JP3669158B2 - 電子部品の実装装置および実装方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を基板に実装する電子部品の実装装置および実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品の実装装置における電子部品の供給方法として、テープフィーダを用いる方法が知られている。この方法は、半導体チップなどの電子部品をテープに定ピッチで保持させたものを供給リールに巻回した状態で収納しておき、実装時にはこのテープを繰り出すことにより、電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するものである。そして電子部品がピックアップされた後の空テープは、テープを定ピッチで連続して送られることにより、テープフィーダから外部に送り出される。
【0003】
この空テープの処置方法として、従来はテープフィーダの端部から送り出された時点で短くカットされ、カットされた状態で廃棄物として処分される場合が多かった。しかしながら、テープには紙製のものや、樹脂製のものなど材質的にも幾つか種類があり、送り出し時にカットされた場合には廃棄物の分別収集が困難であること、またカット時に有害な粉塵を発生することなどから、近年は空テープはカットされず、連続したテープ状の状態のまま回収される場合が一般的となって来ている。このため、実装装置には、テープフィーダから送り出された空テープを導き、回収箱内に排出させるガイド体としてのテープシュータが設けられるようになった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、電子部品がピックアップされた後の空テープを上述のテープシュータによって導く場合には、以下に述べるような空テープのジャミングによって実装装置の正常な動作を妨げることがある。空テープには前述のように幾つかの種類があり、この種類によってテープシュータ内での挙動が異る。以下、図面を参照してテープシュータ内部での空テープの挙動について説明する。
【0005】
図7は従来の電子部品の実装装置のテープシュータの部分斜視図である。図7において、テープシュータ1は傾斜して配設された薄型のダクト状の部材であり、図外のテープフィーダから送り出される空テープを斜め下方にガイドする。空テープAは、紙テープであり、図7に示すようにテープリールに巻回されていた状態にあったことによるいわゆる「巻きぐせ」のため、送り出された空テープはテープシュータ1内で排出方向に真直な方向に送り出すことが困難で、湾曲して斜行しながら排出される。これに対し、空テープBは樹脂製テープに電子部品を保持するためのキャビティが設けられたエンボステープであり、テープ自体の剛性の関係から斜行せずに直進する傾向が強い。
【0006】
そして、これら異る種類の空テープA,Bが混在した状態でテープシュータ1内を送られた場合には、図7に示すように空テープが相互に絡み合ったり、他の空テープの進行を妨げるなどのジャミングを起こしやすい。このようなジャミングが発生すると、テープフィーダから送り出された空テープの正常な送り出しが妨げられ、空テープがテープフィーダの端部から上方に突出した状態となって移載ヘッドのノズルと干渉するなどのマシントラブルに至る場合がある。このように、従来の電子部品の実装装置には、空テープが正常に排出されないことに起因するマシントラブルが発生しやすいという問題点があった。
【0007】
そこで本発明は、電子部品をピックアップした後の空テープを正常に排出することができ、マシントラブルを減少させる電子部品の実装装置および実装方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の電子部品の実装装置は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体の内側の空テープとの接触面に、排出方向に連続する複数の凹部と凸部を設け、真直方向に進む空テープは凹部内を進行し、巻ぐせの強い空テープは凸部の上面を湾曲した状態のまま滑りながら進行するようにした。
【0009】
請求項2記載の電子部品の実装装置は、請求項1記載の電子部品の実装装置であって、前記ガイド体の排出側の先端部において、前記凹部を隔てる凸部が前記排出方向に対して斜め方向にカットされている。
【0010】
請求項3記載の電子部品の実装方法は、電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装方法であって、前記供給部に多数台並設されたテープフィーダによって電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給し、これらのテープフィーダから送り出される空テープを、空テープとの接触面に排出方向に連続する複数の凹部と凸部が設けられたガイド体によって排出するようにし、且つ真直方向に進む空テープは凹部内を進行し、巻ぐせの強い空テープは凸部の上面を湾曲した状態のまま滑りながら進行するようにした。
【0011】
各請求項記載の発明によれば、真直方向に進行する空テープと巻きぐせを有し湾曲した状態で進行する空テープが相互に干渉することを防止することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置の斜視図、図2は同電子部品の実装装置の平面図、図3は同電子部品の実装装置のテープフィーダの側面図、図4(a)は同電子部品の実装装置のテープシュータの斜視図、図4(b)、図5(a)、(b)、(c)は同電子部品の実装装置のテープシュータの部分断面図、図6は同電子部品の実装装置のテープシュータの部分側面図である。
