JP3671696B2 - 陰極線管の製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン用受像機、コンピュータディスプレイ等に用いられる陰極線管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の陰極線管の製造方法におけるガラスパネルの蛍光体面形成工程では、ウォール部を有するガラスパネルの内面に蛍光体面形成用塗液を塗布した後、図6に示すように、ガラスパネル1の内面2を下方に向け、次にガラスパネル1を矢印B方向に下降させ、ウォール部3の端面3aをパネル支持台4の平面部4aに載置した後、ガラスパネル内面2に塗布された蛍光体面形成用塗液5をヒータ6により乾燥していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の陰極線管の製造方法では、ガラスパネル1をパネル支持台4に載置する際、ガラスパネル1を矢印B方向に下降させ、ウォール部端面3aをパネル支持台4の平面部4aに載置する載置速度が速いと、ウォール部端面3aに垂れ下がった状態で付着した塗液5が、ウォール部端面3aとパネル支持台平面部4aとの間で挟まれ、その間で挟まれた圧力により、矢印c方向に飛散してパネル内面2に付着するため、パネル内面2上に形成される蛍光体の塗布むらとなる。その結果、パネル内面2上に形成された蛍光体層の厚みが不均一になり、そのガラスパネル1を用いた陰極線管では、輝度むらが発生するという問題があった。
【0004】
また、ガラスパネル1の載置速度を遅くするとパネル内面2への塗液5の飛散を低減することができるが、ガラスパネル1の載置時間が長くなり、ガラスパネル1に蛍光体層を形成するための時間を要する。すなわち、蛍光体層が形成されたガラスパネル1の生産性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、蛍光体層が形成されたガラスパネルの生産性を低下させることなく、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際、ウォール部端面に付着した塗液の飛散を低減し、パネル内面上に均一な蛍光体層を形成することができる陰極線管の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の陰極線管の製造方法は、ウォール部を有するガラスパネルの内面に蛍光体面形成用塗液を塗布する塗布工程と、その後、前記ガラスパネルの内面を下方に向け、かつ前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部をパネル支持台に載置した後、前記ガラスパネルの内面の前記塗液を乾燥する乾燥工程とを備えた陰極線管の製造方法であって、前記パネル支持台は、前記ガラスパネルの外から内方向に向かって下側に傾斜する支持部を有し、前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部のみが前記支持部と接していることを特徴とする。
【0007】
この方法により、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際、ウォール部端面に付着した塗液がウォール部端面とパネル支持台との間で挟まれにくくなり、その間で挟まれた圧力による塗液の飛散を低減することができる。
【0008】
また、本発明の陰極線管の製造方法は、パネル支持台に、ウォール部に付着した不要の蛍光体面形成用塗液を吸引除去する吸引手段を設けている。
【0009】
この方法により、ウォール部に付着した不要の蛍光体面形成用塗液が吸引除去され、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際のウォール部端面に付着した塗液の飛散をさらに低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図3に示す本発明の陰極線管の製造方法により製作された陰極線管のガラスパネル7は、その内面8(以下、パネル内面8という)に蛍光体9が形成された表示部10と、シャドウマスクを支持するための支持ピンを有するウォール部11とから構成されている。
【0012】
本発明の第1の実施形態における陰極線管の製造方法は、図4に示すように、ガラスパネル7を洗浄する洗浄工程12と、パネル内面8に蛍光体形成用塗液13を塗布する塗布工程14と、その後、パネル内面8を下方に向け、かつガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置した後、パネル内面8の塗液13を乾燥する乾燥工程16と、その後、シャドウマスクをウォール部11に取付け、パネル内面8に赤・青・緑の各色蛍光体を形成するよう露光する露光工程17と、その後、現像してパネル内面8に各色蛍光体9を形成する現像工程18とを備えている。
