JP3032515B2 - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管の製造方法

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JP3032515B2
JP3032515B2 JP10367071A JP36707198A JP3032515B2 JP 3032515 B2 JP3032515 B2 JP 3032515B2 JP 10367071 A JP10367071 A JP 10367071A JP 36707198 A JP36707198 A JP 36707198A JP 3032515 B2 JP3032515 B2 JP 3032515B2
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延之 青木
健二 仲田
直幸 谷
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カラー受像管等の
陰極線管(以下、「CRT」という)の製造方法に関す
るものであり、特に高輝度が要求されるコンピュータモ
ニタ用CRT(以下、「CMT」という)等のガラスパ
ネル内面に均一な蛍光体膜を形成する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ビームで蛍光体を発色させ文
字や画像を表示する表示装置としては、CRTが主とし
て用いられてきた。一般に、CRTのガラスパネル内面
に形成された蛍光体膜は、赤、緑、青にそれぞれ発光す
る3種類の蛍光体絵素がブラックマトリクスと言われる
光吸収膜を介してドット状あるいはストライプ状に規則
正しく配列されている。
【0003】このような蛍光体膜を作製するためには、
CRTのガラスパネル内面に感光性樹脂膜を形成し、こ
の感光性樹脂膜の蛍光体絵素が形成される位置にフォト
リソグラフ技術を利用し、光反応性物質を塗布、露光、
現像することにより蛍光体形成部位を作製し、引き続き
ガラスパネル内面に蛍光体懸濁液を塗布し、同様のフォ
トリソグラフ技術により青色、緑色、赤色の蛍光体をそ
れぞれ形成することで得られる。
【0004】CRTの蛍光体膜を形成するための塗布プ
ロセスは、感光性樹脂に蛍光体を懸濁させた蛍光体スラ
リーを傾斜回転塗布する方法が主流であり、以下に記載
する工程が順次連続的なループ形式で行われたり、ひと
つの円周状で完結するミル形式などで行われる。
【0005】まず、蛍光体スラリーを低速回転するガラ
スパネル内面に注入する。注入された蛍光体スラリー
は、ガラスパネルの傾斜と回転によって、ゆっくりとガ
ラスパネル内面に広がり、その間に蛍光体粒子は沈降し
ていく(塗布工程)。蛍光体の塗布プロセスにおいて
は、塗布むらのない厚みの均一な蛍光体膜を得ることが
重要であり、そのために、ガラスパネルの回転周期に同
期させてガラスパネルの傾斜角を周期的に変化させる方
法(例えば、特開平3−122944号公報)や、ガラ
スパネルの回転を正回転と逆回転で行う方法(例えば、
特開平5−101775号公報)などが提案されてい
る。
【0006】塗布工程に続いて、ガラスパネルの回転を
高速にして余剰の蛍光体スラリーを振り切る工程(振り
切り工程)に移る。均一な蛍光体膜を得るためには、振
り切り時のガラスパネルの傾斜角と回転数の設定が重要
である。また、ガラスパネルを斜め上向きで振り切る方
法(例えば、特開昭55−57230号公報)や、斜め
下向きで振り切る方法(例えば、特開昭59−1862
30号公報)などが提案されている。余剰の蛍光体スラ
リーは、高速振り切り工程においてガラスパネルヘッド
とは別に設けられた外部液回収パン内に回収されたり、
あるいは回転ヘッド部のガラスパネルに固定されたステ
ージに設けられた、ガラスパネル四隅のコーナーカップ
に回収されたりする。
【0007】余剰の蛍光体スラリーを振り切った後に、
蛍光体膜は外部から赤外線ヒーターによって乾燥され
(乾燥工程)、引続きシャドウマスクをセットし、紫外
線により露光される。紫外線の照射により、感光性樹脂
と感光開始剤との間に光架橋反応が進行し、露光部は水
に不溶化する。露光後、シャドウマスクを取り外し温水
シャワーなどによって現像を行うと未露光部が水に洗い
流されて、必要な部分にのみ蛍光体パターンが形成され
る。
【0008】ところで近年、CMT用ディスプレイは、
ガラスパネルの表示面のいずれの部分においても高輝度
かつ高解像度であることが要求されている。このため、
蛍光体膜の各色の形成部位に同色のフィルターを設け、
高透過率ガラスパネルとの組合せにより高輝度と高コン
トラストを両立させたり、蛍光体膜形成に用いる蛍光体
自身に同色の微細ピグメント粒子を被覆させた顔料付き
蛍光体の顔料濃度を制御することにより反射率を改善す
る方法などが考案されている。
【0009】蛍光体膜の形成方法においても、粒子径の
大きな蛍光体粒子を使用し、発光効率を向上させる方法
や、逆に、微細粒径の蛍光体を密充填することにより高
輝度化を達成する方法などがある。粒子径の大きな蛍光
体粒子を使用する場合には、蛍光体膜形成途中における
蛍光体のいわゆるクロス現象(下地の影響による膜厚の
不均一)の発生を回避するため低速回転による乾燥方式
が採られている。一方、微細粒径の蛍光体粒子を使用す
る場合には、蛍光体粒子の効率的な回収を考慮して、中
〜高速回転乾燥方式が採用されている(例えば、特開平
