JP3667611B2 - 自動車排ガス測定システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、自動車のエンジンから排出される排ガスを自動で測定することのできる自動車排ガス測定システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車のエンジン排ガスに含まれる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOX )、一酸化炭素(CO)、二酸化炭素(CO2 )などの成分を測定する自動車排ガス測定システムとして、従来より、シャシダイナモ装置に搭載された自動車を走行モードにしたがって自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを定容量サンプリング装置によって採取し、この採取されたサンプルガスを、測定原理の異なる複数のガス分析計を搭載したガス測定装置に供給して前記各成分をそれぞれ測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにしたものがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来では、緊急時において異常事態が起きる前にシステムを停止させる処理が必ずしも万全ではなく、事故が発生してからシステムを停止していたのでは手遅れである。例えば、自動車が収容されるテスト室の地下ピットに通じる床には作業者が出入り可能な点検口が設けられているが、カバーが取り外されて点検口が開いている場合、それ自体は異常ではないけれども、システム稼働中に作業者が点検口を出入りすれば地下ピット内には自動車の駆動車輪を載置するローラが収容されているので作業者はこれに巻き込まれて事故が発生するおそれがある。
【0004】
また、例えばセンサーの入力スイッチがオンになっていない等の人為的な軽微な設定ミスをシステム稼働前(テスト前)に検知できなかったためにテスト後に前記設定ミスが発覚しテストデータが無効になってしまうことがある。
【0005】
更に、図2に示すように、排ガス流路13の上流部には、排気管8cからの排ガスGをサンプリング用のブロア17側へ送るサンプリング状態と、排気管8cからの排ガスGをブロア17側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに自動で切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置21b(二点鎖線で示す)が設けられているが、エンジン8bとブロア17をオンにして希釈用空気Aによって希釈された排ガスGをガスサンプリング管18に導入しているときに、サンプリング/排気ダイレクト切換装置21bの異常または故障により熱を持った排ガスSの少なくとも一部がダイレクト排気管21aを介して意図しない場所へ流れて火災等を引き起こすおそれがあり、非常に危険である。この場合、たとえ火災等を引き起こさなくて排ガスSの少なくとも一部がダイレクト排気管21aに流れることから、テストは実行したものの、やはりテストデータが無効になってしまう。
【0006】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、放置すれば事故になるおそれのある事象を検知してこれを未然に防止できるとともに、人為的な設定ミスをテスト前に予め検知してテストデータが無効になることを未然に防止でき、更には、熱を持った排ガスが意図しない場所へ流れて火災等を引き起こすとともに、たとえ火災等を引き起こさなくても排ガスの全量がガスサンプリング管に導入されずにテストデータが無効になってしまうのを回避できる新規で有用な自動車排ガス測定システムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、システム内のエンジン冷却ファンが固定装置にロックされていない場合、当該固定装置がロックされていない旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、エンジン冷却ファンが前記固定装置にロックされていないを表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記固定装置からエンジン冷却ファンが前記固定装置 から外れた旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせている(請求項1)
【0009】
また、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、テスト室の地下ピットに通じる床に設けられた作業者が出入り可能な点検口が開かれている場合、当該点検口が開いている旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記点検口から前記点検口が開いている旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システムを提供する(請求項2)
【0010】
【0011】