【0013】
まず、図1、図2を参照して電子部品の実装装置について説明する。図1において、基台11の中央部にはX方向に搬送路2が配設されている。搬送路2は基板3を搬送し位置決めする。搬送路2の両側には、電子部品の供給部4が配置され、それぞれの供給部4には多数台のテープフィーダ5が並設されている。テープフィーダはテープに保持された電子部品を収納し、このテープをピッチ送りすることにより、電子部品を供給する。
【0014】
X軸テーブル6上には、電子部品の移載ヘッド7が装着されている。X軸テーブル6は、Y軸テーブル8AおよびY軸テーブル8Aに対向して並設されたガイド8Bに、両端部を支持されて架設されている。したがって、X軸テーブル6およびY軸テーブル8Aを駆動することにより、移載ヘッド7は水平方向に移動し、下端部に装着されたノズル7a(図3参照)によりテープフィーダ5のピックアップ位置9から電子部品をピックアップし、基板3上に移載する。移載ヘッド7の移動経路には、電子部品を認識する認識部10が配設されている。また、供給部4の下方には、電子部品をピックアップした後の空テープを回収する回収箱12が設けられている。
【0015】
次に図3を参照してテープフィーダ5について説明する。図3において、テーブル20(図2も参照)上には、テープフィーダ5が多数台並設されている。テープフィーダ5は棒状の基体21を主体にしており、基体21の後部には供給リール23を保持するホルダ22が装着されている。基体21にはテープ24をピッチ送りするための駆動機構30が設けられている。駆動機構30は、基体21の先端部に設けられ、テープ24の送り穴に噛み合うスプロケット31や、スプロケット31をピッチ回転させる駆動手段を構成するレバー部材32,33,34などで構成されている。
【0016】
基体21の後方には、巻取りリール37が設けられ、巻取りリール37はレバー35によってスプロケット31のピッチ回転とともに回転する。スプロケット31が回転すると、供給リール23からテープ24が繰り出される(矢印c)。テープ24は、主テープ25にカバーテープ26を貼着して成っており、主テープ25には電子部品が保持されている。カバーテープ26は基体21の先端部付近で折り返されて主テープ25から剥ぎ取られ、巻取りリール37に巻き取られて回収される。
【0017】
カバーテープ26が剥ぎ取られることにより電子部品は露呈し、この電子部品を移載ヘッド7のノズル7aによりピックアップし、基板3に移送搭載する。電子部品がピックアップされて空になった主テープ(以下空テープという)25は、テープフィーダ5の先端部から下方へ送り出される。以下、この送り出された空テープ25を回収箱12に導くガイド体としてのテープシュータ40について、図3、図4を参照して説明する。
【0018】
図3に示すように、テープフィーダ5の先端部の近傍には、テープシュータ40の開口部が位置しており、送り出された空テープ25はこの開口部よりテープシュータ40内に導かれる(図3,図4に示す矢印d参照)。テープシュータ40は、テープフィーダ5の先端部から斜め下方に向けて傾斜して配設されて回収箱12の上方に至る薄形のダクトである。傾斜部分は途中で屈曲しており、この屈曲部によって急傾斜部41と、緩傾斜部42の2つに分けられている。
【0019】
図4(a)に示すように、空テープ25との接触面である緩傾斜部42の内側の下面には、空テープ25の排出方向(傾斜方向)に連続した凹部44aと凸部44bを有する波形の底面44が設けられている。波形の断面形状は、図4(b)の横断面に示すように、波形の凹部44a内に空テープ25が入り込んで、凹部44aに沿って排出方向に直進できるような形状に設定される。また緩傾斜部42の排出口側端部の上面43には、図3に示すように、プレート45が排出方向側に張り出して設けられている。プレート45は、排出された空テープ25が上方に跳ね上るのを防止するためのものである。
【0020】
ここで、テープシュータ40内に導かれた空テープ25の挙動について説明する。開口部から下方に向って送り込まれた空テープ25は、まず急傾斜部41の下面と接触し、この傾斜面に沿って下方に送られる。この急傾斜部41では空テープ25は重力により下方に導く力が働くため、ジャミングなどのトラブルは発生しにくい。空テープ25が更に送り込まれて緩傾斜部42に到達すると、空テープ25のうち樹脂製のエンボステープなどのように真直方向に進む傾向が強い空テープ25Bは、図4(b)に示すように波形の底面44の凹部44a内に入り込み、凹部44aに沿って進行する。これに対して、紙テープなど「巻きぐせ」の強い空テープ25Aは凹部44a内に入り込むことなく、凹部44aを隔てる凸部44bの上面を滑りながら湾曲した状態のままで進行する。
【0021】
