JP4873382B2 - 顕微鏡装置及び該顕微鏡装置の制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の対物レンズの中から光軸上に配置すべき対物レンズを指定することができ、試料または対物レンズを電動で光軸方向に移動可能な顕微鏡装置及び該顕微鏡装置の制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、微細な試料を拡大観察したり、観察像を写真やビデオ画像として記録することができる顕微鏡装置は、生物分野の研究をはじめ、工業分野の検査工程に至るまで、幅広く利用されている。これらの顕微鏡装置においては、通常、倍率の異なる複数の対物レンズを回転式レボルバに取り付け、このレボルバを手動または電動で回転させ、観察光路上に挿入すべき対物レンズを切り換えることにより、異なる拡大倍率で観察を行っている。ところで、従来このような顕微鏡装置では、対物レンズ切換の際に、対物レンズとスライドガラスまたは検査ウェハとが干渉する可能性が高かった。特に、高倍率の観察においては、対物レンズの作動距離(以下、WD:workingdistanceと称す)が短いために、このような事故が発生し易かった。
【0003】
以上のような事故を回避するため、最近では対物レンズと標本との衝突を防止した種々の顕微鏡装置が開発されている。例えば、特公平4−26082号公報には、顕微鏡の焦準部を電動化し、対物レンズ交換の際、一旦対物レンズと試料ステージとが干渉しない安全な位置まで試料ステージを退避させ、対物レンズを切り換えた後、再び試料ステージを元の位置に戻すという一連の動作を自動化した顕微鏡装置が開示されている。
【0004】
しかし、上述の顕微鏡装置では、対物レンズ交換時におけるステージの退避量が、交換を要する対物レンズがあるにも拘らず固定量であるため、対物レンズ交換の度にステージを、本来必要とされる退避量以上の固定量分降下させており、対物レンズの交換に余分な時間をかけている。これらの問題を回避するために、特開平7−168101号公報には、各対物レンズの作動距離や焦点深度に応じて、予め設定されたステージ退避量を基に試料ステージの退避を行うことにより、対物レンズ交換の高速化を図る顕微鏡装置が開示されている。この顕微鏡装置では、光学系が合焦状態になる位置に、試料ステージが有る状態から、他の対物レンズに切り換える場合、各対物レンズ中から最大焦点深度を選択し、それに相当する距離だけステージを退避させることにより、試料ステージと対物レンズとの干渉を防ぎ、対物レンズ切換の高速化を図っている。
【0005】
また、対物レンズの中には、取付け精度や温度等の環境によりWDの変動するものがある。このような対物レンズを使用する場合、ステージ退避量を単に焦点深度の最大値から決定しても、同焦位置がずれているために、設定されているステージ退避量では十分なステージの退避が行われず、対物レンズ切換の際、標本と対物レンズとが干渉するおそれがある。特開平10−68888号公報には、この問題を回避する手段が開示されている。WDが温度により大きく変化するような対物レンズに関しては、焦点深度に温度によるWDの変動幅を加えた量だけステージを退避し、接触を防止しつつ対物レンズ切換の高速化を図っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、上記従来技術にはつぎのような問題点があった。すなわち、上述の従来の顕微鏡装置における対物レンズ交換の手順は、いずれもステージ退避、対物レンズ切換、ステージ復帰の各動作を別々に行っているため、標本の安全は充分に確保されるが、対物レンズ交換にかかる時間を短縮するのが困難である。
【0007】
この問題は、最近の医療分野等において要求される迅速な診断や、ICウェハの検査工程等において要求される顕微鏡操作の高速化の妨げになる。例えば、ICウェハ検査時に、ウェハに与えるステージ駆動時の振動の影響を抑えるために、ステージ退避の速度設定を1/2遅くすると、ステージ退避とステージ復帰とにかかる時間がそれぞれ2倍になるため、対物レンズ交換に2倍近い時間がかかる。これでは、検査するウェハの量が多いほど工数の損失が大きくなる。
【0008】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、請求項1から請求項9に係る発明の課題は、標本および対物レンズの保護を充分確保しつつ、より高速に対物レンズ交換を行うことができる顕微鏡装置及び該顕微鏡装置の制御方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、複数の対物レンズを保持し観察光路内に挿入すべき対物レンズを切り換える対物レンズ切換機構と、前記観察光路内に挿入された対物レンズに対向する位置に設けられた試料ステージと、該試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方を光軸方向へ移動せしめる電動焦準機構と、 前記観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示するための対物レンズ指示手段と、該対物レンズ指示手段の指示に応じて前記対物レンズ切換機構を駆動して指示された対物レンズに切り換える対物切換駆動手段と、前記対物レンズ切換動作を行う際に、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を開ける方向に前記電動焦準機構を駆動する退避手段と、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を前記退避手段による退避動作を行う前の状態に復帰させるように前記電動焦準機構を駆動する復帰手段と、前記対物切換駆動手段によって駆動される前記対物レンズ切換機構の動作タイミングと前記退避手段および前記復帰手段によって駆動される前記電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方を調整するタイミング調整手段とを具備し、前記タイミング調整手段は、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも一つの動作が完了する前に残りの動作のうち少なくとも一つの動作を開始させる構成とした。
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明と同様な構成の顕微鏡装置であって、前記タイミング調整手段は、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも二つの動作を同時に開始させる構成とした。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡装置において、前記タイミング調整手段は、前記電動焦準機構による退避動作を開始させた後、該退避動作が完了する前に、前記対物レンズ切換機構の動作を開始させ、前記対物レンズ切換機構の動作が完了する前に、前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる構成とした。
請求項4に係る発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の顕微鏡装置において、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作のうち少なくとも一つの動作について所要する時間を計測する計測手段を有する制御手段をさらに備え、前記タイミング調整手段は、前記計測手段による前記所要する時間の計測結果に基づき、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる構成とした。
【0010】
請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明の前記タイミング調整手段に替えて、対物レンズに応じて、予め設定した上限速度以下の範囲内でステージ退避速度およびステージ復帰速度を変化させるステージ速度演算手段、および、対物レンズに応じて、ステージ退避速度およびステージ復帰速度を一定とした状態でレボルバ回転速度を変化させるレボルバ速度演算手段の少なくとも一方を設けた。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の顕微鏡装置の制御方法であって、タイミング調整手段により、対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも一つの動作が完了する前に残りの動作のうち少なくとも一つの動作を開始させる構成とした。