また、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、排ガスを採取する定容量サンプリング装置の排気導入管の温度が所定値をはみ出している場合、当該排気導入管の温度異常を示すアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示する機能と、測定中に前記排気導入管の温度異常である旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システムを提供する(請求項3)
【0012】
また、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、自動車のボンネット開閉装置に異常がある場合、ボンネット開閉装置に異常が生じている旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示する機能と、測定中に前記ボンネット開閉装置に異常が生じている旨のアラーム信号が入力された場合は測定は通常通り続行する処理をなすとともに、この内容を記録する機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システムを提供する(請求項4)
【0013】
更に、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設けるとともに、排ガスをサンプリング用のブロア側へ送るサンプリング状態と排ガスを前記ブロア側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに手動で切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置をシステム内の排ガス流路に設け、更に、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置は、手動切換スイッチおよび/またはリミットスイッチを設ける一方、前記スケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、前記サンプリング状態またはダイレクト排気状態に切り換わっている旨の信号が前記手動切換スイッチまたはリミットスイッチから入力され、この信号に基づいて、排ガスのサンプリングができないダイレクト排気状態の場合には、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システムを提供する(請求項5)
【0014】
また、この発明は、自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設けるとともに、前記スケジュール管理装置からの指令により排ガスをサンプリング用のブロア側へ送るサンプリング状態と排ガスを前記ブロア側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに自動で切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置をシステム内の排ガス流路に設ける一方前記スケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じた場合、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置から異常または故障が生じていることを示すアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じているを表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じている旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システムを提供する(請求項6)
【0015】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
まず、図1はこの発明の自動車排ガス測定システムの構成の一例を概略的に示すもので、この図において、1は、計測室(図示していない)内に設けられる自動車排ガス測定管理装置(以下、測定管理装置という)、2は、前記計測室内に設けられるスケジュール管理装置(以下、スケジューラという)で、これらの測定管理装置1およびスケジューラ2は、それぞれ、パソコンなど適宜のコンピュータよりなり、各種のデータを表示する表示部1aおよび2aを備えている。そして、これらの測定管理装置1とスケジューラ2は、有線方式のLAN3によって接続され、データを相互に授受できるようにしてある。
【0016】
そして、4,5,6aおよび7aは、計測室とは気密に区画されたテスト室(図示していない)内にそれぞれ設けられるガス測定装置、定容量サンプリング装置(CVS)、シャシダイナモ装置6の制御部、自動車自動運転装置7の制御部で、測定管理装置1とはLAN3によって接続されている。なお、以下において、計測室とテスト室とを併せてセルということもある。
【0017】
また、6bはテスト室内に設けられるシャシダイナモメータで、シャシダイナモ制御部6aによって制御され、そのローラ6cにはテスト対象である自動車8の駆動車輪8aが載置される。7bは自動車自動運転装置7の自動運転ロボットで、自動車8の運転席に適宜の手法によりセットされ、自動車自動運転装置制御部7aからの信号によって制御される。