これにより、空テープ25Aと空テープ25Bは同一のテープシュータ40内を上下に分かれて排出方向に進行することとなり、エンボステープが「巻きぐせ」の強い紙テープと干渉することがない。したがって、従来の平坦な面より構成されたテープシュータのような空テープ相互の干渉によるジャミングを発生することがなく、空テープ25の排出不良に起因するマシントラブルを解消することができる。なお、本実施の形態では、緩傾斜部42の部分のみに波形の底面を設けているが、急傾斜部41を含めたテープシュータ5の全範囲に波形の底面を設けてもよい。また、凹部44aとしては、本実施の形態に示す波形断面のほか、図5(a)、(b)、(c)にそれぞれ示すような、矩形の凹凸を有する断面、鋸歯状断面、櫛歯状断面など、空テープの排出方向に連続した凹部44aと凸部44bが形成されるようなものを採用することができる。
【0022】
なお、図6に示すように、テープシュータ40の排出側の先端部において、凹部44aを隔てる凸部44bの端部(図6においてハッチングを施した部分)が排出方向に対して斜め方向にカットされている。このようなカット部を設けることにより、空テープ25を排出方向に対して逆方向(矢印方向)に引き出すときに、大型のエンボステープ空テープ25Bのキャビティ部分が、凸部44bの端部に引掛ることを防止することができる。
【0023】
この電子部品の実装装置は上記のように構成されており、以下動作について説明する。まず図2において、基板3が搬送路2上の実装位置に位置決めされる。次に、X軸テーブル6,Y軸テーブル8Aを駆動して移載ヘッド7を移動させ、所定の電子部品を供給するテープフィーダ5のピックアップ位置9にて、電子部品をピックアップする。この後、移載ヘッド7は認識部10の上方に移動し、ここで電子部品の位置認識を行う。この認識結果に基づいて、基板3への搭載時の位置補正が行われ、電子部品は基板3上に実装される。
【0024】
上述の実装動作が順次行われている間、各テープフィーダ5からは電子部品をピックアップした後の空テープ25が排出され、テープシュータ40によって回収箱12まで導かれる。このとき、テープシュータ40の内側には波形の底面44が設けられているため、空テープ25相互のジャミングが発生せず、したがって空テープ25の排出不良に起因するマシントラブルが発生しない。
【0025】
【発明の効果】
本発明によれば、真直方向に進行する空テープと巻きぐせを有し湾曲した状態で進行する空テープは上下2つに分かれて排出方向に進行し、したがって拳動の異なる空テープが相互に干渉することによるジャミングの発生を防止してマシントラブルを減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置の斜視図
【図2】本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置の平面図
【図3】本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープフィーダの側面図
【図4】(a)本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの斜視図(b)本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの部分断面図
【図5】(a)本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの部分断面図
(b)本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの部分断面図
(c)本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの部分断面図
【図6】本発明の一実施の形態の電子部品の実装装置のテープシュータの部分側面図
【図7】従来の電子部品の実装装置のテープシュータの部分斜視図
【符号の説明】
3 基板
4 供給部
5 テープフィーダ
7 移載ヘッド
12 回収箱
24 テープ
25 空テープ
30 駆動機構
40 テープシュータ
41 急傾斜部
42 緩傾斜部
44 底面
44a 凹部
Claims (3)
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装装置であって、前記供給部に電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給するテープフィーダが多数台並設され、これらのテープフィーダから送り出される空テープを排出するガイド体の内側の空テープとの接触面に、排出方向に連続する複数の凹部と凸部を設け、真直方向に進む空テープは凹部内を進行し、巻ぐせの強い空テープは凸部の上面を湾曲した状態のまま滑りながら進行するようにしたことを特徴とする電子部品の実装装置。
- 前記ガイド体の排出側の先端部において、前記凹部を隔てる凸部が前記排出方向に対して斜め方向にカットされていることを特徴とする請求項1記載の電子部品の実装装置。
- 電子部品の供給部から移載ヘッドにより電子部品をピックアップして基板に移載する電子部品の実装方法であって、前記供給部に多数台並設されたテープフィーダによって電子部品を保持したテープをピッチ送りすることにより電子部品を移載ヘッドのピックアップ位置まで供給し、これらのテープフィーダから送り出される空テープを、空テープとの接触面に排出方向に連続する複数の凹部と凸部が設けられたガイド体によって排出するようにし、且つ真直方向に進む空テープは凹部内を進行し、巻ぐせの強い空テープは凸部の上面を湾曲した状態のまま滑りながら進行するようにしたことを特徴とする電子部品の実装方法。
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