JP3669388B2 - 半溶融金属スラリの温度管理装置 - Google Patents

半溶融金属スラリの温度管理装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レオキャスト法またはチクソキャスト法に使用される半溶融金属スラリの温度管理方法および温度管装置に関するものであり、特に、主として大容量の半溶融金属スラリの溶湯を対象とし、多数の結晶核を含み容器内で冷却された半溶融金属スラリを連続的に得る半溶融金属スラリの温度管理方法および温度管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
チクソキャスト法は、従来の鋳造法に比べて鋳造欠陥や偏析が少なく、金属組織が均一で、金型寿命が長いことや成形サイクルが短いなどの利点があり、最近注目されている技術である。この成形法において使用されるビレットは、半溶融温度領域で機械撹拌や電磁撹拌を実施するか、あるいは加工後の再結晶を利用することによって得られた球状化組織を特徴とするものである。
【0003】
これに対して、従来鋳造法による素材を用いて半溶融成形する方法も知られている。これは、たとえば、等軸晶組織を発生しやすいマグネシウム合金においてさらに微細な結晶を生じせしめるためにZrを添加する方法や炭素系微細化剤を使用する方法であり、またアルミニウム合金において微細化剤としてAl−5%Ti−1%B母合金を従来の2倍〜10倍程度添加する方法であり、これら方法により得られた素材を半溶融温度域に加熱し初晶を球状化させ成形する方法である。また、固溶限以内の合金に対して、固相線近くの温度まで比較的急速に加熱した後、素材全体の温度を均一にし局部的な溶融を防ぐために、固相線を超えて材料が柔らかくなる適当な温度まで緩やかに加熱して成形する方法が知られている。また、固相率が70〜80%の半溶融金属をコンテナに挿入し、押出成形することが知られている。
【0004】
一方、ビレットを半溶融温度領域まで昇温し成形する方法と異なり、球状の初晶を含む融液を連続的に生成し、ビレットとして一旦固化することなく、そのままそれを成形するレオキャスト法が最近注目されるようになった。
【0005】
このようなチクソキャスト法やレオキャスト法で、半溶融金属スラリを成形した利点は下記のとおりである。
(1)マクロ偏析が軽減され、均一な材質が得られる。
(2)成形開始時、すでに一部固相が晶出しており、凝固収縮量が減少するため鋳巣の少ない製品が得られる。
(3)成形までに一部凝固潜熱を放出しているので、金型の熱負荷が軽減される。
(4)成形時放出する潜熱量が少ないので、加圧時間が短縮でき生産性が向上する。
(5)溶湯と比べて高粘度なので、高速射出しても層流充填挙動を示し空気の巻き込みが少ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらの利点を十分享受するためには、半溶融金属スラリが高固相率であるとともに、低粘度であることが必要である。
このため、従来から機械攪拌や電磁攪拌により、良好な性状の半溶融金属スラリ(スラリ中に含まれる固相が微細で、球形状に近いものほど、同じ固相率でも低粘度となり、「良好な性状」となる)とする方法が実施されてきた。しかし、これらの方法の難点は、大懸かりな設備と複雑な工程を必要とし、「製品の製造コストが高くなる」という欠点をもっていた。
金属学的手法を用いて多数の結晶核を含有する溶湯を容器に保持して良好な性状の半溶融金属スラリを得る方法が過去に提案されている。
しかしながら、これらの方法の大量生産的連続操業を実現するためには、具体的には、下記に示すような課題を抱えていた。
(1)冷却速度が速すぎると、容器内壁面に凝固相が生成したり固相粒子が球形状でなく花弁状に成長する。特に、注湯直後の冷却速度が速すぎると、良好な性状の半溶融金属スラリを得ることが難しい。一方、遅すぎると固相粒子は粗大化してしまう。このように、良好な性状の半溶融金属スラリを得るためには、容器内における冷却過程で、実情に即した正確な温度管理が要求される。
(2)さらに、実操業における生産性を考慮すると、工程時間の短縮が要求され、半溶融金属スラリの冷却過程は、「良好な性状の半溶融金属スラリを最短時間で確実に生成する」ことが必要となる。このため、温度管理装置は、次の条件を満たさなければならない。
▲1▼ 半溶融金属の冷却工程における冷却能力が、注湯してからの時間経過にともない可変に制御できること。
▲2▼ 溶湯の注湯をうける容器温度も、あらかじめ毎回所定の温度になるように調整し制御できること(容器を連続使用すると、熱履歴により容器温度は毎回異なる温度となる)。
【0007】
(3)本発明の装置で製造した半溶融金属スラリをすぐに成形するレオキャスト法の場合、「成形機のサイクルのばらつきに対応して半溶融金属スラリを供給する」という苛酷な要求にも答えなければならない。このため、半溶融金属を成形できる温度領域では、なるべく長時間に亘って半溶融金属の温度をこの温度領域内の一定の温度に維持することが要求される。
(4)半溶融金属の冷却過程では、高さ方向に長い容器(たとえば、成形機の射出スリーブ等へ供給するとき)を使用する場合、上下端の表層部の温度が中央部に比べて低下し、中央部や内部で良好な粘性を保有していても上下端の表層部は高粘性であったり、すでに凝固してしまっていたりするので、半溶融金属スラリ全体で均一な粘性を持ち得ない(この上下表層部における温度低下の傾向は、1回に製造する半溶融金属スラリ量が多量になるほど著しい)。このように、レオキャスト法の場合、スラリ内の温度分布が、特に問題となり、高粘性のスラリや凝固相がスラリ取り出し作業を困難にすると同時に、成形過程における充填不良等の悪影響を惹起する。
(5)マグネシウム合金等のように活性の高い金属スラリの場合、半溶融金属冷却部における冷却期間中の酸化、燃焼を防止しなければならない。しかし、酸化防止に最も効果のあるSF6 ガスは金属を腐食させやすい特性があり、作業環境に好ましくない影響を及ぼす。
