JP3670331B2 - 顕微鏡装置 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、各種の光学部材を電動にて光路に挿脱でき且つ合焦機能を備えた顕微鏡システムに係わり、さらに詳しくは合焦機能としてコントラスト法による焦点検出を行う自動合焦装置付き顕微鏡システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
コントラスト検出方式の自動焦点検出装置は、結像光学系によって結像する被検体像の各空間周波数における光強度(パワースペクトル)すなわち被検体像のコントラストが合焦時に最大になるという性質を利用して合焦状態を検出する。例えば、撮像面あるいはそれと共役な面に撮像素子を配置しておき、該撮像素子から得られる映像信号に基づいて物体像のコントラストを表す合焦度評価値を演算して合焦状態を検出する。又は、結像光学系の予定結像面又はその共役面を挟む光軸方向の前後に一対の撮像素子を配置し、これら一対の撮像素子から得られる映像信号に基づいて合焦度評価値を演算して合焦状態を検出する。
【0003】
上述した各方式の自動焦点検出装置は、いづれも撮像素子に入射する被検体像のボケ具合によって焦点状態を検出しており、照明光学系により適切に照明された被検体像を撮像素子に入射する必要がある。例えば、明視野観察、微分干渉観察といった透過検鏡では、開口絞りを対物レンズの射出瞳径に対して必要以上に絞り込めば焦点深度が深くなって合焦位置付近でのコントラスト変化が緩やかになるため合焦精度が劣化するといった問題が生じる。また、光量不足、光量過多、或いは視野絞りの絞り過ぎ等により撮像素子への被検体像の入射光量が不適切であると合焦不良が生じる。そのため、焦点検出精度を確保する為に微妙な顕微鏡操作を必要とし観察者に大きな負担を強いていた。
【0004】
かかる不具合を解消するものとして、照明光学系を適切に制御する機能を備えた自動焦点装置付き顕微鏡装置が開発されている。例えば、特公平5−16566号公報には、対物レンズの倍率、開口数といった諸元データを活用して、合焦動作時にNDフィルタを使用した明るさ制御、視野絞り及び開口絞りを使用した開閉制御を実行して照明光学系を最適化する自動焦点装置付き顕微鏡システムが開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公告公報に記載された顕微鏡システムは、暗視野、位相差、蛍光といった種々の検鏡法に対応できていなかった。すなわち、検鏡法の違いによる被検体像の光量変化、視野絞りならびに開口絞りの適正状態の差異といったことが考慮されておらず、ある検鏡法の設定状態のまま他の検鏡法の合焦検出を行ったのでは合焦状態が検出できない場合があった。
【0006】
また、上述した従来の顕微鏡システムは、合焦状態の検出と同時に焦点検出制御を終了してしまうので、ステージの光軸に対する水平移動、対物レンズの切替えといった観察部位の変更を行う度に、再度AF制御の開始操作を行わなければならないといった問題がある。
【0007】
更に、標本透過率等の標本の固体差が考慮されていない計算式によりNDフィルタ制御を常時実施するように設定されているため、NDフィルタ駆動部の劣化が進むばかりでなく、透過率が低い標本では光量不足による合焦速度の低下、又は合焦状態の検出不能といった事態が生じる可能性があった。
【0008】
本発明は、以上のような実情に鑑みてなされたもので、合焦状態を検出した後もAF制御を中止せず、又は合焦不能を検出するまで焦点検出動作を継続でき、検鏡法ならびに対物レンズの切換えといった観察方法の変更後においても照明光学系の適正制御を行い得て合焦速度及び合焦精度を維持でき、常に合焦がとれ、且つ、良好な顕微鏡観察が行える顕微鏡システムを提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下のような手段を講じた。
請求項1に対応する本発明は、光学部材を光路に対して電動で挿脱又は開閉する電動挿脱/開閉手段と、前記光学部材の光路に対する挿脱又は開閉状態を検出する検出手段と、制御指示を入力するための入力手段と、前記検出手段から前記光学部材の挿脱又は開閉状態が入力されると共に、前記入力手段から入力された制御指示に対応して該当する光学部材を挿脱制御すべく前記電動挿脱手段に対して制御命令を出力する制御手段と、観察対象となっている被検体を駆動指令に基づいて合焦位置へ移動させる焦準手段とを有する顕微鏡装置において、前記光学部材の有する諸元データを光学部材毎に登録した諸元データテーブルが記憶された第1の記憶手段と、前記光学部材の各取付位置に対する装着状態を登録した装着テーブルが記憶された第2の記憶手段と、対物レンズ、検鏡法、又は観察光路の切換えが前記入力手段から指示されると、当該指示に対応した光学配置となるように前記装着テーブル及び前記諸元データテーブルのデータに基づいて制御対象となる光学部材を選定し前記制御手段へ指示する光学部材選定手段と、前記光学部材選定手段で選定した光学配置の下で、観察時には観察条件を満足するように照明光学系の照明状態を前記諸元データテーブルの諸元データに基づいて制御し、焦点検出時には観察を可能にするとともに焦点検出条件を満足するように照明光学系の照明光量を最適化する照明系制御手段と、良好な観察と同時に、結像光学系によって結像される被検体像のコントラストに基づいて焦点検出を行うと共に焦点検出結果に応じた駆動指令を前記焦準手段へ与え、焦点検出不能となるまで又は焦点検出動作の中止命令が入力するまで焦点検出動作を継続する焦点検出手段とを備える。
【0010】
請求項2に対応する本発明は、上記構成の顕微鏡装置において、観察又は焦点検出動作中に、光学部材の挿脱又は開閉状態を含む前記照明光学系の状態が、所定の照明状態を超えた場合に警告を発する警告手段を備える
