JP2010229584A - 複合撚糸及びこの複合撚糸を用いた織編物 - Google Patents

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Abstract

【課題】紡績糸とゴム弾性を持たないフィラメントからなる、織編物に伸縮性を与える複合撚糸を提供する。
【解決手段】紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を、複合撚糸の撚り方向が紡績糸の撚り方向と同一方向となるように撚り合わせて複合撚糸を作製する。前記複合撚糸の撚数は、紡績糸の撚数に対して0.3〜2倍程度である。前記紡績糸及び前記水不溶性フィラメント糸の総量と、水溶性糸との割合(質量比)は、前者/後者=95/5〜20/80程度であり、紡績糸と水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)は、前者/後者=99/1〜50/50で程度である。この複合撚糸を含む織編物から、織編物を構成する複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒に溶解させて除去することにより得られる布帛は、キックバック性の高い伸縮力を有している。
【選択図】なし

Description

本発明は、紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸とを撚り合わせた複合撚糸及びこの複合撚糸を用いて得られる織編物に関する。
紡績糸の織編物に伸縮性を付与するために、紡績糸とポリウレタンとを組み合わせた複合糸が広く用いられている。代表的な複合糸としては、ポリウレタンからなる芯糸の周りを紡績用綿で被覆して撚を与えたコアスパンヤーン、ポリウレタンからなる芯糸の周りに紡績糸を単層もしくは複層に巻きつけたシングル又はダブルカバードヤーン、2本以上の紡績糸とポリウレタン糸とを撚合わせたプライヤーンなどが挙げられる。しかし、これらの複合糸は、糸自体に伸縮性の大きいポリウレタンを有する撚糸であるため、製織編時において、糸の取り扱いに特殊な装置や高い技術を要する。また、ポリウレタンは熱劣化や光劣化等による経時劣化を引き起こすため、生地の伸縮性もそれに伴って消失する。
そこで、本発明者らは、特開2007−154339号公報(特許文献1)において、紡績糸、ゴム弾性を持たないフィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせた複合撚糸であって、前記複合撚糸の撚り方向が紡績糸の撚り方向と逆方向である複合撚糸を提案した。この複合撚糸を用いて得られた織編物から水溶性糸を溶解除去して得られた織編物は、高い伸縮性を有している。
しかし、この複合撚糸(例えば、紡績糸として、コットンやレーヨンの紡績糸を使用した複合撚糸)では、柔軟性や風合いに優れ、伸縮性を有しているものの、伸縮した後に元に戻ろうとする力(すなわち、伸縮性におけるキックバック性)が低く、繰り返しの使用によっても伸縮性が低下する。
一方、特開昭54−2440号公報(特許文献2)には、非水溶性紡績糸と、少なくとも1本の水溶性繊維糸条からなり、かつ縫糸としての撚のバランスが維持されており、縫糸中の非水溶性紡績糸はもとの紡績糸の撚数の50%以下の撚糸となるごとく合撚もしくは諸糸条に構成されたタッキング用縫糸が開示されている。この文献には、Z撚の綿糸と水溶性糸とをS方向に合撚し、さらにこの合撚糸とS撚の水溶性糸とをZ方向に合撚したタッキング用縫糸が記載されている。
しかし、このタッキング用縫糸は、精錬、染色工程での編織物の耳まき防止や柄ずれ防止のため、織編物を一時的に固定するために使用される糸(仮止め糸)であり、織編物を構成する糸ではない。また、この縫糸で織編物を作製した場合であっても、糸強力が低く、生産性が低い上に、得られた織編物も、形態安定性が低い。さらに、Z撚の綿糸を用いて最終的にZ方向に合撚したタッキング用縫糸の場合も、Z撚の綿糸がS方向に合撚しているため、キックバック性が低い。
特開2007−154339号公報(特許請求の範囲) 特開昭54−2440号公報(特許請求の範囲、実施例)
従って、本発明の目的は、ポリウレタン糸などの弾性糸を使用しなくても、キックバック性の高い伸縮力を有する布帛を得るのに適した複合撚糸、この複合撚糸を用いて得られる織編物及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、繰り返し使用しても高いキックバック性を保持できる布帛を得るのに適した複合撚糸、この複合撚糸を用いて得られる織編物及びその製造方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、高い糸強力を有し、高速の織機や編機で製織編しても糸切れなどのトラブルが発生することなく、目寄れなどが抑制された形態安定性に優れた織編物を得るのに適した複合撚糸、この複合撚糸を用いて得られる織編物及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を前記紡績糸の撚り方向と同一方向に撚り合わせた複合撚糸を用いることにより、ポリウレタン糸などの弾性糸を使用しなくても、キックバック性の高い伸縮力を有する織編物を得るのに適していることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明の複合撚糸は、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を、前記紡績糸の撚り方向と同一の方向に撚り合わせた複合撚糸である。前記複合撚糸の撚数は、紡績糸の撚数に対して0.3〜2倍程度である。前記紡績糸及び前記水不溶性フィラメント糸の総量と、水溶性糸との割合(質量比)は、前者/後者=95/5〜50/50程度であり、紡績糸と水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)は、前者/後者=99/1〜50/50程度である。前記紡績糸は、単糸、複数の単糸を引き揃えた糸、双糸又は合撚糸であってもよい。前記水不溶性フィラメント糸は、ゴム弾性を有さず、かつ下記に示す捲縮伸長率が5%以上のフィラメント糸であってもよい。前記水溶性糸は、水溶性のフィラメント糸であってもよい。
捲縮伸長率(%)=[(L2−L1)/L2]×100
[式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。
本発明には、前記複合撚糸を含む織編物も含まれる。この織編物は、複合撚糸の割合が20質量%以上であってもよい。