本発明は、上記の課題を解決するとともに、比較的大容量の溶湯を対象とし、簡便でコンパクトな設備で、しかも連続的に操業できる半溶融金属スラリの製造装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するとともに、設備費の安価な半溶融金属スラリの製造装置を提供するために、本発明においては、第1の発明では、多数の結晶核を含む溶湯を溶湯保持炉より容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリの温度管理装置であって、該溶湯を保持する容器と、溶湯注湯前の該容器を温度管理する容器温度制御部と、該容器内へ入れられた該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように温度管理する半溶融金属冷却部と、該容器を把持して移動搬送するロボットおよび該容器を積載して移動搬送するコンベヤ等の容器搬送装置とで構成し、該半溶融金属冷却部は、半溶融金属冷却炉と、該半溶融金属冷却炉の炉内温度に比べて高温に炉内温度を温度管理する半溶融金属徐冷炉とから形成するとともに、該半溶融金属冷却炉へ導かれる直前の前記容器を積載する敷台と該容器へ前記溶湯を収納した後に該容器の上を被覆する蓋とを、前以て通過移動させて予熱するための予熱炉を該半溶融金属冷却炉の前工程に配設した構成とした。また、第2の発明では、容器を積載する敷台と容器を被覆する蓋の材質をそれぞれ該容器よりも低い熱伝導率の材質とした。第3の発明では、半溶融金属冷却炉内に通気する熱風の温度または風速を、時間経過とともに変化させるように制御するようにした。さらに、第4の発明では、第3の発明の制御装置を、半溶融金属冷却炉用開閉扉の検知用リミットスイッチと炉内に設置した温度センサと熱風ラインに合流する空気ラインの風量制御用の自動ダンパと該自動ダンパ用ダンパ開度制御器とプログラマブル制御器とから構成した。また、第5の発明では、多数の結晶核を含む溶湯を溶湯保持炉より容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリの温度管理装置であって、該溶湯を保持する容器と、溶湯注湯前の該容器を温度管理する容器温度制御部と、該容器内へ入れられた該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように温度管理する半溶融金属冷却部と、該容器を把持して移動搬送するロボットおよび該容器を積載して移動搬送するコンベヤ等の容器搬送装置とで構成し、該半溶融金属冷却部は、半溶融金属冷却炉と、該半溶融金属冷却炉の炉内温度に比べて高温に炉内温度を温度管理する半溶融金属徐冷炉とから形成するとともに、半溶融金属冷却炉は、溶湯を入れた容器を収納し開閉自在な蓋体を具備するとともに熱風の給排出管を備え、内部に収納された該容器を載置する受け台を竪軸回りに回転させる回転機構を備えた函体を複数個配列してなる構成とした。そして、第6の発明では、受け台を振動させる加振器を函体に備えた。また、第7の発明では、半溶融金属冷却炉の炉内へ、不活性ガス、CO2 ガス、SF6 ガスの熱風の少なくとも1種以上を循環させるようにした。そして、第8の発明では、熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以上の容器に入れられたアルミニウム金属またはアルミニウム合金の溶湯を処理する半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を150℃〜350℃の温度領域とした。一方、第9の発明では、熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以下の容器に入れられたアルミニウム金属またはアルミニウム合金の溶湯を処理する場合には、半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を50℃〜200℃の温度領域としたものである。また、第10の発明では、熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以上の容器に入れられたマグネシウム金属またはマグネシウム合金の溶湯を処理する場合には、半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を200℃〜450℃の温度領域とした。これに対して、第11の発明では、熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以下の容器に入れられたマグネシウム金属またはマグネシウム合金の溶湯を処理する場合、半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を100℃〜250℃の温度領域とした。
【0009】
【発明の実施の態様】
本発明者らは、それぞれの工程で必要とされる装置仕様を、生産性まで考慮して鋭意、実験や解析を加えて検討した。その結果、以下の考察を得た。
すなわち、容器に入った半溶融金属スラリの温度を制御する「半溶融金属冷却部」において大半の半溶融金属スラリの性状が決まってしまうので、極めて精密な温度管理が要求される。具体的には、「時間経過に伴い冷却能力を調整できること」、「半溶融金属スラリ全体が均一温度になるように、場所(位置)による冷却能力を調整出来ること」が重要である。また、サイクルタイムが変動して成形機の受入れ状態を待たなければならない場合、その待ち時間にスラリ性状が変化しないよう配慮しなければならない(実操業では、たとえば、成形機トラブルの発生や金型のメンテナンス時間など随時外乱が入り、必ずしも一定のサイクルタイムが常時維持されるわけではない)。このような観点を十分考慮して本発明を発案するに到った。
【0010】
一方、容器温度を制御する「容器温度制御部」においては、最初に半溶融金属の出湯後の550℃以上に熱せられている容器を、5min以内、望ましくは1min以内に、アルミニウム合金ならば50℃〜350℃の所定の温度、マグネシウム合金ならば200℃〜450℃の所定の温度(容器の材質、厚みおよび容器の中に入れるスラリ量等によって上記範囲内で適宜決める)に冷却しなければならない。このため、大きな冷却能力が必要となる。
炉自体の熱慣性があることを考えると、単一装置で上記の要求を満足させながら、容器温度を制御した後、引き続きすぐに半溶融金属スラリーの温度を制御することは不可能である。そこで、本発明の温度制御装置は、「容器温度制御部」と「半溶融金属冷却部」にわけ、それぞれに必要な機構と能力を付与することにした。以下、具体的に付与した機構と能力について述べる。
