JP3665427B2 - シート状気密部材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば建築などの分野で使用し、床などの開口と配管の間、出隅・入隅部、窓廻り、柱・梁廻り、壁材と壁材の間、壁材と天井材の間など、構造物中で角度を有して隣接する部材間の境界部分における気密性・水密性を高める目的で使用されるシート状気密部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
住宅などの建築分野において、床などの開口と配管の間、出隅・入隅など構造物中で角度を有して隣接する部材間の境界部分における気密性・水密性を高める目的で、片面あるいは両面に粘着剤層を形成した発泡体の打ち抜き品、基材の片面に粘着剤層を形成した粘着シートあるいはマットなどが用いられている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、気密すべき部位の形状は様々であり、打ち抜き品や成型品を用いる場合には住宅一棟についても様々な形状のものを複数用意する必要があり、また住宅仕様によってもその数もまちまちであって管理することは容易ではない。
また、粘着シートや粘着マットを作業現場にて各部位の形状に合わせて切断・貼り付けなどすることは作業現場の負担が増す。 更に、粘着シートやマットを重ね貼りすることは、外観的な問題もあり、仕上げの困難さを招いて得策ではない。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、気密すべき部位の形状にかかわらず、単一の部材にて、容易にかつ仕上がりが美的に気密・水密できる部材を提供することを目的とする。
本発明者らは鋭意研究した結果、気密すべき部位の形状は様々であるが、更にその形状を詳細に分析すると、構造物中で角度を有して隣接する部材は概ね2つの部材であり、かつテープ貼りした仕上がり形状を想定すると、一つの部材には通常の状態で貼り付けられ、もう一方の部材には伸ばされた状態で貼り付けることができれば、浮き等が生じることなく気密・水密構造を取りうることを見いだした。 特にこの場合、もう一方の部材に伸ばされて貼り付けられるには、横方向のみに伸びることで殆どの目的に合致し、さらに縦方向に伸びにくければ、反って作業性の面では優れることが分かった。 即ち、一つの部材に予め通常の状態でシートの一部分を貼り合わせ、しかる後にもう一つの部材に伸ばしながら貼るためには、シートが一方向のみ伸びやすくなっていることが好ましい。
【0005】
このような目的に合致するシート状気密部材として、本発明は伸長性基材の片面に粘着剤層が設けられた伸長性粘着シートであって、伸長性基材と粘着剤層との積層体の一方向の10%モジュラスが0.02〜0.40kgf/cm、他方向の10%モジュラスが0.70kgf/cm以上であり、前記一方向と他方向の10%モジュラスの差が1.00kgf/cm以上であることを特徴とする一方向に易伸性を有するシート状気密部材を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、図面に従い本発明を更に具体的に説明する。図1は、本発明の実例を示す断面図、図2は斜視図であり、一方向に伸びやすい伸長性基材1の片面に粘着剤層2が設けられ、この粘着剤層2は剥離ライナー3で被覆されている。 本発明においては上記伸長性基材1と粘着剤層2の積層体Aの一方向の10%モジュラスが0.02〜0.40kgf/cm、他方向(上記一方向と略直交方向)の10%モジュラスが0.70kgf/cm以上であり、前記一方向と他方向の10%モジュラスの差が1.00kgf/cm以上とされている。
【0007】
積層体Aの一方向(易伸方向)の10%モジュラスが0.02kgf/cm未満の場合は、シートとしての安定性が低下し作業性を損ねるという問題があり、一方0.40kgf/cmを超える場合は、シートを伸ばしながら貼る際に作業性が悪い上に、貼り付け後にシートに残留応力が発生し、経時でシートが剥がれるなどの不都合を生じるという問題がある。 さらに作業性などの観点からは特に0.03〜0.10kgf/cmの範囲が好ましい。
【0008】
また積層体Aの他方向(難伸方向)の10%モジュラスが0.70kgf/cm未満の場合は、シートの易伸方向との差が小さくなって作業性に劣るという問題がある。 本発明においては特に1.00kgf/cm以上が好ましい。特に作業性の観点からは、上記易伸方向と難伸方向の10%モジュラスの差を1.00kgf/cm以上とすることが必要である。なお、この10%モジュラスの値は、後述の実施例に記載した方法により得られるものである。
【0009】
上記積層体Aからなるシートにこのように易伸方向と難伸方向を付与し、それぞれ特定の10%モジュラスの関係を有するようにするためには、上記粘着剤層2単独で方向性をもたせるのは困難であるため、後述の如く易伸方向と難伸方向が存在する伸長性基材1を積層する必要がある。
【0010】
このように易伸方向と難伸方向が存在する伸長性基材1の具体例としては、後述の粘着剤層2との積層体Aが上述の如く特定の物性および機能を有する限り特に限定されないが、例えば一軸延伸のプラスチックフィルム、不織布などを用いることができ、特にポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステルなどの不織布を用いれば、このような特性を示すことができかつシートが伸ばされた状態での残留応力も少なくなり好ましいものである。 なお、不織布などの伸長性基材単体での10%モジュラスは、易伸方向が0.01〜0.30kgf/cm、難伸方向が0.50kgf/cm以上であることが好ましい。 また、この伸長性基材1の厚さも、積層体Aが上述の如く特定の物性および機能を有する限り特に限定されるものではないが、通常0.10〜1.00mmの範囲とされる。
【0011】