本発明には、前記織編物から、織編物を構成する複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒に溶解させて除去する布帛の製造方法、及びこの製造方法により得られた布帛も含まれる。本発明の布帛は、紡績糸及び水不溶性フィラメント糸を撚り合わせた複合撚糸を含み、かつ下記に示す伸長率及び回復率が、それぞれ15%以上及び50%以上である布帛であって、前記複合撚糸の撚りが撓みを有し、前記複合撚糸の撚り方向が前記紡績糸の撚り方向と同一方向であり、かつ前記複合撚糸の撚数が、前記紡績糸の撚数に対して0.5〜2倍である布帛であってもよい。
伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
[式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
[式中、L1は、前記に同じであり、
L3は、長さL2を測定後、300gの重りを布帛の端部から取り去り、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]。
本発明では、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を、前記紡績糸の撚り方向と同一方向に撚り合わせた複合撚糸を用いるため、ポリウレタン糸などの弾性糸を使用しなくても、キックバック性の高い伸縮力を有する布帛を得るのに適している。また、得られる布帛は、繰り返し使用しても高いキックバック性を保持できる。さらに、高い糸強力を有し、高速の織機や編機で製織編しても糸切れなどのトラブルが発生することなく、目寄れなどが抑制された形態安定性に優れた織編物を簡便に製造できる。
[複合撚糸]
本発明の複合撚糸は、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせた複合撚糸であって、複合撚糸の撚り方向が紡績糸の撚り方向と同一方向である。
(紡績糸)
紡績糸は、水(熱水)に溶解しない繊維から形成された紡績糸であれば、特に限定されず、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維のいずれであってもよい。合成繊維としては、例えば、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などのポリC2−4アルキレンアリレート繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド系繊維、脂環族ポリアミド系繊維、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド系繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン繊維など)、アクリル系繊維(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系繊維など)、水(熱水)不溶性のポリビニルアルコール系繊維(エチレン−ビニルアルコール系共重合体繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体の繊維など)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの繊維)などが挙げられる。
半合成繊維としては、例えば、トリアセテート繊維などのアセテート繊維などが挙げられる。再生繊維としては、例えば、レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル(例えば、登録商標名:「テンセル」など)などが挙げられる。天然繊維としては、例えば、木綿、羊毛(ウール)、絹、麻などが挙げられる。さらに、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維などの無機繊維を使用してもよい。
これらの繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。特に、紡績糸は、これらの繊維から選択された単独紡績糸に限定されず、2種以上の繊維で構成された混紡紡績糸(例えば、ポリエステル繊維と木綿との混紡紡績糸など)であってもよい。これらの繊維は、複合撚糸及びそれを用いて製造する織編物の用途などに応じて適宜選択すればよい。汎用される繊維としては、例えば、ポリアミド系繊維、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維などの合成繊維、アセテート繊維などの半合成繊維、レーヨン、キュプラなどの再生繊維、木綿、ウール、絹などの天然繊維などが挙げられる。特に、木綿やウールなどの天然繊維は、糸強度や汎用性に優れ、風合いにも優れる点から好ましい。
紡績糸は、単糸、複数の単糸を引き揃えた糸、双糸又は3本以上の合撚糸のいずれであってもよい。本発明において、「下撚」とは、紡績糸を製造するに当たって最後にかけられた撚りを意味する。すなわち、「紡績糸の撚数」とは、紡績糸が最後に受けた撚りの撚数を意味する。例えば、紡績糸が単糸又は単糸の引き揃えである場合は単糸を製造するために紡績でかけられた撚数を意味し、双糸の場合は双糸を製造するために2本の糸を撚り合わせた撚数を意味し、3本以上の合撚糸の場合は合撚糸を製造するために3本以上の糸を撚り合わせた撚数を意味する。
紡績糸の撚数は特に制限されないが、撚数をT(単位:回/2.54cm)、綿番手をS(単位:番手)とすると、K=T/√Sで表される撚係数Kは、例えば、1.5〜5、好ましくは2〜4、さらに好ましくは2.5〜3.5程度の紡績糸が、紡績糸の品質安定性、複合撚糸の製造における生産性、紡績糸の入手容易性などの点から好ましい。具体的な撚数は、例えば、200〜2000回/m、好ましくは250〜1500回/m、さらに好ましくは300〜1200回/m(特に400〜1000回/m)程度であってもよい。
紡績糸が双糸又は3本以上の合撚糸である場合は、撚糸の生産性、糸のハンドリング性、風合、紡績糸の入手容易性などの点から、それらの紡績糸の製造における最後の撚方向が、双糸または合撚糸の製造に用いた単糸の撚方向と逆方向になっているのが好ましい。さらに、紡績糸が双糸又は3本以上の合撚糸の撚りについては特に制限はないが、紡績糸の最後の撚数(双糸又は合撚糸の撚数)が、双糸又は合撚糸の製造に用いた単糸の撚数の0.3〜0.9倍(好ましくは0.4〜0.8倍)程度であるのが好ましい。
また、紡績糸の太さ(平均繊度)は、特に制限されず、10〜1200dtexの範囲から選択できるが、例えば、複合撚糸製造の円滑性や入手容易性の他、布帛に高度な伸縮力と風合いを付与する点から、例えば、40〜1000dtex、好ましくは50〜500dtex、さらに好ましくは100〜400dtex(特に120〜300dtex)程度であってもよい。綿紡績糸の場合、例えば、綿番手5〜140番、好ましくは7〜100番、さらに好ましくは10〜50番(特に15〜40番)程度であってもよく、ウール紡績糸の場合、例えば、ウール番手10〜200番、好ましくは15〜150番、さらに好ましくは20〜100番(特に30〜70番)程度であってもよい。
