JP3669225B2 - 回路遮断器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、回路遮断器の可動接触子の開離動作において、跳ね返りによる再接触を防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の回路遮断器が図14及び図15に示されている。図14において、ON状態にあるこの回路遮断器は、一対の固定接触子1と、左右方向に移動し且つ一対の固定接触子1と接触及び開離する可動接触子2と、可動接触子2を保持する接触子ホルダー3と、回転自在のクロスバー4に保持された接触子レバー5と、接触子ホルダー3と接触子レバー5とを連結する連結軸6と、接触子レバー5に設けられたローラ7と、固定軸8に保持された回転自在のレバー9と、固定軸10に保持された回転自在のレバー11と、レバー9とレバー11との間に連結される上リンク12と下リンク13を含むリンク機構と、可動接触子2を固定接触子1から離れる方向に付勢すると共にローラ7をレバー9のカム面に押し付ける開放ばね14と、開放ばね14の作用に抗して上記リンク機構の伸直状態を保持するラッチ15と、開放ばね14の作用により反時計方向に付勢されているレバー11の回転を係止しているトリップレバー16とを有している。
【0003】
図14のON状態においてトリップ信号がこの回路遮断器に加えられると、トリップレバー16が動作してレバー11との係合が解消し、順次、レバー11が反時計方向に回転し、下リンク13及び上リンク12を介してレバー9が時計方向に回転し、ローラ7がレバー9のカム面を移動して接触子ホルダー3を介して可動接触子2が左方向に移動して一対の固定接触子1から開離し、図15に示すOFF状態となる。なお、図14の一部部品の図示を省略した図15において、レバー11は復帰ばねによって元の位置に復帰している。上記のトリップ動作の最終段階で可動接触子2の左方向への移動を制限するため、図15において連結軸6の移動を阻止する接触子ストッパ17が設けられている。
【0004】
このような回路遮断器に流れる大きな短絡電流を遮断するためにトリップ信号が加えられると、固定接触子1と可動接触子2との間に発生する極めて大きな電磁反発力によって可動接触子2が高速で左方向へ移動するため、接触子レバー5も高速で反時計方向に回転する。その結果、連結軸6が接触子ストッパ17に勢いよく衝突し、その反動で接触子レバー5と共に可動接触子2が跳ね返って右方向に移動して固定接触子1と再接触したり著しく接近して絶縁が低下したりすることによって回路遮断器が劣化するという問題がある。このような問題を防止するため、従来の回路遮断器には図16〜19に示されるラッチ機構100を設けていた。
【0005】
このラッチ機構100は、クロスバー4に固着され且つキックピン18及び制御ピン19が取付けられた駆動レバー20と、回路遮断器の固定部材に設けられた制御部材101とを有する。可動接触子装置は、可動接触子2、接触子ホルダー3、接触子レバー5、クロスバー4、連結軸6、ローラ7、キックピン18、制御ピン19、駆動レバー20などから構成され、連結軸6は接触子レバー5と駆動レバー20の双方を挿通している。なお、これらの図において、接触子ストッパ17は鎖線で示されている。また、制御部材101は、固定ピン102に回転自在に保持された動作レバー103と、ストッパピン104と、動作レバー103のピン105とストッパピン104との間に設けられた復帰ばねを構成する引きばね106を有している。
【0006】
このラッチ機構100の動作について説明する。図16は回路遮断器がON状態にあるときの要部を示しており、動作レバー103が引きばね106によってストッパピン104に押し付けられてその時計方向の回転が阻止されている。この状態において短絡電流遮断のためのトリップ信号が加わると駆動レバー20が反時計方向に高速で回転し、図17のように、キック受け部103aがキックピン18によって蹴られて動作レバー103が引きばね106に抗して反時計方向に回転する。そして、図18のごとく、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突するのとほぼ同時に、衝突辺103bにおいて動作レバー103が動作レバーストッパを構成するクロスバー4と衝突し、その跳ね返り力と引きばね106によって動作レバー103が時計方向に回転する。一方、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突したことによりクロスバー4と共に駆動レバー20は時計方向に跳ね返り回転を始めるが、図19のごとく駆動レバー20の制御ピン19が動作レバー103の接触子跳ね返り阻止手段を構成する制御辺103cと衝突するためにその回転が阻止され、可動接触子2が固定接触子1に接近したり再接触することのないようになっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図16の状態において、より大きな短絡電流が流れたときは、電磁反発力もより大きくなり、駆動レバー20の反時計方向の回転や動作レバー103の反時計方向の回転もより高速となり、図18において、クロスバー4に衝突した後の動作レバー103の跳ね返り速度もより高速となる。このため、制御ピン19が動作レバー103の制御辺103cと接触することなく空振り状態となり、駆動レバー20が時計方向に跳ね返り回転し、その結果可動接触子2が固定接触子1と接触したり接近することがあるという問題があった。
