JP3665113B2 - レーザー光線硬化型レジストを使用したパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザー光線硬化型レジストを使用した、レジストパターン形成方法及び導電性皮膜パターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
従来、導電性皮膜パターン(導体回路)を形成するためには、感光性レジストを塗布した基板に、パターン状に露光して硬化し、ついで現像により未露光部の除去を行ってレジストパターンを形成した後、エッチングにて露出した不要部分の導電性皮膜を除去し、さらに残存レジストを除去している。
【0003】
感光性レジストをパターン状に硬化させる方法としては、フォトマスクを介して紫外線などの活性光線を露光する方法、レーザー光線によりレジストをパターン状に直接描画する方法が挙げられる。
【0004】
フォトマスクを介して露光する方法においては、一般に数十〜数百mj/cm2 の照射量であるため高出力の光源を必要とし、しかもエネルギー変換効率が悪いという問題があった。またパターンに合せてフォトマスクの作成、レジスト上へのフォトマスクの設置が必要であり作業に多くの工数を要するという問題があった。
【0005】
直接描画する方法においては、照射量が少なく高出力の光源を必要としない、CADデータにより直接描画するのでフォトマスクの作成、レジスト上へのフォトマスクの設置が不要であり工数を削減できるという長所があるが、直接描画のためにレーザー光線硬化型レジストを使用して、レーザー光線照射により露光する場合、露光時間が短時間であり、硬化に伴う収縮応力が大きく、その応力緩和が十分でないため、現像性を低下させるという問題があった。また露光により発生したラジカルによる暗反応が露光後一定時間持続し光遮断後も硬化反応が継続するため露光後の経過時間により硬化度が異なり経過時間により現像性にバラツキを生じるという問題があり、硬化度をある程度一定とするためには少なくとも30分以上放置する必要があった。
【0006】
そこで本発明者らは、直接描画する方法において、硬化に伴う収縮応力が緩和でき、露光後短時間のうちにレジストの露光部の硬化度を一定とでき、現像性をバラツキなく優れたものとできる方法について鋭意研究の結果、露光後、特定条件でレジストを加熱処理することによって上記目的を達成できることを見出し本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、1. (1)レーザー光線の照射によって硬化するネガ型レジスト層及び該レジスト層上に必要に応じてカバーコート層を形成してなる基板のレジスト層にレーザー光線を直接描画法によりパターン状に照射してレジスト層をパターン状に硬化させる工程、
(2)パターン状に硬化したレジスト層を有する基板を、基板の最高到達温度が、50〜120℃となる条件で20秒間〜2分間加熱処理する工程、及び
(3)加熱処理したレジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程、を順次行うレジストパターン形成方法であって、該ネガ型レジスト層がアクリロイル基、メタクリロイル基、シンナモイル基、アリル基、アジド基及びシンナミリデン基から選ばれる感光性基を含有する光硬化性樹脂、重合開始剤及び光増感剤を含有するものであり、該光硬化性樹脂が1000〜100,000の数平均分子量を有し、かつガラス転移温度が0〜70℃の範囲内にあることを特徴とするレジストパターン形成方法に関する。
【0008】
また本発明は、2. 基板が表面に導電性皮膜を有する基板であって、上記項1の工程(1)〜(3)を経て得られたレジストパターンを形成した基板に、
(4)基板上のレジストパターンが形成されていない露出部をエッチングすることにより導電性皮膜パターンを形成する工程、及び
(5)残存するレジスト層を除去する工程、
を順次行うことを特徴とする導電性皮膜パターン形成方法に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明方法において、基板としては、電気絶縁性のガラス−エポキシ板、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルムなどのプラスチック板やプラスチックフィルム;これらのプラスチック板やプラスチックフィルムの表面に、銅、アルミニウムなどの金属箔を接着することによって、あるいは銅、ニッケル、銀などの金属又は酸化インジウム−錫(ITO)に代表される導電性酸化物などの化合物を真空蒸着、化学蒸着、メッキなどの方法で導電性皮膜を形成したもの;スルーホール部を設けたプラスチック板やプラスチックフィルムの表面及びスルーホール部に、導電性皮膜を形成したもの;銅板などの金属板を挙げることができる。
