JP3671579B2 - 現像剤担持体およびそれを用いた現像装置 - Google Patents

現像剤担持体およびそれを用いた現像装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真複写機、レーザプリンター、ファクシミリ等の電子写真方式を採用した画像形成装置における現像装置に関する。詳しくは、現像剤層厚規制部材によって樹脂層表面への付着量が規制される現像剤を現像領域に搬送する現像剤担持体、および静電潜像保持体と現像剤担持体の間の電界によって静電潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像する現像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を採用した画像形成装置において、静電潜像保持体(感光体)に形成された静電潜像を現像する方法として、使用する現像剤の種類等に応じて各種の方法が従来から知られている。それらのうち、現像剤担持体表面に粗面化処理を施すことによって現像剤の搬送性を向上させた現像装置が、例えば特開昭55−140858公報、同56−1131728公報、同57−66455公報等に記載されている。
一成分現像剤を使用する現像装置では、現像剤は現像剤担持体との摩擦帯電により静電潜像を現像するに必要な極性の電荷が与えられる。上記粗面化処理された現像剤担持体は、現像剤を適切に摩擦帯電させることにも寄与している。
また、一成分現像装置では、摩擦帯電性制御、搬送性制御の改善および画像欠陥防止のために、表面に導電性微粒子が分散した樹脂層を形成した現像剤担持体が用いられている。これらの現像剤担持体では、その表面粗さは算術平均粗さRa等の指標で規定されている。例えば、特開平4−6089号公報には、粗面化処理された基体を導電性の樹脂でコーティングした後の表面粗さを算術平均粗さRaで0.8〜2.5μmの範囲に規定している。
【0003】
しかしながら、表面に樹脂層を形成した現像剤担持体を用いた従来の一成分現像装置では、現像剤が現像剤担持体表面に接着しやすいことから、画像濃度低下の原因である現像剤固着(トナーフィルミング)を発生することがある。また、樹脂層を形成した現像剤担持体は粒子径がトナー粒子径以下の数nm〜数μmの導電性微粒子が樹脂層に添加されており、これらの導電性微粒子が現像剤担持体表面に突起を形成し、現像剤の機械的な固着の原因となってしまう。
このように、現像剤担持体への現像剤の固着は、現像剤と現像剤担持体との接着性や現像剤担持体から現像剤への熱エネルギーの移動、あるいは現像剤が現像剤担持体に機械的に削られてしまうことに起因して生じるものである。つまり、現像剤担持体表面におけるトナー粒子径よりも微小な大きさの凹凸が関与しているのである。
算術平均粗さRa等は、トナー粒子径以上の凹凸を表す指標としては優れているが、上述の微小な凹凸に対しては、従来のような表面粗さの測定および指標では測定装置の横方向の感度の低さから、凹凸を表す指標とはなり得ない。したがって、従来の表面粗さの規定だけでは、現像剤担持体への現像剤の固着を回避することが困難である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、表面に樹脂層を被覆した従来の現像剤担持体では、現像剤の固着を回避することは困難であるという問題があった。
そこで、本発明は、上述の問題点を解決しようとするものであって、適正な画像濃度および高画質を維持しつつ、現像剤担持体への現像剤の固着を回避することが可能な現像剤担持体および同現像剤担持体を用いた現像装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、導電性樹脂層を表面層とする現像剤担持体を備えた現像装置において、現像剤担持体への現像剤の固着の問題を解消すべく鋭意研究・検討を重ねてきたところ、従来の算術平均粗さRaの他に新たに有効線長さSRlrを表面粗さの指標として導入すると共に、この有効線長さを従来の値より小さくすることによって、上記目的が達成されることを見い出し、本発明をなすに到ったものである。
すなわち、本発明の現像剤担持体は、架橋前の重量平均分子量が4500以上のフェノール樹脂である結着樹脂であって、導電性微粒子を含有する前記結着樹脂からなる樹脂層が円筒状基体の外周面に被覆され、樹脂層表面にはトナー粒子径より大きい凹凸とトナー粒子径より小さい凹凸が形成され、トナー粒子径より大きい凹凸が算術平均粗さRaで1.3〜1.8μmの範囲にあり、かつトナー粒子径より小さい凹凸が有効線長さSRlrで104%以下であることを特徴とする。
