JP3672715B2 - マスクホルダー付き転写マスク及び転写マスク用ホルダー - Google Patents

マスクホルダー付き転写マスク及び転写マスク用ホルダー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子線露光、イオンビーム露光、X線露光などに用いられる転写マスクを描画装置に搭載する際に使用されるマスクホルダー等に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、次世代のサブハーフミクロン領域またはクオーターミクロン領域の超微細化素子等の製造技術として、電子線リソグラフィー、イオンビームリソグラフィー、X線リソグラフィー等が注目されているが、いずれが量産技術として主流となるかは未だ不透明な状況にある。
【0003】
この中で、電子ビームを用いた電子ビーム露光については、従来から、電子線(細いビームスポット)で露光パターンを走査して描画を行う直接描画方式(いわゆる一筆書き方式)と呼ばれる露光方法が実用化されているが、この方法は、超微細パターンの描画が可能であるが、露光時間が極端に長く低スループットであることから、メモリーなどの量産のLSIの製造には不向きであり、LSI量産技術としては主役になり得ないとみられていた。
【0004】
ところが、近年、露光パターン中に繰り返して現れる種々の要素的パターンを、マスクを用いた転写方式で部分的に一括露光できるようにし、これら種々の要素的パターン転写を組み合わせることによって所望のパターンの露光を迅速に行えるようにした、部分一括露光(ブロック露光あるいはセルプロジェクション露光という場合もある)と呼ばれる描画方式が提案され、描画時間が短く量産性があり超微細パターンの描画が可能であることから、次世代LSI技術として急浮上し脚光を浴びている。
【0005】
この方法に用いられるマスクは、通常、多数の互いに異なる要素的パターンを1枚のマスクに形成したものであり、このマスクを用いた露光は、要素的パターン(開口)で電子ビームを成形して所定の区画(ブロックまたはセル)を部分的に一括して露光し、一つの要素的パターンの転写が終了すると、電子ビームを偏向させるかもしくはマスクを移動させるかあるいはその双方を行うなどして次の要素的パターンの転写を行い、この操作を繰り返して描画を行うようにしている。
【0006】
ところで、上述の電子ビームによる部分一括露光等の荷電粒子線露光に用いられる荷電粒子線露光用マスクは、一般に、支持枠部に支持された薄膜部に荷電粒子線を通過させる貫通パターン(開口)を形成した、いわゆる穴あきマスク(ステンシルマスク;Stencil mask)である。すなわち、荷電粒子線を良好に透過する物質は存在せず、荷電粒子線を通過させる部分にはいかなる物質も介在させることができないので、この部分は貫通されていなければならない。また、この貫通パターンを厚い基板等に形成すると、通過する荷電粒子線が貫通パターンの側壁の影響を受けて正確な転写ができなくなるので、貫通パターンを形成する部分(開口パターン形成領域)は薄膜としなければならない。また、薄膜を平面精度を保って支持するためには所定の強度を有する支持枠部が必要となる。
【0007】
このような部分一括露光等に用いられる転写マスクは、従来より種々の方法で作製されているが、加工性や強度の点からシリコン基板(市販のシリコンウエハ等)をリソグラフィー技術やマイクロマシン加工技術を利用して作製するのが一般的である。具体的には、例えば、シリコン基板裏面を、エッチング加工して支持枠部とこの支持枠部に支持された薄膜部を形成し、この薄膜部に貫通孔を形成して転写マスクを作製する。
【0008】
またこの場合、基板として、二枚のシリコン板をSiO2層を介して貼り合わせた構造のSOI(Silicon on Insulator)基板を用い、SiO2層をエッチング停止層(エッチングストッパー層)としてシリコン薄膜部を形成する方法(特開平6−130655号等)が多く使用されている。
【0009】
ここで、上述した部分一括露光等に用いられる転写マスクは、外形寸法が10〜20mm□程度と小さく、ハンドリングが容易でない。また、これら転写マスクは、一般的にシリコン単結晶基板等にマイクロマシン加工技術を施して作製されており、薄膜部と支持枠部が一体となった構造であるため、外的な衝撃に非常に弱い。