【0011】
請求項3に対応する本発明は、上記構成の顕微鏡装置において、焦点検出前に観察条件を満足するように制御した照明光学系の状態を保存する復元データ保存手段と、焦点検出動作実行後に与えられた復元要求に応じて前記復元用データ保存手段から状態データを読出して照明光学系を焦点検出動作開始前の状態に復元する照明系復元手段と、前記復元用データ保存手段及び前記照明系復元手段による照明光学系の状態の保存/復元を実行するか否かを選択する選択手段とを備える。
【0012】
【作用】
本発明は、以上のような手段を講じたことにより次のような作用を奏する。
請求項1に対応する本発明によれば、入力手段から対物レンズ、検鏡法、又は観察光路の切換えが指示され、当該指示に対応した光学配置となるように光学部材選定手段が装着テーブル及び諸元データテーブルのデータに基づいて制御対象となる光学部材を選定し、それら光学部材の制御命令が制御手段へ指示される。一方、照明系制御手段によって、光学部材選定手段で選定した光学配置下で、観察条件が満足されるように照明光学系の状態が諸元データテーブルの諸元データに基づいて制御され、焦点検出時にあっては事前に所定の焦点検出条件を満足すように照明光学系の状態がさらに制御される。また、焦点検出手段において結像光学系によって結像される被検体像のコントラストに基づいた焦点検出が実行され、焦点検出結果に応じた駆動指令が焦準手段へ与えられ、この焦点検出動作が焦点検出不能となるまで又は焦点検出動作の中止命令が入力するまで継続される。
【0013】
請求項2に対応する本発明によれば、観察並びに焦点検出動作中に、焦点検出に適さない照明光学系の状態に設定した場合に警告が出力されるので、合焦不良状態の発見及び要因解析が容易になると共にかかる場合に即座に対応できる。
【0014】
請求項3に対応する本発明によれば、選択手段で照明光学系の状態の保存/復元を選択しなければ照明光学系の状態が不適切であっても焦点検出動作を行うことができ、また選択手段で照明光学系の状態の保存/復元を選択すれば焦点検出動作終了後も適切な照明光学系状態で観察を行える。従って、顕微鏡操作に熟知していない人も焦点検出動作を行うだけでその後も良好な顕微鏡観察を行える。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。
図1には本発明の一実施例に係る顕微鏡装置の全体構成が示されており、図2は該顕微鏡装置の光学系の構成が示されている。
【0016】
本実施例の顕微鏡装置に備えられた透過照明光学系は、例えばハロゲンランプからなる透過照明用光源1から発した光を、コレクタレンズ2で集光して透過用フィルターユニット3へ入射し、透過用フィルターユニット3で調整した照明光を、透過視野絞り4、透過開口絞り5、コンデンサ光学素子ユニット6、コンデンサトップレンズユニット7を介して試料ステージ8の下方からステージ上の観察試料Sへ照射する。
【0017】
透過用フィルターユニット3は、透過照明用光源1の色温度を変えずに明るさの調光を行う複数枚のNDフィルターと、色補正を行うための複数枚の補正フィルターとからなり、任意のフィルターを照明光学系の光路中に選択的に挿脱可能になっている。
【0018】
コンデンサ光学素子ユニット6は、光路中に選択的に挿入される複数のユニット6a〜6cからなり、コンデンサトップレンズユニット7は光路中に選択的に挿入される複数のユニット7a,7bからなる。試料ステージ8は観察試料Sを光軸と直交する平面内で2次元移動できると共に、ピント合わせのため光軸方向へ移動可能である。
【0019】
本実施例の顕微鏡装置に備えられた落射照明光学系は、水銀ランプ等からなる落射照明用光源15からの光を、落射用フィルターユニット16、落射シャッター17、落射視野絞り18、落射開口絞り19を介して、キューブユニット11の光路中に挿入されているユニットに入射し、観察試料S側へ反射させて落射照明する。
【0020】
落射用フィルターユニット16は、落射照明用光源15の色温度を変えずに明るさの調光を行う複数枚のNDフィルターと、色補正を行うための複数枚の補正フィルターとから構成される。
【0021】
試料ステージ上方には、上記落射照明光学系と一部光学部材を共用する観察光学系、写真撮影光学系等の他の光学系が配置されている。すなわち、試料ステージ8を上から臨む位置には、複数の対物レンズ9a〜9cを装着可能なレボルバ10が顕微鏡本体にて保持されている。レボルバ10はその回転により観察光路内の光軸上に挿入すべき対物レンズを交換可能に構成されている。レボルバ10は、例えば顕微鏡のアーム先端部に回転自在に取付けられており、そのアーム先端部の観察光路上にキューブユニット11が配設されている。
【0022】
キューブユニット11は、各種検鏡法により選択的に挿入される複数のユニット11a〜11cからなる。キューブユニット11を透過した光をビームスプリッター12で2方向に分岐し、一方の光をビームスプリッター13を介して接眼レンズ14へ導いている。ビームスプリッタ12,13は光路に対して挿脱可能である。
【0023】
観察光路上に挿入されたビームスプリッター12で分岐された他方の光を写真撮影光学系の光路(以下、「写真撮影用光路」と呼ぶ)へ導いている。ビームスプリッター20が写真撮影用光路の途中に挿脱自在に設けられている。光路中に挿入したビームスプリッター20で分岐した一方の光を結像レンズを介してピント検知用受光素子21へ入射するようにしている。このピント検知用受光素子21はピント検知用の光量を測光するためのものである。また、写真撮影用光路のビームスプリッター20で分岐した他方の光を写真撮影用倍率が調整可能なズームレンズ22を介して該光路中に挿入されたビームスプリッター23に入射している。
【0024】