【0011】
まず、「半溶融金属冷却部」については、「半溶融金属冷却炉」と「半溶融金属徐冷炉」に分けた。「半溶融金属徐冷炉」は、500℃以上の高温雰囲気とし、「半溶融金属冷却炉」からスラリが出てきた時に、もし、成形機の受け入れ体制が出来ていなくても、一時「半溶融金属徐冷炉」で保温してスラリ性状が悪くならないようにした。
また、「半溶融金属冷却炉」炉内では、「アルミニウム合金ならば50℃〜200℃(容器の熱伝導率;1kcal/m・hr・℃以下の場合)または150℃〜350℃(容器の熱伝導率が1kcal/m・hr・℃以上の場合)の所定の温度の熱風」を、「マグネシウム合金ならば100℃〜250℃(容器の熱伝導率が1kcal/m・hr・℃以下の場合)または200℃〜450℃(容器の熱伝導率が1kcal/m・hr・℃以上の場合)の所定の温度の熱風」を循環させるようにした。
最適温度範囲は、上記のように容器の熱伝導率によって、各2通りずつに決めた。これは、本発明者らが、合金の種類、スラリ量、容器材質を種々変えて実験した結果に基づいている。容器材質を種々変えて実験しなければならなかったのは、以下の理由による。すなわち、
▲1▼ 一回に製造するスラリが少量の場合、外部温度に非常に敏感に応答してスラリ温度が変化するので、使用する容器の熱伝導率は小さくなければ安定に管理できない。
▲2▼ 逆に、スラリ量が多量の時は容器の熱伝導率を大きいと、外部冷却に対するスラリ温度の感度が悪くなり過ぎて、熱風の温度、風速を制御しても、それによって冷却速度を意図したように管理できなくなる。その結果、冷却時間が長くなり過ぎる。
このように、熱伝導率が種々異なる容器を使用する必要に迫られたため、炉の最適温度も非常に広い温度範囲に分散する結果となった。しかし、実験結果を整理すると、熱伝導率、1kcal/m・hr・℃を境にして、各ケースの最適温度は上記温度範囲に相当する2つの温度領域に含まれることがわかった。
【0012】
さらに、「半溶融金属冷却炉」における冷却過程で、半溶融金属スラリーの上端、下端の表層部の温度が低くならないように、炉内の高さ方向に温度分布をつけるようにすることが望ましい。すなわち、中央部は、上記温度範囲の熱風を循環させる低温領域とし、その上、下部分はヒータを設置して500℃以上に加熱する高温領域としてもよい。さらに、高温領域と低温領域の間に断熱板を炉壁から水平方向に突出させて(もちろん、容器と干渉しない位置まで突出させる)相互の熱影響をなるべく避けるようにすることもできる。
しかし、容器材質または炉の内容積、構造上の制約から炉内に旨く温度分布をつけられない場合は、別の手段をとる(容器の熱伝導率が良いと容器を介して大きな熱拡散が起きる場合がある)。
ただし、「半溶融金属冷却炉」が、コンベヤ炉かバッチ炉かで、その手段は異なる(温度管理が比較的楽なアルミニウム合金の場合は、運転管理が簡単で済むコンベヤ炉を使用する場合が多い。一方、非常に厳密な温度管理が要求されるマグネシウム合金の場合は、バッチ炉を使用する場合が多くなる)。
【0013】
まず、コンベヤ炉の場合は、
▲1▼ 「容器を置く台」、すなわち敷台と、「容器にかぶせる蓋」、すなわち容器蓋をあらかじめ別に設置した「予熱炉」で、「半溶融金属冷却炉」以上の温度に加熱しておく。
▲2▼ 加熱した敷台と容器蓋を容器にセットして、「半溶融金属冷却炉」に挿入する。
敷台と容器蓋は、断熱材で製作した方が、加熱しておく温度が低くて済むので、操業コストの面からは望ましい。また、容器のサイズがそれ程大きくない場合は、敢えて加熱しておかなくても、敷台と容器蓋を断熱材で製作しておくだけで十分である。
【0014】
次に、バッチ炉の場合は、敷台と容器蓋を、断熱材で製作し、容器を所定の位置に置いて蓋を閉めた時に、容器の上部と下部が、敷台と容器蓋で保温されるようにした。
上記の方法だけで多くの場合、十分に均一な温度分布を得ることが出来たが、容器サイズが大きい時、どうしても、横方向の温度分布が大きくなるケースもあった。これは、注湯直後において、容器内壁面の冷却速度に比べて、内部の冷却速度が著しく遅いことに起因している。
このようなケースの対策として、上記で述べた温度管理に加えて、容器を回転させることにより、スラリ内の強制対流を生じさせて撹拌し温度差を小さくする方法を採った。容器サイズが特に大きい場合は、対流を生じさせるのが難しくなるので、回転、反転を繰り返し十分撹拌するようにした。しかし、容器サイズがそれほど大きくない場合は、回転、反転を繰り返すと空気を巻き込んで酸化が発生し、かえって品質上好ましくない。このようなケースでは同一方向に断続的に回転するようにする。容器の形状により「断続的に回転する」方法でも空気を巻き込むような場合は、同一方向に継続的に回転するか、または、容器を乗せる部分に加振器を設置して、容器全体を振動することによって、中の溶湯を撹拌するようにした。
【0015】
また、スラリ量が多くなると、今まで述べてきたような「温度分布の問題」以外に「半溶融金属冷却炉」内における冷却時間が長くなり過ぎると言う問題が発生する。冷却時間を短縮するために、鉄製容器等のように熱伝導率が大きいものを使い、外部冷却(つまり、炉内を循環させる熱風)で積極的に制御する方法を採用した。すなわち、注湯直後は適度な冷却速度になるように、外部冷却の能力を低めに抑え、徐徐に冷却能力を増やしていくことで、良好な性状のスラリを最短時間で得る。前述したように、注湯直後の冷却速度が速すぎると、良好な性状の半溶融金属スラリを得ることは難しい。しかし、冷却過程の後半においては、比較的大きな排熱能力がなければ、短時間で冷却できない。
具体的には、「半溶融金属冷却炉」に「熱風ライン」と「空気ライン」とを合流するように配管し、空気ラインに設置した「自動ダンパ」の開度を「ダンパ開度制御器」で制御する。この機構により、熱風に混合する空気の量を徐徐に増やしていくことで、風速を上げると同時に温度を下げて、良く冷えるようにする。開度の制御方法としては、次の2つの方法があり、管理の精度を上げなければならない時にフィードバック制御を採用する。
▲1▼ ダンパ開度制御器内の開度記録部に予め設定された開度に従って制御する方法
▲2▼ 炉内に設置した「温度センサ」のデータで開度をフィードバック制御する方法
