JP2617338B2 - 刺繍糸および刺繍レース - Google Patents

刺繍糸および刺繍レース

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JP2617338B2
JP2617338B2 JP63147631A JP14763188A JP2617338B2 JP 2617338 B2 JP2617338 B2 JP 2617338B2 JP 63147631 A JP63147631 A JP 63147631A JP 14763188 A JP14763188 A JP 14763188A JP 2617338 B2 JP2617338 B2 JP 2617338B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、刺繍糸、および、この刺繍糸を用いて刺
繍を施した刺繍レースに関する。
〔従来の技術〕
伸縮性を有する基布に対して刺繍を施す場合、基布の
伸縮性を阻害しないようにするため、出来上がった刺繍
も伸縮性を持つようにする必要がある。弾性繊維糸から
なる刺繍糸で刺繍を施せば、伸縮性を有する刺繍が得ら
れる。
ところが、弾性繊維糸は、少しの張力でも伸びやす
く、しかも、摩擦係数が大きいため、弾性繊維糸のみか
らなる刺繍糸では刺繍作業を行うことができない。
そこで、弾性繊維糸と非弾性の可溶性繊維糸とを引き
揃え、これらを非弾性繊維糸でカバーリングしてなる刺
繍糸が提案されている。この刺繍糸は、可溶性繊維糸で
一時的に伸長が制限され、しかも、カバーリングしてい
る非弾性繊維糸により刺繍糸表面に滑り易さが生じるよ
うになる。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、従来提案された刺繍糸は、ほとんど実用化さ
れていない。これは、刺繍工程においては、刺繍糸に対
し張力の付与・解除が繰り返されるが、張力が掛かって
刺繍糸が一旦伸長したのちに張力の解除がなされると、
芯糸の可溶性繊維糸が、カバーリングしている非弾性繊
維糸の間からループ状にはみ出し、下記またはの問
題点が生じるからである。
可溶性繊維糸のはみ出した部分が摩擦により切れる
ため、刺繍糸に張力が掛かったときに、弾性繊維糸の伸
びを抑えられなくなる。
刺繍糸を裏糸として使用するときに解舒性が悪くな
り、また、表糸として使用するときには刺繍針などへ絡
まりやすくなり、刺繍性が悪くなる。
以上のような事情から、伸縮性の基布に対し、これと
ともに伸縮する刺繍の施された刺繍レースが未だ実用化
されていないことは、言うまでもない。
そこで、この発明は、伸縮性のある刺繍を得ることが
でき、作業性および生産性が向上し、実用化可能な刺繍
糸を提供することを第1の課題とする。さらに、この発
明は、基布と共に伸縮して、基布の伸縮性をほとんど阻
害しない刺繍が施された刺繍レースを提供することを第
2の課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の刺繍糸は前記の問題を解決するため、以下の
構成を有する。すなわち、弾性繊維糸条に1.5〜3.0のド
ラフトをかけ可溶性繊維糸条と引揃えて芯糸とし、同芯
糸が非弾性繊維糸条でカバーリングされている刺繍糸で
あって、カバーリングが下側の非弾性繊維糸条と上側の
非弾性繊維糸条からなり、下側の非弾性繊維糸条とし
て、そのカバーリングの撚りの方向と一致する方向へ加
撚された状態で熱セットされ解撚されてなる糸条が用い
られ、かつ上側の非弾性繊維糸条のカバーリングの撚り
方向が下側のカバーリングの撚り方向とは逆になってい
ることを特徴とする刺繍糸である。
本発明の刺繍レースは前記の問題を解決するため、以
下の構成を有する。すなわち、伸縮性の基布に弾性繊維
糸条に1.5〜3.0のドラフトをかけ可溶性繊維糸条と引揃
えて芯糸とし、同芯糸が非弾性繊維糸条でカバーリング
されている刺繍糸であって、カバーリングが下側の非弾