3−230451号公報)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のような余剰の蛍
光体スラリーを、ガラスパネルの四隅に設けたコーナー
カップに回収する方法において、粒子径が5〔μm〕を
越える大粒子径の蛍光体を使用する場合には、ガラスパ
ネルの回転数が低すぎると遠心力の低下のため蛍光体膜
の乾燥工程において回収した蛍光体スラリーがコーナー
カップから外部へ飛散するので、これを抑制するために
ガラスパネル回転数を高くする必要がある。しかし、回
転数を高くすると前述のクロス現象が発生するという問
題があった。
【0011】逆に、クロス現象を回避するためにはガラ
スパネル回転数をできる限り低くする必要があるが、そ
うするとコーナーカップから回収した蛍光体スラリーが
外部へ飛散して周辺を汚し、半製品不良を誘発するとい
う問題がある。このように、ガラスパネル回転数につい
ては相反する要求があり、高輝度化を達成するために大
粒子径の蛍光体を用いて蛍光体膜を形成できないという
問題があった。
【0012】また、別の観点から低速回転乾燥方式で蛍
光体膜を形成する方法として、各ヘッドを間欠駆動にし
余剰の蛍光体スラリーをヘッド外部に設けられた回収パ
ンに回収させる方法があるが、設備が非常に大型化する
ことや各工程を制御するシステムが複雑化するなどの問
題があった。
【0013】そこで、本発明は、上記の課題を解決する
ためになされたものであり、高輝度化を達成することが
できる大粒子径蛍光体を使用して、厚みや充填率の均一
な蛍光体膜を形成することができるとともに、蛍光体ス
ラリーを効率よく回収することができる陰極線管の製造
方法を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管の製造
方法は、蛍光体スラリーをガラスパネル内面に注入し、
前記ガラスパネルを鉛直軸に対して傾けて回転させるこ
とにより、前記蛍光体スラリーを前記ガラスパネル内面
のほぼ全域に行き渡らせる塗布工程と、前記ガラスパネ
ルを傾けて回転させることにより、余剰の蛍光体スラリ
ーを振り切って、前記ガラスパネルの四隅に設けられた
蛍光体スラリー回収手段に前記蛍光体スラリーを回収す
る振り切り工程と、前記ガラスパネルを傾けて回転させ
ることにより、前記ガラスパネル内面に塗布された蛍光
体スラリーを乾燥させる乾燥工程とからなる蛍光体膜形
成工程を有する陰極線管の製造方法において、前記塗布
工程における前記ガラスパネルの傾斜角度および回転数
を、少なくとも2段階に変化させるものである。 また、
前記塗布工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、
かつ、所定の回転数で回転させる第1の塗布工程と、前
記第1の塗布工程に続いて、前記第1の塗布工程におけ
る傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、前記第1の
塗布工程における回転数よりも低い回転数で前記ガラス
パネルを回転させる第2の塗布工程とを有することが好
ましい(請求項1)。
【0015】上記の構成によれば、高輝度化が可能な大
粒子径蛍光体による蛍光体膜形成が可能となり、クロス
現象、ガラスパネル内外面のウォール部汚れ、ガラスパ
ネル内面への液ダレ等を防止できるとともに、蛍光体膜
の均一化を図ることができる。これにより、従来の方法
では達成不可能であった、輝度バリエーションに富み、
かつ高輝度、高コントラストを満足するCRTを提供す
ることができる。
【0016】
【0017】また、この方法によれば、第1の塗布工程
において、蛍光体スラリーをガラスパネル内面のほぼ全
面に拡げ、続く第2の塗布工程において、蛍光体スラリ
ーをガラスパネルの内面に沈降させることができる。
【0018】さらに、前記第2の塗布工程に続いて、前
記第2の塗布工程における回転数よりも低い回転数で前
記ガラスパネルを回転させる第3の塗布工程を有するこ
とが好ましい(請求項)。
【0019】この方法によれば、第3の塗布工程におい
て、蛍光体スラリーをガラスパネルの周辺部にまで充分
に流動させることができる。また、蛍光体スラリーを非
常に迅速にガラスパネルの全面に行き渡らせることがで
き、ガラスパネル内面の有効面全面にわたって均一な蛍
光体膜を形成することができる。
【0020】ここで、前記第1の塗布工程においては、
前記ガラスパネルの傾斜角度を5〜20゜とすることが
好ましい(請求項)。
【0021】さらに、前記振り切り工程における前記ガ
ラスパネルの傾斜角度および回転数を、少なくとも2段
階に変化させるものであって、前記振り切り工程は、前
記ガラスパネルを所定の傾斜角度、かつ、所定の回転数
で回転させる第1の振り切り工程と、前記第1の振り切
り工程に続いて、前記第1の振り切り工程における傾斜
角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、前記塗布工程にお
ける回転数よりも高い回転数で前記ガラスパネルを回転
させる第2の振り切り工程とを有することが好ましい
(請求項)。
【0022】この方法によれば、第1の振り切り工程に
おいて、余剰の蛍光体スラリーが蛍光体スラリー回収手
段(コーナーカップ)に効果的に回収され、続く第2の
振り切り工程において、蛍光体膜形成時の蛍光体膜分布
が均一化されるため、その後の工程で蛍光体膜以外の部