ビームスプリッター23は光路に対して挿脱自在になっており、光路内に挿入したビームスプリッター23で反射させた光を、さらに別のビームスプリッター24に入射して2方向へ分岐している。ビームスプリッター24も光路に対して挿脱自在になっている。光路内に挿入したビームスプリッター24で反射した光は写真用受光素子25に入射している。写真用受光素子25は写真撮影の露出時間を測光するための素子である。ビームスプリッター24を光路から脱した状態で、ビームスプリッター23で反射させた光を写真撮影用シャッター26を介して写真撮影用のフィルムを収納したカメラ27に入射している。
【0025】
次に、本実施例の顕微鏡装置における制御系の構成について説明する。
装置全体の動作を管理しているメインコントロール部30に対して専用シリアルバス31を介して写真撮影コントロール部32、AFコントロール部33、フレームコントロール部34、透過フィルターコントロール部35、透過視野絞りコントロール部36、コンデンサコントロール部37、落射絞りコントロール部38、落射フィルターコントロール部39をそれぞれ接続している。
【0026】
写真撮影コントロール部32は、ビームスプリッター12,20,24を光路中に挿脱するための駆動及び制御と、ズームレンズ22の駆動及び制御と、写真用受光素子25の測光値から写真撮影時間を算出するための演算処理と、写真撮影用シャッターの開閉駆動制御と、カメラ27のフィルム巻き上げ及び巻き戻し制御とを行う。
【0027】
AFコントロール部33は、ピント検知用受光素子21からのデータで所定の合焦演算を行い、その演算結果に応じて試料ステージ8を駆動することにより自動合焦検出を行う機能を備える。
【0028】
フレームコントロール部34は、透過照明用光源1、落射照明用光源15、レボルバー10、キューブユニット11、落射シャッター17をメインコントロール部30からの指令に応じて駆動制御する部分である。
【0029】
透過フィルターコントロール部35は透過用フィルターユニット3の駆動及び制御を行い、透過視野絞りコントロール部36は透過用視野絞りの駆動及び制御を行う部分である。コンデンサコントロール部37はコンデンサ光学素子ユニット6、コンデンサトップレンズユニット7、透過用開口絞り5の駆動及び制御を行い、落射絞りコントロール部38は落射視野絞り18、落射開口絞り19の駆動及び制御を行う。落射フィルターコントロール部39は落射用フィルターユニット16の駆動及び制御を行う。
【0030】
上記各コントロール部32〜39は、それぞれ図3に示す回路構成を備えている。すなわち、各コントロール部は、CPU回路41と、このCPU回路41からの指令で制御対象の光学ユニットを駆動する駆動回路42と、制御対象の光学ユニットの位置を検出してCPU回路41へ知らせる位置検知回路43と、CPU回路41と専用シリアルバス31とを接続する専用シリアル通信I/F回路44と、その他の図示しない周辺回路とを内蔵する。上記CPU回路41は、CPU45がROM46、RAM47にCPUバス48を介して接続され、ROM46に各々の制御内容を記述したプログラムが記憶され、RAM47に制御演算用のデータが格納される。各コントロール部32〜39に専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30から制御指示が送れ込まれ、CPU45がROM46のプログラムに従って動作することにより各々受け持ちの光学ユニット等の制御を行うことができる。
【0031】
図4はメインコントロール部30と操作パネル装置の構成を示す図である。メインコントロール部30は、CPU100に対して内部バス120を介してROM101、RAM102、フォントデータROM103、補助記憶装置104、表示用メモリ105、不揮発性メモリ113等が接続されている。
【0032】
ROM101には、各種の制御内容を記述したプログラムと演算制御用のデータが格納され、特に後述する光学指示部材への光学部材の装着処理を記述したプログラム、照明光学系の最適処理を記述したプログラムが格納されている。RAM102には、刻々と変化する制御並びに演算用の各種作業データが格納され、不揮発メモリ113には、詳細を後述する照明系の制御に用いる各種補正係数データ、光学支持部材への光学部材の装着を定義した光学部材装着データが格納される。
【0033】
フォントデータROM103は、英語、日本語、特殊図形及び特殊文字等のフォントデータが格納されている。補助記憶装置104は、ICカード等の情報記憶媒体に対して情報を読み書きできる構成となっている。表示用メモリ105には、表示装置109に表示するデータがCPU100より書き込まれる。
【0034】
また、CPU100は専用シリアル通信インターフェース回路106を介して専用シリアルバス31に接続され、インターフェース回路107を介してパーソナルコンピュータ等からなる遠隔制御用ホスト装置108に接続されている。
【0035】
一方、上記表示用メモリ105に格納された表示データを表示装置109に表示することにより、観察者に操作入力のための画面を提供している。この表示装置109に表示された画面に対してタッチパネル、ジョグダイヤル125、専用スイッチなどからなる操作指示部材110から指示入力する。操作指示部材110から指示入力された情報は検出回路111で検出されてCPU100へ入力される。更にCPU100にブザー音を出力する音源112が接続されている。
【0036】
図5は、メインコントロール部30の外観図を示している。メインコントロール部30は、ICカード121を装填するための装着部122を備えており、装着部122に装填されたICカード121が補助記憶装置104に電気的に接続される。また、露出動作用スイッチ123ならびに焦点検出動作用スイッチ124が専用スイッチとして設けられており、検出回路111に接続されている。