性繊維糸条と上側の非弾性繊維糸条からなり、下側の非
弾性繊維糸条として、そのカバーリングの撚りの方向と
一致する方向へ加撚された状態で熱セットされ解撚され
てなる糸条が用いられ、かつ上側の非弾性繊維糸条のカ
バーリングの撚り方向が下側のカバーリングの撚り方向
とは逆になっている刺繍糸による刺繍が施され、その可
溶性繊維糸条が溶解除去されてなることを特徴とする刺
繍レースである。
〔作用〕
請求項1および2の各発明にかかる刺繍糸は、芯糸を
ドラフト1.5〜3.0でカバーリングしている下側の非弾性
繊維糸条が、カバーリングの撚り方向と一致する方向へ
加撚された状態で熱セットされ解撚されてなる糸条であ
るので、非弾性繊維糸条の巻き付けが芯糸を締め付ける
方向になされている。これにより、同刺繍糸は、芯糸の
はみ出し、および、芯糸と非弾性繊維糸条とのずれが防
がれる。
さらに、下側の非弾性繊維糸条の上にさらに上側の非
弾性繊維糸条がカバーリングされ、上側の非弾性繊維糸
条(以下「上糸」と称する)のカバーリングの撚り方向
が下側の非弾性繊維糸条(以下「下糸」と称する)のカ
バーリングの撚り方向とは逆になっているので、カバー
リングのトルクバランスをとることができる。これによ
り、刺繍糸のねじれを防ぐことができる。
請求項2の発明によれば、以上に加えて、上糸も、カ
バーリングの撚り方向と一致する方向へ加撚された状態
で熱セットされ解撚されてなる糸条であるので、上糸の
巻き付けも下側の糸条を締め付ける方向になされてい
る。これにより、同刺繍糸は、芯糸のはみ出し、およ
び、芯糸と非弾性繊維糸条とのずれがより一層防がれ
る。
請求項3の発明によれば、基布に施された刺繍の伸縮
性を有する糸で形成されているので、刺繍が基布ととも
に伸縮するようになっている。
〔実 施 例〕
この発明では、弾性繊維糸条および可溶性繊維糸条を
芯糸とする。芯糸としては、たとえば、弾性繊維糸条と
可溶性繊維糸条とを引き揃えたもの、弾性繊維糸条と可
溶性繊維糸条との合撚糸などが使用される。同合撚糸
は、弾性繊維糸条と可溶性繊維糸条とを甘撚りしたも
の、たとえば、20〜100T/mの撚り数で撚ったものが用い
られる。
芯糸に用いる弾性繊維糸条としては、たとえば、弾性
繊維糸、弾性繊維糸を非弾性繊維糸でカバーリングして
なる被覆糸、弾性繊維糸と非弾性繊維糸との合撚糸など
が挙げられる。これらの非弾性繊維糸条としては、たと
えば、後述のものが使用される。
弾性繊維糸は、たとえば、ポリウレタン系弾性繊維
糸、ポリエステル系弾性繊維系などの弾性合成繊維糸、
あるいは、ゴム系が用いられるが、これらに限定されな
い。
弾性繊維糸は、たとえば、15〜55デニールのものが好
ましく、20〜40デニールのものがより好ましい。これら
の範囲の下限よりも細いと、刺繍糸の耐久性が低くなる
ことがあり、上限よりも太いと、刺繍後に可溶性繊維糸
条を溶解除去した場合、弾性繊維糸のパワーが強く、こ
のため、刺繍レースに凹凸が生じ、商品価値が低くなる
ことがある。
この発明にかかる刺繍糸は、その可溶性繊維糸条を溶
解除去した後に、30%以上の伸びが可能であることが好
ましい。このようにすると、刺繍を施す基布の伸縮特性
にもよるが、同刺繍糸による刺繍が施され、その可溶性
繊維糸条が溶解除去されてなる刺繍レースの刺繍部分の
伸縮特性を基布部分の伸縮特性に対応させやすい。
芯糸に用いる可溶性繊維糸条は、水、水溶液、スチー
ム、有機溶媒などによって溶解除去できるものであれ
ば、どのようなものであってもよい。たとえば、温水に
よって溶解するポリビニルアルコール系繊維糸,ポリア
ルキレングリコール共重合ポリエステル繊維糸、アルカ
リ水溶液によって加水分解しつつ除去できる5−ナトリ
ウムスルホイソフタル酸共重合ポリエステル繊維糸、カ
ルボン酸ナトリウムを導入したアクリル繊維糸などの可
溶性繊維からなる糸条である。この可溶性繊維糸条は、
その使用目的からして、ゴム状弾性を有しないものであ
ることは、もちろんである。