【0010】
本発明方法の工程(1)において、上記基板上にレーザー光線の照射によって硬化するネガ型レジスト層を形成する。このレジスト層は、例えば、レーザー光線硬化型液状レジストを塗布、乾燥することにより形成することができる。上記液状レジストは、可視光レーザー又は紫外線レーザーの照射によって硬化できるものであれば特に制限なく使用することができる。
【0011】
上記液状レジストとしては、光照射により架橋又は重合しうるアクリロイル基、メタクリロイル基、シンナモイル基、アリル基、アジド基及びシンナミリデン基から選ばれる感光性基を含有する光硬化性樹脂、重合開始剤及び光増感剤を必須成分とし、必要に応じて、上記感光性基を含有する光硬化性化合物、改質樹脂、溶剤、表面調整剤などを含有していてもよい。
【0012】
上記光硬化性樹脂としては、例えば、酸価40〜650の高酸価アクリル樹脂にグリシジルアクリレート又はグリシジルメタクリレートをエステル化反応させてアクリロイル基又はメタクリロイル基を導入してなる樹脂;水酸基を含有するアクリル樹脂と置換又は未置換のケイ皮酸ハライド、例えばケイ皮酸クロライドとを塩基の存在下、例えばピリジン溶液中で反応せしめたシンナモイル基を導入してなる樹脂;酸価40〜650の高酸価アクリル樹脂にアリルグリシジルエーテルを付加させてなるか、又は水酸基を含有するアクリル樹脂にアリルアルコールとジイソシアネート化合物との等モル付加物を付加してなるアリル基を導入してなる樹脂などを挙げることができる。
【0013】
上記光硬化性樹脂は、一般に1,000〜100,000の数平均分子量を有し、ガラス転移温度が0〜70℃の範囲にあることがレジストの物性及びレジストの非粘着性の観点から好ましい。また感光性基は0.2〜7.0当量/kg樹脂の量含まれているのが硬化性及びレジストの物性の点から適当である。樹脂中にアニオン性基やカチオン性基であるイオン性基を含有させておき、中和することによってレジストを水系とすることも可能である。イオン性基を含有させることによって、アルカリ現像液、酸現像液、水などに対する現像性を向上させることができる。イオン性基を含有させる場合には、0.2〜3.5当量/kg樹脂の量含まれていることが適当である。
【0014】
前記光硬化性化合物としては、エチレン性不飽和二重結合を少なくとも1個有する化合物であり、露光した際に付加重合することにより露光部の不溶化をもたらす単量体、2量体、3量体及びその他のオリゴマーが挙げられる。この化合物の具体例としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラ以上のポリ(4〜16)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジイタコネート、エチレングリコールジマレエート、ハイドロキノンジ(メタ)アクリレート、レゾルシノールジ(メタ)アクリレート、ピロガロール(メタ)アクリレート、オリゴウレタンアクリレート、オリゴエポキシアクリレート、ジビニルベンゼンなどを挙げることができる。本発明において、「……(メタ)アクリレート」は、「……アクリレート又は……メタアクリレート」を意味する。
【0015】
前記重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル類、2−メチルベンゾイン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンジルジメチルケタール、アントラキノン、メチルアントラキノン、ジアセチル、アセトフェノン、ジフェニルスルフィド、アントラセン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノープロパノン−1、チオキサントン、チタノセン化合物などが挙げられる。
【0016】
前記光増感剤は、可視光を吸収することにより励起され、光硬化性樹脂又は化合物や重合開始剤と相互作用をする化合物である。ここで「相互作用」には、励起された光増感剤から光硬化性樹脂又は化合物や重合開始剤へのエネルギー移動や電子移動が包含される。光増感剤の具体例としては、チオキサンテン系、キサンテン系、ケトン系、チオピリリウム塩系、ベーススチリル系、メロシアニン系、3−置換クマリン系、3,4−置換クマリン系、シアニン系、アクリジン系、チアジン系などの色素類が挙げられる。
【0017】
液状レジストは、スプレー塗装、静電塗装、ロール塗装、カーテンフロー塗装、スピンコート法、シルクスクリーン印刷、ディッピング塗装又は電着塗装などの方法で塗布することができる。レジスト層の膜厚は、特に限定されるものではなく用途に応じて適宜設定すればよいが、通常、乾燥膜厚で0.5〜50μm、特に3〜30μmの範囲であることが好ましい。乾燥によってレジスト中の溶剤などを蒸発させる。レジスト層上にカバーコート層が形成されない場合には、乾燥はレジスト表面を非粘着性にするように行うことが好ましい。
