JP3668060B2 - 自動車の前部車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車のエンジンコンパートメントを構成する前部車体構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車のエンジンコンパートメントを構成する前部車体は、図5に示すように、車両上下方向に延びる左, 右のフロントピラー50に車両前方に延びるエプロンメンバ51の後端部を接続するとともに、該左, 右のエプロンメンバ51の後端部間に車幅方向に延びるカウルパネル52を接続するとともに、前端部間にラジエータサポート53を接続した概略構造となっている。
【0003】
上記エプロンメンバ51の内側壁にはサスペンション装置のストラット(不図示)を支持するサスペンションサポート54が接続され、該サスペンションサポート54にはホイールハウス55が接続されている。また上記エプロンメンバ51の上側壁51aにはフェンダパネル56の内フランジ56aがボルト締め固定されている。
【0004】
このような前部車体構造においてエンジンコンパートメント全体の強度,剛性を高めるために、補強ポイントとなる上記フロントピラー50付け根のカウルパネル52廻りA,及びサスペンションサポート54廻りBを補強することが行なわれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記カウルパネル廻りA及びサスペンションサポート廻りBの剛性が高くなると、エンジンコンパートメントの前,後部での剛性バランスが悪化する場合がある。具体的には、サスペンションからの上下入力による捩じり変形がエプロンメンバ51を介してラジエータサポート53廻りCに伝わり、該ラジエータサポート53の捩じれ変形が大きくなるおそれがある。
【0006】
上記ラジエータサポート廻りCでの変形を抑制するには、該サポート廻りCに補強パッチ等を追加して捩じり剛性を高めることが考えられる。しかしながら、補強パッチを追加する構造の場合、それだけ部品点数,重量が増えるという問題が生じる。
【0007】
また、フェンダパネル56上に何らかの物体が落下した場合、その衝撃力によってこの落下物が破損してしまうことが考えられる。
【0008】
本発明は、上記従来の状況に鑑みてなされたもので、エンジンコンパートメントの前,後部における剛性バランスを悪化させることなくラジエータサポート廻りでの捩じれを抑制でき、ひいては補強パッチ等の追加を不要にでき、さらにはフェンダパネルに上方から衝撃が加わった場合、これを吸収することのできる自動車の前部車体構造を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、車両上下方向に延びる左,右のフロントピラーに車両前方に延びるエプロンメンバの後端部を接続し、該左,右のエプロンメンバの後端部間に車幅方向に延びるカウルパネルを接続するとともに、前端部間にラジエータサポートを接続し、上記エプロンメンバの上側壁の前,後端部にフェンダパネルの内フランジ部を固定した自動車の前部車体構造において、上記エプロンメンバの上側壁の前,後端部の間に凹部を段落ち形成し、該凹部により、該上側壁と上記フェンダパネルの内フランジ部との間に隙間を形成し、上記左,右のエプロンメンバの内側壁にサスペンションサポートを接続し、上記凹部を上記サスペンションサポートの荷重入力部より車両前方に形成したことを特徴としている。
【0011】
【発明の作用効果】
本発明に係る前部車体構造によれば、エプロンメンバの上側壁に凹部を段落ち形成したので、該凹部が断点となってサスペンションからの上下入力による捩じり変形を吸収してラジエータサポート廻りでの捩じれ変形を小さくすることができる。これによりエンジンコンパートメント前,後部の剛性バランスを良好にすることができ、ラジエータサポート廻りへの補強パッチ等の追加を不要にでき、部品点数,重量の増加を回避できる効果がある。
【0012】
また、上記エプロンメンバの上側壁に凹部を形成したことにより、該上側壁とフェンダパネルとの間には隙間が形成されることとなる。これによりフェンダパネルに衝撃力が上方から加わった場合には、該フェンダパネルが凹部で変形し、もって衝撃力を吸収することとなる。
【0013】
本発明では、上記凹部をサスペンションサポートの荷重入力部より車両前方に形成したので、サスペンションからの入力がラジエータサポート廻りに伝わるのを抑制でき、該サポート廻りでの捩じれ変形をさらに低減できる効果がある。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図4は、本発明の一実施形態による自動車の車体前部構造を説明するための図であり、図1は自動車の前部車体の概略斜視図、図2,図3はエプロンメンバ廻りの断面図(図1のII-II 線断面図,III-III 線断面図) 、図4はエプロンメンバの斜視図である。
【0015】
図において、1は自動車の前部車体を示しており、これは車両上下方向に延びる左, 右のフロントピラー2,2に車両前方に延びるエプロンメンバ3の後端部3aを接続し、該両後端部3a間のフロントピラー2付け根部分に車幅方向に延びるカウルパネル4を接続するとともに、上記左, 右のエプロンメンバ3の前端部3b間に車幅方向に延びるラジエータサポート5を接続して構成されている。
【0016】
上記ラジエータサポート5,左, 右のエプロンメンバ3,及びカウルパネル4により囲まれた部分がエンジンコンパートメント6となっており、該エンジンコンパートメント6の上端開口にはボンネット7が開閉可能に配設されている。
【0017】
上記カウルパネル4の下面にはエンジンコンパートメント6と車室8とを区分けするダッシュパネル9が接続され、該ダッシュパネル9の左, 右縁部にはエプロンメンバ3が接続されている。また上記ダッシュパネル9の下縁にはフロアパネル10が接続されており、該フロアパネル10の左, 右側縁部には上記フロントピラー2の下端部に接続されたロッカパネル13が接続されている。上記左, 右のフロントピラー2,カウルパネル4,ルーフパネル11によりフロントガラス開口12が形成されている。