可溶性繊維糸条としては、たとえば、20〜200デニー
ルのものを用いる。20デニールよりも細いと、刺繍時に
糸切れが生じることがあり、200デニールよりも太い
と、刺繍糸が全体的に太くなり、刺繍性が悪くなること
がある。
前記芯糸を非弾性繊維糸条でダブルカバーリングす
る。下糸に用いる非弾性繊維糸条としては、加撚された
状態で熱セットされ解撚されてなる糸条(以下「加工糸
条」と称する)を用いる。そして、前記加工糸条は、そ
の加撚の方向がカバーリングの撚りの方向と一致するよ
うにするのである。たとえば、カバーリングの撚り方向
をZ方向(Z撚り)とする場合には、Z方向(Z撚り)
に加熱された加工糸条を用い、カバーリングの撚り方向
をS方向(S撚り)とする場合には、S方向(S撚り)
に加撚された加工糸条を用いる。
上記のように、加工糸条の加撚の方向をカバーリング
の撚りの方向と一致させると、非弾性繊維糸条が芯糸を
締め付ける方向にカバーリングすることになり、上述の
ように、芯糸のはみ出し、および、芯糸と非弾性繊維糸
条とのずれを防ぐことができる。
前記加工糸条は、熱可塑性繊維糸条に仮撚法、加撚−
熱固定−解撚法などによって、加撚された状態で熱セッ
トされ解撚されたものが使用される。たとえば、仮撚り
機を用い、そのヒータの温度を熱可塑性繊維糸条の材質
の軟化温度に応じて設定し、オーバーフィード率0〜マ
イナス(−)18%、撚り数3500〜4700T/m、巻き取りフ
ィード率0〜15%という条件で行う。これらの範囲を外
れると、加工糸条としての巻縮の回復性および巻縮形状
が悪くなり、カバーリングに用いる糸および刺繍後のレ
ースの外観、品位が悪くなるおそれがある。
非弾性繊維糸条としては、ゴム状弾性の全くないもの
または低いもので、弾性繊維糸よりも摩擦係数の小さい
ものが使用される。たとえば、ナイロンなどの合成繊
維、レーヨンなどの再生繊維、綿糸などの天然繊維など
のいずれか1つまたは2つ以上の非弾性繊維からなる糸
条が用いられる。前記非弾性繊維糸条全体またはその一
部分を所望の色に染色しておくと、刺繍糸に所望の色、
柄を持たせることができる。上糸に前記加工糸ではな
く、種々の糸条を用いると、刺繍糸の光沢、風合、色な
どを種々設定できて、表糸として使用したときに刺繍効
果を上げることができる。
上糸に実撚りを有する非弾性繊維糸条を用いる場合に
は、その実撚りの撚り数をたとえば50〜1500T/mとし、
追撚方向にカバーリングするのがよい。このようにする
ことにより、カバーリングが締め付ける方向となり、芯
糸のはみ出しを防ぐのに有利である。
非弾性繊維糸条の太さは、たとえば、20〜300デニー
ルとする。20デニールよりも細いと、刺繍時に糸切れが
生じたり、刺繍柄の効果が低下したりすることがある。
また、300デニールよりも太いと、裏糸として使用する
場合に1コップあたりの巻き取り長さが短くなって生産
効率が低下することがあり、表糸として使用する場合に
刺繍性が悪くなったり刺繍柄が厚くなったりすることが
ある。
前記カバーリングは、ドラフト1.5〜3.0で行うもので
あり、刺繍性、刺繍の外観および品位の観点から、下糸
の撚り数500〜2000T/m、巻き取り比85〜110%という条
件で行うのが好ましい。本発明の刺繍糸におけるダブル
カバーリングにおいては、上糸のカバーリングの撚り方
向が下糸のカバーリングの撚り方向とは逆になるように
するものである。このようにすると、カバーリングのト
ルクバランスをとることができ、刺繍糸のねじれを防ぐ
ことができる。このようにする場合、上糸のカバーリン
グの撚り数は、たとえば、下糸のカバーリングの撚り数
の85〜110%とする。
この発明にかかる刺繍糸は、芯糸、特に、可溶性繊維
糸条のはみ出しが少ないか、または、ほとんどないかも
しくは全くない。これにより、同刺繍糸は、可溶性繊維
糸条の切れを防ぐことができ、裏糸として使用したとき
に解舒性が良好になり、表糸として使用したときに刺繍
針などへの絡まりが発生しにくくなる。したがって、刺