請求項7に係る発明は、請求項2に記載の顕微鏡装置の制御方法であって、タイミング調整手段により、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも二つの動作を同時に開始させる構成とした。
請求項8に係る発明は、請求項6に記載の顕微鏡装置の制御方法において、タイミング調整手段は、前記電動焦準機構による退避動作を開始させた後、該退避動作が完了する前に、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作を開始させ、前記対物レンズ切換機構の動作が完了する前に、前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる構成とした。
請求項9に係る発明は、請求項6から8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置の制御方法において、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作のうち少なくとも一つの動作について所要する時間を計測手段により計測し、前記計測手段による前記所要する時間の計測結果に基づき、前記タイミング調整手段により、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる構成とした。
【0011】
請求項1に係る発明の顕微鏡装置では、対物レンズ指示手段が、観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示すると、その指示に基づいてタイミング調整手段が、対物レンズ切換機構の動作タイミングと電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方とを調整して対物レンズと試料ステージとが干渉を回避できる駆動タイミングを決定し、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも一つの動作が完了する前に残りの動作のうち少なくとも一つの動作を開始させる。
請求項2に係る発明の顕微鏡装置では、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも二つの動作を同時に開始させる。
請求項3に係る発明の顕微鏡装置では、前記タイミング調整手段は、前記電動焦準機構による退避動作を開始させた後、該退避動作が完了する前に、前記対物レンズ切換機構の動作を開始させ、前記対物レンズ切換機構の動作が完了する前に、前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる。
請求項4に係る発明の顕微鏡装置では、タイミング調整手段は、計測手段による所要する時間の計測結果に基づき、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作を開始させる。
【0012】
請求項5に係る発明の顕微鏡装置では、対物レンズ指示手段が観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示すると、その指示に基づいてステージ速度演算手段またはレボルバ速度演算手段が演算を開始し、交換すべき対物レンズの状況に応じて、予め設定した上限速度以下の範囲内で対物レンズと試料ステージとが干渉を回避できるステージの退避速度および復帰速度またはステージ退避速度およびステージ復帰速度を一定とした状態でレボルバ回転速度を決定し、その決定内容を退避手段および復帰手段または対物切換駆動手段に指示して、変更したステージの退避速度および復帰速度またはレボルバ回転速度によって、試料ステージおよび対物レンズが駆動される。
請求項6から9に係る発明の顕微鏡装置の制御方法では、各々請求項1から4に係る各発明の顕微鏡装置のタイミング調整手段の動作と同様の動作の基に各顕微鏡装置の対物レンズ切換機構、電動焦準機構の制御を行う。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、具体的な実施の形態について説明する。
【0014】
(実施の形態1)
図1〜図18は実施の形態1を示し、図1は顕微鏡装置の全体構成図、図2は顕微鏡装置の光学系の構成図、図3は各コントロール部の回路図、図4はタイミングコントロール部の回路図、図5はメインコントロール部の回路図、図6はSW入力部と表示部との構成を示す図、図7はSW入力部と表示部とを示す図、図8は対物交換時の対物レンズの軌道と位置関係を示す図、図9はステージ退避速度、対物レンズの種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図、図10は表示部に表示される画面を示す図、図11は表示部に表示される画面を示す図、図12は表示部に表示される画面を示す図、図13はステージ退避速度、対物レンズ種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図、図14は対物レンズ交換時のステージ、レボルバの動作とその経過時間の説明図であり、(a)は全ての動作を順番に行う場合、(b)はタイミングをずらせ最大2つの動作を同時に実行する場合を示す。図15は退避動作開始タイミングの決定方法を示す流れ図、図16はステージ復帰時の対物レンズの軌道を示す図、図17はレボルバ位置と最下点距離の関係を示し、復帰時のタイミング決定方法を説明する図、図18はステージ復帰タイミングの決定方法を示す流れ図である。
【0015】
図2において、顕微鏡装置の光学系は、ハロゲンランプ等からなる透過照明用光源1からの光をコレクタレンズ2で集光して透過用フィルタユニット3に入射する。透過用フィルタユニット3は、透過照明用光源1の色温度を変えずに明るさの調光を行う複数枚のNDフィルタと、色補正を行うための複数枚の補正フィルタとからなり、任意のフィルタを照明光学系の光路中に選択的に挿脱可能になっている。透過用フィルタユニット3を透過した照明光は、透過視野絞り4、透過開口絞り5、コンデンサ光学素子ユニット6およびコンデンサトップレンズユニット7を介して試料ステージ8の下方から試料ステージ8上の観察試料Sを照明する。なお、コンデンサ光学素子ユニット6は、光路中に選択的に挿入される複数のユニット6a〜6cからなり、コンデンサトップレンズユニット7は光路中に選択的に挿入される複数のユニット7a、7bからなる。また、試料ステージ8は、観察試料Sを光軸と直交する平面内で2次元移動できるとともに、ピント合わせのため光軸方向へ移動可能になっている。
【0016】
試料ステージ8の上方には、複数のユニットからなる複数の対物レンズ9a〜9cが対物レンズ切換機構としてのレボルバ10に保持されている。レボルバ10はその回転により観察光路内の光軸上に挿入すべき対物レンズを交換可能に構成されている。レボルバ10は、例えば顕微鏡のアーム先端部に回転自在に取付けられており、そのアーム先端部の観察光路上にキューブユニット11が配設されている。キューブユニット11は、各種検鏡法により選択的に挿入される複数のユニット11a〜11cからなる。キューブユニット11を透過した光をビームスプリッタ12で2方向に分岐し、一方の光をビームスプリッタ13を介して接眼レンズ14に導いている。なお、ビームスプリッタ12、13は光路に対して挿脱可能になっている。
【0017】
また、水銀ランプ等からなる落射照明用光源15からの光を、落射用フィルタユニット16、落射シャッタ17、落射視野絞り18および落射開口絞り19を介して、キューブユニット11の光路中に挿入されているユニットに入射し、観察試料S側へ反射させて落射照明する。なお、落射用フィルタユニット16は、落射照明用光源15の色温度を変えずに明るさの調光を行う複数枚のNDフィルタと、色補正を行うための複数枚の補正フィルタとから構成されている。
【0018】