したがって、本発明の課題は、より大きな短絡電流を遮断しても可動接触子が開離した直後に固定接触子に再接触したり接近したりすることのない回路遮断器を実現することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の問題を解決するために、請求項1に係る回路遮断器は、固定接触子と、固定接触子と接触及び開離する可動接触子装置と、可動接触子装置の開離量を制限する接触子ストッパと、第1の固定ピンに回転自在に保持され且つ開離途中の可動接触子装置に衝突されて回転する動作レバーと、動作レバーの回転量を制限する動作レバーストッパと、動作レバーの復帰ばねと、第2の固定ピンに回転自在に保持され且つ動作レバーが可動接触子装置に衝突されて回転したとき動作レバーの回転に伴って回転する制御レバーと、接触子ストッパと衝突した可動接触子装置と係合してその跳ね返り移動を阻止する動作レバー又は制御レバーに設けられる接触子跳ね返り阻止手段と、可動接触子装置と係合するように接触子跳ね返り阻止手段の移動を制御する制御手段とを備えることとしている。
このような構成により、開離する途中で可動接触子装置が動作レバーと衝突して動作レバーを高速で回転させ、動作レバーを介して制御レバーが回転する。衝突回転した動作レバーが動作レバーストッパと衝突したとき、接触子跳ね返り阻止手段を備えた動作レバー又は制御レバーの移動を制御し、遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合しその跳ね返り移動を阻止する。
【0009】
請求項2に係る回路遮断器は、請求項1の発明において、制御手段は制御レバーの有する慣性によって得られることとしている。
このような構成により、動作レバーを介して回転した制御レバーは、動作レバーが動作レバーストッパと衝突しても慣性力を有しており、単独で回転を続けたり動作レバーの跳ね返り回転を制御して接触子跳ね返り阻止手段の移動を制御する。
【0010】
請求項3に係る回路遮断器は、請求項2の発明において、接触子跳ね返り阻止手段は制御レバーに設けられ、第1の固定ピンと第2の固定ピンは同軸上に設けられ、動作レバーと制御レバーは制御レバーを動作レバーの復帰方向に付勢する結合ばねによって互いに結合され、復帰ばねは固定部材と動作レバーとの間に設けられていることとしている。
このような構成により、結合ばねによって動作レバーと結合している制御レバーは、動作レバーが動作レバーストッパと衝突するまでは動作レバーと共に回転する。動作レバーが動作レバーストッパと衝突して跳ね返っても、接触子跳ね返り阻止手段を備えた制御レバーは慣性力により結合ばねに抗してそのまま回転を続けて、遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合する。
【0011】
請求項4に係る回路遮断器は、請求項2の発明において、接触子跳ね返り阻止手段は制御レバーに設けられ、第1の固定ピンと第2の固定ピンは同軸上に設けられ、動作レバーと制御レバーは動作レバーが可動接触子装置に衝突されて回転するとき制御レバーを共に回転させ且つ制御レバーが復帰回転するとき動作レバーを共に回転させる結合手段を備え、動作レバーの復帰ばねは固定部材と制御レバーとの間に設けられていることとしている。
このような構成により、衝突回転した動作レバーが結合手段を介して制御レバーを回転させ、動作レバーが動作レバーストッパと衝突して跳ね返っても、接触子跳ね返り阻止手段を備えた制御レバーは慣性力により復帰ばねに抗してそのまま回転を続け、遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合する。自由状態にあった動作レバーは、復帰ばねによって制御レバーが復帰回転するとき結合手段を介して所定の位置に復帰する。
【0012】
請求項5に係る回路遮断器は、請求項2の発明において、接触子跳ね返り阻止手段は動作レバーに設けられ、復帰ばねは固定部材と動作レバーとの間に設けられ、第1の固定ピンと第2の固定ピンは異軸上に設けられ、動作レバーと制御レバーはいずれか一方に設けられるピンと他方に設けられ回転方向に両端を有する切欠きとピンを切欠きの一端に押し付ける制御レバー復帰ばねによって連結されていることとしている。