また、本発明の現像装置は、上記現像剤担持体を用いることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の現像剤担持体は、円筒状基体の外周面に現像剤を担持する樹脂層が被覆されている。樹脂層は結着樹脂に少なくとも導電性微粒子を含有した導電性層からなり、結着樹脂中には導電性微粒子が分散している。
円筒状基体としては、例えばアルミニウム,ステンレス鋼等の非磁性で導電性の部材が用いられる。
上記樹脂層を構成する結着樹脂としては、フェノール樹脂,メラミン樹脂,尿素樹脂,アルキド樹脂,エポキシ樹脂,ポリアミド,ポリイミド,ポリエステル,ポリウレタン,ポリカーボネート,ポリフェニレンオキサイド,ポリエーテルスルホン,アクリル系樹脂,スチレン系樹脂や、離型性に優れているフッ素系樹脂,シリコーン樹脂等が好ましく用いられる。
【0007】
樹脂層に分散する導電性微粒子としては、カーボンブラック,これを造粒したカーボンビーズ,カーボンファイバー,グラファイト等の炭素系物質、銅,銀,アルミニウム,ステンレス鋼等の導電性金属または合金、酸化錫,酸化インジウム,酸化アンチモン,酸化チタン,Sn2O−In23 複合酸化物等の導電性金属酸化物、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカーなどの微粉末が用いられる。本発明においては、樹脂層中にトナー粒子径より大きい導電性微粒子を分散させて、樹脂層表面にトナー粒子径より大きい凹凸を形成し、現像剤の搬送性の制御を行う。その際、樹脂層表面には、導電性微粒子の表面形状やその表面分布等に応じて、トナー粒子径より小さい凹凸も同時に形成される。また、樹脂層中にトナー粒子径より大きいものと小さいもののサイズの異なる導電性微粒子を分散させることが好ましい。その場合は、現像剤担持体の抵抗を適正値に制御することが容易となり、現像剤に適正な帯電量を付与することができる。なお、トナー粒子径とはその体積平均粒子径を意味し、通常4〜13μmの範囲にあるトナーが使用される。
【0008】
前者の導電性微粒子の一次平均粒子径は、使用されるトナー粒子径より大きくかつ15μm以下が好適である。一例として、体積平均粒子径7μmの現像剤を使用した場合、平均粒子径10μmの導電性微粒子が用いられる。その具体的な微粒子としては、樹脂層に潤滑性を付与する作用のあるグラファイトや、カーボンビーズ等が好ましく用いられる。
また、後者の導電性微粒子の一次平均粒子径は、トナー粒子径より小さく、かつ10nm(二次平均粒子径で大凡数百nm程度)以上が好適である。その具体的な微粒子としては、特に限定されるものではないが、現像剤の過剰帯電を防止する作用のあるカーボンブラックが好ましく用いられる。
導電性微粒子の好ましい使用量(含有量)は、微粒子の種類によっても異なるが、結着樹脂100重量部に対して、前者のサイズの大きい導電性微粒子が30〜60重量部の範囲であり、また後者のサイズの小さい導電性微粒子が30重量部以下までの範囲で前者と併用することができる。
【0009】
導電性微粒子が分散した現像剤担持体表面の凹凸については、算術平均粗さRaが1.3〜1.8μmの範囲になければならない。この平均粗さRaは、触針式表面粗さ測定機(surfcom :東京精密社製)を使用して樹脂層表面の凹凸を測定し、測定された十点での値を平均したものである。
ここで、平均粗さRaが1.3μm未満の場合は、樹脂層表面が平滑になりすぎて現像剤の搬送量が減少するため、適正な画像濃度を維持することが困難となる。一方、平均粗さRaが1.8μmを越える場合は、現像剤の搬送量が増加するため、画像上の現像剤層が厚くなり、細線の太り等の画質劣化の原因となる。更に、現像量が過多になるため、現像剤の使用量が多くなりランニングコストにも影響する。
【0010】
本発明では、トナー粒子径よりも小さい凹凸を表す指標として有効線長さSRlrを採用した。これは、樹脂層表面の断面形状の各周波数成分からトナー粒子径以上の周波数成分をカットオフし、得られた粗さ曲線の全長(a)を測定区間長(b)で割って百分率で表示したものである。図1は、樹脂層表面の上記カットオフ後の粗さ曲線を示し、現像剤担持体の周方向に対して半径方向の長さを強調して図示している。そして、有効線長さSRlrは次のように定義される。
