく検出でき、室内の負圧の程度に応じたより正確なファン風量制御が可能となるのである。
【0099】
ところで、本実施形態例ではバーナ8をセミブンゼンバーナ等の一次空気と二次空気を利用して燃焼するタイプのバーナによって構成しており、このタイプのバーナを用いることにより、図3に示す如く、上限値と下限値によって囲まれる領域が形成され、この領域内でのフレームロッド電流の変化を検出して、室内燃焼環境の負圧の程度を感度良く検出し、負圧の程度に応じたファン風量の制御を効果的に行うことが可能となる。
【0100】
これに対し、バーナ8を全一次空気燃焼式タイプのバーナで構成した場合には、図15に示すように比例弁開度に対してフレームロッド電流は空燃比によって定まる一義的な値となり、つまり、比例弁開度に対するフレームロッド電流の特性関係は1本の直線となり、本実施形態例の図3に示されるような上限値と下限値によって囲まれるフレームロッド電流の変化領域は生ぜず、したがって、本実施形態例の如く、フレームロッド電流の変化を検出して室内の負圧の程度を判断し、ファン風量制御データを切り替え制御することは不可能となる。本実施形態例では、前記の如く、バーナ8を一次空気と二次空気を利用して燃焼するタイプのバーナによって構成し、フレームロッド電流の上限値と下限値で幅をもって囲まれる領域で変化するフレームロッド電流を検出することで室内の負圧の程度を高感度の下で検知でき、これに基づき室内燃焼環境の負圧の程度に適合した風量を供給制御できるという画期的な効果を奏するものである。
【0101】
なお、本発明は上記実施形態例に限定されることはなく、様々な実施の形態を採り得る。例えば、上記実施形態例では、報知手段45により負圧燃焼状況検出部37から出力される負圧検出信号と負圧解除検出信号を区別報知するようにしたが、さらに報知方法を発展させて、負圧燃焼状況検出部37から負圧検出信号が出力されたときには、その負圧の大きさの程度を区別報知する構成としてもよい。この場合は、負圧燃焼状況検出部37はフレーム電流検出値と負圧検知データとを比較したときに、フレーム電流検出値が負圧検知データを上回る大きさの程度に応じた負圧検知信号、例えば、フレーム電流検出値が負圧検知データを上回る大きさに応じて出力電圧を大きくした負圧検出信号を出力するようにし、報知手段45はその負圧検出信号の電圧のレベルに応じて報知形態を可変する構成とすることで、負圧の程度を区別報知することができる。
【0102】
また、上記実施形態例では、室内の負圧燃焼状況の検出を燃焼熱量制御範囲の0〜X%の比例弁開度区間で行うようにしたが、例えば図8に示す如く、比例弁開度が0%からX%あるいは比例弁開度がX%から100 %の範囲内で行うようにしてもよい。本発明者の実験の検討によれば、セミブンゼン(ブンゼン)火炎においては燃焼熱量の制御範囲の全領域を1本のフレームロッド(フレームロッド電極)で対応することは難しく、0〜X%時に外炎がフレームロッドをおおう位置にフレームロッドNo.1を設置し、同様にX〜100 %時に正常時外炎、負圧時内炎となる位置にフレームロッドNo.2を設置することが望ましい。また、室内の負圧変化によってCOセンサがこれを検知し、ファン風量制御データを風量アップ側に切り替えて燃焼改善を行う前に消火してしまうのは燃焼熱量が小さい領域においてであり、敏感に反応するフレームロッド電流とCOセンサの検出信号を併用して負圧検出をすることが望ましい。また、燃焼熱量(比例弁開度)が大きい範囲では、負圧変化に対するフレームロッド電流の変化で燃焼改善を行わなくてもすぐに火が消えることがなく、COセンサで燃焼改善を行っても十分間に合うという実験結果を得ており、この点に着目し、室内の負圧変化に敏感に反応するフレームロッド電流による燃焼改善を燃焼熱量(比例弁開度)が小さい領域の範囲内でCOセンサと併用しフレームロッド電流による負圧燃焼状況検出部37の動作により消火に至る前に燃焼改善の対応を行わせるようにすることが望ましい。本発明者の前記実験による検討では、Xの値として30の値を求めており、比例弁開度が30%以下の範囲で室内の負圧変化に対してフレームロッド電流を用いた負圧検出を併用し、比例弁開度が30%を越える部分についてはCOセンサのみで対応している。この実験結果に基づき、特に、比例弁開度が30%以下の範囲で負圧燃焼状況検出部37による動作を行うことが効果的である。
【0103】
さらに、本実施形態例では、燃焼装置として給湯器を例にして説明したが、本発明の燃焼装置は、ガスや石油を燃料とする給湯器以外の例えば風呂釜、暖房機、冷房機、冷暖房機、ファンヒータ、ガス乾燥機等の様々な燃焼装置に適用されるものである。
【0104】
さらに、上記実施形態例では図2に示す如く、燃焼ファン26を排気側に設けて吸い出し式としたが、例えば、燃焼ファン26をバーナ8の下方側に設けて押し出し式としてもよい。
【0105】
さらに、図8に示すファン風量制御データは比例弁開度とファン回転数の関係で与えてもよく、比例弁開度とファン風量の関係で与えてもよい。後者の場合にはファン風量を検出する風量センサ(例えば風速センサ)を設け、検出風量が比例弁開度に対応する目標風量になるようにファン回転数を制御する制御形態を採ることになる。