複合撚糸全体における紡績糸の割合は、例えば、10〜80質量%、好ましくは20〜75質量%、さらに好ましくは30〜70質量%(特に50〜70質量%)程度である。
(水不溶性フィラメント糸)
水不溶性フィラメント糸(長繊維)としては、水不溶性でゴム弾性を有さない長繊維であれば特に限定されず、例えば、前記紡績糸で例示の合成繊維、半合成繊維、天然繊維の長繊維を、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、熱処理により撚糸工程で付与された撚りの形態を保持でき、耐久性のあるキックバック性を発現できる点から、ポリプロピレンフィラメント糸、アクリロニトリル系フィラメント糸、ポリエステルフィラメント糸、ポリプロピレンフィラメント糸などの合成繊維が好ましく、ポリエステルフィラメント糸(例えば、ポリエチレンテレフタレートなどのポリC2−4アルキレンアリレートフィラメント糸など)、ポリアミドフィラメント糸(例えば、ポリアミド6などの脂肪族ポリアミドフィラメント糸など)が特に好ましい。
水不溶性フィラメント糸は、モノフィラメント糸であってもよく、マルチフィラメント糸であってもよい。マルチフィラメントの場合、複数種のフィラメント糸を組み合わせた混合フィラメント糸であってもよいが、通常、同一のフィラメント糸で構成されたマルチフィラメント糸である。マルチフィラメント糸の本数は、例えば、2〜300本、好ましくは5〜200本、さらに好ましくは6〜150本(特に10〜100本)程度である。
水不溶性フィラメント糸の太さ(平均繊度)は、特に制限されないが、例えば、10〜1000dtexの範囲から選択でき、例えば、15〜300dtex、好ましくは20〜200dtex、さらに好ましくは25〜150dtex(特に30〜100dtex)程度であり、紡績糸の風合いを損なわない点から、通常、30〜60dtexであってもよい。マルチフィラメント糸の場合、単糸繊度(平均単糸繊度)は、しなやかさ及び柔軟性の点から、11dtex以下であってもよく、例えば、0.1〜8dtex、好ましくは0.2〜7dtexさらに好ましくは0.3〜5dtex(特に0.5〜3dtex)程度である。単糸繊度の太さは用途に応じて選択でき、例えば、柔軟性や風合いが要求される場合には、単糸繊度を細くするのが有効であり、コシや張りなどが要求される場合には、単糸繊度を太くするのが有効である。
水不溶性フィラメント糸は、捲縮が有していなくてもよいが、加熱(特に、熱水による水溶性糸の溶解除去の温度)により捲縮が発現する潜在捲縮性繊維であるのが好ましい。このようなフィラメント糸であれば、水溶性糸が溶解する際に、水溶性糸が溶解した後の隙間を利用して捲縮が発現するため、水溶性糸を除去した布帛は、伸縮性に富んだ生地になり、捲縮のふくらみにより、ふっくら感に富んだ生地となる。
潜在捲縮性繊維としては、仮撚加工を施したマルチフィラメント糸、熱収縮率(又は熱膨張率)の異なる複数の樹脂で相分離構造が形成された複合繊維などが挙げられる。
マルチフィラメント糸における仮撚の方法としては、前記捲縮率の範囲となるように、慣用の方法を採用できる。例えば、繊度や材料の種類に応じて適宜選択できるが、30〜200dtex(特に30〜100dtex)/10〜30フィラメントのマルチフィラメント糸の場合、仮撚条件として、仮撚数200〜5000回/m(特に500〜4000回/m)程度、1段ヒーター温度100〜260℃(特に120〜200℃)程度、2段ヒーター温度100〜200℃(特に120〜180℃)程度、糸速100〜500m/分(特に200〜400m/分)程度であってもよい。さらに、糸条の太さを調整するために、得られた仮撚糸を、さらに数本(例えば、2〜10本、特に2〜5本)集束させてもよい。
複合繊維としては、複数の樹脂の熱収縮率(又は熱膨張率)の違いに起因して、加熱により捲縮を生じる非対称又は層状(いわゆるバイメタル)構造を有する繊維、特に、偏芯芯鞘型、並列型構造(サイドバイサイド型構造)の断面形状を有する繊維が挙げられる。例えば、ポリアルキレンアリレート系樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート)と、変性ポリアルキレンアリレート系樹脂(例えば、イソフタル酸変性ポリエチレンテレフタレート)とを組み合わせた複合繊維などが利用できる。
本発明では、このような潜在捲縮性繊維は、熱処理する前も幾分捲縮を有し、伸縮性を有しているが、熱処理することで、捲縮がさらに発現する長繊維であってもよく、このような捲縮性を表す指標として、以下の捲縮伸張率を用いる。
捲縮伸長率(%)=[(L2−L1)/L2]×100
[式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。
本発明では、水不溶性フィラメント糸は、捲縮伸長率は、例えば、5%以上であってもよく、好ましくは10%以上(例えば、10〜50%)、さらに好ましくは15%以上(例えば、15〜30%)程度であってもよい。水不溶性フィラメント糸がこのような捲縮伸長率(潜在捲縮性)を有することにより、水溶性糸の溶解除去における加熱処理によって発現した捲縮によって、織編物(布帛)に優れた風合いや柔軟性を付与できる。
水不溶性フィラメント糸は、無撚であってもよく、撚りがかかっていてもよい。撚糸の場合には、撚数は、例えば、50〜5000回/m、好ましくは80〜3000回/m、さらに好ましくは80〜1000回/m程度であってもよい。水不溶性フィラメント糸に撚りがかかっている場合、紡績糸の撚りと同一の方向であれば、複合撚糸において紡績糸との交絡が強まり、水溶性糸を溶解後に糸の伸縮性のキックバック性が向上する。一方、水不溶性フィラメント糸の撚り方向が、紡績糸の撚りと逆方向であれば、複合撚糸において紡績糸との交絡が弱まり、水溶性糸の溶解後に糸の伸縮性が大きくなる傾向があり、用途に応じて選択できる。
複合撚糸全体における水不溶性フィラメント糸の割合は、例えば、5〜50質量%、好ましくは8〜45質量%、さらに好ましくは10〜45質量%(特に10〜40質量%)程度である。
紡績糸と水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)は、例えば、前者/後者=99/1〜10/90程度の範囲から選択でき、例えば、99/1〜50/50、好ましくは97/3〜55/45、さらに好ましくは95/5〜60/40(特に90/10〜70/30)程度である。紡績糸の割合が多すぎると、糸強度が低下し、少なすぎると、布帛の風合いが低下する傾向がある。
(水溶性糸)
水溶性糸としては、親水性溶媒に対する溶解性を有していれば特に限定されないが、特に、大気圧下で、水の沸騰温度(約100℃)までの温度で水(熱水)に対して溶解する糸が好ましい。このような水溶性糸を含む複合撚糸から得られた織編物は、水溶性糸を水などの親水性溶媒で容易に溶解除去でき、取扱性などにも優れている。特に、水溶性糸としては、水溶性糸自体を単独で温度80℃以上(特に90℃以上)の熱水に浸漬して30分間放置したときに、浸漬前の水溶性糸の質量に対して、85質量%以上(特に95質量%以上)が前記熱水に溶解する水溶性糸(水不溶性の残渣が15質量%未満、特に5質量%未満である水溶性糸)が好ましい。水溶性糸の水溶解性が低いと、複合撚糸を用いて製造した織編物を水で処理しても、複合撚糸中の水溶性糸を充分に溶解除去できず、織編物に充分な伸縮性などを付与するのが困難となる。
