JPH11250801A - 陰極線管の製造方法 - Google Patents

陰極線管の製造方法

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JPH11250801A
JPH11250801A JP4572198A JP4572198A JPH11250801A JP H11250801 A JPH11250801 A JP H11250801A JP 4572198 A JP4572198 A JP 4572198A JP 4572198 A JP4572198 A JP 4572198A JP H11250801 A JPH11250801 A JP H11250801A
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JP
Japan
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glass panel
air
cathode ray
ray tube
manufacturing
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JP4572198A
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Nobuyuki Aoki
延之 青木
Hiroshi Deguchi
寛 出口
Mitsuo Takahashi
光男 高橋
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Matsushita Electronics Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 陰極線管の製造方法において、陰極線管の蛍
光体面形成時の乾燥工程を最適化することによって、パ
ネル内面の各部分で均一な蛍光面を形成する方法を提供
する。 【解決手段】 ガラスパネル101の内面に均一に塗膜
107を形成した後、上方に面ヒータ120を設置し、
両者の間に中央部が開口するように遮蔽板131a,1
31bを設置する。また、パイプ150の側面に穿設さ
れた空気孔151より空気をガラスパネル101の内面
の中央部に向けて吹き付ける。以上により、ガラスパネ
ルの中央部から周辺部にかけて塗膜を乾燥させていく。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、陰極線管の製造方
法に関するものである。詳しくは、陰極線管のガラスパ
ネル内面に蛍光面を形成する方法に関するものであり、
特に蛍光面を均一に形成する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ビームで蛍光体を発色させて
文字や画像を表示する表示装置としては、陰極線管が主
として用いられてきた。一般に陰極線管のパネル内面に
形成された蛍光面には、赤、緑および青にそれぞれ発光
する3種類の蛍光体絵素が、ブラックマトリックスと言
われる光吸収膜を介してドット状あるいはストライプ状
に規則正しく配列されている。
【0003】このような蛍光面は、陰極線管のパネル内
面に感光性樹脂膜を形成し、この感光性樹脂膜の蛍光体
絵素が形成される位置にフォトリソグラフ技術を利用し
て、光反応性物質を塗布、露光、現像することにより蛍
光体形成部位を作製し、引き続きパネル内面に蛍光体懸
濁液を塗布して、同様のフォトリソグラフ技術により、
特定色の蛍光体部位を随時作製することで得られる。
【0004】一方、今日のウィンドウズを初めとするO
A環境の変化によって特にコンピュータモニタ用ディス
プレーの要求も高精細度や高輝度、高コントラスト化等
の技術課題からディスプレーのあり方に至るまで様々に
変貌しつつある。画面も従来の曲率を持ったCRTでは
外光の写り込みによる乱反射により見にくいため画面形
状も完全平面へと要求は高まっている。さらに、ディス
プレー上の中央部や周辺部いずれにおいても高輝度で高
解像度であることが要求されている。
【0005】このような要求を満たすための一手段とし
て、陰極線管の蛍光面を均一に形成することが必要であ
る。
【0006】均一な蛍光面を形成する方法として、従
来、蛍光体懸濁液をガラスパネル内面に均一に塗布する
ことを目的として種々の検討がなされている。
【0007】例えば、蛍光体懸濁液を回転塗布する方法
として、パネルの回転周期に同期させてパネルの傾斜角
を周期的に変化させる方法(例えば、特開平3−122
944号公報等)、パネルの回転を正回転と逆回転で行
う方法(例えば、特開平5−101775号公報等)、
線状のスリットノズルから気体を添わせて塗液を吐出す
る方法(特開平8−318193号公報)などが考案さ
れている。また、塗布後、余剰の蛍光体懸濁液をパネル
の回転を高速にして振り切る方法に関するものとして、
パネルを斜め上向きで振り切る方法(例えば、特開昭5
5−57230号公報等)や、斜め下向きで振り切る方
法(例えば、特開昭59−186230号公報等)など
が考案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
蛍光体懸濁液の塗布方法の改良をもってしても、今日の
陰極線管に対する高度な要求に応えることができない場
合がある。
【0009】即ち、ガラスパネル内面に蛍光体懸濁液を
いかに均一に塗布できたとしても、その後の乾燥工程を
経て最終的に得られる塗布膜が常に均一であるとは限ら
ない。例えば、乾燥条件によっては、塗布膜厚がパネル
中央部から階段状に変化して、塗布膜表面に同心円状の
模様を呈する場合がある。
【0010】ところが、乾燥工程の改良については従来
からほとんど検討されておらず、光反応性物質や蛍光体