【0037】
また開口絞り、視野絞り、照明光量が適切でない場合の警告用としてLED126が設けられている。
次に、以上のように構成された本実施例の動作について説明する。
【0038】
先ず、各取付位置に装着される光学部材の設定を、光学支持部材を用いて図6に示す対物レンズ装着設定画面にて行う。
対物レンズ装着設定画面は、レボルバ穴位置選択スイッチ204a〜204fと対物レンズ名称の一覧を表示するスクロール表示領域206と、現在の対物レンズ装着状況を表示する対物レンズ装着状況表示領域207と、対物レンズ装着設定スイッチ205で構成される。
【0039】
なお、スクロール表示領域206には、RAM102に配置されている対物レンズ諸元テーブルに格納されている各対物レンズの名称一覧が表示される。レボルバ穴位置選択スイッチ204a〜204fのいずれかを押し下げることにより、CPU100より専用シリアルバス31を介して、当該レボルバ穴位置が光路に対して挿入する制御指示命令がフレームコントロール部34に送出される。フレームコントロール部34がこの制御指示を受ける形でレボルバ7を回転制御して対象レボルバ穴位置を光路上に挿入する。そこで、光路上のレボルバ穴位置に観察者が対物レンズを取りつけることになる。次に、スクロール表示領域206に表示されている対物レンズ名称一覧上における対応する対物レンズ位置へジョグダイヤル125を回転させてカーソルを移動して装着設定スイッチ205を押し下げる。この操作により当該レボルバ穴位置の対物レンズの設定が完了し、当該設定データが不揮発メモリ113に設けられた光学部材装着テーブルに格納され、対物レンズ装着設定表示領域207の該当表示領域が当該設定データに更新される。
【0040】
同様の操作により、キューブ、トップレンズ、光学素子、フィルタ、接眼レンズ等の諸元データが設定可能であり、不揮発メモリ113に設けられる光学部材装着テーブルに格納される。
【0041】
以後、対物レンズの切換え、検鏡法の切換え、観察光路の切換え等の制御指示が操作指示部材110に設けられた入力手段より入力されると、ROM101に格納されている制御プログラムにより不揮発メモリ113に配置されている光学部材装着テーブルと、RAM102に配置されている光学部材諸元テーブルを利用して、各コントロール部32〜39に専用シリアルバス31を介して制御指示が送り込まれ、CPU45がROM46のプログラムに従って動作することにより各々受持ちの光学ユニットの制御が行われる。
【0042】
次に上記光学部材の設定動作で各光学支持部材に装着された光学部材の諸元データを活用した照明光学系の最適制御について、落射蛍光と透過微分干渉の同時観察時の対物レンズ切換えを例にとり説明する。
【0043】
先ず、操作指示部材110より対物レンズ切換え指示が入力されると、指定対物レンズを光路に挿入すべく制御指示命令が専用シリアルバス31を介してフレームコントロール部34に送られる。フレームコントロール部34がその制御指令を受ける形でレボルバ7を回転制御して当該対物レンズを光路に挿入する。
【0044】
メインコントロール部30は、操作指示部材110より指示された対物レンズの諸元データをRAM102に配置されている対物レンズ諸元データテーブルから取り出してくる。光路に挿入される対物レンズに対応する諸元テーブル内の透過微分干渉条件で定義されている光学部材を光路に挿入すべくコンデンサコントロール部37に制御指示を送り、当該対物レンズの諸元データテーブルに設定されている適切なコンデンサ光学部材が配置されるように必要な光学部材を光路に対して挿脱する。更に、以下の絞り制御及びフィルタ制御を実行する。
【0045】
透過視野絞り径φFSを次式により算出する。
φFS=視野数/(対物レンズ倍率×ズーム倍率×視野絞り投影倍率)×Kfs〔mm〕…[式1]
ここで、視野数は接眼レンズ14の視野数でありRAM102に格納された不図示の接眼レンズ諸元テーブルより求まり、対物レンズ倍率は図7の対物レンズ諸元テーブルより求まる。視野絞り投影倍率はRAM102に格納した図8に示すトップレンズ諸元テーブルより求まる。ズーム倍率は、写真撮影コントロール部37からの倍率変化通知時にRAM102に格納されているのでその値を用いることになる。Kfsは視野外接時を1とする補正係数であり、初期値として暗視野検鏡以外は1、暗視野検鏡は開放径に相当する係数が設定されている。この補正係数Kfsは、不揮発メモリ113に配置した,検鏡法とレボルバ穴位置とで一意に定まるテーブル上に格納されており電源遮断後もその値は保持される。補正係数Kfsは操作者が操作により任意に調整できる。
【0046】
従って、上記計算をCPU100が行い、求められた透過視野絞り径を透過視野絞りコントロール部36に制御指示することにより透過視野絞り径が最適に開閉制御され、対物切換えに伴う絞り過ぎによる視野のケラレ、ならびに開き過ぎによるフレアの増加といった現象を防止できる。
【0047】
透過開口絞りφAS径を次式により計算する。
φAS=2×対物レンズ開口数×トップレンズ焦点距離×Kas1〔mm〕…[式2]
ここで、対物レンズ開口数は図7の対物レンズ諸元テーブルより、トップレンズ焦点距離は図8のトップレンズ諸元テーブルより求める。Kas1は、対物レンズの瞳径外接時を1とする補正係数であり、初期値として暗視野および位相差検鏡は開放径に相当する係数が、また他の検鏡法は0.8が設定されている。この補正係数Kas1は、不揮発メモリ113に配置された検鏡法とレボルバ穴位置とで一意に定まるテーブル上に設定されており、電源遮断後もその値は保持される。補正係数Kas1は、操作者が不図示の操作により任意に調整できる。
【0048】