水溶性糸を構成する繊維としては、前記水溶解性を充足する限り特に限定されないが、例えば、水可溶性樹脂で構成された繊維が使用できる。水可溶性樹脂としては、例えば、セルロース系樹脂(ヒドロキシメチルセルロースなどのヒドロキシC1−3アルキルセルロースなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系共重合体又はそのアルカリ金属塩((メタ)アクリル酸やヒドロキシル基含有(メタ)アクリル酸エステルなどのアクリル系単量体で構成された単位を含む共重合体など)、水溶性ポリアミド系樹脂(ポリオキシエチレン単位を有するポリアミドや、スルホン酸基やヒドロキシル基などを導入したポリアミドなど)、水溶性ポリエステル系樹脂(ポリオキシエチレン単位を有するポリエステルや、スルホン酸基やアミノ基などを導入したポリエステルなど)などが挙げられる。これらの水可溶性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらのうち、ポリビニル系樹脂、特に、繊維強力、水(熱水)への高い溶解性、生分解性、入手容易性などの点から、水可溶性ポリビニルアルコール系樹脂が好ましい。一般に、水可溶性ポリビニルアルコール系樹脂は、熱分解温度と溶融開始温度とが近接しているため、溶融紡糸が不可能である。従って、本発明では、溶融紡糸可能な水可溶性ポリビニルアルコール、例えば、重合度を200〜800(特に250〜500)程度に低下させ、かつオレフィン類(特にエチレンなどのα−C2−10オレフィンなど)を3〜20モル%(特に3〜15モル%)程度共重合させたポリビニルアルコール系樹脂(特に、エチレン−ビニルアルコール共重合体)が好ましく使用される。水可溶性ポリビニルアルコール系樹脂で構成された繊維は、例えば、水溶性ビニロンなどとして市販されている。
水溶性糸は、水溶性である限りは、紡績糸であってもよく、フィラメント糸(長繊維)であってもよい。親水性溶媒で溶解除去し易い点からは、フィラメント糸が好ましい。フィラメント糸を用いると、水溶性糸の混率の低い複合撚糸を用いて得られた織編物であっても、水などの親水性溶媒で水溶性糸を速やかに除去できる。
水溶性糸の太さは、例えば、15〜200dtex、好ましくは20〜150dtex、さらに好ましくは25〜100dtex(特に30〜80dtex)程度である。水溶性糸の太さがこの範囲にあると、生産性が高く、紡績糸などの他の糸との撚り合わせも容易にできる。また、複合撚糸の強力を向上でき、紡績毛羽も低減できる。また、親水性溶媒による溶解除去を容易にできるとともに、溶解除去した後の生地にキックバック性の高い伸縮性を付与できる。
本発明では、複合撚糸における除去用糸(織編物にした後に除去する糸)として、アルカリや酸に溶解又は分解する糸ではなく、水などの親水性溶媒に溶解する糸(水溶性糸)を使用した理由としては、織編物を形成している複合撚糸の一部をアルカリや酸で除去した場合は、複合撚糸を構成している紡績糸や水不溶性フィラメント糸の変質や分解を生ずる恐れがあり、水などの親水性溶媒(特に水)で処理した場合には、紡績糸や水不溶性フィラメント糸の変質や分解を生ずる恐れがないことが挙げられる。このような水溶性糸を使用することにより、複合撚糸を構成する紡績糸及び水不溶性フィラメント糸として広範囲の種々の糸を使用できる。すなわち、本発明では、複合撚糸を構成する紡績糸及び水不溶性フィラメント糸として、水などの親水性溶媒に溶解しない糸である限りは、アルカリや酸によって溶解又は分解し易い糸であっても使用することができ、複合撚糸を構成する紡績糸及び水不溶性フィラメント糸の種類や選択の幅が広がり、ひいては複合撚糸から形成される織編物の種類、特性、風合を色々なものにすることができる。特に、水溶性糸として、水可溶性ポリビニルアルコール系樹脂で構成された繊維を用いると、その高い生分解性により、溶解後の廃液を微生物などにより分解除去できる。
複合撚糸全体における水溶性糸の割合は、例えば、5〜75質量%、好ましくは8〜50質量%、さらに好ましくは10〜40質量%(特に10〜30質量%)程度である。
紡績糸及び水不溶性フィラメント糸の総量と、水溶性糸との割合(質量比)は、例えば、97/3〜50/50(例えば、95/5〜50/50)、好ましくは95/5〜60/40、さらに好ましくは93/7〜70/30(特90/10〜に80/20)程度である。
各糸の割合が前記範囲にあると、織編物中の水溶性糸を溶解除去後に十分に紡績糸が自由に動ける隙間を形成できるとともに、溶解後の生地の安定性も確保できる。さらに、撚糸状態において、紡績糸が水不溶性フィラメント糸、水溶性糸の外側を占めるとともに、水溶性糸が溶解した後も、水不溶性フィラメント糸の外側を紡績糸が占めることができ、布帛の風合いを向上できる。
さらに、水溶性糸が除去された複合撚糸を含む織編物(布帛)のキックバック性を向上するためには、上撚が適度に撓む必要がある。本発明では、そのような上撚の撓みを発生させる空隙を形成し、かつ目寄れなどの形態安定性も確保するために、複合撚糸において水溶性糸が所定の空間を占めるのが好ましい。このような観点から、紡績糸及び水不溶性フィラメント糸の合計繊度と、水溶性糸の繊度との比率は、例えば、前者/後者=97/3〜50/50(例えば、95/5〜50/50)、好ましくは95/5〜60/40、さらに好ましくは93/7〜70/30(特90/10〜に80/20)程度である。
(複合撚糸の製法及び撚り特性)
本発明の複合撚糸において、紡績糸、水不溶性フィラメント糸、水溶性糸の本数(糸本数)は、撚糸機のクリル本数の制限、品質管理の点から、紡績糸が1〜3本(好ましくは1〜2本)、水不溶性フィラメント糸が1〜2本(好ましくは1本)、水溶性糸が1〜2本(好ましくは1本)であり、通常、紡績糸1本、水不溶性フィラメント糸1本及び水溶性糸1本を撚り合わせて(上撚をかけて)複合撚糸が形成される。紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせる際の撚糸機の種類も、特に制限されず、例えば、ダブルツイスター、リングツイスター、アップツイスターなどの汎用の撚糸機を使用できる。
本発明の複合撚糸では、複合撚糸の撚り方向(紡績糸と水不溶性フィラメント糸と水溶性糸との撚り合わせにおける撚り方向)(上撚)が、複合撚糸を構成する紡績糸の撚り方向(下撚)と同一方向である。撚糸を製造する場合、上撚の撚方向は、下撚の撚方向の逆方向にするのが一般的であるが、本発明では、複合撚糸にトルクを持たせるために、同一方向とする。本発明では、トルクを有する複合撚糸を含む織編物において、水溶性糸を溶解除去した後に隙間が発生することによりキックバック性を有する伸縮性が発現する。このような伸縮性は、複合化された撚りによるトルクに基づいているため、繰り返し伸縮してもキックバック性が低下せず、耐久性を有している。