懸濁液を塗布した後、余剰の液を除去し、外部から赤外
線ヒーターを塗布膜全面に照射して乾燥させるのが通常
である。
【0011】そこで、本発明は、陰極線管の製造方法に
おいて、塗布膜の乾燥工程に着目し、陰極線管の蛍光体
面形成時の乾燥工程を最適化することによって、パネル
内面の各部分で均一な蛍光面を形成することができる陰
極線管の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の陰極線管の製造
方法は、上記の目的を達成するために、陰極線管のガラ
スパネル内面に蛍光体面形成用塗液を塗布する塗布工程
と、塗布された前記塗液を乾燥する乾燥工程とを含む陰
極線管の製造方法であって、前記乾燥工程が前記ガラス
パネルの中央部から周辺部にかけて前記塗液を乾燥する
ことを特徴とする。このように、本発明は、ガラスパネ
ルの中央部から周辺部に順に乾燥させていくことによ
り、ガラスパネル全面で均一な蛍光面を得ることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を用いて説明
する。
【0014】[塗布工程]まず、ガラスパネルの内面に
蛍光体面形成用塗液を塗布する塗布工程について説明す
る。
【0015】本発明において蛍光体面形成用塗液とは、
ガラスパネル内面に蛍光体面を形成する際に塗布される
塗液であれば特に制限されない。例えば、蛍光体塗布膜
を形成するための蛍光体粒子を懸濁させた液(蛍光体ス
ラリー)、あるいは、前記蛍光体塗布膜にアルミバック
膜としてのアンダーコート膜を形成するためのアクリル
系のエマルジョン液又はアクリル樹脂を有機溶剤に溶解
させた液等が使用できる。中でも、塗液が蛍光体スラリ
ーであると、本発明の乾燥工程における塗膜の均一化効
果がより顕著に発現する。
【0016】本発明では塗布手段は特に制限はなく、公
知の方法が使用できる。しかしながら、塗布工程でより
均一な塗膜が形成されていると、本発明の乾燥工程によ
る効果と相俟って、最終的に得られる蛍光面はより均一
なものとなる。
【0017】図1は、本発明の製造方法に好ましい塗布
方法の一例の概略構成を示した斜視図である。
【0018】ガラスパネル101は内面を上にして回転
台(図示せず)上に水平に設置されている。塗液の供給
は塗布ノズル102により行う。塗布ノズル102の下
面には、ガラスパネル101の短辺方向の内壁間隔と略
同一長さにわたって塗液103が吐出される塗液孔(図
示せず)が線状に多数配されている。このような塗布ノ
ズル102を用いて、塗液103を吐出させながら、ガ
ラスパネル101の長辺方向104に掃引させながら塗
布する。このような方法を用いることにより、短時間で
均一な塗布膜が形成される。なお、図1の塗布ノズル1
02に代えて、ガラスパネル101の長辺方向の内壁間
隔と略同一長さにわたって塗液孔が線状に多数配された
塗布ノズルを用いて、ガラスパネル101の短辺方向に
掃引させながら塗布してもよい。
【0019】さらに、供給ノズルに形成された塗液孔
は、供給ノズル下面に設けられた突起上に孔加工されて
いるものが望ましい。加工されている孔の大きさは、目
詰まりやメンテナンスの点を考慮すればできる限り大き
いことが望ましいが、作製するCRTのサイズにより調
整することが可能である。
【0020】また、ガラスパネル101を水平軸に対し
て0度の角度で塗液を塗布すると同時に、ガラスパネル
101の対角線の交点を通る鉛直軸105を回転中心と
して所定速度で回転させてもよい。ガラスパネル101
を回転させることにより、塗液が強制的にパネル有効面
に広がり、パネル中央部への液戻りが防止されるととも
に、パネル中央部と周辺部との塗布パターンのむらが小
さくなる。回転速度は一般に30〜90rpm程度が好
ましい。回転速度が30rpmより小さい場合には、注
入した塗液がパネル中央部へ集まってしまい、塗布ムラ
の原因となってしまう。自転回転数が90rpmをより
大きい場合には、注入した塗液は回転数増大による遠心
力によってパネル外部へ飛散してしまい周辺設備を汚し
てしまう。なお、ガラスパネルの曲率半径が大きく、平
面に近い場合には、回転速度は通常上記より遅くしても
よい。
【0021】更に、塗布された余剰の塗液を排出するの
が好ましい。これにより、塗布むらや膜厚むらを抑制
し、パネル有効面内において均一な塗布膜分布を形成す
ることが容易になる。余剰の塗液の排出は、ガラスパネ
ル101を回転軸105を中心に回転させながら、ガラ
スパネル101の4隅に設けられた吸引ノズル110
a,110b,110c,110dを用いて塗液を吸引
することにより行うのが好ましい。ガラスパネル101
を回転させると、余剰の塗液は遠心力により4隅に移動
する。したがって、この位置に吸引ノズルを配置すると
効率よく排出することができる。余剰の塗液を排出させ
る際の排出時間を20secより短くすると、パネル有
効面に十分に蛍光体スラリー液が沈降しなかったり、十
分に余剰液を抽出することができずに乾燥むらを招いた
りすることがある。
【0022】[乾燥工程]上記の塗布工程を経た塗膜
は、乾燥工程で乾燥される。
【0023】本発明の乾燥工程は、最初にガラスパネル
の中央部を乾燥させて、徐々に周辺部に向けて乾燥させ
ていくことを特徴とする。このように、塗膜を中央部か
ら周辺部にかけて乾燥させることにより、ガラスパネル
内面の全面にわたって均一な乾燥塗膜を得ることができ
る。
【0024】また、乾燥工程ではガラスパネルを、その
対角線の交点を通る鉛直軸を回転中心として所定速度で
回転させるのが好ましい。回転させながら乾燥させるこ
とにより、より一層均一な乾燥塗膜を得ることができ
る。