上記のように、熱風に空気を混合して温度調整する機構を選択したのは、安価な装置で済み、しかも、比較的安定に温度管理ができるからである。もちろん、「プログラム温度調節計付き熱風機」のように熱風炉から出てくる熱風の温度を制御する装置を使っても同様なことが出来るが、熱風機が複数台必要となり非常に高価な装置となる。
バッチ炉の場合について考えてみると、成形機1台につき必要な5〜10個の炉(成形機のサイクルタイムが30〜120secであるのに対して、スラリの冷却に要する時間は300〜900secであるため複数個の炉が必要となる)の全てについて1台ずつ、「熱風機」を設置しなければならない。また、コンベヤ炉の場合も、炉内を複数の領域に分けて温度管理する場合、各領域毎に1台ずつ「熱風機」を設置することとなる。このように、熱風炉から出てくる熱風の温度自体を制御するシステムにすると、熱風機が複数台必要となり、どうしても設備全体が高価なものとなってしまう。
これに対して、本発明のシステムでは、「半溶融金属冷却炉」のシステム全体に「熱風炉」と「ファン」を1台ずつ設置して、熱風と空気を分岐して使うようにしているので、設備費が安くて済むものである。
【0016】
次に、「容器温度制御部」については、冷却前の容器温度が変動しても(スラリを、「半溶融金属徐冷炉」で保持する時間が変動するため、冷却前の容器温度は一定にならない)、最終的に一定の容器温度に精度よく管理することができるように、「容器冷却炉」と「容器保温炉」にわけて、「容器冷却炉」には十分な冷却能力を持たせると同時に、「容器保温炉」は、精度良く雰囲気温度制御ができるようにした。
具体的には、十分に強冷できるよう「容器冷却炉」内を、10m/sec以上の適当な風速に制御した熱風(アルミニウム合金の場合は250℃以下の適当な温度、マグネシウム合金の場合は350℃以下の適当な温度)を循環させる。また、「容器保温炉」では、容器の目標温度(アルミニウム合金の場合は50℃〜300℃の適当な温度、マグネシウム合金の場合は200℃〜450℃の適当な温度)に炉の雰囲気温度を正確に制御し、この雰囲気下で容器を保持する。
なお、熱風の風速および温度は、容器の材質や厚み等によって、上記範囲で適宜決める。
【0017】
最後に、マグネシウム合金のように非常な活性な金属の場合、半溶融の状態で保持している過程で、急速に酸化や燃焼が進んでしまうため、「半溶融金属冷却炉」を特別に以下のような構造にする必要がある。
すなわち、「半溶融金属冷却炉」内に、不活性ガス、CO2ガス、SF6ガスの内の1つ以上を循環させるようにした。但し、酸化防止に最も効果のあるSF6ガスは金属を腐食する等、作業環境に好ましくない影響を与えるので、炉蓋が開いた時には、SF6ガスを供給するガスラインに設置した自動ダンパが閉じて、SF6 ガスは止まるようにし、蓋が閉まった時のみSF6 ガスが供給されるようにした。
【0018】
なお、「半溶融金属冷却炉」において、半溶融金属スラリに施す「振動」もしくは「回転運動」などの操作は、スラリ内の温度分布の均一化を狙ったものである。しかし、これらの操作単独では、有効な効果はあまり期待できない。あくまで、「所定の温度管理」と同時にこの操作を実施することで、初めて「温度分布の均一化」が達成される。すなわち、その実施の形態は「半溶融金属冷却炉において、所定の温度管理を施すのと同時に、振動もしくは回転運動を加える」場合により有効となる。
従来技術で、溶湯に「振動」もしくは「回転運動」を加える場合、その目的は結晶核を生成することにある(本発明では、容器に溶湯が入った時点で、既に多数の結晶核を有しており、これ以上結晶核を生成する必要は全くない)。
このため、本発明に見られるような特別な温度管理を同時に実施しなくてもその効果は十分得られる。すなわち、従来技術では、「温度管理」が技術を構成する必要不可欠な要件とはなっていない。
以上述べたように、本発明で「振動」もしくは「回転運動」を加える場合の目的および実施形態は、従来技術の技術思想とは異なる全く別の新しい発想に基づく技術思想である。
本発明によれば、「容器温度制御部」で溶湯を注湯する前の「容器温度」を制御すると同時に、「半溶融金属冷却部」で溶湯を容器に注湯した後の「半溶融金属温度」を制御することにより、良好な性状の半溶融金属スラリを最短時間で得ることができることになる。
【0019】
さらに、「半溶融金属冷却部」における温度制御により、スラリ取り出し時および成形時に問題となるスラリ内の温度分布も、問題のない程度まで低減することができる。
また、マグネシウム合金のように活性な金属の半溶融金属スラリを製造する場合も、「半溶融金属冷却炉」内に、不活性ガス,CO2ガス,SF6ガスの内の1つ以上を循環させることにより、冷却期間中の酸化、燃焼を防止出来る。
【0020】
以上の考えに基づき、本発明においては、第1の発明である半溶融金属スラリの温度管理装置を使用することによって、多数の結晶核を含む溶湯を容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属を得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリを温度管理する場合、該溶湯を保持する容器の下に敷く敷台と該容器の上部を被覆する蓋をあらかじめ予熱器で予熱したうえ、該溶湯を保持する容器を、該溶湯を入れる前にあらかじめ設定した所望の温度になるように温度管理し、該溶湯を該容器内に入れた後は、該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように該容器を温度管理することによって、比較的大容量の、多数の結晶核を含む半溶融金属スラリを成形機の射出スリーブ内へ容器を介して簡便容易に、かつ、円滑に供給できるから、加圧成形における良好な材料の供給が確保された安定した連続操業が達成される。
また、第2の発明では、容器を積載する敷台と容器を被覆する蓋の材質をそれぞれ該容器よりも低い熱伝導率の材質としたので、容器内の溶湯の温度が一層均一化される。
また、第3の発明では、半溶融金属冷却炉内に通気する熱風の温度または風速を、時間経過とともに変化させるように制御するようにして、溶湯を所望の冷却曲線に倣うように冷却することができ、第4の発明はこれを自動プログラム化することが出来るから、作業管理が容易になる。