【0013】
ここで、本発明の第1の実施形態における塗布工程14および乾燥工程16は、図1に示すように行われる。
【0014】
塗布工程14では、図1(a)に示すように、パネル内面8を下方に向け、ガラスパネル7の中央部を回転軸Yとし、ガラスパネル7を所定の回転数で回転させながらパネル内面8にノズル19を介して、ポリビニルアルコール・アジド系感光液(PVA−ADC感光液)、或いはポリビニルピロリドン・アジド系感光液(PVP感光液)等からなる蛍光体面形成用塗液13を吹き付け、パネル内面8に塗液13を均一に塗布する。次に、ガラスパネル7の外面を例えば吸着盤20で吸着して、図1(b)に示すように、ガラスパネル7を乾燥工程16まで移動する。
【0015】
乾燥工程16では、図1(b)に示すように、吸着盤20により、パネル内面8を下方に向けた状態でガラスパネル7を移動し、ガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置する。その後、パネル支持台15を介してパネル内面8と対向する位置に設けられたヒータ24により、パネル内面8の塗液13を乾燥している。
【0016】
パネル支持台15は、少なくとも平面状部15aがガラスパネル7より柔らかく、かつ耐熱性および耐薬品性を有する例えばフッ素樹脂等で形成されると共に図1(b)および図2に示すように、ガラスパネル7の2つの長辺側にそれぞれ2つ設けている。また、パネル支持台15は、ウォール部稜線部11aと接触する面が平面状に形成され、その平面状部15aが外から内方向Aに向かって下側に傾斜している。すなわち、ウォール部端面11bに対して角度θで傾斜しており、好ましくは、その傾斜角度θを15°〜75°に設定している。それは、傾斜角度θが10°以下ではウォール部端面11bに付着した塗液13が飛散することがあり、また傾斜角度θが80°以上ではパネル支持台15にガラスパネル7を載置した時、水平面に対しパネル内面8が傾斜しやすくなり、その結果、パネル内面8上に不均一な蛍光体9層が形成されることがあるからである。
【0017】
ヒータ24は、パネル内面8の中央部と対向する位置で2分された面ヒータで構成されている。
【0018】
次に、上記本発明の第1の実施の形態の作用効果について説明する。
本発明の第1の実施の形態における陰極線管の製造方法は、ウォール部11を有するパネル内面8に蛍光体面形成用塗液13を塗布した後、ガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置することで、ウォール部端面11bに付着した塗液13がウォール部端面11bとパネル支持台15の平面状部15aとの間で挟まれにくくなり、その間で挟まれた圧力による塗液13の飛散を低減することができる。その結果、パネル内面8上に均一な蛍光体9層が形成され、そのガラスパネル7を用いた陰極線管では、輝度むらを低減することができる。
【0019】
また、前記のように塗液13の飛散を低減することができるので、ガラスパネル1の載置速度を速くすることができる。すなわち、ガラスパネル1に蛍光体9層を形成するための時間を短縮することができ、蛍光体9層が形成されたガラスパネル7の生産性を向上することができる。発明者らの実験によると、本発明の第1の実施形態におけるガラスパネル7の載置時間(塗布工程終了後において、ガラスパネル7を吸着盤20で吸着してから、乾燥工程16まで移動し、パネル支持台15に載置するまでの時間)は、平均15秒であった従来技術に対し、平均10秒であった。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態を示し、この実施形態は、上記第1の実施の形態とは、パネル支持台15に、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13を吸引除去する吸引手段25を設けている点が相違している。この吸収手段19は、例えば、ウォール部稜線部11aと当接するパネル支持台15の中央部に通気道21を設け、通気道21を介して真空吸引機22により、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13を吸引除去している。
【0021】
この実施形態によれば、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13が吸引除去されるので、ガラスパネル7をパネル支持台15に載置する際のウォール部端面11bに付着した塗液13の飛散をさらに低減することができる。
【0022】