【0018】
前記測定管理装置1は、スケジューラ2からの指令に基づいて、測定管理装置1内に格納されている各種の試験モードを行わせ、測定データの取りまとめおよびその管理を行うもので、ガス測定装置4、CVS5、シャシダイナモ装置6、自動車自動運転装置7に対してLAN3を介して制御信号を発し、これらを動作させるとともに、これらの装置4〜7から出力される信号に基づいて各種の演算、例えば、ガス測定装置4からの信号に基づいて測定対象成分の濃度や量などの演算を行い、演算結果を測定データとして格納する。なお、この測定管理装置1のデータベース内には、前記試験モードのほか、テストに使用する自動車8のシフトタイプの情報や、CVS5を使用するか否かのイベント情報、車両情報などが格納されている。なお、スケジューラ2の機能については後述する。
【0019】
そして、前記ガス測定装置4は、測定原理の異なる複数のガス分析計を搭載しており、測定管理装置1からの指令に基づいてエンジン排ガスG中に含まれるHC、NOX 、CO、CO2 などの各成分を各別に測定することができ、その測定データを測定管理装置1に送出する。
【0020】
また、前記CVS5は、測定管理装置1からの指令に基づいて希釈用空気A(図2参照)によって希釈された排ガスGをサンプルガスSとして常に一定の容量でサンプリングするもので、クリチカルフローベンチュリ(CFV)16などによって測定される流量信号などを測定管理装置1に送出する。
【0021】
さらに、シャシダイナモ装置6は、測定管理装置1からの指令によって制御され、そのローラ6cに試験対象の自動車8の駆動車輪8aを載置し、その動力吸収発生を行うもので、ローラ6cに設けられた速度センサやトルクセンサ(いずれも図示していない)などからの出力を測定管理装置1に送出する。
【0022】
また、前記自動車自動運転装置7は、測定管理装置1から走行モード(テストモード)の走行パターンに基づいて自動車8を所定の走行モードで自動運転するものである。
【0023】
そして、図1において、9は自動車8の前方に設けられるエンジン冷却ファンである。10は大型表示パネルで、計測室からも見えるようにテスト室内に設けられ、スケジューラ2からの信号に基づいて、無人運転/有人運転、エンジン回転、車速、ブースト圧、各種のアラーム(後述する)などが表示される。
【0024】
また、図1において、11はスパンガス濃度設定用パソコンで、LAN3を介して測定管理装置1およびスケジューラ2と接続されている。また、12a,12b,12c…は、テスト室内に設けられる付帯的な設備であり、この実施の形態においては、空調設備、警報器、消火設備を例示している。これらの設備12a,……は、スケジューラ2によって制御または管理される。
【0025】
図2は前記自動車排ガス測定システムにおける主たるハード部分の構成の一例を概略的に示すもので、この図において、8bは自動車8のエンジン、8cはエンジン8bに連なる排気管である。13は排気管8cに接続される排ガス流路で、その下流側には、CVS5の配管5aが接続されている。この配管5aは、その上流側には、希釈空気精製機(以下,DARという)14を備えた希釈空気供給路15が接続されており、エンジン8bからの排ガスGが希釈用空気Aによって適宜希釈される。また、配管5aは、その下流側には、クリチカルフローベンチュリ(CFV)16および吸引用ブロア17を備えるとともに、CFV16のやや上流側に希釈された排ガスGをサンプルガスSとして採取するためのサンプリング部18aを備えたガスサンプリング配管18が接続されており、定容量でサンプルガスSを採取するように構成されている。なお、19は希釈空気供給路15に設けられる大気バイパス口で、20はその開閉弁である。
【0026】
次に、スケジューラ2の機能について、図3〜図8をも参照しながら説明する。このスケジューラ2は、自動車排ガス測定システムにおける排ガス測定の設定およびそのスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るとともに、分析結果等の表示機能およびスパンガス濃度の管理機能をも備えている。
【0027】
すなわち、スケジューラ2は、自動車排ガス測定システムの年間カレンダー(設備計画)を入力することができる。図3に示すように、画面に、例えば8日分の稼働(休日も含む)予定表Tが示され、稼働日、休日、終了、無人運転の別を明示する。そして、スクロールバー22により、週単位でスクロールすることができる。また、この画面には、「コピー」、「貼り付け」、「適用」、「キャンセル」、「無人運転」、「運転停止」などのボタン23が設けられている。ここで、機器の電源をオンにするだけではなく、前記「無人運転」ボタン23を押して始めて無人運転の状態にできる。
【0028】
そして、前記スケジューラ2は、前記年間カレンダーで設定した稼働日/休日/長期運休の違いによる各機器の電源オン/オフやガス測定装置4の分析計のSTBY(スタンバイ)/PAUSE、シャシダイナモ装置6の暖機などを、例えば図4に示すように、設定することができる。この図4は、朝晩の定常業務の自動化テーブル(設備状態)の入力の一例を示している。このため、スケジューラ2は、電源投入のためのシグナルフローを表す図5に示すように、各電源のための接点信号を出力するか測定管理装置1に対して、コマンドを発する。この図5中において、24は無停電電源装置である。
