JP3668676B2 - 磁石保持体及びそれを備えた永久磁石式回転電機並びに永久磁石の取り付け方法 - Google Patents

磁石保持体及びそれを備えた永久磁石式回転電機並びに永久磁石の取り付け方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ヨークの内周に嵌合・固定する磁極用の円弧状永久磁石を、無理な変形力を与えず少ない治具で容易に取り付け可能に構成した磁石保持体及びそれを備えた永久磁石式回転電機並びに永久磁石の取り付け方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石を用いた直流電動機は、小型の割には力が強く電力損失も少ない。それに、電池に接続しさえすれば回るので、構造自体は単純であるが駆動用の電子回路、マイコン或いはインバータなどが必要なステッピング・モータや交流電動機に比べて、永久磁石式直流電動機が総合的に見てコストが最も安い。このため、自動車、玩具、電動工具、事務機器、OA機器用などとして圧倒的に永久磁石式直流電動機が使用されている。
このように、永久磁石式直流電動機は多くの機器用として大量に使用されているため、安価で生産性よく製造できる構造及び組み立て方法が求められており、取り分け、焼結フェライト材等で製造され破損し易い永久磁石を無理な変形力を与えることなく保持・固定する構造と取り付け方法には従来から様々な工夫がなされており、大きく分けて下記の二つの方式のものがある。
【0003】
第一の方式は、例えば特開昭61−121754号公報記載のように、回転電機のヨークを固定するためのスルーボルトと、前記ヨークの内周に配設される複数個の円弧状の磁石と、これら磁石間に配置され前記スルーボルトが貫通する穴と、この穴の内周に形成された前記スルーボルトの径よりも小さい狭部とを有し、非磁性体で形成された保持部材とを備えるものにおいて、前記スルーボルトを前記保持部材の穴に挿入する時、前記スルーボルトの前記保持部材の穴への挿入により、前記狭部が円周方向に拡がり、前記磁石の円周方向端面を圧接して、前記磁石を前記ヨークに固定するようにしたものである。これにより、部品点数を増すことなく回転電機の組み立て工数を減らすことができ、また、スルーボルトもヨーク内に配置し、回転電機の体格が大きくならない効果があると記載されている。
【0004】
第二の方式は、例えば特開平11−122888号公報記載のように、軟磁性体からなる略中空円筒状のヨークと、このヨークの内周面に沿い周方向に所定間隔を空けて固定される複数個の永久磁石と、これらの永久磁石を軸長方向の両端から挟持する二つのリング部と、これらの永久磁石の間の周方向の所定間隔を埋めて配設されこれらのリング部を互いに連結する複数本の連結部とからなり、これらの永久磁石をこのヨークの内周面に当接させて保持する合成樹脂製の磁石ホルダと、を有する回転電機の固定子において、前記磁石ホルダの前記連結部および前記リング部のうち少なくとも一方に形成されている肉抜き孔と、すくなくとも一部はこの肉抜き孔に背向し、前記永久磁石に対向して突出している複数の突起と、を有するように構成したものである。これにより、永久磁石および磁石ホルダに多少の寸法誤差があっても、突起の弾性変形により適正な締り嵌めで永久磁石が磁石ホルダに保持される。さらに、肉抜き孔に背向して突出している突起は、突起自身の弾性変形に加えて肉抜き孔による剛性低下分が加味されるので、より大きな範囲で弾性変形が得られ、永久磁石を適正な締り嵌めにより磁石ホルダに保持することができる効果があると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の回転電機における永久磁石の保持・固定は以上のようになされていたので、それぞれ以下に示す問題点が考えられる。
即ち、第一の方式においては、保持部材の穴にスルーボルトを挿入して挟部(爪部)を拡げ弾性力により磁石の端面を押圧し磁石をヨークに固定するので、磁石には無理な力が加わることはない。しかし、スルーボルトにより磁石をヨークへ固定するに先立ち、予め、磁石をヨーク内周の所定位置に周方向および軸方向の位置決めをし、外径が磁石の内周面にほぼ当接する芯金を挿入して磁石をヨークに仮固定する必要があり、この余分な組み立て治具(芯金)の必要とそれによる磁石の仮固定工程を要することは電動機のコストアップ要因となる。