また、ウォール部端面11bとパネル支持台平面状部15aとの間の塗液13も除去されているので、乾燥工程16を終えた際、ウォール部端面11bを含むガラスパネル7には未乾燥状態の塗液13が少なくなる。その結果、例えば、次の露光工程17において、ガラスパネル7を露光台に設置する際、未乾燥状態の塗液13が落下して補正レンズ等を汚したり、またシャドウマスクを装着する際、未乾燥状態の塗液13がシャドウマスクに付着してマスク汚れを起こしたりするという問題の発生も低減することができる。
【0023】
なお、上記第1および第2の実施の形態では、パネル内面8の塗液13を乾燥する乾燥工程16を、PVA−ADC感光液、或いはPVP感光液の塗布工程14後に設けたもので説明したが、これに限らず、上記乾燥工程16を、図5に示す現像工程18における、カーボン粒子液を塗布するダック塗布工程後、または感光体粒子とPVAとの混合液を塗布する蛍光体塗布工程後の乾燥工程等に用いてもよい。また、蛍光体面形成用塗液13は、上記説明から明らかなように、感光液の塗布工程14では、PVA−ADC感光液、或いはPVP感光液であり、ダック塗布工程ではカーボン粒子液であり、蛍光体塗布工程では、感光体粒子とPVAとの混合液である。
【0024】
パネル支持台15は、平面状に形成され、その平面状部15aにウォール部稜線部11aが支持されるようにしたもので説明したが、これに限らず、ウォール部稜線部11aで切ったパネル支持台の断面が、円弧状、三角形状等で形成されたもの(パネル支持台15は、線状に形成され、その線状部にウォール部稜線部11aが支持されるようにしたもの)或いは、鋸刃状、波状等の凹凸状に形成されたものでもよい。また、パネル支持台15は、ガラスパネル7の2つの長辺にそれぞれ2つ設けたもので説明したが、これに限らず、ガラスパネル7の短辺にそれぞれ2つ設けたもの、ガラスパネル7の長辺と短辺とにそれぞれ1つまたは2つ以上設けたもの、或いは、ガラスパネル7の長辺および短辺の全周にわたって1つの支持台として設けたもの等でもよい。
【0025】
ガラスパネル7に塗布された塗液13の乾燥は、ヒータ24を用いたものについて説明したが、これに限らず、ヒータ24に代え、パネル内面8の中央部にノズルを介して空気または加熱空気等を吹き付けするものでもよく、また、図1(b)に示すように、2分割された面ヒータの間に、一点鎖線で示すノズル23を挿入してパネル内面8にノズルを介して空気または加熱空気等を吹き付けする、ヒーターと空気または加熱空気の吹き付けとの組み合わせでもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の陰極線管の製造方法は、ウォール部を有するパネル内面に蛍光体面形成用塗液を塗布した後、ガラスパネル外面側のウォール部稜線部をパネル支持台に載置することで、蛍光体層が形成されたガラスパネルの生産性を低下させることなく、パネル内面上に均一な蛍光体層を形成することができる。そして、そのガラスパネルを用いた陰極線管では、輝度むらを低減することができる。
【0027】
また、パネル支持台に設けられた吸引手段により、ウォール部端面に付着した不要の蛍光体面形成用塗液が吸引除去されるので、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際のウォール部端面に付着した蛍光体面形成用塗液の飛散をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の陰極線管の製造方法を示し、
(a)は塗布工程を説明するための要部断面図
(b)は乾燥工程を説明するための要部断面図
【図2】同製造方法における乾燥工程を説明するための平面図
【図3】同製造方法により製作された陰極線管のガラスパネルを示す要部断面図
【図4】同本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造方法を示すブロック図
【図5】本発明の第2の実施形態の陰極線管の製造方法における乾燥工程を説明するための要部断面図
【図6】従来の陰極線管の製造方法における乾燥工程を説明するための要部断面図
【符号の説明】
7 ガラスパネル
7a ガラスパネル7の外面側
8 パネル内面
11 ウォール部
11a ウォール部稜線部
12 洗浄工程
13 蛍光体面形成用塗液
14 塗布工程
15 パネル支持台
16 乾燥工程
17 露光工程
18 現像工程