繍を作るときに、作業性および生産性が良く、実用化可
能である。
また、この発明にかかる刺繍糸は、嵩張らないため、
刺繍時の裏糸の1コップあたり、あるいは、表糸の1ボ
ビンあたりの、各巻き取り長さを長くすることができ
る。
一般に、刺繍糸は、表糸に用いる場合、刺繍の柄や模
様などに合わせて、太さ、色などを適宜設定でき、刺繍
針などに絡まりにくいことが好ましい。また、裏糸に用
いる場合、強度のゆるす限り細い方がよく、均斉度が良
好で、トルクバランスがとれていて、解舒性が良いこと
が好ましい。
この発明にかかる刺繍糸は、太さを適宜設定すること
ができ、しかも、色も上記のように所望のものとするこ
とができ、刺繍針などに絡まりにくいので、表糸として
用いることができる。また、この発明にかかる刺繍糸
は、所望の強度で細くすることができ、均斉度が良く、
トルクバランスのとれたものとすることができ、解舒性
が良好なので、裏糸として用いることもできる。
この発明にかかる刺繍糸は、たとえば、糸巻きに巻き
取ったり、コップ(いわゆる「まゆ」)にしたりして、
刺繍装置またはミシンなどを用いて基布に刺繍を施すの
に用いられる。刺繍の条件、刺繍装置やミシンなどに
は、特に制約はない。
この発明にかかる刺繍糸は、基布の伸縮性の有無に関
わらず、あらゆる基布への刺繍に用いることができる。
なかでも、伸縮性の基布へこの発明にかかる刺繍糸によ
る刺繍を施し、その可溶性繊維糸条を溶解除去すること
により、刺繍レースを得るようにするのが好ましい。こ
のようにすると、伸縮性を有する刺繍が得られる。得ら
れた刺繍レースは、基布の伸縮に伴って刺繍も伸縮する
ようになっており、見栄えのするものとなる。前記溶解
除去の後に、必要に応じて、精練、染色、仕上げセット
などを行ってもよい。
刺繍が表糸および裏糸で施される場合、表糸として請
求項1および2の各発明にかかる刺繍糸のいずれかを用
い、裏糸として請求項1および2の各発明にかかる刺繍
糸のいずれかを用いることができる。また、刺繍が表糸
および裏糸の区別のない刺繍糸で施される場合にも、請
求項1および2の各発明にかかる刺繍糸のいずれかを用
いることができる。
なお、前記伸縮性の基布は、全体が弾性繊維だけから
なっていてもよいが、弾性繊維と非弾性繊維とからなっ
ていたり、非弾性繊維のみからなっていて構造的に伸縮
性を有するようになっていたりしてもよい。たとえば、
弾性繊維100%の繊物または編物、弾性繊維糸と非弾性
繊維糸とからなる織物または編物、弾性繊維と非弾性繊
維とを混紡してなる糸を用いて作った織物または編物、
非弾性繊維のみからなる編物などであってもよい。前記
弾性繊維糸、非弾性繊維糸としては、たとえば、上述の
ものが使用される。
弾性繊維と可溶性繊維とを用いて基布を形成したり、
基布と可溶性布帛を重ね合わせたり、可溶性糊剤および
/または可溶性樹脂を基布に付着させておいたりすれ
ば、刺繍作業時に基布が伸縮するのを防ぐことができ、
作業が容易になる。しかも、刺繍後、その可溶性繊維、
可溶性布帛、可溶性糊剤および/または可溶性樹脂を溶
解除去することにより、基布が伸縮性を発揮するように
なる。前記可溶性繊維糸としては、たとえば、上述のも
のが使用される。可溶性布帛は、可溶性繊維糸からなる
織地、編地などが使用される。前記可溶性糊剤として
は、たとえば、カルボキシメチルセルロース、ポリビニ
ルアルコール、アルギン酸ソーダなどが使用される。前
記可溶性樹脂としては、たとえば、ポリエチレンオキサ
イド樹脂、尿素ホルムアルデヒド樹脂、メラミンホルム
アルデヒド樹脂などが使用される。可溶性糊剤、可溶性
樹脂は、たとえば、それらを溶解して基布に塗布した
り、溶液液に基布を浸漬したりした後乾燥させることに
より、あるいは、それらをシート状に成形して可溶性シ
ートとして貼り付けることなどにより基布に付着するこ
とができる。
前記可溶性繊維、可溶性布帛、可溶性糊剤および/ま
たは可溶性樹脂の種類に応じて、溶剤の種類を適宜選択
し、溶解処理の条件を設定すればよい。基布の可溶性繊
