JP3672910B2 - マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体、及び該ディスク状光記録媒体を用いた試料分析装置 - Google Patents

マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体、及び該ディスク状光記録媒体を用いた試料分析装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ディスク状の基板の表面に、試料成分、例えば、生化学、医科薬学に関連する生体関連高分子物質や薬剤等の分離検出に使用するマイクロキャピラリーと、その検出情報を記録するための光記録領域とを有するディスク状光記録媒体、及び該ディスク状光記録媒体を用いた試料分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
生命科学の分野ではヒトを始めとする様々な生物のゲノム(全遺伝子情報)の解読が急ピッチで進んでおり、その解読結果により新しい動植物品種の品種改良が期待されている。
【0003】
また、単一生物種の中でも、その多様性を反映して個体によってそのゲノムの塩基配列がわずかに異なっていることが知られており(このような多様性はゲノム多型又は単に多型と称されている。)、例えば、ヒトにおいては、個人によって塩基配列の異なる確率は0.1%程度とされている。これは1000塩基毎に1ヶ所で多型が見られることを意味しており、ヒトゲノム全体(約30億塩基)の中で300万塩基ほどに現れることになる。
【0004】
したがって、個々のヒトの遺伝子情報を解析することによって、これまでの対症療法の域を出ない医療技術を超えた、各自の遺伝情報に基づいた最も適切な治療・投薬を施す、いわゆるテーラーメード医療の実現が可能になり、投薬や治療の無駄をなくしつつ、極めて効果的な病気予防と投薬と治療が実現できると期待されている。例えば、1塩基だけが異なる1塩基多型(SNP:Single Nucleotide Polymorphism)は、遺伝子の発現量に影響を与えたり、アミノ酸変異を起こす場合があることから、膨大な塩基配列の中からSNPを検出・解析することにより、個人にあった治療や薬がわかり、テーラーメード医療の確立につながると期待されている。
【0005】
一方、ヒトゲノムのシークエンシングの技術発展の歴史は塩基解読の絶対量増大の歴史でもある。すなわち、70年代には世界中で年間100塩基以下しか解読できなかったにもかかわらず、わずか30年間に、サンガー法、キャピラリーアレイ電気泳動法等が開発され、世界中で年間ギガ(G=109)塩基のシークエンシングが可能になった。特にキャピラリー電気泳動法は、DNA解析を高速かつ高感度、高精度で行える解析法であり、しかも測定は簡便で複数の試料の同時解析が可能で自動化が容易であるという利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、将来、ゲノム創薬からオーダーメード医療を実現していくためには、テラ(T=1012)塩基、ペタ(T=1015)塩基はおろか、地球規模のヒトDNA情報であるエクサ(E=1018)のシークエンシングすら要求されると言われており、このような膨大な量の塩基情報の記録と解析のために情報科学技術の高度な利用が必要となる。これが、近年バイオインフォマティックス(バイオ情報科学)の必要性が喧伝される理由であり、DNAシークエンサーにより得られた膨大な情報量を正確に記録し、伝送し、解析を行う情報処理のシステムが必要とされている。
【0007】
したがって、本発明の目的は、バイオインフォマティックスの確立の必須条件である膨大なDNA情報の検出と、迅速かつ正確な記録解析との二つの要件を満たすことが可能なディスク状光記録媒体、及び該ディスク状光記録媒体を用いた試料分析装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の一つは、ディスク状の基板と、この基板表面に形成された光記録領域と、分析領域とを有し、前記分析領域には、少なくとも一端に試料注入口を有するマイクロキャピラリーが形成されていることを特徴とするマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体を提供するものである。
【0009】
上記ディスク状光記録媒体においては、前記マイクロキャピラリーは、前記基板の中心に対して放射状に形成されており、前記試料注入口が前記基板の中心側の端部に形成されていて、前記基板を回転させたときの遠心力によって試料成分を分離するものであることが好ましい。
【0010】
また、前記マイクロキャピラリーは、その経路の少なくとも2箇所に電極が形成されており、前記電極間に電圧を印加して前記試料成分を電気泳動させることによって、前記試料成分を分離するものであることが好ましい。
【0011】
更に、前記マイクロキャピラリーは、試料移送用キャピラリーと、試料分離用キャピラリーとからなり、前記試料移送用キャピラリーは、少なくともその一端に試料注入口を有し、経路の途中で前記試料分離用キャピラリーと交差して連結するか、又は他端にて前記試料分離用キャピラリーに連続するように連結されていることが好ましい。
【0012】
更にまた、前記試料分離用キャピラリーの両端には、緩衝液注入又は貯留用の穴が形成されていることが好ましい。
【0013】
更にまた、前記マイクロキャピラリーは、前記基板表面に形成された溝と、この溝の開口部を塞ぐカバーとで構成されていることが好ましい。
【0014】
更にまた、前記光記録領域及び前記分析領域が、前記ディスク状の基板の同一面に形成されていることが好ましい。
【0015】
更にまた、前記光記録領域に形成される光記録層が追記型記録層であることが好ましい。
【0016】
上記発明によれば、ディスク状の基板表面の分析領域に形成されたマイクロキャピラリーによって試料の分離・検出を行い、その分析情報を該ディスク状の基板表面に形成された光記録領域に記録保存することができるので、試料の分離・検出からその分析情報の記録までを一枚のディスクで行うことができる。
【0017】
