JP3669440B2 - 耐摩耗性アルミニウム合金 - Google Patents

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Description

本発明は耐摩耗性に優れたアルミニウム合金に関するもので、特に自動車用制動部品等の摺動機能を必要とする分野に供されるアルミニウム押出成形形材に関するものである。
一般に、耐摩耗性を目的として使用されている合金としては、JISH4140に規定される4032のように、多量のSiを添加することでアルミニウム中に硬質のSi粒子を分散させたものであり、またSi、Mgを添加することでアルミニウム中にMgSiを析出させることで耐摩耗性を維持しつつ、押出性の改善を図った合金が知られている。
確かに、4032合金のようにSi添加量が6%を超えるアルミニウム合金に対して、Mgを1.9%以上の添加により、耐摩耗性を維持しつつ押出性を改善する効果は認められる。
しかし、それは丸棒等の簡単な形状を有する押出製品についてのみの効果であり、異形断面形状を有する押出製品の場合にMgを1%以上添加すると、もはや押出成形することは非常に困難になるという課題を有していた。また、摩耗環境に関して、自動車用制動部品等における、いわゆるブレーキフルーイド等の潤滑油中下での耐摩耗性が要求される技術分野に関しては、単なる耐摩耗性のみならず、同時に耐圧強度・耐電位差腐食性等も要求され、さらには部品組付のための、かしめ加工時の材料ねばり性も必要とされる場合があり、かかる要求特性を満足するアルミニウム合金材料が所望されていた。
本発明者は、まずアルミニウム中に各種成分を添加し、押出加工により押出形材を成形し、各品質特性および押出成形について精意実験研究した。その結果、本発明に至ったものであり、以下実験により得られた知見とともに課題を解決するための手段を述べる。自動車用制御部品には各種多くの部品があり、アンチロックブレーキシステムアクチュエターボデー、ブレーキホイールシリンダー、クラッチマスターシリンダー、プロポーショニングバルブ等が代表例である。これらに供されるアルミニウム合金には、鋳造材、鍛造材、押出材があるが、本発明は特に押出材についてのものである。また、これらはいわゆるブレーキフルード等の各種の潤滑油中において摺動性が要求される。
Siを1.0%から順次添加量を増して耐摩耗性試験を実施すると、約2.0%から耐摩耗性が向上し始め、3.0%添加にて著しい耐摩耗性効果が認められ、さらにSiを添加していくと5.0%付近にて耐摩耗性効果の上昇が緩くなり、6.0%以上ではほぼ平衡に達することが判明した。また、Siを6.0%以上添加すると切削加工におけるバイト摩耗のみならず、Si粒子による面粗度の悪化も認められた。従って、Si添加量は3.0〜6.0%が妥当であり、理想的には3.5〜5.5%となる。Si添加だけでは押出成形材としては強度が不充分であり、自動車制御部品に供するのはMgが0.4%以上必要であり、Mgを1.0%以上添加すると押出成形性が急に低下し始めた。次に、切削性および電位差腐食性改善効果を目的にMnおよびCuの添加効果を実験研究した。
Mnは0.1%以上添加すると、後述する押出加工条件との組み合わせにより結晶粒径を調整することが可能であり、切削性および電位差腐食性(以下、防食性という)を向上できることが明らかになった。ただし、Mnを1.0%以上添加すると粒界腐食が発生しやすくなる欠点がある。また、Cuはアルミニウム中の固溶硬化に寄与するとともに切削性も向上し、切削性を重視する場合には0.3〜2.0%の添加が良いが、Cuの添加量が多いと防食性が低下するので、防食効果を重視する場合には0.15〜1.0%の範囲が良い。従って、理想的にはCu:0.3〜1.0%がかかる品質特性を両立させるのに効果的である。CrおよびTiは結晶粒の微細化効果があり、必要に応じて添加される。Crが0.05%以下ではかかる効果がなく、0.30%以上では巨大な初晶生成物を成形し、伸びを悪化させる。Tiが0.01%以下では同様に微細化効果がなく、0.10%以上ではその効果が飽和するのみならず、切削時の工具寿命を低下させる。Fe:0.1〜1.0%は結晶粒の微細化および被削性の改善効果があるが、1.0%を超えるとその効果が飽和し、0.1%以下ではその効果が不足する。
アルミニウム合金の特性を充分に発揮させるには、アルミニウム合金組成のみならず、成形加工条件も非常に重要な要素である。