一方、観察光路上に挿入されたビームスプリッタ12で分岐された他方の光を写真撮影用光路へ導いている。写真撮影用光路に対してビームスプリッタ20が挿脱自在に設けられており、光路中に挿入したビームスプリッタ20で分岐した一方の光を、結像レンズを介してピント検知用受光素子21へ入射している。このピント検知用受光素子21はピント検知用の光量を測光するためのものである。また、写真撮影用光路のビームスプリッタ20で分岐した他方の光を、写真撮影用倍率を任意に調整するズームレンズ22を介して該光路中に挿入されたビームスプリッタ23に入射する。このビームスプリッタ23は、光路に対して挿脱自在となっており、光路内に挿入したビームスプリッタ23で反射させた光を、さらに別のビームスプリッタ24に入射して二方向へ分岐している。ビームスプリッタ24も光路に対して挿脱自在になっている。光路内に挿入したビームスプリッタ24で反射した光は写真用受光素子25に入射している。写真用受光素子25は、写真撮影の露出時間を測光するための素子である。そしてビームスプリッタ24を光路から脱した状態で、ビームスプリッタ23で反射させた光を写真撮影用シャッタ26を介して写真撮影用のフィルムを収納したカメラ27に入射している。
【0019】
つぎに、顕微鏡装置における制御系の構成について説明する。図1において、顕微鏡装置全体の動作を管理しているメインコントロール部30は、専用シリアルバス31を介して写真撮影コントロール部32、AFコントロール部33、フレームコントロール部34、透過フィルタコントロール部35、透過視野絞りコントロール部36、コンデンサコントロール部37、落射絞りコントロール部38および落射フィルタコントロール部39をそれぞれ接続している。
【0020】
写真コントロール部32は、ビームスプリッタ12、20、24を光路中に挿脱するための駆動および制御と、ズームレンズ22の駆動および制御と、写真用受光素子25の測光値から写真撮影時間を算出するための演算処理と、写真撮影用シャッタ26の開閉駆動制御と、カメラ27のフィルム巻き上げおよび巻き戻し制御を行う。電動焦準機構としてのAFコントロール部33は、ピント検知用受光素子21から入力したデータで所定の合焦演算を行い、その演算結果に応じて試料ステージ8を駆動することにより、自動合焦点検出を行う。フレームコントロール部34は、透過照明用光源1、落射照明用光源15、キューブユニット11おび落射シャッタ17を駆動制御するものである。
【0021】
ステージコントロール部40は、試料ステージ8の駆動および制御を行い、対物切換駆動手段としてのレボルバコントロール部41は、レボルバ10(図2参照)の駆動および制御を行う。本実施の形態において、ステージコントロール部40は、復帰手段、退避手段双方の機能を有する。タイミング調整手段としてのタイミングコントロール部42は、メインコントロール部30からの指示により、レボルバ10とステージ8との駆動開始時間を演算する。透過フィルタコントロール部35は、透過フィルタユニット3の駆動および制御を行い、透過視野絞りコントロール部36は透過視野絞り4の駆動および制御を行う。また、コンデンサコントロール部37は、コンデンサ光学素子ユニット6、コンデンサレンズユニット7、透過用開口絞り5の駆動および制御を行う。落射視野絞りコントロール部38は、落射視野絞り18、落射開口絞り19の駆動および制御を行う。また、落射フィルタコントロール部39は、落射用フィルタユニット16の駆動および制御を行う。
【0022】
図3は、上記各コントロール部32〜41の回路構成を示す図である。図3に示すように、各コントロール部32〜41は、CPU回路45と、このCPU回路からの指令で制御対象の光学ユニットを駆動する駆動回路46と、制御対象の光学ユニットの位置を検出してCPU回路45へ知らせる位置検出回路47と、CPU回路45と専用シリアルバス31とを接続する専用シルアル通信I/F回路48と、その他の図示しない周辺回路とを内蔵している。
【0023】
図4は、タイミングコントロール部42の構成を示す図である。図1および図4に示すように、タイミングコントロール部42は、メインコントロール部30からの指令で、ステージコントロール部40とレボルバコントロール部41との駆動タイミングを算出するCPU回路45と専用シリアルバス31とを接続する専用シリアル通信I/F回路48と、その他の図示しない周辺回路とを内蔵している。CPU回路45では、CPU49がRAM51にCPUバス52を介して接続され、かつROM50に各々の制御内容を記述したプログラムが記憶され、さらにRAM51に制御演算用のデータが格納されている。そして、各コントロール部32〜41に、メインコントロール部30から専用シリアルバス31を介して制御指示が送り込まれ、CPU49がROM50のプログラムに従って動作することにより、各々受け持ちの光学ユニット等の制御が行われる。
【0024】
図5は、対物レンズ指示手段としてのメインコントロール部30の構成を示す図である。図5に示すメインコントロール部30は、上記各コントロール部に備えられたものと同様のCPU回路45と、顕微鏡装置の各駆動部位の位置データを記憶するための不揮発性メモリ53と、各種操作スイッチを設けたSW入力部54と、各種情報を表示するための表示部55と、専用シリアルバス31をコントロールするための専用シリアルバス駆動回路56とを備えている。表示部55は、プラズマディスプレイまたはLCD等の表示部材から構成されており、CPU49から送られてくる表示内容を表示する。表示部55に表示される各種画面はROM50に予め記憶されている。
【0025】
図6は、SW入力部54と表示部55の構成を示す図である。SW入力部54は透明シートからなるスイッチで構成され、図6に示すように、表示部55の上面に貼り合わされている。SW入力部54の任意の位置を押下すると、その位置がCPU49にて認識されるようになっている。図7は、SW入力部54と表示部55を示す図である。本実施の形態では、例えば図7に示すような表示をする。201〜203は、区画されたスイッチエリアを示す表示である。例えば、スイッチエリア203を指fで押下すれば、その押下位置のデータとその押下位置の標示データとを基に何のスイッチが押されたかをCPU49が認識して、CPU49によりそのスイッチに対応した制御が行われる。
【0026】
つぎに、上記構成の顕微鏡装置の作用について説明する。通常、光学顕微鏡には、4〜7本程度の対物レンズが取付けられるが、各対物レンズのWD(合焦位置での試料ステージ8から対物レンズまでの距離)および焦点深度は、各対物レンズの倍率や種類により異なっている。
【0027】
図8は、現在観察光路中に取付けられた対物レンズ9を、レボルバ10を回転させて交換するときの対物レンズ9の軌跡を示している。通常、レボルバ10に取付けられた対物レンズ下端面は、同一平面ではないので、対物レンズ9が光路上に挿入され停止した状態からレボルバ10を回転すると、対物レンズ9の下端は一度下方に移動し、最下点位置Fを通過した後、再び上方に向かって移動する。光学系が合焦状態にあるときの試料ステージ8の位置(以下、合焦位置Oという)から、この最下点位置Fまでの光軸方向の距離(以下、最下点距離という)および、対物レンズ9が移動を始めてから最下点位置Fまでに到達するまでの時間(以下、最下点時間という)は、レボルバ回転速度を一定とすれば、レボルバ10と対物レンズの種類により決定される固有値である。本実施の形態において、最下点距離は、最下点位置Fが合焦位置Oより上方にある場合を負、下方にある場合を正とする。
【0028】
図9は、対物レンズ種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図である。本実施の形態では、図9に示すように、複数の対物レンズ50X、40X、20X、100X・・・と、それら各対物レンズの最下点距離を対比させる。また、最下点時間を入力したテーブルデータを作成し、そのテーブルデータをメインコントロール部30におけるCPU回路45のROM50にプログラムとともに格納する。ステージ速度は、固定値としてROM50に格納されている。
【0029】
つぎに、レボルバ10(図2参照)のどの対物取付け穴に何の種類(倍率)の対物レンズが取り付けられているかをCPU49に認識させる。そのために、まず、顕微鏡操作の前段階として初期設定を行う。以下、メインコントロール部30の構成を示す図5を参照しながら、図10以下を用いて説明をする。
【0030】
