JP3665706B2 - 伸縮性の異なる布地の縫製方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮性の異なる布地の縫製方法、詳しくは、伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地と、それよりも伸縮性が大きい布地とを縫合し、縫合後の縫合部の伸縮性に優れる縫製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
伸縮性の異なる布地を用い、伸縮性の小さい方の布地にギャザーを形成して伸縮性の大きい方の布地と縫合し、被服等の縫製品を形成する場合、従来は、伸縮性の小さい方の布地の縫合部の長さに合わせて、伸縮性の大きい方の布地を引張り、縫製装置の布地送りの差動を用いて、伸縮性の小さい方の布地にギャザーを形成しながら縫合する手法が用いられてきた。
【0003】
しかし、上記のような縫製品は、伸縮性の大きい方の布地を所望のサイズに合わせてパーツを裁断するが、伸縮性の大きい方の布地が伸張回復性の弱い布地である場合や、伸縮性の小さい方の布地が厚手である場合、伸縮性の大きい方の布地が完全に元のサイズに戻ることができず、伸びた状態となるため、縫合前よりも縫製品のサイズが大きく、伸縮性も少ないものとなる問題点がある。
【0004】
また、ギャザー等の手法により、伸縮性の小さい方の布地の縫合部を予め伸縮性の大きい方の布地の縫合部と同様の長さに縮めておき、その後縫合することで伸縮性の大きい方の布地の縫合部のサイズを縫合前と同等に仕上げることができるが、従来、このような縫合時には、両布地の縫合部に沿って伸縮性を有しないテープを沿わせるため、この場合は、伸縮性の大きい布地の縫合部の伸縮性がテープに規制され、伸縮性が小さくなって、布地の伸縮性を生かすことができない。また、縫合時にギャザーを形成する縫い糸が切れるのを防ぐために、伸び止めのための処理が必要となり、やはり布地の伸縮性を生かすことができないという問題点がある。
【0005】
従って、上記方法では、縫製品のサイズを着脱に必要な分を考慮して設定する必要があり、見た目に大きく、外観上問題がある上、素材の使用量が多くなってコスト高となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地と、それよりも伸縮性が大きい布地とを縫合し、縫合後の縫製品のサイズが所望の大きさとなり、かつ縫合部の伸縮性が優れて着脱等を妨げない縫製方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点を解決するために以下の構成を有するものである。
(1) 伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地1と、該布地1よりも伸縮性が大きく、かつ布地1の縫合部4よりも長さが小さい縫合部5を有する布地2とを縫合する縫製方法であって、前記布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5を重ね、さらに伸縮性テープ3を布地1と布地2との縫合部6の全体あるいは一部に沿わせて配置し、布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5の長さが同一となるように、伸縮性テープ3、布地1の縫合部4および布地2の縫合部5を縫合することを特徴とする伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(2) 縫合部において、布地2の縫合部5の長さが、布地1の縫合部4の長さの30〜70%の範囲である(1)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(3) 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地1側に沿わせる(1)または(2)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(4) 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地2側に沿わせる(1)または(2)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(5) 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地1と布地2の間に介在させた状態で沿わせる(1)または(2)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(6) 布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、予め伸ばした状態で、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ねる(1)〜(5)のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(7) 布地1の縫合部4を、予め縮めた状態で、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ねる(1)〜(6)のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(8) 布地1を予め縮めた状態の一部または全部を、ギャザーにより形成する(7)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(9) 