SRlr(%) = (a/b)×100
現像剤担持体表面への現像剤の固着を回避するためには、トナー粒子径より小さい凹凸を減少させる必要があり、樹脂層表面に形成された凹凸の有効線長さSRlrが104%以下でなければならない。現像剤担持体の樹脂層をコーティング法で形成する場合は、結着樹脂の種類とその分子量,導電性微粒子の粒子径とその配合量や分散性,塗布条件等により、有効線長さSRlrを調整することができる。有効線長さSRlrを求めるには、現像剤担持体表面の非常に微小な凹凸を測定する必要がある。そのため、本発明では、前記触針式表面粗さ測定機に代えて、三次元表面形状解析装置(RD500:電子工学研究所製)を使用する。この解析装置は、走査型電子顕微鏡(S4200:日立製作所製)の反射電子信号から試料表面の形状を解析する装置である。
【0011】
前記結着樹脂としては、樹脂層の表面特性,機械的強度,価格等の面でフェノール樹脂が特に好適に用いられる。フェノール樹脂は、架橋前の重量平均分子量Mwが4500以上であるものが好ましい。
すなわち、上記分子量Mwが4500未満であると、トナー粒子径より小さい導電性微粒子の分散性が悪くなる。分散性が悪化すると、これらの導電性微粒子の二次凝集体の粒子径が大きくなり、コーティング後の現像剤担持体表面にこれら二次凝集体が露出し、トナー粒子径より小さい凹凸が増加して有効線長さSRlrが104%を越えてしまう。その結果、現像剤担持体から現像剤への熱エネルギーの移動が促進され、また現像剤が現像剤担持体に機械的に削られてしまうため、現像剤担持体に現像剤の固着が生じる。
【0012】
前記樹脂層は次のようにして形成することができる。まず、結着樹脂,導電性微粒子,希釈剤(溶剤)、および必要に応じて各種添加剤等を混合し、更にサンドミル等で固形分を均一に分散して塗布液を調製する。この際、希釈剤の混合割合を調節して塗布液の粘度,造膜性を調節する。次いで、円筒状基体を回転させながらその表面に塗布液を噴霧するエアスプレー法等によりコーティングし、130〜250℃で結着樹脂を硬化させる。
希釈剤としては、ヘキサン,ベンゼン,トルエン,キシレン等の炭化水素類、メチルエチルケトン,シクロヘキサノン等のケトン類、エタノール,イソプロパノール,ブタノール等のアルコール類、ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル,酢酸ブチル,酪酸エチル等のエステル類などが挙げられる。これらの希釈剤や前記結着樹脂および導電性微粒子は、単独でもあるいは異なる物質を2種以上混合して用いてもよい。
このようにして形成された樹脂層中には導電性微粒子が分散した状態にあり、樹脂層表面から少なくとも導電性微粒子の一部が突出して、前述したように、トナー粒子径より大きい凹凸と小さい微細な凹凸とが共存した状態にある。
【0013】
ところで、結着樹脂に対する導電性微粒子の含有量が多くなると体積比率も高くなり、一般に導電性微粒子が樹脂層表面に露出する割合が高くなる。同時に、トナー粒子径より小さい導電性微粒子の個々の体積が大きくなると、これらの微粒子が樹脂層表面に露出する割合も高くなる。このトナー粒子径より小さい導電性微粒子は樹脂中に分散させても再凝集して二次粒子を形成するため、樹脂層表面に形成される凹凸の程度は二次粒子径に依存する。この二次粒子径は分散方法や結着樹脂の架橋前の重量平均分子量によっても変化する。
前記有効線長さSRlrは専らトナー粒子径より小さい導電性微粒子の樹脂層表面への露出具合によって定まるが、導電性微粒子の粒子径および結着樹脂中の含有量が下記の式で表される関係を満たしている場合、有効線長さSRlrを104%以下に抑えることができる。すなわち、結着樹脂に対するトナー粒子径より大きい導電性微粒子および小さい導電性微粒子の含有量と粒子径を調整することによって、現像剤担持体表面への現像剤の固着を防止することが可能である。
4.5×103×(R1)3V1 + (R2)3V2 < 300
ここで、R1 は樹脂層中のトナー粒子径より小さい導電性微粒子の二次粒子径(μm)、V1 は結着樹脂1g当たりのトナー粒子径より小さい導電性微粒子の含有量(g)であり、R2 は塗布液中に分散した後のトナー粒子径より大きい導電性微粒子の粒子径(μm)、V2 は結着樹脂1g当たりのトナー粒子径より大きい導電性微粒子の含有量(g)である。