また、本発明のもう一つは、前記マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体と、このディスク状光記録媒体を支持して回転させるターンテーブルと、このディスク状光記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記光記録媒体の前記光記録領域に照射されたレーザ光の反射光を受光するレーザ光受光手段と、前記光記録媒体の前記分析領域に照射されたレーザ光によって形成される画像を検出する画像検出手段とを備えていることを特徴とする試料分析装置を提供するものである。
【0018】
上記発明によれば、前記ディスク状光記録媒体上のマイクロキャピラリーで分離した試料成分の検出及びその分析情報の記録を簡便に行うことができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を用いて詳細に説明する。
【0020】
図1〜4には、本発明のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の一実施形態が示されている。図1は、マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図、図2は該ディスク状光記録媒体の表面に形成されたマイクロキャピラリーの拡大模式図、図3は該ディスク状光記録媒体の模式断面図、図4は、光記録領域と分析領域の境界部分の拡大図を示す。
【0021】
図1に示すように、このディスク状光記録媒体1は、ディスク状の基板11の一方の表面の外周領域に光記録領域15と、該光記録領域と接する内周領域にマイクロキャピラリー23が複数個形成された分析領域14とを有しており、該分析領域の更に内周部分には、ディスクを保持するための中心穴12及びディスク保持部13が形成されている。
【0022】
分析領域14に形成されるマイクロキャピラリー23は、文献等(Chao-Xuan Zhang and Andreas Manz, “Narrow Sample Channel Injectors for Capillary Electrophoresis on Microchips”, Anal. Chem. 73 2656-2662 (2001))で公知である十字型電気泳動キャピラリーのように、短めの試料移送用キャピラリー21と長めの試料分離用キャピラリー22とからなっており、図2に示すように前記試料移送用キャピラリー21と前記試料分離用キャピラリー22は、経路の途中で所定の角度で交差して連結するように形成されている。本発明においては、マイクロキャピラリー23は、基板11を回転させたときの遠心力によって試料を移送及び/又は分離できるように、試料移送用キャピラリー21及び/又は試料分離用キャピラリー22が、基板11の中心に対して放射状に形成されていることが好ましい。なお、ここで、放射状とは、半径方向に対して傾斜した角度で外方に向かう形状や、螺旋状をなして外方に向かう形状なども含む意味である。
【0023】
この実施形態においては、試料分離用キャピラリー22が、基板11の中心から半径方向に対してやや傾斜した角度で外方に向かう形状に形成されており、ディスクの回転に伴う遠心力で試料成分を分離できるようになっている。
【0024】
また、前記試料移送用キャピラリー21の両端には、試料注入口21a、21bが形成されており、該試料注入口から試料をマイクロキャピラリー内に注入できるようになっている。一方、前記試料分離用キャピラリー22の一端には、緩衝液注入穴22a、他端には緩衝液の貯留用の穴22bが形成されており、該緩衝液注入穴から、緩衝液を注入できるようになっている。
【0025】
図3に示すように、マイクロキャピラリー23は、基板11の一方の表面(レーザ光入射面の反対側)に、所定の形状に形成された凹部31をキャピラリーカバー33で覆うことにより形成される。すなわち、図4に示すように、前記凹部31の底面のキャピラリー形成部分には、両端に試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴を有する所定長さの微細な溝32が形成されており、前記溝32の開口部をキャピラリーカバー33で覆うことにより、マイクロキャピラリーが形成されるようになっている。なお、前記キャピラリーカバー33には、前記試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴に対応するそれぞれの位置に所定の大きさの貫通穴が形成されており、該貫通穴を介して試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴は上から見て開放状態にあるが、キャピラリー形成部分はキャピラリーカバーに覆われて密閉された状態となるようになっている。
【0026】
なお、図5に示すように、キャピラリーカバー33の代替として、張り合わせ構造の記録層を持たない上面片側ディスク34(ダミー層)を利用することもできる。
【0027】
前記溝32の幅と深さは、キャピラリー全体に試料や緩衝液等を十分に吸い込み充填することができるような毛管現象を発現する幅と深さがあればよく、キャピラリー全領域にわたって均一な幅と深さを有することが好ましい。具体的には、幅:20〜300μm、深さ:10〜200μmが好ましく、幅:50〜150μm、深さ:20〜40μmがより好ましい。
【0028】
また、前記溝32の長さは、試料移送用キャピラリーを形成するものにあっては、適当量の試料を容易に移送できればよく、通常、2〜30mmが好ましく、3〜5mmがより好ましい。また、試料分離用キャピラリーを形成するものにあっては、遠心力あるいは電気泳動によって十分な分離が行える長さがあればよく、通常、10〜100mmが好ましく、15〜50mmがより好ましい。
【0029】
そして、前記溝32の両端に形成される試料注入口や緩衝液注入又は貯留用の穴の大きさ(直径)は、マイクロピペット等の注入器具によって試料や緩衝液を注入することができ、かつ液溜めの機能を有するような大きさであればよく、具体的には直径1〜5mmの大きさがあればよい。また、その深さは、前記溝32と等しい深さを有していることが好ましい。
【0030】
本発明においては、前記試料移送用キャピラリー21及び/又は前記試料分離用キャピラリー22の両端部に電極を形成することもできる。電極は、キャピラリーカバー(又は上面片側ディスク)に設けられた試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴と同じ径を持った貫通穴をとおしてキャピラリーカバーの上面に引き出される。
【0031】