【0025】(実施の形態1)図2は、実施の形態1に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、(a)
はガラスパネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面
での正面方向の断面図、(b)は、(a)のI−I線で
矢印方向に見た底面図である。
【0026】ガラスパネル101は回転台(図示せず)
上に、塗膜107が塗布された内面を上向きにして水平
に設置される。そして、ガラスパネル101は、その対
角線の交点を通る鉛直軸105を回転中心として所定速
度で回転する。ガラスパネル101の上方には、所定の
間隔をおいて面ヒータ120が設置される。ガラスパネ
ル101と面ヒータ120との間には、回転軸105を
挟んで所定の間隔Dをあけて2枚の遮蔽板131a,1
31bが設置されている。遮蔽板131a,131bは
面ヒータ120の放熱を遮蔽する機能を有する。また、
遮蔽板131a,131bは、両者の間隔Dを調整でき
るように水平方向132a,132bに移動させること
ができる。
【0027】乾燥工程では、最初は遮蔽板131a,1
31bの間隔Dを狭くしておいて、ガラスパネル101
の中央部のみが加熱されるようにする。そして、中央部
が乾燥するにしたがって徐々に間隔Dを大きくしてゆ
き、周辺部を乾燥させていく。
【0028】上記のように、乾燥をヒータによる加熱に
より行うと、加熱量の調整が比較的容易かつ正確に行え
るために、被加熱体の温度管理を正確に行いながら乾燥
速度を広範囲に調整できる利点がある。また、設備コス
トも比較的安価である。
【0029】更に、面ヒータと遮蔽板を併用することに
より、簡単な構成でガラスパネルの中央部から乾燥して
いくという本発明の乾燥工程を容易に実現できる。
【0030】しかも、ガラスパネル101を回転させる
ことにより、面ヒータ120と常に対面するのは回転軸
105を中心とする直径Dの円内領域となる。従って、
2枚の遮蔽板を設けるだけで、中央部からの乾燥を容易
に実現できる。そして、2枚の遮蔽板の間隔Dを徐々に
広げることにより、面ヒータ120と常に対面する直径
Dの円内領域を拡大させて、周辺部の乾燥を行っていく
ことができる。
【0031】(実施の形態2)図3は、実施の形態2に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、(a)
はガラスパネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面
での正面方向の断面図、(b)は、(a)のII−II線で
矢印方向に見た底面図である。図2と同じ機能を有する
部材には同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0032】本実施の形態2では、前記実施の形態1と
異なり、ガラスパネル101の上方に、多分割面ヒータ
121を碁盤目状に設置し、また、遮蔽板を設けていな
い。本実施の形態では、多分割面ヒータ121は、図3
(b)に示したように、紙面縦方向に面ヒータを8個並
べたものを紙面横方向に10列配置している。なお、説
明の便宜のため、横方向の並びを「行」、縦方向の並び
を「列」と称し、各面ヒータにa〜dの符号を付してあ
る。
【0033】乾燥工程の最初の段階では、回転軸105
を囲む中心部の面ヒータaの温度を高くし、その周囲の
面ヒータb、更にその周囲の面ヒータc、最も外部にあ
る面ヒータdの順に設定温度を低くしておく。これによ
りガラスパネルの中央部が最も加熱され、中央部から塗
膜の乾燥が始まる。その後、周辺部の面ヒータの温度を
上昇させることが必要な場合は、b→c→dの順に高く
していく。但し、中央部からの熱により周辺部のヒータ
の設定温度が低いままでも十分に乾燥する場合には、こ
のような操作は不要である。また、中央部が乾燥し終わ
った後に多くの熱量を与え続けると、塗膜やガラスパネ
ルの温度が高くなり過ぎてその後の工程に悪影響を及ぼ
すことがあるので、乾燥度合いに応じて中央部からヒー
タの電源を順次切っていくなどして過剰な熱量を制限す
ることが望ましい場合もある。
【0034】このように、ヒータとして多分割面ヒータ
を使用することにより、面ヒータの温度を個々に設定す
ることができ、乾燥状況に応じた温度管理を行うことが
できる。
【0035】なお、本実施の形態では、多分割面ヒータ
121を8行×10列の碁盤目状に配置したが、配置形
態はこれに限られない。例えば、ガラスパネルの大きさ
に応じて行・列の数を増減することができ、また、碁盤
目状ではなく、回転軸105の周囲に同心円状に配置し
てもよい。
【0036】(実施の形態3)図4は、実施の形態3に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、(a)
はガラスパネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面
での側面方向の断面図、(b)は、同じく正面方向の断
面図である。図2と同じ機能を有する部材には同一の符
号を付して、詳細な説明を省略する。
【0037】本実施の形態では、ガラスパネル101の
上方にガラスパネルと略平行に中空状のパイプ150を
設置し、該パイプ150の側面に穿設された空気孔15
1から吐出される空気を塗膜107に向けて吹き付ける
ことにより乾燥を行う。空気154は、パイプ150の
一端に接続した空気供給管152より供給される。
【0038】空気の吹き付けにより乾燥を行うと、乾燥
と同時に塗膜に空気の吹き付けによる外力を作用させる
ことができるという利点を有する。これをうまく利用す
ることにより、例えば膜厚を調整しながら乾燥を進行さ
せることができる。
【0039】例えば、空気をガラスパネル内面の回転軸