【0029】
また、前記スケジューラ2は、図6に示すようにしてテストシーケンスの入力を行う。ここで入力される内容としては、例えば図7に示すように、測定管理装置1内に格納されている試験モード、シフトタイプの情報、CVS5を使用するか否かのイベント情報、車両情報などを指定したり(同図(A)参照)、各種の校正を行うか否かの指定を行ったり(同図(B)参照)、距離単位の指定や連続測定を行うか否かの指定を行う(同図(C)参照)などである。複数のテストを順次行う場合には、図8に示すテストモードの編集画面により編集を行う。
【0030】
さらに、前記スケジューラ2は、システム内の各機器や設備において異常または故障が生じた場合、前記各機器等に設けられた異常検知器や警報機などからのアラーム信号が入力され、その入力された信号に基づいて、発生している異常等の内容を表示したり、異常等を処理するための指令を発したり、アラーム内容についてデータベースに記録するなどの機能を備えている。図9は、システム内における各種のアラームシグナルと、アラームシグナルに基づいたハードウェアによる処理内容およびソフトウェアによる処理内容を示すものであり、図10〜図18は、システム内における各種のアラームに関するシグナルフローを示すものである。
【0031】
なお、図2において、排ガス流路13の上流部には、切り換えスイッチ(図示せず)によって、排気管8cからの排ガスGをサンプリング用のブロア17側へ送るサンプリング状態と、排気管8cからの排ガスGをブロア17側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置(実線で示す)21が設けられている。
【0032】
すなわち、エンジン8bとブロア17をオンにして希釈用空気Aによって希釈された排ガスGをガスサンプリング管18に導入する場合、図10において、先端部にリミットスイッチ100を有し、前記排ガス流路13を形成するサンプリング用接続管13bを作業者が手作業で排気管8cに接続すると、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができるサンプリング状態に切り換わっていることを示す信号k1 がリミットスイッチ100から入力され、この信号k1 に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されることにより、無人運転の状態になり、排ガス測定のテストが行われる。この場合の信号k1 の流れを図13に示す。サンプリング/排気ダイレクト切換装置21から出力された信号k1 は、各種信号を一旦集める役目を担うインターロックユニット120に入力され、中継盤60を介してスケジューラ2に入力する。
【0033】
一方、先端部にリミットスイッチ101を有し、排気ダイレクト流路を形成するダイレクト排気管21aを作業者が手作業で排気管8cに接続したときには、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができない前記ダイレクト排気状態に切り換わっていることを示す信号k2 がリミットスイッチ101から入力され、この信号k2 に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように指令を発する。つまり、無人運転する場合は、排ガスの測定が主目的であるために、前記ダイレクト排気状態のまま排ガス測定のテストを実行したのでは、そのテストの結果は全く無意味なものになってしまう。そのため、この発明では、前記サンプリング状態またはダイレクト排気状態のいずれに切り換わっているのかを作業者が「無人運転」ボタン23を押すときにスケジューラ2がチェックすることで、このようなミスを未然に防止できる利点を有する。
【0034】
図11(A)は、前記サンプリング用接続管13bおよびダイレクト排気管21aがそれぞれ予め排気管8cに接続されており、作業者が手作業により、開閉板103に一体的に設けたサンプリング用バルブ102を開いて排気管8cとサンプリング用接続管13bを連通させる一方、開閉板104に一体的に設けた排気ダイレクト用バルブ105を閉じて排気管8cとダイレクト排気管21aを非連通させ、排ガス測定のテストが行われるようにした例を示す。
【0035】
この場合、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができるサンプリング状態に切り換わっていることを示す信号がリミットスイッチ106から入力され、この信号に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されることにより、無人運転の状態になり、排ガス測定のテストが行われる。
【0036】