従って、上記計算をCPU100が行い、求まった透過開口絞り径をコンデンサコントロール部37に制御指示することにより透過開口絞り径が最適に開閉制御され、対物切換えに伴う開口絞りの絞り過ぎあるいは開き過ぎによるコントラストの低下及び分解能の低下といった現象を防止できる。
【0049】
透過NDフィルタの組合せを次式により計算する。
Figure 0003670331
ここで、logaは低が21/4 の対数を表す。Kobsは顕微鏡装置の光学性能によって決定される検鏡法に応じた定数である。OBは対物レンズの明るさ係数であり、UplanApo10×の(開口数2 /倍率2 )を1とした場合の比率である。OBは当該対物レンズの諸元テーブルより算出される。Biは観察面への100%光路を1とした場合の光量比、Kndは標本状態等により観察者により設定される補正係数であり初期値は0が設定されている。補正係数Kndも上記透過視野絞り径あるいは上記透過開口絞り径と同様に任意に調整でき電源遮断後もその値は保持される。
【0050】
従って、上記計算をCPU100が行い、求まったlogaND値に対応するNDフィルタ組合せ(NDフィルタの光路へのIN/OUTの組合せ)を図9に示すNDフィルタ組合わせテーブルよりを求める。その求めたNDフィルタ組合わせを透過フィルタコントロール部35に制御指示することにより、観察面での明るさが最適になるように対物切換えに伴う明るさの自動調光ができる。なお、NDフィルタは、透過率が1/2,1/4,1/16,1/64の4枚が透過フィルタユニット3に装着されているものとする。
【0051】
落射開口絞り径φASは次式により算出される。
Figure 0003670331
ここで、対物レンズ開口数、対物レンズ焦点距離は図7の対物レンズ諸元テーブルより求まり、開口絞りの投影倍率は顕微鏡装置の光学設計で決定される定数である。Kas2は対物レンズの瞳径外接時を1とする補正係数であり、透過開口絞りの場合と同様な初期値を有する。Kas2も任意に可変でき電源遮断後もその値は保持される。
【0052】
従って、上記計算をCPU100が行い、求まった落射開口絞り径を落射絞りコントロール部38に制御指示することにより、対物切換えに伴う落射開口絞りの最適制御が行われる。
【0053】
以上のように光学部材の諸元データを活用した照明系の制御を基本として、観察条件を満足しかつ焦点検出制御(以後、「AF制御」と称す)に適した照明光学系の制御について以下に説明する。
【0054】
先ず、AF停止状態からAF制御を起動する動作について透過検鏡の場合を例にとり図10を用いて説明する。焦点検出動作用スイッチ124が押し下げられると、ROM101に格納されている制御プログラムが起動されて以下の制御が行われる。
【0055】
現在の検鏡法及びレボルバ位置で決まる開口絞り(以後、ASと称す)、視野絞り(以後、FSと称す)、NDフィルタの各補正係数をRAM102に退避する(S1)。
【0056】
次に、ピント検出用受光素子21へ被検体像を入射するためにビームスプリッタ12,20の駆動指示を写真撮影コントロール部32へ送出する(S2)。被検体像をピント検出用に分配したことにより観察光量が減少するので、これを補正するためにNDフィルタのIN/OUT制御指示を透過フィルタコントロール部35に送出し、観察光量を一定に保つ(S3)。
【0057】
続いて、FS径の妥当性をチェックする(S4)。すなわち現在の検鏡法が暗視野検鏡の場合は物理的なFSの開放径に対して40%未満、他検鏡の場合は視野外接径に対して40%未満に絞りこまれている場合はFS径を不当と判断し、前述の各検鏡法に応じた初期値にFS径を制御するよう透過視野絞りコントロール部36に制御指示が送られる(S5)。
【0058】
またAS径については、現在の検鏡法が暗視野検鏡の場合は物理的な開放径に対して70%未満、位相差検鏡の場合は対物レンズの瞳径に対して100%未満、他検鏡の場合は対物レンズの瞳径に対して70%未満に絞りこまれている場合はAS径を不当と判断し(S6)、前述の各検鏡法に応じた初期値にAS径を制御するようコンデンサコントロール部37に指示が送られる(S7)。
【0059】
上記の動作によりAF制御のための照明系の適正化準備を行った後、AF制御の開始指示をAFコントロール部33に送出する(S8)。その結果、AFコントロール部33では所定の合焦評価演算を行い、その演算結果に応じて試料ステージ8を光軸方向に駆動することにより自動焦点検出動作を行う。
【0060】
合焦評価演算の際に光量不足あるいは光量過多を検出した場合は、AFコントロール部33より専用シリアルバス31を介してその旨がメインコントロール部30に通知され(S9)、メインコントロール部30より光量を適正化させるように透過フィルタコントロール部35にNDフィルタの光路に対するIN/OUT制御指示を行う(S10)。
【0061】
なお、合焦検出のためにNDフィルタのIN/OUT制御を無制限に行うと観察者にとって好ましい観察光量を逸脱する恐れがある。従って、AF制御開始前の観察光量に対してNDフィルタで±2段(光量比で1/4倍から4倍)までの範囲で自動調光を行うという制限を設ける。但し、観察者が不図示の光量増減操作によりNDフィルタのIN/OUT組合せを変更する場合は、上記制限を越えた光量調整を可能とする。
【0062】
そして、AFコントロール部33よりメインコントロール部30に合焦検出通知が通知される(S11)。この通知を受けたメインコントロール部30が表示装置109に合焦成功の旨の表示を行う(S12)。以後、合焦検出不能もしくはAF制御の中止操作を行うまで自動焦点検出動作を継続し、合焦のとれた顕微鏡観察が可能となる。
【0063】
