JP3667413B2 - 蕎麦羊羹の製造方法 - Google Patents
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Description
この発明は、蕎麦粉を用いた羊羹、すなわち蕎麦羊羹の製造方法に関するものである。
【従来の技術】
従来の羊羹は、寒天を煮て溶かし、これに餡を加えて冷却固化しており、餡として小豆や甘藷を原料とするものが一般的であり、煮た栗などを具として入れたものもあった。
一方、蕎麦粉は、栄養価が高く、短時間の加熱によって食べられるが、蕎麦粉を用いた羊羹は一般に用いられておらず、この発明の出願人が蕎麦粉に砂糖および寒天粉末を主材料として、これらを水に入れて混合攪拌し、湯煎方式で加熱した後、冷却固化した蕎麦羊羹がある程度であった。
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前述した蕎麦羊羹は、蕎麦粉として2番粉や、これに3番粉が混じたものを用いており、2番粉が純白でなく3番粉が赤味がかかっているため、蕎麦粉と水を加熱し、冷却固化した後の製品が濁った半透明状になって、外観があまりよくない上に、湯煎方式で材料を加熱しているため、加熱時間が長く、能率が悪く、燃料費も高くなる上に、蕎麦粉の風味を損なう恐れがあるという問題点があった。
この発明は、前述した問題点を解決し、透明感があって外観がよく、また、短時間で効率よく加熱でき、燃料の消費も少なくてすむことができ、風味を損なう恐れもほとんどない蕎麦羊羹が得られる、その製造方法の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明に係る蕎麦羊羹の製造方法は、加熱容器内に水を入れた後、蕎麦の1番粉に砂糖および寒天粉末を加えた主材料を前記水に入れて攪拌混合する第1工程と、加熱容器内の水と主材料とを攪拌しつつ中火で加熱し、沸騰した時に火から加熱容器を外す第2工程と、前記加熱容器内の水と主材料からなる被加熱物を流し缶に入れて自然冷却し、その後、冷蔵庫に入れて冷却固化させる第3工程とを備えたものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載した蕎麦羊羹の製造方法において、抹茶、コーヒーなどの香味料を、第1工程中の適時に水または主材料に添加するものである。
請求項3の発明は、請求項1に記載した蕎麦羊羹の製造方法において、調理した小豆、苺などを具として第1工程中または第2工程中の適時に添加するものである。
【発明の実施の形態】
この発明の一実施形態に係る蕎麦羊羹の製造方法は、図1に示すように、第1工程としてカップ1を用いて所要量の水2を鍋などの加熱容器3内に入れ、蕎麦粉の純白な1番粉に砂糖および寒天粉末を加えて所要の混合比にした主材料4を、加熱容器3内に入れた水2に投入し、攪拌具5を手に持って攪拌し、水中に主材料4を均一に分散させて混合する。
なお、水1000ccに対し、主材料は、1番粉100g、砂糖250g、寒天粉末10gの範囲で配合し、これらの合計重量を360g程度にすることが好ましい。
次に、図2に示すように、第2工程として点火したガスコンロ6に加熱容器3を置き、加熱容器3内の水と主材料1とを前記攪拌具5によって攪拌しつつ、中火で10分間またはこれより若干短い時間加熱し、沸騰し始めた時に、煮詰めることなく火から加熱容器3を外す。
続いて、図3に示すように、第3工程として、加熱容器3内からゴム箆7を用いて、加熱した水と主材料とからなる被加熱物8を上面が開放した高さ寸法が短く長方形状の1〜数個の流し缶9内に入れて、所定温度まで自然冷却し、その後、流し缶9を冷蔵庫10内に入れて冷却固化する。被加熱物が充分に冷却固化してから流し缶9を冷蔵庫10から出す。
その後、流し缶9から冷却固化した製品を外して、角棒状などの適宜の形状に切断して、菓子として食用に供する。
なお、蕎麦の1番粉を得るには、蕎麦の実から土、埃などの汚れを丹念に取り去り、蕎麦の実の粒を揃えた後、再び蕎麦の実の汚れを点検して、必要に応じ汚れを除去する。次に、蕎麦の実の皮を取り去り、脱皮を確認する。その後、脱皮した蕎麦の実を製粉機に投入し、製粉機を作動させて、1番粉を碾き出す。
前記1番粉は、製粉機から最も先に碾き出されたもので、碾き出した粉の全量の3%程度で、純白な蕎麦粉である。そして、1番粉の次に製粉機から碾き出される粉が2番粉で純白ではなく、最後に碾き出される粉が3番粉で、赤味がかった粉が多い。
また、香味料を前記水または主材料に第1工程中の適時に添加することで、製品に香りと風味とを与えることができ、香味材としては、抹茶を茶漉しで漉して添加し、抹茶味としたり、インスタントコーヒーをそのまま添加し、コーヒー味としたりすることができ、板状,片状などのチョコレートを主材料または水に加え、これらの第2工程中の加熱によってチョコレートを溶かすことで、チョコレート味にすることもできる。
さらに、缶詰めの茹で小豆、缶詰めの各種果物などを具として主材料に、第1または第2工程中の適時に水に添加して、デザート的なものにすることができる。なお、前記小豆や、果物に甘味が多い場合には、主材料の砂糖を少なくすることが好ましい。そして、果物の缶詰めの場合には、果汁も主材料または水に加えてフルーツ味にすることもできるが、果汁や果物が酸味が強い場合には分解するので量を減少させる必要がある。具として、苺や皮を剥いだ巨峰のような葡萄のなまものを、加熱以前の水に入れてもよい。