【0106】
さらに、上記図13や図14で示した実施形態例では、ファン風量制御データを順次風量アップ側に上げるときには、X=0,X=1,X=2,X=3,X=4という如くXが1ずつ順に上げるようにし、ファン風量制御データを風量ダウン側に下げるときにはX=4,X=3,X=2,X=1という如くXが1ずつ順次下げるようにしたが、これらファン風量制御データの上昇と下降の順序は必ずしもこれに限定されることはなく、例えば、ファン風量制御データを上げるときには、X=0,X=2,X=3,X=4という如く手順で上げるようにしてもよい。
【0107】
また、本実施形態例ではバーナ8を一次空気と二次空気を利用して燃焼するタイプのセミブンゼン等のバーナで構成したが、全一次空気燃焼式タイプのバーナのうち濃淡バーナにあっては濃バーナが淡バーナの空気をもらって燃焼するので濃バーナの燃焼がセミブンゼンバーナの燃焼形態に近似したものとなり、セミブンゼンバーナと同様に濃淡バーナにおいても室内燃焼環境の負圧の程度に応じてフレームロッド電流を上限と下限の比較的広い幅内で変化させることができるのでバーナ8を濃淡バーナで構成してもよい。
【0108】
【発明の効果】
本発明によれば、フレームロッド電流の上側しきい値を負圧検知データとして与え、下側しきい値を負圧解除検知データとして与え、フレームロッドから出力されるフレームロッド電流のフレーム電流検出値が前記負圧検知データを上回ったとき(上側に越えたとき)は燃焼環境が負圧状態と判断して負圧検出信号を出力し、前記フレーム電流検出値が負圧解除検知データを下回ったとき(下側に越えたとき)は前記負圧燃焼状態が解除されたものとして負圧解除検出信号を出力するように構成したものであるから、例えば、室内に設置された給湯器等の燃焼装置が燃焼しているときに、換気扇やレンジフードが起動されて、室内の燃焼環境が負圧化されたことを確実に検出することができると共に、換気扇やレンジフードが停止されることによって、室内の燃焼環境が負圧解除になったことを確実に検出することが可能となる。
【0109】
また、負圧検知データとしてフレームロッド電流の上昇変化基準値を与え、負圧解除検知データとして下降変化基準値を与えた発明にあっても、フレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたとき(上回ったとき)には室内が負圧燃焼環境状態と判断して負圧検出信号を出力し、フレーム電流検出値の下降変化量が下降変化基準値を越えたときには室内の負圧燃焼状態が解除されたものとして負圧解除検出信号を出力するように構成したものであるから、前記負圧検知データと負圧解除検知データをしきい値で与えた上記発明と同様に、室内の燃焼環境の負圧状態と負圧解除状態を確実に検出することが可能となる。
【0110】
特に、負圧検知データと負圧解除検知データをフレームロッド電流の上昇や下降の変化基準値で与えることにより、長期に亙って負圧検知と負圧開検知を高精度に検出できるという効果が得られる。すなわち、燃焼装置を長期に亙って使用すると、排気等に排気詰まりが進行し、これが給気を減少する方向に作用するので、経年変化によってフレームロッド電流が次第に増加して行く。このため、負圧検知データと負圧解除検知データで与えると、経年変化によってフレームロッド電流が負圧検知データである上側しきい値側に近づく方向に寄って行き、負圧解除検知データである下側しきい値から次第に離れて行くので、負圧検出と負圧解除検出の精度が低下する虞が生じるが、負圧検知データと負圧解除検知データをフレームロッド電流の上昇や下降の変化基準値で与えることにより、このような経年変化の影響を受けずに、長期に亙って負圧検出と負圧解除検出を高精度の下で行うことができるという効果が得られるものである。
【0111】
また、負圧検知データと負圧解除検知データをバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えた構成にあっては、バーナの燃焼熱量の変化に影響を受けずに正しく室内の負圧燃焼環境状態と負圧解除状態を検出できるので、その燃焼環境状態の検出精度を高めることが可能となる。
【0112】
さらに、負圧検知データと負圧解除検知データを燃料のガス種毎に与え、使用されるガス種に応じて負圧検知データと負圧解除検知データを設定する構成とした発明にあっては、使用されるガス種に合った負圧検知データと負圧解除検知データを設定できるので、仕向先の使用ガス種の如何にかかわらず正しく室内の負圧燃焼状態と負圧解除燃焼状態を検出することが可能となる。
【0113】
さらに、フレーム電流検出値を負圧検知データおよび負圧解除検知データと比較する判断基準時間を与え、負圧検出用の判断基準時間の全区間に亙ってフレーム電流検出値が負圧検知データを上側に越えたときには負圧検出信号を、負圧解除検出用の判断基準時間の全区間に亙ってフレーム電流検出値が負圧解除検知データを下側に越えたときには負圧解除検出信号を出力する構成とした発明にあっては、ノイズ等の突発的なフレーム電流の変化に影響を受けずに室内の負圧燃焼状態と負圧解除状態を正確に検出できるという効果が得られる。