一方、作業者が手作業により、サンプリング用バルブ102を閉じて排気管8cとサンプリング用接続管13bを非連通させる一方、排気ダイレクト用バルブ105を開いて排気管8cとダイレクト排気管21aを連通させた場合、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができない前記ダイレクト排気状態に切り換わっていることを示す信号がリミットスイッチ107から入力され、この信号に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように指令を発する。
【0037】
また、図11(B)は、前記サンプリング用接続管13bおよびダイレクト排気管21aがそれぞれ予め排気管8cに接続されており、作業者が手作業により、サンプリング用バルブ102を開いて排気管8cとサンプリング用接続管13bを連通させる一方、排気ダイレクト用バルブ105を閉じて排気管8cとダイレクト排気管21aを非連通としたことを、作業者が更に手動のダイヤル式スイッチ110を回転操作することで確認し、これにより、排ガス測定のテストを行うようにした例を示す。
【0038】
この場合、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができるサンプリング状態に切り換わっていることを示す信号がスイッチ110から入力され、この信号に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されることにより、無人運転の状態になり、排ガス測定のテストが行われる。
【0039】
一方、作業者が手作業により、サンプリング用バルブ102を閉じて排気管8cとサンプリング用接続管13bを非連通させる一方、排気ダイレクト用バルブ105を開いて排気管8cとダイレクト排気管21aを連通させたことを、作業者が更に手動のダイヤル式スイッチ110を前記サンプリング状態の場合とは反対の方向に回転操作することで確認し、スケジューラ2は、排ガスのサンプリングができない前記ダイレクト排気状態に切り換わっていることを示す信号がスイッチ110から入力され、この信号に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように指令を発する。
【0040】
また、図12は、前記サンプリング用接続管13bおよびダイレクト排気管21aがそれぞれ予め排気管8cに接続されている場合において、ソレノイド111を介して手動のダイヤル式スイッチ110とサンプリング用バルブ102を連動させる一方、ソレノイド112を介して手動のダイヤル式スイッチ110と排気ダイレクト用バルブ105を連動させるよう構成した例を示す。
【0041】
すなわち、作業者がスイッチ110をサンプリング状態に切換るための回転操作を行うと、サンプリング用バルブ102が開くようソレノイド111が作動する一方、排気ダイレクト用バルブ105が閉じるようソレノイド112が作動する。そして、リミットスイッチ106がオンになる一方、リミットスイッチ107はオフのままで、これらオン信号、オフ信号がスケジューラ2に信号として入力され、これに基づいて、「無人運転」ボタン23が押されることにより、無人運転の状態になり、排ガス測定のテストが行われる。
【0042】
一方、サンプリング用バルブ102を閉じ、排気ダイレクト用バルブ105を開くと、前記ダイレクト排気状態に切り換わっていることを示す信号としてのオフ信号およびオン信号がそれぞれリミットスイッチ106および107から入力され、この信号に基づいて、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように指令を発する。
【0043】
以上、図10〜図12では、エンジン8bとブロア17をオンにして希釈用空気Aによって希釈された排ガスGをガスサンプリング管18に導入しているときに、作業者の手動操作により信号をスケジューラ2に入力させる場合を示したが、サンプリング状態とダイレクト排気状態とに自動で切り換えられるサンプリング/排気ダイレクト切換装置21を設け、サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じた場合(図9ので示すケース)、サンプリング/排気ダイレクト切換装置21からスケジューラ2に異常または故障が生じていることを示すアラーム信号を自動で入力させるように図13で示すように構成してもよい。
【0044】
すなわち、サンプリング/排気ダイレクト切換装置21に異常または故障が生じた場合は、スケジューラ2にアラーム信号が入力され、このアラーム信号に基づいて、大型表示パネル(大型表示器)10に例えば「CVS」がアラーム表示されるように、つまり、大型表示パネル10の画面に警告が表示できるように構成されている。よって、例えば前記テストシーケンスの入力を行う前にサンプリング/排気ダイレクト切換装置21からスケジューラ2に入力される信号を確認し、アラーム表示された場合はシステムを動作させないことで危険な状態を未然に防ぐことができる。また、サンプリング/排気ダイレクト切換装置21の異常または故障をテスト前に予め検知するので、テストデータが無効になることを未然に防止できる。また、サンプリング/排気ダイレクト切換装置21が異常または故障しているので、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように構成されている。
【0045】