積層体Aの10%モジュラスは、上記伸長性基材1に依存することが大であるため、伸長性基材1の片面に積層される粘着剤層2の具体例としては、積層体Aが前記の如く特定の物性および機能を有する限り特に限定されず通常使用されているものを用いることができ、被着体の材質などに応じて適宜選択すればよく、例えばブチルゴム系、ゴムアス系、アクリル系、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)系、天然ゴム(NR)系、ニトリルゴム(NBR)系、それらのブレンド系などのゴム系粘着剤、あるいはシリコーン系粘着剤などが挙げられる。 本発明においては、特に気密・水密性の観点から、ブチルゴム系、ゴムアス系粘着剤が好ましい。 また、上記粘着剤には必要に応じて、架橋剤、粘着付与剤、老化防止剤、安定剤、充填剤、顔料などの公知の添加剤を配合することもできる。
また、厚みは特に限定されないが、通常0.30〜1.50mmの範囲が好ましい。 厚みが薄すぎる場合は、このシートは伸ばされて使用されるため、薄い部分では本来の目的である気密性が失われる恐れがあり、一方厚すぎる場合は、重ね合わせて使用した際には重なり部での段差が大きくなり外観上好ましくない場合がある。
【0012】
また、本発明において必要に応じて用いられる剥離ライナー3は、粘着剤層2の表面を保護し、かつその粘着面を露出させる際には剥離可能な構造を有するものであれば特に限定されず、従来から用いられているものが使用される。 このような剥離ライナーとしては、例えば、紙、プラスチックフィルムなどの基材の片面もしくは両面に長鎖アルキル系、シリコーン系などの剥離層を形成したものが挙げられる。 上記基材の強度も巻き戻しの際に破れない程度の強度を有する限り特に制限されない。 また、剥離ライナーの厚みは、剥離ライナーを剥がす際の作業性が困難なものでなければ特に限定されないが、好ましくは5〜200μm、さらに好ましくは20〜150μmである。
【0013】
上記剥離ライナーには更に作業性を向上させる目的で、切割線4を設けることも好ましい。 このように切割線を設けることにより、まず一方の剥離ライナーを剥がして隣接する一方の部材に伸長性粘着シートの一部を貼り付け、その後に残りの剥離ライナーを剥がして他方の部材に該シートの残部を伸ばしながら貼れば、作業性も良く仕上がりも美麗となすことができる。
【0014】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。 なお、10%モジュラスは、JIS K 6301に準じた引張り試験(引張り速度500mm/min)において、10%伸長時の荷重により得た。
実施例1
30g/m2目付けの片伸長性ポリエステル不織布(0.3mm厚)を基材とし、1.0mm厚のブチルゴム系粘着剤と貼り合わせ、かつ粘着剤層を剥離ライナー(紙基材の片面にシリコーン系剥離剤を塗布したもの)で被覆して、本発明のシート状気密部材を得た。
なお、この片伸長性ポリエステル不織布の一方向の10%モジュラスは0.02kgf/cmであり、他方向の10%モジュラスは1.00kgf/cmであった。
【0015】
実施例2
90g/m2目付けの片伸長性ポリエステル不織布(0.5mm厚)を基材とした以外は実施例1と同様にして、本発明のシート状気密部材を得た。
なお、この片伸長性ポリエステル不織布の一方向の10%モジュラスは0.04kgf/cmであり、他方向の10%モジュラスは4.00kgf/cmであった。
【0016】
比較例
厚さ30μmのLDPE(低密度ポリエチレン)フィルムを基材とした以外は実施例1と同様にして、シート状気密部材を得た。 このLDPEフィルムの10%モジュラスは両方向共に0.50kgf/cmであった。
【0017】
これら実施例及び比較例で得たシート状気密部材を図2の如く加工し、剥離ライナーを剥がした状態での10%モジュラス、そして実際の柱廻り(図3)に装着した際の作業性、外観、気密性、および保存性について、以下の基準で評価した結果を表1に示した。
【0018】
【表1】
【0019】
〔作業性〕
◎ コーナー部の処理が容易で、かつ力を必要としない
○ 通常の作業の範囲内でコーナー部などの処理ができる
× 不必要な方向にも伸びるため、作業性に劣る
【0020】
〔外観〕
◎ コーナー部の仕上がり、ラップ部の仕上がりともに美麗である
○ 直線及びコーナー部の仕上がりは美麗である
× 特にコーナー部において端面が波形の仕上げとなる
【0021】
〔気密性〕
○ 貫通部からのすきま風の侵入がない
【0022】
〔保存性〕
○ 装着後80℃×720時間の保存にて、剥がれが発生しない
△ 装着後80℃×720時間の保存にて、残留応力による剥がれが発生。
【0023】
【発明の効果】
本発明は、気密すべき部位の形状にかかわらず、単一の部材にて、任意にかつ容易に伸長しながら貼り付けることが可能であり、容易にかつ仕上がりが美的に気密・水密できるという利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート状気密部材の実例を示す断面図である。
【図2】本発明のシート状気密部材の実例を示す斜視図である。
【図3】本発明のシート状気密部材の使用例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 伸長性基材
2 粘着剤層
3 剥離ライナー
4 切割線
A 積層体
Claims (3)
- 伸長性基材の片面に粘着剤層が設けられた伸長性粘着シートであって、伸長性基材と粘着剤層との積層体の一方向の10%モジュラスが0.02〜0.40kgf/cm、他方向の10%モジュラスが0.70kgf/cm以上であり、前記一方向と他方向の10%モジュラスの差が1.00 kgf/cm 以上であることを特徴とする一方向に易伸性を有するシート状気密部材。
- 伸長性基材が伸長性不織布であることを特徴とする請求項1記載のシート状気密部材。
- 粘着剤層がブチルゴム系またはゴムアス系粘着剤であることを特徴とする請求項1記載のシート状気密部材。
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1996
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