このような構成により、ピンと切欠きの一端と制御レバー復帰ばねとによって動作レバーと連動する制御レバーは、動作レバーが動作レバーストッパと衝突するまでは動作レバーと共に回転する。動作レバーが動作レバーストッパと衝突して跳ね返っても、制御レバーは慣性力により制御レバー復帰ばねに抗してそのまま回転を続け、切欠きの他端がピンと係合して接触子跳ね返り阻止手段を備えた動作レバーの跳ね返りを抑制して、遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合する。
【0013】
請求項6に係る回路遮断器は、請求項2の発明において、接触子跳ね返り阻止手段は動作レバーに設けられ、第1の固定ピンと第2の固定ピンは異軸上に設けられ、動作レバーと制御レバーはリンク部材によって連結していることとしている。
このような構成により、リンク部材によって動作レバーと連動する制御レバーは、動作レバーが動作レバーストッパと衝突するまでは動作レバーと共に回転する。動作レバーが動作レバーストッパと衝突して跳ね返り回転力が加わっても、この跳ね返り回転力と反対方向の制御レバーが有する慣性力がリンク部材を介して動作レバーに加わり、接触子跳ね返り阻止手段を備えた動作レバーの跳ね返りを抑制し、遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合する。
【0014】
請求項7に係る回路遮断器は、固定接触子と、固定接触子と接触及び開離する可動接触子装置と、可動接触子装置の開離量を制限する接触子ストッパと、開離途中の可動接触子装置と衝突して回転する動作レバーと、接触子ストッパと衝突した可動接触子装置と係合してその跳ね返り移動を阻止する動作レバーに設けられる接触子跳ね返り阻止手段と、動作レバーの復帰ばねと、動作レバー上と固定部材のいずれか一方に回転自在に保持される制御レバーと他方に設けられる制御レバーの回転を阻止する制御レバーストッパと、動作レバーの衝突回転途中に制御レバーと制御レバーストッパが係合したとき動作レバーの衝突回転力を減ずる方向に制御レバーを付勢する制御ばねとを備えることとしている。
このような構成により、開離する途中に可動接触子装置が動作レバーと衝突して動作レバーを高速で回転させる。動作レバーの回転中に制御レバーが制御レバーストッパと係合し、制御ばねの作用により接触子跳ね返り阻止手段を備えた動作レバーの回転力を抑制し遅れて跳ね返り移動する可動接触子装置と係合する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜13に示される実施例において説明する。なお、これらの実施例の回路遮断器の大部分は従来の技術と同一であるため、その図示と説明を省略して要部だけを説明し、従来技術と実質的に同一の部材には同一の符号を付する。
図1〜3に第1実施例に係る回路遮断器のラッチ機構を示す。このラッチ機構30の制御部材31は、固定ピン32に互いに回転自在に保持された動作レバー33と制御レバー34、動作レバー33のピン35と制御レバー34のピン36との間に設けられた結合ばねを構成する引きばね37、ストッパピン38と動作レバー33のピン39との間に設けられた動作レバーの復帰ばねを構成する引きばね40とを有する。
【0016】
この第1実施例の回路遮断器のラッチ機構の動作について説明する。図1において、この回路遮断器がON状態にあるとき、動作レバー33は引きばね40によりストッパピン38に押し付けられてその時計方向の回転が阻止され、制御レバー34が引きばね37によりピン35に押し付けられて動作レバー33と制御レバー34とが一体化した状態となっている。この状態において駆動レバー20が反時計方向に回転すると、キック受け部33aをキックピン18に蹴られて動作レバー33が引きばね40に抗して制御レバー34と共に反時計方向に回転し、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突するのとほぼ同時に、図2のごとく、衝突辺33bにおいて動作レバー33がクロスバー4と衝突する。このとき、制御レバー34はクロスバー4と衝突することなく離れた位置にある。
【0017】
動作レバー33はクロスバー4と衝突した反動と引きばね40の付勢力により時計方向に回転するが、制御レバー34は、動作レバー33と共に回転することはなく、慣性により引きばね37に抗して反時計方向に回転を続ける。一方、時計方向に跳ね返り回転を始めた駆動レバー20は、図3のごとく、その制御ピン19が接触子跳ね返り阻止手段を構成する制御レバー34の制御辺34aと衝突することによってその回転が阻止され、可動接触子2と固定接触子1との再接触が阻止される。なお、短絡電流が小さい場合は動作レバー33の跳ね返り速度が小さいため、制御レバー34の作用がなくても、制御ピン19が動作レバーの制御辺33cに衝突して駆動レバー20の跳ね返りが阻止される。
【0018】