105を含む略中央部に当たるように吹き付けることに
より、中央部付近から乾燥を開始させることができると
同時に、特に曲率半径の小さいガラスパネルにおいて
は、重力により中央部に集まってくる塗液を周辺部に追
いやるようにしながら乾燥させることができ、乾燥膜厚
が中央部で厚くなる現象を緩和させることができる。
【0040】また、空気の吹き付けは、回転軸105に
添って鉛直方向下向きに吹き付けるのではなく、図4
(b)に示したように回転軸105から離れた位置に空
気孔151を設け、ガラスパネル101の略中央部から
周辺部に向かって斜めに吹き付けるようにするのが好ま
しい。斜めに吹き付けることにより、乾燥速度を適度に
遅くすることができ、早すぎる乾燥に起因する膜厚の不
均一を防止することができる。
【0041】また、乾燥の進行に合わせて、パイプ15
0を回転方向153に回転させて、ガラスパネル101
の周辺部に順次空気が吹き付けられるようにしていくこ
とにより、周辺部の塗膜の乾燥速度を適切に調整するこ
とができる。
【0042】上記において、供給される空気154の温
度は、常温でも加熱されたものでもよいが、乾燥を適当
な早さで良好に行うためには加熱空気の方が好ましい。
このときの加熱温度は、塗膜の種類や乾燥の進み具合等
に応じて適宜選択することができる。
【0043】また、パイプ150の側面に穿設された空
気孔151の径、間隔、数等は、乾燥の進行の程度やガ
ラスパネルの大きさ等に応じて適宜決定すればよい。
【0044】(実施の形態4)図5は、実施の形態4に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、ガラス
パネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面での正面
方向の断面図である。図2と同じ機能を有する部材には
同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0045】本実施の形態は、空気を吹き付けて塗液を
乾燥させる点で前記実施の形態3と共通するが、空気の
吹き付けを、ガラスパネルの略中央部の上方から放射状
に吹き付ける点で前記実施の形態3と相違する。
【0046】即ち、本実施の形態では、ガスバーナ型空
気吐出装置170を用い、空気孔171より図5に示す
ように斜め下方に放射状に空気が吐出される。
【0047】図6は、本実施の形態の空気吐出装置の概
略構造を示した図であり、図6(a)は正面図、図6
(b)は底面図、図6(c)は斜視図である。
【0048】空気吐出装置170には、その先端の円筒
状ノズル175の外周部に空気孔171が等間隔で配さ
れており、図5に示すように空気供給管172を通じて
供給された供給空気174が斜め下方に排出されるよう
に、各空気孔171は外周面に対して斜め下方にある角
度をもって穿孔されている。ノズル175の外周上方に
は、スカート部176が設置されている。スカート部1
76は、空気孔171から吐出された空気の少なくとも
一部をスカート部176の内面に衝突させ下方に向けて
反射させるとともに、空気が上方に逃げるのを防止する
役目を果たす。
【0049】空気吐出装置170から吐出された空気
は、直接的に又はスカート部176を介して間接的に、
ガラスパネル内面に斜めに吹き付けられることにより、
乾燥速度を適度に遅くすることができ、早すぎる乾燥に
起因する膜厚の不均一を防止することができる。
【0050】乾燥工程の最初の段階では、吐出された空
気がガラスパネル101の略中央部に吹き付けられるよ
うに、空気吐出装置170の設置高さを調整しておく。
そして、中央部の乾燥の進捗状況に応じて徐々に空気吐
出装置170を移動方向173の上方に移動させ、ガラ
スパネル101の周辺部に空気が吹き付けられるように
する。このようにすることにより、前記実施の形態3と
同様に、中央部から周辺部にかけて乾燥を進行させるこ
とができると同時に、特に曲率半径の小さいガラスパネ
ルにおいては、重力により中央部に集まってくる塗液を
周辺部に追いやるようにしながら乾燥させることがで
き、乾燥膜厚が中央部で厚くなる現象を緩和させること
ができる。
【0051】なお、使用する空気の温度、空気孔171
の径、間隔、数、スカート部176の長さ等は、塗膜の
種類や、乾燥の進行速度等に応じて適宜決定することが
できるのは上記実施の形態3と同様である。
【0052】また、空気吐出装置の形態は図5、図6の
ものに限定されない。例えば、図7に示すような空気吐
出装置180を用いることもできる。図7に示す空気吐
出装置180は、図5、図6の空気吐出装置170のス
カート部176を取り除いたような形状を有しており、
その下端には空気孔181が、斜め下方に放射状に空気
が吐出されるように、所定の間隔で配置されている。吐
出された空気はガラスパネル内面に斜めに吹き付けられ
る。図7の空気吐出装置180は、図5、図6の空気吐
出装置170と異なり、空気供給管182に供給される
供給空気184の流量の多少が塗膜に吹き付けられる空
気の流速に直接影響する。また、吐出された空気が直接
パネル内面に吹き付けられる。したがって、供給空気1
84の流量を多くしたまま、塗膜に吹き付けられる空気
の流速を制限して、「柔らかく」吹き付けられるように
するのが難しい場合がある。なお、図2と同じ機能を有
する部材には同一の符号を付して、詳細な説明を省略す
る。
【0053】(実施の形態5)図8は、実施の形態5に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、ガラス
パネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面での正面
方向の断面図である。
【0054】本実施の形態における乾燥工程は、実施の