【0014】
本発明の現像装置において使用される現像剤は、現像剤担持体との摩擦接触により適切な帯電量が得られるため、磁性一成分現像剤または非磁性一成分現像剤であることが好ましい。しかし、キャリアを用いる二成分現像剤も使用することが可能である。現像剤には、その流動性や帯電性を向上させる目的で、シリカ,チタニア等の外添剤を添加することができる。外添剤の一次粒子径は5〜50nmの範囲にあることが好ましい。
【0015】
本発明の作用は次のとおりである。なお、本発明の要素には、理解を容易にするために、図2に示す現像装置の要素と対応する符号を括弧内に付記する。
請求項1発明の現像剤担持体(4)は、樹脂層(4b)表面におけるトナー粒子径より大きい凹凸が算術平均粗さRaで1.3〜1.8μmの範囲にあるため、適正な現像剤の搬送量および画像濃度を維持することができ、画像濃度の低下や細線の太り等の画質劣化が生じるようなことはない。
また、微細な表面粗さの指標として有効線長さSRlrを導入することにより、樹脂層(4b)表面におけるトナー粒子径より小さい凹凸を有効線長さSRlrで104%以下としたものである。その結果、現像剤(6)の固着を回避することが可能となり、画像濃度の低下を防止することができる。
また、請求項1発明の現像剤担持体 ( ) は、樹脂層 ( 4b ) を構成する結着樹脂としてフェノール樹脂を用い、その架橋前の重量平均分子量Mwを4500以上としたものである。この発明によれば、前記有効線長さ SRlr が104%以下に調整された樹脂層 ( 4b ) が容易に得られるため、現像剤担持体 ( ) 表面への現像剤 ( ) の固着による画像濃度の低下を防止することができる。
請求項2発明の現像剤担持体(4)は、トナー粒子径より大きい導電性微粒子を樹脂層(4b)に分散させたものである。したがって、適切な粒子径範囲にある導電性微粒子を用いることにより、算術平均粗さRaを上記範囲に容易に調整することができる。
【0016】
請求項3発明の現像剤担持体(4)は、トナー粒子径より大きい導電性微粒子と共にトナー粒子径より小さい導電性微粒子を樹脂層(4b)に分散させたものである。したがって、適切な粒子径範囲にある大小2種類の導電性微粒子を用いることにより、現像剤(6)に適正な帯電量を付与することができる。
また、前記現像剤担持体(4)において、導電性微粒子の粒子径および結着樹脂中の含有量が次の関係式を満足するものである。なお、式中のR1 ,V1 ,R2 ,V2 は前述の粒子径または含有量を意味する。
4.5×103×(R1)3V1 + (R2)3V2 < 300
上記粒子径および含有量相互の関係が上記式を満足する場合、前記有効線長さSRlrは104%以下となるので、現像剤が担持体表面に固着することがない。
請求項4発明の現像装置(3)は、請求項1発明〜請求項3発明のいずれかの現像剤担持体(4)を用いるものである。したがって、上述の各請求項発明と同様の作用を奏する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
図2において、静電潜像保持体1は、負帯電系の有機感光層を有する光導電性ドラムであって、帯電手段(図示せず)により一様に帯電させた後、像光を照射することによって生じる電位差により静電潜像2が形成される。静電潜像2が形成された時の表面電位は、例えば画像部で−600V、画像形成時に白表示部となる背景部で−120Vである。
現像装置3は、上記像保持体1に対向して配置された現像剤担持体4を備えている。現像剤担持体4は、外径18mmおよび肉厚0.7mmの円筒状アルミニウム製基体4aと、その周面上に導電性微粒子が分散した樹脂層4bを有する。樹脂層4bは、結着樹脂および希釈剤中に導電性微粒子を分散させた後記の塗布液を基体4a上に塗布することによって形成された膜厚20μm程度の塗膜からなる。
【0018】
現像容器5には、体積平均粒子径7μmの磁性一成分現像剤6が充填される。また、この現像容器5は、現像剤担持体4を収容すると共に、像保持体1に対向して開口する部分で一部露出する担持体4表面と像保持体1とが近接するように配置されている。容器5内には、現像剤6を担持体4側に寄せるアジテータ(図示せず)が回転自在に配置されている。