【0010】
そこで、通常、転写マスクを金属良導体からなるマスクホルダーにマウントして、これらの問題に対処しており、これにより、ハンドリングを容易にし、転写マスクを外的な衝撃から保護している。また、この転写マスクをマウントしたマスクホルダーはそのまま電子線露光装置等に装着されて使用され、電子ビーム照射時に転写マスクに生じる熱や電荷をマスクホルダーを通じて逃がす放熱作用および帯電防止(チャージアップ防止)作用を果たす。
【0011】
転写マスクをマウントしたマスクホルダーの従来例(特開平9−92610号公報)を図5に示す。同図において、転写マスク10の開口13を除く転写マスクの外郭面には、この外郭面と接触するマスクホルダーが設けられている。詳しくは、転写マスク10の開口パターン14の上部には接着剤21を介して上部マスクホルダー2が接触し、開口パターン14の下部には接着剤21を介して下部マスクホルダー3が接触する構造となっている。また、上部マスクホルダー2及び下部マスクホルダー3における開口13に対応する部分には貫通孔(逃穴)7が形成してある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例に示したマスクホルダーには、以下に示す問題がある。
【0013】
まず、開口パターンの上下にマスクホルダーが接触する構造とするため、マスクホルダーにおいて開口に対応する部分に貫通孔(逃穴)を形成する必要があるが、この貫通孔の位置精度及び形状精度には高い精度が要求されるため、貫通孔の形成が煩雑であり、コスト高となる。
【0014】
また、マスクホルダーに形成された貫通孔の位置精度及び形状精度が満たされたとしても、転写マスクをマスクホルダーにマウントする際に、開口と貫通孔との位置合わせ(アライメント)を高精度に行うことが要求されるため、マウント作業が煩雑である。高価で作製が難しい良品の転写マスクをマスクホルダーにマウントする際にマウント不良により無駄にすることは大きな損失となる。
【0015】
さらに、開口パターンの上下にマスクホルダーが接触する構造であること、及び開口パターン形成領域は薄膜部(メンブレン)であることから、薄膜部に歪みやゆがみを生じ、転写精度に悪影響を及ぼす。また、薄膜部である開口パターン形成領域にマスクホルダーが接触する構造であるため、転写マスクが容易に破損しやすい構造である。
【0016】
本発明は上述した問題点にかんがみてなされたものであり、マスクホルダーの作製が容易であり、マウント作業が容易であるとともに、マウントにより転写精度に悪影響を及ぼす恐れがなく、転写マスクが破損しにくい構造を有する転写マスク用ホルダーの提供を目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の転写マスク用ホルダーは、支持枠部に支持された薄膜部に開口を形成してなる転写マスクにおける開口パターン形成領域の上部及び/又は下部を除く転写マスクの外郭面を包囲する構造を有するとともに転写マスクの上面及び底面と接触する構造を有する構成としてある。
【0018】
また、本発明の転写マスク用ホルダーは、上記本発明の転写マスク用ホルダーにおいて、
前記ホルダーが、少なくとも、上部ホルダー及び下部ホルダーで構成されているか、あるいは上部ホルダー、中間ホルダー及び下部ホルダーで構成されている構成、
前記ホルダーが、銀及び/又は銅を組成中に50wt%以上含む材料からなる構成、
上部ホルダーが開口パターン形成領域を除く転写マスクの上面と密着するとともに、上部ホルダーを転写マスクの上面と密着させる距離が転写マスクの厚さより大きい構成、
下部ホルダーに上部ホルダーを固定する方法が、固定用ねじを用いた方法か、あるいは、下部ホルダーに上部ホルダー自体をねじ込み方式でねじ込む方法である構成、
上部ホルダーと下部ホルダーとの接合面、上部ホルダーと中間ホルダーと下部ホルダーとの各接合面、転写マスクの底面とホルダーとの接触面、転写マスクの上面とホルダーとの接触面、のうちのいずれか一以上の面に緩衝材料層を介在させる構成、
緩衝材料層が、金属又は合金からなる構成、あるいは、
前記ホルダーが、SOI基板を加工して形成された転写マスク用のホルダーである構成としてある。