そして、第5の発明や第6の発明は、冷却過程中に容器を回転したり、振動を与えることによって、容器内溶湯温度の均一化を企図しており、第7の発明は、溶湯と空気との接触をできるだけ回避するための方策であり、第8ないし第11の発明は、それぞれの溶湯材料の特性や容器材質に適合した温度管理条件を設定したもので、良質の溶湯が得られる。
【0021】
【実施例】
以下、図面に基づいて本発明の実施例の詳細について説明する。図1〜図14は本発明の実施例に係り、図1は成形設備の全体配置平面図、図2は温度管理装置(第1実施例)の平面図、図3は容器の温度計測位置の詳細を示す縦断面図、図4は容器の冷却温度履歴を示すグラフ、図5は図2のA−A視の縦断面図、図6は他の実施例を示す温度管理装置(第2実施例)の平面図、図7は断熱材を装着した容器の温度分布を示す比較図、図8は半溶融金属冷却炉の温度制御装置(第1実施例)の概略構成図、図9は他の実施例を示す半溶融金属冷却炉の温度制御装置(第2実施例)の概略構成図、図10はSF6 ガス切替装置の概略構成図、図11は第2実施例を示す半溶融金属冷却炉(容器回転装置)の縦断面図、図12は第3実施例を示す半溶融金属冷却炉(容器振動装置)の縦断面図である。
【0022】
図1に示すように、成形設備300は、成形材料である溶湯を供給する溶湯保持炉10と成形機200へ供給するまでの溶湯の温度管理を司る温度管理装置100と成形機200とで構成される。
温度管理装置100は、図1に示すように、コンベヤ170等の搬送装置で略矩形状に接続配置された半溶融金属冷却炉120と半溶融金属徐冷炉130からなる半溶融金属冷却部110と、容器冷却炉150と容器保温炉160からなる容器温度制御部140とで構成される。また、温度管理装置100には、容器102を把持して各位置(後述する位置A〜位置F)へ移動搬送するロボット180が備えられる。容器102は矢印方向に移動していく。
【0023】
温度管理装置100の第1実施例は、図2や図5に示すように、半溶融金属冷却炉120の近くに半溶融金属冷却炉120と平行に並列して予熱炉190が設置される。予熱器190の目的は、溶湯を入れた容器102の下に敷く敷台102bと容器102の上に被せて被覆する蓋102aを、あらかじめ半溶融金属冷却炉120に通気する熱風よりも高温に予熱するものであり、半溶融金属冷却炉120で冷却される容器内溶湯温度の均一化を図るものである。すなわち、予熱炉190内には、図5に示すように、コンベヤ170上に積載された蓋102aと敷台102bとがコンベヤ170の移動とともにブローノズル192にから注入される熱風によって加熱される。
【0024】
このように構成された温度管理装置100において、最初、加熱容器取り位置Aに置かれた空の容器102は、ロボット180により溶湯保持炉10(溶湯保持炉10内の溶湯は、多数の結晶核を保有した状態で保持される。)の給湯位置Bへ移動され、溶湯保持炉10から規定量の溶湯が充填される。充填後、注湯容器置き位置Cへロボット180で搬送され、予熱器190で予熱された敷台102bの上に載置され、かつ、蓋102aで容器上部を被覆され、その後、所定時間コンベヤ170により半溶融金属冷却炉120内を通過し冷却されつつ移動する。半溶融金属冷却炉120を出た容器102はスラリ容器置き位置Dへ達し、成形機200の射出スリーブ202の受入れ態勢が整っている場合は直ちにロボット180でスリーブ位置Eに移され、射出スリーブ202へ容器内の半溶融金属スラリを給湯する。容器102がスラリ容器置き位置Dへ達したときに射出スリーブ202の受入れ態勢が整っていないとき(成形機が加圧成形稼働中のとき)には、スラリ容器置き位置Dにおける手待ち時間中に容器内の半溶融金属スラリの冷却固化が進み、容器内の全量の排出が不可能となったり、半溶融金属スラリ内の結晶核の消失が起こって成形品の品質の劣化を招来するのでこれを防ぐため、半溶融金属徐冷炉130へ送り、ここで急激な冷却を防止しつつ成形機200の受入れ態勢完了を待つようにした。
このようにして、良好な性状の半溶融金属スラリを射出スリーブ202へ給湯し終えた空の容器102は、ロボット180により空容器置き位置Fへ移され、コンベヤ170によって移動し容器冷却炉150で所定時間冷却され、さらに容器保温炉160を通過して適当な温度に保持された後、加熱容器取り位置Aに戻される。
【0025】
図2に示すものは、温度管理装置(第1実施例)100の具体的実施例を示し、たとえば、給湯量20kg以上の比較的大規模のアルミニウム合金を対象としたもので、成形機200の成形サイクルは約150秒であり、半溶融金属冷却炉120や容器温度制御部140(容器冷却炉150および容器保温炉160)の通過時間は全体で600秒となるシステム構成となっている。通過時間をこれ以上長くすると、設備として大規模になり過ぎると同時に、たとえば、成形機のトラブルによって生じた廃棄せざるを得ない、つくりかけのスラリ量が多くなり、生産設備として好ましくない。
以上のサイクル条件を満足して、しかも、良好な性状のスラリが得られるように、システムの詳細を以下のように決定した。
▲1▼ 容器材質として、SUS304を採用した(10kg以下の比較的小容量の場合、熱伝導率の小さい材質の方が比較的簡単に温度管理できる。しかし、本実施例のように、大容量の場合、容器材質にセラミックス等のような熱伝導率の小さいものを使用すると、スラリの冷却時間が長くなり過ぎて、上記のサイクルタイムを満足できない。)。
▲2▼ 容器からのスラリの取り出しを容易にするため、容器内面に水溶性(ガス発生を防ぐために水溶性が望ましい)のスプレイ(潤滑剤)を塗布する必要が生じた。そこで、容器冷却炉150と容器保温炉160との間に、スプレイ位置を設けた。
▲3▼ 容器冷却炉150を出た容器102は、スプレイが良く付着する温度(200℃〜250℃)まで5分で冷却する必要があり、100℃の熱風をブローノズルで吹きつけるようにした。
▲4▼ 次に、水溶性のスプレイで部分的に温度の低下した容器102が180℃〜190℃の温度に全体均一化され、スラリが均一な温度分布となるように、容器102を容器保温炉160で入れて加熱する。容器保温炉160は、190℃の熱風をファンによって循環させる。