現像剤担持体4は、その回転により、表面に担持した現像剤6を像保持体1と近接した現像領域に搬送する。現像領域における担持体4と像保持体1との最小間隙は、200μm程度となるように設定されている。担持体4の内部には、複数の磁石が周面に沿って配列され、回転しないように固定されたマグネットロール4cが設けられている。複数の磁石はS極とN極とを周面に沿って配列した磁気パターンを形成しており、この磁気パターンに従って、現像剤6を担持体4の表面に吸着することができるようになっている。
【0019】
現像剤層厚規制部材7は、現像剤担持体4表面に当接する弾性部材7aとこの弾性部材7aを接着した板バネ7bとからなり、板バネ7bの他端は支持部材を介して容器5の上壁に固定支持されている。
弾性部材7aは幅15mm、厚さ1.00mm、ゴム硬度65゜のウレタンゴムからなり、板バネ7bは厚さ0.1mmのステンレス鋼からなる。
現像剤担持体4の基体4aには、直列に接続した高圧交流電源および直流電源によってバイアス電圧である直流重畳交流電圧が印加され、像保持体1の導電性基体(図示せず)と基体4aの間で交番電界が発生するようになっている。
【0020】
本実施例の現像装置の作用は次のようなものである。
容器5内の現像剤6は、現像剤担持体4の回転によって、トナー粒子径より大きい凹凸と小さい凹凸を有する樹脂層4b上に担持される。樹脂層4b上の現像剤6は、現像剤層厚規制部材7を担持体4表面に付勢する板バネ7bの押圧力により弾性部材7aで摺擦される。これにより、静電潜像2を現像するに適正な量の現像剤6が担持体4上に薄層化されると同時に、現像剤6に均一かつ充分な摩擦帯電電荷を付与することができる。
薄層化された現像剤6は、担持体4の回転に伴って現像領域に搬送され、担持体4と像保持体1との間隙に発生する交番電界内で、帯電された現像剤6粒子が飛翔して往復運動する。また、この往復運動によって、現像剤6の粒子同士が衝突し現像剤6全体がクラウド状となる。この現像剤6のクラウドが、バイアス電圧の直流成分によって、像保持体1の静電潜像2部分に引き寄せられて現像が終了する。
【0021】
実施例1
樹脂層(4b)の形成法を下記に示す。
結着樹脂
フェノール樹脂(前記Mw:4500) 100重量部
導電性微粒子
カーボンブラック(一次平均粒子径:10nm) 20重量部
グラファイト(体積平均粒子径:7.5〜9.0μm) 50重量部
希釈剤
プロピレングリコールモノメチルエーテル 100重量部
イソプロパノール 150重量部
上記組成からなる樹脂液中の導電性微粒子をサンドミルで分散し、得られた塗布液をアルミニウム製基体(4a)上にスプレーして塗布した後、熱乾燥炉において160℃で30分間加熱硬化して樹脂層(4b)を形成した。
この樹脂層(4b)表面の算術平均粗さRaを前記触針式表面粗さ測定機で測定したところ、1.7μmであった。また、前記三次元表面形状解析装置により有効線長さSRlrを求めたところ、103.4%であった。
上記樹脂層(4b)を被覆した基体(4a)の内部に前記マグネットロール(4c)を固定し、このようにして現像剤担持体(4)を作製した。
【0022】
以下実施例1とほぼ同様にして、実施例2〜6および比較例1〜9の現像剤担持体を作製した。各実施例および比較例には、実施例1に示した樹脂層の形成法との相違、上記平均粗さRaおよび有効線長さSRlrを示す。
実施例2
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを4800とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.5μmであり、有効線長さSRlrは102.9%であった。
実施例3
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを5000とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.3μmであり、有効線長さSRlrは102.5%であった。
【0023】
実施例4
実施例1と同様にして樹脂層を形成した。ただし、実施例1とは、スプレー装置の回転数、吐出量、スプレーガンと基体(4a)との距離を変化させた。形成された樹脂層表面の平均粗さRaは1.8μmであり、有効線長さSRlrは103.5%であった。
実施例5
実施例1と同様にして樹脂層を形成した。ただし、実施例1,4とは、スプレー装置の回転数、吐出量、スプレーガンと基体との距離を変化させた。形成された樹脂層表面の平均粗さRaは1.3μmであり、有効線長さSRlrは103.0%であった。
