JP3666183B2 - 金属板の反応型クロメート処理方法及び装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、反応型クロメート処理金属板の製造方法及び装置に関し、詳しくは、クロメート処理前に、予め金属帯に水又はクロメート液を塗布し、クロメート処理時に生じる飛沫模様等の不良を防止する技術である。
【0002】
【従来の技術】
反応型クロメート処理は、亜鉛めっき鋼板、亜鉛合金めっき鋼板、鉛めっき鋼板、鉛合金めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミニウム合金めっき鋼板等の耐食性、耐酸化性及び密着性を向上させるために、めっき金属板の表面処理として行われるものである。具体的には、図7に示すように、めっきの施された金属板1(実際のクロメート処理は、連続的に行われるので、所謂切り板ではなく、帯として処理される)の表面にクロメート液2をスプレー・ノズル3から噴射させることである。
【0003】
しかしながら、このような方法で製造した反応型クロメート処理を施した金属板1の表面には、図6に示すようなクロメート液2のスプレー粒や飛沫の模様4に起因した処理ムラが発生し、製品の外観を著しく損なうことが多い。
このような処理ムラを防止するため、特公平5−34430号公報は、スプレー・パターン(金属帯表面にクロメート液を噴射する時のノズル走査を種々変更することで達成)を、金属帯の走行速度に応じて変更する方法を提案している。
【0004】
ところが、我々の調査結果では、反応型クロメート処理でのスプレー粒や飛沫の模様4は、金属板1の表面が最初にクロメート液2と接触し、反応する瞬間に発生するので、前記公報記載の方法では、これらの模様を完全に防止できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる事情を鑑み、現在のクロメート処理装置に簡単な改造を加えるだけで、外観の美麗な金属板を得ることが可能な反応型クロメート処理方法及び装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、発明者は、飛沫模様の発生原因について鋭意調査検討し、以下のような結論に至った。
飛沫模様は、クロメート液が金属板と最初に接触する瞬間に発生し、1度発生してしまった該飛沫模様は、引き続きスプレーされるクロメート液や水洗浄で消えない。そこで、発明者は、該飛沫模様の発生防止について研究し、次の2つの案を着想した。
(1)クロメート液と金属板の反応性を低減させる。
(2)最初のクロメート液のスプレーを限りなく均一に行う。
【0007】
そして、これらの案の具現化に鋭意努力し、前記(1)に基づき、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、表面にめっきが施された金属板に、クロメート液をスプレーして反応型クロメート処理するにあたり、前記金属板の表面に、水又はクロメート液を予め塗布することを特徴とする金属板の反応型クロメート処理方法である。
【0008】
また、本発明は、前記塗布を、ロールコータを用いたり、あるいは前記金属板に接触するローラ面へのスプレーで行うことを特徴とする金属板の反応型クロメート処理方法である。
さらに、本発明は、めっきが施され、該めっきラインを走行する金属板を支えるデフ・ローラと、該金属板の表面にクロメート液を噴射するスプレー・ノズルとを順次備えた反応型クロメート処理装置において、前記めっきライン上のデフ・ローラ位置より上流側に、水又はクロメート液を金属板の表面に塗布するロールコータを設けたことを特徴とする金属板の反応型クロメート処理装置である。
【0009】
加えて、本発明は、上記ロールコータに代え、前記デフ・ローラ上に金属板を抑える抑えローラを設けると共に、これらデフ・ローラ及び抑えローラより上流側に先端をローラに向けたスプレー・ノズルを設けたことを特徴とする金属板の反応型クロメート処理装置でもある。
本発明によれば、めっきを施された金属板がクロメート液と接触反応する前に、予め、水又はクロメート液を金属板の全面に均一に塗布しているので、金属板の反応型クロメート処理時には、スプレーされたクロメート液の金属板表面に対する反応性が緩和され(反応速度が遅くなる)、瞬時に発生する飛沫模様が防止されるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明に係る反応型クロメート処理装置を示す。
まづ、それは、めっきが施され、該めっきラインを走行する金属板1を支えるデフ・ローラ5と、該金属板1の表面にクロメート液2を噴射するスプレー・ノズル3とを順次備えた従来通りの反応型クロメート処理装置を主体とする。そして、本発明では、かかる従来装置において、前記めっきライン上のデフ・ローラ5位置より上流側に、水又はクロメート液(本来のクロメート処理と同じ液)10を金属板1の表面に塗布するロールコータ7を新たに設けてある。従って、従来通りのクロメート液2を噴射するスプレー・ノズル3に、金属板1のめっきが施された部分が到着しても、該部分は、全面に水又はクロメート液10が塗布されているので、本来のクローメート液2が噴射されても反応が緩和され、飛沫の模様4が形成されないのである。