▲5▼ 容器内のスラリの温度分布を均一にするため、付帯設備として予熱炉190を設置し、断熱材(Al2 3 ・SiO2 の複合体)で製作した敷台102bと蓋102aを350℃に加熱しておき、敷台102bと蓋102aを容器102にセットしてから、一緒に半溶融金属冷却炉120へ挿入するようにした。
▲6▼ 半溶融金属冷却炉120内では、熱風発生炉とブローノズルを2組設置して、入口側で220℃、5m/secの熱風を通気させるとともに、出口側で180℃、20m/secの熱風を循環させるようにした。こうすることにより、冷却初期は比較的ゆっくり冷やし、後半では早く冷却するようにした。
【0026】
容器温度管理に関しては、容器102にシース熱電対をセットして、温度データを取った。以下に、その温度データを基に、さらに詳細に説明する。
図3は容器102の温度計測位置を示したものであり、容器102の側壁の厚さの半分まで外部から穴を開け、内部に熱電対を入れてスポット溶接した。
図4に容器102の温度履歴を示す。容器温度制御部140を、容器冷却炉150と容器保温炉160に分けて、上述したように、容器冷却炉150で「100℃の熱風をブローノズルで吹きつけるようにする」と同時に、容器保温炉160で「190℃の熱風を循環する」装置構成とした。
本システムでは、限られた時間内で「スプレイを付着させる」と同時に、「容器102全体を均一温度(180℃〜190℃)にする」ことが要求される。このため、容器温度制御部140は、容器冷却炉150と容器保温炉160に分けて、それぞれ最適な温度管理を実施させるようにした。
【0027】
一方、図6の第2実施例の温度管理装置100では、主としてマグネシウム合金を対象としており、たとえば図11に示すように、エアシリンダ120Cで開閉自在な蓋体120Bを上部に取り付けられた略立方体形状の函体120Aが直線的に複数個配列されており、函体120Aの内部に強制的にねっぷう通気可能としたものであり、蓋体120Bを開けた状態で内部の敷台102b上に溶湯を入れた容器102を収納し、蓋体120Bに内面に固設した蓋102aで容器102上部を被覆保温しつつ冷却するもので、容器102の出し入れは前述したロボット180を操作して行なうようになっている。
すなわち、図5の第1実施例の半溶融金属冷却炉120が稼働中にコンベヤ170で容器102が移動される連続炉であるのに対して、図6の第2実施例の半溶融金属冷却炉120は、バッチ炉となっている。
【0028】
そして、図11に示すように、函体120Aの底面に載置された敷台102bはモータ121a、チエーン121b、スプロケット121c、ベアリング121d等の回転駆動機構により冷却稼働中、容器102は回転駆動自在に構成される。
【0029】
また、図12の実施例では、超音波発振器121eにより作動する振動子121fや水冷ブースタ121gが装備され、容器102に振動を与えることができるように構成される。
【0030】
図7に、容器の上、下に断熱材(Al2O3・SiO2の複合体)で製作した敷台102bと蓋102aをセットした時の、温度分布を示す。断熱材を使用しなかった場合に比べて、断熱材をセットしたものは、均一な温度分布になっていることがわかる。そして、断熱材を加熱した場合は、さらに均一温度分布になっている。次に高粘度領域に着目する。本例はAC4C合金のケースであり、577℃が共晶温度となっている。この共晶温度の狭い温度範囲で固相率が56%から100%まで急激に増加し、それに伴い粘度も著しく上昇する。このため、図中、固相率が56%〜100%の領域を高粘度領域と考えることができる。
断熱材を使用しなかった場合、容器の上、下部分が完全にこの「高粘度領域」で覆われている(このような状態では、スラリはスムーズに出てこない)。それに対して、断熱材を使用しただけで、「高粘度領域」は著しく減少し、隅部のみにかろうじて残っているだけである。さらに、断熱材を加熱した場合「高粘度領域」は全く姿を消していることがわかる。本ケースでは、断熱材を加熱する必要が生じたが、容器サイズがこれより若干小さいものでは、敢えて加熱する必要はなかった。
【0031】
マグネシウム合金は潜熱が少なく、急激に冷却するため温度管理が難しい。このため、図6の第2実施例の半溶融金属冷却炉120では、第1実施例(図2)のものと比べて、以下の点で異なる。
▲1▼ 容器材質として窒化珪素を使用したが、均一な温度分布を得ることが難しかったため、容器直径100mm以上の場合、半溶融金属冷却炉100に、図11に示すような容器回転装置120Xもしくは図12に示すような容器振動装置120Yを付加しなければならなかった(容器直径が50〜100mmの場合、容器回転装置、容器振動装置を設置する必要はなかった。容器直径100〜200mm以上では、図12に示すような容器振動装置120Yが必要になり、容器直径が200mm以上では、さらに撹拌能力のある図11に示すような容器回転装置120Xが必要になった)。
【0032】
▲2▼ また、温度管理も時間の経過に伴い可変になるようにすることが、必要になったため、図8もしくは図9に示した炉内温度制御装置120Zを付けた(容器直径100mm以下では、スラリの冷却速度が炉内温度の変動に非常に敏感になり、図8に示すような炉内温度制御が必要になった。容器直径70mm以下になると、さらに、図9に示すようなフィードバック制御までが必要になった)。
▲3▼ SF6 ガスを流す必要も生じたので、図10に示す制御装置を付けた(容器直径が150mm以上になると、空気と接触する表面積が増えて、SF6 ガスを流す必要も生じた)。
▲4▼ 以上の機能を付加するために、半溶融金属冷却炉120は図6に示すバッチ炉とし、ロボット180で容器102の出し入れのタイミングを調整するようにした。
【0033】
以上述べたように、本発明においては、溶湯を入れる容器102をあらかじめ溶湯注湯前に適性な温度に温度管理する工程と、溶湯を容器102に注湯した後に溶湯が所望の適性な冷却速度で冷却できるように温度制御する工程とをはっきりと分離した温度管理方法に基づき、これら工程を能率良く連続自動的に操業する温度管理装置100を発案した。さらに、それぞれの工程を、各々容器温度制御部140と半溶融金属冷却部110とで実施するシステム構成とした。
【0034】