布地1と布地2との縫合部6を縫合後、ギャザーを形成する縫い糸を切断する(8)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(10) 予め、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5における各縫合部の長さを同一となるようにする(6)乃至(9)のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(11) 布地1の縫合部4と、布地2の縫合部5と、伸縮性テープ3との縫合が、M縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫いのいずれか1種の縫合方法によって行われる(1)〜(10)のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(12) 布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ね、さらに伸縮性テープ3を、布地1と布地と2の縫合部6の全体あるいは一部に沿わせて配置し、布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5の長さが同一となるよう、布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合する(1)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(13) ギャザーの形成を、縫製装置における布地1側と布地2側の布地送りの差動を用いて行う(12)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
(14) 縫製装置が、M縫い用、オーバーロック縫い用、インターロック縫い用のいずれか1種の縫製装置である(13)記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、図面を用いて本発明を更に詳細に説明するが、勿論、本発明は下記の実施形態に限定されるものではない。
【0009】
図1は、本発明の伸縮性の異なる布地の縫製方法(以下、「縫製方法」と略することもある。)により伸縮性の異なる布地を縫合した後の状態を、布地を広げ、裏側から見た状態を示す図、図2は布地1、布地2、伸縮性テープ3で縫合前のパーツ状態で説明する図、図3(a)は縫合時の布地1、布地2、伸縮性テープ3の配置例を示す図、図3(b)は、縫合後、布地を広げた状態を示す図である。図4は、本発明の縫製方法を用いた被服の例である。本発明の縫製方法は、図2に示されるような、伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地1と、該布地1よりも伸縮性の大きい布地2の縫製に適用される。布地2の縫合部5は、所望の縫製品における相当部分のサイズとほぼ同等の長さを有し、布地1の縫合部4は布地2の縫合部5より大きく設定されている。縫合時には、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ね、さらに伸縮性テープ3を縫合部6(縫合部4と縫合部5を重ねた部分)に沿わせて配置し、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5の長さが同一となるよう縫合し、図3(a)の状態から図3(b)の状態へ布地を広げて、図1に示されるような状態とする。布地1の縫合部4と布地2の縫合部5の長さは、布地1の縫合部4において、図1に示されるようにギャザーを形成する、折りたたんだ状態とするなどにより、同一となるようにする。
【0010】
[実施形態1]
図1に示されるような縫合状態を現出させるための、本発明の実施形態の一例として、図5(a)に示されるように、布地2(図5(a)中点線で示される)の縫合部5、および伸縮性テープ3(図5(a)中点線で示される)を、予め伸ばした状態で、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を重ね、そのままの状態で(図5(a)中2’,3’)布地1と布地2との縫合部6を縫合する縫製方法が挙げられる。図5(b)に示されるように、縫合後、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を伸ばした状態を解除することによって、布地2、および伸縮性テープ3は、ほぼ伸ばす前のパーツのサイズに縮んで戻り、それに伴って布地1の縫合部4にギャザーが自動的に形成された状態となる。
【0011】
上記実施形態においては、伸縮性テープ3の使用により、縫合部6の伸張回復性が増大し、布地1が伸張回復性の弱い布地や厚手の布地であっても、確実に布地2をほぼ伸ばす前のパーツのサイズに戻すことができる。さらに、この時、縫合部6 における縫い糸7の縫い目は、縫合時よりも狭い間隔となっているため、縫合部6を伸ばした状態としても、布地2および伸縮性テープ3の伸びにつれて、縫い糸7の縫い目の間隔が広がる余裕があり、縫い糸7によって、布地2の伸びが規制されることがなく、伸縮性を十分に生かすことができる。
【0012】
なお、上記実施形態において、布地1の縫合部4、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3の縫合方法としては特に限定されないが、M縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫い等の縫い目が素材と共に伸縮する縫合方法を用いるのが好ましい。これらの縫合方法を用いて縫合することにより、さらに、布地2、伸縮性テープ3が、縫い糸7によって規制されにくくなり、伸縮性を十分に生かすことができる。