例えば、試料移送用キャピラリー21の両端部に電極を形成した場合、前記電極間に電圧を印加することにより、試料注入口21a(又は21b)に注入された試料を、該試料移送用キャピラリー21と試料分離用キャピラリー22との交差点まで移送することができる。また、試料分離用キャピラリー22の両端部に電極を形成した場合、前記電極間に電圧を印加することにより、試料成分の電気泳動による分離を行うことができる。
【0032】
一方、光記録領域15には、通常のCD−RやDVD−Rと同様の情報記録部が形成されている。すなわち、図4、5に示すように、情報記録部45は、基板11のレーザ光入射面の反対側の表面に所定のピッチで刻まれた案内溝41と、その表面に積層された有機色素を含む記録層42と反射層43とから構成されており、更にその表面は保護膜44で被覆されている。
【0033】
本発明のディスク状光記録媒体を構成する基板11の材質は、通常の光記録媒体に使用されているポリカーボネート樹脂が好ましく用いられる。また、キャピラリーカバー33及び上面片側ディスク34等は、ポリカーボネートもしくはこれに相当するレーザ光を十分に透過する材料(例えば、アクリル樹脂等)であればよい。
【0034】
前記基板(ディスク)の形状は、円形に限定されず、四角形等であってもよいが、最終外形等は、基本的に日本工業規格(JIS)、コンパクトディスクデジタルオーディオシステム(S8605-1993(IEC908:1987))、DVD FLLC(Format/Logo Licensing Corporation)の規格に準拠するものであることが好ましい。
【0035】
また、図6、7には、本発明のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の別の実施形態が示されている。図6は、マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図、図7は該ディスク状光記録媒体の表面に形成されたマイクロキャピラリーの拡大模式図を示す。なお、以下の実施形態の説明において、前記実施形態と実質的に同一の部分には同符号を付し、その説明を簡略又は省略するものとする。
【0036】
図6に示すように、このディスク状光記録媒体2は、基板11の一方の表面に形成される光記録領域15と分析領域14との場所が上記ディスク状光記録媒体1と逆になっている点で相違している。すなわち、ディスク状光記録媒体2においては、基板11の外周領域に分析領域14が形成されており、該分析領域14と接する内周領域に光記録領域15が形成されている。
【0037】
また、分析領域14に形成されるマイクロキャピラリー23’は、上記と同様に短めの試料移送用キャピラリー21’と長めの試料分離用キャピラリー22’とからなっている。ただし、試料分離用キャピラリー22’は、基板11の外周よりやや内側部分に、外周と同心的な円弧状をなして形成されており、試料移送用キャピラリー21’は、上記試料分離用キャピラリー22’に対して斜めに交差し、その一端が基板11の中心寄りにあって、他端が外周寄りに位置するように形成されている。その結果、試料移送用キャピラリー21’は、ディスクの回転に伴う遠心力で試料を試料分離用キャピラリー22’に移送できるようになっている。また、試料分離用キャピラリー22’の両端部には、図示しない電極が形成されており、電気泳動によって試料成分の分離を行えるようになっている。
【0038】
また、図8、9には本発明のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の更に別の実施形態が示されている。図8は、マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図、図9は該ディスク状光記録媒体に形成された分析領域を拡大した図を示す。
【0039】
図8に示すように、ディスク状光記録媒体3は、ディスク状の基板11の一方の表面の外周領域に光記録領域15と、該光記録領域と接する内周領域にマイクロキャピラリー26が複数個形成された分析領域14とを有している。なお、この実施形態においては、ディスク保持部13には、識別用バーコード16が形成されている。
【0040】
分析領域14に形成されたマイクロキャピラリー26は、図9に示すように、基板11の中心側から外径方向に向けて放射状かつ螺旋状に伸びる短めの試料移送用キャピラリー24と、この試料移送用キャピラリー24の外径方向の端部に連続して該端部から半径方向外方に伸びる、長めの試料分離用キャピラリー25とで構成されている。
【0041】
そして、試料移送用キャピラリー24の内径側の端部と、試料移送用キャピラリー24と試料分離用キャピラリー25とが連結された部分の端部と、試料分離用キャピラリー25の外径側の端部とに、試料及び/又は緩衝液の注入、貯留用の穴が形成されている。因みに、試料移送用キャピラリー24の内径側の端部には、試料注入口24aが形成されている。
【0042】
また、試料移送用キャピラリー24と試料分離用キャピラリー25とが連結された部分の端部と、試料分離用キャピラリー25の外径側の端部とには、電極27、28が形成されており、前記電極27、28間に電圧を印加することにより、試料成分の電気泳動による分離を行うことができるようにもなっている。
【0043】
したがって、このマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体3によれば、試料注入口24aに注入した試料が、ディスク状光記録媒体3の回転によって生じる遠心力により、試料移送用マイクロキャピラリー24に沿って外径方向に移動し、試料分離用キャピラリー25の内径側の端部に到達する。
【0044】
そこで、電極27、28間に電圧を印加することにより、試料分離用キャピラリー25中を電気泳動によって移動させ、試料成分を分離することができる。なお、ディスク状光記録媒体3を回転させながら、上記電気泳動を行うことにより、ディスク状光記録媒体3の回転によって生じる遠心力と、上記電気泳動とを併用して、試料成分を分離することもできる。
【0045】
そして、後述する試料分析装置等を用いることにより、試料分離用キャピラリー25内で分離された試料成分を、レーザ等の光学的手段によって検出することが可能であり、分離・検出に関する情報を、逐次あるいは一括して、該ディスク状光記録媒体の光記録領域に記録することができる。
【0046】