【0019】
【作用】
本発明のマスクホルダーは、開口パターンの上下にマスクホルダーが接触しない構造としてあるため、マスクホルダーに貫通孔を形成する必要がなく、マスクホルダーの作製が容易である。
【0020】
また、マスクホルダーに貫通孔を形成していないので、転写マスクをマスクホルダーにマウントする際に、開口と貫通孔との位置合わせを行う必要がなく、マウント作業が容易であるとともに、マウント作業の失敗が非常に少ない。
【0021】
さらに、薄膜部(メンブレン)からなる開口パターンの上下にマスクホルダーが接触しない構造であることから、薄膜部に歪みやゆがみを生じ、転写精度に悪影響を及ぼす恐れがない。また、薄膜部である開口パターン形成領域にマスクホルダーが接触しない構造であるため、転写マスクが破損しにくい構造である。
【0022】
また、ホルダー材料の硬度がシリコンと同レベルであるため、固定時に転写マスクにキズを生じにくいので、SOI基板等を加工して形成された転写マスク用のホルダーとして好適に使用できる。
【発明の実施の形態】
次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0023】
図1は本発明の転写マスク用ホルダーの第一の実施の形態を示す断面図である。同図に示すように、転写マスク用ホルダー1は、上部ホルダー2及び下部ホルダー3で構成されている。下部ホルダー3には荷電粒子線通過用の開口部3aが形成してある。
【0024】
転写マスク用ホルダー1は、支持枠部11に支持された薄膜部12に開口13を形成してなる転写マスク10における開口パターン形成領域(描画パターン領域)15の上部及び下部を除く転写マスク10の外郭面を包囲する構造を有する。すなわち、本発明のマスクホルダーは、開口パターン14の上下にマスクホルダーが接触しない構造としてある。したがって、マスクホルダーに開口13に対応した貫通孔を形成する必要がなく、マスクホルダーの作製が容易である。また、転写マスクをマスクホルダーにマウントする際に、開口と貫通孔との位置合わせを行う必要がなく、マウント作業が容易であるとともに、マウント作業の失敗が少ない。さらに、薄膜部(メンブレン)からなる開口パターンの上下にマスクホルダーが接触しない構造であることから、薄膜部に歪みやゆがみを生じ、転写精度に悪影響を及ぼす恐れがない。また、薄膜部である開口パターン形成領域にマスクホルダーが接触しない構造であるため、転写マスクが破損しにくい構造である。
【0025】
また、転写マスク用ホルダー1は、転写マスク10の上面16及び底面17と接触する構造を有する。この接触によって、荷電粒子線照射時に転写マスクに生じる熱や電荷をマスクホルダーを通じて逃がす放熱作用及び帯電防止(チャージアップ防止)作用を果たす。
【0026】
この場合、上部ホルダー2が開口パターン形成領域15を除く転写マスクの上面16と密着するとともに、上部ホルダー2が転写マスクの上面16と密着する距離sを転写マスクの厚さtより大きくすることが、薄膜部(メンブレン)や転写マスク全体の歪み発生の低減化の観点から好ましい。
上部ホルダー2と下部ホルダー3との結合は、下部ホルダー3に固定用ねじ4を用いて上部ホルダー2を固定している。この場合、締め付け力を一様にするため、少なくとも2点以上好ましくは3点以上の箇所でねじ止めすることが望ましい。
【0027】
マスクホルダーの形成材料としては、熱伝導性、電気伝導性、機械加工特性などの観点から、銀及び/又は銅を組成中に50wt%以上含む材料(例えば、銀、銅、銀−銅合金、リン青銅など)等が好ましい。
また、マスクホルダーは、銀、銅、銀−銅合金、パラジウム、非磁性ステンレス、タンタル、タングステン、モリブデン、ジルコニウムのいずれかで形成され、かつ、マスクホルダーの表面酸化を防止するため、マスクホルダー全面に貴金属層をオーバーコートしたものであってもよい。
【0028】
図2は本発明の転写マスク用ホルダーの第二の実施の形態を示す断面図である。同図に示す転写マスク用ホルダーは、下部ホルダー3に上部ホルダー2をねじ構造部5を介してねじ込む方式で、下部ホルダー3に上部ホルダー2を固定する方法を採用している。この方法を用いると、締め付け力が一様となり、かつ、締め付け力の調整が容易となる。その他の点は前述の実施の形態と同様である。
