JP3667798B2 - フッ化物ガラス - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は光通信用及び医療用赤外線透過ファイバー、レーザーガラス、アップコンバージョンレーザーガラス、光学ガラスなどとして用いることができるフッ化物ガラスに関し、特に失透に対して安定で化学的耐久性と機械的強度がZBLAN系より優れるフッ化物ガラスに関する。
【0002】
【従来の技術】
ZrF4系などのフッ化物ガラスは紫外から赤外域までの幅広い波長範囲にわたり透明で、特に2〜4μm 帯の理論的光伝送損失が0.01dB/km と小さく、次世代の光通信用ファイバーとして期待されている。また赤外域において使用される各種レンズ、プリズム、フィルターあるいは光計測用レーザーパワー伝送用ファイバーなどにも利用できる。またフォノンエネルギーが酸化物ガラスより小さいので、1.3 μm 帯の光増幅やアップコンバージョンレーザーホスト材料として有望である。
【0003】
1974年にZrF4系フッ化物ガラスが発見されて以来、フッ化物ガラスに関する研究開発が活発に行われ、ZBLAN (特開昭57−166335号公報)、ZBGA(特開昭58−49644 号公報)、YABC(特開昭57−123843号公報)、IGTBY (特開昭62−171944号公報)など多数の新種フッ化物ガラスが開発された。しかしながら通常の酸化物ガラスに比べ、フッ化物ガラスは非常に結晶化しやすいという欠点をもっている。
現在実用性のあるフッ化物ガラスと考えられるのはZBLAN 系(特開昭57−166335号公報)とAlF3-ZrF4-CaF2系(特開昭62−275039号公報)とInF3-ZnF2 系(第八回国際ハライドガラスシンポジウム論文集、p380(1992))などであり、その中でZBLAN 系ガラスはもっとも結晶化に対して安定なガラスである。しかし、ZBLAN 系ガラスは結晶化に対する安定性をあげるために導入された大量のNaF を含んでいる(約20mol %)ため、化学的耐久性がかなり悪く、機械的強度も低く、通常大気中で使用する場合、水と反応し劣化損傷しやすいという大きな欠点を持っている。
一方、AlF3-ZrF4-CaF2系ガラスはZBLAN 系ガラスに比べ機械的強度が強く、化学的耐久性が良好なために各種の光学機器に使用できると考えられているが、熱的に不安定であり、ZBLAN 系ガラスよりも結晶化しやすいという欠点を持っている。このガラスは上記の良好な化学的耐久性と機械的強度を示すが、ZBLAN 系ガラスに比べて熱的に不安定であるため、均一で大きな試料を作製することやファイバー化することはまだ困難である。
【0004 】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記従来のガラスの欠点を解消し、紫外から赤外域までの幅広い波長域にわたり透明で、化学的耐久性、機械的強度がZBLAN 系ガラスより優れ、しかも結晶化に対して安定なフッ化物ガラスの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、フッ化物ガラスの結晶化に対する安定性を上げるためには、Tm(ガラスの液相温度)を下げてTx(ガラスの結晶化開始温度)を上げることが必要であるという考え方に基づき、鋭意研究を重ねた結果、ZnF2-AlF3-ZrF4(HfF4)-SrF2 (BaF2)-LnF3 (Ln=Yb、La、Gd、Y )系において、Txをガラスの結晶化開始温度、Tgをガラス転移温度として、ΔT (=Tx−Tg)が大きく、よってファイバー引き許容温度範囲が広く、臨界冷却速度が小さく、かつZBLAN 系ガラスよりも化学的耐久性が優れたフッ化物ガラスを得た。尚、前記ΔT (=Tx−Tg)はそれが大きい程、結晶化に対する安定性が高いことを示す。
【0006】
すなわち、本発明のフッ化物ガラスは、モル%表示で、ZnF2を10〜25%、AlF3を10〜18%、ZrF4とHfF4のいずれか一方または両方を合計で10〜25%、SrF2とBaF2のいずれか一方または両方を合計で15〜30%、CaF2を0〜10%、MgF2を0〜8%、PbF2を0〜10%、NaFを0〜12%、LiFを0〜12%、YbF3を5〜25%、含有することを第1の特徴としている。
【0007】
上記の特徴において、希土類フッ化物のうち、YbF3は他の希土類フッ化物より結晶化に対する安定性を上げる効果が優れており、最も好ましい。これはYb3+イオンが他の希土類イオンより重く、しかもイオン半径が小さいため、Fとの結合が強いので、ガラス網目構造中で遷移しにくいことによると考えられる。
CaF2、MgF2、PbF2はガラス屈折率の調整のために用いられるものである。PbF2は多い程、屈折率を上げる。CaF2とMgF2はそれと置換される相手によって屈折率を上げたり下げたりする。
NaF、LiFはガラスの屈折率の調整及びガラスの結晶化に対する安定性の向上のために用いるものである。少量のNaF、LiFを添加すると、ガラスの結晶化に対する安定性が向上する。また他の成分を置換することにより、ガラスの屈折率を下げることができる。
上記本発明の第1の特徴に示す組成域内では、厚さ6mm以上で通常のキャスティング冷却法で無色透明のガラスが得られる。また融液をガラス転移温度(Tg)付近に加熱された型に流し込んで、φ10×80mmの透明なガラスロッドを作ることができる。
【0008】
【実施例】
上記本発明に関して、33種類のガラス試料を作製した。各試料について最終的に30gのガラスが得られるように、アルゴンガス置換のグローブボックス内で高純度のフッ化物原料を秤量し、さらにNH4HF2を10wt%添加混合し、混合したバッチを白金、金、金と白金の合金、またはグラシーカーボンルツボに入れ、Ar雰囲気中、約300℃で1〜3時間フッ素処理後、800〜1100℃で約45分間溶融した後、真鍮型に流し込み、厚さ6mm以上の無色透明なガラスを得た。