【実施例】
第1実施例に係る蕎麦羊羹の製造方法は、第1工程において、加熱容器内に水を1000cc入れた後、蕎麦の純白な1番粉100g、白砂糖250g、寒天粉末10g、これらを合計した主材料全量を、加熱容器内の水に入れて攪拌混合する。
次に、第2工程において、前記水と主材料とからなる被加熱物を、ガスコンロなどを用い、中火で10分間直接加熱し、被加熱物を透明感が生じ、沸騰した時、直ちに火から加熱容器を外す。
続いて、第3工程において、加熱容器内の被加熱物を、ゴム箆を用いて、複数の扁平な流し缶に入れ、5分間で20℃程度まで自然冷却し、その後被加熱物を冷蔵庫の冷凍室あるいは冷蔵室に入れ、0℃以下で5〜20分間程度の時間をかけて冷却固化し、製品とする。
さらに、加熱容器を冷蔵庫から取り出し、加熱容器から冷却固化している製品を外し、この製品を所要の形状と大きさに切断して食用に供する。
第2実施例に係る蕎麦羊羹の製造方法は、第1実施例と同様に、加熱容器内に水を入れ、この水に主材料を入れた後、10g(小さじ3杯)の抹茶を茶漉しで溶かして前記水に入れて攪拌混合する以外、前記第1実施例の第1,第2,第3工程と同様な工程を行うことで、抹茶味の製品とする。
第3実施例に係る蕎麦羊羹の製造方法は、第1実施例と同様に、加熱容器内に水を入れ、この水に主材料を入れた後、具として缶詰の調理,味付けした茹で小豆を10〜20gなど、好みの量を前記水に入れて攪拌混合する以外、前記第1実施例の第1,第2,第3工程と同様な工程を行うことで、小豆味の製品とする。
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明に係る蕎麦羊羹の製造方法は、加熱容器内に入れた水に、蕎麦の1番粉に砂糖および寒天粉末を加えた主材料を入れて攪拌混合し、加熱容器内の水と主材料とを攪拌しつつ中火で加熱し、水と主材料とからなる被加熱物が加熱されると、主材料が純白な1番粉であるために、透明感がある被加熱物となり、この被加熱物を流し缶に入れて冷却固化させると、透明感がある蕎麦羊羹となり、外観がよい。
また、加熱容器を、中火で直接加熱して被加熱物が沸騰した時に、煮詰めることなく火から外しているので、加熱時間を10分間など短くでき、効率のよい加熱でき、かつ燃料の消費も少なくてすむので、安価に蕎麦羊羹を提供でき、さらに、加熱時間が短いので蕎麦の風味を損なう恐れがほとんどなく、味のよい蕎麦羊羹を得ることができる。
請求項2の発明は、請求項1の蕎麦羊羹の製造方法において、抹茶、コーヒーなどの香味材を、主材料と水との加熱前など第1工程中の適時に、これらに添加することで、抹茶、コーヒーなどの芳香がある蕎麦羊羹を得ることができる。
請求項3の発明は、請求項1の蕎麦羊羹の製造方法において、調理した小豆や、苺などの具を、主材料と水との加熱前など第1工程中または第2工程中の適時に、これらに添加することで、蕎麦羊羹の味と外観とをよりよくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る蕎麦羊羹の製造方法の第1工程を示した説明図。
【図2】この発明に係る蕎麦羊羹の製造方法の第2工程を示した説明図。
【図3】この発明に係る蕎麦羊羹の製造方法の第3工程を示した説明図。
【符号の説明】
1 カップ
2 水
3 加熱容器
4 主材料
5 攪拌具
6 ガスコンロ
7 ゴム箆
8 被加熱物
9 流し缶
10 冷蔵庫
Claims (3)
- 加熱容器内に水を入れた後、蕎麦の1番粉に砂糖および寒天粉末を加えた主材料を前記水に入れて攪拌混合する第1工程と、
加熱容器内の水と主材料とを攪拌しつつ中火で加熱し、沸騰した時に火から加熱容器を外す第2工程と、
加熱容器内の水と主材料からなる被加熱物を流し缶に入れて自然冷却し、その後、冷蔵庫に入れて冷却固化させる第3工程とを備えたことを特徴とする蕎麦羊羹の製造方法。 - 抹茶、コーヒーなどの香味料を、第1工程中の適時に水または主材料に添加することを特徴とした請求項1に記載の蕎麦羊羹の製造方法。
- 調理した小豆、苺などを具として第1工程中または第2工程中の適時に添加することを特徴とした請求項1に記載の蕎麦羊羹の製造方法。
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JPH09187225A JPH09187225A (ja) | 1997-07-22 |
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ID=11564852
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-
1996
- 1996-01-12 JP JP00370896A patent/JP3667413B2/ja not_active Expired - Lifetime
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