図10および図11は、表示部55に表示される画面を示す図である。初期設定は表示部55に図10に示す如き画面を表示することから始める。この画面において、操作者が初期設定動作を開始するためのスイッチINITIAL91を押すことにより、CPU49がSW入力部54の押下位置データと表示部55の表示データとからスイッチINITIAL91が押されたことを認識する。スイッチINITIAL91が押されると、図5において、CPU49は表示部55の画面を図11に示す画面へ変更する。図11に示す画面上には、レボルバ10に設けられた対物取付け穴の各位置を指定するSW表示領域57が表示される。SW表示領域57は、スイッチREVO1〜REVO7からなり、7つの対物取付け穴を指定可能になっている。SW表示領域57のスイッチ数は現在装着されているレボルバ10の対物取付け穴の数に対応させている。
【0031】
また、図11に示す画面上には、レボルバ10のどの対物取付け穴に何の対物レンズが取り付けられているかを表す一覧表58と、初期設定動作を中止するためのスイッチCANCEL92と、初期設定動作を終了するためのスイッチEND93とが表示される。図11に示す画面上において、SW表示領域57のスイッチREVO1を押下すれば、レボルバ10の対物取付け穴の第1位置に装着される対物レンズの設定操作へ移行する。すなわち、スイッチREVO1が押されると、CPU49が表示部55の画面を図11に示す画面から図12に示す画面へと変更し、使用対物レンズの一覧表58を表示させる。
【0032】
それと同時に、CPU49が専用シリアルバス駆動回路56を駆動し、専用シリアルバス31を介してレボルバコントロール部41(図1参照)にレボルバ10の回転指令を与える。この回転指令を受けたレボルバコントロール部41が、図4に示すように、駆動回路46を駆動して、レボルバ10の対物取付け穴1番を光軸位置に挿入する。その結果、スイッチREVO1で指示された対物レンズが観察光路上に挿入される。なお、この場合は初期設定であり、試料の観察は行わないため、試料ステージ8はメインコントロール部30からの指示によりステージコントロール部40が最下限まで下降させている。
【0033】
観察者は、レボルバ10の回転が終了してから、現在光路中に挿入されている対物レンズを確認し、その対物レンズを表示部55の一覧表58から捜して指定する。対物レンズの指定は、図示しない操作ツマミを回すことにより、図12に示すように、対物一覧表58の指示表示部59を上下(図12における矢印A,Bの方向)へ移動させて指定する。
【0034】
対物レンズの指定が終了してスイッチENTER94が押されたならば、対物一覧表58において指示表示部59で指示されている対物レンズの最下点距離、最下点時間およびステージ速度をROM50に格納している図9に示すテーブルデータから読み出し、図13に示す別のテーブルデータを更新する。この図13に示すテーブルデータは、レボルバ10の対物取付け穴の各位置“1”〜“7”に対応して、最下点距離、最下点時間およびステージ速度を記憶しておくテーブルである。このテーブルデータはメインコントロール部30の不揮発正メモリ53に記憶される。
【0035】
以上の操作をSW表示領域58のスイッチREVO1〜REVO7まで繰り返すことにより、初期設定が終了する。ここで、不揮発性メモリ53のテーブルデータに設定したデータは電源遮断後も保持されることから、レボルバ10に装着されている対物レンズが変わらない限り、再設定の必要はない。観察者は、初期設定が終了したならば、図11に示す画面において、スイッチEND93を押下する。スイッチEND93が押下されたならば、再び図10に示す画面を表示させて、実際の観察が可能な状態になる。
【0036】
つぎに、実際の観察中の動作について説明する。観察者が観察光路上に挿入する対物レンズを交換すべく、図10に示す画面を使ってスイッチOB1〜OB7のいずれかが押下された場合、現在のレボルバ10の観察光路上に挿入されている対物取付け穴位置を認識し、これに対応する最下点距離a、最下点時間tbを図13に示すテーブルデータより参照し、ステージ速度vとこのテーブルデータとを基に遅延時間Tを算出し、ステージ退避動作開始から遅延時間T後にレボルバ10の動作を開始する。
【0037】
図8および図15は、遅延時間Tの計算方法を示した図である。現在使用している対物レンズが、合焦状態にあるとする。まず、メインコントロール部30のCPU49が現在光路中にある対物レンズの合焦位置Oから最下点位置Fまでの距離(最下点距離)a、対物レンズが合焦位置Oから最下点位置Fまで移動するのに要する時間(最下点時間)tb、ステージ速度vを不揮発性メモリ53から読み出し、最下点位置Fが合焦位置Oの上方に存在するとき(a<0)は、遅延時間Tを0とする。一方、最下点位置Fが合焦位置Oの下方に存在するとき(a≧0)は、試料ステージ8(以下単にステージと呼ぶ)が最下点位置Fに到達する時間ta=v/aを算出し、これが最下点時間tbより小さい(ta<tb)ならば、遅延時間Tは0とし、逆にta>tbならば、レボルバ10(以下単にレボルバと呼ぶ)の動作を遅延時間T=ta−tbだけ遅く開始する。
【0038】
図16および図17は上述と同様な手法によって、メインコントロール部30のCPU49がステージ復帰時間を算出する方法を示した図である。まず、現在位置から交換先までの観察光路上を通過する対物レンズの種類と最下点距離aとを、図4に示すタイミングコントロール部42のCPU回路45に、図17に示すようなテーブルデータとして格納する。つぎに、レボルバ回転途中に観察光路上を通過する対物レンズと交換先の対物レンズとの最下点距離aを比較し、図17(b)に示すように交換先の対物レンズの最下点距離(0.1)より大きい最下点距離(0.2、0.3)をもつ対物レンズがあるならば、図14(a)に示すシリアル方式に従い、レボルバ停止後、ステージを復帰させる。
【0039】
反対に、図17(a)に示すように、回転途中の対物レンズに交換先より大きな最下点距離をもつ対物レンズがないならば、交換先の対物レンズの最下点距離a、最下点時間tb、ステージの復帰速度vおよび復帰距離gを読み込み、ステージ復帰開始から復帰完了までにかかる時間te=g/vを算出する。さらに、対物レンズ交換開始から完了までの時間、すなわち、隣接する対物レンズへの交換時間tuに、交換時に観察光路上を通過する対物レンズ数nを乗じた時間(tu*n)を計算する。まず、図16において、最下点位置Fが合焦位置Oより上方に存在するとき(a<0)は、図14(b)に示すパラレル方式に従い、退避動作完了直後に復帰動作を開始する。また、最下点位置Fが合焦位置0の下方に存在するとき(a≧0)は交換先対物レンズの最下点通過時に、ステージがその下方に存在するとき、対物レンズ交換終了より時間te′=(g−a)/v+tb前からステージ復帰を開始する。従って、復帰動作は、対物レンズ移動開始時刻より時間tu*n−te′経過した後に開始する。
【0040】
つぎに、対物レンズの交換とステージの退避および復帰とによる干渉の可能性について説明する。まず、ステージの退避において、図15で示した計算方法により求めた時間Tだけ遅延したタイミングでレボルバを駆動させた場合について説明する。最下点位置Fが合焦位置Oの上方に存在するとき(a<0)は、遅延時間Tを0(対物レンズとステージが同時に動作開始)としても、対物レンズがステージに衝突することはない。一方、最下点位置Fが合焦位置Oの下方に存在するとき(a≧0)は、ステージが合焦位置Oから初速度vで下方に動き出したとすれば、ステージは時間ta=a/v後に最下点位置Fに到達し、ここでもし、ta<tbのときは、対物レンズとステージとが同時に動作開始(遅延時間T=0)しても、ステージが最下点位置Fに到達するとき、対物レンズはまだ最下点位置Fに到達していないため衝突しない。
【0041】
逆にta>tbのときは対物レンズとステージが同時に動作すると、ステージに比べて対物レンズの方が早く最下点位置Fに到達するので、ステージと対物レンズとが衝突する。ここでは、レボルバの動作を時間T=ta−tbだけ遅く開始すれば衝突しない。例えば、図13におけるレボルバ位置“1”から移動する場合であれば、図13に示すレボルバ位置“1”に取り付けられた50Xの対物レンズ(図9参照)に対応した最下点距離a(0.2mm)、最下点時間tb(30msec)、ステージ速度v(5mm/sec)をROM50から読み出す。ここで、最下点位置Fが合焦位置Oの下方にあることが分かる(a>0)ので、まずステージが最下点位置Fまで移動する時間ta=a/v=0.2/5=0.04secを計算する。この時間ta=40msecは、対物レンズの最下点時間tb=20msecより大きいので、対物レンズとステージとが同時に動き出すと衝突する。よって、双方が衝突しないように、対物レンズがステージより20msec(T=ta−tb=40−20)遅く動きだすように、タイミングコントロール部42のCPU49がレボルバコントロール部41に指令を出す。