【0006】
また、第二の方式においては、複数の永久磁石を軸長方向の両端から挟持する二つのリング部、各永久磁石間の周方向の所定間隔を埋めて設けられ各リング部間を連結し肉抜き穴が開口されて、挟持する永久磁石の軸長方向の端面に対向して突出した複数の突起を有する複数の連結部を有する磁石ホルダに、永久磁石が、その軸方向の端面が周方向から磁石ホルダの連結部に設けた突起および肉抜き穴周辺の枠部分の圧縮変形反力により押圧保持されるように予め押し込まれた後、ヨーク内周の所定位置に挿入・固定される。この場合、連結部の突起および肉抜き穴周辺の枠部分の圧縮変形は、押し込まれる永久磁石の周方向の分力により生じるが、分力成分が小さいため十分な圧縮変形が生じるためには非常に大きな押し込み力が必要であり、この大きな押し込み力が永久磁石に加わることにより破損しかねない懸念がある。
【0007】
この発明は、以上のような問題点を解消するためになされたものであり、磁極用の円弧状永久磁石の組み立てに際し余分な治具や工程を要せず、また、無理な変形力を与えることなく容易に組み立てできるように構成した安価な磁石保持体及びそれを備えた永久磁石式回転電機並びに永久磁石の取り付け方法を得ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る磁石保持体は、回転電機のヨークの内周に相互に所要の間隔をおいて嵌合・固定される第一及び第二の環状体、この第一及び第二の環状体間にこれらの環状体と一体に形成され、それぞれ周方向に湾曲された少なくとも1つの波頭部を有する複数の弾性押圧体を備え、上記弾性押圧体によって円弧状永久磁石を挟持するようにしたものである。
また、弾性押圧体は、上記第一及び第二の環状体間に周方向に等ピッチで設けられ、それぞれ互いに周方向の反対側に湾曲された2つの波頭部を有する波形状としたものである。
また、弾性押圧体は、その軸方向の両端部から分岐して上記第一及び第二の環状体間の中央部近傍で互いに周方向の反対側に湾曲された波頭部を有するようにしたものである。
また、第一の環状体は、この第一の環状体の外側面に突出して設けられた、ヨークの内周に嵌合・固定された磁石保持体の中心軸線方向及び周方向の動きを規制する位置決め突起を有するものである。
また、第一の環状体はヨークの内周に対して所要の締め代をもって嵌合される外径寸法を有し、第二の環状体はヨークの内周に対して遊嵌される外径寸法を有するものである。
【0009】
この発明に係る永久磁石式回転電機は、回転電機のヨークの内周に磁極用の複数の円弧状永久磁石が周方向に配設された永久磁石式回転電機において、ヨークの内周に上記いずれかの磁石保持体を嵌合・固定し、円弧状永久磁石は磁石保持体の各弾性押圧体の波頭部間に挟持させたものである。
また、ヨークには軸受けを支承するブラケットが取り付けられており、このブラケットの内側面には所要の深さ及び幅を有して開口された位置決め穴を設け、ヨークの内周に上記位置決め突起を有する磁石保持体を嵌合・固定すると共に、位置決め突起を位置決め穴に所要の隙間をもって挿入したものである。
また、ヨークの内周に嵌合された磁石保持体を、固定部材によりヨークに固定したものである。
また、円弧状永久磁石の内周側面及び周方向の両端面を覆い板により覆ったものである。
【0010】
この発明に係る永久磁石の取り付け方法は、回転電機のヨークの内周に磁極用の複数の円弧状永久磁石を周方向に配設して固定する方法であって、上記いずれかの磁石保持体の各弾性押圧体間に円弧状永久磁石を仮保持する工程、円弧状永久磁石を仮保持した磁石保持体をヨークの内周に挿入して挿入開始側にある第二の環状体を所定位置に固定した後、弾性押圧体の弾性力に抗して第一の環状体を所要寸法だけ更に押し込み固定する工程を含むものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の一実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、この発明の実施の形態1である永久磁石式直流電動機の断面側面図であり、図2は、図1のII−II方向に見た位置決め部の断面図、図3は、図1における磁石保持体の斜視図、図4は、図1における磁石保持体で磁極用の円弧状永久磁石を保持しヨーク内周に嵌合・固定した状態を示す一部断面側面図である。