【0029】
図3は本発明の転写マスク用ホルダーの第三の実施の形態を示す断面図である。同図に示す転写マスク用ホルダーは、上部ホルダー2と下部ホルダー3との接合面、及び転写マスクの底面とホルダーとの接触面に緩衝材料層20を介在させている。
この緩衝材料層は、固定時のストレス緩和の役割とクッションの役割と接触面積拡大の役割を果たす。
なお、転写マスクの上面とホルダーとの接触面、あるいは、上部ホルダーと中間ホルダーと下部ホルダーとの各接合面、に緩衝材料層20を上記と同様の理由から介在させることができる。
【0030】
緩衝材料層は、熱的、電気的特性の観点から金属又は合金からなることが好ましい。なお、転写マスクとホルダーとを接着剤を介して接着すると、転写マスクの交換が困難となるので好ましくない。
【0031】
緩衝材料層を構成する金属又は合金としては、Al、Auや、Su、In、Zn、Bi、Pbなどの低融点金属、またはこれらの金属を少なくとも一種以上含む合金等が挙げられる。合金の具体例としては、例えば、Au−Sn、Au−In、Sn−Sb、Ag−Sn、Ag−Inなどが挙げられる。
また、緩衝材を加工後に、さらにやわらかくしたい場合には、低酸素あるいは真空中でアニールすればよい。
【0032】
緩衝材料層の形成方法は特に制限されないが、例えば、緩衝材料層は、低融点金属材料からなる金属箔を作製し、加熱により金属箔を部分溶融して形成できる。また、緩衝材料層は、部分スパッタ、部分メッキ、部分蒸着法などを用いて低融点金属からなる層を形成しておき、この低融点金属層を加熱により溶融して、形成することもできる。
なお、その他の点は前述の実施の形態と同様である。
【0033】
図4は本発明の転写マスク用ホルダーの第四の実施の形態を示す断面図である。同図に示す転写マスク用ホルダーは、上部ホルダー2、中間ホルダー6及び下部ホルダー3で構成されている。その他の点は前述の実施の形態と同様である。このように、中間ホルダー6を採用することで、ホルダーの加工性を容易にでき、かつ、加工精度を向上することが可能である。
【0034】
なお、上述した本発明の転写マスク用ホルダーは、ホルダー材料の硬度がシリコンと同レベルであるため、固定時に転写マスクにキズを生じにくいので、SOI基板等を加工して形成された転写マスク用のホルダーとして好適に使用できる。
【0035】
【実施例】
以下、実施例にもとづき本発明をさらに詳細に説明する。
【0036】
実施例1
図1に示すマスクホルダーを作製した。マスクホルダーの材料はAgとした。マスクホルダーの作製は0.5時間程度で容易に行うことができた。
マスクホルダーへの転写マスク(SOI基板を加工して形成された転写マスク)のマウント作業を90組行ったがマウント不良となったものはなかった。また、マウントに要する全作業は、1組当たり2〜3分程度と短時間で容易に行うことができた。さらに、得られた転写マスク搭載マスクホルダーの放熱作用及び帯電防止(チャージアップ防止)作用、並びに転写精度を調べたところ優れていることを確認した。
【0037】
比較例1
図5に示すマスクホルダーを作製した。マスクホルダーの材料はリン青銅とした。マスクホルダーの作製は1.5時間程度かかり、作製作業も煩雑であった。
マスクホルダーへの転写マスク(SOI基板を加工して形成された転写マスク)のマウント作業を10組行ったがそのうちの9組はマウント不良となった。また、マウントに要する全作業は、210分程度かかり、マウント作製も煩雑であった。さらに、描画を行うと、ビーム照射部に歪みが安易に生じてしまい、それ以降正確な描画が不可能であった。
【0038】
以上、実施例をあげて本発明を説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではない。
【0039】
例えば、転写マスクやマスクホルダーの形状等は特に限定されず、正方形、矩形、円形形状などとすることができる。
【0040】
なお、本発明の転写マスク用ホルダーは、電子線露光マスクの他、イオンビーム露光用マスクやX線露光用マスク等のマスクホルダーとしても使用できる。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の転写マスク用ホルダーは、開口パターンの上下にマスクホルダーが接触しない構造としてあるため、マスクホルダーに貫通孔を形成する必要がなく、マスクホルダーの作製が容易である。