【0011】
次に、本発明に係る反応型クロメート処理装置の別態様を図2に示す。それは、図1のロールコータ7に代え、前記デフ・ローラ5上に金属板1を抑える抑えローラ9を設けると共に、これらデフ・ローラ5及び抑えローラ9より上流側に先端をこれらローラ5、9に向けたスプレー・ノズル3を新しく別途設けてある。ここで注意すべきことは、クロメート液10で予め行う塗布を、前記したロールコータ7ではなくスプレー・ノズル3からの噴射で行うと、結局通常の反応型クロメート処理と同様の処理を行うことになり、やはり飛沫の模様4が発生してしまうことである。そこで、発明者は、予め行うクロメート液10の塗布を、金属板1に直接噴射するのではなく、上流側に設置されたデフ・ローラ5や抑えローラ9への噴射で行うようにした。そのようにすれば、これらローラ5、9と金属板1との接触面に、図2及び5に示すようなクロメート液又は水10の溜り11が形成され、ロールコータ7とほぼ同じ作用が発揮されるからである。
【0012】
なお、使用する水としては、不純物含有量の少ない純水、つまり水の浄化装置を経たものが好ましい。また、発明者の調査によれば、予め塗布するクロメート液や水10の量による効果の差は、認められなかった。ただし、水を使用した場合は、量が多過ぎると、クロメート液が希釈されるので、その使用量を少なくするのが好ましい。
【0013】
【実施例】
図7に示した従来装置と、図3及び4に示す本発明に係る装置を用い、亜鉛めっき鋼板の反応型クロメート処理を行った。その際、鋼帯1の走行速度は、140 m/minで、予め塗布するクロメート液10には、本来の処理で用いるクロメート液2と同じ組成のものを使用した。また、使用したクロメート液10の量は、1.0 リットル/minである。
【0014】
操業成績を、製品鋼板の合格率で評価し、図8に示す。図8より、本発明に係る方法及び装置を採用すれば、該合格率が従来に比べ大幅に向上することが明らかである。なお、本実施例は、金属板に亜鉛めっき鋼板を用いた例であるが、本発明は、鋼板に限らず他の非鉄金属あるいは合金にも適用される。
【0015】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明により、めっきを施された金属板の表面で従来起きていたクロメート液の飛沫模様の発生が防止された。その結果、従来より外観に優れたクロメート処理金属板が安価に入手できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る反応型クロメート処理装置を示す縦断面図である。
【図2】本発明に係る反応型クロメート処理装置の別形態を示す縦断面図である。
【図3】図1の装置を反応型クロメート処理ラインに設置した図である。
【図4】図2の装置を反応型クロメート処理ラインに設置した図である。
【図5】図2の装置での水又はクロメート液の溜りを説明する図である。
【図6】クロメート液のスプレー粒や飛沫に起因した模様を示す図である。
【図7】従来の反応型クロメート処理装置を示す縦断面図である。
【図8】本発明と従来装置を用いた実施成績の比較である。
【符号の説明】
1 金属板(鋼帯)
2 クロメート液
3 スプレー・ノズル
4 模様
5 デフ・ローラ
6 金属板の進行方向
7 ロールコータ
8 タンク
9 抑えローラ
10 クロメート液又は水
11 溜り
Claims (5)
- 表面にめっきが施された金属板に、クロメート液をスプレーして反応型クロメート処理するにあたり、
前記金属板の表面に、水又はクロメート液を予め塗布することを特徴とする金属板の反応型クロメート処理方法。 - 前記塗布を、ロールコータを用いて行うことを特徴とする請求項1記載の金属板の反応型クロメート処理方法。
- 前記塗布を、前記金属板に接触するローラ面へのスプレーで行うことを特徴とする請求項1記載の金属板の反応型クロメート処理方法。
- めっきが施され、該めっきラインを走行する金属板を支えるデフ・ローラと、該金属板の表面にクロメート液を噴射するスプレー・ノズルとを順次備えた反応型クロメート処理装置において、
前記めっきライン上のデフ・ローラ位置より上流側に、水又はクロメート液を金属板の表面に塗布するロールコータを設けたことを特徴とする金属板の反応型クロメート処理装置。 - 請求項4のロールコータに代え、前記デフ・ローラ上に金属板を抑える抑えローラを設けると共に、これらデフ・ローラ及び抑えローラより上流側に先端をローラに向けたスプレー・ノズルを設けたことを特徴とする金属板の反応型クロメート処理装置。
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- 1997-05-16 JP JP12701597A patent/JP3666183B2/ja not_active Expired - Fee Related
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