また、AFコントロール部33より合焦不能通知がメインコントロール部30に通知された場合は(S11)、AF制御の中止指示をAFコントロール部33に送信しAF動作を終了させ(S13)、ピント検出用受光素子21への被検体像の入射を中止するようビームスプリッタ12,20の駆動指示を写真撮影コントロール部32へ送出する(S14)。そしてS1処理にてRAM102に退避していたAS,FS,NDフィルタの各補正係数を復旧し(S15)、該補正係数を使用して透過視野絞りコントロール部36へのFS径復旧制御指示の送出(S16)、コンデンサコントロール部37へのAS径復旧制御指示の送出(S17)、透過フィルタコントロール部35へのNDフィルタのIN/OUT組合復旧制御指示の送出(S18)を行い、AF制御開始前の状態に復旧する。最後にAF制御による合焦検出不能表示を表示装置109に出力する(S19)。
【0064】
次に、AF動作中に観察方法の変更があった場合における、観察及びAF制御の為の照明光学系の最適化について、対物レンズ切換えと検鏡法切換えを例にとり図11及び図12を用いて説明する。
【0065】
操作指示部材110に設けられた不図示の対物レンズ切換えスイッチを押し下げると、ROM101に格納されている制御プログラムにより以下の制御が行われる。
【0066】
先ず、RAM102に退避されているAS,FS,NDフィルタの各補正係数を、不揮発メモリ113に設けられている検鏡法と対物レンズで一意に定まる補正係数格納領域に格納する(S20)。
【0067】
本処理により、AF制御時に合焦精度を確保するために調整した照明光学系の制御状態をAF制御開始前の条件に復旧させることができる。なお、合焦中に観察者が不図示の操作によりAS径、FS径、NDフィルタによる光量調整を行った場合は、RAM102に退避されている各補正係数が更新されるので、観察者が行った操作が常に優先されることになる。
【0068】
そして、切換え予定の対物レンズのAS,FS,NDフィルタの各補正係数をRAM102に退避し、対物レンズ切換え後のAF制御による照明光学系の制御状態の変更に備える(S21)。
【0069】
対物レンズの切換え動作中は照明系が一時不安定な状態となるので、AF制御動作が不安定にならないようにAF制御の一時中断指示をAFコントロール部33に送信する(S22)。
【0070】
そして、フレームコントロール部34に対して当該対物レンズを光路に挿入すべくレボルバの回転制御指示が送出されると共に、詳細は省略するが各コントロール部34〜39に対して照明光学系を適切にすべく各種制御指示命令が送出される(S23)。なお、対物レンズの切換えに伴い変更される倍率、開口数といった諸元データをAFコントロール部33に送信することにより、対物レンズの諸元データに応じた合焦評価演算も可能となる。
【0071】
上記S23処理にて一連の対物レンズ切換え動作が完了したら、AF動作開始処理のS4〜S8処理と同様のFS径、AS径の補正制御を行った後(S24〜S27)、中断していたAF動作を再開すべくAF制御再開指示をAFコントロール部33に送出する(S28)。
【0072】
以後の動作は、AF動作開始フローと同様であり説明を省略する。
また、検鏡切換えにおいては図12に示すように対物レンズ切換え制御(S23)と検鏡切換え制御(S43)とが異なるのみなので説明は省略する。
【0073】
なお、検鏡法が異なると被検体像の特徴が変化をするので常に同一の合焦評価演算を行うと合焦速度の低下、あるいは合焦不能といった問題が存在する。本処理では、検鏡切換え後に現在の検鏡法を専用シリアルバス31を介してAFコントロール部33に送信することにより検鏡法に応じた合焦評価演算が可能となり、合焦速度ならびに合焦精度の向上が可能となる。
【0074】
顕微鏡を使用するにあたって、写真撮影を記録手段として用いるのは最も一般的な手法である。一般に肉眼による観察系は写真撮影系に比べて焦点深度は深くなっており、写真撮影時は観察時の合焦状態よりも更に合焦条件を厳しくする必要がある。
【0075】
以下では、露出動作における照明光学系の最適制御を考慮したAF制御動作について図13を用いて説明する。
露出動作スイッチ123を押し下げると、現在のFS径及びAS径をRAM102に退避(S60)した後、AF動作開始処理のS4〜S8処理と同様のFS径、AS径の補正制御を行う(S61〜S64)。
【0076】
続いて、AFコントロール部33に写真撮影精度を満足する合焦検出を行うべくAF制御の再実行指示を送出し、再度の合焦検出動作を行う(S65)。
AFコントロール部33より合焦検出が通知されたら(S66)、露出途中で焦準部を移動することによるピンボケを防止する為、メインコントロール部30より、AF制御の一時中断指示をAFコントロール部33に送信する(S67)。そして、露出開始時の写真撮影状態を復元するためにS60処理にてRAM102に退避していたFS径、AS径を再現すべく、透過視野絞りコントロール部36並びにコンデンサコントロール部37へ各々復旧制御指示を送出する(S68)。
【0077】
上記S68処理にて一連の露出動作準備が完了したら、写真撮影コントロール部32に露出開始指示を送出し、予めメインコントロール部30より不図示の写真撮影条件設定操作により写真撮影コントロール部32に通知されている撮影条件に基づいて一連の露出動作が行われる(S69)。
【0078】
露出動作が完了したら、中断していたAF動作を再開すべくAF制御再開指示をAFコントロール部33に送出しAF制御が継続されることになる(S28)。
【0079】
次に、観察並びにAF制御に適さない照明光学系状態の警告表示について図14〜図16を用いて説明する。
先ず、透過検鏡の場合を例にとり開口絞り径が不当な状態になった場合の動作について説明する。
【0080】
コンデンサコントロールユニット7に装着されている不図示の開口絞り環を回転操作、あるいはメインコントロール部30に設けられているジョグダイヤル125を回転操作すると、コンデンサコントロール部37がその回転方向及び回転量を検出し開口絞り5の開閉制御を行い、専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30にAS径の変化を通知する(S80)。