さらに、具体的には、容器温度制御部140においては、炉内を通る空気の温度と風速を制御する適性な冷却能力を付与した熱風循環強制冷却式の容器冷却炉150と、容器102の目標温度に雰囲気温度を制御し、この雰囲気温度下で容器102を保持する容器保温炉160により構成した。なお、容器冷却炉150と容器保温炉160の制御温度は、アルミニウム合金とマグネシウム合金とでは異なり、アルミニウム合金の場合は、容器冷却炉150の炉内を室温〜300℃、容器保温炉160の炉内を50℃〜350℃の温度範囲とし、一方マグネシウム合金の場合は、容器冷却炉150の炉内を室温〜350℃、容器保温炉160の炉内を200℃〜450℃の温度範囲とする。
【0035】
本発明の半溶融金属冷却部110においては、良好な性状の半溶融金属スラリを得られる最短時間で冷却できるように、適当な温度の熱風を循環させるようにした半溶融金属冷却炉120と、成形機200の成形サイクルの都合の対応できるようにするため、半溶融金属スラリが成形に適した温度領域で2分ないし5分間維持されるよう装備された半溶融金属徐冷炉130とで構成される。ただし、半溶融金属冷却炉120はの制御温度は、アルミニウム合金とマグネシウム合金とで異なり、アルミニウム合金の場合は、150℃〜350℃の温度範囲とし、マグネシウム合金では200℃〜450℃の温度範囲に温度制御する。一方、半溶融金属徐冷炉130では、いずれの場合も500℃以上の温度とする。
溶湯を入れた容器102が半溶融金属冷却炉120を出たとき丁度、成形機200の射出スリーブ202が溶湯受入れ態勢にあるときは、半溶融金属徐冷炉130へ向かうことなく直ちに溶湯は成形機200へ供給(給湯)される。これとは反対に、成形機200が稼働中で射出スリーブ202が受入れ態勢にないときは、容器102は半溶融金属冷却炉120を出た後、半溶融金属徐冷炉130へ送られる。
【0036】
本発明の半溶融金属冷却炉120の加熱装置の第1の形式は、循環させる熱風の温度、風速のどちらかを時間の経過とともに適宜変化させるように制御するか、または、温度と風速の両方を同時に時間の経過とともに適宜変化させるように制御する。
そして、この加熱装置の詳細な第1の構成(炉内温度制御装置120Z)は、図8に示すように、半溶融金属冷却炉120に熱風を送る熱風ラインと、この熱風ラインに合流させて降温を図る常温空気空気ラインと、この空気ラインの風量制御用のダンパとダンパ開度制御器とを備えた。
さらに、この加熱装置の詳細な第2の構成(炉内温度制御装置120Z)は、図9に示すように、炉内に設置した温度センサと、炉内に熱風を送る熱風ラインと、この熱風ラインに合流する空気ラインと、この空気ラインに設置した自動ダンパと、温度センサの計測データで開度をフィードバック制御するダンパ開度制御器とを備えたものである。そして、炉内温度のデータに基づいて自動ダンパの開度を制御し、熱風に適量の空気を混合して炉内送ることにより、溶湯が希望の降下温度で冷却するよう循環する熱風の温度と風速を制御する。
図10は、SF6 ガスと空気の切替装置(SF6 ガス切替装置120U)を示したものである。すなわち、容器102の直径が150mmを越える大型になると、空気と接触する表面積が増加するので、これをパージするためSF6 ガスを流すようにした。
【0037】
【発明の効果】
以上説明した本発明の半溶融金属スラリの温度管理装置においては、容器温度制御部で溶湯を容器に注湯する前に、あらかじめ溶湯を入れる容器を好ましい温度に温度制御するとともに、半溶融金属冷却部で容器に入れられた溶湯中の半溶融金属スラリを所望の冷却速度で冷却して、多数の結晶核をそのまま維持した良好な性状で、かつ、注湯に適した流動性をもつ所定の個相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを、簡便容易に供給できることとなり、連続操業を容易に達成することができる。
以上
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る成形設備の全体配置平面図である。
【図2】本発明の実施例に係る温度管理装置(第1実施例)の平面図である。
【図3】本発明の実施例に係る容器の温度計測位置の詳細を示す縦断面図である。
【図4】本発明の実施例に係る容器の冷却温度履歴を示すグラフである。
【図5】図2のA−A視の縦断面図である。
【図6】本発明の他の実施例に係る温度管理装置(第2実施例)の平面図である。
【図7】本発明の実施例の係る断熱材を装着した容器の温度分布を示す比較図である。
【図8】本発明の実施例に係る半溶融金属冷却炉の温度制御装置(第1実施例)の概略構成図である。
【図9】本発明の他の実施例に係る半溶融金属冷却炉の温度制御装置(第2実施例)の概略構成図である。
【図10】本発明の実施例を示すSF6 ガス切替装置の概略構成図である。
【図11】本発明の第2実施例を示す半溶融金属冷却炉(容器回転装置)の縦断面図である。
【図12】本発明の第3実施例を示す半溶融金属冷却炉(容器振動装置)の縦断面図である。
【符号の説明】
10 溶湯保持炉
100 温度管理装置
102 容器
102a 蓋
102b 敷台
110 半溶融金属冷却部
120 半溶融金属冷却炉
120a ヒータ
120b 断熱板
120c 断熱板
120d 排気ダクト
120A 函体
120B 蓋体
120C エアシリンダ
120U SF6 切替装置
120X 容器回転装置
120Y 容器振動装置
120Z 炉内温度制御装置
121a モータ
121b チエーン
121c スプロケット
121d ベアリング
121e 超音波発振器
121f 振動子
121g 水冷ブースタ
122 熱風発生炉
124 マルチボックス
126 ダンパ
130 半溶融金属徐冷炉
132 ヒータ
134 熱風発生炉
140 容器温度制御部
150 容器冷却炉
160 容器保温炉
162 ヒータ
164 熱風発生炉
166 ファン
170 コンベヤ
180 ロボット
190 予熱炉
200 成形機
202 射出スリーブ
300 成形設備
A 加熱容器取り位置
B 給湯位置
C 注湯容器置き位置
D スラリ容器置き位置
E スリーブ位置
F 空容器置き位置
G スプレイ位置

Claims (11)

  1. 多数の結晶核を含む溶湯を溶湯保持炉より容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリの温度管理装置であって、