更に、エンジン8bとブロア17をオンにして希釈用空気Aによって希釈された排ガスGをガスサンプリング管18に導入してテストを行っている最中にサンプリング/排気ダイレクト切換装置21に異常または故障が生じて熱を持った排ガスSがダイレクト排気管21aに導入した場合、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。これにより、熱を持った排ガスSがダイレクト排気管21aを介して意図しない場所へ流れて火災等を引き起こす事態を未然に防止できる。
【0046】
図14は、風力等で動かないように通常はテスト室の床に設けた固定装置にロックされた状態で使用されるエンジン冷却ファン9がロックされないままテスト室の前記床に設置された場合のソフトウェアによる処理方法(図9のAで示すケース)と、エンジン冷却ファン9に異常があった場合のソフトウェアによる処理方法(図9のBで示すケース)を示す。なお、図9において、○を付してある箇所が該当箇所である。
【0047】
すなわち、この発明では、エンジン冷却ファン9がロックされた状態では、固定装置に設けた例えばリミットスイッチがオンになっており、そのロック信号(オン信号)が中継盤60を経てスケジューラ2に入力されるが、エンジン冷却ファン9がロックされていない場合は、リミットスイッチがオフになっているので、スケジューラ2にアラーム信号(オフ信号)が入力され、このアラーム信号に基づいて、大型表示パネル(大型表示器)10に「エンジン冷却ファン」がアラーム表示されるように、つまり、大型表示パネル10の画面に警告が表示できるように構成されている。よって、例えば前記テストシーケンスの入力を行う前にエンジン冷却ファン9からスケジューラ2に入力される信号を確認し、アラーム表示された場合はシステムを動作させないことで危険な状態を未然に防ぐことができる。また、エンジン冷却ファン9が固定されていないから、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように構成されている。なお、テスト中にエンジン冷却ファン9が固定装置から外れた場合、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。
【0048】
一方、エンジン冷却ファン9に異常または故障があった場合も大型表示パネル10に「エンジン冷却ファン」がアラーム表示されるとともに、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。
【0049】
図15は、テスト室の地下ピットに通じる床に設けられた、作業者が出入り可能な点検口が閉まっていない場合のソフトウェアによる処理方法(図9のCで示すケース)を示す。
【0050】
この場合、点検口付近に2接点の手動スイッチを設け、例えば前記テストシーケンスの入力を行う前に点検口からスケジューラ2に入力される信号が、点検口が開いていることを示す開信号の場合は大型表示パネル10に「点検中」がアラーム表示され、システムを動作させないことで危険な状態を未然に防ぐことができる。そして、点検口が閉まっていないから、「無人運転」ボタン23が押されても無人運転の状態にできないように構成されている。この場合、2接点の手動スイッチを設けたのは、点検口の開閉作業は人為的な設定ミスが起こり易く、しかもまちがえば人命事故に連なるからであり、前記手動スイッチの一方の接点は本来の目的(点検口の開閉)に使用し、他方の接点はシステムで検知する。
【0051】
なお、テスト中に開信号を検知した場合は、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。
【0052】
図16は、テスト室の地下ピット内に漏水があった場合のソフトウェアによる処理方法(図9のDで示すケース)を示す。
【0053】
この場合、例えば前記テストシーケンスの入力を行う前に地下ピットからスケジューラ2に入力される信号が、地下ピット内に漏水があることを示すアラーム信号の場合は大型表示パネル10に「地下ピット漏水」がアラーム表示され、システムを動作させないことで危険な状態を未然に防ぐことができる。そして、地下ピット内に漏水があるから、スケジューラ2から可能な電源を落とす指令が発せられるよう構成されている。
【0054】
なお、テスト中に地下ピット漏水のアラーム信号を検知した場合は、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。
【0055】
図17は、CVS5の排気導入管の温度が所定値をはみ出した場合のソフトウェアによる処理方法(図9のEで示すケース)を示す。
【0056】
この場合、例えば前記テストシーケンスの入力を行う前に排気導入管からスケジューラ2に入力される信号が、温度アラーム信号の場合は大型表示パネル10に「CVS」がアラーム表示され、システムを動作させないことで危険な状態を未然に防ぐことができる。
【0057】
なお、テスト中に温度アラーム信号を検知した場合は、実行中のテストシーケンスを即時停止する処理がなされる。そして、以後のテストシーケンスも中止される。
【0058】
図18は、テスト対象である自動車8のボンネット開閉装置に異常があった場合のソフトウェアによる処理方法(図9のFで示すケース)を示す。
【0059】