維、可溶性布帛、可溶性糊剤および/または可溶性樹脂
の溶解除去と、刺繍糸の可溶性繊維糸条の溶解除去とを
同時に行えるようにすれば便利である。それら可溶性の
ものとして、水で溶解できるものを使用していれば、刺
繍後の精練処理で溶解除去できるので、溶解処理のため
の工程を新たに加えずにすむ。溶解処理と同時にまたは
その後に必要に応じ、弾性繊維糸などに付着しているオ
イルを落としたり、その他の処理を行ったりしてもよ
い。
以下に、より具体的な実施例および比較例を示すが、
この発明は下記具体的実施例に限定されない。
−実施例1,2および比較例1,2− 上糸および下糸として、ナイロン6の加工糸条(東レ
株式会社の「ウーリーナイロン」:40デニール−13フィ
ラメント単糸)を用いた。この加工糸条は、ヒータの温
度180℃、オーバーフィード率マイナス15%、撚り数455
0T/m、巻き取りフィード率5%の条件で仮撚りされたも
のであった。
弾性繊維糸条と可溶性繊維糸条とをそれぞれ1本ずつ
カバーリング機に供給し、同カバーリング機上で弾性繊
維糸条にドラフトをかけながら引き揃えて芯糸とし、第
1表に示すカバーリング条件にしたがってダブルカバー
リングを行い、刺繍糸を得た。
弾性繊維糸条として、ポリウレタン弾性糸(東レ・デ
ュポン株式会社の「オペロン」T−127C:20デニール、
破断強さ18グラム、破断伸び率560%)を用いた。可溶
性繊維糸条として水溶性ポリビニルアルコール系繊維糸
(株式会社ニチビの「ソルブロン」:45デニール−モノ
フィラメント)を用いた。
−実施例3− 実施例1で用いた弾性繊維糸条と可溶性繊維糸条とを
それぞれ1本ずつカバーリング機に供給し、同カバーリ
ング機上で弾性繊維糸条にドラフトをかけながら引き揃
えて芯糸とし、第1表に示すカバーリング条件にしたが
ってダブルカバーリングを行い、刺繍糸を得た。
−実施例4− 弾性繊維糸条として、ポリウレタン弾性糸1本に3.0
のドラフトをかけながら、撚り数500T/mのZ撚りで非弾
性繊維糸をカバーリングしてなる被覆糸を用い、第1表
に示すカバーリング条件にしたがってダブルカバーリン
グを行い、刺繍糸を得た。
前記ポリウレタン弾性糸として、東レ・デュポン株式
会社の「オペロン」T−127C(20デニール、破断強さ18
グラム、破断伸び率560%)を用いた。前記非弾性繊維
糸として、ナイロン6の加工糸条35デニール−10フィラ
メント(可燃方向:Z方向)を用いた。
−実施例5− 上糸として、綿糸80番手単糸(撚り数1200T/mのZ方
向の実撚りを有する)を用い、追撚方向にカバーリング
したこと以外は、実施例2と同様にして刺繍糸を得た。
−実施例6− 上糸として、レーヨン75デニール−30フィラメント
(ブライト。撚り数300T/mのZ方向の実撚りを有する)
を用い、追撚方向にカバーリングしたこと以外は、実施
例2と同様にして刺繍糸を得た。
実施例1〜6および比較例1〜2の各刺繍糸につい
て、伸長前後の外観、1コップあたりの巻き取り長さ、
および、解舒性を調べて、結果を第1表に示した。
伸長前後の外観は、定伸長型引張試験機を用いて、試
長30cm、引張スピード30cm/分で30%の定伸長を刺繍糸
に加えるという操作を3回繰り返し、その前および後の
刺繍糸の様子を肉眼で観察して、芯糸のはみ出しが、ほ
とんど無い(◎)〜(○)〜(△)〜多い(×)で示し
た。
1コップあたりの巻き取り長さは、各刺繍糸をコップ
巻き上げたときにその巻き上げられた長さを測定し、ダ
ブルカバーリングのものについては実施例1を1.00とし
て比率を求めた。
解舒性は、上記コップから手で刺繍糸を引き出したと
きに、引っ掛かりがほとんどなくスムースである(◎)
〜(○)〜(△)〜引っ掛かりが多い(×)で示した。
−実施例7〜12− 実施例1〜6の各刺繍糸を用い、第2表に示す糸使い
により、通常の刺繍装置を用いて通常の刺繍条件で、裏
面に水溶性ポリビニルアルコール系繊維糸(株式会社ニ