実施例6
導電性微粒子として体積平均粒子径10μmのカーボンビーズ単独を40重量部用いた以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.4μmであり、有効線長さSRlrは102.4%であった。
【0024】
比較例1
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを4000とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.6μmであり、有効線長さSRlrは105.2%であった。
比較例2
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを4100とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.5μmであり、有効線長さSRlrは104.8%であった。
比較例3
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを4300とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.4μmであり、有効線長さSRlrは104.2%であった。
【0025】
比較例4
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを3800とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.4μmであり、有効線長さSRlrは106.2%であった。
比較例5
フェノール樹脂の架橋前の重量平均分子量Mwを3000とした以外は、実施例1と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.7μmであり、有効線長さSRlrは108.2%であった。
比較例6
実施例1と同様にして樹脂層を形成した。ただし、各実施例とは、スプレー装置の回転数、吐出量、スプレーガンと基体との距離を変化させた。形成された樹脂層表面の平均粗さRaは2.0μmであり、有効線長さSRlrは103.5%であった。
【0026】
比較例7
実施例1と同様にして樹脂層を形成した。ただし、各実施例および比較例6とは、スプレー装置の回転数、吐出量、スプレーガンと基体との距離を変化させた。形成された樹脂層表面の平均粗さRaは1.1μmであり、有効線長さSRlrは103.3%であった。
比較例8
カーボンビーズの使用量を50重量部とした以外は、実施例6と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは2.1μmであり、有効線長さSRlrは102.9%であった。
比較例9
カーボンビーズの使用量を20重量部とした以外は、実施例6と同様にして樹脂層を形成した。この樹脂層表面の平均粗さRaは1.0μmであり、有効線長さSRlrは102.7%であった。
【0027】
以上の算術平均粗さRaおよび有効線長さSRlrを下記の表1にまとめて示す。更に、実施例1〜5および比較例1〜7において、樹脂層(4b)中のカーボンブラックの二次粒子径R1 (μm)、およびサンドミルで分散した直後の塗布液中のグラファイトの粒子径R2 (μm)を測定した。得られた粒子径およびフェノール樹脂1g当たりのトナー粒子径より小さいカーボンブラックの含有量V1(0.2g)とトナー粒子径より大きいグラファイトの含有量V2(0.5g)を前記式に代入して、導電性微粒子の粒子径と結着樹脂中の含有量の関係を表す数値を求めた。それらの結果を表1に示す。
表1に示すように、有効線長さSRlrが104%以下の場合、前記粒子径と含有量の関係を表す式に従って算出された数値は全て300未満であった。
【0028】
【表1】
Figure 0003671579
【0029】
(コピーテスト)
実施例1〜6および比較例1〜9で作製した現像剤担持体(4)をデジタル複写機(Able1320:富士ゼロックス社製)に組み込み、高温高湿(30℃,RH85%)下にコピーテストを行った。
