JP3668722B2 - 抗酸化用組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗酸化用組成物に関する。更に詳しくは米糠、大豆、グアバ発酵組成物を含有する優れた生体内抗酸化作用と外用抗酸化作用を有する抗酸化用組成物に関する。本発明は、活性酸素が原因となる各種の成人病、内科疾患、皮膚病等の病気の治療・改善、健康増進、及び美容などに広く利用される。
【0002】
【従来の技術】
活性酸素は、外からの異物や刺激に対して防御の目的で人体内において作られ、適量ならば細菌、ウィルスなどを攻撃し、身体を守る。しかし、活性酸素の量が多ければ、逆に、身体の細胞や内臓を傷つけ、結果的に、成人病などの疾患の一因となる。本来、人体には、過剰になった活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムターゼ(以下、SODという。)がある。
このSODは、酸素分子の1電子還元で生成するスーパーオキシドラジカル(O2 −)の不均化反応(下式)を拡散律速に近い速さで触媒し、細胞内のO2 −濃度を低下させる酵素である。
2O2 −+2H+→H2O2+O2
【0003】
従って、O2 −の除去酵素であるSODは、生体を活性酸素種から守るために存在するものであり、この活性酸素種を起因として生じると考えられる病気等に有効であるとの観点から、近年、その反応機構、生理機構等が研究されている〔「活性酸素−生物での生成・消去・作用の分子機構」(新装版2刷、共立出版株式会社発行、中野稔ら編著)223〜230頁)〕。また、癌細胞ではSOD活性が低いという事実があり、更に、SODと発癌との直接因果関係は明らかではないが、SOD又はSOD様物質を癌細胞に注入すると、増殖を抑えるという報告もある(同64頁)。
【0004】
このSODの活動力は、加齢で減少し、個人差もある。このSODの活動力低下は、各種の成人病などの疾患の一因となり、低下したSODの活動力を補う一方法として、SODと同様な作用を有する抗酸化性組成物の摂取があげられる。安全で且つSOD作用(活性酸素濃度を減少させる作用のみならず、これに起因して生じると考えられる種々の病気の予防、改善の作用をも含む。)を有し、食品等に用いられるものがあれば、人の健康及び美容にとって非常に有用であり、その必要性は極めて大きい。
従来、このような観点から、生体内において安全な天然物を主成分としたものが日々研究されている。例えば、米糠・大豆発酵物に緑茶抽出エキスを添加した活性酸素抑制組成物(特開平6−284872号公報等)やグアバ抽出物から活性酸素抑制作用を有する抗酸化剤が開発されている(特開平5−246837号公報等)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、近時の医薬品、化粧品、健康食品、健康補助食品等の分野における進歩は著しく、より優れた生体内抗酸化作用、活性酸素除去効果を奏する抗酸化性の組成物の開発が望まれている。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり,従来にない高い生体内抗酸化作用と外用抗酸化作用を有する抗酸化用組成物を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の抗酸化用組成物は、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物を含有する発酵組成物を含むことを特徴とする。
また、他の本発明の抗酸化用組成物は(1)グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物と、(2)米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られる米糠・大豆発酵物と、を含有する発酵組成物を含むことを特徴とする。
更に、他の本発明の抗酸化用組成物は、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方、米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られる発酵組成物を含むことを特徴とする。
また、上記微生物は細菌又は酵母とすることができる。
更に、上記微生物は納豆菌、枯草菌、或いはSaccharomyces属に属する酵母とすることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、「グアバ」及び「グアバ抽出物」の少なくとも一方を使用する。グアバはバンジロウ或いは番石榴と呼ばれ、フトモモ科、バンジロウ属の植物で、学名をプジジウム グアヤバ エル(Psidium Guajava L)という。この「グアバ」というときには,グアバの葉、茎、花、根及び種子等の他の部位も含む。これらのうちで、グアバの葉が好ましく用いられる。