【0042】
つぎに、ステージ復帰において、図18に示す方法により算出したタイミングでステージを駆動させた場合の対物レンズとステージとの干渉の可能性について説明する。現在観察光路上にある対物レンズが、合焦状態にあるとする。まず、レボルバの回転途中に観察光路上を通過する対物レンズと交換先の対物レンズとの最下点距離aを比較し、交換先の対物レンズより大きい最下点距離aをもつ対物レンズがレボルバ回転軌道中にある場合、図14(a)のシリアル方式に従ってレボルバ停止後に復帰することにより、レボルバ回転途中に通過する対物レンズとステージとの衝突を回避する。
【0043】
一方、交換先の対物レンズより大きい最下点距離aをもつ対物レンズがレボルバ回転軌道中にない場合、交換先対物レンズの最下点位置Fが合焦位置Oの上方に存在するとき(a<0)は、任意のタイミングで復帰を開始しても、交換先の対物レンズとステージとが衝突することはない。従って、図14(b)に示すパラレル方式に従い、退避動作終了と同時に、ステージ復帰動作を開始する。
【0044】
最下点位置Fが合焦位置Oの下方に存在するとき(a≧0)は、任意のタイミングでステージ復帰すると衝突する恐れがある。ここで復帰時に、丁度最下点位置Fでステージと対物レンズとが衝突するのは、レボルバ動作完了の最下点時間tb前にステージが丁度最下点位置Fにきたときである。このとき、ステージは、レボルバが最下点位置Fに到達する更に時間(g−a)/v前から、すなわち、レボルバが動作を完了する時間(g−a)/v+tb前から復帰を開始している。従って、これより遅い時刻にステージ復帰を開始すれば、ステージと対物レンズとの衝突を避けることができる。
【0045】
なお、レボルバの回転速度が一定のとき、対物レンズ交換開始から完了までの時間は、隣接する対物レンズへの交換時間tuに交換時に通過する対物レンズ数nを乗じた時間tu*nになるので、復帰動作は、対物レンズ移動開始時刻より、時間tu*n−te′経過した後に開始すれば衝突を回避できる。
【0046】
例えば、図13におけるレボルバ位置“1”からレボルバ位置“4”へ移動する場合であれば、レボルバ回転途中に通過するレボルバ位置“2”、“3”、“4”に取り付けられた対物レンズ20X、40X、100Xに対応した最下点位置Fまでの距離(a2、a3、a4)=(−0.1、0.1、0.3)をROM50から読み出し、交換先と交換途中通過する対物レンズの最下点距離aを比較する(上記では、a4とa2、a4とa3)。この場合、a4>a2、a4>a3、即ち、交換先の対物レンズの最下点距離の方が、通過途中の対物レンズの最下点距離より大きいので、図14(a)のシリアル方式では復帰を行わない。
【0047】
つぎに、図13に示すレボルバ位置“4”に取り付けられた対物レンズ100Xに対応した最下点位置Fまでの距離a(0.3mm)、最下点位置Fまで対物レンズが移動する時間tb(20msec)、ステージ速度v(5mm/sec)、復帰距離g(3mm)をROMから読み出し、ステージ速度と復帰距離とから復帰時間te=3/5=0.8secを算出する。同様に、テーブルから隣接する対物レンズへの交換時間(0.6sec)を読み込み、交換時通過する対物レンズ個数(3個)より、対物レンズ交換時間に要する時間0.6*3=1.8secを算出する。
【0048】
まず、a>0であるから、退避後すぐに復帰を開始すると、対物レンズとステージが衝突する可能性がある。ここで、ステージと対物レンズとが丁度最下点位置Fで衝突するのは、レボルバ回転動作が終了する時間te′=(3−0.3)/5+0.02=0.56sec前である。すなわち、レボルバ動作開始から時間1.8−0.56=1.24sec以上経過した後にステージ復帰を開始すれば衝突しない。
【0049】
本実施の形態によれば、ステージ退避動作、レボルバ回転動作、ステージ復帰動作を順番に実行せずに、標本と対物レンズとの接触を回避できる動作開始の限界のタイミングを算出して、それに従ってステージコントロール部、レボルバコントロール部を駆動するようにしたので、標本および対物レンズの保護を充分確保しつつ、より高速に対物レンズの交換をすることができる。
【0050】
(実施の形態2)
図19〜図22は実施の形態2を示し、図19は顕微鏡装置の全体構成図、図20はステージ上限速度vl、対物レンズ種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図、図21はステージ退避速度、対物レンズ種類、最下点距離、最下点時間の関係を示す図、図22はステージ退避速度の決定方法を示す流れ図である。本実施の形態の顕微鏡装置の特徴は、実施の形態1におけるタイミングコントロール部42に替えて、ステージ速度演算部43を設け、対物レンズに対応してステージ退避速度を変化させることである。その他の構成は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。図19においても、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0051】
図19において、ステージ速度演算手段としてのステージ速度演算部43は、専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30に接続され、メインコントロール部30のCPU49(図5参照)からの指示により、対物レンズ交換時のステージ速度を演算する。ステージ速度演算部43の構成は、実施の形態1の図4に示すものと同様である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0052】
つぎに、上記構成の顕微鏡装置の作用について説明する。初期設定については、実施の形態1と同様であり、観察者が種々のボタン操作により、各々のレボルバ位置に指定した対物レンズの最下点距離、最下点時間およびステージの上限速度vlをROM50に格納してある図20に示すテーブルデータから読み出し、図21に示す別のテーブルデータを更新する。このテーブルデータは、図5に示す不揮発性メモリ53に記憶される。
【0053】
つぎに、実際の観察中の動作について説明する。観察者が図7に示す画面上のスイッチを使って観察光路上に挿入する対物レンズを指定すると、CPU49はSW入力部54の押下位置と表示部55の表示データとから対物レンズの交換を指示するスイッチが押されたことを認識する。スイッチが押されると、メインコントロール部30のCPU49が、対物レンズの最下点距離と最下点時間およびステージ上限速度vlを、不揮発性メモリ53に格納してある図20に示すテーブルデータから読み出し、つぎに、指示を受けたステージ速度演算部43のCPU49が、ステージ退避速度の演算を行う。この演算結果に基づきステージコントロール部40、レボルバコントロール部41がそれぞれステージ8、レボルバ10を駆動させる。
【0054】
図22は、本実施の形態におけるステージ退避速度の決定方法を示した図である。まず、最下点位置Fが合焦位置Oの上方にあるとき(a<0)は、レボルバ回転とステージ退避動作を同時に開始し、上限速度vlでステージ退避する。最下点位置Fが合焦位置Oの下方にあるとき(a≧0)は、以下の手順に従ってステージ退避速度を決定する。初めに、最下点距離aを最下点時間tbで移動したときのステージ速度vsを算出する。つぎに、ステージ速度vsが上限速度vlより大きい(vs≧vl)ときは、上限速度vlでステージ退避完了後、レボルバ回転動作を開始する。一方、ステージ速度vsが上限速度vlより小さい(vs<vl)ときは、ステージ退避、レボルバ回転動作を同時に開始し、上限速度vlでステージを退避させる。
【0055】
つぎに、対物レンズの交換とステージの退避および復帰とによる干渉の可能性について説明する。まず、ステージの退避において、最下点位置Fが合焦位置Oの上方にあるとき(a<0)は、レボルバ回転と退避および復帰動作を同時に開始し、上限速度vlでステージ退避しても、対物レンズとステージとの衝突は生じない。最下点位置Fが合焦位置Oの下方にあるとき(a≧0)は、レボルバとステージの動作を同時に開始すると、対物レンズとステージが衝突する可能性が生ずるので以下の手順に従って退避速度を決定する。