形態1(図2)で説明した面ヒータと遮蔽板による加熱
と、実施の形態3(図4)で説明した空気の吹き付けと
を併用することにより行われる。図8において、図2及
び図4と同じ機能を有する部材には同一の符号を付し
て、詳細な説明を省略する。
【0055】なお、本実施の形態では、使用される空気
は実施の形態3と異なり、加熱空気のほか、常温の空気
であっても差し支えない。面ヒータを併用するからであ
る。
【0056】本実施の形態における乾燥は、実施の形態
1による乾燥と実施の形態3による乾燥のそれぞれの特
徴を併せもつ。即ち、塗膜の乾燥の進捗に合わせて乾燥
速度を最適に管理することが容易であり、同時に乾燥厚
みをガラスパネル全面にわたって均一にすることができ
る。
【0057】(実施の形態6)図9は、実施の形態6に
かかる乾燥工程の構成の概略を示した図であり、ガラス
パネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平面での正面
方向の断面図である。
【0058】本実施の形態における乾燥工程は、実施の
形態1(図2)で説明した面ヒータと遮蔽板による加熱
と、実施の形態4(図5、図6)で説明した空気の吹き
付けとを併用することにより行われる。但し、本実施の
形態では実施の形態1(図2)の面ヒータ120に代え
て2つの面ヒータ122a,122bを使用している。
これは、空気吐出装置170の移動方向173の移動空
間を確保するためである。図9において、図2及び図5
と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、詳細
な説明を省略する。
【0059】なお、本実施の形態では、使用される空気
は実施の形態4と異なり、加熱空気のほか、常温の空気
であっても差し支えない。面ヒータを併用するからであ
る。
【0060】本実施の形態における乾燥は、実施の形態
1による乾燥と実施の形態4による乾燥のそれぞれの特
徴を併せもつ。即ち、塗膜の乾燥の進捗に合わせて乾燥
速度を最適に管理することが容易であり、同時に乾燥厚
みをガラスパネル全面にわたって均一にすることができ
る。
【0061】(実施の形態7)実施の形態2で説明した
多分割面ヒータによる加熱と、実施の形態3(図4)又
は実施の形態4(図5〜図7)で説明した空気の吹き付
けとを組み合わせて乾燥を行うこともできる。この場
合、実施の形態1による乾燥と実施の形態3又は4によ
る乾燥のそれぞれの特徴を併せもった乾燥を行うことが
できる。なお、多分割面ヒータを併用するため、使用さ
れる空気は、加熱空気のほか常温の空気であっても差し
支えない。
【0062】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。こ
こでは、特に41cmサイズのCRTに用いる蛍光面を
例にして説明する。
【0063】(実施例1)図1に示した装置を用いて、
ガラスパネル内面に蛍光体スラリーを塗布した。蛍光体
スラリーは、以下の材料を用いてスラリーの調整を行っ
た。
【0064】緑色蛍光体(日亜化学工業製):25重量
部 ポリビニルアルコール樹脂:2.5重量部 重クロム酸アンモニウム:0.25重量部 界面活性剤:0.03重量部 消泡剤:0.02重量部 水:72.2重量部 上記材料をプロペラ式ミキサーを用いて混合した後、デ
ィスパーザーを用いて一定時間分散した。なお、用いた
緑色蛍光体の粒径は7μmで硫化亜鉛に付活材として銅
をドープしたものを用いた。ガラスパネルは41cmサ
イズでパネル透過率52%ものを用いたが、輝度とコン
トラストのバランスを考慮すればこれに限定されるもの
ではない。調整したスラリーにさらに所定の重クロム酸
アンモニウムとアンモニアを添加し、スラリーのpH濃
度を7〜8に調整して塗布用スラリーとした。なお、蛍
光体の接着力を上げるために蛍光体スラリーにボールミ
ル処理を施した。
【0065】調整された蛍光体スラリーは、図1に示し
た線状の塗布ノズル102を用い、図1のようにガラス
パネル101の内面に塗布供給した。蛍光体スラリー液
はノズル先端部に孔加工された液吐出部からパネル内面
に線状に供給塗布される。静止しているブラックマトリ
クス形成済み(ホール透過率約13.4%)のガラスパ
ネル101の内面に、図1の塗布ノズル102を用いて
ノズルからの吐出量を25cm3、ノズル掃引速度を1
5cm/secで塗布し、同時にパネル回転数を40r
pmに上げてスラリーをパネル内面有効面にできるだけ
広げた。
【0066】続いて実施の形態5(図8)で説明した装
置をガラスパネル101の上方に設置し、パネル傾斜角
を0度に保持した状態で蛍光体粒子を充分に沈降させる
とともに、パネル中央部に対して面ヒーターで加熱する
とともにエアーを吹き付けて、有効面中央部から順次周
辺部へ乾燥が進むようにした。面ヒータ120の温度は
300℃とし、面ヒータ120とガラスパネル101と
の間隔は100mmとした。また、遮蔽板131aと遮
蔽板131bの間隔は170mmとした。供給する空気
の温度は45℃、流量は150cm3/分の乾燥空気と
し、中央部から両側(図8の紙面垂直方向)に各々85
mmの間に直径1mmの空気孔151が複数個設けられ
たパイプ150より吹出した。そして、乾燥が進行する
にしたがって、遮蔽板131a,131bの間隔を徐々
に拡大し、また、パイプ150を回転させてガラスパネ
ルの周辺部に徐々に空気が吹き付けられるようにした。
なお、面ヒータ120とガラスパネル101との間隔、
遮蔽板131a,131bの間隔、及びパイプ150の
空気孔の穿設条件等は、いずれも所望する乾燥パターン
に応じてその都度調整、変更が可能であり、上記のもの
に限定されない。
【0067】次に、パネルの回転数を70rpmまで上