【0008】
このグアバ抽出物とは、グアバを原料として抽出することにより得られるものである。また、このグアバ抽出物には、グアバを原料として抽出することにより得られる抽出液を、タンナーゼ等の酵素を用いて酵素処理したものも含まれる。更に、このグアバ抽出物は、抽出液を濾過したままの液でもよいし、これを濃縮した濃縮液でもよい。その他にも、凍結乾燥等の公知の方法により溶媒を除去した固形物や粉末化した粉末物でもよい。
【0009】
このグアバ抽出物を得るための抽出方法、抽出条件については特に限定はない。例えば、原料であるグアバは未粉砕でも、粉砕したものでもよく、また、乾燥したものでもよく、乾燥前のものでもよい。抽出物の品質を維持できる限り、不純物除去等の前処理をしてもよい。また、抽出溶媒としては、水又は熱水の他、エタノール、酢酸エチル、n−ヘキサン等の有機溶媒や、これらの有機溶媒と水又は熱水との混合溶媒等を用いることができる。水又は熱水の温度は、通常、0〜100℃、好ましくは70〜100℃、更に好ましくは85〜95℃である。また、抽出の際の抽出溶媒のpHは通常3〜8、好ましくは4〜8、更に好ましくは5〜8である。pHがあまり高くなると、グアバ及びグアバ抽出物に含まれているポリフェノール類が不安定となることから好ましくない。
【0010】
このグアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して「グアバ発酵物」を得る。
このための発酵条件については、抗酸化作用を奏するものが得られる限り特に限定はない。発酵培養は通常、通気攪拌を行うことにより行われる。また、培養を行うための培地についても、微生物、特に納豆菌、枯草菌やSaccharomyces属に属する酵母が増殖できるものであれば特に制限はなく、通常は液体培地であるが、固形培地であってもかまわない。また、培地のpHは通常4〜8、好ましくは5〜8、更に好ましくは6〜8である。このpHがあまり高くなると、上記のようにグアバ及びグアバ抽出物に含まれるポリフェノール類が不安定となることから好ましくない。更に、培養温度についても、発酵が行われる限り特に制限はなく、通常40〜45℃程度である。
【0011】
また、グアバ発酵物を得るために用いる「微生物」については、グアバ又はグアバ抽出物を原料として発酵することにより、抗酸化作用を有する発酵組成物を産出する性質を失わない限り特に限定はない。通常は、細菌や酵母が用いられ、この中で、納豆菌、枯草菌、或いはSaccharomyces属に属する酵母(Saccharomyces cerevisiae、Saccharomyces uvarum、Saccharomyces bayanus、Saccharomyces diastaticus及びSaccharomyces rouxii種等)が好ましく用いられる。これらのうちで細菌の1種及び2種以上を併用してもよく、または酵母の1種及び2種以上を併用してもよく,更に細菌及び酵母を併用しても良い。これらのうちで特に納豆菌が好適に用いられる。
【0012】
他の本発明の抗酸化用組成物は、(1)グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られたグアバ発酵物と、(2)米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られた米糠・大豆発酵物と、を含有する発酵組成物を含むことを特徴とする。
【0013】
このグアバ、グアバ抽出物、微生物及びグアバ発酵物は、前記した発明におけるものと同義である。また、上記「米糠類」とは、米胚芽、脱脂米胚芽、米糠、脱脂米糠等をいい、上記「大豆類」とは、脱脂大豆、キナ粉、大豆粉、大豆カス、これらの加水分解物等をいう。更に、上記「炭素源」としては、通常用いられる糖類等を使用でき、例えば、グルコース、デキストリン、乳糖及びデンプン等の1種又は2種以上を用いることができる。
【0014】
この発明における「米糠・大豆発酵物」とは、上記米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られるものである。グアバ発酵物や米糠・大豆発酵物を得るための上記「微生物」としては、通常は細菌や酵母が用いられ、前記発明において、グアバ発酵物を得るために用いる細菌や酵母が適用できる。
【0015】