【0114】
同様に、判断基準時間を与え、この判断基準時間内でのフレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号を出力する構成とした発明にあっても、判断基準時間内でのフレーム電流検出値の変化を見て室内の負圧燃焼状態と負圧燃焼の解除状態を検出するので、ノイズや瞬停等の突発的なフレーム電流検出値の変化に影響を受けずに負圧燃焼状態とその負圧解除状態とを正確に検出できるという効果が得られる。
【0115】
さらに、燃焼熱量の変化指令が出されてからフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間をシステム遅延時間として与え、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値を、システム遅延時間だけ前の時点の負圧検知データおよび負圧解除検知データと比較する構成とした発明にあっては、現時点で取り込まれたフレーム電流検出値をそのフレーム電流検出電流が出力された時点の燃焼熱量に対応した負圧検知データおよび負圧解除検知データと比較できるので、フレームロッド電流変化がフレーム電流検出値に取り込まれるまでの遅れ時間に影響を受けずに室内負圧燃焼状態と負圧燃焼解除状態を正確に検出できるという効果が得られる。
【0116】
さらに前記システム遅延時間をバーナの燃焼熱量に応じて変更する構成とした発明にあっては、燃焼熱量の大きさに応じたシステム遅延時間が正確に設定されるので、システム遅延時間を利用して室内の負圧燃焼状態と負圧燃焼解除状態をより正確に検出することが可能となる。
【0117】
さらに、負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する構成とした発明にあっては、負圧検出信号と負圧解除検出信号が短時間のうちに交互に出力されるというハンチング現象を防止でき、負圧検出信号と負圧解除検出信号を利用した燃焼制御の安定性を高めることが可能となる。
【0118】
さらに、燃焼熱量の変化を監視し、燃焼熱量の変化が予め与えられる熱量変化設定値を越えたときには燃焼熱量の変化が予め与えられる許容範囲に収まるまで負圧燃焼状況検出部の動作を中断する構成とした発明にあっては、燃焼熱量の大きな変化によってフレーム電流検出値が変化し、これを室内燃焼環境の負圧化や負圧解除によるフレーム電流の変化と誤判断してしまう現象を防止でき、これにより負圧燃焼状況検出の信頼性を高めることが可能となる。
【0119】
さらに、負圧検知データや負圧解除検知データをフレームロッド電流のしきい値と変化基準値のいずれによって与える発明にあっても、負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されたときには、その負圧検出信号をトリガーとして予め定められる負圧モードの運転を行う構成とした発明にあっては、室内の負圧状態の発生とその負圧状態の解除に合わせて、燃焼装置の制御を改善することができるので、室内の負圧燃焼状態の発生およびその解除による室内燃焼環境の変化に起因する悪影響を解消して燃焼装置を良好に運転させることが可能となる。
【0120】
さらに、負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されているときには、その負圧燃焼状況を報知手段により報知する構成とした発明にあっては、燃焼装置の使用者にその負圧燃焼状況を知らせることができ、使用者に換気を促したり、使用している換気扇やレンジフードを無駄に駆動しないように促すことができる。特に、負圧燃焼状況の負圧の程度を区別報知する構成としたものにあっては、使用者に負圧燃焼状態の程度を明確に知らせることができるので、使用者にとっても、負圧の程度に応じた措置を講じることができるので、使用上で便利である。
【0121】
さらに、本発明はフレームロッドを利用して負圧燃焼の状態と負圧解除状態を判断するように構成しており、このフレームロッドは、バーナの火炎を検出するセンサとして一般の燃焼装置に使用されているものであり、このフレームロッドをそのまま負圧燃焼環境の発生とその解除を検出するセンサとして利用できることとなるので、負圧燃焼環境を検出するための別途専用のセンサを設置する必要がなく、本発明の構成を簡易な構成でもって構築できるという効果が得られる。
【0122】