したがって、1枚のディスク状光記録媒体で、試料成分の分離・検出から該分析情報等の記録の保存までを行うことができるので、データの管理等が非常に容易である。
【0047】
本発明においては、前記光記録領域に形成される記録層は、追記型記録層であることが好ましい。すなわち、前記記録層が、CD−RやDVD−Rと同様の有機色素を用いた記憶形態である場合は、一度記録層に書き込まれた情報を書き換えることができないので、データの改ざん等を防ぐことができる。
【0048】
なお、前記光記録領域には、試料分離用キャピラリーに充填されている試薬の情報(成分、賞味期限、使用用途等)、分析する試料の情報(成分、濃度、製造元或いは調製条件)、実験条件(試料使用量、ディスク回転数、電圧、温度、検出波長等)及びその実行のためのプログラムを、予め記録しておいてもよい。これにより、実験条件の正確な管理ができると共に操作ミス等を防止することができる。
【0049】
本発明においては、図4、5に示されるように、前記光記録領域及び前記分析領域が前記ディスク状の基板の同一面に形成されていることが好ましい。これにより、試料成分検出用の光源と、光記録領域への情報の記録/読み出し用の光源を共通化することが可能となり、一つの光源で、試料成分の検出と光記録領域へ情報の記録/読み出しができるようになる。
【0050】
なお、本発明のディスク状光記録媒体を用いて試料成分の分離を行う際には、キャピラリー内に、例えば、メチルセルロース(MC)、ハイドロキシエチルセルロース(HEC)、ハイドロキシプロピルセルロース(HPC)、ハイドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)等のセルロース誘導体、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリルアミド、アガロース、アクリルアミド誘導体のポリマー等を含む緩衝液を充填してから用いられる。緩衝液の充填は、キャピラリーの端部に形成された試料注入口や緩衝液注入又は貯留用の穴に、適量の緩衝液を滴下することにより、毛管現象によって充填することができる。
【0051】
また、試料成分としては、特に制限されないが、drug molecules、アミノ酸、ペプチド、DNA、オリゴヌクレオチド、比較的大きなタンパク質等の生化学に関連した高分子物質が好ましく例示できる。
【0052】
なお、試料成分は、CD−Rのレーザ波長である780nmやDVD−Rのレーザ波長である630nmで検出できるように、必要に応じて前記レーザ波長の付近に吸収帯を有する蛍光色素で標識される。蛍光色素は、試料成分の種類と検出に使われるレーザ波長に応じて適宜選択すればよく、例えば、CD−Rのレーザ波長である780nmで検出を行う場合は、750〜810nmに吸収帯を有する蛍光色素を用いることが好ましく、DVD−Rのレーザ波長である630nmで検出を行う場合は、600〜660nmに吸収帯を有する蛍光色素を用いることが好ましい。なお、蛍光色素による試料成分の標識は公知の方法に従って行えばよい。したがって、予め、試料成分を蛍光色素で標識してから分析に供してもよく、適当な蛍光色素を選択することにより、上記キャピラリー内に充填されるポリマー等を含む緩衝液に添加しておくことで、試料成分の分離と同時に標識が可能となる。
【0053】
例えば、試料成分としてDNAやオリゴヌクレオチドを用いる場合には、蛍光色素として、TOTO-3、IRDye41、IRDye800等を用いることができる。ちなみに、TOTO-3はDVD−Rのレーザ波長である630nm付近に吸収帯を有する蛍光色素であり、上記キャピラリー内に充填されるポリマー等を含む緩衝液に添加しておくことで、分離と同時にDNAやオリゴヌクレオチドの標識(染色)を行うことができる。したがって、別途試料成分の標識を行う必要がないので簡便である。
【0054】
一方、IRDye41、IRDye800はCD−Rのレーザ波長である780nm付近に吸収帯を有する蛍光色素である。
【0055】
次に、本発明の試料分析装置について説明する。
本発明の試料分析装置は、上記のディスク状光記録媒体を用いて分離した試料成分の検出、及び分離・検出に関する情報の記録を行うものであり、ディスク状光記録媒体を支持して回転させるターンテーブルと、このディスク状光記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記光記録媒体の前記光記録領域に照射されたレーザ光の反射光を受光するレーザ光受光手段と、前記光記録媒体の前記分析領域に照射されたレーザ光によって形成される画像を検出する画像検出手段とを備えている。
【0056】
図10には、本発明の試料分析装置の一実施形態を示す概略構成図が示されている。
【0057】
図において、ディスク状光記録媒体1は、図示しない上記ターンテーブルによって支持され、回転動作する。このディスク状光記録媒体1に対して、半径方向に移動可能に、光検出記録手段50が設置されている。
【0058】
この光検出記録手段50は、レーザ駆動回路60によってレーザ光を出射するレーザ光源51と、このレーザ光を平行ビームとするマルチレンズ52と、レーザ出射光を通過させ、反射光を取出すためのビームスプリッタ53と、コリメータ54と、対物レンズ55と、ビームスプリッタ53で分岐された反射光を集光する集光レンズ56と、集光レンズ56で集光された反射光を受光する光検出素子57と、光検出素子57で検出された光信号を増幅させる増幅回路58と、この増幅回路を通して入力された光信号を処理するサーボ・信号処理LSI59とから構成されている。また、ディスク状光記録媒体1の上下面の所定位置を撮像するように指向されたCCD(電荷結合型)カメラ61が設置されている。
【0059】
したがって、レーザ光源51から出射されたレーザ光は、マルチレンズ52、ビームスプリッタ53、コリメータ54、及び対物レンズ55を通して、ディスク状光記録媒体11の所定位置に照射される。このレーザ光は、例えば試料分離用キャピラリー25で分離された成分を発光させたりする光源として利用され、また、分析データをディスク状光記録媒体1の光記録領域15に記録する書き込み用の光源としても利用され、更には光記録領域15に書き込まれた情報を読み出すための光源としても利用される。
【0060】