また、上記米糠・大豆発酵物を得るための発酵培養条件については、発酵が行われる限り特に制限はない。通常、発酵培養は通気攪拌を行うことにより行われ、培養温度は40〜45℃程度であり、pHは7.5〜10、好ましくは8.0〜9.0である。培地のpHを調節する場合は、アルカリ剤として炭酸水素ナトリウム等を用いることができる。尚、培地原料としてはプロテアーゼを用いることができる。この場合は、大豆ペプチドを更に分解するので有用である。
【0016】
他の本発明の抗酸化用組成物は、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方、米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られる発酵組成物を含むことを特徴とする。
【0017】
このグアバ、グアバ抽出物、米糠類、大豆類及び炭素源は、前記した発明におけるものと同義である。この「発酵組成物」は、グアバ発酵物の原料となる上記グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方と、米糠・大豆発酵物の原料となる上記米糠類、大豆類及び炭素源を含有する培地に微生物を接種し、発酵培養して得られるものである。
【0018】
また、この「発酵組成物」を得るための発酵条件については、抗酸化作用を奏するものが得られる限り特に限定はない。発酵培養は通常、通気攪拌を行うことにより行われる。また、培地のpHは通常pHは3〜8、好ましくは4〜8である。このpHがあまり高くなると、上記のようにグアバ及びグアバ抽出物に含まれるポリフェノール類が不安定となることから好ましくない。更に、培養温度は、発酵が行われる限り特に制限はなく、通常40〜45℃程度である。尚、培地原料としてはプロテアーゼを用いることができる。この場合は、大豆ペプチドを更に分解するので有用である。
【0019】
また、上記「培地」としては、それぞれの原料を含み、微生物、特に納豆菌、枯草菌やSaccharomyces属に属する酵母が増殖できるものであれば特に制限はなく、通常は液体培地であるが、固形培地であってもかまわない。更に、上記「発酵物」を得るために用いる上記「微生物」についても、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方、米糠類、大豆類及び炭素源を原料として発酵することにより、抗酸化作用を有する発酵組成物を産出する性質を失わない限り特に限定はないが、通常は、細菌や酵母が用いられ、前記した両発明に用いられた細菌や酵母が適用できる。
【0020】
前記した各発明において、「納豆菌」、「枯草菌」及び「Saccharomyces属に属する酵母」は、市販されている一般的なものを用いることができる。しかし、自然的、又はニトロソグアニジン等の化学物質、X線、紫外線等により人為的変異手段により得られ、菌学的性質が変異した変異株であっても、抗酸化作用を有する発酵組成物を産出する性質を失わない限り利用することができる。また、前記各発明の各発酵物の形態については特に限定はない。通常は抽出物の種々の形態で用いられる。例えば、それぞれ培養して得られた培養発酵液を濾過したままの液でもよいし、これを脱色等の後処理をした液でもよいし、又はこれを濃縮した濃縮液でもよい。その他にも、凍結乾燥等の公知の方法により溶媒を除去した固形物や粉末化した粉末物でもよい。
【0021】
本発明の各発酵組成物は、抗酸化作用という効果を奏するとともに、天然素材を使用しているので、従来の合成素材と比較してより安全に抗酸化用組成物として利用することができる。本発明の抗酸化用組成物には、抗酸化性を阻害しない限り他の組成物を含ませることができる。この場合、含まれる発酵組成物の量(固形分換算、W/V)は、通常0.0001%以上、好ましくは0.0005〜5%、更に好ましくは0.001〜0.5%、最も好ましくは0.01〜0.05%である。本発明の抗酸化用組成物に含まれる発酵組成物の量が0.0001%未満では、抗酸化作用が減弱するので好ましくない。また、5%を超える量を添加しても、抗酸化作用は頭打ちとなるので、経済的に好ましくない。
【0022】
【実施例】
以下、実施例を上げて本発明を具体的に説明する。
(1)グアバ抽出物及び発酵組成物の調整
▲1▼試料1(グアバ熱水抽出物)
乾燥グアバ葉粉砕末1kgを80℃の精製水50kgに2時間浸漬後、ガーゼで濾過し、さらに、濾過助剤としてパーライトを添加しフィルター(ADVANTEC 5A、90mm)にて濾過し、抽出液(以下、「グアバエキス」という)を得た。これを試料1とした。
▲2▼試料2(米糠、大豆発酵物)