げ、図1に示すように、ガラスパネルの4コーナーに余
剰の蛍光体スラリー液を集めて、あらかじめガラスパネ
ル内面の4コーナーに挿入していた吸引ノズル110a
〜dにより真空吸引で余剰液を回収した。本実施例で
は、吸引ノズルは回転するガラスパネルに同期して回転
させたが、塗布装置のヘッドに固定したものであっても
よい。この時に、ヒーターとエアーを用いた乾燥と吸引
ノズルによる余剰液回収を平行して実施した。
【0068】なお、乾燥時のパネル回転数は10rpm
〜70rpmが好ましく、2色目及び3色目の塗布時は
より低速にする方が塗布パターンが良好にできるので好
ましい。また、蛍光体スラリーの注入量は、多すぎると
パネル周辺部での液はねによって泡かみなど発生しやす
く、逆に少ないとパネル有効面に充分に塗布できない。
41cmパネルでは約7〜30cm3が好ましいが、吐
出流量、ノズル掃引速度、及びパネル傾斜角度やパネル
自転回転数との関係よってはこの限りではない。また、
面ヒータの温度、供給する空気の温度及び流量等は、乾
燥時間と乾燥パターンによって適宜調整することができ
る。
【0069】この後、緑色蛍光体を塗布したガラスパネ
ルにシャドウマスクを装着し、紫外線露光後、現像して
緑色蛍光面を作製した。得られた緑色蛍光体のドットサ
イズは中央部150μm、周辺部151μmで、ガラス
パネル内面への緑色蛍光体の付着は見られなかった。
【0070】同様にして、粒径7μmの青色蛍光体を懸
濁させた蛍光体スラリーをパネル内面に塗布し、青色蛍
光面を得た。また、3色目として粒径7μmの赤色蛍光
体を懸濁させた蛍光体スラリーをパネル内面に塗布し、
赤色蛍光面を作製し、実施例1の蛍光面を得た。青色蛍
光体のドットサイズは中央部148μm、周辺部149
μm、赤色蛍光体のドットサイズは中央部145μm、
周辺部146μmであった。なお、緑色蛍光体の背面に
付着する青色及び赤色蛍光体は200μm長さ当りに
2、ないし3個見られる程度であった。青色蛍光体の背
面に付着する赤色蛍光体は、ほとんど観察されなかっ
た。
【0071】得られた蛍光面サンプルは、ラッカーフィ
ルミング、及びアルミ膜処理を施した後、シャドウマス
クとファネル、及び磁気シールドなどを組み込み、電子
銃を封入し、排気し完成球を作製した。
【0072】得られた蛍光面塗布済みパネルは、塗布パ
ターンを観察後、塗布乾燥後の塗布膜重量をパネル内面
の13ヶ所(中央部、周辺部8カ所、中間部4カ所)に
ついて評価した。また、完成球まで仕上げたサンプル
は、実験的に発光させ、輝度及び輝度バリエーションを
測定した。以上の測定結果は、表1に塗布パターン、塗
布膜重量の中央部と周辺部(8カ所の平均値)、中央部
と中間部(4カ所の平均値)の比率を示し、表2に完成
球の輝度評価(ただし、パネル透過率85%、ホール透
過率14%に標準化)を示した。
【0073】(実施例2)塗膜の乾燥を実施の形態6
(図9)で説明した装置により行ったほかは、上記の実
施例1と全く同様にして完成球を得た。空気吐出装置1
70として図6に示すものを用いた。図6において、ノ
ズル175の直径d1は25mm、スカート部176の
直径d2は60mmである。また、空気孔171は、直
径1.5mmの丸孔で、ノズル175の外周に間隔lが
約5mmとなるように等間隔で配されている。面ヒータ
122a,122bの温度は350℃とし、供給する空
気の温度は60℃、流量は200cm3/分の乾燥空気
とした。また、乾燥が進行するにしたがって、遮蔽板1
31a,131bの間隔を徐々に拡大し、また、空気吐
出装置170を上方に移動させてガラスパネルの周辺部
に徐々に空気が吹き付けられるようにした。
【0074】得られた緑色蛍光体のドットサイズは中央
部150μm、周辺部151μmで、ガラスパネル内面
への緑色蛍光体の付着は見られなかった。青色蛍光体の
ドットサイズは中央部148μm、周辺部149μm、
赤色蛍光体のドットサイズは中央部145μm、周辺部
146μmであった。なお、緑色蛍光体の背面に付着す
る青色及び赤色蛍光体は200μm長さ当りに2、ない
し3個見られる程度であった。青色蛍光体の背面に付着
する赤色蛍光体は、ほとんど観察されなかった。
【0075】また、表1に塗布パターン、塗布膜重量の
中央部と周辺部(8カ所の平均値)、中央部と中間部
(4カ所の平均値)の比率を、表2に完成球の輝度評価
(ただし、パネル透過率85%、ホール透過率14%に
標準化)を、それぞれ示す。
【0076】(実施例3)塗膜の乾燥を実施の形態2
(図3)で説明した多分割面ヒータにより行ったほか
は、上記の実施例1と全く同様にして完成球を得た。図
3に示す多分割面ヒータ121の設定温度は以下の通り
である。面ヒータaの温度は350℃とし、面ヒータb
の温度は320℃とし、面ヒータcの温度は280℃と
し、面ヒータdの温度は250℃とした。
【0077】得られた緑色蛍光体のドットサイズは中央
部150μm、周辺部151μmで、ガラスパネル内面
への緑色蛍光体の付着は見られなかった。青色蛍光体の
ドットサイズは中央部148μm、周辺部149μm、
赤色蛍光体のドットサイズは中央部145μm、周辺部
146μmであった。なお、緑色蛍光体の背面に付着す
る青色及び赤色蛍光体は200μm長さ当りに2、ない
し3個見られる程度であった。青色蛍光体の背面に付着
する赤色蛍光体は、ほとんど観察されなかった。
【0078】また、表1に塗布パターン、塗布膜重量の
中央部と周辺部(8カ所の平均値)、中央部と中間部
(4カ所の平均値)の比率を、表2に完成球の輝度評価
(ただし、パネル透過率85%、ホール透過率14%に
標準化)を、それぞれ示す。
【0079】(比較例1)塗膜の乾燥を従来の乾燥工程
で使用されていた図10に示す面ヒータにより行ったほ
かは、上記の実施例1と全く同様にして完成球を得た。