複合撚糸において、複合撚糸の撚数(上撚の数)と紡績糸の撚数(下撚の撚数)との比率は、下撚の撚数に対する上撚の撚り数の比(上撚/下撚)は0.3〜2倍程度の範囲から選択でき、例えば、0.3〜1.8倍、好ましくは0.4〜1.5倍、さらに好ましくは0.5〜1.3倍程度である。本発明では、上撚と下撚との撚り数の比をこの範囲(特に0.5〜2倍程度)にすることにより、紡績糸のトルクと撚糸のトルクとのバランスに優れ、製編織性及び布帛のキックバック性のいずれも向上できる。一方、下撚の撚りが小さすぎると、バネの役目をする紡績糸のトルクが十分に与えられないため、この糸を用いて作製した織編物の水溶性糸を溶解除去しても、キックバック性の高い伸縮性は得るのは困難である。また、下撚の撚りが大きすぎると、糸切れなどのトラブルで撚糸工程の生産性が低下したり、得られた撚糸の強度が低く、織編工程に支障を及ぼす場合がある。さらに、上撚による糸のトルクが強すぎて、撚糸工程、織編工程の生産性が低下する場合もある。
複合撚糸の撚数(上撚の撚数)は、紡績糸の撚数との比率が前記範囲にあればよいが、例えば、50〜3000回/m、好ましくは100〜2000回/m、さらに好ましくは200〜1500回/m(特に300〜1000回/m)程度であってもよい。
なお、複合撚糸において、「複合撚糸の撚数」(上撚の撚数)とは、紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を撚り合わせた撚数であり、実際には撚糸工程時の設定撚数に準じた値となる。
[織編物(布帛)]
本発明の織編物(布帛)は前記複合撚糸を用いて得られるが、複合撚糸はトルクを有しており、トルクが強すぎる場合には、織編工程を円滑に行うために、熱処理工程を設けてトルクを減少させてもよい。熱処理温度は、紡績糸、水不溶性フィラメント糸、水溶性糸の種類、複合撚糸のトルクの強さなどに応じて適宜選択できる。ポリエステル繊維やポリアミド繊維などの合成繊維の場合には、熱処理によりトルクが減少し易く、熱処理工程を設けることにより織編工程の通過性が向上する。熱処理温度は、例えば、合成繊維を構成する合成樹脂の融点又は軟化点よりも5℃以上低い温度、例えば、10〜100℃(特に20〜80℃)程度低い温度あってもよい。
本発明の織編物(布帛)は、種類や組織の内容などは特に制限されず、例えば、織物(平織り、斜文織り、繻子織りなど)や、編物(機械編み、かぎ針編み、棒針編み、アフガン編み、レース編みなど)などであってもよい。本発明の複合撚糸は糸強力も高いため、例えば、高速(例えば、織速度又は編速度0.05m/分以上)の織機や編機により織編物を製造しても糸切れなどのトラブル発生しないため、生産性が高い。
本発明の織編物は少なくとも前記複合撚糸を用いて製造され、目的とする織編物の種類や用途(要求される伸縮の程度など)に応じて、前記複合撚糸の使用割合を調節することができる。織編物に対する複合撚糸の使用割合は、織編物の全質量に対して、例えば、複合撚糸が10質量%以上であってもよく、例えば、15〜100質量%(例えば、20〜100質量%)、好ましくは25〜100質量%以上(例えば、30〜100質量%)、さらに好ましくは35〜100質量%(特に40〜100質量%)程度である。さらに、織物の緯糸のみに使用する場合など、織編物の一部に複合撚糸を使用してもよく、その場合、複合撚糸の割合は、織編物の全質量に対して、例えば、10〜80質量%、好ましくは20〜70質量%、さらに好ましくは30〜60質量%程度であってもよい。なお、後述するように、水溶性糸は親水性溶媒で抽出除去されるが、織編物中における複合撚糸の前記割合は、水溶性糸を含む値である。複合撚糸の割合が低すぎると、水溶性糸を除去しても、キックバック性の高い伸縮力を有する布帛が得られ難い。
さらに、織物の場合、経糸及び/又は緯糸の全部又は一部を複合撚糸で構成してもよい。特に、経糸及び緯糸のいずれかを複合撚糸で構成することにより、打ち込み本数の調整により伸縮性及び嵩高性(柔軟性)を容易に制御できる。糸密度(打ち込み本数)は、例えば、経糸及び緯糸ともに150〜250dtex(特に180〜220dtex)程度の糸を用いた場合、経密度は、例えば、20〜40本/cm、好ましくは22〜38本/cm、さらに好ましくは25〜35本/cm程度としてもよい。一方、緯密度は、例えば、15〜35本/cm、好ましくは18〜30本/cm、さらに好ましくは20〜38本/cm程度としてもよい。このような糸密度で織物を構成し、かつ緯糸又は経糸として、複合撚糸を使用すると、特定の方向にキックバック性の高い伸縮性を有する布帛を製造できる。さらに、緯糸として複合撚糸を使用し、かつ経糸としてレギュラー糸を使用すると、織物の生産性に優れている。
[伸縮性織編物(布帛)及びその製造方法]
本発明では、複合撚糸を用いて製造した織編物から、複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒で抽出除去することにより、高い伸縮性を有する布帛(伸縮性布帛)が得られる。親水性溶媒としては、水の他、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ケトン類(アセトンなど)、エーテル類(テトラヒドロフランなど)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブなど)、カルビトール類(カルビトール、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど)などが挙げられる。これらの親水性溶媒は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの親水性溶媒のうち、水、エタノールなどのC1−3アルコール類、アセトンなどのケトン類、水と他の親水性溶媒との混合溶媒などが好ましく、通常、水が使用される。
水溶性糸を抽出(溶解除去)する方法は、特に限定されないが、簡便な方法で水溶性糸を効率よく除去できる点から、高温の親水性溶媒に浸漬する方法であってもよい。親水性溶媒として水を用いる場合、抽出水は中性であってもよく、アルカリ又は酸性水溶液であってもよい。また、界面活性剤などを添加した水溶液であってもよい。
抽出処理温度は、水溶性糸を構成する繊維の種類や溶媒に対する溶解度、糸の形態や太さなどに応じて調節できるが、例えば、熱水を用いて水溶性ポリビニルアルコール系繊維で構成された水溶性糸を抽出する場合には、例えば、急激に溶解が開始する温度(溶解温度)以上の温度(特に、溶解温度よりも10〜20℃程度高い温度)で処理するのが好ましい。このような温度で処理すると、水溶性糸を短時間で速やかに織編物から除去できる。処理温度が低すぎると、水溶性糸の抽出性が十分でなく、生産性が低下する。また、処理温度が高すぎると、水溶性糸の溶解時間が極端に短くなるとともに、織編物の品質も低下し易い。