【0012】
図1において、1は4極の永久磁石式直流電動機であり、一方が開放され他方が閉じられた円筒状の容器であって、閉じられた側に閉側板2a及び軸受支承部2bを、開放端にフランジ2cを有して鋼板を絞り加工し作られたヨーク2の内周にナイロン系の合成樹脂で成型された磁石保持体3とこの磁石保持体3で保持された磁極用の円弧状永久磁石4が一緒に圧挿され固定されている。5は0.5mm厚さの珪素鋼板を積み重ね形成した成層鉄心からなる電機子鉄心であり、円弧状永久磁石4の内径との間に所要の空隙gを以って対向配置され回転軸7上に嵌合されており、電機子鉄心5の外周部に設けたスロット(図示せず)には電機子巻線6が巻回されて、回転軸7上に嵌合されている整流子8に電気的に接続されている。9は内側壁にブラシ保持器10が装着されたアルミダイキャスト製のブラケットであり、その取り付け部とヨーク2のフランジ2cとは嵌合されて固定ネジ11で一体に取り付けられている。この場合、図2に示すように、磁石保持体3の位置決め突起3eがブラケット9の位置決め穴9a内に挿入されて、磁石保持体3の中心軸線方向及び周方向の動きが規制され磁石保持体3の抜け止めと回り止めがなされている。ちなみに、位置決め突起3eの先端及び側壁と位置決め穴9aの対応する各壁とのクリアランスは、0〜+0.5mmの範囲の値を有するように設計されている。これにより、電動機の運転中に磁石保持体3が熱劣化したり振動等によりヨーク2の外に抜け出たり、回転方向にずれたりすることが確実に防止できる。
なお、詳細は後記するが、3aは第一の環状体、3cは弾性押圧体、3dは被押圧突起である。そして、ブラケット9の内周部には回転軸7上に嵌合された直結側軸受12が支承され、ヨーク2の軸受支承部2bには同様に回転軸7上に嵌合された反直結側軸受13が支承されている。14は回転軸7の軸端に嵌合された相手機械との結合用カップリングである。
【0013】
次に、磁石保持体3の詳細な構造について説明する。図3に示すように、磁石保持体3は、円筒状のヨーク2(図示せず)の内周面に外周が圧入・嵌合される第一の環状体3a、ヨーク2の閉側板2a(図示せず)に外側面が当接されヨーク2の内周面に外周が止まり嵌めで嵌合される第二の環状体3b、これら第一及び第二の環状体3a,3bの間に周方向に等ピッチで4箇所設けられ、それぞれ周方向の左右に各1個の波頭部3f,3gをもつ波形状を有して形成されて、第一の環状体3aがヨーク2の内周面に圧入・嵌合されたときに磁石保持体3で保持された円弧状永久磁石4の周方向の側面を各波頭部3f又は3gで押圧し保持する弾性押圧体3c、第一の環状体3aの外側面に等ピッチで2箇所突出して設けられ、磁石保持体3を円筒状ヨーク2内へ圧挿する際に先端面に外力が加えられる部分である被押圧突起3d、被押圧突起3dの先端に突出して形成され、ヨーク2内に装着された磁石保持体3の抜け止め及び回り止めをする位置決め突起3eを一体に樹脂成型したものである。
【0014】
次に、ヨーク2の内周面へ磁石保持体3を圧挿する要領について説明する。
先ず、磁石保持体3の隣り合う弾性押圧体3cの間に外径側から4個の円弧状永久磁石4をそれぞれ挿入し内側を所定の内径に揃える。この場合、各弾性押圧体3c間の波頭部3f,3g間の寸法は円弧状永久磁石4の周方向寸法よりも小さく形成されているので、各弾性押圧体3cの左右の波頭部3f,3g間の寸法は圧縮されて軸方向に伸びることとなり、これにより生じる弾性力により円弧状永久磁石4の周方向側面は各弾性押圧体3cの波頭部3f,3g間に挟持された仮保持状態となる。
【0015】