【0080】図10は、本比較例1の乾燥工程の構成の
概略を示した、ガラスパネルの対角線の交点を通る鉛直
軸を含む平面での正面方向の断面図である。図10の乾
燥装置は、実施の形態1で説明した図2の装置と同様
に、ガラスパネル101の上方に面ヒータ120が設置
されているが、図2と異なり、遮蔽板が設置されていな
い。したがって、塗膜の乾燥は、ガラスパネルの内面全
面が同時に加熱されることにより進行する。なお、図2
と同じ機能を有する部材には同一の符号を付して、詳細
な説明を省略する。本比較例1では、図10に示す面ヒ
ータ120の設定温度は300℃とした。
【0081】得られた緑色蛍光体のドットサイズは中央
部150μm、周辺部151μmで、ガラスパネル内面
への緑色蛍光体の付着は見られなかった。青色蛍光体の
ドットサイズは中央部148μm、周辺部149μm、
赤色蛍光体のドットサイズは中央部145μm、周辺部
146μmであった。なお、緑色蛍光体の背面に付着す
る青色及び赤色蛍光体は200μm長さ当りに2、ない
し3個見られる程度であった。青色蛍光体の背面に付着
する赤色蛍光体は、ほとんど観察されなかった。
【0082】また、表1に塗布パターン、塗布膜重量の
中央部と周辺部(8カ所の平均値)、中央部と中間部
(4カ所の平均値)の比率を、表2に完成球の輝度評価
(ただし、パネル透過率85%、ホール透過率14%に
標準化)を、それぞれ示す。
【0083】
【表1】
【0084】
【表2】
【0085】なお、表2においてWは白色輝度、Rは赤
色単色輝度、Gは緑色単色輝度、Bは青色単色輝度をそ
れぞれ示し、すべて比較例1を100%とした相対値で
示した。
【0086】以上の結果からわかるように、本発明を用
いた実施例は、塗布パターンが良好で、膜厚みの均一な
蛍光面を形成でき、既存のCRT以上に高輝度で輝度バ
ラツキが小さく、良好な白色品質を達成することができ
た。
【0087】上記の実施例では41cmパネルを用いた
場合について記載したが、何等これに限定されるもので
はなく、他のサイズの場合にも塗布ノズルからの蛍光体
スラリーの吐出量やノズル掃引速度等の調整により十分
に適用可能である。また、蛍光体スラリーの塗布ノズル
102のノズル先端部に設けた突起部に加工された孔形
状についても、ノズルからの蛍光体スラリーの液吐出が
直線状を確保できれば特に限定されるものではない。さ
らに、本実施例は、蛍光体スラリーを用いた膜形成の場
合を例にとって示したが、ブラックマトリクス用のクリ
アな感光膜やグラファイト膜、又ラッカーフィルミング
などについても同様の結果が得られる。
【0088】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、乾燥工
程においてガラスパネルの中央部から周辺部にかけて塗
液を乾燥することにより、パネル内面の各部分で塗布パ
ターンが均質な蛍光面を高いレベルで実現するととも
に、高輝度の陰極線管を得ることができる。
【0089】したがって、本発明は、今後のディスプレ
イの高精細度化や大画面化等に対しても十分に対応可能
であり、非常に有用な発明である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法に好ましい塗布方法の一例
の概略構成を示した斜視図である。
【図2】 実施の形態1にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、(a)はガラスパネルの対角線の交
点を通る鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図、
(b)は、(a)のI−I線で矢印方向に見た底面図で
ある。
【図3】 実施の形態2にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、(a)はガラスパネルの対角線の交
点を通る鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図、
(b)は、(a)のII−II線で矢印方向に見た底面図で
ある。
【図4】 実施の形態3にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、(a)はガラスパネルの対角線の交
点を通る鉛直軸を含む平面での側面方向の断面図、
(b)は、同じく正面方向の断面図である。
【図5】 実施の形態4にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、ガラスパネルの対角線の交点を通る
鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図である。
【図6】 実施の形態4の空気吐出装置の概略構造を示
した図であり、図6(a)は正面図、図6(b)は底面
図、図6(c)は斜視図である。
【図7】 実施の形態4にかかる乾燥工程の別の構成の
概略を示した図であり、ガラスパネルの対角線の交点を
通る鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図である。
【図8】 実施の形態5にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、ガラスパネルの対角線の交点を通る
鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図である。
【図9】 実施の形態6にかかる乾燥工程の構成の概略
を示した図であり、ガラスパネルの対角線の交点を通る
鉛直軸を含む平面での正面方向の断面図である。
【図10】 比較例1の乾燥工程の構成の概略を示し
た、ガラスパネルの対角線の交点を通る鉛直軸を含む平