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレビジョン用受像機、コンピュータディスプレイ等に用いられる陰極線管の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の陰極線管の製造方法におけるガラスパネルの蛍光体面形成工程では、ウォール部を有するガラスパネルの内面に蛍光体面形成用塗液を塗布した後、図6に示すように、ガラスパネル1の内面2を下方に向け、次にガラスパネル1を矢印B方向に下降させ、ウォール部3の端面3aをパネル支持台4の平面部4aに載置した後、ガラスパネル内面2に塗布された蛍光体面形成用塗液5をヒータ6により乾燥していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来の陰極線管の製造方法では、ガラスパネル1をパネル支持台4に載置する際、ガラスパネル1を矢印B方向に下降させ、ウォール部端面3aをパネル支持台4の平面部4aに載置する載置速度が速いと、ウォール部端面3aに垂れ下がった状態で付着した塗液5が、ウォール部端面3aとパネル支持台平面部4aとの間で挟まれ、その間で挟まれた圧力により、矢印c方向に飛散してパネル内面2に付着するため、パネル内面2上に形成される蛍光体の塗布むらとなる。その結果、パネル内面2上に形成された蛍光体層の厚みが不均一になり、そのガラスパネル1を用いた陰極線管では、輝度むらが発生するという問題があった。
【0004】
また、ガラスパネル1の載置速度を遅くするとパネル内面2への塗液5の飛散を低減することができるが、ガラスパネル1の載置時間が長くなり、ガラスパネル1に蛍光体層を形成するための時間を要する。すなわち、蛍光体層が形成されたガラスパネル1の生産性が低下するという問題があった。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、蛍光体層が形成されたガラスパネルの生産性を低下させることなく、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際、ウォール部端面に付着した塗液の飛散を低減し、パネル内面上に均一な蛍光体層を形成することができる陰極線管の製造方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の陰極線管の製造方法は、ウォール部を有するガラスパネルの内面に蛍光体面形成用塗液を塗布する塗布工程と、その後、前記ガラスパネルの内面を下方に向け、かつ前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部をパネル支持台に載置した後、前記ガラスパネルの内面の前記塗液を乾燥する乾燥工程とを備えた陰極線管の製造方法であって、前記パネル支持台は、前記ガラスパネルの外から内方向に向かって下側に傾斜する支持部を有し、前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部のみが前記支持部と接していることを特徴とする。
【0007】
この方法により、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際、ウォール部端面に付着した塗液がウォール部端面とパネル支持台との間で挟まれにくくなり、その間で挟まれた圧力による塗液の飛散を低減することができる。
【0008】
また、本発明の陰極線管の製造方法は、パネル支持台に、ウォール部に付着した不要の蛍光体面形成用塗液を吸引除去する吸引手段を設けている。
【0009】
この方法により、ウォール部に付着した不要の蛍光体面形成用塗液が吸引除去され、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際のウォール部端面に付着した塗液の飛散をさらに低減することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0011】
図3に示す本発明の陰極線管の製造方法により製作された陰極線管のガラスパネル7は、その内面8(以下、パネル内面8という)に蛍光体9が形成された表示部10と、シャドウマスクを支持するための支持ピンを有するウォール部11とから構成されている。
【0012】
本発明の第1の実施形態における陰極線管の製造方法は、図4に示すように、ガラスパネル7を洗浄する洗浄工程12と、パネル内面8に蛍光体形成用塗液13を塗布する塗布工程14と、その後、パネル内面8を下方に向け、かつガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置した後、パネル内面8の塗液13を乾燥する乾燥工程16と、その後、シャドウマスクをウォール部11に取付け、パネル内面8に赤・青・緑の各色蛍光体を形成するよう露光する露光工程17と、その後、現像してパネル内面8に各色蛍光体9を形成する現像工程18とを備えている。
【0013】
ここで、本発明の第1の実施形態における塗布工程14および乾燥工程16は、図1に示すように行われる。
【0014】
塗布工程14では、図1(a)に示すように、パネル内面8を下方に向け、ガラスパネル7の中央部を回転軸Yとし、ガラスパネル7を所定の回転数で回転させながらパネル内面8にノズル19を介して、ポリビニルアルコール・アジド系感光液(PVA−ADC感光液)、或いはポリビニルピロリドン・アジド系感光液(PVP感光液)等からなる蛍光体面形成用塗液13を吹き付け、パネル内面8に塗液13を均一に塗布する。次に、ガラスパネル7の外面を例えば吸着盤20で吸着して、図1(b)に示すように、ガラスパネル7を乾燥工程16まで移動する。