親水性溶媒の割合は、織編物に対して2倍(質量基準)以上であり、例えば、2〜1000倍、好ましくは3〜100倍、さらに好ましくは5〜50倍程度である。親水性溶媒の量が少なすぎると、水溶性糸の除去が不十分となる。なお、抽出除去が不十分な場合には、水溶性糸を含まないフレッシュな親水性溶媒を用いて、再度親水性溶媒浴中で水溶性糸を抽出除去してもよい。
抽出処理時間についても、目的や使用する装置、処理温度に応じて適宜調整が可能であるが、生産効率、安定性、得られる織編物の品質・性能などを考慮すると、例えば、1〜300分間、好ましくは3〜200分間、さらに好ましくは5〜100分間(特に10〜60分間)程度である。
水溶性糸を抽出処理した後の織編物(布帛)は自然乾燥してもよいが、布帛の風合いや通気性を向上させる点から、加熱して乾燥するのが好ましい。乾燥温度は、織編物を構成する繊維の種類などに応じて適宜選択でき、例えば、60℃以上、好ましくは80〜300℃、さらに好ましくは100〜200℃(特に120〜160℃)程度である。乾燥時間は、例えば、0.5分〜24時間、好ましくは1分〜10時間、3分〜1時間程度である。
なお、このような親水性溶媒による処理は、生産工程の円滑性、織編物の品質の点から、織編物を染色したり、織編物に樹脂を付着する工程の前に行うのが好ましい。染色工程や樹脂付着工程中またはこれらの工程の後に水溶性糸の抽出処理を行うと、染色工程や樹脂付着工程に支障を与えるとともに、水溶性糸の除去が充分に行われなくなる。
本発明の織編物(布帛)には、必要に応じて、安定剤(熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、微粒子、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などの添加剤が含まれていてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、複合撚糸を構成する各糸、複合撚糸、織編物のいずれに含まれていてもよい。
このようにして得られた伸縮性布帛は、紡績糸と水不溶性フィラメント糸との複合撚糸を含む。この複合撚糸は布帛製造前の原料撚糸と比べて水溶性糸が除去されているが、紡績糸の撚り(上撚)と複合撚糸の撚り(下撚)との関係は、水溶性糸の除去前と同様に、上撚と下撚との撚り方向が同一方向であり、両者の比率も水溶性糸除去前の比率を維持している。すなわち、上撚と下撚との撚り数比(上撚/下撚)は0.3〜2倍程度の範囲から選択でき、例えば、0.3〜1.8倍、好ましくは0.4〜1.5倍、さらに好ましくは0.5〜1.3倍程度である。但し、水溶性糸の除去により、紡績糸と水不溶性フィラメント糸の間に空隙が生じるため、上撚の撚りにおいて撓みが発生し、布帛の伸縮性及びキックバック性を発現している。
本発明の伸縮性布帛は、前述のような作用により、キックバック性の高い伸縮力を有しており、布帛の少なくとも一方向(複合撚糸の長さ方向、例えば、織物の緯糸のみを複合撚糸で構成した場合、織物の緯方向)において、優れた伸長率及び回復率を示す。具体的には、伸長率は15%以上を示し、例えば、15〜50%、好ましくは18〜40%、さらに好ましくは20〜30%程度である。回復率は50%以上を示し、例えば、50〜99%、好ましくは60〜98%、さらに好ましくは70〜95%(特に75〜90%)程度である。なお、伸長率及び回復率は、下記式で示される。
伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
[式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
[式中、L1は、前記に同じであり、
L3は、長さL2を測定後、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例において、織物(平織生地)の伸長率及びキックバック性は次のようにして測定した。
[水不溶性フィラメント糸の捲縮伸長率]
検尺機で0.044cN/デシテックスの張力下で11110dtexの輪奈状カセ(全長50cm)を作製した。得られたカセの輪奈に金棒を通し、金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて初荷重をかけ、空気中(25℃、65%RH)で5分間放置した。その後、金棒を水平にした状態で90℃の恒温水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理した。次いで、恒温水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外した。さらに、10gの重りを取り外して荷重を除き、紙の水分を紙に吸収させた後、室温(25℃)で4時間乾燥した。乾燥後のカセに対して、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて空気中(25℃、65%RH)で5分間放置し、カセの全長(cm)を測定した。この長さをL1とした。
さらに、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて空気中(25℃、65%RH)で5分間放置し、カセの全長(cm)を測定した。この長さをL2とした。L1及びL2から、下記式に基づいて、捲縮伸長率を求めた。
捲縮伸長率(%)=[(L2−L1)/L2]×100。
[織物の伸長率及び回復率(キックバック性)]
得られた平織生地から、長さ15cm及び幅2.5cmの寸法で試験片を切り取った。切り取った試験片の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付けて、重りを付けた端部を下にして試験片を垂直に吊してその状態で1分間放置し、そのときの試験片の長さ(L1)を測定した。
次いで、前記5gの重りを試験片の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊してその状態で3分間放置し、そのときの試験片の長さ(L2)(cm)を測定して、下記式から平織生地の経方向の伸長率(%)を求めた。
伸長率(%)={(L2−L1)/L1}×100
長さ(L2)を測定後、前記300gの重りを布帛の端部から取り去り、試験片を平らなところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊してその状態で1分間放置し、そのときの試験片の長さ(L3)(cm)を測定して、下記式から平織生地の経方向の回復率(%)を求めた。
回復率(%)={(L3−L1)/L1}×100
伸長率及び回復率(キックバック性)は、平織生地の経方向及び緯方向について測定した。すなわち、経方向では、生地の経方向が長さ方向となるように切り取った試験片で測定し、緯方向では、生地の緯方向が長さ方向となるように切り取った試験片で測定した。