位に蛍光体スラリーが流れることにより発生するピン巻
き現象やパネルウォール部の汚れを抑制することが可能
となる。
【0023】ここで、前記第1の振り切り工程において
は、前記ガラスパネルの傾斜角度を40〜80゜、前記
ガラスパネルの回転数を100〜150〔rpm〕と
し、前記第2の振り切り工程においては、傾斜角度を6
5〜115゜、回転数を150〜250〔rpm〕とす
ることが好ましい(請求項)。
【0024】またさらに、前記乾燥工程における前記ガ
ラスパネルの傾斜角度および回転数を、少なくとも2段
階に変化させるものであって、前記乾燥工程は、前記ガ
ラスパネルを所定の傾斜角度、かつ、所定の回転数で回
転させる第1の乾燥工程と、前記第1の乾燥工程に続い
て、前記塗布工程における回転数と同じかまたは高い回
転数で前記ガラスパネルを回転させる第2の乾燥工程と
を有し、前記第1の乾燥工程においては、前記ガラスパ
ネルの傾斜角度を85〜95゜、前記ガラスパネルの回
転数を30〜70〔rpm〕とし、前記第2の乾燥工程
においては、傾斜角度を85〜95゜、回転数を70〜
95〔rpm〕とすることが好ましい(請求項)。
【0025】この方法によれば、第1の乾燥工程におい
て、回収された前記蛍光体スラリーが前記蛍光体スラリ
ー回収手段の外部に飛散することが防止され、続く第2
の乾燥工程において、前記蛍光体スラリーの蛍光体膜厚
を均一化させることができる。これにより、蛍光体スラ
リー回収手段に回収された余剰な蛍光体スラリーが乾燥
中に外部に飛散することがなく、かつ、半製品不良の原
因となるクロス現象を解消することができるので、高輝
度が達成可能な大粒子径蛍光体を使用することができ
る。また、未乾燥の蛍光体膜がガラスパネル内面の有効
面内にたれ込む現象やパネルシール面を伝播する汚れを
軽減することが可能となる。
【0026】
【0027】さらに、前記塗布工程、前記振り切り工程
および前記乾燥工程における前記ガラスパネルの傾斜角
度および回転数を、少なくとも2段階に変化させるもの
であって、前記塗布工程は、前記ガラスパネルを所定の
傾斜角度、かつ、所定の回転数で回転させる第1の塗布
工程と、前記第1の塗布工程に続いて、前記第1の塗布
工程における傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、
前記第1の塗布工程における回転数よりも低い回転数で
前記ガラスパネルを回転させる第2の塗布工程と、前記
第2の塗布工程に続いて、前記第2の塗布工程における
回転数よりも低い回転数で前記ガラスパネルを回転させ
る第3の塗布工程とを有し、前記振り切り工程は、前記
ガラスパネルを所定の傾斜角度、かつ、所定の回転数で
回転させる第1の振り切り工程と、前記第1の振り切り
工程に続いて、前記第1の振り切り工程における傾斜角
度よりも大きい傾斜角度で、かつ、前記第1の塗布工程
における回転数よりも高い回転数で前記ガラスパネルを
回転させる第2の振り切り工程とを有し、前記乾燥工程
は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、かつ、所定の
回転数で回転させる第1の乾燥工程と、前記第1の乾燥
工程に続いて、前記第1の塗布工程における回転数と同
じかまたは高い回転数で前記ガラスパネルを回転させる
第2の乾燥工程とを有することが好ましい(請求項
)。
【0028】この方法によれば、回収効率の良いコーナ
ーカップを蛍光体スラリー回収手段として用いることに
より、輝度の高い大粒子径蛍光体による蛍光体膜形成が
可能となり、クロス現象、ガラスパネル内外面のウォー
ル部汚れ、ガラスパネル内面への液ダレ等を防止できる
とともに、蛍光体膜の均一化を図ることができる。これ
により、従来の方法では達成不可能であった、輝度バリ
エーションに富み、かつ高輝度、高コントラストを満足
するCRTを提供することができる。
【0029】また、前記蛍光体スラリー回収手段は開口
部を有する箱状体であり、前記開口部の縁部に前記箱状
体の内部に向かう折り返し部を有していることが好まし
い(請求項)。
【0030】これにより、一旦回収した余剰の蛍光体ス
ラリーが蛍光体スラリー回収手段の外部に飛散すること
がない。
【0031】
【発明の実施の形態】以下に、41〔cm〕サイズ(1
7型)CMTの蛍光体膜形成工程の具体例について説明
する。
【0032】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態に係る蛍光体膜形成工程に用いる蛍光体
膜形成装置の側面断面図を示す。
【0033】図1に示すように、ブラックマトリクス形
成済みのガラスパネル1を、鉛直軸2から所定の角度θ
(以下、「パネル傾斜角θ」という)だけ傾けて配置
し、ガラスパネル1の内面に塗布ノズル8から吐出され
る蛍光体スラリー9を注入する。ここで、パネル傾斜軸
3は、ガラスパネル1の中央部の接線と直交する関係に
あり、CRTの管軸と一致するものである。ガラスパネ
ル1は、回転基台5上に設置され、回転軸7が回転する
ことにより傾斜軸3を中心軸として回転する。
【0034】図2に示すように、ガラスパネル1の四隅
には、蛍光体スラリー回収手段であるコーナーカップ4
がそれぞれ設けられており、このコーナーカップ4はカ
ップクランプ軸11によってガラスパネル1の挿脱時に
可動される構造となっている。これらが外側ステージ6
と一体となって蛍光体膜形成装置を構成する。
【0035】図3はコーナーカップ4の一部切欠正面図