上記レーザ光を、例えば光記録領域15に書き込まれた情報を読み出すための光源等として利用する場合には、光記録領域15に照射されて反射してくるレーザ光を、ビームスプリッタ53で取出し、集光レンズ56を通して光検出素子57に照射させる。そして、光検出素子57で受光した光信号を増幅回路58で増幅させ、サーボ・信号処理LSI59で読み出すようになっている。また、サーボ・信号処理LSI59は、読み出した情報に基づいて、レーザ光源51からのレーザ光照射位置を移動させたり、レーザ光の出射タイミングを制御したりする機能も有している。
【0061】
したがって、この試料分析装置によれば、ディスク状光記録媒体1の試料分離用キャピラリー22で試料成分を分離させた後、試料分離用キャピラリー22にレーザ光を照射して、レーザ光によって発光したパターンをCCDカメラ61で撮像し、その発光パターンを図示しないコンピュータによって画像解析することによって成分の分析を行うことができる。
【0062】
また、こうして得られた分析結果を、ディスク状光記録媒体1の光記録領域15にレーザ光によって書き込むことにより、データの保存を同じディスク上で行うことができる。更に、書き込まれたデータは、レーザ光を照射し、その反射光をビームスプリッタ53で取出し、集光レンズ56を通して光検出素子57で受光し、受光した光信号を増幅回路58で増幅させ、サーボ・信号処理LSI59で読み出すことにより、データの読み出しも行うことができる。
【0063】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。なお、以下の例において、使用したディスク状光記録媒体は、予め基板の所定の領域に常法により、案内溝、記録層、反射層等が形成されたものを用い、これに機械加工によりキャピラリー等を形成して用いた。
【0064】
実施例1
図1に示す構造のディスク状光記録媒体を用いてDNA断片を分離、検出した。
【0065】
a)所定の領域に、CD−Rと同様の情報記録部が形成されたポリカーボネート製の基板11の分析領域(光記録層未形成領域)に、キャピラリーを形成するための溝32を有する凹部31を形成した。具体的には、図2に示すように、試料移送用キャピラリー21(長さ3.5mm、幅100μm、深さ30μm)と、試料分離用キャピラリー22(長さ20.5mm、幅100μm、深さ30μm)は、45度の角度で交差し、試料分離用キャピラリー22の、ディスク内径側端部に位置する緩衝液注入又は貯留用の穴22aから1.25mmの距離にあって、線幅中央50μmのところと、試料移送用キャピラリー21の、ディスク内径側端部に位置する試料注入口21aから2.25mmの距離にあって、線幅中央50μmのところとが、交差点となるように形成した。また、各溝の両端部には、直径1.5mm、深さ30μmの試料注入口(21a、21b)、緩衝液注入又は貯留用の穴(22a、22b)を形成した。
【0066】
b)そして、図3、4に示すように、上記各溝、試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴を形成した凹部31を完全に被覆するように、該凹部と同形状のポリカーボネート製のキャピラリーカバー33を紫外線硬化接着剤を用いて基板11に接着した。キャピラリーカバー33には、基板11の前記凹部に設けられた試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴に対応する位置にそれぞれ直径1.5mmの貫通穴が形成されており、該貫通穴を介して試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴は上から見て開放状態にあるが、キャピラリー形成部分はキャピラリーカバーに覆われて密閉された幅100μm、深さ30μmの管状のキャピラリーを形成している。
【0067】
c)キャピラリーカバーの貫通穴を介して上から見て開放状態にある試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴(該穴径1.5mmに相当する領域)に白金スパッタを行って電極を形成した。
【0068】
d)泳動時の緩衝液として、蛍光色素含有メチルセルロース溶液(メチルセルロース濃度0.5%)を調製した。具体的には、熱精製水80mLにメチルセルロース0.5gを加えてよく撹拌した後、一晩冷蔵庫で冷却、完全に溶解させ、その後、トリス(生化学用)及びホウ酸(試薬特級)を、最終濃度でそれぞれ50mM(pH7.5〜8.5)となるように加え、メスフラスコにて全量を100mLに調整し、最後に蛍光色素であるTOTO-3を0.1μg/mLとなるように加えた。
【0069】
そして、各試料移送用キャピラリーのディスク反回転方向の試料注入口(21b)に、適量の前記緩衝液をマイクロピペットで滴下し、毛管現象により十字状に交差したキャピラリー内部を全て緩衝液で満たした。なお、キャピラリー内への緩衝液の充填は、基本的にどこの試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴を利用しても同様の毛管現象によるキャピラリー充填効果を得ることができる。
【0070】
e)試料として、DNA標準分子量サンプル(100bp dsDNA ladder(Gensura Laboratories. Inc., 100 g/mL)は、測定時に超純水(ミリポア社)により希釈し、1μg/mLに調整した。ここで、100bp dsDNA ladderとは、10種(100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000bp)の2本鎖DNA断片の混合物である(以下同じ)。
【0071】
f)上記緩衝液で満たされたキャピラリーの試料移送用キャピラリーのディスク回転方向の試料注入口(21a)に、前記DNA標準分子量サンプルをマイクロピペットで10μl滴下し、試料注入口(21b)に形成された電極をグランドに落とし、試料注入口(21a)に形成された電極に500ボルトの正電圧を印加し、電気泳動により適量が十字型のキャピラリーの交差点に到達した時点で、試料注入口(21b)の電極のグランド接触、試料注入口(21a)の電極の正電圧印加を解除して、フローティング状態とした。
【0072】
そして、上記ディスク状光記録媒体を、基本的に図10で示された構成からなる試料分析装置を用いて、試料成分の分離・検出を行った。
【0073】