(実施例1)
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z600回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。
得られた複合撚糸から所定長(1m)の糸を切り取って、試料糸とし、その試料糸の上撚を解除して、紡績糸と長繊維と水溶性糸との3種類の糸に分離し、分離したそれぞれの糸の質量を測定し、その測定結果から複合撚糸におけるそれぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=70/11/19であった。
得られた複合撚糸を経糸及び緯糸として使用して、経23本/cm、緯18本/cmの平織生地を製織した(平織生地における複合撚糸の混率100質量%)。得られた平織生地を、90℃の熱水中に15分間浸漬して(浴比(水に対する生地の比率)=1:10)、生地を形成している複合撚糸中の水溶性糸を溶解除去し、次いで生地を水から取り出して80℃の熱水で洗浄した後、120℃で乾燥した。得られた生地の経方向及び緯方向の伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向19%及び緯方向22%、回復率は経方向75%及び緯方向75%であり、経緯両方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
(実施例2)
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製)を経糸として使用し、実施例1で得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率45質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向23%、回復率は経方向65%及び緯方向78%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
(参考例1)
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製)を経糸として使用し、実施例1で得られた複合撚糸と前記ウール双糸とを、緯糸として複合撚糸:ウール双糸=1:4(本数比)で使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率9質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向15%であり、伸縮性に劣る生地であった。
(実施例3)
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=70/11/19であった。
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率45質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向26%、回復率は経方向65%及び緯方向80%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
(参考例2)
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z200回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=70/11/19であった。
ウール双糸(ウール番手60番、日本毛織(株)製」)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経25本/cm、緯22本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率45質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向18%、回復率は経方向65%及び緯方向60%であり、緯方向にキックバック性を有していた。
(参考例3)
ウール紡績糸(Z撚:600回/m、ウール100%、ウール番手48番、日本毛織(株)製)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1400回/mとなるように撚糸し、複合撚糸を作成しようとしたが、糸切れが多く撚糸が困難であった。
(実施例4)
綿紡績糸(Z撚:600回/m、綿100%、綿番手20番、都築紡績(株)製、「TS20単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:20%、84デシテックス/36フィラメント、帝人ファイバー(株)製、「テトロン」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z400回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=68/19/13であった。
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経23本/cm、緯18本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率40質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向22%、回復率は経方向35%及び緯方向83%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
(参考例4)
綿紡績糸(Z撚:1500回/m、綿100%、綿番手120番、Royal Textile Mills Ltd.(インド)社製、「Royal 120」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:10%、33デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「クラベラ」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、390デシテックス/84フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=10/7/83であった。
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経23本/cm、緯17本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率40質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理したが、得られた生地は安定性が低く、目寄れの起きやすい生地であった。
(参考例5)