表1〜3に、各試料のガラス組成と物性の測定結果を示す。
【0009】
【表1】
【0010】
【表2】
【0011】
【表3】
【0012】
ガラスの結晶化に対する安定性はDTA を用いて評価した。得られたガラス転移温度(Tg)と結晶化温度(Tx)、及びΔT (=Tx−Tg)を表に合わせて示した。
図1は本系ガラスのDTA 曲線の一つの例(試料23)を示すが、この図から得られたTx(ガラスの結晶化開始温度)とTg(ガラス転移温度)の差が142 ℃で、ZBLAN 系の82℃(H.Tokiwa et al, J. Lightwave Technol. Lt-3, 574-578(1985))及びAlF3-ZrF4-CaF2系の107 ℃(Fluoride Glasses, Edited by Alan E. Comyns, p41(1989), John Wiley & Sons)より大きかった。
図2は希土類の種類を変えた時の25ZnF2・15AlF3・23ZrF4・12SrF2・15BaF2・10LnF3(Ln=La、Y 、Gd、Yb)ガラスのDTA 曲線を示す。この図からLnの種類を変えた時、ガラスの転移温度(Tg)はほとんど変わらないが、ΔT (=Tx−Tg)はLn=La(試料30)、Y (試料26)、Gd(試料29)、Yb(試料1)の場合、それぞれ137 ℃、142 ℃、156 ℃、160 ℃となり、この順に大きくなる。すなわち、Ybがガラスの結晶化に対する安定性を向上させるのに最も効果的であることがわかった。これはイオン半径、ガラス網目構造中でのLn3+イオンの遷移のしやすさなどに関連する。
また、表1〜3からわかるように、本発明の組成範囲内の組成では、ΔT (=Tx−Tg)が80〜160 ℃のガラスが容易に得られた。本発明のガラスの結晶化に対する安定性が良いことがわかる。
また、本発明のガラスの実施例について、臨界冷却速度を求めた。試料1について得られた臨界冷却速度は30℃/minで、これはZBGA系の40〜70℃/min、ZBLA系の55℃/min 及びHBLAの60〜180 ℃/minより小さく、ZBLAN 系の3℃/minよりは大きかったが、ZBLALi系の25℃/minと同程度であった(本発明のガラス以外の他の系のガラスの臨界冷却速度はM. Poulain, J. Non-cryst. Solids, 1-9(1992)140を引用した)。本発明のガラスは臨界冷却速度が小さいので、ガラスロッド成形時に結晶化することなく安定した非晶質ガラスが得られる。すなわち、良いガラス成形特性を持っていることがわかる。
【0013】
一方、ZBLAN 系やZBLALi系などのガラスの化学的耐久性が悪いのは、多量のZrF4とNaF またはLiF を含有していることに起因すると考えられている。
試料1とZBLAN 系ガラス(組成mol %で:ZrF4が51、BaF2が20、LaF3が4.5 、AlF3が4.5 、NaF が20)について同様の方法でφ10×80mmのロッドを作り、アニーリングした後、9mmの厚さのサンプルになるように切断、研磨し、100ml のイオン交換水に浸漬後、耐水特性を赤外スペクトルで評価した。
その結果、ZBLAN 系ガラスが4時間水に浸漬された場合、ガラスとH2O が反応してできたOH基による3500cm-1付近の吸収ピーク強度は、試料1のサンプルを24時間水に浸漬したものの吸収ピーク強度より大きかった。また表面を顕微鏡で観察したところ、ZBLAN 系ガラスを10分間水に浸漬した場合、表面はざらざらになり、表面に水和反応による結晶が発生した。これに対して試料1のガラスは水に24時間浸漬しても表面状態の変化が認められなかった。これは本発明のガラスのアルカリの含有量を0または少量に抑え、且つZrF4の含有量を十分少なくしたことから化学的耐久性がZBLAN より優れているためと考えられる。
またビッカース硬度を測定したところ(測定条件:荷重5kg、荷重時間15秒)、ZBLAN 系が227 kg/cm2であるのに対し、試料1のガラスは292kg/cm2 であり、本発明のガラスの機械的強度がZBLAN 系より高いことがわかる。
【0014】
【発明の効果】
本発明は以上の構成よりなり、特許請求の範囲に記載したフッ化物ガラスによれば、アルカリ金属イオンの含有量が少なく、よってNaF またはLiF を大量に含有するZrF4を主成分とするZBLAN(Li)系フッ化物ガラスと比べて、機械的強度と化学的耐久性が優れており、また結晶化に対しては充分に安定である。よって、新しい赤外透過材料として非常に有望であり、光通信用、医療用、計測用ファイバーなどへの応用が大いに期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフッ化物ガラスのDTA 曲線の一例(試料23)を示す図である。
【図2】 25ZnF2・15AlF3・23ZrF4・12SrF2・15BaF2・10LnF3(Ln=Yb(試料1)、Ln=Gd(試料29)、Ln=Y (試料26)、Ln=La(試料30))ガラスのDTA 曲線である。
Claims (1)
- モル%表示で、
ZnF2を10〜25%、
AlF3を10〜18%、
ZrF4とHfF4のいずれか一方または両方を合計で10〜25%、
SrF2とBaF2のいずれか一方または両方を合計で15〜30%、
CaF2を0〜10%、
MgF2を0〜8%、
PbF2を0〜10%、
NaFを0〜12%、
LiFを0〜12%、
YbF3を5〜25%、
含有することを特徴とするフッ化物ガラス。
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