図4〜6に第2実施例に係る回路遮断器のラッチ機構を示す。このラッチ機構50の制御部材51は、固定ピン52に互いに回転自在に保持された動作レバー53と制御レバー54、制御レバー54のピン55とストッパピン56との間に設けられた動作レバーの復帰ばねを構成する引きばね57とを有する。
【0019】
この第2実施例の回路遮断器のラッチ機構の動作について説明する。図4において、この回路遮断器がON状態にあるとき、制御レバー54が引きばね57により制御レバーストッパを構成する動作レバー53のピン58に時計方向に押し付けられ、この押し付けにより時計方向に付勢される動作レバー53はストッパピン56に押し付けられて、共にその回転が阻止されている。この状態において駆動レバー20が反時計方向に回転すると、第1実施例と同様に、キック受け部53aがキックピン18によって蹴られて動作レバー53は引きばね57に抗して回転付勢され、この付勢により動作レバー53のピン58に押される制御レバー54と共に反時計方向に回転する。そして、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突するのとほぼ同時に、図5のごとく、衝突辺53bにおいて動作レバー53がクロスバー4と衝突する。このときも、制御レバー54はクロスバー4と衝突することなく離れた位置にある。
【0020】
動作レバー53はクロスバー4と衝突した反動により時計方向に回転するが、制御レバー54は動作レバー53と共に回転することはなく、慣性により引きばね57に抗して反時計方向の回転を続ける。一方、時計方向に跳ね返り回転を始めた駆動レバー20は、図6のごとく、その制御ピン19が制御レバー54の制御辺54aと衝突するため、第1実施例と同様に可動接触子2と固定接触子1との再接触を阻止する。
【0021】
図7〜9に第3実施例に係る回路遮断器のラッチ機構を示す。このラッチ機構60の制御部材61は、固定ピン62に回転自在に保持された動作レバー63と、固定ピン64に回転自在に保持された制御レバー65と、動作レバー63のピン66と固定ピン64との間に設けられた復帰ばねを構成する引きばね67とを有する。なお、制御レバー65には切欠き65aが形成され、この切欠き65aの範囲内で動作レバー63のピン68が移動できるようになっている。
【0022】
この第3実施例の回路遮断器のラッチ機構の動作について説明する。図7において、この回路遮断器がON状態にあるとき、引きばね67により時計方向に付勢されている動作レバー63は固定ピン64に押しつけられ、固定ピン64の周りに設けられたねじりばね69により反時計方向に付勢されている制御レバー65はその切欠き65aの右端がピン68に押し付けられていることにより、それぞれの回転が阻止されている。この状態において駆動レバー20が反時計方向に回転すると、第1実施例と同様に、キック受け部63aをキックピン18によって蹴られて動作レバー63が引きばね67に抗して反時計方向に回転し、ピン68を介して制御レバー65も時計方向に回転する。そして、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突するのとほぼ同時に、図8のごとく、衝突辺63bにおいて動作レバー63がクロスバー4と衝突してその跳ね返りと引きばね67の作用により時計方向に回転付勢される。
【0023】
しかし、制御レバー65は慣性により時計方向の回転を続けるため、切欠き65aの上端が跳ね返り回転を始める動作レバー63のピン68と衝突した図9の状態となり、動作レバー63の回転が抑制され跳ね返り回転を始める駆動レバー20の制御ピン19が動作レバー63の制御辺63cと衝突して可動接触子2と固定接触子1の再接触を阻止する。
【0024】
図10及び図11に第4実施例に係る回路遮断器のラッチ機構を示す。このラッチ機構70の制御部材71は、固定ピン72に回転自在に保持された動作レバー73と、固定ピン74に回転自在に保持された制御レバー75と、動作レバー73のピン76と固定ピン74との間に設けられる引きばね77と、制御レバー75のピン78と動作レバー73のピン76との間に設けられたリンク板79とを有する。
【0025】
この第4実施例の回路遮断器のラッチ機構の動作について説明する。図10において、この回路遮断器がON状態にあるとき、引きばね77により時計方向に付勢されている動作レバー73は固定ピン74に押しつけられ、引きばね77によりリンク板79を介して時計方向に付勢されている制御レバー75はリンク板79が固定ピン74に押し付けられており、それぞれの回転が阻止されている。この状態において駆動レバー20が反時計方向に回転すると、第1実施例と同様にキック受け部73aをキックピン18に蹴られて動作レバー73が引きばね77に抗して反時計方向に回転し、リンク板79を介して制御レバー75も反時計方向に回転する。この回転により、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突するのとほぼ同時に、図11のごとく、衝突辺73bにおいて動作レバー73がクロスバー4と衝突し、その跳ね返りと引きばね77の作用により動作レバー73は時計方向に回転付勢される。しかし、この回転付勢力は、制御レバー75の反時計方向の慣性及びピン76とピン78と固定ピン74が略一直線上に並ぶことにより著しく抑制され、跳ね返り回転を始めた駆動レバー20の制御ピン19が動作レバー73の制御辺73cと衝突して可動接触子2と固定接触子1の再接触を防止する。なお、ピン76とピン78と固定ピン74の位置によって再接触防止特性を調整することもできる。
