JP3673213B2 - ディスク記憶装置及び同装置に適用するデータ消去方法 - Google Patents

ディスク記憶装置及び同装置に適用するデータ消去方法 Download PDF

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  • Signal Processing For Digital Recording And Reproducing (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的にはディスク記憶装置に関し、特にディスクドライブのセキュリティ技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハードディスクドライブ(以下単にディスクドライブと表記)を代表とするディスク記憶装置は、パーソナルコンピュータなどの情報機器には外部記憶装置として必要不可欠な装置である。近年では、特に小型かつ薄型のディスクドライブは、PDA(personal digital assistant)等の携帯型情報端末の外部記憶装置として利用されつつある。また、ディスクドライブは、ディジタルテレビ受信機や、ディジタル・ビデオ・レコーダ等のAVディジタル機器にも利用されつつある。
【0003】
ところで、製品開発の推進に伴なって、ディスクドライブを内蔵しているパーソナルコンピュータやディスクドライブ単体を廃棄して、新機種のものに交換することが増えている。また、使用されたパーソナルコンピュータが、別のユーザにより再利用される場合も多い。
【0004】
このような場合に、ディスクドライブに記録されているデータが不用意に漏洩することを防止するためのセキュリティ問題がある。従来では、例えば旧式のパーソナルコンピュータを廃棄する場合に、ディスクドライブのディスク媒体(単数又は複数枚)の全データセクタに記録されているデータを消去する作業が行なわれている。具体的には、オプションとして用意されているデータ消去プログラム(一種のユーティリティプログラム)を格納しているメディア(通常ではフロッピー(登録商標)ディスク)を使用する。即ち、パーソナルコンピュータは、当該データ消去プログラムを起動して、当該ディスクドライブに消去処理を実行させる。通常では、パーソナルコンピュータにインストールされているOSでは、当該OS自体が記憶されているディスク媒体上の全データセクタを消去することはできない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来では、パーソナルコンピュータなどのホストシステムや、ディスクドライブ単体を廃棄処分するような場合に、ディスク媒体上に記録されているデータ(ユーザデータ)を消去して、データのセキュリティを確保している。しかしながら、ディスク媒体上の全データセクタを消去する処理は、ディスク媒体の記憶容量に比例して多大な処理時間を要する。データ消去処理は、ディスク媒体上にランダムパターンを書き込むライト処理に相当する。
【0006】
また、実際上では、ディスクドライブ単体を廃棄する場合でも、パーソナルコンピュータ、及び前述のようなデータ消去プログラム(ユーティリティプログラム)を格納しているメディアが必要である。要するに、セキュリティ確保のために、特別の作業環境が必要である。
【0007】
そこで、本発明の目的は、特別の作業環境を要することなく、ディスクドライブ自体でデータ消去機能を実現することにより、効率的かつ効果的なセキュリティ機能を備えたディスク記憶装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の観点は、ホストシステムや特別のメディアの準備などの特別の作業環境を要することなく、ディスク媒体上の所定範囲(例えば全データセクタ)のデータを消去するデータ消去機能を備えたディスク記憶装置に関するものである。
【0009】
本発明の観点によるディスク記憶装置は、データを記録するためのディスク媒体と、特定の消去モードの指示を行なうための指示手段と、電源投入時に消去モードの指示がなされているか否かを判定する判定手段と、消去モードが指示されている場合には、ディスク媒体上に記録されているデータの所定範囲を消去するための消去処理を実行する制御手段とを備えたものである。
【0010】