以上のように、4個の円弧状永久磁石4を磁石保持体3で仮保持した状態で、図4に示すように、ヨーク2のフランジ c側から磁石保持体3をヨーク2内へ挿入する。この場合、第一の環状体3aの外径とヨーク2の内径とは0.1〜0.5mm程度の締め代を以って嵌合されるように設計されているので、押し込み治具(図示せず)を被押圧突起3dの先端面に当てがって押圧しフランジ cの端面から所定位置に達するまで圧入して、第二の環状体3bの外側面を閉側板2aの内側壁に当接させる。そうして、この状態から第一の環状体3aを更に所要寸法だけ圧入する。第一の環状体3aが矢A方向に所要寸法押し込まれて各弾性押圧体3cが圧縮されると、各波頭部3f,3gはそれぞれ矢B又は矢C方向に広がり、円弧状永久磁石4の周方向側面は各弾性押圧体3cの波頭部3f,3g間に所要の押圧力で確実に挟持され固定されることとなる。なお、この状態において、第一及び第二の環状体3a,3bと円弧状永久磁石4との軸方向側壁面間には0.1〜0.4mm程度の隙間が生じるように設計されているので、磁石保持体3のヨーク2内への圧挿に伴う無理な力が円弧状永久磁石4に加わることはなく、円弧状永久磁石4が破損する恐れはない。また、弾性押圧体3cを波形状にしたことで金型の形状を簡単にできる。
以上のようにしてヨーク2内に円弧状永久磁石4を保持・固定した磁石保持体3を圧入・嵌合した後、永久磁石式直流電動機1は図1のように組み立てられる。
【0016】
なお、本実施の形態1において、位置決め穴9aは位置決め突起3eの先端及び側壁との間に所要の隙間を有する角形の穴を示したが、開口形状は円形として位置決め突起3eの角部の動きを規制するものであってもよい。また、弾性押圧体3cの波頭部の数は周方向の左右に各1個有するものを示したが、2個以上有するものであってもよいことは勿論である。更に、第一の環状体3aはヨーク2に所要の締め代を以って圧入されるものを示したが、第二の環状体3bと同様に止まり嵌めされるものとして、所定位置まで押し込んだ後、フレーム2の外周側から数箇所をボルト締めして固定するものであってもよい。ただし、この場合は、第一の環状体3aを所定位置まで押し込んだ後にボルト締めして固定するまでの間、その位置に保持する必要があるため、弾性押圧体3cによる反動を抑える手段を押し込み治具に講じる必要がある。
【0017】
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2である永久磁石式直流電動機である覆い板で覆われた円弧状永久磁石を磁石保持体で挟持しフレームの内周に嵌合・固定した状態を示す図であり、図4(覆い板は装着されていない)におけるV−V方向に見た部位の断面図である。図5において、円弧状永久磁石4は、その内周面及び周方向の両端面がステンレス等の非磁性薄板材をプレス加工して形成した覆い板14で覆われた状態で磁石保持体3の弾性押圧体3c間に挟持され、フレーム2の内周に嵌合・固定されている。なお、本構成の他の構成は、実施の形態1におけると同様である。
以上のように構成したことにより、組み立ての際に焼結フェライト材等で製造された円弧状永久磁石4が破損した場合の破片が飛散するのを防止できる。
【0018】
実施の形態3.
図6は、この発明の実施の形態3である永久磁石式直流電動機の磁石保持体における弾性押圧体の平面図である。図6において、3h,3jはそれぞれ第一及び第二の環状体3a,3b間に設けられ相互に周方向の左右反対側に湾曲されてほぼ中央部に波頭部3l,3mを有し弾性押圧体3cを構成する分岐弾性押圧体、3kは第一及び第二の環状体3a,3bの中心軸線に向けて弾性押圧体3に貫通され分岐弾性押圧体3h,3j間を隔てるスリット穴である。この分岐弾性押圧体3h,3jは、図5における弾性押圧体3cと同様に周方向に等ピッチで4箇所設けられ、その他の構成は図3におけると同様である。そして、実施の形態1におけると同様に、円弧状永久磁石4は予め磁石保持体3の間隔をおいて隣り合う各分岐弾性押圧体3hと3j間に挿入されて波頭部3lと3mとで挟持され仮保持されて、実施の形態1におけると同様にして図4に示した状態にフレーム2の内周に嵌合・固定される。
以上のように構成したことにより、実施の形態1におけると同様の効果が得られる他、円弧状永久磁石4は周方向側壁の中央部を押圧されるので、安定した保持が得られる効果がある。
【0019】
実施の形態4.