【0013】
[実施形態2]
図1に示されるような縫合状態を現出させるための、本発明の実施形態の他の例として、図6(a)に示されるように、布地1(図6(a)中点線で示される)の縫合部4を、予め縮めた状態で(図6(a)中1’)、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を重ね、そのままの状態で図6(b)に示されるように、布地1と布地2との縫合部6を縫合する縫製方法が挙げられる。上記実施形態においては、伸縮性テープ3の使用により、縫合部6の伸縮性が伸縮性テープ3により規制されることはない。布地1の縫合部4、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、M縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫い等の縫い目が素材と共に伸縮する縫合方法により縫合することにより、縫合部6を伸ばした場合、布地2、伸縮性テープ3が、縫い糸7によって規制されることなく伸び、伸縮性を十分に生かすことができる。
【0014】
なお、上記実施形態において、布地1の縫合部4を、予め縮めた状態を現出するには、特に限定されず、ギャザーを形成する、折りたたんだ状態等が挙げられるが、好ましくは、予めギャザーを形成した状態とするのが良い。また、所望の縫製品の仕上がり状態に応じて、予め縮めた状態を複数の手法によって現出しても良い。
【0015】
ギャザーの形成についても、特に限定されず、通常一般に用いられる方法を用いて行うことができ、好ましくは、予めミシン等により、縫い糸を用いてギャザーを形成する方法が挙げられる。さらに好ましくは、縫製装置における布地の両面での布地送りの差動を用いて、ギャザーを形成するのが良い。縫製装置における布地の両面での布地送りの差動を用いることにより、ギャザーを手軽に、かつ均一に形成することができる。なお、予め縫い糸を用いてギャザーを形成した場合は、ギャザーを形成する縫い糸により、布地2の伸縮性が規制されるのを防ぐために、布地1、布地2、伸縮性テープ3の縫合後に、縫合部6を引張るなどして、ギャザーを形成する縫い糸を切断し、ギャザー部分が自由に伸び縮みできるようにする。
【0016】
上記実施形態2の縫製方法によれば、布地1と布地2との縫合前のパーツの状態において、布地1における縫合部4の、布地2の縫合部5に対する長さの比率を大きくすることによって、ギャザー等の重なり部分を大きくする、あるいはギャザー等の数を多くすることができる。なお、縫製装置を用いずに、手縫いなどによりギャザー等を形成する場合は、所望の縫製品のデザインに応じて、ギャザー等を不均一に形成することもできる。
【0017】
[実施形態3]
さらに、図1に示されるような縫合状態を現出させるための、本発明の実施形態の他の例として、図7に示されるように、布地1の縫合部4、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、それぞれの一方の端部をそろえるよう重ね、縫合時に布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合する縫製方法が挙げられる。
【0018】
上記実施形態において、布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合する方法としては、特に限定されないが、好ましくは、縫製装置における布地1側と布地2側の布地送りの差動を用いる方法が挙げられる。縫製装置における布地1側と布地2側の布地送りの差動を用いることにより、ギャザーを手軽に、かつ均一に形成することができる。
【0019】
また、上記縫製装置としては、M縫い用、オーバーロック縫い用、インターロック縫い用等の縫製装置を用いると、ギャザーを形成しつつ、布地1、布地2、伸縮性テープ3を縫合でき、縫合後に、縫い目が素材と共に伸縮する縫合方法により縫合することにより、縫合部6を伸ばしても、布地2、伸縮性テープ3が、縫い糸によって規制されることなく伸び、伸縮性を十分に生かすことができて好ましい。
【0020】
上記実施形態による縫製方法は、単独でも組み合わせて使用しても良い。図5あるいは図6に示される縫製方法は、予め、布地1と布地2との、縫合部6における各縫合部(4、5)の長さを同一となるように、布地2を伸ばした状態、あるいは布地1を縮めた状態としているが、所望の縫製品のデザインに応じて、例えば、布地1の一部に予めギャザー等を形成して縮めた状態等で縫合し、残りの部分を図7に示すように、布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合するなどしても良い。
【0021】
[実施形態4]
さらに、布地1と布地2との縫合前のパーツの状態において、布地1の縫合部4を、布地2の縫合部5よりは大きい長さまで、上記実施形態1のように、ギャザー等の形成により予め縮めた状態とした上で、上記実施形態2と同様に、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、縫合部4を縮めた長さと同一の長さに予め伸ばした状態とし、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を重ね、そのままの状態で、縫合部を縫合する縫製方法とすることもできる。縫合後、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を伸ばした状態を解除することによって、布地2、および伸縮性テープ3は、伸ばす前のパーツのサイズにほぼ縮んで戻り、それに伴って布地1の縫合部4に、予め形成されたギャザー等に加えて、さらにギャザーが自動的に形成された状態となる。このような縫製方法によると、伸ばされた状態にあっても布地の伸縮性を十分に生かして、かつギャザー等を所望の状態に自由に現出できる上、予め形成したギャザー等と、布地2の伸張回復に伴って形成されたギャザーが合体し、ギャザー等の重なり部分を大きくする、あるいはギャザー等の数を多くすることができる。