このような構成であれば、例えば廃棄処分するために、ホストシステムからディスクドライブを取り出して、ドライブの電源端子から電源を供給することにより、ディスク媒体上の全データセクタに対する消去処理を自動的に実行させることができる。従って、ホストシステムや特別のメディアを要することなく、ディスク媒体上の全データ(例えばサーボデータ以外のユーザデータ)を自動的に消去できるため、効率的かつ効果的なセキュリティ機能を実現できる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。
【0012】
(ディスクドライブの構成)
図1は、同実施形態でのディスクドライブの要部を示すブロック図である。
【0013】
同実施形態のディスクドライブ100は、磁気記録媒体であるハードディスク1(以下単にディスクと称す)を使用するハードディスクドライブを想定している。ディスク1は、ドライブ100の起動時に、スピンドルモータ(SPM)3により高速回転される。なお、ここでは、便宜的にディスク1は1枚とする。
【0014】
本ドライブ100は、ディスク1に対してデータのリード/ライト動作を行なうための磁気ヘッド2を有する。磁気ヘッド2は、ボイスコイルモータ(VCM)5により駆動されるアクチュエータ4に搭載されている。VCM5は、モータドライバIC6に含まれるVCMドライバ60により駆動電流が供給される。モータドライバIC6は、VCMドライバ60と共にSPMドライバ61を含み、CPU10により制御される。
【0015】
ここで、磁気ヘッド2は、リード動作を実行するためのリードヘッドと、ライト動作を実行するライトヘッドとがスライダ上に実装された構造である。アクチュエータ4は、CPU10をメイン要素とするサーボシステムにより駆動制御されて、磁気ヘッド2をディスク1上の目標位置に位置決めする。
【0016】
このようなヘッド・ディスクアセンブリ以外に、ディスクドライブ100は、プリアンプ回路7と、R/Wチャネル8と、ディスクコントローラ(HDC)9と、CPU10と、メモリ11とを有する回路系を備えている。
【0017】
プリアンプ回路7は、リードヘッドから出力されるリード信号を増幅するリードアンプ及びライトアンプを有する。ライトアンプは、R/Wチャネル8から出力されるライトデータ信号をライト電流信号に変換して、ライトヘッドに送出する。R/Wチャネル8は、リード/ライトデータ信号(サーボデータ信号を含む)を処理する信号処理用ICである。HDC9は、ドライブとホストシステム20(例えばパーソナルコンピュータやディジタル機器)とのインターフェース機能を有する。
【0018】
CPU10は、ドライブのメイン制御装置であり、サーボシステムの制御動作、通常のリード/ライト動作制御、及び同実施形態に関係するデータ消去処理の制御を実行する。メモリ11は、不揮発性メモリであるフラッシュメモリ(EEPROM)110以外に、RAM及びROMなどを含み、CPU10の制御に必要な各種データ及びプログラムを保存する。プログラムの中には、当該データ消去処理を実行するためのデータ消去プログラム110が含まれている。このデータ消去プログラム110は、フラッシュメモリに保存されている。
【0019】
更に、本ドライブ100は、駆動用電源回路12及びデータ消去用スイッチ(例えばジャンパピン)13を有する。ここで、図2は、ドライブ100の外観と周辺を示す図である。
【0020】
データ消去用スイッチ13は、ドライブ100の筐体を構成する例えば底面に設けられて、ユーザにより操作が可能であるように設けられている。ドライブ100の筐体には、ホストシステム20と接続するためのインターフェース用コネクタ14が設けられている。コネクタ14には、電源入力端子140が設けられている。一般的には、ディスクドライブ100は、当該電源入力端子140を介して、ホストシステム20から駆動用電源の供給を受ける。
【0021】
(データ消去処理)
以下図1と共に、図2及び図3のフローチャートを参照して、同実施形態に関するデータ消去機能を説明する。なお、ディスクドライブ100の通常のデータリード/ライト動作については説明を省略する。
【0022】
同実施形態では、ディスクドライブ100は、例えばパーソナルコンピュータであるホストシステム20の本体内に装備されており、廃棄処分される事態を想定する。即ち、本ドライブ100は、図2に示すように、ホストシステム20の本体内から取り出されて、ホストシステム20との接続を解除される。
【0023】
ここで、ドライブ100の電源入力端子140に、例えばバッテリ200等の電源(AC電源でもよい)が接続されると、ドライブ100には駆動用電力(PS)が供給される。さらに、コネクタ14の所定の出力端子141に、データ消去処理用のLEDからなる表示器201を接続できる。CPU10は、当該出力端子141を介して、表示器201を制御するための制御信号を出力する。