米糠3.00kg、リン酸ナトリウム1.00kg、大豆ペプチド0.40kg、炭酸水素ナトリウム4.50kg、グルコース0.50kg、アルカリ性プロテアーゼ0.01kg、精製水50.00kgを混合した後、pH7.0に調整した培地で納豆菌(バチルス ナットウ)を42℃、48時間培養した後、該培養液を、圧搾、濾過、活性炭による脱色脱臭後、再度濾過することにより液状の発酵物を得た。これを試料2とした。
▲3▼試料3(混合液の調製)
▲1▼にて製造した抽出液(試料1)30gと、▲2▼にて製造した発酵物(試料2)970gとを混合し、試料3を得た。
▲4▼試料4(米糠、大豆及びグアバエキスの発酵物)
米ぬか3.00kg、リン酸ナトリウム1.00kg、大豆ペプチド0.40kg、上記グアバエキス5.0kg、炭酸水素ナトリウム4.50kg、グルコース0.50kg、アルカリ性プロテアーゼ0.01kg、精製水50.00kgを混合した後、pH7.0に調整した培地で上記納豆菌を42℃、48時間培養した後、該培養液を、圧搾、濾過、活性炭による脱色脱臭後、再度濾過することによって液状の発酵物を得た。これを試料4とした。
▲5▼試料5(米糠、大豆及びグアバの発酵物)
米ぬか3.00kg、リン酸ナトリウム1.00kg、大豆ペプチド0.40kg、上記乾燥グアバ葉粉砕末0.10kg、炭酸水素ナトリウム4.50kg、グルコース0.50kg、アルカリ性プロテアーゼ0.01kg、精製水50.00kgを混合した後、pH7.0に調整した培地で上記納豆菌を42℃、48時間培養した後、該培養液を、圧搾、濾過、活性炭による脱色脱臭後、再度濾過することによって液状の発酵物を得た。これを試料5とした。
【0023】
(2)DPPH(ジフェニルピクリルヒドラジル)フリーラジカル消去能測定法による抗酸化能の評価
測定試薬であるDPPH溶液として、0.5mM DPPHエタノール溶液20mL、0.1M Tris緩衝液(pH7・4)40mL、75%エタノール40mLにより調整する。測定試料は試料1〜試料5とする。試験管に各試料の20倍希釈の水溶液を100μL、DPPH溶液を4mL入れミキサにて混合、30分間放置後に分光光度計にて520nmでの吸光度測定を行ない、Trolox濃度換算した結果を表1に示す。
なお、Trolox濃度換算に用いる検量線は、0.2、0.4、0.6、0.8、1mMのTrolox30%エタノール水溶液を用いて、分光光度計にて520nmでの吸光度測定を行ない作成した。
また、1μmol Trolox換算量を1unitとし、単位はunit/gで表示した。
【0024】
【表1】
【0025】
(3)ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)還元法によるSOD活性の評価。
測定キットとして和光純薬工業製の「SODテストワコー」を用い、O2−とNBTとの反応に基づくジホルマザン形成の減少の程度を、分光光度計にて560nmでの吸光度測定を行ない、阻害率を求めることにより、試料中のSOD活性値を求めた。その結果を表1に示す。
【0026】
(4)実施例の効果
表1によると、フリーラジカル消去能は、試料1(グアバ抽出液のみ)は14.9(unit/g)であり、試料2(米糠、大豆発酵物)は15.6(unit/g)である。これに対して,試料3(試料1と試料2との混合)は、21.3(unit/g)であり、試料1に対して約43%、試料2に対して約37%高い。従って、グアバ抽出液のみ又は米糠、大豆発酵物のみを用いたいずれの場合より高いため、グアバ抽出液と米糠、大豆発酵物を混合すると相乗効果を奏することが判る。
また、試料4(米糠、大豆及びグアバエキスの発酵物)及び試料5(米糠、大豆及びグアバの発酵物)のフリーラジカル消去能は、それぞれ25.7(unit/g)、27.7(unit/g)であり、試料1〜3のいずれよりも高い。特に試料3に比較してそれぞれ21%、30%高い。従って、グアバ又はグアバ抽出液を発酵したものは、優れたフリーラジカル消去能を有することが判る。また、試料4及び試料5の抗酸化作用は相乗効果を有することも判る。更に、この場合グアバ抽出液を使用して発酵させるよりも、グアバを使用して発酵させたほうが、幾分性能がよいことが判る。
【0027】
一方、SOD活性は、試料1(グアバ抽出物のみ)は42.3(%)であり、試料2(米糠、大豆発酵物)は56.7(%)である。これに対して,試料3(試料1と試料2との混合)は、76.8(%)であり、試料1に対して約82%高く、試料2に対して約36%高い。従って、グアバ抽出物のみ又は米糠、大豆発酵物のみを用いたいずれの場合より高いため、グアバ抽出液と米糠、大豆発酵物を混合すると相乗効果を奏することが判る。
