JP3671676B2 - 電子部品の実装装置および実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を基板に実装する電子部品の実装装置および実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の実装装置における電子部品の供給方法として、テープフィーダを用いる方法が知られている。この方法は、半導体チップなどの電子部品をテープに定ピッチで保持させたものを供給リールに巻回した状態で収納しておき、実装時にはこのテープを繰り出すことにより、電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するものである。そして電子部品がピックアップされた後の空テープは、テープを定ピッチで連続して送られることにより、テープフィーダから外部に送り出される。
【0003】
この空テープの処置方法として、従来はテープフィーダの端部から送り出された時点で短くカットされ、カットされた状態で廃棄物として処分される場合が多かった。しかしながら、テープには紙製のものや、樹脂製のものなど材質的にも幾つか種類があり、送り出し時にカットされた場合には廃棄物の分別収集が困難であること、またカット時に有害な粉塵を発生することなどから、近年は空テープはカットされず、連続したテープ状の状態のまま回収される場合が一般的となって来ている。このため、実装装置には、テープフィーダから送り出された空テープを導き、回収箱内に排出させるガイド体としてのテープシュータが設けられるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電子部品がピックアップされた後の空テープを上述のテープシュータによって導く場合には、以下に述べるような空テープのジャミングによって実装装置の正常な動作を妨げることがある。空テープには前述のように幾つかの種類があり、この種類によってテープシュータ内での挙動が異る。例えば紙製のテープの場合には、リールに巻き取られた形で収納されていたことからいわゆる「巻きぐせ」があり、送り出されたテープは直進せずに湾曲した状態で進行する。これに対し、樹脂製のエンボステープの場合では、テープ自体の剛性の関係から直進する傾向が強い。
【0005】
そして、これら異る種類の空テープが混在した状態でテープシュータ内を送られた場合には、空テープが相互に絡み合ったり、他の空テープの進行を妨げるなどのジャミングを起こしやすい。このようなジャミングが発生すると、テープフィーダから送り出された空テープの正常な送り出しが妨げられ、空テープがテープフィーダの端部から上方に突出した状態となって移載ヘッドのノズルと干渉するなどのマシントラブルに至る場合がある。このように、従来の電子部品の実装装置には、空テープが正常に排出されないことに起因するマシントラブルが発生しやすいという問題点があった。
【0006】
そこで本発明は、電子部品をピックアップした後の空テープを正常に排出することができ、マシントラブルを減少させる電子部品の実装装置および実装方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品の実装装置は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段がコンベアユニットであって、前記ガイド体の幅方向に回転軸を有するプーリと、このプーリに調帯され前記ガイド体の全幅に対応した幅広ベルトとから成り、このコンベアユニットにより空テープを前記排出方向に送り出すようにした。
請求項2記載の電子部品の実装装置は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段が前記ガイド体の全幅に対応した長さを有する回転プレートと、この回転プレートを回転させる駆動手段とから成り、この回転プレートにより空テープを前記排出方向に送り出すようにした。
請求項3記載の電子部品の実装装置は、前記回転プレートの端部には切り込みが加工されるようにした。
請求項4記載の電子部品の実装装置は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段が上下に設けられた前記ガイド体の全幅に対応した長さを有する回転ローラと、この回転ローラを回転駆動する駆動手段とから成り、この回転ローラにより空テープを前記排出方向に送り出すようにした。
【0008】
請求項5記載の電子部品の実装方法は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装方法であって、前記供給部に多数台並設されたテープフィーダによって電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給し、これらのテープフィーダから送り出された空テープを、ガイド体に設けられた請求項1乃至4のいずれかに記載のテープ送り手段によって強制的に排出方向に送り出すようにした。
【0009】
各請求項記載の発明によれば、テープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備えることにより、空テープの排出不良を防止することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電子部品の実装装置の斜視図、図2は同電子部品の実装装置の平面図、図3は同電子部品の実装装置の側面図である。