    該溶湯を保持する容器と、溶湯注湯前の該容器を温度管理する容器温度制御部と、該容器内へ入れられた該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように温度管理する半溶融金属冷却部と、該容器を把持して移動搬送するロボットおよび該容器を積載して移動搬送するコンベヤ等の容器搬送装置とで構成し、
    該半溶融金属冷却部は、半溶融金属冷却炉と、該半溶融金属冷却炉の炉内温度に比べて高温に炉内温度を温度管理する半溶融金属徐冷炉とから形成するとともに、
    該半溶融金属冷却炉へ導かれる直前の前記容器を積載する敷台と該容器へ前記溶湯を収納した後に該容器の上を被覆する蓋とを、前以て通過移動させて予熱するための予熱炉を該半溶融金属冷却炉の前工程に配設したことを特徴とする半溶融金属スラリの温度管理装置。
  2. 容器を積載する敷台と容器を被覆する蓋の材質をそれぞれ該容器よりも低い熱伝導率の材質とした請求項1記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  3. 半溶融金属冷却炉内に通気する熱風の温度または風速を、時間経過とともに変化させるように制御する制御装置を備えた請求項1記載または請求項2記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  4. 制御装置は、半溶融金属冷却炉用開閉扉の検知用リミットスイッチと炉内に設置した温度センサと熱風ラインに合流する空気ラインの風量制御用の自動ダンパと該自動ダンパ用ダンパ開度制御器とプログラマブル制御器から構成された請求項3記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  5. 多数の結晶核を含む溶湯を溶湯保持炉より容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリの温度管理装置であって、
    該溶湯を保持する容器と、溶湯注湯前の該容器を温度管理する容器温度制御部と、該容器内へ入れられた該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように温度管理する半溶融金属冷却部と、該容器を把持して移動搬送するロボットおよび該容器を積載して移動搬送するコンベヤ等の容器搬送装置とで構成し、
    該半溶融金属冷却部は、半溶融金属冷却炉と、該半溶融金属冷却炉の炉内温度に比べて高温に炉内温度を温度管理する半溶融金属徐冷炉とから形成するとともに、
    半溶融金属冷却炉は、溶湯を入れた容器を収納し開閉自在な蓋体を具備するとともに熱風の給排出管を備え、内部に収納された該容器を載置する受け台を竪軸回りに回転させる回転機構を備えた函体を複数個配列してなる半溶融金属スラリの温度管理装置。
  6. 多数の結晶核を含む溶湯を溶湯保持炉より容器内に入れて冷却し、所定の固相量と液相量とが共存する半溶融金属スラリを得た後に、該半溶融金属スラリを成形機に供給して加圧成形する成形設備に使用される該半溶融金属スラリの温度管理装置であって、
    該溶湯を保持する容器と、溶湯注湯前の該容器を温度管理する容器温度制御部と、該容器内へ入れられた該溶湯があらかじめ意図した冷却速度で冷却するように温度管理する半溶融金属冷却部と、該容器を把持して移動搬送するロボットおよび該容器を積載して移動搬送するコンベヤ等の容器搬送装置とで構成し、
    該半溶融金属冷却部は、半溶融金属冷却炉と、該半溶融金属冷却炉の炉内温度に比べて高温に炉内温度を温度管理する半溶融金属徐冷炉とから形成するとともに、
    半溶融金属冷却炉は、溶湯を入れた容器を収納し開閉自在な蓋体を具備するとともに熱風の給排出管を備え、内部に収納された該容器を載置する受け台を振動させる加振器を備えた函体を複数個配列してなる半溶融金属スラリの温度管理装置。
  7. 半溶融金属冷却炉を、不活性ガス、CO2 ガス、SF6 ガスの熱風の少なくとも1種以上を炉内へ循環させる半溶融金属冷却炉とした請求項1記載ないし請求項6記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  8. 熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以上の容器に入れられたアルミニウム金属またはアルミニウム合金の溶湯を処理する半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を150℃〜350℃の温度領域とする請求項1記載ないし請求項7記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  9. 熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以下の容器に入れられたアルミニウム金属またはアルミニウム合金の溶湯を処理する半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を50℃〜200℃の温度領域とする請求項1記載ないし請求項7記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  10. 熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以上の容器に入れられたマグネシウム金属またはマグネシウム合金の溶湯を処理する半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を200℃〜450℃の温度領域とする請求項1記載ないし請求項7記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
  11. 熱伝導率が1kcal/hr・m・℃以下の容器に入れられたマグネシウム金属またはマグネシウム合金の溶湯を処理する半溶融金属冷却炉内に通気する熱風温度を100℃〜250℃の温度領域とする請求項1記載ないし請求項7記載の半溶融金属スラリの温度管理装置。
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