具体的には、レーザ光源51及びレンズ系ユニット(52〜55)を、試料分離用キャピラリーの緩衝液貯留用の穴(22b)側の端部より2mmの位置に移動、固定して、静止状態であったディスク状光記録媒体を300rpmの回転数で回転し、遠心力によって分離、泳動されてきたDNA断片に、前記の所定の位置に固定したレーザ光源からレーザ光(波長635nm)を照射した。緩衝液中の蛍光色素により染色されているDNA断片は、レーザ光により励起されて蛍光を発するので、この蛍光をCCDカメラ61により測定し、ディスク回転からの各DNA断片の発光開始時間と発光強度とを一対の情報として一時記録メモリーであるSRAMに記録した後、SRAMに一時的に記録された各DNA断片の発光強度と泳動時間に関する情報を、試料分析装置をCD-R光記録モードに切り替えることにより、ディスク状光記録媒体の光記録領域にレーザ光(波長780nm)により焼き付け記録した。その結果を図11に示す。図11の縦軸は発光強度を表し、横軸はレーザ光源固定位置までDNA断片が到達、発光するまでの泳動時間(秒)を表す(図12〜14においても同じ。)。
【0074】
図11から、DNA標準分子量サンプルは、分子量ごとにきれいに分離、検出されており、良好な分離・検出能が得られることが分かる。
【0075】
実施例2
図6に示す構造のディスク状光記録媒体を用いてDNA断片を分離、検出した。
【0076】
a)所定の領域に、DVD−Rと同様の情報記録部(4.8GB片側記録)が形成されたポリカーボネート製の基板の分析領域(光記録層未形成領域)に、キャピラリーを形成するための溝32を形成した。具体的には、図7に示すように、試料移送用キャピラリー(長さ3.5mm、幅80μm、深さ40μm)と、試料分離用キャピラリー(長さ20.5mm、幅80μm、深さ40μm)は、45度の角度で交差し、試料分離用キャピラリーの、ディスク内径側端部から1.25mmの位置にあって、線幅中央40μmのところと、試料移送用キャピラリーのディスク回転方向(レーザ光源設置部位の上側から見て時計回り)側の端部から2.25mmの位置にあって、線幅中央40μmのところが交差点となるように形成した。また、各キャピラリーの両端部には、直径1.5mm、深さ40μmの試料注入口(21’a、21’b)、緩衝液注入又は貯留用の穴(22’a、22’b)を形成した。
【0077】
b)そして、図5に示すように、上記各溝を被覆するように、実施例1のキャピラリーカバーに相当するポリカーボネート製の上面片側ディスク34を、基板11の上記各溝、試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴が形成された面に紫外線硬化接着剤を用いて接着した。上面片側ディスク34には、基板11に設けられた試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴に対応する位置にそれぞれ直径1.5mmの貫通穴が形成されており、該貫通穴を介して試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴は上から見て開放状態にあるが、キャピラリー形成部分はキャピラリーカバーに覆われて密閉された幅80μm、深さ40μmの管状のキャピラリーを形成している。
【0078】
c)上面片側ディスクの貫通穴を介して上から見て開放状態にある試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴(該穴径1.5mmに相当する領域)に白金スパッタを行って電極を形成した。
【0079】
d)泳動時の緩衝液として、実施例1と同様にして、蛍光色素含有メチルセルロース溶液(メチルセルロース濃度0.1、0.3、0.5、0.7、1.0%)を調製した。なお、蛍光色素としてTOTO-3を0.05μg/mL添加した。
【0080】
そして、各試料移送用キャピラリーのディスク反回転方向の試料注入口(21’b)に、適量の前記緩衝液をマイクロピペットで滴下し、毛管現象により十字状に交差したキャピラリー内部を全て緩衝液で満たした。なお、キャピラリー内への緩衝液の充填は、基本的にどこの試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴を利用しても同様の毛管現象によるキャピラリー充填効果を得ることができる。
【0081】
e)試料として、DNA標準分子量サンプル(100bp dsDNA ladder(Gensura Laboratories. Inc., 100 g/mL)は、測定時に超純水(ミリポア社)により希釈し、1μg/mLに調整した。
【0082】
f)上記緩衝液で満たされたキャピラリーの試料移送用キャピラリーのディスク回転方向の試料注入口(21’a)に、前記DNA標準分子量サンプルをマイクロピペットで10μl滴下し、このディスク状光記録媒体を、基本的に図10で示された構成からなる試料分析装置を用いて試料成分の分離、検出を行った。
【0083】
具体的には、静止状態であったディスクを500rpmの回転数で回転させて、遠心力によってDNA標準分子量サンプルを十字型のキャピラリーの交差点に到達させた後、ディスクの回転を停止し、貯留用の穴(22’b)に形成された電極をグランド接触、緩衝液注入口(22’a)に形成された電極に750ボルトの正電圧を印加し、DNA断片の電気泳動分離を行った。
【0084】
なお、レーザ光源51及びレンズ系ユニット(52〜55)は、試料分離用キャピラリーの緩衝液貯留用の穴(22’b)側の端部より2mmの位置に移動、固定して、電気泳動されてきたDNA断片に、前記の所定の位置に固定したレーザ光源からレーザ光(波長635nm)を照射し、実施例1と同様に検出し、その情報をDVD-R光記録モードに切り替えることにより、ディスク状光記録媒体の光記録領域にレーザ光(波長635nm)により焼き付け記録した。
【0085】
なお、メチルセルロース濃度の異なる緩衝液を用いてそれぞれ同様の条件で、試料成分の分離、検出を行った。それらの結果を図12に示す。図12中、▲1▼はメチルセルロース濃度1.0%、▲2▼はメチルセルロース濃度0.7%、▲3▼はメチルセルロース濃度0.5%、▲4▼はメチルセルロース濃度0.3%、▲5▼はメチルセルロース濃度0.1%の緩衝液を用いた場合の結果である。
【0086】
図12から、メチルセルロース濃度によって分離能が異なるものの、良好な分離・検出能が得られることが分かる。
【0087】
実施例3
図1に示す構造のディスク状光記録媒体を用いてDNA断片を分離、検出した。
