JP3666859B2 - ハンドル装置の取付構造 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は扉パネルに対するハンドル装置の取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のハンドル装置においては、操作ハンドルを収容したハウジングは、該ハウジングの正面側端部に連設した正面板部の透孔よりビスを扉パネルの螺子孔に正面側から螺子込むか、扉パネルの透孔よりビスをハウジングの螺子孔に背面側から螺子込むことによって、扉パネルに取付けられていた。
【0003】
しかしながら、このような取付構造では、ハンドル装置の堅固な取付を実行するためには、扉パネルにハウジングを埋め込み装着する取付用開口に加えて、ハウジングの長手方向の両端部に近接した部位に螺子孔や透孔を設ける必要があるため、そのための孔開け加工をしなければならない上に、ビス止めの際には扉パネルの正面側からハンドル装置を取付位置に押えていなければならなかった。
【0004】
また、実公平3−54274号公報に開示されたハンドル装置の取付構造では、前端部に化粧板を連設したハウジングの長手方向の一端部に化粧板に対して傾斜した斜面部を設け、扉パネルを化粧板と斜面部との間に挿入してから扉パネルの取付用開口にハンドル装置を埋め入れ、他端部に設けた斜面部と係止ブロックとの間に扉パネルを挟み込み、背面側からビスを螺子込んで固定しているが、やはりビス止めの際には、ハンドル装置が扉パネルから外れないように扉パネルの正面側から押えていなければならず、作業能率が悪かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、扉パネルに取付ビス用の螺子孔や透孔を一切設ける必要がなく、ビス止め作業のためにハウジングを押える必要がなくて取付作業を能率良く行え、また、板厚の異なる各種の扉パネルに有効に適用できる、ハンドル装置の取付構造を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以下、添付図面中の参照符号を用いて説明すると、請求項1の発明の主たる特徴は、操作ハンドル2が収容され、扉パネル3の取付用開口4に正面側から挿入されるハウジング1の外壁面の前端縁部に、扉パネル3の正面3aに突き当てられる表側突起部5を形成し、ハウジング1の長手方向の一方側端部に扉パネル3の裏面側に入り込む裏側突起部6を形成し、表側突起部5の一方側端部5aと裏側突起部6との間に前記取付用開口4の一方側端部の裏面側縁部4aが係合する位置決め溝部7を形成し、扉パネル3の裏面側に入り込むハウジング1の他方側端部に前記表側突起部5の他方側端部5bに向かって開口された空洞部8を形成し、該空洞部8に連通する螺子孔9をハウジング2の背面壁部に形成し、前記空洞部8に収容したストッパー部材10を扉パネル3の正面3aと平行な枢軸11によってハウジング1に枢着し、前記螺子孔9に螺合したセット螺子12によって前記ストッパー部材10を押すことによって、ストッパー部材10の先端側面部10aを表側突起部5の前記他方側端部5bの背面5cと前記取付用開口4の他方側端部の裏面側縁部4bに係合させるとともに、
ハウジング1を扉パネル3の前記取付用開口4に挿入するとき、取付用開口4の前記他方側端部の表側縁部4cと摺接して前記ストッパー部材10を前記空洞部8内に退没させる第1カム面部13をストッパー部材10の外側面部に形成し、前記セット螺子12を前記螺子孔9にねじ込むとき、セット螺子12の先端部と摺接してストッパー部材10を前記空洞部8より突出させる第2カム面部14をストッパー部材10の内側面部に形成し、前記ストッパー部材10が前記取付用開口4の前記他方側端部の裏面側縁部4bより外側に突出するように回転付勢するバネ部材15をストッパー部材10とハウジング1の間に設け、前記表側突起部5の他方側端部5bの前記背面5cと前記取付用開口4の他方側端部の前記裏面側縁部4bに係合するストッパー部材10の前記先端側面部10aを弧状に形成したハンドル装置の取付構造において、
ストッパー部材10には、前記第2カム面部14の先端側に安定化面部16を形成してあり、前記セット螺子12が扉パネル3の板厚に対応した所要深さまでねじ込まれたとき、セット螺子12の先端部側面が該安定化面部16に当接することである。
【0007】
【発明の作用】
本発明の取付構造によってハンドル装置を扉パネル3に取付けるには、扉パネル3の正面側から、ハウジング1を長手方向の一方側端部の方から扉パネル3の取付用開口4に挿入し、ハウジング1の表側突起部5の一方側端部5aと裏側突起部6間に形成した位置決め溝部32に前記取付用開口4の一方側端部の裏面側縁部4aを係合させる。
この係合点を中心にハウジング1を扉パネル3に向かって転回させて、ハウジング1の他方側端部を取付用開口4に挿入し、前記表側突起部5の全長を扉パネル3の正面3aに突き当てる。
【0008】
その後、扉パネル1の裏面側からドライバーを使用してセット螺子12を回転操作し、ハウジング1の前記空洞部8内に突き出しているセット螺子12の先端部によってストッパー部材10を押し動かし、ストッパー部材10を前記枢軸11を中心に外向きに回転させ、ストッパー部材10の先端側面部10aを表側突起部5の前記他方側端部5bの背面5cと取付用開口4の他方側端部の裏面側縁部4bに同時に係合させる。