【0015】
乾燥工程16では、図1(b)に示すように、吸着盤20により、パネル内面8を下方に向けた状態でガラスパネル7を移動し、ガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置する。その後、パネル支持台15を介してパネル内面8と対向する位置に設けられたヒータ24により、パネル内面8の塗液13を乾燥している。
【0016】
パネル支持台15は、少なくとも平面状部15aがガラスパネル7より柔らかく、かつ耐熱性および耐薬品性を有する例えばフッ素樹脂等で形成されると共に図1(b)および図2に示すように、ガラスパネル7の2つの長辺側にそれぞれ2つ設けている。また、パネル支持台15は、ウォール部稜線部11aと接触する面が平面状に形成され、その平面状部15aが外から内方向Aに向かって下側に傾斜している。すなわち、ウォール部端面11bに対して角度θで傾斜しており、好ましくは、その傾斜角度θを15°〜75°に設定している。それは、傾斜角度θが10°以下ではウォール部端面11bに付着した塗液13が飛散することがあり、また傾斜角度θが80°以上ではパネル支持台15にガラスパネル7を載置した時、水平面に対しパネル内面8が傾斜しやすくなり、その結果、パネル内面8上に不均一な蛍光体9層が形成されることがあるからである。
【0017】
ヒータ24は、パネル内面8の中央部と対向する位置で2分された面ヒータで構成されている。
【0018】
次に、上記本発明の第1の実施の形態の作用効果について説明する。
本発明の第1の実施の形態における陰極線管の製造方法は、ウォール部11を有するパネル内面8に蛍光体面形成用塗液13を塗布した後、ガラスパネル7の外面側7aのウォール部稜線部11aをパネル支持台15に載置することで、ウォール部端面11bに付着した塗液13がウォール部端面11bとパネル支持台15の平面状部15aとの間で挟まれにくくなり、その間で挟まれた圧力による塗液13の飛散を低減することができる。その結果、パネル内面8上に均一な蛍光体9層が形成され、そのガラスパネル7を用いた陰極線管では、輝度むらを低減することができる。
【0019】
また、前記のように塗液13の飛散を低減することができるので、ガラスパネル1の載置速度を速くすることができる。すなわち、ガラスパネル1に蛍光体9層を形成するための時間を短縮することができ、蛍光体9層が形成されたガラスパネル7の生産性を向上することができる。発明者らの実験によると、本発明の第1の実施形態におけるガラスパネル7の載置時間(塗布工程終了後において、ガラスパネル7を吸着盤20で吸着してから、乾燥工程16まで移動し、パネル支持台15に載置するまでの時間)は、平均15秒であった従来技術に対し、平均10秒であった。
【0020】
図5は本発明の第2の実施の形態を示し、この実施形態は、上記第1の実施の形態とは、パネル支持台15に、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13を吸引除去する吸引手段25を設けている点が相違している。この吸収手段19は、例えば、ウォール部稜線部11aと当接するパネル支持台15の中央部に通気道21を設け、通気道21を介して真空吸引機22により、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13を吸引除去している。
【0021】
この実施形態によれば、ウォール部端面11bに付着した不要の塗液13が吸引除去されるので、ガラスパネル7をパネル支持台15に載置する際のウォール部端面11bに付着した塗液13の飛散をさらに低減することができる。
【0022】
また、ウォール部端面11bとパネル支持台平面状部15aとの間の塗液13も除去されているので、乾燥工程16を終えた際、ウォール部端面11bを含むガラスパネル7には未乾燥状態の塗液13が少なくなる。その結果、例えば、次の露光工程17において、ガラスパネル7を露光台に設置する際、未乾燥状態の塗液13が落下して補正レンズ等を汚したり、またシャドウマスクを装着する際、未乾燥状態の塗液13がシャドウマスクに付着してマスク汚れを起こしたりするという問題の発生も低減することができる。
【0023】
なお、上記第1および第2の実施の形態では、パネル内面8の塗液13を乾燥する乾燥工程16を、PVA−ADC感光液、或いはPVP感光液の塗布工程14後に設けたもので説明したが、これに限らず、上記乾燥工程16を、図5に示す現像工程18における、カーボン粒子液を塗布するダック塗布工程後、または感光体粒子とPVAとの混合液を塗布する蛍光体塗布工程後の乾燥工程等に用いてもよい。また、蛍光体面形成用塗液13は、上記説明から明らかなように、感光液の塗布工程14では、PVA−ADC感光液、或いはPVP感光液であり、ダック塗布工程ではカーボン粒子液であり、蛍光体塗布工程では、感光体粒子とPVAとの混合液である。