(開口部側)を、図4は一部切欠平面図を、図5は一部
切欠左側面図をそれぞれ示す。図3〜図5に示すよう
に、コーナーカップ4は、開口部31の縁部にコーナー
カップ4の内部に向かう四角筒状の折り返し部51を有
しており、ガラスパネル1の回転に伴って振り切られる
余剰の蛍光体スラリーを受けるとともに、回収された蛍
光体スラリーがコーナーカップ4の外部に飛散しにくい
構造となっている。また、コーナーカップ4は、2つの
凸部41の間に形成された凹部42でガラスパネル1の
角部を抱き込む形となっているので、蛍光体スラリーの
飛散を防止して確実に回収することができる。
【0036】緑色蛍光体の蛍光体スラリー9は、以下の
材料を用いて調製する。 銅付活硫化亜鉛蛍光体(粒径8〔μm〕)・・・ 25 〔wt%〕 ポリビニルアルコール樹脂 ・・・ 2.5 〔wt%〕 重クロム酸アンモニウム ・・・ 0.25〔wt%〕 界面活性剤 ・・・ 0.03〔wt%〕 消泡剤 ・・・ 0.02〔wt%〕 水 ・・・ 72.2 〔wt%〕 まず、上記材料をプロペラ式ミキサーを用いて混合した
後、ディスパーザーを用いて一定時間分散する。調製し
た蛍光体スラリーにさらに重クロム酸アンモニウムとア
ンモニアを添加して、pH=7〜9に調整する。なお、
蛍光体の接着力を上げるために、蛍光体スラリーに硬膜
化剤(例えば、ロームアンドハース社製プライマルC−
72等)を添加したり、ボールミル処理等を施してもよ
い。
【0037】以上のようにして調製された蛍光体スラリ
ー9を用い、以下に説明するように2段階の塗布工程、
振り切り工程および2段階の乾燥工程を経て、ブラック
マトリクス形成済みのガラスパネル1内面に所定の蛍光
体膜を形成する。
【0038】まず、塗布ノズル8からの吐出量を約30
〔cc〕として蛍光体スラリー9をガラスパネル1内面
に注入し、図1に示すようにガラスパネル1を鉛直軸2
に対して傾斜させつつ、蛍光体スラリー9をガラスパネ
ル1全面に広げ、蛍光体粒子を充分に沈降させる(第1
の塗布工程)。ここで、蛍光体スラリーの注入量は、多
すぎるとガラスパネル1周辺部での液はねによる泡が発
生しやすく、逆に少なすぎるとガラスパネル1内面の有
効面に充分に塗布できないため、41〔cm〕ガラスパ
ネルにおいては7〜40〔cc〕が好ましく、28〜3
5〔cc〕が最適である。
【0039】この第1の塗布工程では、パネル傾斜角θ
を10゜とし、ガラスパネル1がパネル傾斜軸3を中心
として回転する回転数(以下、「パネル回転数」とい
う)を13〔rpm〕とする。この時のパネル傾斜角θ
が大きすぎる場合には泡発生の原因となり、逆に小さす
ぎると蛍光体スラリー9がガラスパネル1内面に充分に
広がらないので、概ね5〜15゜が好ましく、より好ま
しくは10゜である。ガラスパネル1の回転は、ガラス
パネル内面を上向きにし、回転基台5に対して反時計方
向とするが、これに限定されるものではない。
【0040】次に、パネル傾斜角θを23゜に変化させ
ながら、パネル回転数を5〔rpm〕として、蛍光体ス
ラリー9をガラスパネル1の周辺部にまで充分に流動さ
せるとともに、蛍光体スラリー9中の蛍光体粒子を充分
に沈降させる(第2の塗布工程)。この第2の塗布工程
におけるパネル回転数は、蛍光体スラリー9がガラスパ
ネル1内面周辺部を充分に流動できる回転数とする。
【0041】次に、パネル傾斜角θを鉛直軸2に対して
急速に110゜にすると同時にパネル回転数を190
〔rpm〕として、図2に示すように、余剰の蛍光体ス
ラリーを振り切ってコーナーカップ4に回収するととも
に、蛍光体スラリーが塗布された面を平滑化させる(振
り切り工程)。この振り切り工程におけるパネル傾斜角
θは、蛍光体スラリーの飛散による汚れと蛍光体膜の均
一性を考慮して、65〜115゜とすることが好まし
い。また、パネル回転数は150〜250〔rpm〕程
度が好ましい範囲である。図2に示すように、余剰の蛍
光体スラリーの飛散方向10は、傾斜軸3に関してガラ
スパネル1の回転方向12と逆方向である。
【0042】次に、パネル傾斜角θを90゜として、パ
ネル回転数を50〔rpm〕に低下させて、外部の赤外
線ヒーターによって、ガラスパネル1の内面に塗布され
た蛍光体スラリーを乾燥させる(乾燥工程)。このと
き、乾燥時間を短縮させるために、赤外線ヒーターによ
る加熱とともに、熱風をガラスパネル1の内面に噴射し
てもよい。この乾燥工程におけるパネル傾斜角θは85
〜95゜が好ましく、より好ましくは90゜である。た
だし、2色目および3色目の蛍光体膜を形成する際に
は、下地の存在が影響するため、1色目の蛍光体膜を形
成するときよりもパネル傾斜角θを大きくする必要があ
り、91゜がより好ましい。
【0043】乾燥工程におけるパネル回転数は、ガラス
パネル1内面の蛍光体膜が乾燥を開始し、ガラスパネル
1の有効面のほぼ全域に乾燥が進行するまでの第1の乾
燥工程においては30〜70〔rpm〕とし、それ以降
の第2の乾燥工程においては70〜95〔rpm〕とす
ることが好ましい。また、2色目以降の蛍光体膜を形成
する場合には、第1の乾燥工程におけるパネル回転数を
30〜40〔rpm〕とすることが好ましい。
【0044】上記工程により緑色蛍光体を塗布乾燥させ
たガラスパネルにシャドウマスクを装着し、紫外線露光
後、現像して緑色蛍光体の蛍光体膜を形成する。上記製
造条件により得られた蛍光体膜のドットサイズは、中央
部で145〔μm〕、周辺部で147〔μm〕であり、