これによってハウジング1は、表側突起部5が扉パネル3の正面3aに引き付けられた状態で扉パネル3に取付け固着される。
【0009】
ハウジング1を前記取付用開口4に挿入するとき、ストッパー部材10の第1カム面部13が取付用開口4の前記表側縁部4cと摺接して、ストッパー部材10を前記空洞部8内に退没させる。また、セット螺子12を螺子孔9にねじ込むとき、ストッパー部材10の第2カム面部14にセット螺子12の先端部が摺接して、ストッパー部材10を空洞部8より突出させ、ストッパー部材10の先端側面部10aを表側突起部5の前記背面5cと前記取付用開口4の前記裏面側縁部4bに当接させる。
【0010】
ハウジング1を取付用開口4に挿入する過程において、第1カム面部13と前記表側縁部4cとの摺接によって、ストッパー部材10が空洞部8内に退没する一方、ハウジング1の表側突起部5が扉パネル3の正面3aに当接したとき、バネ部材15の回転付勢によってストッパー部材10が外側に回転し、この回転終端においてストッパー部材10の先端側面部10aが表側突起部5の前記背面5cと取付用開口4の前記裏面側縁部4bに当接する。
【0011】
ストッパー部材10の先端側面部10aは、扉パネル3の板厚に応じて、弧状に形成された一定長さのどこかの点において、表側突起部5の前記背面5cと取付用開口4の前記裏面側縁部4bに当接する。
【0012】
セット螺子12を扉パネル3の板厚に対応した所要深さまでねじ込むことによって、ストッパー部材10の先端側面部10aが表側突起部5の前記他方側端部5bの背面5cと前記取付用開口4の他方側端部の裏面側縁部4bに係合したとき、セット螺子12の先端部側面が該安定化面部16に当接する
【0013】
【発明の実施の形態】
図示の実施例では、螺子孔9は枢軸11よりも内側の部位において扉パネル3に対して直角に形成されており、セット螺子12は出荷段階において螺子孔9に一定長さねじ込んで置くことができる。
板状のストッパー部材10には、第2カム面部14の先端側に安定化面部16が形成されており、セット螺子12が扉パネル3の板厚に対応した所要深さまでねじ込まれたとき、セット螺子12の先端部側面が該安定化面部16に当接する。
【0014】
これによって、ストッパー部材10は、先端側面部10aが表側突起部5の前記背面5cと取付用開口4の前記裏面側縁部4bに同時に当接した固着成立位置に安定に保持される。
ストッパー部材10には、前記安定化面部16と先端側面部10aとの間に位置決め面部17が形成されている。位置決め面部17が前記空洞部8の内側面8aに当接するとき、ストッパー部材10はその全体が空洞部8内に退没する。
【0015】
ストッパー部材10の回転付勢用バネ部材15は、捻りコイルバネで構成され、その屈曲部15aは空洞部8の背面側凹部8bに収容され、一方の直線部15bは空洞部8の前記内側面8aに当接し、他方の直線部15cはストッパー部材10の段差面18に当接している。
ハウジング1の前記裏側突起部6は、位置決め溝部7に対する取付用開口4の裏面側縁部4aの係合操作を容易にするために、扉パネル3の正面3aに対して傾斜させて形成されている。空洞部8はハウジング1の他方側端部の端面に向かっても開口している。表側突起部5は鍔状にハウジング1の前端部の全周に突き出し形成されている。
【0016】
図示の実施例のハンドル装置は、操作ハンドル3の基端部を横断枢軸27によって施錠主軸19の前端部に枢着し、操作ハンドル3に組み込んだ錠前ユニット20のロータ21にハウジング1側の受金部材22に係脱する止め金部材23を接続する一方、ハウジング1に装着したソレノイド24のプランジャ25に受金部材22を連結してあり、ロータ21の鍵孔26に挿入した鍵28の回転操作によって、あるいはソレノイド24への通電によって、ハウジング1に対する操作ハンドル2の拘束を解除し、操作ハンドル2をハウジング2から引出し回転させた後、操作ハンドル2で施錠主軸19を回転駆動することによって、施錠主軸19に連結したロック部材を固定枠体側の受部に係脱させる形式のものであるが、本発明の取付構造の適用対象はこれに限定されず、ハンドル装置の取付に使用で
きる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明の取付構造では、ハウジング1の一方側端部に形成した位置決め溝部7に扉パネル3の取付用開口4の一方側端部の裏面側縁部4aを係合させる一方、ハウジング1の螺子孔9に螺合したセット螺子12で前記第2カム面部14を押して、ストッパー部材10を押し回すことによって、ストッパー部材10の先端側面部10aをハウジング1の表側突起部5の他方側端部5bの背面5cと取付用開口4の他方側端部の裏面側縁部4bに係合させるとともに、前記セット螺子12の先端部側面を前記安定化面部16に当接させることによって、ハウジング1を扉パネル3に締付け固着するので、扉パネル3には取付ビス用の透孔や螺子孔を一切設ける必要がなく、孔開け加工を省くことができる。
また、ハウジング1を取付用開口4に挿入してハウジング1の表側突起5が扉パネル3の正面3aに突き当たったとき、バネ部材10の作用によってストッパー部材10が自動的に外側に回転して、ストッパー部材10の先端側面部10aが前記表側突起部5の背面5cと取付用開口4の裏面側縁部4bに係合することによって、ハウジング1が扉パネル3に仮拘束されるため、セット螺子12を締め込む際にハンドル装置を扉パネル3の正面側から押え付ける必要がなく、取付作業を能率良く行うことができる。更にまた、ストッパー部材10の先端側面部10aを弧状に形成してあるため、板厚の異なる各種の扉パネル3に対して有効に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る取付構造を用いたハンドル装置の正面図である。