得られたコピーサンプルにおいて、初期画像濃度とプリント枚数1000枚後の画像濃度は、濃度計(Model404A:X−Rite社製)で測定した。画像濃度の低下率は、初期画像濃度に対する1000枚後の濃度低下の割合を百分率で算出した。また、細線太りは、幅100μmの直線を複写した後に光学顕微鏡の観察結果から評価し、直線の幅が135μm未満のものを良好(○)とし、135μm以上のものを不良(×)とした。「現像剤固着」は、プリント枚数1000枚の時点で、現像剤担持体への現像剤の固着の有無を目視によって評価した。それらの結果を表2に示す。
現像剤固着の評価
○ : 固着なし
× : 固着あり
【0030】
【表2】
Figure 0003671579
【0031】
各実施例の現像剤担持体では、初期画像濃度、1000枚後の画像濃度の低下率、細線太りおよび現像剤固着とも、実用上問題のない結果が得られた。
一方、算術平均粗さRaが1.3〜1.8μmの範囲外にあるか、あるいは有効線長さSRlrが104%より大きい各比較例の現像剤担持体では、何らかの画像欠陥が生じた。
すなわち、平均粗さRaが1.3μm未満の場合は、現像剤の搬送量不足から現像に必要な現像剤量が足りず、結果的に初期画像濃度が低下した。平均粗さRaが1.8μmより大きい場合は、現像剤量過多による細線の太りが生じた。また、有効線長さSRlrが104%より大きいと、現像剤担持体への現像剤の固着が生じるため、1000枚プリント後の画像濃度の低下が大きかった。
【0032】
以上の実施例および比較例の結果をグラフ化したものが図3,4である。
図3は現像剤担持体表面の算術平均粗さRaと有効線長さSRlrのウィンドウを示したグラフであり、枠で囲んだ部分が本発明の実施例を示す。
図4は現像剤担持体表面の有効線長さSRlrと画像濃度の低下率の関係を示し、図中の数字は比較例の番号を示す。図4からも明らかなように、現像剤担持体表面の有効線長さSRlrが104%以下の場合は、画像濃度が全くまたはほとんど低下しない。これは、現像剤担持体への現像剤の固着が回避されていることを意味する。
【0033】
【発明の効果】
本発明の現像剤担持体および現像装置によれば、樹脂層表面におけるトナー粒子径より大きい凹凸が算術平均粗さRaで1.3〜1.8μmの範囲にあり、かつトナー粒子径より小さい凹凸が有効線長さSRlrで104%以下であるため、画像濃度が適正であって細線太りがなく、しかも現像剤担持体への現像剤の固着を回避することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 現像剤担持体の表面粗さの指標として有効線長さSRlrを説明するために示した樹脂層表面の微小な凹凸形状の拡大断面図である。
【図2】 本発明の一実施例として示す一成分現像装置の説明図である。
【図3】 現像剤担持体表面の算術平均粗さRaと有効線長さSRlrのウィンドウを示すグラフである。
【図4】 現像剤担持体表面の有効線長さSRlrと画像濃度の低下率の関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1…静電潜像保持体,2…静電潜像,3…現像装置,4…現像剤担持体,4a…円筒状基体,4b…樹脂層,5…現像容器,6…現像剤,7…現像剤層厚規制部材。

Claims (4)

  1. 架橋前の重量平均分子量が4500以上のフェノール樹脂である結着樹脂であって、導電性微粒子を含有する前記結着樹脂からなる樹脂層が円筒状基体の外周面に被覆され、樹脂層表面にはトナー粒子径より大きい凹凸とトナー粒子径より小さい凹凸が形成され、トナー粒子径より大きい凹凸が算術平均粗さRaで1.3〜1.8μmの範囲にあり、かつトナー粒子径より小さい凹凸が有効線長さSRlrで104%以下であることを特徴とする現像剤担持体。
  2. 前記導電性微粒子がトナー粒子径より大きい請求項1記載の現像剤担持体。
  3. 前記樹脂層は、トナー粒子径より大きい導電性微粒子とトナー粒子径より小さい導電性微粒子とを同時に含有する請求項1記載の現像剤担持体。
  4. 現像容器内に充填した一成分現像剤を現像剤担持体上に担持して、現像剤担持体上の現像剤を現像剤層厚規制部材により均一な厚みに規制し、静電潜像保持体と現像剤担持体の間に電界を作用させて、現像剤により静電潜像保持体表面の静電潜像を現像する現像装置において、上記現像剤担持体として請求項1〜3に記載のいずれか1つを用いることを特徴とする現像装置。
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