ガラスパネル内面で他色ホール部位(ガラス面上)への
緑色蛍光体の付着は見られなかった。なお、蛍光体の接
着力が弱い場合にはガラスパネル外面から微小照度のU
V光により全面露光してもよい。
【0045】次に、緑色蛍光体の蛍光体膜を形成したの
と同様の工程により、青色蛍光体の蛍光体膜および赤色
蛍光体の蛍光体膜を順次形成する。なお、蛍光体膜を形
成する順序については、本実施形態では緑色、青色、赤
色蛍光体の順に形成しているが、青色、緑色、赤色蛍光
体の順に形成してもよい。陰極線管の白色品質、色差等
が規格外にならなければこれらに特定されるものではな
いが、塗布むらや他色との混色を考慮すれば、前記のい
ずれかが好ましい。
【0046】このようにして得られた蛍光体膜のドット
サイズは、青色蛍光体については中央部で144〔μ
m〕、周辺部で146〔μm〕、赤色蛍光体については
中央部で143〔μm〕、周辺部で146〔μm〕であ
った。なお、緑色蛍光体の背面に付着する青色および赤
色蛍光体粒子は、長さ200〔μm〕当り1または2個
見られる程度であった。また、青色蛍光体の背面に付着
する赤色蛍光体は、ほとんど観察されなかった。
【0047】続いて、この蛍光体膜に、蛍光体スラリー
を塗布乾燥したのと同様のスケジュールにより、アクリ
ルエマルジョン液(ローム・アンド・ハース社製B−7
4)の膜を形成する。その際、パネル傾斜角は蛍光体の
場合と同一とし、振り切り工程以外のパネル自転回転数
はすべて10〔rpm〕で行う。その後、アルミ蒸着に
よりアルミ膜を形成し、シャドウマスク、ファンネル、
磁気シールドなどを組み込み、電子銃を封入し、排気
し、陰極線管(完成球)とする。
【0048】本実施形態により得られた蛍光体膜および
陰極線管についての特性と性能評価などについては後述
する。
【0049】(第2の実施の形態)本実施形態は、塗布
工程に第3の塗布工程を付加し、振り切り工程を第1の
振り切り工程と第2の振り切り工程の2段階とするもの
である。
【0050】まず、第1の塗布工程において、パネル傾
斜角θを5゜、パネル回転数を8〔rpm〕とし、第2
の塗布工程において、パネル傾斜角θを28゜、パネル
回転数を6〔rpm〕として蛍光体粒子をガラスパネル
内面の有効面全域に広げるとともに充分に沈降させる。
さらに、第3の塗布工程において、パネル回転数を5
〔rpm〕に落として蛍光体スラリーをガラスパネル内
面の周辺部にまで充分に流動させる。
【0051】振り切り工程では、まず第1の振り切り工
程において、パネル傾斜角θを50゜とすると同時にパ
ネル回転数を110〔rpm〕として、余剰の蛍光体ス
ラリーをコーナーカップに回収する。このとき、パネル
傾斜角θが小さいほどガラスパネルの汚れは低減できる
が、蛍光体膜の膜厚均一性が損なわれるので、概ね40
〜80゜が好ましく、50゜前後がより好ましい。ま
た、パネル回転数は、100〜150〔rpm〕が好ま
しい。
【0052】続いて、第2の振り切り工程において、パ
ネル傾斜角θを110゜まで変化させていくと同時にパ
ネル回転数を180〔rpm〕まで上げ、余分な蛍光体
スラリーを振り切るとともに蛍光体スラリーが塗布され
た面を平滑化させる。このとき、パネル傾斜角θを65
〜115゜、パネル回転数を150〜250〔rpm〕
とすることが好ましい。
【0053】次の乾燥工程およびそれ以降については、
第1の実施の形態と同じ工程を経て蛍光体膜を形成す
る。
【0054】(第3の実施の形態)本実施形態において
は、塗布工程を図6および図7に示すスケジュールで行
う。ここで図6は、塗布工程においてパネル回転数を時
間とともに変化させる様子を示し、図7は同じくパネル
傾斜角θの変化を示す。
【0055】まず、第1の塗布工程においては、パネル
傾斜角θを15゜、パネル回転数を33〔rpm〕とす
る。この第1の塗布工程におけるパネル回転数は、蛍光
体スラリー9をできるだけガラスパネル内面の広い領域
に広げるとともに、ガラスパネル周辺に向かって放射状
にむらとならないパネル回転数として、好ましくは30
〜40〔rpm〕であり、33〔rpm〕前後が最適で
ある。また、パネル傾斜角θが大きすぎる場合には急速
な液流動による泡発生の原因となり、逆に浅すぎると充
分に蛍光体スラリーがガラスパネル内面に広がらないの
で、概ね10〜20゜が好ましく、15゜前後が最適で
ある。
【0056】第2の塗布工程においては、パネル傾斜角
θを15゜から30゜に連続的に変化させていきなが
ら、パネル回転数を10〔rpm〕とする。さらに、第
3の塗布工程においては、パネル傾斜角θを30゜とし
たままで、パネル回転数を5〔rpm〕に下げる。
【0057】続く振り切り工程においては、パネル傾斜
角θを110゜、パネル回転数を170〔rpm〕とす
る。
【0058】次の乾燥工程およびそれ以降については、
第1の実施の形態と同じ工程を経て蛍光体膜を形成す
る。
【0059】(第4の実施の形態)本実施形態において
は、第3の実施の形態と同様に、塗布工程を図6および
図7に示すスケジュールで行うとともに、振り切り工程
を第2の実施の形態と同様に2段階で行う。
【0060】第1の振り切り工程においてパネル傾斜角
θを50゜、パネル回転数を110〔rpm〕とし、第
2の振り切り工程においてパネル傾斜角θを110゜、
パネル回転数を170〔rpm〕とする。
【0061】次の乾燥工程およびそれ以降については、
第1の実施の形態と同じ工程を経て蛍光体膜を形成す
る。