【0026】
図12及び図13に第5実施例に係る回路遮断器のラッチ機構を示す。このラッチ機構80の制御部材81は、固定ピン82に回転自在に保持された動作レバー83と、固定ピン84と、動作レバー83のピン85に回転自在に保持された制御レバー86と、動作レバー83のピン89と固定ピン84との間に設けられた動作レバーの復帰ばねを構成する引きばね87とを有する。
【0027】
この第5実施例の回路遮断器のラッチ機構の動作について説明する。図12において、この回路遮断器がON状態にあるとき、引きばね87により時計方向に付勢されている動作レバー83は固定ピン84に押しつけられており、ピン85の周りに設けられている制御ばねを形成するねじりばね88により反時計方向に付勢されている制御レバー86は動作レバー83の突起に押しつけられており、それぞれの回転が阻止されている。この状態において駆動レバー20が反時計方向に回転すると、第1実施例と同様に、キック受け部83aをキックピン18に蹴られて動作レバー83と制御レバー86が引きばね87に抗して一体的に反時計方向に回転する。この回転により、図13のごとく、連結軸6が接触子ストッパ17と衝突する直前に制御レバー86が制御レバーストッパを構成する固定ピン84と係合してその回転が阻止され、ねじりばね88により動作レバー83の反時計方向の回転速度が減少し、衝突辺83bがクロスバー4と衝突する前に、跳ね返り回転を始めた駆動レバー20上の制御ピン19が動作レバー83の制御辺83cと衝突して可動接触子2と固定接触子1の再接触を防止する。なお、この制御レバー86を固定部材に設け、固定ピン84を動作レバー83上に設けて、動作レバーの83の回転速度を減少させてもよい。
【0028】
以上、本発明の実施の形態について説明を行ったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまでも例示であって、本発明の範囲は上記の発明の実施の形態に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味および範囲内でのすべての変更を含むことが意図される。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、動作レバーと制御レバーと接触子跳ね返り阻止手段の制御手段を設けるだけの簡単な構成で、開離直後に可動接触子が固定接触子に再接触したり著しく近づいたりすることを防止でき、より大きな短絡遮断電流を有する小形の回路遮断器を構成できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図2】 第1実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図3】 第1実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図4】 本発明の第2実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図5】 第2実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図6】 第2実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図7】 本発明の第3実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図8】 第3実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図9】 第3実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図10】 本発明の第4実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図11】 第4実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図12】 本発明の第5実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図13】 第5実施例に係る回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図14】 従来の回路遮断器のON状態の全体側面図である。