【0024】
パネル支持台15は、平面状に形成され、その平面状部15aにウォール部稜線部11aが支持されるようにしたもので説明したが、これに限らず、ウォール部稜線部11aで切ったパネル支持台の断面が、円弧状、三角形状等で形成されたもの(パネル支持台15は、線状に形成され、その線状部にウォール部稜線部11aが支持されるようにしたもの)或いは、鋸刃状、波状等の凹凸状に形成されたものでもよい。また、パネル支持台15は、ガラスパネル7の2つの長辺にそれぞれ2つ設けたもので説明したが、これに限らず、ガラスパネル7の短辺にそれぞれ2つ設けたもの、ガラスパネル7の長辺と短辺とにそれぞれ1つまたは2つ以上設けたもの、或いは、ガラスパネル7の長辺および短辺の全周にわたって1つの支持台として設けたもの等でもよい。
【0025】
ガラスパネル7に塗布された塗液13の乾燥は、ヒータ24を用いたものについて説明したが、これに限らず、ヒータ24に代え、パネル内面8の中央部にノズルを介して空気または加熱空気等を吹き付けするものでもよく、また、図1(b)に示すように、2分割された面ヒータの間に、一点鎖線で示すノズル23を挿入してパネル内面8にノズルを介して空気または加熱空気等を吹き付けする、ヒーターと空気または加熱空気の吹き付けとの組み合わせでもよい。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の陰極線管の製造方法は、ウォール部を有するパネル内面に蛍光体面形成用塗液を塗布した後、ガラスパネル外面側のウォール部稜線部をパネル支持台に載置することで、蛍光体層が形成されたガラスパネルの生産性を低下させることなく、パネル内面上に均一な蛍光体層を形成することができる。そして、そのガラスパネルを用いた陰極線管では、輝度むらを低減することができる。
【0027】
また、パネル支持台に設けられた吸引手段により、ウォール部端面に付着した不要の蛍光体面形成用塗液が吸引除去されるので、ガラスパネルをパネル支持台に載置する際のウォール部端面に付着した蛍光体面形成用塗液の飛散をさらに低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の陰極線管の製造方法を示し、
(a)は塗布工程を説明するための要部断面図
(b)は乾燥工程を説明するための要部断面図
【図2】同製造方法における乾燥工程を説明するための平面図
【図3】同製造方法により製作された陰極線管のガラスパネルを示す要部断面図
【図4】同本発明の第1の実施形態の陰極線管の製造方法を示すブロック図
【図5】本発明の第2の実施形態の陰極線管の製造方法における乾燥工程を説明するための要部断面図
【図6】従来の陰極線管の製造方法における乾燥工程を説明するための要部断面図
【符号の説明】
7 ガラスパネル
7a ガラスパネル7の外面側
8 パネル内面
11 ウォール部
11a ウォール部稜線部
12 洗浄工程
13 蛍光体面形成用塗液
14 塗布工程
15 パネル支持台
16 乾燥工程
17 露光工程
18 現像工程
Claims (4)
- ウォール部を有するガラスパネルの内面に蛍光体面形成用塗液を塗布する塗布工程と、その後、前記ガラスパネルの内面を下方に向け、かつ前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部をパネル支持台に載置した後、前記ガラスパネルの内面の前記塗液を乾燥する乾燥工程とを備えた陰極線管の製造方法であって、
前記パネル支持台は、前記ガラスパネルの外から内方向に向かって下側に傾斜する支持部を有し、前記ガラスパネルの外面側のウォール部稜線部のみが前記支持部と接していることを特徴とする陰極線管の製造方法。 - パネル支持台は、平面状に形成され、その平面状部にガラスパネルの外面側のウォール部稜線部が支持されていることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
- パネル支持台は、線状に形成され、その線状部にガラスパネルの外面側のウォール部稜線部が支持されていることを特徴とする請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
- パネル支持台に、ウォール部に付着した不要の蛍光体面形成用塗液を吸引除去する吸引手段を設けていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の陰極線管の製造方法。
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