【0062】(蛍光体膜の評価)上記の各実施形態の蛍
光体膜形成済みガラスパネルについて、蛍光体膜外観の
観察(塗布パターン、ピン巻き状態、内面ウォール汚れ
状態、コーナーカップからの液漏れ)を行った後、蛍光
体膜の重量分布(中央部と周辺部の比率)を評価した。
また、完成球まで仕上げたサンプルは、実験的に発光さ
せ、輝度及び輝度バリエーション、色差などを測定し
た。以上の評価・測定結果のうち、塗布パターン、ピン
巻き状態、内面ウォール汚れ状態、コーナーカップから
の液漏れ、蛍光体膜重量分布(中央部と周辺部の比率)
の評価結果を表1に示し、完成球の輝度の測定結果を表
2に示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】ここで、第1ないし第3の比較例の蛍光体
膜は、以下の条件で作製したものである。
【0066】第1の比較例は、第1及び第2の塗布工程
の回転数が13〔rpm〕、乾燥工程のパネル傾斜角θ
が110゜一定である以外はすべて第1の実施の形態と
同じ条件である。本比較例では、他色ホール上への緑色
蛍光体の付着はほとんど見られなかったが、乾燥工程で
コーナーカップから蛍光体スラリーが飛散したため、ピ
ン巻きおよびウォール汚れが激しかった。緑色蛍光体の
背面に付着する青色及び赤色蛍光体粒子は200〔μ
m〕長当たりに数個見られる程度であったが、青色蛍光
体の背面に付着する赤色蛍光体は第1の実施の形態と同
等レベルであった。
【0067】第2の比較例は、第1及び第2の塗布工程
の回転数が13〔rpm〕、乾燥工程のパネル回転数が
110〔rpm〕一定である以外はすべて第1の実施の
形態と同じ条件である。本比較例では、青色蛍光体膜形
成時に弱いクロス現象が、赤色蛍光体膜形成時にはきつ
いクロス現象が露光台上でも見られた。緑色蛍光体の背
面に付着する青色及び赤色蛍光体粒子は200〔μm〕
長当たりに1ないし2個見られる程度であったが、青色
蛍光体の背面に付着する赤色蛍光体は第1〜第4の実施
の形態と同等レベルであった。
【0068】第3の比較例は、第1及び第2の塗布工程
の回転数が13〔rpm〕、振り切り工程におけるパネ
ル傾斜角が25゜一定である以外はすべて第1の実施の
形態と同じ条件である。本比較例の蛍光体膜は、乾燥完
了後にパネル中央部にむらが発生し、塗布重量分布も悪
かった。緑色蛍光体の背面に付着する青色及び赤色蛍光
体粒子は200〔μm〕長当たりに1から3個見られる
程度であったが、青色蛍光体の背面に付着する赤色蛍光
体は第1〜第4の実施の形態と同等レベルであった。
【0069】以下に、第1〜第4の実施の形態により得
られた蛍光体膜の特性について、上記比較例と比較しな
がら説明する。
【0070】表1において、「塗布パターン」は、塗布
および乾燥を行った後の蛍光体膜形成済みガラスパネル
の蛍光体膜表面のむらの状態を、「ピン巻き状態」は、
蛍光体スラリーが膜形成時にマスク装着用ピンに絡んだ
程度を、「内面ウォール汚れ状態」は、飛散した蛍光体
スラリーにより内面ウォール部が汚れた程度を、「液モ
レ」は、回収した蛍光体スラリーがコーナーカップから
外部に飛散した程度を、それぞれ○、△、×の3段階で
評価したものを示している。ここで、○印は「良」を、
△印は「可」を、×印は「不良」をそれぞれ示してい
る。
【0071】また、蛍光体膜重量分布は、ガラスパネル
周辺部とガラスパネル中央部の蛍光体膜重量比率を示し
ている。蛍光体膜重量分布は、基本的には蛍光体膜全域
で100〔%〕であることが望ましいが、中央部(10
0〔%〕)に対して周辺部で概ね85〔%〕以上を確保
する必要があり、90〜110〔%〕程度であればより
良好な状態といえる。
【0072】表2において、WBrは白色実用輝度〔cd
/m2〕を、WBは白色発光能率〔cd/m2〕をそれぞ
れ示すものである。また、輝度バリエーションとして、
ガラスパネル中央部の輝度を100〔%〕とした場合の
パネル周辺部の輝度比率Wcr〔%〕を併せて示す。中央
部に対する周辺部の輝度低下を極力抑制するためには、
周辺部輝度比率は90〜105〔%〕であることが好ま
しい。
【0073】以上のように、各実施形態と各比較例とを
比べてみると、表1および表2の評価結果および測定結
果から明らかなように、本発明に係る方法によれば、塗
布パターンが良好で、かつ、蛍光体膜の均一な蛍光体膜
を形成できるとともに、高輝度で輝度のばらつきの小さ
な、良好な白色品質を有する陰極線管を得ることができ
ることがわかる。
【0074】なお、上記の各実施の形態においては、透
過率52〔%〕の41〔cm〕ガラスパネルを用いた場
合について記載したが、なんらこれに限定されるもので
はなく、他の透過率や他のサイズの場合にもガラスパネ
ル表面コート膜の種類や塗布ノズルからの蛍光体スラリ
ーの注入量、各工程のパネル回転数の調整等を行って本
発明に係る方法を適用することにより、本実施形態と同
様の効果を得ることができる。
【0075】また、蛍光体スラリーに用いた蛍光体は、
本実施形態では8〔μm〕の粒子径のものを用いたが、
発光能率を考慮すれば大きいほど好ましいが、4〔μ
m〕などの小粒子径蛍光体にも適用可能である。
【0076】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、回収効
率の良いコーナーカップを蛍光体回収手段として用いた
上で、高輝度化が可能な大粒子径蛍光体による蛍光体膜
形成が可能となり、クロス現象、ガラスパネル内外面の