【0018】
また上記前部車体1の下端部には車両前後方向に延びる左, 右のサイドメンバ15,15が配設されており、該サイドメンバ15に上記ラジエータサポート5,ダッシュパネル9,後述するホイールハウス18等が接続されている。
【0019】
上記ラジエータサポート5は、ヘッドライト開口5aが形成された左, 右のサイドサポート部5b,5bの上端間及び下端間にそれぞれアッパクロスメンバ5c,ロアクロスメンバ5dを接続してラジエータ開口を形成し、両クロスメンバ5c,5d間にロック支持部材5eを接続した構造のものであり、上記左, 右のサイドサポート部5bに上記エプロンメンバ3の前端部3bが接続されている。
【0020】
上記左, 右のエプロンメンバ3の内側壁の後端部にはサスペンションサポート17が接続され、該サスペンションサポート17には上記ホイールハウス18が接続されている。このホイールハウス18内には前輪(不図示)が配設されており、該前輪とサスペンションサポート17との間にはサスペンション装置のストラット本体(不図示)が架設され、該ストラット本体の上端部は上記サスペンションサポート17の支持孔17aに挿入支持されている。
【0021】
上記フロントピラー2付け根のカウルパネル4廻りAには前面衝突時の衝撃力による車室8内への影響を防止する補強部材(不図示)が、また上記サスペンションサポート17廻りBには路面からの突き上げ荷重に対する強度を高めるために補強部材(不図示)が配設されており、これによりエンジンコンパートメント6全体の剛性が確保されている。
【0022】
上記エプロンメンバ3は、縦壁本体3cの上縁に上側壁3dを車内側に屈曲形成した構造のもので、該縦壁本体3cの上端部には上下方向に延びる3つのビード3eが前後方向に並列形成され,下端部には前後方向に延びるビート3fが形成されており、下縁3gがホイールアーチとなっている。また上記上側壁3dの前,後端部にはそれぞれボルト孔を有する取付け座3h,3hが形成されており、該取付け座3hの内面にはナット21が固着されている。
【0023】
上記エプロンメンバ3の車外側にはフェンダパネル20が配設されている。このフェンダパネル20の上縁20aにより上記エンジンコンパートメント6の上端開口が形成されており、該上縁20aは上記ボンネット7と連続面をなすように形成されている。また上記フェンダパネル20の上縁20aにはこれに続いて下方に延びる内フランジ20bが屈曲形成されており、該内フランジ20bは上記エプロンメンバ3の前,後取付け座3hにボルト22により締め付け固定されている。
【0024】
そして上記エプロンメンバ3の上側壁3dには凹部25が段落ち形成されており、該凹部25は前,後の取付け座3h,3hの間に形成されている。この凹部25は上記サスペンションサポート17に突き上げ荷重が作用する荷重入力部Fより前方に形成されている。上記凹部25によりフェンダパネル20の内フランジ20bとエプロンメンバ3の上側壁3dとの間には隙間が形成されている。
【0025】
次に本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、エプロンメンバ3の上側壁3dの前,後取付け座3h,3hの間に凹部25を段落ち形成したので、該凹部25が断点となってストラット本体からの上下入力による捩じり変形を吸収してラジエータサポート5への捩じれ量を小さくすることができる。これによりエンジンコンパートメント6の前,後部での剛性バランスを悪化させることなくラジエータサポート5廻りの補強を不要,もしくは緩和することができ、部品点数,重量の増加を回避できる。
【0026】
本実施形態では、上記凹部25をサスペンションサポート17の荷重入力部Fより車両前方に延びるように形成したので、上下入力がラジエータサポート5に伝わるのをより確実に抑制することができ、該サポート5廻りでの捩じれ変形をさらに小さくすることができる。
【0027】
また、上記凹部25によりエプロンメンバ3の上側壁3dとフェンダパネル20の内フランジ20bとの間に隙間が形成されることとなり、フェンダパネル20に上方から衝撃力が加わった場合には、該フェンダパネル20が凹部25で変形し、衝撃力を吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による自動車の前部車体構造を説明するための概略斜視図である。
【図2】上記前部車体のエプロンメンバ廻りの断面図(図1のII-II 線断面図)である。
【図3】上記エプロンメンバ廻りの断面図(図1のIII-III 線断面図) である。
【図4】上記エプロンメンバの斜視図である。
【図5】従来の一般的な前部車体の概略斜視図である。
【符号の説明】
1 前部車体
2 フロントピラー
3 エプロンメンバ
3a 後端部
3b 前端部
3d 上側壁
3h 取付け座
4 カウルパネル
5 ラジエータサポート
17 サスペンションサポート
20 フェンダパネル
20b 内フランジ
25 凹部
F 荷重入力部
Claims (1)
- 車両上下方向に延びる左,右のフロントピラーに車両前方に延びるエプロンメンバの後端部を接続し、該左,右のエプロンメンバの後端部間に車幅方向に延びるカウルパネルを接続するとともに、前端部間にラジエータサポートを接続し、上記エプロンメンバの上側壁の前,後端部にフェンダパネルの内フランジ部を固定した自動車の前部車体構造において、上記エプロンメンバの上側壁の前,後端部の間に凹部を段落ち形成し、該凹部により、該上側壁と上記フェンダパネルの内フランジ部との間に隙間を形成し、上記左,右のエプロンメンバの内側壁にサスペンションサポートを接続し、上記凹部を上記サスペンションサポートの荷重入力部より車両前方に形成したことを特徴とする自動車の前部車体構造。
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