【0042】
また、マスクホルダーに貫通孔を形成していないので、転写マスクをマスクホルダーにマウントする際に、開口と貫通孔との位置合わせを行う必要がなく、マウント作業が容易であるとともに、マウント作業の失敗が非常に少ない。
【0043】
さらに、薄膜部(メンブレン)からなる開口パターンの上下にマスクホルダーが接触しない構造であることから、薄膜部に歪みやゆがみを生じ、転写精度に悪影響を及ぼす恐れがない。また、薄膜部である開口パターン形成領域にマスクホルダーが接触しない構造であるため、転写マスクが破損しにくい構造である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転写マスク用ホルダーの第一の実施の形態を示す断面図である。
【図2】本発明の転写マスク用ホルダーの第二の実施の形態を示す断面図である。
【図3】本発明の転写マスク用ホルダーの第三の実施の形態を示す断面図である。
【図4】本発明の転写マスク用ホルダーの第四の実施の形態を示す断面図である。
【図5】従来の転写マスク用ホルダーの一例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 転写マスク用ホルダー
2 上部ホルダー
3 下部ホルダー
3a 荷電粒子線通過用の開口部
4 固定用ねじ
5 ねじ構造部
6 中間ホルダー
10 転写マスク
11 支持枠部
12 薄膜部
13 開口
14 開口パターン
15 開口パターン形成領域
16 転写マスクの上面
17 転写マスクの底面
20 緩衝材料層

Claims (7)

  1. シリコンからなる支持枠部と、該支持枠部に支持されたシリコンからなる薄膜部と、前記支持枠部と前記薄膜部との間に形成されたSiO層とを有し、前記薄膜部に開口パターンを形成してなる転写マスクと、
    前記転写マスクの少なくとも前記薄膜部における開ロパターン形成領域の上部及び下部を除く転写マスクの外郭面を包囲するとともに該転写マスクの上面及び底面にそれぞれ接触し、電子線照射時に転写マスクに生じる熱や電荷を逃がす放熱作用及び帯電防止作用を有する上部ホルダー及び下部ホルダーを有し、前記転写マスクの上面と前記上部ホルダーとが密着する前記転写マスクの上面外周端から中心方向への距離sが、転写マスクの厚さtよりも大きくなるように前記転写マスクの上面と前記上部ホルダーとが密着するマスクホルダーと
    を有し、
    前記転写マスクは、前記マスクホルダーに装着された状態で電子線露光装置に装着され、使用されることを特徴とするマスクホルダー付き転写マスク。
  2. 前記上部ホルダーと前記下部ホルダーとの間に、中間ホルダーを有することを特徴とする請求項1記載のマスクホルダー付き転写マスク。
  3. 前記ホルダーが、銀及び/又は銅を組成中に50wt%以上含む材料からなることを特徴とする請求項1又は2記載のマスクホルダー付き転写マスク。
  4. 前記上部ホルダーと前記下部ホルダーとを固定する手段を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のマスクホルダー付き転写マスク。
  5. 前記上部ホルダーと前記下部ホルダーとを固定する手段は、固定用ねじを用いた方法か、あるいは、下部ホルダーに上部ホルダー自体をねじ込み方式でねじ込む方法であることを特徴とする請求項4に記載のマスクホルダー付き転写マスク
  6. 上部ホルダーと下部ホルダーとの接合面、上部ホルダーと中間ホルダーと下部ホルダーとの各接合面、転写マスクの底面とホルダーとの接触面、転写マスクの上面とホルダーとの接触面、のうちのいずれか一以上の面に緩衝材料層を介在させることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のマスクホルダー付き転写マスク。
  7. 前記緩衝材料層が、金属又は合金からなることを特徴とする請求項6記載のマスクホルダー付き転写マスク。
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