さらに、COセンサのCO濃度検出信号や、フレームロッドから出力されるフレームロッド電流に基づき、室内の負圧の程度を検出し、ファン風量制御データを室内の負圧の程度に応じて室内の負圧の程度が大きいときには風量アップ方向に、室内の負圧が解除(あるいは減少)されたときには風量ダウン方向に切り替え設定するファン風量制御データ切り替え制御部を設ける構成とした発明にあっては、室内の負圧の程度に応じてファン風量が制御されるために、室内の負圧による給気不足を風量アップにより解消し、室内の負圧が解除されるときには、風量をダウン方向にして風量の過剰を解消する方向に制御されるので、室内の負圧状況の変化に影響を受けずに良好な燃焼運転を行うことが可能となる。特に、COセンサのCO濃度検出信号に基づく室内の負圧程度の検出とフレームロッド電流に基づく室内負圧程度の検出を併用することにより、燃焼熱量(燃焼能力)の全制御範囲に亙って室内の負圧の程度を精度良く検出でき、室内の負圧の程度に応じたより正確なファン風量制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態例の要部構成を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る燃焼装置の一実施形態例のシステム構成図である。
【図3】本実施形態例における上側しきい値と下側しきい値の設定例の説明図である。
【図4】本実施形態例におけるフレームロッド電流の上昇変化基準値と下降変化基準値を用いた室内負圧燃焼検出と負圧解除検出の動作状態を示す説明図である。
【図5】本実施形態例におけるシステム遅延時間を考慮したフレーム電流検出値としきい値との関係を示す説明図である。
【図6】本実施形態例におけるフレームロッド電流の取り込み遅れ時間と検出されるフレームロッド電流の時間幅の関係を示す説明図である。
【図7】本実施形態例における燃焼熱量(比例弁開度)の変化の監視状態を示す説明図である。
【図8】比例弁開度とファン回転数との関係を示すファン風量の制御データの説明図である。
【図9】比例弁開度と燃焼熱量との関係を示す制御データの説明図である。
【図10】給湯器等の燃焼機器を室内設置した状態の説明図である。
【図11】フレームロッドによる火炎の検出状態の説明図である。
【図12】ファン風量制御データの他の形態例の説明図である。
【図13】CO濃度によって室内の負圧状況を検出して風量制御を行う動作のフローチャートである。
【図14】フレームロッド電流によって室内の負圧状況を検出して風量制御を行う動作のフローチャートである。
【図15】全一次空気燃焼タイプのバーナを用いたときの比例弁開度とフレームロッド電流の関係を示す特性図である。
【符号の説明】
16 フレームロッド
34 燃焼熱量監視部
35 フレーム電流検出部
37 負圧燃焼状況検出部
38 逆信号出力キャンセル部
41 負圧状況検出中断部
42 検知データ設定部
44 負圧モード運転制御部

Claims (25)

  1. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  2. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の下側しきい値が負圧解除検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  3. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  4. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号を出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  5. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号および負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  6. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、燃焼熱量に対して与えられるフレームロッド電流の上限値および下限値と、燃焼熱量の指定値とが設定され、負圧燃焼状況検出部による負圧検出信号および負圧解除検出信号の出力は燃焼熱量が前記指定値以下であって、フレームロッド電流が前記上限値と下限値に囲まれた範囲内において行う構成とした燃焼装置。
  7. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられ、前記燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成とした燃焼装置。
  8. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられ、燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成とした燃焼装置。