この場合、ボンネット開閉装置からスケジューラ2に入力される信号がアラーム信号の場合は大型表示パネル10に「ROBOT」がアラーム表示されるだけで、このアラーム表示が前記テストシーケンスの入力を行う前に出ている場合はアラーム表示が消える処置がなされる一方、アラーム表示がテスト中に出ている場合は、テストは通常通り続行されるよう構成されるとともに、アラーム内容はスケジューラ2のデータベースに記録されるよう構成されている。すなわち、ボンネット開閉装置に異常があったことがログとして残される。
【0060】
なお、図9から明らかなように、ボンネット開閉装置以外に、DAR、空調器、除湿装置についても異常があった場合は、このことをスケジューラ2にログとして残される。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明では、放置すれば事故になるおそれのある事象を検知してこれを未然に防止できるとともに、人為的な設定ミスや前記各機器や前記設備等の異常または故障をテスト前に予め検知してテストデータが無効になることを未然に防止できる効果がある。
【0062】
また、この発明は、熱を持った排ガスが意図しない場所へ流れて火災等を引き起こすのを回避できるとともに、たとえ火災等を引き起こさなくても排ガス測定に用いる排ガスがガスサンプリング部に導入されずにテストデータが無効になってしまうのを回避できる効果がある。
【0063】
すなわち、この発明では無人運転する場合は、排ガスの測定が主目的であるために、ダイレクト排気状態のまま排ガス測定のテストを実行したのでは、そのテストの結果は全く無意味なものになってしまう。そのため、この発明では、サンプリング状態またはダイレクト排気状態のいずれに切り換わっているのかを作業者が「無人運転」ボタンを押すときにスケジューラがチェックすることで、このようなミスを未然に防止できる利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の自動車排ガス測定システムの構成の一例を概略的に示す図である。
【図2】 前記測定システムにおける主たるハード部分の構成の一例を概略的に示す図である。
【図3】 前記測定システムにおいて用いるスケジューラの機能を説明するための図である。
【図4】 前記スケジューラの機能を説明するための図である。
【図5】 前記測定システムにおける電源投入に関するシグナルフローの一例を示す図である。
【図6】 前記測定システムにおけるテストシーケンスに関するシグナルフローの一例を示す図である。
【図7】 前記テストシーケンスを説明するための図である。
【図8】 前記スケジューラによるテストモードの編集を説明するための図である。
【図9】 この発明の自動車排ガス測定システムにおける各種のアラームシグナルと、アラームシグナルに基づいたハードウェアによる処理内容およびソフトウェアによる処理内容を示す図である。
【図10】 前記測定システム内において、サンプリング状態とダイレクト排気状態とに手動で切り換えられるサンプリング/排気ダイレクト切換装置の第1の例を示す図である。
【図11】 (A)は、前記測定システム内において、サンプリング状態とダイレクト排気状態とに手動で切り換えられるサンプリング/排気ダイレクト切換装置の第2の例を示す図である。
(B)は、前記測定システム内において、サンプリング状態とダイレクト排気状態とに手動で切り換えられるサンプリング/排気ダイレクト切換装置の第3の例を示す図である。
【図12】 前記測定システム内において、サンプリング状態とダイレクト排気状態とに手動で切り換えられるサンプリング/排気ダイレクト切換装置の第4の例を示す図である。
【図13】 前記測定システム内におけるサンプリング/排気ダイレクト切換装置からのアラーム信号フローを示す図である。
【図14】 前記測定システム内におけるエンジン冷却ファンからのアラーム信号フローを示す図である。
【図15】 前記測定システム内における地下ピットの点検口からのアラーム信号フローを示す図である。
【図16】 前記測定システム内における地下ピット内からのアラーム信号フローを示す図である。
【図17】 前記測定システム内における排気導入管からのアラーム信号フローを示す図である。
【図18】 前記測定システム内におけるボンネット開閉装置からのアラーム信号フローを示す図である。
【符号の説明】
1…自動車排ガス測定管理装置、2…スケジュール管理装置、5…定容量サンプリング装置、6…シャシダイナモ装置、7…自動車自動運転装置、8…自動車、9…エンジン冷却ファン、21…サンプリング/排気ダイレクト切換装置、100,101…リミットスイッチ、G…排ガス、S…サンプルガス。

Claims (6)

  1. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、システム内のエンジン冷却ファンが固定装置にロックされていない場合、当該固定装置がロックされていない旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、エンジン冷却ファンが前記固定装置にロックされていないを表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記固定装置からエンジン冷却ファンが前記固定装置から外れた旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