【図2】 図1のハンドル装置の左側面図である。
【図3】 図1のハンドル装置の取付状態の縦断面図である。
【図4】 図1のハンドル装置に用いたストッパー部材の側面図である。
【符号の説明】
1 ハウジング
2 操作ハンドル
3 扉パネル
4 取付用開口
5 表側突起部
6 裏側突起部
7 位置決め溝部
8 空洞部
9 螺子孔
10 ストッパー部材
11 枢軸
12 セット螺子
13 第1カム面部
14 第2カム面部
15 バネ部材
Claims (1)
- 操作ハンドル2が収容され、扉パネル3の取付用開口4に正面側から挿入されるハウジング1の外壁面の前端縁部に、扉パネル3の正面3aに突き当てられる表側突起部5を形成し、ハウジング1の長手方向の一方側端部に扉パネル3の裏面側に入り込む裏側突起部6を形成し、表側突起部5の一方側端部5aと裏側突起部6との間に前記取付用開口4の一方側端部の裏面側縁部4aが係合する位置決め溝部7を形成し、扉パネル3の裏面側に入り込むハウジング1の他方側端部に前記表側突起部5の他方側端部5bに向かって開口された空洞部8を形成し、該空洞部8に連通する螺子孔9をハウジング2の背面壁部に形成し、前記空洞部8に収容したストッパー部材10を扉パネル3の正面3aと平行な枢軸11によってハウジング1に枢着し、前記螺子孔9に螺合したセット螺子12によって前記ストッパー部材10を押すことによって、ストッパー部材10の先端側面部10aを表側突起部5の前記他方側端部5bの背面5cと前記取付用開口4の他方側端部の裏面側縁部4bに係合させるとともに、
ハウジング1を扉パネル3の前記取付用開口4に挿入するとき、取付用開口4の前記他方側端部の表側縁部4cと摺接して前記ストッパー部材10を前記空洞部8内に退没させる第1カム面部13をストッパー部材10の外側面部に形成し、前記セット螺子12を前記螺子孔9にねじ込むとき、セット螺子12の先端部と摺接してストッパー部材10を前記空洞部8より突出させる第2カム面部14をストッパー部材10の内側面部に形成し、前記ストッパー部材10が前記取付用開口4の前記他方側端部の裏面側縁部4bより外側に突出するように回転付勢するバネ部材15をストッパー部材10とハウジング1の間に設け、前記表側突起部5の他方側端部5bの前記背面5cと前記取付用開口4の他方側端部の前記裏面側縁部4bに係合するストッパー部材10の前記先端側面部10aを弧状に形成したハンドル装置の取付構造において、
ストッパー部材10には、前記第2カム面部14の先端側に安定化面部16を形成してあり、前記セット螺子12が扉パネル3の板厚に対応した所要深さまでねじ込まれたとき、セット螺子12の先端部側面が該安定化面部16に当接することを特徴とするハンドル装置の取付け構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002109023A JP3666859B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | ハンドル装置の取付構造 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002109023A JP3666859B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | ハンドル装置の取付構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2003301631A JP2003301631A (ja) | 2003-10-24 |
JP3666859B2 true JP3666859B2 (ja) | 2005-06-29 |
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ID=29392604
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002109023A Expired - Lifetime JP3666859B2 (ja) | 2002-04-11 | 2002-04-11 | ハンドル装置の取付構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3666859B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4734288B2 (ja) * | 2007-05-23 | 2011-07-27 | 株式会社キンマツ | 平面ハンドル装置 |
-
2002
- 2002-04-11 JP JP2002109023A patent/JP3666859B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003301631A (ja) | 2003-10-24 |
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