図7は、この発明の実施の形態4である永久磁石式直流電動機の断面側面図である。図7に示すように、本実施の形態4においては、フレーム2の内周に嵌合・固定された磁石保持体3の抜け止め及び回り止めをボルト15によりフレーム2にネジ止めする簡単な手段により行うものである。その他の構成は、実施の形態1におけると同様である。これにより、磁石保持体3の簡単で確実な抜け止め及び回り止めが行えるのみならず、ブラケット9の構造も単純にできるので、更に安価な永久磁石式直流電動機が得られる効果がある。
なお、上記磁石保持体3の抜け止め及び回り止めをボルト15で行うものを示したが、ピンなど他の固定部材を用いてヨーク2に固定してもよいことは勿論である。また、上記実施の形態1〜4においては、共に永久磁石式直流電動機を基に説明したが、本発明は永久磁石式直流発電機も含む永久磁石式回転電機に対して適用できるものである。
【0020】
【発明の効果】
この発明は以上のように構成したので、以下に示す効果を奏する。
磁石保持体を、回転電機のヨークの内周に相互に所要の間隔をおいて嵌合・固定される第一及び第二の環状体並びにこの第一及び第二の環状体間にこれらの環状体と一体に形成され、周方向に湾曲された複数の弾性押圧体を備え、上記弾性押圧体によって円弧状永久磁石を挟持するようにしたので、円弧状永久磁石を保持・固定するに際して無理な変形力を与えることがなく、円弧状永久磁石を破損する恐れのない安価な磁石保持体が得られる。
また、弾性押圧体は、軸方向の両端部が湾曲しほぼ中央部近傍に波頭部を有しているので円弧状永久磁石は周方向側壁の中央部を押圧され、安定した保持・固定ができる。
また、弾性押圧体は、中心部に第一及び第二の環状体の中心軸線にに沿う方向にスリット穴が設けられているので、円弧状永久磁石は周方向側壁の中央部を押圧され、安定した保持・固定ができる。
また、ヨークの内周に嵌合・固定された磁石保持体の中心軸線方向及び周方向の動きを規制する位置決め突起を設けたので、運転中における磁石保持体の熱劣化や振動等によるヨーク外への抜け出し、回転方向のずれ等が確実に防止できる。
また、第一の環状体の外径をヨークの内周に対して所要の締め代を有し嵌合されるものとし、第二の環状体の外径をヨークの内周に対して遊嵌状に嵌合されるものとしたので、ヨークの内周に嵌合された磁石保持体を余分な部品を要することなく確実に固定することができる。
【0021】
永久磁石式回転電機を、上記構成を持つ磁石保持体の弾性押圧体間に円弧状永久磁石を挟持させてヨークの内周に嵌合・固定する構成としたので、円弧状永久磁石が破損することのない、安価で信頼性の高い永久磁石式回転電機が得られる。
また、ヨークに取り付けたブラケットの内側面に位置決め穴を設け、磁石保持体に設けた位置決め突起を所要の隙間をもって位置決め穴に挿入するようにしたので、回転電機の運転中に磁石保持体が固定場所から抜け出したり、周方向にずれる等の事態が生じることはない。
また、ヨークの内周に嵌合された磁石保持体を固定部材によりヨークに固定する構成としたので、磁石保持体の固定構造がシンプルとなり、更に安価な永久磁石式回転電機が得られる。
また、円弧状永久磁石の内周側面及び周方向の両端面を覆い板で覆って磁石保持体で保持しヨークの内周に嵌合・固定する構成としたので、円弧状永久磁石が破損した場合の破片が飛散することのない永久磁石式回転電機が得られる。
【0022】
永久磁石の取り付け方法を、上記構成の磁石保持体の各弾性押圧体間に円弧状永久磁石を仮保持し、この状態にある磁石保持体をヨークの内周に挿入して挿入開始側にある第二の環状体を所定位置に固定した後、弾性押圧体の弾性力に抗して第一の環状体を所要寸法だけ更に押し込み固定するようにしたので、円弧状永久磁石の支持・固定を、無理な変形力を与えることなく容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1である永久磁石式直流電動機の断面側面図である。
【図2】 図1のII−II方向に見た位置決め部の断面図である。
【図3】 図1における磁石保持体の斜視図である。
【図4】 図1における磁石保持体で磁極用の円弧状永久磁石を保持しヨーク内周に嵌合・固定した状態を示す一部断面側面図である。