【0088】
a)所定の領域に、DVD−Rと同様の情報記録部(4.8GB片側記録)が形成されたポリカーボネート製の基板の分析領域(光記録層未形成領域)に、キャピラリーを形成するための溝32を形成した。具体的には、図2に示すように、試料移送用キャピラリー(長さ3.5mm、幅50μm、深さ50μm)と、試料分離用キャピラリー(長さ20.5mm、幅50μm、深さ50μm)は、45度の角度で交差し、試料分離用キャピラリーの、ディスク内径側端部から1.25mmの位置にあって、線幅中央25μmのところと、試料移送用キャピラリーのディスク内径側の端部より2.25mmの位置にあって、線幅中央25μmのところとが交差点となるように形成した。また、各キャピラリーの両端部には、直径1.5mm、深さ50μmの試料注入口(21a、21b)、緩衝液注入又は貯留用の穴(22a、22b)を形成した。
【0089】
b)そして、図5に示すように、上記各溝を被覆するように、実施例1のキャピラリーカバーに相当するポリカーボネート製の上面片側ディスク34を、基板11の上記各溝、試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴が形成された面に紫外線硬化接着剤を用いて接着した。上面片側ディスク34には、基板11に設けられた試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴に対応する位置にそれぞれ直径1.5mmの貫通穴が形成されており、該貫通穴を介して試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴は上から見て開放状態にあるが、キャピラリー形成部分はキャピラリーカバーに覆われて密閉された幅50μm、深さ50μmの管状のキャピラリーを形成している。
【0090】
c)上面片側ディスクの貫通穴を介して上から見て開放状態にある試料注入口、緩衝液注入又は貯留用の穴(該穴径1.5mmに相当する領域)に白金スパッタを行って電極を形成した。
【0091】
d)泳動時の緩衝液として、実施例1と同様にして蛍光色素(TOTO-3)含有0.5%メチルセルロース溶液を調製した。
【0092】
そして、各試料移送用キャピラリーのディスク反回転方向の試料注入口(21b)に、適量の前記緩衝液をマイクロピペットで滴下し、毛管現象により十字状に交差したキャピラリー内部を全て緩衝液で満たした。
【0093】
e)試料として、ファージDNAをテンプレートとして、500塩基対のフラグメントをPCR(polymerase chain reaction)法により増幅した微生物遺伝子増幅物(500bp)を用いた。PCR用のプライマーとして、配列番号1(5’側プライマー)と配列番号2(3’側プライマー)に示すものを用いた。PCR用反応液は、最終体積を50μLとし、0.5ngのテンプレートDNAに1.0μmol/Lずつの上記2種のプライマー、200mmol/Lの塩化カリウム(KCl)、15mmol/Lの塩化マグネシウム(MgCl2)、0.01%(質量/体積比)ゼラチン(gelatin)を加えて調製した。PCRは、PERKIN ELMER社製装置を用いて、熱変性反応を94℃で15秒間、アニーリングと伸長反応を68℃で30秒間行い、これを25サイクル繰り返した。
「配列表フリーテキスト」
配列番号1:PCR用プライマー
配列番号2:PCR用プライマー
【0094】
f)上記緩衝液で満たされたキャピラリーの試料移送用キャピラリーのディスク回転方向の試料注入口(21a)に、前記微生物遺伝子増幅物をマイクロピペットで10μl滴下し、試料注入口(21b)に形成された電極をグランドに落とし、試料注入口(21a)に形成された電極に500ボルトの正電圧を印加し、電気泳動により適量が十字型のキャピラリーの交差点に到達した時点で、試料注入口(21b)の電極のグランド接触、試料注入口(21a)の電極の正電圧印加を解除して、フローティング状態とした。
【0095】
そして、貯留用の穴(22b)に形成された電極をグランド接触、緩衝液注入口(22a)に形成された電極に800ボルトの正電圧印加して、微生物遺伝子増幅産物の電気泳動分離を行い、実施例2と同様にして試料成分の検出、情報の記録を行った。その結果を図13に示す。
【0096】
図13から、PCRにより増幅されたDNA断片を精度よく分離・検出できることが分かる。
【0097】
実施例4
実施例1と同じディスク状光記録媒体を用いて、泳動時の緩衝液として、蛍光色素(TOTO-3)含有0.7%ハイドロキシプロピルメチルセルロース溶液を用いて、DNA標準分子量サンプル100bp dsDNA ladder(Gensura Laboratories. Inc., 100 g/mL)の分離・検出を行なった。
【0098】
具体的には、上記緩衝液で満たされたキャピラリーの試料移送用キャピラリーのディスク回転方向の試料注入口(21a)に、前記DNA標準分子量サンプルをマイクロピペットで10μl滴下し、試料注入口(21b)に形成された電極をグランドに落とし、試料注入口(21a)に形成された電極に600ボルトの正電圧を印加し、電気泳動により適量が十字型のキャピラリーの交差点に到達した時点で、試料注入口(21b)の電極のグランド接触、試料注入口(21a)の電極の正電圧印加を解除して、フローティング状態とした。
【0099】
そして、上記ディスク状光記録媒体の回転数を200rpmとした以外は、実施例1と同様にして試料成分の分離、検出を行い、その情報をディスク状光記録媒体の光記録領域に記録した。その結果を図14に示す。
【0100】
図14から、DNA標準分子量サンプルは、分子量ごとにきれいに分離、検出されており、良好な分離・検出能が得られることが分かる。
【0101】
実施例5
実施例1と同じディスク状光記録媒体を用いて、実施例1と同様の試料(DNA標準分子量サンプル100bp dsDNA ladder, Gensura Laboratories. Inc., 100g/mL)の分離泳動検出を行うにあたり、ディスク状光記録媒体の記録領域に、下記に示すような前記試料の諸項目、試料移動・泳動分離検出条件諸項目、及びその実行のためのプログラムを予め記録した。
【0102】
・試料の諸項目
1.試料の名称:標準分子量サンプル100bp dsDNA ladder, 100g/mL
2.試料の製造元:Gensura Laboratories Inc.