チビの「ソルブロン」)からなる可溶性織物を重ね合わ
せ、水溶性ポリビニルアルコール系繊維糸(株式会社ニ
チビの「ソルブロン」)で縁を縫合した基布に刺繍を施
した。次いで、沸騰水中に1時間浸漬して、刺繍糸の可
溶性繊維糸および可溶性織物を溶解除去した後、精練、
染色、仕上げセットを順次行って刺繍レースを得た。
基布としては、ポリウレタン弾性糸(東レ・デュポン
株式会社の「オペロン」T−127C:70デニール)と、ナ
イロン6のマルチフィラメント糸(30デニール・6フィ
ラメント)とを、24ゲージ/インチの編機(マイヤー製
RE−4N)を用いて編み上げたパワーネットを用いた。
得られた刺繍レースは、刺繍部分が基布部分と同様に
伸縮するものであった。なお、定伸張型引張試験機を用
い、グラブ法で、クランプ幅5cm、試長20cm、引張スピ
ード20cm/分で2.25kgまで伸張したときの伸びも第2表
に示した。
−比較例3〜4− 比較例1〜2の各刺繍糸を用い、第2表に示す糸使い
により、実施例7〜12と同様にして刺繍を施そうとした
が、刺繍時に糸切れなどのトラブルが発生し、刺繍する
ことできなかった。
実施例7〜12および比較例3〜4について、刺繍時に
トラブルが発生したか(×)、否か(○〜◎)を刺繍性
として第2表に示した。刺繍性の◎は○よりもスムース
に刺繍することができたことを示す。
第1表からわかるように、実施例の刺繍糸は、比較例
のものに比べて、張力を加えた後も可溶性繊維糸条のは
み出しが少ないか、あるいは、ほとんどなく、解舒性が
良好である。また、実施例の刺繍糸は、コップにしたと
きに、1コップあたりの糸の長さが比較例のものに比べ
て長くなっており、ダブルカバーリングしたものでは実
施例1〜4が最も長かった。実施例の中でも、実施例1
および2の外観が他の実施例のものよりも良好であっ
た。
第2表からわかるように、実施例の刺繍糸を用いれ
ば、刺繍部分も伸縮性を有する刺繍レースが得られる。
実施例の各刺繍レースは、張力をかけて伸びを調べた
後、張力を解除すると、もとの状態に回復した。実施例
7〜10では、他の実施例よりも刺繍性が良好であった。
〔発明の効果〕
請求項1または2の各発明にかかる刺繍糸は、以上の
ように構成されているため、伸縮性のある刺繍を得るこ
とができ、作業性および生産性が向上し、実用化可能な
ものである。さらに、トルクバランスのとれたものであ
るため、作業性を一層向上させることができる 請求項2の発明にかかる刺繍糸は、上記に加えて、カ
バーリングの締め付けが強くなり、一層作業性および生
産性が向上する。
請求項3の発明にかかる刺繍レースは、施された刺繍
が基布と共に伸縮して、基布の伸縮性をほとんど阻害し
ないものである。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】弾性繊維糸条に1.5〜3.0のドラフトをかけ
    可溶性繊維糸条と引揃えて芯糸とし、同芯糸が非弾性繊
    維糸条でカバーリングされている刺繍糸であって、カバ
    ーリングが下側の非弾性繊維糸条と上側の非弾性繊維糸
    条からなり、下側の非弾性繊維糸条として、そのカバー
    リングの撚りの方向と一致する方向へ加撚された状態で
    熱セットされ解撚されてなる糸条が用いられ、かつ上側
    の非弾性繊維糸条のカバーリングの撚り方向が下側のカ
    バーリングの撚り方向とは逆になっていることを特徴と
    する刺繍糸。
  2. 【請求項2】上側の非弾性繊維糸条も、そのカバーリン
    グの撚り方向と一致する方向へ加撚された状態で熱セッ
    トされ解撚されてなる糸条であることを特徴とする請求
    項1記載の刺繍糸。
  3. 【請求項3】伸縮性の基布に請求項1または2記載の刺
    繍糸による刺繍が施され、その可溶性繊維糸条が溶解除
    去されてなることを特徴とする刺繍レース。
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