【図15】 図14の回路遮断器のOFF状態の全体側面図である。
【図16】 図14の回路遮断器のラッチ機構の動作を説明する要部説明図である。
【図17】 図14の回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図18】 図14の回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【図19】 図14の回路遮断器のラッチ機構の動作途中を示す図である。
【符号の説明】
1…固定接触子、2…可動接触子、5…接触子レバー、4…クロスバー、
6…連結軸、17…接触子ストッパ、18…キックピン、19…制御ピン、
20…駆動レバー、30,50,60,70,80…ラッチ機構、
31,51,61,71,81…制御部材、
33,53,63,73,83…動作レバー、
33a,53a,63a,73a,83a…キック受け部、
33b,53b,63b,73b,83b…衝突辺、
33c,34a,54a,63c,73c,83c…制御辺、
34,54,65,75,86…制御レバー、
37,40,57,67,77,87…引きばね、
59,68…ピン、65a…切欠き、69,88…ねじりばね、
79…リンク板、84…固定ピン。
Claims (7)
- 固定接触子と、
前記固定接触子と接触及び開離する可動接触子装置と、
前記可動接触子装置の開離量を制限する接触子ストッパと、
第1の固定ピンに回転自在に保持され且つ開離途中の前記可動接触子装置に衝突されて回転する動作レバーと、
前記動作レバーの回転量を制限する動作レバーストッパと、
前記動作レバーの復帰ばねと、
第2の固定ピンに回転自在に保持され且つ前記動作レバーが前記可動接触子装置に衝突されて回転したとき前記動作レバーの回転に伴って回転する制御レバーと、
前記接触子ストッパと衝突した前記可動接触子装置と係合してその跳ね返り移動を阻止する前記動作レバー又は制御レバーに設けられる接触子跳ね返り阻止手段と、
前記可動接触子装置と係合するように前記接触子跳ね返り阻止手段の移動を制御する制御手段と
を備えることを特徴とする回路遮断器。 - 前記制御手段は前記制御レバーの有する慣性によって得られることを特徴とする請求項1の回路遮断器。
- 前記接触子跳ね返り阻止手段は前記制御レバーに設けられ、
第1の固定ピンと第2の固定ピンは同軸上に設けられ、
前記動作レバーと前記制御レバーは前記制御レバーを前記動作レバーの復帰方向に付勢する結合ばねによって互いに結合され、
前記復帰ばねは固定部材と前記動作レバーとの間に設けられていることを特徴とする請求項2の回路遮断器。 - 前記接触子跳ね返り阻止手段は前記制御レバーに設けられ、
第1の固定ピンと第2の固定ピンは同軸上に設けられ、
前記動作レバーと前記制御レバーは前記動作レバーが前記可動接触子装置に衝突されて回転するとき前記制御レバーを共に回転させ且つ前記制御レバーが復帰回転するとき前記動作レバーを共に回転させる結合手段を備え、
前記動作レバーの復帰ばねは固定部材と前記制御レバーとの間に設けられていることを特徴とする請求項2の回路遮断器。 - 前記接触子跳ね返り阻止手段は前記動作レバーに設けられ、
前記復帰ばねは固定部材と前記動作レバーとの間に設けられ、
第1の固定ピンと第2の固定ピンは異軸上に設けられ、
前記動作レバーと前記制御レバーはいずれか一方に設けられるピンと他方に設けられ回転方向に両端を有する切欠きと前記ピンを前記切欠きの一端に押し付ける制御レバー復帰ばねによって連結されていることを特徴とする請求項2の回路遮断器。 - 前記接触子跳ね返り阻止手段は前記動作レバーに設けられ、
第1の固定ピンと第2の固定ピンは異軸上に設けられ、
前記動作レバーと前記制御レバーはリンク部材によって連結していることを特徴とする請求項2の回路遮断器。 - 固定接触子と、前記固定接触子と接触及び開離する可動接触子装置と、
前記可動接触子装置の開離量を制限する接触子ストッパと、
開離途中の前記可動接触子装置と衝突して回転する動作レバーと、
前記接触子ストッパと衝突した前記可動接触子装置と係合してその跳ね返り移動を阻止する前記動作レバーに設けられる接触子跳ね返り阻止手段と、
前記動作レバーの復帰ばねと、
前記動作レバー上と固定部材のいずれか一方に回転自在に保持される制御レバーと他方に設けられる前記制御レバーの回転を阻止する制御レバーストッパと、
前記動作レバーの衝突回転途中に前記制御レバーと前記制御レバーストッパが係合したとき前記動作レバーの衝突回転力を減ずる方向に前記制御レバーを付勢する制御ばねと
を備えることを特徴とする回路遮断器。
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