【0056】
実施の形態1と同様、対物レンズは時間tb後に合焦位置Oから距離aだけ下がり、最下点位置Fを通過する。ステージとレボルバが同時に動作を開始し、ステージが下方に速度vで動く場合、時間tb後までのステージ移動距離v*tbが、対物レンズの最下点位置Fまでの移動距離aより大きい(v*tb≧a)ときは、対物レンズが最下点位置Fに到達する前にステージが最下点位置を通過するため、ステージと対物レンズは衝突しない。即ち、v≧a/tbを満たす速度vs=a/tbでステージを駆動させれば、衝突を回避することができる。
【0057】
しかしながら、ステージ速度vが速すぎるとステージを退避する際に標本が浮き、標本に衝撃を与える可能性が生ずる。従って、速度vsが上限速度vlより大きい(vs≧vl)のときは、標本の保護を優先し、通常と同様に速度vlでステージ退避完了後、レボルバ回転動作を開始し、速度vsが上限速度vlより小さい(vs<vl)ときは、ステージ、レボルバ動作を同時に開始し、上限速度vlでステージを退避させる。
【0058】
なお、復帰動作に関しても、退避動作と同様に、ステージ移動速度を制御することによって、切換時間の短縮を図ることができる。
【0059】
本実施の形態によれば、ステージ退避動作開始時間、ステージ退避速度及びステージ復帰速度を対物レンズの種類に応じて変更することにより、衝突を回避しつつステージ退避及びステージ復帰に要する時間を短縮することができる。
【0060】
(実施の形態3)
図23〜図27は実施の形態3を示し、図23は顕微鏡装置の全体構成図、図24はレボルバ上限速度、レボルバ回転半径、対物レンズ種類、最下点距離および最下点位置レボルバ回転角の関係を示す図、図25はレボルバ上限速度、レボルバ回転半径、レボルバ位置、最下点距離および最下点位置レボルバ回転角の関係を示す図、図26はステージ退避時の対物レンズ回転方向の軌道を示す図、図27はレボルバ回転速度の決定方法を示す流れ図である。本実施の形態の顕微鏡装置の特徴は、実施の形態1におけるタイミングコントロール部42に替えて、レボルバ回転速度演算部44を設け、ステージ速度を固定し、レボルバ回転速度を対物レンズの種類に応じて可変としたことである。その他の構成は実施の形態1と同一のため、異なる部分のみ説明し、同一部分の図と説明を省略する。図23においても、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0061】
図23において、レボルバ速度演算手段としてのレボルバ回転速度演算部44は、専用シリアルバス31を介してメインコントロール部30に接続され、メインコントロール部30のCPU49(図5参照)からの指示により、対物レンズ交換時のレボルバ回転速度を演算する。レボルバ回転速度演算部44の構成は、実施の形態1の図4に示すものと同様である。その他の構成は実施の形態1と同様である。
【0062】
つぎに、上記構成の顕微鏡装置の作用について説明する。初期設定については、実施の形態1と同様であり、観察者が種々のボタン操作により、各々のレボルバ位置に指定した対物レンズの最下点距離、最下点位置におけるレボルバの回転角、レボルバの回転半径、レボルバの上限速度およびステージ退避速度をROM50に格納してある図24に示すテーブルデータから読み出し、図25に示す別のテーブルデータを更新する。このテーブルデータは、図5に示す不揮発性メモリ53に記憶される。
【0063】
つぎに、実際の観察中の動作について説明する。観察者が図7に示す画面上のスイッチを使って観察光路上に挿入する対物レンズを指定すると、メインコントロール部30のCPU49(図5参照)は対物レンズの交換を指示するスイッチが押されたことを認識する。スイッチが押されると、メインコントロール部30のCPU49が、現在位置にある対物レンズに応じた最下点距離a、ステージ退避速度vs、停止位置から最下点位置までのレボルバ回転角θ、レボルバ回転半径rおよびレボルバや対物レンズに強い衝撃や機械的損傷を与えないレボルバ回転のレボルバ上限速度vr″を不揮発性メモリ53に格納してある図24に示すテーブルデータから読み出す。つぎに、メインコントロール部30のCPU49が指令を出すと、レボルバ回転速度演算部44のCPU49が、停止位置から最下点位置までのレボルバ回転速度の演算を行う。この演算結果に基づきレボルバコントロール部41、ステージコントロール部40がそれぞれレボルバ10、ステージ8を駆動させる。
【0064】
図26、図27は本実施の形態において、レボルバ回転速度を決定する方法を示した図である。まず、最下点位置Fが合焦位置Oの上方にあるとき(a<0)は、レボルバ回転とステージ退避動作とを同時に開始し、レボルバ上限速度vr″でレボルバを回転させる。最下点位置Fが合焦位置Oの下方にあるとき(a≧0)は、以下の手順に従ってレボルバの回転速度を決定する。ステージ速度vsおよび最下点距離aより、ステージが合焦位置Oより最下点位置Fまで移動する時間ts=a/vsを算出する。つぎに、回転角θおよび回転半径rからレボルバ回転に伴い、対物レンズが最下点位置に到達するまでのレボルバ回転方向の距離r*θを計算する。これらより、距離r*θを時間tsで移動したときのレボルバ回転速度vr=r*θ*vs/aを算出する。
【0065】
ここで、本実施の形態におけるレボルバ回転速度vrの方が、レボルバ上限速度vr″より大きい場合(vr≧vr″)には、対物レンズ交換時の各動作を同時に開始し、レボルバ上限速度vr″でレボルバを回転させる。また、本実施の形態におけるレボルバの回転速度vrの方が、レボルバ上限速度vr″より小さい場合(vr<vr″)には、レボルバ回転とステージ退避動作とを同時に開始し、レボルバ回転速度vrでレボルバを回転させる。
【0066】
つぎに、対物レンズの交換とステージの退避および復帰とによる干渉の可能性について説明する。図26において、最下点位置Fが合焦位置Oの上方にあるとき(a<0)は、対物レンズとステージとが衝突することはないので、レボルバの回転とステージの退避動作とを同時に開始し、レボルバ上限速度vr″でレボルバ回転およびステージ退避させることにより退避時間を短縮する。最下点位置Fが合焦位置Oの下方にあるとき(a≧0)は、レボルバとステージの動作を同時に開始すると、対物レンズとステージとが衝突する可能性があるので、以下の手順に従ってレボルバの回転速度を決定する。
【0067】
ここで、ステージは退避開始より時間ts=a/vs後に最下点位置Fに到達する。また、対物レンズは、停止位置から最下点位置Fまでの回転角θ、回転半径rおよび回転速度vより、退避開始から時間tr=rθ/v後に最下点位置Fに到達する。従って、ステージが対物レンズより先に最下点位置Fに到達(tr≧ts)するとき、すなわち、レボルバ回転速度vr≦r*θ*vs/aを満たすとき、最下点位置Fにおいて、対物レンズとステージとは衝突しない。すなわち、レボルバ回転とステージ動作を同時に開始し、レボルバ回転速度vr≦r*θ*vs/aでレボルバを回転させれば、衝突を回避しつつ、より早くレボルバを回転させることができる。
【0068】
しかし、レボルバ回転速度にも、動作後の位置精度の確保や対物レンズへの衝撃の緩和などにより上限速度がある。従って、上述のレボルバ回転速度がレボルバ上限速度vr″より大きい場合(vr≧vr″)は、対物レンズおよびレボルバにかかる負荷を軽減することを優先し、対物レンズ交換時の各動作を同時に実行し、速度vr″でレボルバを回転させる。また、逆にレボルバの回転速度vrが上限速度vr″より小さい場合(vr<vr″)は、対物レンズにかかる負荷は十分小さいので、レボルバ回転とステージ退避とを同時に開始し、速度vrでレボルバを回転させる。これにより、常に高速な対物レンズ交換方法を選択することができる。
【0069】
なお、復帰動作に関しても、退避動作と同様に、レボルバ回転動作を制御することによって、切換時間の短縮を図ることができる。
【0070】
本実施の形態によれば、レボルバ回転速度を対物レンズに応じて変えることにより、実施の形態1に比べて、ステージ退避およびステージ復帰に要する時間を短縮することができる。また、ステージ退避速度およびステージ復帰速度は一定であるため、ステージ上下動時の振動が標本に与える影響も小さい。