【図5】 この発明の実施の形態2である永久磁石式直流電動機である覆い板で覆われた円弧状永久磁石を磁石保持体で挟持しフレームの内周に嵌合・固定した状態を示す図であり、図4(覆い板は装着されていない)におけるV−V方向に見た部位の断面図である。
【図6】 この発明の実施の形態3である永久磁石式直流電動機の磁石保持体における弾性押圧体の平面図である。
【図7】 この発明の実施の形態4である永久磁石式直流電動機の断面側面図である。
【符号の説明】
2;ヨーク 2a;閉側板 2c;フランジ 3;磁石保持体
3a;第一の環状体 3b;第二の環状体 3c;弾性押圧体
3d;被押圧突起 3e;位置決め突起 3f,3g,3l,3m;波頭部
3h,3j;分岐弾性押圧体 3k;スリット穴 4;円弧状永久磁石
9;ブラケット 9a;位置決め穴 14;覆い板 15;ボルト

Claims (10)

  1. 回転電機のヨークの内周に相互に所要の間隔をおいて嵌合・固定される第一及び第二の環状体と、この第一及び第二の環状体間にこれらの環状体と一体に形成され、それぞれ周方向に湾曲された少なくとも1つの波頭部を有する複数の弾性押圧体を備え、上記弾性押圧体によって円弧状永久磁石を挟持するようにしたことを特徴とする磁石保持体。
  2. 弾性押圧体は、上記第一及び第二の環状体間に周方向に等ピッチで設けられ、それぞれ互いに周方向の反対側に湾曲された2つの波頭部を有する波形状としたことを特徴とする請求項1項記載の磁石保持体。
  3. 弾性押圧体は、その軸方向の両端部から分岐して上記第一及び第二の環状体間の中央部近傍で互いに周方向の反対側に湾曲された波頭部を有することを特徴とする請求項1記載の磁石保持体。
  4. 第一の環状体は、当該第一の環状体の外側面に突出して設けられた、ヨークの内周に嵌合・固定された磁石保持体の中心軸線方向及び周方向の動きを規制する位置決め突起を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項記載の磁石保持体。
  5. 第一の環状体はヨークの内周に対して所要の締め代をもって嵌合される外径寸法を有し、第二の環状体はヨークの内周に対して遊嵌される外径寸法を有すことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項記載の磁石保持体。
  6. 回転電機のヨークの内周に磁極用の複数の円弧状永久磁石が周方向に配設された永久磁石式回転電機において、上記ヨークの内周に請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の磁石保持体が嵌合・固定され、上記円弧状永久磁石は上記磁石保持体の各弾性押圧体の波頭部間に挟持されていることを特徴とする永久磁石式回転電機。
  7. ヨークには軸受けを支承するブラケットが取り付けられており、上記ブラケットの内側面には所要の深さ及び幅を有して開口された位置決め穴が設けられ、上記ヨークの内周に請求項4記載の磁石保持体が嵌合・固定されると共に、位置決め突起は上記位置決め穴に所要の隙間をもって挿入されていることを特徴とする請求項6記載の永久磁石式回転電機。
  8. ヨークの内周に嵌合された磁石保持体は、固定部材により上記ヨークに固定されていることを特徴とする請求項6または請求項7記載の永久磁石式回転電機。
  9. 円弧状永久磁石は、その内周側面及び周方向の両端面を覆う覆い板で覆われていることを特徴とする請求項6〜請求項8のいずれか一項記載の永久磁石式回転電機。
  10. 回転電機のヨークの内周に磁極用の複数の円弧状永久磁石を周方向に配設して固定する永久磁石の取り付け方法であって、請求項1〜請求項5のいずれか一項記載の磁石保持体の各弾性押圧体間に上記円弧状永久磁石を仮保持する工程、上記円弧状永久磁石を仮保持した磁石保持体を上記ヨークの内周に挿入して挿入側にある第二の環状体を所定位置に固定した後、弾性押圧体の弾性力に抗して第一の環状体を所要寸法だけ更に押し込み固定する工程を含むことを特徴とする永久磁石の取り付け方法。
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