【0011】
まず、図1、図2を参照して電子部品の実装装置について説明する。図1において、基台11の中央部にはX方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は基板3を搬送し位置決めする。搬送路2の両側には、電子部品の供給部4が配置され、それぞれの供給部4には多数台のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダ5はテープに保持された電子部品を収納し、このテープをピッチ送りすることにより、電子部品を供給する。
【0012】
X軸テーブル6上には、電子部品の移載ヘッド7が装着されている。X軸テーブル6は、Y軸テーブル8AおよびY軸テーブル8Aに対向して並設されたガイド8Bに、両端部を支持されて架設されている。したがって、X軸テーブル6およびY軸テーブル8Aを駆動することにより、移載ヘッド7は水平方向に移動し、下端部に装着されたノズル7a(図3参照)によりテープフィーダ5のピックアップ位置9から電子部品をピックアップし、基板3上に移載する。移載ヘッド7の移動経路には、電子部品を認識する認識部10が配設されている。また、供給部4の下方には、電子部品をピックアップした後の空テープを回収する回収箱12が設けられている。
【0013】
次に図3を参照してテープフィーダ5について説明する。図3において、テーブル20(図2も参照)上には、テープフィーダ5が多数台並設されている。テープフィーダ5は棒状の基体21を主体にしており、基体21の後部には供給リール23を保持するホルダ22が装着されている。基体21にはテープ24をピッチ送りするための駆動機構30が設けられている。駆動機構30は、基体21の先端部に設けられ、テープ24の送り穴に噛み合うスプロケット31や、スプロケット31をピッチ回転させる駆動手段を構成するレバー部材32,33,34などで構成されている。
【0014】
基体21の後方には、巻取りリール37が設けられ、巻取りリール37はレバー35によってスプロケット31のピッチ回転とともに回転する。スプロケット31が回転すると、供給リール23からテープ24が繰り出される(矢印c)。テープ24は、主テープ25にカバーテープ26を貼着して成っており、主テープ25には電子部品が保持されている。カバーテープ26は基体21の先端部付近で折り返されて主テープ25から剥ぎ取られ、巻取りリール23に巻き取られて回収される。
【0015】
カバーテープ26が剥ぎ取られることにより電子部品は露呈し、この電子部品を移載ヘッド7のノズル7aによりピックアップし、基板3に移送搭載する。電子部品がピックアップされて空になった主テープ(以下空テープという)25は、テープフィーダ5の先端部から下方へ送り出される。
【0016】
以下、送り出された空テープ25を回収箱10に導くガイド体としてのテープシュータ40について図3を参照して説明する。図3に示すように、テープフィーダ5の先端部の近傍には、テープシュータ40の開口部が位置しており、送り出された空テープ25はこの開口部よりテープシュータ40内に導かれる(矢印d)。テープシュータ40は、テープフィーダ5の先端部から斜め下方に向けて傾斜して配設されて回収箱12の上方に至る薄形のダクトである。傾斜部分は途中で屈曲しており、この屈曲部によって急傾斜部41と、緩傾斜部42の2つに分けられている。
【0017】
緩傾斜部42には、コンベアユニット43が設けられている。緩傾斜部42の底面には、テープシュータ40の幅方向に回転軸を有する2つのプーリ44,45が配設されており、プーリ44,45にはテープシュータ40の全幅に対応した幅広のベルト46が調帯されている。すなわちベルト46は緩傾斜部42の底面を構成しており、モータ48によりベルト47を介してプーリ44を回転駆動することにより、ベルト46は矢印e方向に送行する。ベルト46を走行させた状態で空テープ25が開口部から下方に向って送り込まれると、空テープ25が相互に干渉してジャミングを発生しやすい緩傾斜部42に到達したときには、空テープ25はベルト46と接触し、摩擦により矢印e方向、すなわち排出方向に強制的に送り出される。したがって、コンベアユニット43は空テープ25のテープ送り手段となっている。
【0018】
この電子部品の実装装置は上記のように構成されており、以下動作について説明する。まず図2において、基板3が搬送路2上の実装位置に位置決めされる。次に、X軸テーブル6,Y軸テーブル8Aを駆動して移載ヘッド7を移動させ、所定の電子部品を供給するテープフィーダ5のピックアップ位置9にて、電子部品をピックアップする。この後、移載ヘッド7は認識部10の上方に移動し、ここで電子部品の位置認識を行う。この認識結果に基づいて、基板3への搭載時の位置補正が行われ、電子部品は基板3上に実装される。
【0019】
上述の実装動作が順次行われている間、各テープフィーダ5からは電子部品をピックアップした後の空テープ25が排出され、テープシュータ40によって回収箱12まで導かれる。このとき、テープシュータ40内の空テープ25はコンベアユニット43によって強制的に送り出されるため、空テープ25相互の干渉によるジャミングが発生しない。
【0020】
(実施の形態2)