【0024】
このような状態において、主として図3のフローチャートを参照して、データ消去処理の手順を説明する。
【0025】
まず、バッテリ200が接続されると、ドライブ100に電源が投入されると、CPU10は通常の初期化処理を実行し、ドライブ100を起動するための各種の準備処理を実行する(ステップS1)。ここで、ユーザにより、ドライブ100に設けられたデータ消去用スイッチ13が操作されると、CPU10は、図1に示すように、消去モードを指示する指示信号ESとして受付ける(ステップS2のYES)。当然ながら、ホストシステム20と接続されて、ホストシステム20からHDC9に各種のコマンドが転送されていれば、CPU10は、通常のリード/ライト動作を含む通常処理を開始している(ステップS2のNO)。要するに、データ消去用スイッチ13は、ホストシステム20とは無関係に、同実施形態のデータ消去機能である消去モードを指示するための指示用デバイスである。
【0026】
CPU10は、消去モードの指示に応じてデータ消去プログラム110を起動し、消去モードの準備処理を開始する(ステップS3)。具体的には、CPU10は、SPMドライバ61を介してSPM3を起動して、ディスク1を回転させる。また、CPU10は、コネクタ14の出力端子141を介して、表示器201を制御するための制御信号を出力し、当該表示器201をオンさせる(ステップS3)。この表示器201の点灯により、ユーザは、ディスクドライブ100のデータ消去機能が有効になったことを認識できる。
【0027】
CPU10は、VCMドライバ60を介してアクチュエータ4を駆動制御し、ディスク1上の全データセクタに記録されているデータ(即ち、OSも含む各種のユーザデータ)を消去するデータ消去処理を実行する(ステップS4)。
【0028】
このデータ消去処理は、CPU10は、R/Wチャネル8などを制御してライト動作を実行させることにより、全データセクタにランダムパターンを書き込む処理(オーバーライト処理)を実行する。
【0029】
但し、ディスクドライブ100では、ディスク1上には、サーボ制御(ヘッド位置決め制御)に必要なサーボデータが記録されている。一般的には、データ消去処理の対象には、当該サーボデータは含まれない。従って、ディスク1上のサーボデータは、そのままの記録状態で維持されることになる。
【0030】
CPU10は、ディスク1上の全データセクタに記録されているデータの消去処理(フォーマッティング)が終了すると、ドライブ100の駆動を停止する(ステップS5のYES,S6)。即ち、CPU10は、SPMドライバ61を介してSPM3を停止して、表示器201をオフする。この表示器201のオフにより、ユーザは、ディスクドライブ100のデータ消去処理が終了したことを認識できる。
【0031】
以上のように同実施形態によれば、例えばディスクドライブ100を廃棄処分する場合に、所定の電源端子からバッテリ200などを利用して電源を供給し、スイッチ13を操作するだけで、ドライブ100自体が、自動的にデータ消去処理を実行する。従って、廃棄処分する前に、ディスク1上に記録されている全データ(サーボデータを除く)を消去することができる。これにより、廃棄処分されたドライブ100から、ディスク1上に記録されたデータが外部に漏洩するような事態を未然に防止することができる。
【0032】
同実施形態の方式であれば、パーソナルコンピュータなどのホストシステム20とは無関係に、単独のドライブ100により、データ消去処理を実行できる。換言すれば、データ消去処理のために、ホストシステムや、データ消去プログラムを格納したメディアなどの特別の作業環境を用意することなく、当該データ消去機能を実現することができる。
【0033】
ここで、データ消去処理後でも、ディスク1上にサーボデータが維持されていれば、廃棄処分から再利用に変更することが可能である。即ち、パーソナルコンピュータのディスクドライブとして、搭載させることができる。この場合、OSなどは消去されているため、再度のインストールは必要となる。
【0034】
(変形例)
同実施形態は、ディスクドライブ100に設けられたスイッチ13により、CPU10に対してデータ消去処理を指示する構成である。この変形例として、ドライブ100のコネクタ14に接続した外部装置から、通常の消去コマンドやフォーマットコマンドとは異なる特定コマンドを入力する方法でもよい。
【0035】