【0018】
このレジスト層上には、必要に応じてカバーコート層が形成されていてもよい。カバーコート層を形成することによって酸素を遮断し、露光によるレジスト層の硬化の阻害を防止するために行われる。酸素を除去した室内で露光を行う場合にはこの工程は必要なくなる。
【0019】
上記カバーコート層は、非感光性であって常温で実質的に粘着性がなく酸素遮断能力のある材料で形成される。このため、そのガラス転移温度は20℃以上、さらには30〜80℃、特に40〜70℃の範囲内にあることが好ましい。
【0020】
カバーコート層の酸素遮断性は、膜の酸素ガス透過率として5×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cmHg以下、特に1×10-12 cc・cm/cm2 ・sec・cmHg以下であることが好ましい。ここで酸素ガス透過率は、ASTMstandardsD−1434−82(1986)記載の方法に準拠して測定した値である。
【0021】
さらにカバーコート層は現像液に実質的に溶解するものであることが望ましい。現像液に可溶でないと、現像前にカバーコートを剥離せねばならず生産性の点で不利である。このような条件を満たすカバーコートを形成するための被膜形成性樹脂としては、例えば、ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリ酢酸ビニル又はこれらの混合物、或いはポリビニルアルコールと酢酸ビニルポリマーとの混合物等が挙げられる。これらは被膜形成性に優れ、水、希アルカリ水、希酸水などの水性現像液に対する溶解性が良好であり好ましい。
【0022】
このカバーコート層は、カバーコート液をレジスト層上に塗布し乾燥させて形成してもよいし、プラスチックフィルム上にカバーコート層を形成し、このものをカバーコート転写フィルムとして、レジスト層上にカバーコート層を転写して形成してもよい。
【0023】
またプラスチックフィルム上にカバーコート層を形成し、さらにこの上にレジスト層を形成したものを転写フィルムとして基板に転写し、基板上にレジスト層とカバーコート層とを同時に形成してもよい。転写によってカバーコート層又はカバーコート層とレジスト層との両層を形成する場合には、接着面となるレジスト層表面は粘着性を有することが好ましい。
【0024】
次いで、形成したレジスト層に可視光レーザー又は紫外線レーザーであるレーザー光線を直接描画法によりパターン状に照射して露光部のレジスト層をパターン状に選択的に硬化させる。レジスト層上にカバーコート層がない場合には、露光は酸素を遮断した雰囲気下、例えば窒素雰囲気下で行うことが好ましい。
【0025】
可視光レーザーを照射するための光源としては、超高圧、高圧、中圧、低圧の各水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライド灯、蛍光灯、タングステン灯、太陽光等を挙げることができ、これらの光源のうち、紫外線を紫外カットフィルタによりカットした可視領域の光線や可視領域に発振線をもつ各種レーザーなどが使用できる。なかでも488nm又は514.5nmに発振線をもつアルゴンレーザーが好ましい。また紫外線レーザーの光源としては、アルゴンレーザー、ヘリウム−カドミウムレーザーやアルゴン−フッ素レーザーなどのエキシマレーザーなどを挙げることができる。レーザー光線の露光量は、レジストの種類などによって適宜選定すればよく、通常、0.01〜5mj/cm2 の範囲である。照射時間は、通常、1ナノ秒(10-9秒)〜1秒程度である。
【0026】
ついで本発明の工程(2)により、パターン状に硬化したレジスト層を有する基板が加熱される。レーザー光線の露光によって硬化された露光部のレジストは、露光時間が短いため、そのまま放置すると、露光により発生したラジカルが残存して露光終了後においてもラジカルによる暗反応が進み、経時によって硬化程度が異なることになり、また硬化が急激に起こるので硬化による応力歪みが大きくなりレジストの基材への密着性低下などを引き起こす。本発明の工程(2)により上記暗反応及び応力歪みの問題を解決することができる。
【0027】
工程(2)における加熱は、基板の最高到達温度が、50〜120℃となる条件で20秒間〜2分間行われる。この加熱により残存ラジカルによる硬化反応を早く進行させ一定の硬化度まで到達させて、その後の経時による硬化程度の変化をなくすことができ、また硬化による応力を緩和することができレジストの基材への密着性を良好なものとすることができる。基板の最高到達温度が、50℃未満では硬化の進行に長時間を要するため実用的ではなく、一方、120℃を超えると熱により未露光部においても硬化が進行してしまって現像性の低下を引き起こしたり、レジストが熱分解を起こしたりする。加熱時間が、20秒未満では硬化の進行が十分でなかったり、応力緩和が十分でなかったりし、一方、2分以上では時間がかかり過ぎ実用的ではない。