図4(a)は本発明の実施の形態2の電子部品の実装装置のテープシュータの側面図、図4(b)は同電子部品の実装装置の回転プレートの部分斜視図である。本実施の形態2のテープシュータ40Aは実施の形態1におけるテープシュータ40の急傾斜部41に相当する部分に、テープ送り手段としての回転プレートを設けたものである。
【0021】
図4(a)に示すように、テープシュータ40Aの急傾斜部41Aには、2枚の回転プレート50が設けられている。回転プレート50はテープシュータ40Aの全幅に対応した長さを有しており、図外の駆動手段により矢印f方向に回転駆動される。また図4(b)に示すように、回転プレート50の端部には切り込み50aが加工されている。空テープ25がテープシュータ40の開口部から送り込まれると(矢印d)、空テープ25は回転プレート50と接触して排出方向に強制的に送り出されるが、このとき空テープ25がこの切り込み50a内に入り込んでガイドされ、空テープ25相互を接触させないようにしている。このように回転プレート50によって空テープ25を送り出すことにより、実施の形態1と同様に空テープ25のジャミングを防止することができる。
【0022】
(実施の形態3)
図5は本発明の実施の形態3の電子部品の実装装置のテープシュータの側面図である。本実施の形態3のテープシュータ40Bは、実施の形態1におけるテープシュータ40の出口部分に、テープ送り手段としての回転ローラを設けたものである。図5において、テープシュータ40Bの排出側の先端部には、回転ローラ51が上下に設けられている。回転ローラ51はテープシュータ40Bの全幅に対応した長さとなっており、図外の駆動手段により矢印g方向に回転駆動される。回転ローラ51を回転駆動した状態で、空テープ25がテープシュータ40B内に送り込まれ排出側の先端部まで到達すると、空テープ25は回転ローラ51と接触する。これにより空テープ25は回転ローラ51に引き出されて、強制的にテープシュータ40Bから外部に送り出される。このように、回転ローラ51を用いることによっても、実施の形態1と同様に空テープ25のジャミングを防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、テープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備えたので、空テープのジャミングをなくし、排出不良に起因するマシントラブルを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の電子部品の実装装置の斜視図
【図2】本発明の実施の形態1の電子部品の実装装置の平面図
【図3】本発明の実施の形態1の電子部品の実装装置の側面図
【図4】(a)本発明の実施の形態2の電子部品の実装装置のテープシュータの側面図
(b)本発明の実施の形態2の電子部品の実装装置の回転プレートの部分斜視図
【図5】本発明の実施の形態3の電子部品の実装装置のテープシュータの側面図
【符号の説明】
3 基板
4 供給部
5 テープフィーダ
7 移載ヘッド
12 回収箱
24 テープ
25 空テープ
30 駆動機構
40,40A、40B テープシュータ
41 急傾斜部
42 緩傾斜部
46 ベルト
50 回転プレート
51 回転ローラ
Claims (5)
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段がコンベアユニットであって、前記ガイド体の幅方向に回転軸を有するプーリと、このプーリに調帯され前記ガイド体の全幅に対応した幅広ベルトとから成り、このコンベアユニットにより空テープを前記排出方向に送り出すようにしたことを特徴とする電子部品の実装装置。
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段が前記ガイド体の全幅に対応した長さを有する回転プレートと、この回転プレートを回転させる駆動手段とから成り、この回転プレートにより空テープを前記排出方向に送り出すようにしたことを特徴とする電子部品の実装装置。
- 前記回転プレートの端部には切り込みが加工されていることを特徴とする請求項2記載の電子部品の実装装置。
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に搭載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体に、空テープを強制的に排出方向に送り出すテープ送り手段を備え、前記テープ送り手段が上下に設けられた前記ガイド体の全幅に対応した長さを有する回転ローラと、この回転ローラを回転駆動する駆動手段とから成り、この回転ローラにより空テープを前記排出方向に送り出すようにしたことを特徴とする電子部品の実装装置。
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装方法であって、前記供給部に多数台並設されたテープフィーダ
によって電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給し、これらのテープフィーダから送り出された空テープを、ガイド体に設けられた請求項1乃至4のいずれかに記載のテープ送り手段によって強制的に排出方向に送り出すことを特徴とする電子部品の実装方法。
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