また、試料4(米糠、大豆及びグアバエキスの発酵物)及び試料5(米糠、大豆及びグアバの発酵物)のSOD活性は、それぞれ84.4%、87,3%であり、試料1〜3(42.3〜76.8%)のいずれよりも高い。特に試料3に比較してそれぞれ9%、14%高い。従って、グアバ又はグアバ抽出液を発酵したものは、優れたSOD活性を有することが判る。また、試料4及び試料5の抗酸化作用は相乗効果を有することも判る。更に、この場合グアバ抽出液を使用して発酵させるよりも、グアバを使用して発酵させたほうが、幾分性能がよいことが判る。
上記のことから、本発明の発酵物の抗酸化作用は、フリーラジカル消去能及びSOD活性の測定のいずれによっても、同様に高い抗酸化作用を有することが判る。
【0028】
尚、本発明においては、上記具体的実施例に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、上記組成物の形態は、通常、水溶液若しくは原液等の液状であるが、これに限らず、この抽出物を吸液性粉末に含浸させた粉末品、造粒した造粒品、増量剤等他の粉末成分を配合した錠剤、又はマイクロカプセル等とすることができる。また、これらの水溶液、粉末品等を所定容器に充填してなる商品形態、またこれ単独で使用するか他剤(水溶液のもの、油性液のもの若しくは粉末を問わない。)に配合して使用するかについても特に限定されず、例えば、ポーション型でもよいし、他形状容器に充填してもよいし、粉末品をスティック状容器(袋)に充填したものでもよい。更に、従来の清涼飲料水、ドリンク剤、乳製品、油剤化製品等に配合、分散して使用してもよい。尚、この分散は油中水型、水中油型を問わない。また、他の栄養成分(例えば、各種ビタミン類、カルシウムイオン成分、鉄イオン成分等)、薬効成分、調味成分、匂い成分等を配合してもよい。これらのうち、特に水溶性成分が好ましい。均一に溶解した商品とすることができるからである。
【0029】
【発明の効果】
本発明の抗酸化用組成物は、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物を含有する発酵組成物を含み、優れた抗酸化力を有する。この抗酸化力は、グアバ抽出物の抗酸化力より,大きい。
また、他の本発明である抗酸化用組成物は、(1)グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物と、(2)米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られる米糠・大豆発酵物と、を含有する発酵組成物を含み、優れた抗酸化作用を有する。この抗酸化作用は、グアバ発酵物、グアバ抽出物、又は米糠、大豆発酵物単独の場合の抗酸化作用に比較して大きく、相乗効果を有する。
更に、他の本発明である抗酸化用組成物は、グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方、米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られる発酵組成物を含み、更に優れた抗酸化作用と相乗効果を有する。
また、上記微生物は細菌又は酵母とすることができ、優れた抗酸化作用を有する発酵物を得ることが可能である。
更に、上記微生物は納豆菌、枯草菌、或いはSaccharomyces属に属する酵母とすることができ、更に優れた抗酸化作用を有する発酵物を得ることができる。
以上のことから、本発明の抗酸化用組成物は、優れた抗酸化作用を有して、これを含有する抗酸化用組成物は、医薬品、健康食品、健康補助食品、化粧品の分野に広く利用することができる。
Claims (5)
- グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物を含有する発酵組成物を含むことを特徴とする抗酸化用組成物。
- (1)グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られるグアバ発酵物と、(2)米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に微生物を接種し、発酵培養して得られる米糠・大豆発酵物と、を含有する発酵組成物を含むことを特徴とする抗酸化用組成物。
- グアバ及びグアバ抽出物のうちの少なくとも一方、米糠類、大豆類及び炭素源を含む培地に納豆菌又は枯草菌を接種し、発酵培養して得られる発酵組成物を含むことを特徴とする抗酸化用組成物。
- 上記微生物が細菌又は酵母である請求項2記載の抗酸化用組成物。
- 上記微生物が納豆菌、枯草菌、又はSaccharomyces属に属する酵母である請求項2記載の抗酸化用組成物。
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