【0022】
[実施形態5]
さらに、上記実施形態4と同様に、布地1の縫合前のパーツの状態において、布地1の縫合部4を、布地2の縫合部5よりは大きい長さまで、ギャザー等の形成により予め縮めた状態とした上で、布地1の縫合部4、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3をそれぞれ一方の端部をそろえるよう重ね、その状態のまま布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合する縫製方法としてもよい。このような縫製方法によると、予め形成したギャザー等と、縫合時に形成されたギャザーが合体し、ギャザー等の重なり部分を大きくする、あるいはギャザー等の数を多くすることができる。
【0023】
本発明において、伸縮性テープ3の配置としては、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ねた部分に沿っていれば特に限定されない。図8は、伸縮性テープ3の配置の例を示す、布地1と布地2との縫合部6の断面方向より見た図である。図8に示されるように、伸縮性テープ3は、布地1と布地2との縫合部6において、布地1側に沿わせても[図8(a)]、布地2側に沿わせても[図8(b)]、布地1と布地2の間に介在させた状態で沿わせても[図8(c)]良い。
【0024】
さらに、伸縮性テープ3は、布地1と布地2との縫合部6の全体に配置するのが好ましいが、所望の縫製品のデザインに応じて、縫合部6の一部のみに沿わせて配置し、残りの部分を布地1と布地2のみで縫合しても良く、また残りの部分に対し従来の伸縮性のないテープを用いても良い。
【0025】
本発明の縫製方法を使用するのに好適な布地1と布地2の素材の組み合わせは、相対的に伸縮性が異なる素材の組み合わせであれば、本発明の作用を阻害しない範囲で、特に限定されず、具体的には下記の素材が挙げらる。伸縮性の少ない、あるいは伸縮性を有しない布地1としては、木綿、キュプラ、絹等の天然繊維、ナイロン、ポリエステル等の合成繊維、これらの混合物からなる編み物あるいは織物等が挙げられ、布地1よりも伸縮性が大きい布地としては、上記繊維に加えてスパンテックス等の伸縮性の糸を使用した編み物あるいは織物等が挙げられる。
【0026】
布地1および布地2は、所望の縫製品のデザインに応じたパーツとして、裁断等により形成されるが、パーツの状態での縫合部4および縫合部5の長さは、それぞれ所望の縫製品のデザイン、サイズ、布地2のギャザー等の状態により適宜設定される。一般に、パーツの状態での縫合部4の長さが、縫合部5の長さの30〜70%の範囲、特に50%程度であるのが、ギャザー等の状態、縫合のしやすさ等から好適である。
【0027】
本発明の縫製方法に使用する、伸縮性テープ3は、所望の伸縮性を有するものであれば特に限定されず、一般的には伸縮糸を使用した織・編によるテープ状のものが挙げられ、好ましくはゴムやスパンデックス等の伸張回復性の高い素材(例えば、商品名:モビロン、オペロンなど)をテープ状に加工したものが挙げられる。伸縮性テープの幅は特に限定されず、本発明の作用を阻害しない範囲で適宜設定されるが、M縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫い等の縫合方法を用いる場合、幅が1〜7mm程度のものが好ましく、さらに好ましくは3〜5mm程度のものが縫い目の幅との関係から良い。伸縮性テープ3の厚みは、特に限定されず、布地1および布地2の厚みと相関して設定されるが、縫合後の外観や着心地の点から、本発明の作用を阻害しない範囲でなるべく厚みが小さい方が好ましい。また、伸縮性テープ3は、布地1または布地2が特に薄手の素材であり、伸縮性テープ3を目立たせたくない場合、透明の素材を用いるのが好ましい。
【0028】
【発明の効果】
本発明の縫製方法を用いることで、伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地と、それよりも伸縮性が大きい布地とを縫合した場合でも、縫合部の伸縮性に優れた縫製品を得ることができ、縫合後の縫製品のサイズを、着脱等による縫合部の伸張する分を考慮する必要なく、所望の大きさとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の縫製方法により伸縮性の異なる布地を縫合した後の状態を、布地を広げ、裏側から見た状態を示す図である。
【図2】図2は布地1、布地2、伸縮性テープ3の縫合前の各パーツの状態の例を説明する図である。
【図3】図3(a)は縫合時の布地1、布地2、伸縮性テープ3の配置例を示す図、図3(b)は、布地1、布地2、伸縮性テープ3を縫合後、布地を広げた状態を示す図である。
【図4】図4は、本発明の縫製方法を用いた被服の例を示す図である。
【図5】図5(a)は、本発明の実施形態の一例である縫製方法において、縫合前の布地1の縫合部4と布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を重ねる状態を示す図、図5(b)は、図5(a)の状態から縫合し、布地2と伸縮性テープ3の伸びを解除した状態を示す図である。