【0071】
(実施の形態4)
図28および図29は実施の形態4を示し、図28は顕微鏡装置の全体構成図、図29は表示部に表示される画面を示す図である。本実施の形態の顕微鏡装置の特徴は、実施の形態1におけるタイミングコントロール部42に替えて、実施の形態2と同一のステージ速度演算部43および実施の形態3と同一のレボルバ回転速度演算部44の双方を設け、必要に応じて選択可能としたことである。従って、顕微鏡装置の構成は実施の形態1、2および3とそれぞれ同一のため、詳細部分の図と説明を省略する。図28においても、同一の部材には同一の符号を付し説明を省略する。
【0072】
上記構成の顕微鏡装置の作用について説明する。初期設定においては、観察者が各々のレボルバ位置に指定した対物レンズの最下点距離、最下点位置Fにおけるレボルバの回転角、レボルバの回転半径、ステージ退避上限速度、レボルバ回転上限速度をROM50に格納してあるテーブルデータ(図示省略)から読み出し、不揮発性メモリ53にあるテーブルデータを更新する。
【0073】
つぎに、実際の観察中の動作について説明する。観察者が図29に示す画面上のスッチ1(OBmove)、スイッチ2(Stagemove)を使って、実施の形態3と同一のレボルバ回転速度演算部44または実施の形態2と同一のステージ速度演算部43を指定すると、メインコントロール部30のCPU49はスイッチ1またはスイッチ2のどちらかの方式を指示するスイッチが押下されたことを認識する。例えば、スイッチ1が押された後に、対物レンズの交換を他のスイッチによって指定すれば、CPU49は図27に従いレボルバ速度可変の退避動作を行う。一方、スイッチ2が押された後、対物レンズ交換を他のスイッチによって指定すれば、図22に従いステージ速度可変の退避動作を行う。
【0074】
従って、観察者は、スイッチ2を押した後に対物レンズ交換を指定するときは、レボルバに取り付けられた対物レンズにかかる振動を軽減し、レボルバの位置精度のバラツキを少なくすることができ、スイッチ1を押した後に対物レンズ交換を指定するときは、ステージ上の標本に与える振動を抑えることができる。
【0075】
本実施の形態によれば、観察者が観察対象物である標本の状態や、対物レンズの状況に応じて、レボルバ速度を変化させるか、ステージ速度を変化させるかの観察手段を自由に選択することができる。
【0076】
なお、本発明は、上述の各実施の形態のみに限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で適宜変形して実施することができる。例えば、実施の形態1〜4は、焦準機構としてステージ移動型のものを用いているが、レボルバ上下動機構のものにも適用することができる。また、入力手段および表示手段としてタッチパネルを使用しているが、その他の入力手段を用いても同様の効果を得ることができる。
【0077】
【発明の効果】
請求項1から4に係る各発明によれば、対物レンズを交換する度に、ステージ退避、対物レンズ移動およびステージ復帰の各動作タイミングを、各々各発明のタイミング調整手段の既述したような動作により調整するようにしたので、標本および対物レンズの保護を充分確保しつつ、より高速に対物レンズ交換を行うことができる。
【0078】
請求項5に係る発明によれば、対物レンズを交換する度に、標本の状態や対物レンズの状況に応じて、ステージまたはレボルバのそれぞれの速度を変化させるようにしたので、標本および対物レンズの保護を充分確保しつつ、より高速に対物レンズ交換を行うことができる。
請求項6から9に係る各発明によれば、対物レンズを交換する度に、ステージ退避、対物レンズ移動およびステージ復帰の各動作タイミングを、各々各発明のタイミング調整手段による既述したような制御の基に調整するようにしたので、標本および対物レンズの保護を充分確保しつつ、より高速に対物レンズ交換を行うことができる顕微鏡装置の制御方法を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の顕微鏡装置の全体構成図である。
【図2】実施の形態1の顕微鏡装置の光学系の構成図である。
【図3】実施の形態1の各コントロール部の回路図である。
【図4】実施の形態1のタイミングコントロール部の回路図である。
【図5】実施の形態1のメインコントロール部の回路図である。
【図6】実施の形態1のSW入力部と表示部との構成を示す図である。
【図7】実施の形態1のSW入力部と表示部とを示す図である。
【図8】実施の形態1の対物交換時の対物レンズの軌道と位置関係を示す図である。
【図9】実施の形態1のステージ退避速度、対物レンズの種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図である。
【図10】実施の形態1の表示部に表示される画面を示す図である。
【図11】実施の形態1の表示部に表示される画面を示す図である。
【図12】実施の形態1の表示部に表示される画面を示す図である。
【図13】実施の形態1のステージ退避速度、対物レンズ種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図である。
【図14】実施の形態1の対物レンズ交換時のステージ、レボルバの動作とその経過時間の説明図であり、(a)は全ての動作を順番に行う場合、(b)はタイミングをずらせ最大2つの動作を同時に実行する場合を示す。
【図15】実施の形態1の退避動作開始タイミングの決定方法を示す流れ図である。
【図16】実施の形態1のステージ復帰時の対物レンズの軌道を示す図である。
【図17】実施の形態1のレボルバ位置と最下点距離の関係を示し、復帰時のタイミング決定方法を説明する図である。
【図18】実施の形態1のステージ復帰タイミングの決定方法を示す流れ図である。
【図19】実施の形態2の顕微鏡装置の全体構成図である。
【図20】実施の形態2のステージ上限速度、対物レンズ種類、最下点距離および最下点時間の関係を示す図である。
【図21】実施の形態2のステージ退避速度、対物レンズ種類、最下点距離、最下点時間の関係を示す図である。
【図22】実施の形態2のステージ退避速度の決定方法を示す流れ図である。
【図23】実施の形態3の顕微鏡装置の全体構成図である。
【図24】実施の形態3のレボルバ上限速度、レボルバ回転半径、対物レンズ種類、最下点距離および最下点位置レボルバ回転角の関係を示す図である。
【図25】実施の形態3のレボルバ上限速度、レボルバ回転半径、レボルバ位置、最下点距離および最下点位置レボルバ回転角の関係を示す図である。
【図26】実施の形態3のステージ退避時の対物レンズ回転方向の軌道を示す図である。
【図27】実施の形態3のレボルバ回転速度の決定方法を示す流れ図である。
【図28】実施の形態4の顕微鏡装置の全体構成図である。
【図29】実施の形態4の表示部に表示される画面を示す図である。
【符号の説明】
8 試料ステージ
10 レボルバ
30 メインコントロール部
33 AFコントロール部
40 ステージコントロール部
41 レボルバコントロール部
42 タイミングコントロール部
Claims (9)
- 複数の対物レンズを保持し観察光路内に挿入すべき対物レンズを切り換える対物レンズ切換機構と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズに対向する位置に設けられた試料ステージと、
該試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方を光軸方向へ移動せしめる電動焦準機構と、
前記観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示するための対物レンズ指示手段と、
該対物レンズ指示手段の指示に応じて前記対物レンズ切換機構を駆動して指示された対物レンズに切り換える対物切換駆動手段と、
前記対物レンズ切換動作を行う際に、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を開ける方向に前記電動焦準機構を駆動する退避手段と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を前記退避手段による退避動作を行う前の状態に復帰させるように前記電動焦準機構を駆動する復帰手段と、