【0028】
この加熱は、上記条件で加熱できる装置であれば制限なく使用して行うことができ、例えばホットプレート、電磁誘導加熱装置、遠赤外線加熱装置、ホットプレス、熱風乾燥機などを使用して行うことができる。ホットプレート、電磁誘導加熱装置、遠赤外線加熱装置、ホットプレスなどを使用することによって、急速に加熱、例えば昇温速度50℃/分〜240℃/分の速度で加熱することができ、加熱工程の短縮化を行うことができる。
【0029】
ついで本発明の工程(3)により、レジスト層を現像してレジストパターンを形成する。現像は、露光されたレジストを、レジストに応じた現像液、例えば、酸現像液、アルカリ現像液、水もしくは有機溶剤に浸漬する方法、又はレジストにこれらの現像液をスプレーする方法などによってレジストを洗浄することによって行うことができる。現像条件は特に限定されるものではないが、通常、15〜40℃で15秒〜5分の範囲で行うことが好ましい。これにより目的とするレジストパターンを得ることができる。カバーコート層がある場合には、現像前にカバーコート層を除去してもよいが、この現像工程においてカバーコート層も同時に除去することが好ましい。、
上記のようにして得られるレジストパターンが形成された基板は、装飾用として、またソルダーレジスト基板、エッチングレジスト基板として使用することができる。
【0030】
エッチングレジスト基板として使用する場合には、本発明の工程(4)において、上記のようにして得られるレジストパターンが形成された基板について、レジストパターンが形成されていない露出部の導電性皮膜をエッチングすることにより導電性皮膜パターンが形成される。
【0031】
このエッチングは、基板上の導電性皮膜の種類などに応じて選択されたエッチング剤を用いて行うことができる。例えば導電性皮膜が銅である場合には、塩化第二銅などの酸性エッチング液、アンモニア系エッチング液などを用いて行うことができる。このエッチングによって現像工程により露出した部分の導電性皮膜を除去することができる。
【0032】
上記エッチング工程後、次いで本発明の工程(5)により残存するレジスト層が除去される。これによって目的とするプリント基板を得ることができる。レジスト膜の除去は、レジスト膜を溶解するが、基板及び基板表面の回路パターンである導電性皮膜を実質的に侵すことのない溶剤を用いて行うことができ、例えば、アルカリ又は酸の水溶液や各種の有機溶剤を使用することができる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
【0034】
実施例1
銅厚18μm、板厚2mm、大きさ350mm×460mm角の、銅メッキしたガラス繊維強化エポキシ基板に、関西ペイント(株)製、可視光レーザー硬化型ネガ型液状レジスト「ゾンネLDI」(商品名、アクリル樹脂系)をバーコータにより乾燥膜厚が10μmとなるように塗装し、60℃で10分間乾燥させた後、ポリビニルアルコール(重合度1,700、Tg点65℃、酸素透過率2×10-14 cc・cm/cm2 ・sec・cmHg)の12%水溶液を乾燥膜厚3μmになるようにバーコータにてレジスト上に塗布し、60℃で10分間乾燥してカバーコート層を形成した。このレジスト層に可視光レーザーである、波長488nmのArイオンレーザーを照射量3mj/cm2 となる条件でスキャン方式にて照射し、直接描画によりパターン状に硬化させた。
【0035】
ついで、光照射後のレジスト塗布基板を、ホットプレートを用いて基板の最高昇温速度120℃/分で20℃から80℃まで昇温した。加熱時間は30秒間とした。その後、1%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として30℃で1分間浸漬することにより未露光部分のレジストを除去し水洗した。ついで塩化第二銅と過酸化水素を主成分とするエッチング液に50℃で3分間浸漬することによって露出した銅メッキ部分を除去して回路である導電性皮膜パターンを形成した。さらに回路上の残存レジスト層を40℃の3%水酸化ナトリウム水溶液で除去して回路基板を得た。
【0036】
実施例2
実施例1において、光照射後のレジスト塗布基板の加熱を、電磁誘導加熱装置を用いて基板の最高昇温速度240℃/分で20℃から100℃まで昇温し、加熱時間を1分間とする以外は、実施例1と同様に行って回路基板を得た。
【0039】
実施例3
実施例1において、光照射後のレジスト塗布基板の加熱を、ホットプレートにより基板の最高昇温速度120℃/分の速度で20℃から60℃まで昇温し、加熱時間を1分間とする以外は、実施例1と同様に行って回路基板を得た。
【0040】
実施例4