【図6】図6(a)は、本発明の実施形態の他の例である縫製方法において、縫合前の布地1の縫合部4と布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を重ねる状態を示す図、図6(b)は、図6(a)の状態から縫合した後の状態を示す図である。
【図7】図7は、本発明の実施形態の他の例である縫製方法において、布地1の縫合部4、布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、それぞれの一方の端部をそろえるよう重ね、布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合する状態を示す図である。
【図8】図8(a)〜(c)は、伸縮性テープ3の配置状態の例を示す図である。
【符号の説明】
1’ 縫合部において縮めた状態の布地1
2’ 縫合部において伸ばした状態の布地2
3’ 伸ばした状態の伸縮性テープ3
4 布地1における縫合部
5 布地2における縫合部
6 布地1と布地2との縫合部
7 縫い糸
8 本発明の縫製方法を用いた被服
Claims (14)
- 伸縮性の小さい、あるいは伸縮性を有しない布地1と、該布地1よりも伸縮性が大きく、かつ布地1の縫合部4よりも長さが小さい縫合部5を有する布地2とを縫合する縫製方法であって、前記布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5を重ね、さらに伸縮性テープ3を布地1と布地2との縫合部6の全体あるいは一部に沿わせて配置し、布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5の長さが同一となるように、伸縮性テープ3、布地1の縫合部4および布地2の縫合部5を縫合することを特徴とする伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 縫合部において、布地2の縫合部5の長さが、布地1の縫合部4の長さの30〜70%の範囲であることを特徴とする請求項1記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地1側に沿わせることを特徴とする請求項1または2記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地2側に沿わせることを特徴とする請求項1または2記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6において、布地1と布地2の間に介在させた状態で沿わせることを特徴とする請求項1または2記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地2の縫合部5、および伸縮性テープ3を、予め伸ばした状態で、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ねることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地1の縫合部4を、予め縮めた状態で、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ねることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地1を予め縮めた状態の一部または全部を、ギャザーにより形成することを特徴とする請求項7記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地1と布地2との縫合部6を縫合後、ギャザーを形成する縫い糸を切断することを特徴とする請求項8記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 予め、布地1の縫合部4と布地2の縫合部5における各縫合部の長さを同一となるようにすることを特徴とする請求項6乃至9のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地1の縫合部4と、布地2の縫合部5と、伸縮性テープ3との縫合が、M縫い、オーバーロック縫い、インターロック縫いのいずれか1種の縫合方法によって行われることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 布地1の縫合部4と布地2の縫合部5を重ね、さらに伸縮性テープ3を、布地1と布地2との縫合部6の全体あるいは一部に沿わせて配置し、布地1の縫合部4と前記布地2の縫合部5の長さが同一となるよう、布地1の縫合部4にギャザーを形成しながら縫合することを特徴とする請求項1記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- ギャザーの形成を、縫製装置における布地1側と布地2側の布地送りの差動を用いて行うことを特徴とする請求項12記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
- 縫製装置が、M縫い用、オーバーロック縫い用、インターロック縫い用のいずれか1種の縫製装置であることを特徴とする請求項13記載の伸縮性の異なる布地の縫製方法。
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JP2016169457A (ja) * | 2015-03-16 | 2016-09-23 | 日清紡テキスタイル株式会社 | 織物製品 |
JP2019189996A (ja) * | 2019-08-09 | 2019-10-31 | 日清紡テキスタイル株式会社 | 織物製品 |
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