  9. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部と、時間計測手段とが設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間内でのフレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する構成と成し、フレームロッドがフレームロッド電流を出力してからフレーム電流検出部で検出されるまでのフレームロッド電流取り込み遅延時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部はフレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられ、かつ、下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられたときには現時点よりも前記フレームロッド電流取り込み遅延時間分だけ前の時点を基準点とし、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と前記基準点よりも前の判断基準時間内でフレームロッドから出力されたフレームロッド電流のフレーム電流検出値とを比較し現時点のフレーム電流検出値が前記判断基準時間内で上昇変化基準値を上回る上昇変化が生じていたときには負圧検出信号を出力し、下降変化基準値を下回る下降変化が生じていたときには負圧解除検出信号を出力する構成とした燃焼装置。
  10. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上側しきい値が負圧検知データとして、下側しきい値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値が前記上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに前記燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている燃焼装置。
  11. バーナの火炎を検出してフレームロッド電流を出力するフレームロッドと、バーナ燃焼の給排気を行う燃焼ファンと、バーナの燃焼量に応じてファン風量を制御する風量制御部とを備えた燃焼装置において、前記フレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして、下降変化基準値が負圧解除検知データとしてそれぞれ与えられているデータ格納部と、前記フレームロッド電流を検出するフレーム電流検出部と、フレームロッド電流の検出値をフレーム電流検出値として取り込み該フレーム電流検出値の上昇変化量が前記上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が前記下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する負圧燃焼状況検出部とを備え、前記風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに前記燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている燃焼装置。
  12. 負圧検知データと負圧解除検知データはバーナの燃焼熱量の大きさに応じた可変データとして与えられており、バーナの燃焼熱量を検出して前記負圧検知データと負圧解除検知データを設定する検知データ設定部が設けられている請求項5又は請求項6又は請求項9又は請求項10又は請求項11記載の燃焼装置。
  13. バーナはガスを燃料として燃焼され、負圧検知データと負圧解除検知データは燃料のガス種毎に与えられており、使用ガス種を設定するガス種設定部が設けられ、このガス種設定部のガス種設定情報を取り込み、使用されるガス種に応じた負圧検知データと負圧解除検知データを設定する構成とした請求項5乃至請求項12のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  14. ガス種設定部はガス種切り替えスイッチによって形成され、このガス種切り替えスイッチのスイッチ動作に連動してガス種に応じた負圧検知データと負圧解除検知データが検知データ設定部により設定される構成とした請求項13記載の燃焼装置。
  15. 時間計測手段が設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間の全区間にわたってフレーム電流検出値が負圧検知データである上側しきい値を上側に越えたときには負圧検出信号を、負圧解除検出用の判断基準時間の全区間にわたって負圧解除検知データである下側しきい値を下側に越えたときには負圧解除検出信号を出力する構成とした請求項5又は請求項7又は請求項10又は請求項12又は請求項13又は請求項14記載の燃焼装置。
  16. 時間計測手段が設けられ、データ格納部には負圧検出用と負圧解除検出用の判断基準時間が予め与えられ負圧燃焼状況検出部は前記負圧検出用の判断基準時間内でのフレーム電流検出値の上昇変化量が上昇変化基準値を越えたときには負圧検出信号を、下降変化量が下降変化基準値を越えたときには負圧解除検出信号をそれぞれ出力する構成とした請求項6又は請求項8又は請求項9又は請求項11又は請求項12又は請求項13又は請求項14記載の燃焼装置。