特に、アルミニウム合金の押出成形においては、アルミニウムビレットの均質化処理条件、押出成形温度、および押出成形後の溶体化処理、人工時効条件が重要であり、以下詳述する。アルミニウムビレット鋳造後の均質化処理は添加成分の固溶化を充分に確保できるように480〜590℃×6時間以上保持の条件が望ましい。480℃以下では合金成分や組織の均質化、過飽和に固溶した成分の析出等、本来の均質化がなされないため、強度、結晶粒に悪影響を及ぼす。590℃以上では共晶融解を生じる恐れがあるため、強度、結晶粒に悪影響を及ぼす。押出成形時の温度は450℃以上510℃以下が望ましい。450℃以下では押出が困難であり、510℃以上では結晶粒が粗大化して50μm以上になるために、防食性に悪影響を与えるからである。そのためには、ビレット温度のコントロールも重要であり、ビレット温度が450℃以下では押出時の加工熱の上昇により却って結晶粒を50μm以上に粗大化させる要因となり、また510℃以上ではビレット温度が高く、押出成形時に表面にクラックを生じさせる原因となる。
押出成形後の溶体化処理も500℃以下では溶体化不充分にて、その後の人工時効により強度確保が困難であり、560℃以上では結晶粒が粗大化してしまう。また、その後の人工時効条件は強度確保およびかしめ加工性を考慮して設定される。理想的には510〜540℃の範囲が望ましい。510℃以下では添加元素が充分に固溶しなく、最終製品において充分な性能が得られない。540℃以上では結晶粒が粗大化して50μm以上になるため、防食性に悪影響を与え、強度、伸びを悪化させる。人工時効温度は180〜200℃が望ましく、時効時間は製品に要求される強度および製造コストの観点から、人工時効温度とともに決定されるべきである。
表2−に示す合金NO.1(合金の組成の合金鋳塊を調製した。この8インチφの棒状鋳塊を480〜590℃で6時間以上均質化処理した後、450〜510℃に加熱して熱間押出加工を行った。押出形材は図1〜図3に示す異形形材とした。押出形材を100mmで切断後、溶体化を500〜560℃×3時間保持後、40℃水温に焼き入れを10分間行う。その後、人工時効を180〜200℃×3時間保持するT6処理を施した。このようにして得られた押出形材の押出加工性、機械的性質、結晶粒等を下記試験方法によって試験した。その結果を表3−1、3−2、3−3、3−4に示す。また、表2−1、2−2に示す種々の組成の合金鋳塊を調整した。この8インチφの棒状鋳塊を510℃で6時間均質化処理した後、470℃に加熱して押出形材を100mmで切断後、溶体化を520℃×3時間保持後の40℃水温に焼き入れを10分間行った。その後、人工時効を195℃×3時間保持するT6処理を施した。
このようにして得られた押出形材の熱間押出加工性、機械的性質、耐食性、摩耗性等を下記試験方法によって試験した。その結果を表4−1、4−2、4−3、4−4に示す。
〈試験方法〉(1)熱間押出加工性押出形材の表面に割れを生じさせないで押出すことができる最大押出速度を測定し、これによって前記各合金の押出加工性を評価した。
(2)機械的性質T6処理した押出形材よりJIS5号片相当の引張試験片を採取し、JISZ2241に準じ試験を行った。
(3)耐食性T6処理した押出形材を図4のように加工し、ネジ部にダクロボルトを組み付けしたのち、表1を基本サイクルとし、10サイクル繰り返した。評価はダクロボルト接触面および近傍の腐食深さを測定した。
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(4)摩耗性LFW摩耗試験機にて下記条件の摩耗試験を行い、押出形材側の摩耗量を測定した。
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本発明により得られた耐磨耗性アルミニウム合金を用いて押出成形した形材の断面形状の例を示す。 本発明により得られた耐磨耗性アルミニウム合金を用いて押出成形した形材の断面形状の例を示す。 本発明により得られた耐磨耗性アルミニウム合金を用いて押出成形した形材の断面形状の例を示す。 耐食性評価用試験片形状を示す。
符号の説明
1・・・アルミニウム押出形材
2・・・ダクロボルト

Claims (2)

  1. Mg:0.4〜1.0重量%(0.5重量%以上を除く)、Si:3.0〜6.0重量%、Mn:0.1〜1.0重量%を有し、さらにCu:0.15〜1.0重量%(1.0重量%を除く)、Cr:0.05〜0.30%、Ti:0.01〜0.10重量%、Fe:0.1〜1.0重量%のうち、1種または2種以上を有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる成分組成を有することを特徴とする押出成形用アルミニウム合金。
  2. Mg:0.4〜1.0重量%、Si:3.0〜6.0重量%、Mn:0.1〜1.0重量%を有し、さらにCu:0.15〜1.0重量%(1.0重量%を除く)、Cr:0.05〜0.30%、Ti:0.01〜0.10重量%、Fe:0.1〜1.0重量%のうち、1種または2種以上を有し、残りがAlおよび不可避不純物からなる成分組成を有し、かつ結晶粒径が50μm以下であることを特徴とする押出成形形材。
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