  2. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、テスト室の地下ピットに通じる床に設けられた作業者が出入り可能な点検口が開かれている場合、当該点検口が開いている旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記点検口から前記点検口が開いている旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
  3. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、排ガスを採取する定容量サンプリング装置の排気導入管の温度が所定値をはみ出している場合、当該排気導入管の温度異常を示すアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示する機能と、測定中に前記排気導入管の温度異常である旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
  4. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設け、このスケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、自動車のボンネット開閉装置に異常がある場合、ボンネット開閉装置 異常が生じている旨のアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、発生している異常の内容を表示する機能と、測定中に前記ボンネット開閉装置に異常が生じている旨のアラーム信号が入力された場合は測定は通常通り続行する処理をなすとともに、この内容を記録する機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
  5. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設けるとともに、排ガスをサンプリング用のブロア側へ送るサンプリング状態と排ガスを前記ブロア側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに手動で切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置をシステム内の排ガス流路に設け、更に、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置は、手動切換スイッチおよび/またはリミットスイッチを設ける一方、前記スケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、前記サンプリング状態またはダイレクト排気状態に切り換わっている旨の信号が前記手動切換スイッチまたはリミットスイッチから入力され、この信号に基づいて、排ガスのサンプリングができないダイレクト排気状態の場合には、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
  6. 自動車を走行モードにしたがってローラ上で自動車自動運転装置によって走行させ、そのときに排出される排ガスを採取し、この採取されたサンプルガスをガス測定装置において測定し、その測定結果を自動車排ガス測定管理装置において管理するようにした自動車排ガス測定システムにおいて、排ガス測定のスケジューリング、および、システム内の各機器の電源のオン/オフ制御を司るスケジュール管理装置を設けるとともに、前記スケジュール管理装置からの指令により排ガスをサンプリング用のブロア側へ送るサンプリング状態と排ガスを前記ブロア側へ送らずに排気するダイレクト排気状態とに自動で切り換えられる排ガスのサンプリング/排気ダイレクト切換装置をシステム内の排ガス流路に設ける一方前記スケジュール管理装置に、自動車排ガス測定管理装置内に格納されている複数のテストモードを指定して、任意の時間に複数のテストモードによる任意の数の測定を自動で実行可能にする機能と、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じた場合、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置から異常または故障が生じていることを示すアラーム信号が入力されると、このアラーム信号に基づいて、前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じているを表示するとともに、無人運転ボタンが押されても無人運転の状態にできないように指令を発する機能と、測定中に前記サンプリング/排気ダイレクト切換装置に異常または故障が生じている旨のアラーム信号が入力された場合は測定を即時中止する処理をなす機能とを備えさせたことを特徴とする自動車排ガス測定システム。
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