ウォール部汚れ、ガラスパネル内面への液ダレ等を防止
できるとともに、蛍光体膜の均一化を図ることができ
る。これにより、従来の方法では達成不可能であった、
輝度バリエーションに富み、かつ高輝度、高コントラス
トを満足するCRTを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る蛍光体膜形成工程に用いる蛍光体
膜形成装置の側面断面の概略図
【図2】同じく蛍光体膜形成装置の平面概略図
【図3】本発明に係る蛍光体スラリー回収用コーナーカ
ップの一部切欠正面図
【図4】同じくコーナーカップの一部切欠平面図
【図5】同じくコーナーカップの一部切欠側面図
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る塗布工程にお
ける時間とパネル回転数との関係を示す図
【図7】同じく塗布工程における時間とパネル傾斜角θ
との関係を示す図
【符号の説明】
1 ガラスパネル 2 鉛直軸 3 パネル傾斜軸 4 コーナーカップ 9 蛍光体スラリー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 出口 寛 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工 業株式会社内 (56)参考文献 特開 平9−180632(JP,A) 特開 平9−167562(JP,A) 特開 平8−255566(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 9/227 H01J 9/24 H01J 11/02 H01J 17/49

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蛍光体スラリーをガラスパネル内面に注
    入し、前記ガラスパネルを鉛直軸に対して傾けて回転さ
    せることにより、前記蛍光体スラリーを前記ガラスパネ
    ルの内面のほぼ全域に行き渡らせる塗布工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、余剰
    の蛍光体スラリーを振り切って、前記ガラスパネルの四
    隅に設けられた蛍光体スラリー回収手段に前記蛍光体ス
    ラリーを回収する振り切り工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、前記
    ガラスパネル内面に塗布された蛍光体スラリーを乾燥さ
    せる乾燥工程とからなる蛍光体膜形成工程を有する陰極
    線管の製造方法において、 前記塗布工程における前記ガラスパネルの傾斜角度およ
    び回転数を、少なくとも2段階に変化させるものであっ
    て、 前記塗布工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、
    かつ、所定の回転数で回転させる第1の塗布工程と、 前記第1の塗布工程に続いて、前記第1の塗布工程にお
    ける傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、前記第1
    の塗布工程における回転数よりも低い回転数で前記ガラ
    スパネルを回転させる第2の塗布工程とを有する ことを
    特徴とする陰極線管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の塗布工程に続いて、前記第2
    の塗布工程における回転数よりも低い回転数で前記ガラ
    スパネルを回転させる第3の塗布工程を有することを特
    徴とする請求項に記載の陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の塗布工程においては、前記ガ
    ラスパネルの傾斜角度が5〜20゜であることを特徴と
    する請求項に記載の陰極線管の製造方法。
  4. 【請求項4】 蛍光体スラリーをガラスパネル内面に注
    入し、前記ガラスパネルを鉛直軸に対して傾けて回転さ
    せることにより、前記蛍光体スラリーを前記ガラスパネ
    ルの内面のほぼ全域に行き渡らせる塗布工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、余剰
    の蛍光体スラリーを振り切って、前記ガラスパネルの四
    隅に設けられた蛍光体スラリー回収手段に前記蛍光体ス
    ラリーを回収する振り切り工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、前記
    ガラスパネル内面に塗布された蛍光体スラリーを乾燥さ
    せる乾燥工程とからなる蛍光体膜形成工程を有する陰極
    線管の製造方法において、 前記振り切り工程における前記ガラスパネルの傾斜角度
    および回転数を、少なくとも2段階に変化させるもので
    あって、 前記振り切り工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角
    度、かつ、所定の回転数で回転させる第1の振り切り工
    程と、 前記第1の振り切り工程に続いて、前記第1の振り切り
    工程における傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、
    前記塗布工程における回転数よりも高い回転数で前記ガ