3.試料の超純水希釈後濃度:1μg/mL
・泳動分離検出条件諸項目
1.メチルセルロース溶液の濃度:0.5%
2.トリス及びホウ酸の最終濃度:50mM
3.蛍光色素の種類:TOTO-3
4.蛍光色素の添加量:0.1μg/ml
5.超純粋希釈後試料の試料注入孔への滴下量:10μL
6.試料注入孔電極とグランド電極との間の印加電圧:500ボルト
7.電気泳動により試料の適量が十字型のキャピラリー交差点に到達するまでの時間:150秒
8.試料適量を移動させるための印加電圧ONからOFF(フローティング状態)までの時間:150秒
9.泳動分離検出のためのディスク回転の開始:フローティング状態(印加電圧OFF)より1秒後
10.レーザ光源及びレンズ系ユニットの検出位置移動とレーザ光源ON:9のフローティング状態(印加電圧OFF)緩衝液貯留用穴の端部より2mmの位置に移動し、移動終了後レーザON
11.ディスク回転の開始:10のレーザONの1秒後
12.ディスクの回転数:300rpm
13.CCDカメラON、センシングの開始:10のレーザONと同時
14.蛍光発光センシングデータ(発光強度−時間)のSRAMへの書き込み開始:ディスク回転ON
15.レーザOFF、回転OFF、CCDカメラOFF:発光強度検知がノイズレベルと判断されてから3分後
16.SRAMに記録されたデータの焼き付け:15のレーザOFF、回転OFF、CCDカメラOFFより100ミリ秒後
【0103】
試料の分析作業の実施にあたっては、実施例1とまったく同様の試料調製、操作手順で、試料を試料注入孔へ滴下後、所定のプログラムに従った試料分析装置の自動操作を実行し、実施例1の図11とまったく同様の検出結果が当該光記録媒体に書き込まれ、当該試料分析装置により再生できることが確認された。
【0104】
なお、試料の試料注入孔への滴下前に、予め記録してある試料の諸項目、泳動分離検出条件諸項目を確認することは、図10に示された試料分析装置の光記録メディアのデータ読み取り機能により容易に確認することが可能である。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のディスク状光記録媒体は、基板表面の分析領域に形成されたマイクロキャピラリーによって試料の分離・検出を行い、その分析情報を該ディスク状の基板表面に形成された光記録領域に記録保存することができるので、試料の分離・検出からその分析情報の記録までを一枚のディスクで行うことができる。
【0106】
また、本発明の試料分析装置を用いることにより、上記ディスク状光記録媒体上のマイクロキャピラリーで分離した試料成分の検出及びその分析情報の記録を簡便に行うことができる。
【0107】
【配列表】
Figure 0003672910
Figure 0003672910

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態であるマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図である。
【図2】 上記ディスク状光記録媒体の表面に形成されたマイクロキャピラリーの拡大模式図である。
【図3】 上記ディスク状光記録媒体の模式断面図である。
【図4】 図3における光記録領域と分析領域の境界部分の拡大図である。
【図5】 キャピラリーカバーの代替として、張り合わせ構造の記録層を持たない上面片側ディスクを用いた例を示す図である。
【図6】 本発明の別の実施形態であるマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図である。
【図7】 上記ディスク状光記録媒体の表面に形成されたマイクロキャピラリーの拡大模式図である。
【図8】 本発明の更に別の実施形態であるマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体の平面図である。
【図9】 上記ディスク状光記録媒体に形成された分析領域を拡大して示す部分平面図である。
【図10】 本発明の試料分析装置の一実施形態を示す概略構成図である。
【図11】 実施例1において、本発明のディスク状光記録媒体及び試料分析装置を用いてDNA標準分子量サンプルを電気泳動して、検出した結果を示す図である。
【図12】 実施例2において、本発明のディスク状光記録媒体及び試料分析装置を用いてDNA標準分子量サンプルを電気泳動して、検出した結果を示す図である。
【図13】 実施例3において、本発明のディスク状光記録媒体及び試料分析装置を用いてPCRによる微生物遺伝子増幅産物を分離、検出した結果を示す図である。
【図14】 実施例4において、本発明のディスク状光記録媒体及び試料分析装置を用いてDNA標準分子量サンプルを分離して、検出した結果を示す図である。
【符号の説明】
1、2、3.マイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体
11.基板
12.中心穴
13.ディスク保持部
14.分析領域
15.光記録領域
21、24.試料移送用キャピラリー
21a、21b、24a.試料注入口
22、25.試料分離用キャピラリー
23、26.マイクロキャピラリー
27、28.電極
31.凹部
32.溝
33.キャピラリーカバー
34.上面片側ディスク
41.案内溝
42.記録層
43.反射層
44.保護膜
51.レーザ光源
52.マルチレンズ
53.ビームスプリッタ
54.コリメータ
55.対物レンズ
56.集光レンズ
57.光検出素子
58.増幅回路
59.サーボ・信号処理LSI
60.レーザ駆動回路
61.CCDカメラ

Claims (9)

  1. ディスク状の基板と、この基板表面に形成された光記録領域と、分析領域とを有し、前記分析領域には、少なくとも一端に試料注入口を有するマイクロキャピラリーが形成されていることを特徴とするマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  2. 前記マイクロキャピラリーは、前記基板の中心に対して放射状に形成されており、前記試料注入口が前記基板の中心側の端部に形成されていて、前記基板を回転させたときの遠心力によって試料成分を分離するものである請求項1記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  3. 前記マイクロキャピラリーは、その経路の少なくとも2箇所に電極が形成されており、前記電極間に電圧を印加して前記試料成分を電気泳動させることによって、前記試料成分を分離するものである請求項1又は2記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  4. 前記マイクロキャピラリーは、試料移送用キャピラリーと、試料分離用キャピラリーとからなり、前記試料移送用キャピラリーは、少なくともその一端に試料注入口を有し、経路の途中で前記試料分離用キャピラリーと交差して連結するか、又は他端にて前記試料分離用キャピラリーに連続するように連結されている請求項1〜3のいずれか1つに記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  5. 前記試料分離用キャピラリーの両端には、緩衝液注入又は貯留用の穴が形成されている請求項4に記載のディスク状光記録媒体。
  6. 前記マイクロキャピラリーは、前記基板表面に形成された溝と、この溝の開口部を塞ぐカバーとで構成されている請求項1〜5のいずれか1つに記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  7. 前記光記録領域及び前記分析領域が、前記ディスク状の基板の同一面に形成されている、請求項1〜6のいずれか一つに記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  8. 前記光記録領域に形成される光記録層が追記型記録層である、請求項1〜7のいずれか一つに記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体。
  9. 請求項1〜8のいずれか1つに記載のマイクロキャピラリーを有するディスク状光記録媒体と、このディスク状光記録媒体を支持して回転させるターンテーブルと、このディスク状光記録媒体にレーザ光を照射するレーザ光照射手段と、前記光記録媒体の前記光記録領域に照射されたレーザ光の反射光を受光するレーザ光受光手段と、前記光記録媒体の前記分析領域に照射されたレーザ光によって形成される画像を検出する画像検出手段とを備えていることを特徴とする試料分析装置。
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