前記対物切換駆動手段によって駆動される前記対物レンズ切換機構の動作タイミングと前記退避手段および前記復帰手段によって駆動される前記電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方を調整するタイミング調整手段とを具備し、
前記タイミング調整手段は、
前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも一つの動作が完了する前に残りの動作のうち少なくとも一つの動作を開始させることを特徴とする顕微鏡装置。 - 複数の対物レンズを保持し観察光路内に挿入すべき対物レンズを切り換える対物レンズ切換機構と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズに対向する位置に設けられた試料ステージと、
該試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方を光軸方向へ移動せしめる電動焦準機構と、
前記観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示するための対物レンズ指示手段と、
該対物レンズ指示手段の指示に応じて前記対物レンズ切換機構を駆動して指示された対物レンズに切り換える対物切換駆動手段と、
前記対物レンズ切換動作を行う際に、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を開ける方向に前記電動焦準機構を駆動する退避手段と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を前記退避手段による退避動作を行う前の状態に復帰させるように前記電動焦準機構を駆動する復帰手段と、
前記対物切換駆動手段によって駆動される前記対物レンズ切換機構の動作タイミングと前記退避手段および前記復帰手段によって駆動される前記電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方を調整するタイミング調整手段とを具備し、
前記タイミング調整手段は、 前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも二つの動作を同時に開始させることを特徴とする顕微鏡装置。 - 前記タイミング調整手段は、前記電動焦準機構による退避動作を開始させた後、該退避動作が完了する前に、前記対物レンズ切換機構の動作を開始させ、前記対物レンズ切換機構の動作が完了する前に、前記電動焦準機構による復帰動作を開始させることを特徴とする請求項1に記載の顕微鏡装置。
- 前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作のうち少なくとも一つの動作について所要する時間を計測する計測手段を有する制御手段をさらに備え、
前記タイミング調整手段は、前記計測手段による前記所要する時間の計測結果に基づき、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作を開始させることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。 - 前記タイミング調整手段に替えて、対物レンズに応じて、予め設定した上限速度以下の範囲内でステージ退避速度およびステージ復帰速度を変化させるステージ速度演算手段、および、対物レンズに応じて、ステージ退避速度およびステージ復帰速度を一定とした状態でレボルバ回転速度を変化させるレボルバ速度演算手段の少なくとも一方を設けたことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の顕微鏡装置。
- 複数の対物レンズを保持し観察光路内に挿入すべき対物レンズを切り換える対物レンズ切換機構と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズに対向する位置に設けられた試料ステージと、
該試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方を光軸方向へ移動せしめる電動焦準機構と、
前記観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示するための対物レンズ指示手段と、
該対物レンズ指示手段の指示に応じて前記対物レンズ切換機構を駆動して指示された対物レンズに切り換える対物切換駆動手段と、
前記対物レンズ切換動作を行う際に、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を開ける方向に前記電動焦準機構を駆動する退避手段と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を前記退避手段による退避動作を行う前の状態に復帰させるように前記電動焦準機構を駆動する復帰手段と、
前記対物切換駆動手段によって駆動される前記対物レンズ切換機構の動作タイミングと前記退避手段および前記復帰手段によって駆動される前記電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方を調整するタイミング調整手段とを具備する顕微鏡装置の制御方法であって、
前記タイミング調整手段により、対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも一つの動作が完了する前に残りの動作のうち少なくとも一つの動作を開始させることを特徴とする顕微鏡装置の制御方法。 - 複数の対物レンズを保持し観察光路内に挿入すべき対物レンズを切り換える対物レンズ切換機構と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズに対向する位置に設けられた試料ステージと、
該試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方を光軸方向へ移動せしめる電動焦準機構と、
前記観察光路内へ挿入すべき対物レンズを装置本体に対して指示するための対物レンズ指示手段と、
該対物レンズ指示手段の指示に応じて前記対物レンズ切換機構を駆動して指示された対物レンズに切り換える対物切換駆動手段と、
前記対物レンズ切換動作を行う際に、前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を開ける方向に前記電動焦準機構を駆動する退避手段と、
前記観察光路内に挿入された対物レンズと前記試料ステージとの距離を前記退避手段による退避動作を行う前の状態に復帰させるように前記電動焦準機構を駆動する復帰手段と、
前記対物切換駆動手段によって駆動される前記対物レンズ切換機構の動作タイミングと前記退避手段および前記復帰手段によって駆動される前記電動焦準機構の退避動作タイミングおよび復帰動作タイミングの少なくとも一方を調整するタイミング調整手段とを具備する顕微鏡装置の制御方法であって、
前記タイミング調整手段により、対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する光軸方向の距離を開ける方向への退避動作、前記電動焦準機構による前記試料ステージおよび前記対物レンズ切換機構の少なくとも一方に対する退避動作を行う前の状態に復帰させる復帰動作のうち、少なくとも二つの動作を同時に開始させることを特徴とする顕微鏡装置の制御方法。 - 前記タイミング調整手段は、前記電動焦準機構による退避動作を開始させた後、該退避動作が完了する前に、前記対物レンズ切換機構の対物レンズ切換動作を開始させ、前記対物レンズ切換機構の動作が完了する前に、前記電動焦準機構による復帰動作を開始させることを特徴とする請求項6に記載の顕微鏡装置の制御方法。
- 前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作のうち少なくとも一つの動作について所要する時間を計測手段により計測し、
前記計測手段による前記所要する時間の計測結果に基づき、前記タイミング調整手段により、前記対物レンズ切換機構の動作、前記電動焦準機構による退避動作、及び前記電動焦準機構による復帰動作を開始させることを特徴とする請求項6から8のいずれか1項に記載の顕微鏡装置の制御方法。
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