    ラスパネルを回転させる第2の振り切り工程とを有する
    ことを特徴とする陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第1の振り切り工程においては、前
    記ガラスパネルの傾斜角度が40〜80゜、前記ガラス
    パネルの回転数が100〜150〔rpm〕であり、 前記第2の振り切り工程においては、傾斜角度が65〜
    115゜、回転数が150〜250〔rpm〕であるこ
    とを特徴とする請求項に記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 蛍光体スラリーをガラスパネル内面に注
    入し、前記ガラスパネルを鉛直軸に対して傾けて回転さ
    せることにより、前記蛍光体スラリーを前記ガラスパネ
    ルの内面のほぼ全域に行き渡らせる塗布工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、余剰
    の蛍光体スラリーを振り切って、前記ガラスパネルの四
    隅に設けられた蛍光体スラリー回収手段に前記蛍光体ス
    ラリーを回収する振り切り工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、前記
    ガラスパネル内面に塗布された蛍光体スラリーを乾燥さ
    せる乾燥工程とからなる蛍光体膜形成工程を有する陰極
    線管の製造方法において、 前記乾燥工程における前記ガラスパネルの傾斜角度およ
    び回転数を、少なくとも2段階に変化させるものであっ
    て、 前記乾燥工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、
    かつ、所定の回転数で回転させる第1の乾燥工程と、 前記第1の乾燥工程に続いて、前記塗布工程における回
    転数と同じかまたは高い回転数で前記ガラスパネルを回
    転させる第2の乾燥工程とを有し、 前記第1の乾燥工程においては、前記ガラスパネルの傾
    斜角度が85〜95゜、前記ガラスパネルの回転数が3
    0〜70〔rpm〕であり、 前記第2の乾燥工程においては、傾斜角度が85〜95
    ゜、回転数が70〜95〔rpm〕である ことを特徴と
    する陰極線管の製造方法。
  7. 【請求項7】 蛍光体スラリーをガラスパネル内面に注
    入し、前記ガラスパネルを鉛直軸に対して傾けて回転さ
    せることにより、前記蛍光体スラリーを前記ガラスパネ
    ルの内面のほぼ全域に行き渡らせる塗布工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、余剰
    の蛍光体スラリーを振り切って、前記ガラスパネルの四
    隅に設けられた蛍光体スラリー回収手段に前記蛍光体ス
    ラリーを回収する振り切り工程と、 前記ガラスパネルを傾けて回転させることにより、前記
    ガラスパネル内面に塗布された蛍光体スラリーを乾燥さ
    せる乾燥工程とからなる蛍光体膜形成工程を有する陰極
    線管の製造方法において、 前記塗布工程、前記振り切り工程および前記乾燥工程に
    おける前記ガラスパネルの傾斜角度および回転数を、少
    なくとも2段階に変化させるものであって、 前記塗布工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、
    かつ、所定の回転数で回転させる第1の塗布工程と、前
    記第1の塗布工程に続いて、前記第1の塗布工程におけ
    る傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、かつ、前記第1の
    塗布工程における回転数よりも低い回転数で前記ガラス
    パネルを回転させる第2の塗布工程と、前記第2の塗布
    工程に続いて、前記第2の塗布工程における回転数より
    も低い回転数で前記ガラスパネルを回転させる第3の塗
    布工程とを有し、 前記振り切り工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角
    度、かつ、所定の回転数で回転させる第1の振り切り工
    程と、前記第1の振り切り工程に続いて、前記第1の振
    り切り工程における傾斜角度よりも大きい傾斜角度で、
    かつ、前記第1の塗布工程における回転数よりも高い回
    転数で前記ガラスパネルを回転させる第2の振り切り工
    程とを有し、 前記乾燥工程は、前記ガラスパネルを所定の傾斜角度、
    かつ、所定の回転数で回転させる第1の乾燥工程と、前
    記第1の乾燥工程に続いて、前記第1の塗布工程におけ
    る回転数と同じかまたは高い回転数で前記ガラスパネル
    を回転させる第2の乾燥工程とを有することを特徴と
    る陰極線管の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記蛍光体スラリー回収手段は開口部を
    有する箱状体であり、前記開口部の縁部に前記箱状体の
    内部に向かう折り返し部を有していることを特徴とする
    請求項1〜のいずれかに記載の陰極線管の製造方法。
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