また、同実施形態では、ユーザがデータ消去処理の実行状況を認識できるように、LED201を設けたが、必ずしも必須要素ではない。予め、全データセクタを消去する処理時間が測定されていれば、ユーザは、スイッチ13の操作から時間を測定するだけで、データ消去処理の完了を認識できる。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ディスクドライブ単体を廃棄処分又は再利用する場合に、特別の作業環境を要することなく、ディスクドライブ自体でデータ消去機能を実現することができる。従って、効率的かつ効果的なセキュリティ機能を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に関するディスクドライブの要部を示すブロック図。
【図2】同実施形態に関するディスクドライブの周辺装置を示す図。
【図3】同実施形態に関するデータ消去処理の手順を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
1…ディスク
2…磁気ヘッド
3…スピンドルモータ(SPM)
4…アクチュエータ
5…ボイスコイルモータ(VCM)
6…モータドライバIC
7…プリアンプ回路
8…R/Wチャネル
9…ディスクコントローラ(HDC)
10…CPU
11…メモリ
12…電源回路
13…データ消去用スイッチ
20…ホストシステム
60…VCMドライバ
61…SPMドライバ
100…ディスクドライブ
200…バッテリ
201…表示器(LED)

Claims (7)

  1. 予めサーボデータが記録されている第1の記録領域、この第1の記録領域以外の第2の記録領域に他のデータを記録するディスク媒体と、
    前記第2の記録領域に記録されている他のデータを消去するための消去モードを指示するための指示手段と、
    電源投入時に、前記消去モードの指示がなされているか否かを判定する判定手段と、
    前記消去モードが指示されている場合には、前記第2の記録領域に記録されている他のデータを消去する制御手段と
    を具備したことを特徴とするディスク記憶装置。
  2. 前記指示手段は、装置本体に設けられたスイッチ手段から構成されて、
    前記判定手段は、当該スイッチ手段からの前記消去モードに対応するスイッチ信号に基づいて、前記消去モードが指示されていることを判定することを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記判定手段により通常動作モードであると判定された場合には、前記ディスク媒体に対するデータの記録又は再生動作を実行する通常動作モードを開始させることを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
  4. 前記消去処理の状態を表示するための表示手段を有し、
    前記制御手段は、前記消去処理の実行状態に応じて当該表示手段の表示動作を制御することを特徴とする請求項1に記載のディスク記憶装置。
  5. 前記ディスク媒体としてハードディスクを使用し、当該ハードディスクに対してデータを磁気的に記録するディスクドライブに適用し、
    前記制御手段は、前記消去モードが指示されている場合には、前記ハードディスク上の全データセクタに記録されているデータを消去することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のディスク記憶装置。
  6. 前記制御手段はマイクロプロセッサから構成されており、
    前記消去モードが指示されている場合には、ホストシステムからのコマンドとは無関係なデータ消去プログラムを実行することにより、前記消去処理を実行することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のディスク記憶装置。
  7. 予めサーボデータが記録されている第1の記録領域、この第1の記録領域以外の第2の記録領域に他のデータを記録するディスク媒体と、前記第2の記録領域に記録されている他のデータを消去するための消去モードを指示するためのスイッチ手段とを有するディスクドライブに適用するデータ消去方法であって、
    電源投入時に、ホストシステムからのコマンド以外に、前記スイッチ手段から前記消去モードの指示がなされているか否かを判定するステップと、
    前記消去モードが指示されている場合には、前記第2の記録領域に記録されている他のデータを消去するステップと
    から構成されるデータ消去方法。
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