【0081】
メインコントロール部30では該AS径を基に前述の式2よりAS補正係数Kas1を求めRAM102及び不揮発メモリ113に設けられている補正係数データを更新し(S81)、AS径の妥当性をチェックする(S82)。すなわち、現在の検鏡法が暗視野検鏡の場合は物理的な開放径に対して70%未満、位相差検鏡の場合は対物レンズの瞳径に対して100%未満、他検鏡の場合は対物レンズの瞳径に対して70%未満に絞りこまれている場合はAS径を不当と判断し、音源112を介してAS径警告音を出力すると共にAS径警告LED126aを点灯表示する(S83)。
【0082】
従って観察者は、容易にAS径の絞り過ぎによる観察並びにAF制御に適さない状態になったことを判断でき、かつ上記操作により開口絞り5を開くといった適切な対応を容易にとれる。なお、S82処理にてAS径を妥当と判断した場合は、上記AS径警告出力は中止される(S84)。
【0083】
続いて、透過検鏡の場合を例にとり視野絞り径が不当な状態になった場合について説明する。
透過視野絞りユニット4に装着されている不図示の視野絞り環を回転操作、あるいはメインコントロール部30に設けられているジョグダイヤル125を回転操作すると、透過視野絞りコントロール部36がその回転方向及び回転量を検出し視野絞り4の開閉制御を行い、専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30にFS径の変化を通知する(S85)。
【0084】
メインコントロール部30では該FS径を基に前述の式1よりFS補正係数Kfsを求めRAM102及び不揮発メモリ113に設けられている補正係数データを更新し(S86)、FS径の妥当性をチェックする(S87)。すなわち、現在の検鏡法が暗視野検鏡の場合は物理的な開放径に対して40%未満、他検鏡の場合は視野外接径に対して40%未満に絞りこまれている場合はFS径を不当と判断し、音源112を介してFS径警告音を出力すると共にFS径警告LED126bを点灯表示する(S88)。
【0085】
従って観察者は、容易にFS径の絞り過ぎによる観察並びにAF制御に適さない状態になったことを判断でき、かつ上記操作により視野絞り4を開くといった適切な対応を容易にとれる。なお、S87処理にてFS径を妥当と判断した場合は、上記FS径警告出力は中止される(S89)。
【0086】
続いて、透過検鏡の場合を例にとり光量がAF制御に対して不当な状態になった場合の動作について説明する。なお光量の妥当及び不当はAFコントロール部33が判断する為にAF制御中が警告出力の対象期間となる。
【0087】
メインコントロール部30に設けられているジョグダイヤル125を回転操作すると、メインコントロール部30がその回転方向に応じて前述の式3のNDフィルタ補正係数を±1してlogaNDを算出し、図9に示すNDフィルタ組合テーブルよりNDフィルタの光路に対するIN/OUT組合せを求め、専用シリアルバス31を介して透過フィルタコントロール部35に対して制御指示を送出する(S90)。そして、RAM102及び不揮発メモリ113に設けられている補正係数データを更新する(S91)。
【0088】
AFコントロール部33が光量不足あるいは光量過多を検出した場合はその旨が専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30に通知され(S92)、音源112を介して光量警告音を出力すると共に光量不足の場合は光量アンダーLED126cを、光量過多の場合は光量オーバLED126dを点灯する(S93)。
【0089】
従って観察者は、容易にAF制御に適さない状態になったことを判断でき、かつ適切な対応を容易にとれることになる。なおS92処理にて光量妥当通知がされた場合は、光量警告出力は中止する(S94)。
【0090】
最後に、AF動作を行うことにより、AS径、FS径ならびにNDフィルタによる光量制御といった照明光学系の適正化制御が行われ、AF制御終了後も観察状態に適した照明光学系状態を維持する動作について説明する。
【0091】
不図示の照明光学系制御選択スイッチにより、AF制御終了後、対物レンズ切換え時、並びに検鏡法切換時にAS,FS,NDフィルタ補正係数を退避/復旧制御を行うか否かを選択し、不揮発メモリ113に格納する。そして、各補正係数の退避/復旧制御を行わない設定を行った場合は、図11の対物レンズ切換え動作フロー、図12の検鏡切換え動作フローにおいて各補正係数の退避/復旧操作を実施しないことにより実現する。
【0092】
従って、顕微鏡操作に熟練した人は操作者優先の観察並びにAF制御が実施でき、顕微鏡操作に不慣れな人はAF制御スイッチを押すだけで、自動的に観察並びにAF制御に適した照明光学系の状態を構築することができる。
【0093】
このように本実施例によれば、光学部材の諸元データと現在の観察状態を基に、必要最小限の視野絞り径、開口絞り径、NDフィルタによる光量調整といった照明光学系の制御を実施することにより合焦速度の向上並びに観察状態を維持しかつ合焦のとれた顕微鏡観察が可能となる。
【0094】
また本実施例によれば、対物レンズ切換え、検鏡法切換えといった観察方法の切換え時に、焦点検出制御の中断/再開処理を行うことにより照明光学系が一時的に不安定になる場合の焦点検出動作を実施しないことにより、観察方法の切換後も継続して合焦のとれた顕微鏡観察が可能となる。
【0095】
また本実施例によれば、現在光路に挿入されている対物レンズの諸元データ並びに検鏡法を自動焦点検出装置に通知することにより、合焦評価演算の適切な選択が可能となり合焦速度並びに合焦精度が向上する。