  17. 燃焼熱量の変化指令が出されてからその燃焼熱量の変化に対応するフレームロッド電流変化がフレーム電流検出部に取り込まれるまでの遅れ時間を見込んだシステム遅延時間のデータが予め与えられ、負圧燃焼状況検出部は現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と現時点よりも前記システム遅延時間分だけ前の時点の燃焼熱量に対応する負圧検知データおよび負圧解除検知データとを比較する構成とした請求項12乃至請求項16のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  18. バーナの燃焼熱量を監視し、燃焼熱量が大となるに従いシステム遅延時間を大となる方向に変更するシステム遅延時間変更設定部が設けられている請求項7又は請求項8又は請求項17記載の燃焼装置。
  19. フレームロッドがフレームロッド電流を出力してからフレーム電流検出部で検出されるまでのフレームロッド電流取り込み遅延時間が予め与えられ、負圧燃焼状況検出部はフレームロッド電流の上昇変化基準値が負圧検知データとして与えられ、かつ、下降変化基準値が負圧解除検知データとして与えられたときには現時点よりも前記フレームロッド電流取り込み遅延時間分だけ前の時点を基準点とし、現時点で取り込まれるフレーム電流検出値と前記基準点よりも前の判断基準時間内でフレームロッドから出力されたフレームロッド電流のフレーム電流検出値とを比較し現時点のフレーム電流検出値が前記判断基準時間内で上昇変化基準値を上回る上昇変化が生じていたときには負圧検出信号を出力し、下降変化基準値を下回る下降変化が生じていたときには負圧解除検出信号を出力する構成とした請求項16記載の燃焼装置。
  20. 風量制御部は負圧検出信号が出力されたときに燃焼ファンのファン風量を増加方向に制御し、負圧解除検出信号が出力されたときには前記ファン風量を減少方向に制御する構成と成し、前記負圧検出信号と負圧解除検出信号の一方側の信号が出力されたときには、その信号出力時から予め与えられるキャンセル時間が経過するまで他方側の信号出力を停止する逆信号出力キャンセル部が設けられている請求項5乃至請求項のいずれか1つ又は請求項12乃至請求項19のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  21. 燃焼熱量の変化を監視し、燃焼熱量の変化が予め与えられる熱量変化設定値を越えたときには燃焼熱量の変化が予め与えられる許容範囲に収まるまで負圧燃焼状況検出部の動作を中断させる負圧状況検出中断部が設けられている請求項1乃至請求項20のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  22. 負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されたときには予め定められている負圧モードの運転を行う負圧モード運転制御部が設けられている請求項1乃至請求項21のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  23. 負圧燃焼状況検出部から負圧検出信号が出力されている間その負圧燃焼状況を報知する報知手段が設けられている請求項1乃至請求項22のいずれか1つに記載の燃焼装置。
  24. 負圧燃焼状況検出部はフレーム電流検出値が負圧検知データを越える超過分に応じた負圧検出信号を出力する構成とし、報知手段は負圧検出信号の情報を取り込み負圧燃焼の程度を区別報知する構成とした請求項23記載の燃焼装置。
  25. 燃焼装置の排気側には排気ガス中のCO濃度を検出するCOセンサが設置され、バーナ点火後の燃焼運転に際しては前記COセンサによって検出されるCO濃度が高くなるにつれてファン風量制御データを風量アップ側に切り替えるファン風量制御データ切り替え制御部が設けられており、該ファン風量制御データ切り替え制御部にはCO濃度が高くなるにつれてファン風量制御データを風量アップ側に切り替える基本機能の他に、フレームロッド電流が予め設定される上側しきい値を上側に越えたときにファン風量制御データを風量アップ側に切り替えフレームロッド電流が予め設定される下側しきい値を下側に越えたときにファン風量制御データを風量ダウン側に切り替える機能と、フレームロッド電流の上昇変化量が予め設定されている基準時間内で上昇変化基準値を越えたときにファン風量制御データを風量アップ側に切り替える機能と、フレームロッド電流の下降変化量が予め設定されている基準時間内で下降変化基準値を越えたときにファン風量制御データを風量ダウン側に切り替える機能との1つ以上の付加機能が備えられており、燃焼熱量制御範囲内の指定値以下の低燃焼能力範囲内の燃焼運転時には前記基本機能と付加機能の組み合わせによってファン風量制御データを切り替え制御する構成とした燃焼装置。
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