実施例1において、カバーコート層を形成せず、かつ露光を窒素雰囲気下で行う以外は、実施例1と同様に行い回路基板を得た。
【0041】
実施例5
実施例1において、可視光レーザー硬化型ネガ型液状レジスト「ゾンネLDI」を用いてレジスト層を形成するかわりに、関西ペイント(株)製、紫外線硬化型ネガ型液状アニオン電着レジスト「ゾンネEDUV376」(商品名、アクリル樹脂系)を使用し、銅メッキしたガラス繊維強化エポキシ基板を陽極として、該基板の銅メッキ上に乾燥膜厚が5μmとなるように電着塗装を行ってレジスト層を形成すること、及び可視光レーザーである、波長488nmのArイオンレーザーのかわりに、紫外線レーザーである、波長325nmのヘリウム−カドミウムレーザーを使用すること以外は、実施例1と同様に行い回路基板を得た。
【0042】
実施例6
銅厚18μm、板厚2mm、大きさ350mm×460mm角の、銅メッキしたガラス繊維強化エポキシ基板の銅メッキ層上に、三菱レーヨン(株)製、可視光レーザー硬化型ドライフィルム「ドライフィルムFMA−105」(支持フィルム、レジスト層及びカバーコート層からなり、厚さ25μm)を用い、支持フィルムを剥して、レジスト層及びカバーコート層を形成した。ついで実施例1と同様にして露光及び加熱処理を行った。ついでカバーコート層を剥離した後、実施例1と同様にして現像、エッチング、及び残存レジスト層の除去を行った。
【0043】
実施例1〜6において、現像後のレジストパターンを目視にて観察した結果、いずれの回路基板においてもライン/スペース=10μm/10μmまで良好なレジストパターンが得られた。
【0044】
また実施例1〜5で得られた各回路基板を走査型電子顕微鏡にて観察した結果、いずれの回路基板においてもライン/スペース=10μm/10μmの回路まで形成することが可能であった。
【0045】
比較例1
実施例1において、光照射後のレジスト塗布基板の加熱を行わない以外は、実施例1と同様に行って回路基板を得た。
【0046】
比較例2
実施例7において、光照射後のレジスト塗布基板の加熱を行わない以外は、実施例7と同様に行って回路基板を得た。
【0047】
比較例1及び比較例2において、現像後のレジストパターンを目視にて観察した結果、いずれもライン/スペース=150μm/150μmまで良好なレジストパターンが得られたが、これより細かいレジストパターンは現像中に膨潤又は剥離し、安定な形成画像が得られなかった。また得られた回路基板を走査型電子顕微鏡にて観察した結果、いずれもライン/スペース=150μm/150μmの回路まで形成することが可能であったが、これより細かい回路の形成は不可能であった。
【0048】
【発明の効果】
レーザー光線をネガ型レジストに直接描画する方法において、本発明方法を用いることによって露光による硬化に伴う収縮応力が緩和でき、露光後短時間のうちにレジストの露光部の硬化度を経時による変化のない一定のものとでき、現像性をバラツキなく優れたものとできる。また得られたレジストパターンをエッチングレジストとして使用することにより良好な回路パターンを有する回路基板を得ることができる。
Claims (4)
- (1)レーザー光線の照射によって硬化するネガ型レジスト層及び該レジスト層上に必要に応じてカバーコート層を形成してなる基板のレジスト層にレーザー光線を直接描画法によりパターン状に照射してレジスト層をパターン状に硬化させる工程、
(2)パターン状に硬化したレジスト層を有する基板を、基板の最高到達温度が、50〜120℃となる条件で20秒間〜2分間加熱処理する工程、及び
(3)加熱処理したレジスト層を現像してレジストパターンを形成する工程、を順次行うレジストパターン形成方法であって、該ネガ型レジスト層がアクリロイル基、メタクリロイル基、シンナモイル基、アリル基、アジド基及びシンナミリデン基から選ばれる感光性基を含有する光硬化性樹脂、重合開始剤及び光増感剤を含有するものであり、該光硬化性樹脂が1000〜100,000の数平均分子量を有し、かつガラス転移温度が0〜70℃の範囲内にあることを特徴とするレジストパターン形成方法。 - 工程(2)における加熱における最高昇温速度が、50℃/分〜240℃/分の範囲である請求項1記載のパターン形成方法。
- 工程(1)において照射するレーザー光線が、可視光レーザーである請求項1又は2記載のパターン形成方法。
- 基板が表面に導電性皮膜を有する基板であって、請求項1の工程(1)〜(3)を経て得られたレジストパターンを形成した基板に、
(4)基板上のレジストパターンが形成されていない露出部をエッチングすることにより導電性皮膜パターンを形成する工程、及び
(5)残存するレジスト層を除去する工程、
を順次行うことを特徴とする導電性皮膜パターン形成方法。
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