面での正面方向の断面図である。
【符号の説明】
101 ガラスパネル 102 塗布ノズル 103 塗液 104 移動方向 105 回転軸 106 回転方向 107 塗膜 110a〜110b 吸引ノズル 120 面ヒータ 121 多分割面ヒータ 131a,131b 遮蔽板 132a,132b 移動方向 150 パイプ 151 空気孔 152 空気供給管 153 回転方向 154 供給空気 170 空気吐出装置 171 空気孔 172 空気供給管 173 移動方向 174 供給空気 175 ノズル 176 スカート部 180 空気吐出装置 181 空気孔 182 空気供給管 183 移動方向 184 供給空気
フロントページの続き (72)発明者 高橋 光男 大阪府高槻市幸町1番1号 松下電子工業 株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陰極線管のガラスパネル内面に蛍光体面
    形成用塗液を塗布する塗布工程と、塗布された前記塗液
    を乾燥する乾燥工程とを含む陰極線管の製造方法であっ
    て、前記乾燥工程が前記ガラスパネルの中央部から周辺
    部にかけて前記塗液を乾燥することを特徴とする陰極線
    管の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記塗液の乾燥が、ヒータによる加熱に
    より行われる請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記ヒータが、前記ガラスパネル内面上
    方に設けられた面ヒータである請求項2に記載の陰極線
    管の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記面ヒータに遮蔽板が設けられている
    請求項3に記載の陰極線管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記遮蔽板が移動可能である請求項4に
    記載の陰極線管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ヒータが、前記ガラスパネル内面上
    方に設けられた多分割面ヒータである請求項2に記載の
    陰極線管の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記多分割面ヒータのうち、前記ガラス
    パネル内面の略中央部に対向する面ヒータの温度を高く
    し、前記ガラスパネル内面の周辺部に対向する面ヒータ
    の温度を低くする請求項6に記載の陰極線管の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 前記塗液の乾燥が、ヒータによる加熱に
    加えて、空気の吹き付けにより行われる請求項2に記載
    の陰極線管の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記塗液の乾燥が、空気の吹き付けによ
    り行われる請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記空気が、前記ガラスパネル内面の
    略中央部に当たるように吹き付けられる請求項8又は9
    に記載の陰極線管の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記空気が、前記ガラスパネル内面の
    略中央部から周辺部に向かって吹き付けられる請求項8
    又は9に記載の陰極線管の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記空気が、前記ガラスパネル内面の
    上方に、前記ガラスパネル内面と略平行に配されたパイ
    プの側面に穿設された空気孔より吹き付けられる請求項
    8又は9に記載の陰極線管の製造方法。
  13. 【請求項13】 乾燥工程中に、前記パイプを回転させ
    る請求項12に記載の陰極線管の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記空気が、前記ガラスパネル内面の
    略中央部上方より放射状に吹き付けられる請求項8又は
    9に記載の陰極線管の製造方法。
  15. 【請求項15】 乾燥工程中に、空気吹出し口を上下方
    向に移動させる請求項14に記載の陰極線管の製造方
    法。
  16. 【請求項16】 前記空気が加熱空気である請求項8又
    は9に記載の陰極線管の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記空気が常温の空気である請求項8
    に記載の陰極線管の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記塗液が蛍光体スラリーである請求
    項1に記載の陰極線管の製造方法。
  19. 【請求項19】 前記ガラスパネルの対角線の交点を回
    転中心として、前記ガラスパネルを回転させながら前記
    塗液を乾燥させる請求項1に記載の陰極線管の製造方
    法。
  20. 【請求項20】 前記塗液の塗布が、複数個の孔を線状
    に配置した塗布ノズルを用いて、水平に設置したガラス
    パネルの短辺方向又は長辺方向に掃引することにより行
    われる請求項1に記載の陰極線管の製造方法。
  21. 【請求項21】 塗布された余剰の前記塗液を前記ガラ
    スパネルの4頂点から排出する請求項1に記載の陰極線
    管の製造方法。
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