JP3673335B2 - パターン状に防曇効果を有する物品の製造方法 - Google Patents
パターン状に防曇効果を有する物品の製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パターン状に防曇効果を有する物品の製造方法に関し、更に詳しくは窓やショーウインドウ等に用いられるガラスや透明プラスチック、ショーケースやガラスコップ等の内部が透視できる透視性物品或いは鏡その他表面輝度の高い反射性物品に、温湿度の変化を利用して高い意匠性を付与し得るパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多湿な環境や温度差が大きい環境において、透視性を要求される窓、ショーウインドウ、ショーケース等の物品や反射性を要求される鏡等の物品は、結露によって曇り、内部が透視できなくなったり、映像を確認できなくなったりするので、従来から、種々の曇り防止手段が講ぜられている。
【0003】
上記の如く、これらの透視性物品或いは反射性物品は、その物品の有する透視性或いは反射性がこれらの物品自身の基本的な性能である場合が多く、気中の水蒸気の結露による透過光の乱反射の発生、即ち、曇りの発生は、これらの物品において大きな欠点になる場合が多い。
【0004】
これらの曇り防止の一般的な手段としては、例えば、これらの透視性物品等に微弱な電流を流して加温して曇りを防止する方法、発熱体を透視性物品近傍に配置し、その熱によって曇りを防止する方法、透視性物品表面近傍に強制的に空気の流れを作って曇りを防止する方法或いはこれらを併用した方法等がある。上記の方法はいずれも、予めこれらの物品を防曇に適した構造にしておく必要があり、一般的には高価なものとなる。
【0005】
更に、これらの透視性物品等に微弱な電流を流して加温する方法、発熱体を用いて近傍より加温する方法は、いずれも漏電防止のため特に厳重な注意を払い、安全な構造を採る必要があり、且つ、ランニングコストがかかるので経済的な方法とはいえない。
【0006】
一方、簡易な方法として、防曇効果を有する塗料を噴霧塗布(例えば、RP東プラ社製、商品名「くもらないスプレー」等)等で塗布する方法や防曇性を有するフィルムをこれら物品に貼着する方法も採られているが、これらの方法は、いずれも防曇効果の寿命が短く、適用範囲は極めて限られたものとなる。
【0007】
又、物品表面に防曇性の塗料を直接塗布して曇りを防止する方法も採られている。これらの防曇性被膜や防曇性物品の製造方法として、例えば、特開平3−181586号公報に、親水性のポリビニルアルコールをシランカップリング剤等の架橋剤で架橋して耐水性や表面硬度を高め、良好な接着性を付与し得るとする防曇性被膜が開示され、特開昭56−159231号公報に、比較的親水性を有するポリオール変性メラミン樹脂に界面活性剤を添加した防曇性物品が開示されている。
【0008】
しかし、上記のいずれの方法も、透視性物品や反射性物品の全面にわったって防曇効果が発揮される。即ち、結露による曇りは物品の性能を低下させるだけのものであるという認識に立った技術であって、結露によって生ずる曇りを積極的に利用して、当該物品の意匠性をより向上させようとする意図は全くない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、叙上の事実に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、結露によって生ずる曇りを積極的に利用して文字や図柄等のパターンが浮きでる意匠性の高いパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の本発明は、光が透過する透視性物品或いは光が反射する反射性物品の非防曇性の表面に、パターン状に光線、放射線、電子線もしくはプラズマを照射して防曇性の被膜をパターン状に形成することを特徴とするパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法をその要旨とするものである。
【0011】
上記光が透過する透視性物品は、特に限定されるものではなく、例えば、窓ガラス、間仕切り等の光線を採り入れ、或いは該物品を透過して見ることができるもの、冷凍ショーケース、コップ、瓶、額、包装材料等の内蔵物を透視するもの、トランスペアレンシーシート等の透過光自体を使用するもの等であって、その材質は、ガラス、その他の透光性の無機材料、プラスチックス、その他の透光性の有機材料等の可視光線を透過し得るものを指す。ここで可視光線とは、可視光線の総てである必要はなく、その一部の可視光線を透過し得るものであってもよい。