綿紡績糸(Z撚:700回/m、綿100%、綿番手30番、都築紡績(株)製、「TS30単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:22%、333デシテックス/96フィラメント、LEALEA(台湾)社製)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、Z900回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=34/57/9であった。
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経23本/cm、緯14本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率40質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向25%、回復率は経方向35%及び緯方向80%であったが、ポリエステル長繊維の混率が高いため、紡績糸が生地の表面を占める割合が少ないためか、綿風合いが不十分な生地であった。
(実施例5)
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、実施例4で得られた複合撚糸と綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)とを、緯糸として、複合撚糸:綿双糸=1:1(本数比)で使用して、経23本/cm、緯18本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率21質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向20%、回復率は経方向35%及び緯方向80%であり、緯方向に良好な伸縮性とキックバック性を有していた。
(比較例1)
綿紡績糸(Z撚:600回/m、綿100%、綿番手20番、都築紡績(株)製、「TS20単糸」)、ポリエステル長繊維(捲縮伸張率:25%、84デシテックス/36フィラメント、帝人ファイバー(株)製、「テトロン」)、ビニルアルコール系水溶性糸(80℃の水に溶解する糸、56デシテックス/12フィラメント、(株)クラレ製、「水溶性ビニロン」)の3種の糸を、ダブルツイスター(村田機械(株)製、「36M」)を用いて、S1000回/mとなるように上撚をかけて撚糸し、複合撚糸を作製した。実施例1と同様にして、それぞれの糸の質量比を求めたところ、紡績糸/長繊維/水溶性糸=68/19/13であった。
綿双糸(綿番手30番、都築紡績(株)製)を経糸として使用し、得られた複合撚糸を緯糸として使用して、経23本/cm、緯18本/cmの平織生地を製織した(複合撚糸の混率40質量%)。この生地を実施例1と同様に溶解除去及び乾燥処理し、伸長率及び回復率を測定したところ、伸長率は経方向10%及び緯方向23%、回復率は経方向35%及び緯方向45%であり、緯方向は良好な伸縮性を有するものの、キックバック性は充分ではなかった。
実施例1〜5、参考例1〜5の及び比較例1結果を表1に示す。
本発明は、キックバック性の高い伸縮力を有しているため、衣料(紳士衣料、婦人衣料、スポーツ衣料、肌着、ファンデーションなど)、医療材料(弾性包帯など)、車輌用材料(車輌内装材など)、工業資材(ベルトコンベア用生地など)などに有効に利用できる。

Claims (9)

  1. 紡績糸、水不溶性フィラメント糸及び水溶性糸を、前記紡績糸の撚り方向と同一の方向に撚り合わせた複合撚糸。
  2. 複合撚糸の撚数が、紡績糸の撚数に対して0.3〜2倍である請求項1記載の複合撚糸。
  3. 紡績糸及び水不溶性フィラメント糸の総量と、水溶性糸との割合(質量比)が、前者/後者=95/5〜50/50であり、紡績糸と水不溶性フィラメント糸との割合(質量比)が、前者/後者=99/1〜50/50である請求項1又は2記載の複合撚糸。
  4. 紡績糸が単糸、複数の単糸を引き揃えた糸、双糸又は合撚糸であり、
    水不溶性フィラメント糸が、ゴム弾性を有さず、かつ下記に示す捲縮伸長率が5%以上のフィラメント糸であり、
    水溶性糸が、水溶性のフィラメント糸である請求項1〜3のいずれかに記載の複合撚糸。
    捲縮伸長率(%)=(L2−L1)/L2×100
    [式中、L1は、検尺機で0.044cN/dtexの張力下で作製した11110dtexの輪奈状カセの輪奈に金棒を通して金棒を水平にした状態でカセの下端部に10gの重りを取り付けて5分間放置後、金棒を水平にした状態で90℃の水槽内にカセを浸漬して30分間加熱処理し、次いで、水槽からカセを引き上げて10gの重りを取り外し、乾燥後、再度10gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示し、
    L2は、カセの全長L1を測定後、カセから10gの重りを取り外し、代わりに1000gの重りをカセの下端部に取り付けて5分間放置したときのカセの全長を示す]。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の複合撚糸を含む織編物。
  6. 複合撚糸の割合が20質量%以上である請求項5記載の織編物。
  7. 請求項5又は6記載の織編物から、織編物を構成する複合撚糸中の水溶性糸を親水性溶媒に溶解させて除去する布帛の製造方法。
  8. 請求項7記載の方法により得られた布帛。
  9. 紡績糸及び水不溶性フィラメント糸を撚り合わせた複合撚糸を含み、かつ下記に示す伸長率及び回復率が、それぞれ15%以上及び50%以上である布帛であって、前記複合撚糸の撚りが撓みを有し、前記複合撚糸の撚り方向が前記紡績糸の撚り方向と同一方向であり、かつ前記複合撚糸の撚数が、前記紡績糸の撚数に対して0.5〜2倍である布帛。
    伸長率(%)=[(L2−L1)/L1]×100
    [式中、L1は、長さ15cm及び幅2.5cmの布帛の長さ方向の一方の端部の中央(幅方向の中央)に5gの重りを取り付け、重りを付けた端部を下にして布帛を垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示し、
    L2は、長さL1を測定後、5gの重りを布帛の端部から取り去り、代わりに300gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で3分間放置したときの布帛の長さを示す]
    回復率(%)=[(L3−L1)/L1]×100
    [式中、L1は、前記に同じであり、
    L3は、長さL2を測定後、300gの重りを布帛の端部から取り去り、布帛を平坦なところに5時間放置し、その後、5gの重りを同じ箇所に取り付けて垂直に吊した状態で1分間放置したときの布帛の長さを示す]
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