【0096】
また本実施例によれば、観察者は肉眼の焦点深度を写真撮影時は撮影の焦点深度を満たす合焦評価演算を行うことにより観察時の合焦速度が向上できると共に、写真撮影時に視野絞り並びに開口絞りの絞り過ぎによりピンボケを防止するために露出前に適切な状態に制御後に再焦点検出動作を行うことにより写真撮影精度が向上する。
【0097】
また本実施例によれば、観察時並びに焦点検出動作時に視野絞り径並びに開口絞り径、光量の過不足といった警告表示を行うことにより顕微鏡操作者が容易に照明光学系の妥当性を判断できかつ適切な処置を施せる。
【0098】
なお、上記実施例では、メインコントロール部30が視野絞り、開口絞りの妥当性を判断しているが焦点検出装置に視野絞り並びに開口絞りの補正係数を通知することにより焦点検出動作で判断並びに活用することも可能である。
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々変形実施可能である。
【0099】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、種々の観察状態、写真撮影、焦点検出動作において照明光学系を適切に制御することにより各々の性能が向上できかつ操作性の改善された顕微鏡装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る顕微鏡装置の全体構成図である。
【図2】図1に示す顕微鏡装置における光学系の構成図である。
【図3】図1に示す顕微鏡装置におけるコントロール部の構成図である。
【図4】図1に示す顕微鏡装置におけるメインコントロール部の構成図である。
【図5】メインコントロール部の外観図である。
【図6】対物レンズの光学支持部材への装着を設定するための操作画面図である。
【図7】対物レンズの諸元テーブルの構成図である。
【図8】コンデンサトップレンズの諸元テーブルの構成図である。
【図9】光量比NDによるNDフィルタのIN/OUT組合せ図である。
【図10】焦点検出開始動作の処理フロー図である。
【図11】対物レンズ切換え動作の処理フロー図である。
【図12】検鏡切換え動作の処理フロー図である。
【図13】露出動作の処理フロー図である。
【図14】開口絞りの任意調整の処理フロー図である。
【図15】視野絞りの任意調整の処理フロー図である。
【図16】NDフィルタによる光量調整の処理フロー図である。
【符号の説明】
30…メインコントロール部、31…専用シリアルバス、32…写真撮影コントロール部、33…AFコントロール部、34…フレームコントロール部、35…透過フィルターコントロール部、36…透過視野絞りコントロール部、37…コンデンサコントロール部、38…落射視野絞りコントロール部、39…落射フィルターコントロール部、45,100…CPU、101…ROM、102…RAM、104…補助記憶装置、109…表示装置、110…操作指示部材、111…検出回路、112…音源、121…ICカード、122…装着部。

Claims (3)

  1. 光学部材を光路に対して電動で挿脱又は開閉する電動挿脱/開閉手段と、
    前記光学部材の光路に対する挿脱又は開閉状態を検出する検出手段と、
    制御指示を入力するための入力手段と、
    前記検出手段から前記光学部材の挿脱又は開閉状態が入力されると共に、前記入力手段から入力された制御指示に対応して該当する光学部材を挿脱制御すべく前記電動挿脱手段に対して制御命令を出力する制御手段と、
    観察対象となっている被検体を駆動指令に基づいて合焦位置へ移動させる焦準手段とを有する顕微鏡装置において、
    前記光学部材の有する諸元データを光学部材毎に登録した諸元データテーブルが記憶された第1の記憶手段と、
    前記光学部材の各取付位置に対する装着状態を登録した装着テーブルが記憶された第2の記憶手段と、
    対物レンズ、検鏡法、又は観察光路の切換えが前記入力手段から指示されると、当該指示に対応した光学配置となるように前記装着テーブル及び前記諸元データテーブルのデータに基づいて制御対象となる光学部材を選定し前記制御手段へ指示する光学部材選定手段と、
    前記光学部材選定手段で選定した光学配置の下で、観察時には観察条件を満足するように照明光学系の照明状態を前記諸元データテーブルの諸元データに基づいて制御し、焦点検出時には観察を可能にするとともに焦点検出条件を満足するように照明光学系の照明光量を最適化する照明系制御手段と、
    良好な観察と同時に、結像光学系によって結像される被検体像のコントラストに基づいて焦点検出を行うと共に焦点検出結果に応じた駆動指令を前記焦準手段へ与え、焦点検出不能となるまで又は焦点検出動作の中止命令が入力するまで焦点検出動作を継続する焦点検出手段と、
    を具備することを特徴とする顕微鏡装置。
  2. 観察又は焦点検出動作中に、光学部材の挿脱又は開閉状態を含む前記照明光学系の状態が、所定の照明状態を超えた場合に警告を発する警告手段を具備したことを特徴とする請求項1記載の顕微鏡装置。
  3. 焦点検出前に観察条件を満足するように制御した照明光学系の状態データを保存する復元データ保存手段と、
    焦点検出動作実行後に与えられた復元要求に応じて前記復元用データ保存手段から状態データを読出して照明光学系を焦点検出動作開始前の状態に復元する照明系復元手段と、
    前記復元用データ保存手段及び前記照明系復元手段による照明光学系の状態の保存/復元を実行するか否かを選択する選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の顕微鏡装置。
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