【0012】
又、光が反射する反射性物品は、特に限定されるものではなく、例えば、代表的に鏡が挙げられるが、その他研磨され光沢のある金属、ガラス、金属蒸着されたプラスチックス等、結露による曇りの存在が目視により確認し得るものを指す。
【0013】
又、上記パターンとは、表示や装飾効果を目的とする文字や図柄等を指す。
【0014】
上記光が透過する透視性物品或いは光が反射する反射性物品の非防曇性の表面とは、特に防曇処理を施していないガラス、プラスチック、鏡等の表面、又は、下述する非防曇性の被膜を形成するための塗料もしくはフィルムを塗布もしくは貼付した表面を指す。上記非防曇性の表面は、該表面を紫外線等の活性光線、放射線、電子線もしくはプラズマを照射することにより、上記非防曇性の表面を構成する合成樹脂等が気中の酸素によって酸化される等、活性化され、防曇性を得る。
【0015】
請求項1記載の本発明は、上記紫外線等の活性光線、放射線、電子線もしくはプラズマを
照射による有機高分子物質の酸化等による活性化反応を利用し、パターンマスク等を用いて光線、放射線、電子線もしくはプラズマを照射して上記透視性物品或いは反射性物品の表面に、防曇性の被膜をパターン状に形成するものである。
【0016】
上記非防曇性の被膜は、特に限定されるものではないが、例えば、特に防曇性能が付与されていない通常のアクリル塗料、シリコーン塗料、ウレタン塗料で形成される被膜、貼付されるポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム等が挙げられる。上記被膜もしくはフィルムは、無色透明であることが望ましい。上記透視性物品或いは反射性物品が結露していないときはこれらの非防曇性の被膜は認識されず、一様な表面として確認され、結露して表面が曇って初めて設定されたパターンが認識されるという高い意匠的効果が発揮されるからである。
【0017】
請求項1記載の発明のパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法は、叙上の如く構成されているので、透視性物品或いは反射性物品の表面に、パターン状に紫外線等の活性光線、放射線、電子線もしくはプラズマを照射することによって、上記照射部分を部分的に酸化処理等の活性化反応による防曇性の被膜をパターン状に形成することができ、結露による曇りによって、極めて高い意匠性を発現する物品を得ることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
【0019】
(実施例1)
100μmの透明なポリエチレンフィルム(積水化学工業社製、商品名「ポリロンフィルム」)表面に、アルミニウム製の30ポイントの文字「S」が打ち抜かれたパターンマスクを被せ、電子線照射装置(日新ハイボルテージ社製)にて2Mradの電子線を照射し、次いで、該フィルムを透明ガラスコップ外周面に貼付してパターン状に防曇効果を有する物品を得た。
【0020】
得られたパターン状に防曇効果を有する物品に、温度28℃、湿度65%RHの室内雰囲気で、氷水を注入すると、電子線が照射された文字「S」の部分は実質的に結露せず、その他の部分が曇って、文字「S」が浮き出して視認でき、該部を通して内部を透視できた。
【0021】
【発明の効果】
本発明のパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法は、いずれも極めて簡便な手段によって、結露によって目的とする文字や図柄等のパターンが浮きでる極めて意匠性の高い、パターン状に防曇効果を有する物品を製造することができる。
しかも、上記パターンが装飾効果を目的とする文字や図柄等である場合には、光や温湿度等の環境を適宜変化させることにより、一層装飾効果を高めることができる。
Claims (1)
- 光が透過する透視性物品或いは光が反射する反射性物品の非防曇性の表面に、パターン状に光線、放射線、電子線もしくはプラズマを照射して防曇性の被膜をパターン状に形成することを特徴とするパターン状に防曇効果を有する物品の製造方法。
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