JP3664738B2 - 抗アレルギー剤 - Google Patents

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    • A23V2002/00Food compositions, function of food ingredients or processes for food or foodstuffs

Description

発明の属する技術分野
本発明は、アレルギー疾患の治療に有用な医薬、食品及び飲料に関する。
従来の技術
喘息やアトピー性皮膚炎に代表されるアレルギー疾患においてはマスト細胞からのケミカルメディエーターの放出がアレルギー反応において大きな役割を果たす。この反応は免疫グロブリンE(IgE)が細胞膜上のレセプターに結合し、架橋することによって惹起され、IgE産生の抑制剤はアレルギー性疾患の治療及び予防に効果を発揮するものと期待されている。
遅延型過敏反応はマクロファージによって除去されない抗原により活性化されたTリンパ球により、惹起される細胞性免疫に依存した炎症反応である。活性化Tリンパ球から産生されたサイトカインにより炎症細胞が誘導、活性化され、種々の炎症性メディエータを放出し、組織障害が引き起される。遅延型過敏反応によるアレルギー性皮膚炎は接触性皮膚炎の多数を占め、更に細菌、ウイルス又は薬物が抗原となるアレルギーにおいても、その発症の原因になっている。すなわち遅延型過敏反応の抑制剤はこれらのアレルギー性疾患の治療及び予防に効果を発揮するものと期待されている。
発明が解決しようとする課題
本発明の目的はIgEの産生の調節、遅延型過敏反応抑制に有効な化合物を開発し、該化合物を有効成分とするアレルギー疾患の治療に有用な医薬、該化合物を有効成分として使用するアレルギー抑制方法、及び該化合物を含有する食品及び飲料を提供することにある。
課題を解決するための手段
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、式【I】で表される化合物、4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン(以下、単にシクロペンテノンと称す)がIgE産生抑制作用、遅延型過敏反応抑制作用を有し、該化合物が抗アレルギー剤の有効成分として有用であることを見出し本発明を完成させた。
本発明を概説すれば、本発明の第1の発明は下記式【I】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン若しくはその光学活性体又はその塩から選択される少なくとも1以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤法に関する。
Figure 0003664738
本発明の第2の発明は上記式【I】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン若しくはその光学活性体又はその塩から選択される少なくとも1以上の化合物を有効成分として使用することを特徴とするアレルギー抑制方法に関する。
本発明の第3の発明は上記式【I】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン若しくはその光学活性体又はその塩から選択される少なくとも1以上の化合物を含有する抗アレルギー用食品又は飲料に関する。
【図面の簡単な説明】
図1はシクロペンテノンの遅延型過敏反応抑制作用を示す図である。
図2は(−)体シクロペンテノンのp−ジメチルアミノベンゾイル誘導体のCD及び(−)体シクロペンテノンの立体構造を示す図である。
図3は(+)体シクロペンテノンのp−ジメチルアミノベンゾイル誘導体のCD及び(+)体シクロペンテノンの立体構造を示す図である。
発明の実施の形態
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において使用する式【I】で表されるシクロペンテノンは、4位と5位のヒドロキシル基の立体配置がシスの異性体とトランスの異性体の双方を包含する。本発明においてはシス体シクロペンテノンを用いてもよいし、トランス体シクロペンテノンを用いてもよいし、シス体シクロペンテノンとトランス体シクロペンテノンの混合物を用いてもよい。また、これらの光学活性体を用いてもよい。
シス体シクロペンテノンは化学合成法によって得られる〔ヘルベチカ キミカアクタ(Helvetica Chimica Acta)、第55巻、第2838〜2844頁(1972)〕。トランス体シクロペンテノンは化学合成法によっても得られるし〔カーボハイドレート リサーチ(Carbohydrate Res.)、第247巻、第217〜222頁(1993)〕、またウロン酸、例えばグルクロン酸、ウロン酸誘導体、例えばグルクロノラクトン、又はこれらの含有物等を加熱処理することによっても得られる(PCT/JP97/03052号明細書参照)。本発明ではシクロペンテノンを含有するこれらの加熱処理物、その部分精製物及び精製物も使用できる。
例えば、ウロン酸としてD−グルクロン酸を使用し、その1%溶液を121℃で4時間加熱処理することにより、加熱処理中にシクロペンテノンが生成される。この加熱処理物中のシクロペンテノンを溶媒で抽出し、抽出物を濃縮する。次にこの濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、溶出するシクロペンテノン画分を濃縮し、濃縮物からシクロペンテノンをクロロホルムで抽出し、抽出濃縮物の順相カラムクロマトグラフィーを行うことにより、加熱処理物中のシクロペンテノンが単離される。
シクロペンテノンの物性を下記に示す。なおシクロペンテノンの質量分析はDX302質量分析計(日本電子社製)を用いて行った。また、重クロロホルム溶媒を用いたNMRスペクトルの測定はJNM−A500(日本電子社製)を用いた。比旋光度はDIP−370型旋光計(日本分光社製)、UV吸収スペクトルはUV−2500分光光度計(島津製作所社製)、赤外吸収スペクトル(IR)はFTIR−8000赤外分光光度計(島津製作所社製)をそれぞれ用い測定した。
MS m/z 115〔M+H〕+
1H−NMR(CDCl3
δ4.20(1H,d,J=2.4Hz,5−H)、4.83(1H,m,4−H)、6.30(1H,dd,J=1.2,6.1Hz,2−H)、7.48(1H,dd,J=2.1,6.1Hz,3−H)
但し、1H−NMRの化学シフト値はCHCl3の化学シフト値を7.26ppmとして表した。
旋光度:〔α〕D 200°( 1.3、水)
UV:λmax 215nm(水)
IR(KBr法):3400、1715、1630、1115、1060、1025cm-1に吸収を有する。
単離されたシクロペンテノンを光学分割することにより、(−)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン及び(+)−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを得ることができる。当然、合成方法により得られたシクロペンテノンも光学分割することができる。
例えば、シクロペンテノンをエタノールに溶かす。このエタノール溶液にヘキサン/エタノール(94/6)を更に加え、シクロペンテノン溶液を調製する。この試料溶液を、例えばキラールパックAS(ダイセル化学工業)カラムを用いカラム温度:40℃、移動相:ヘキサン/エタノール(94/6)でHPLCを行うことにより、シクロペンテノンを光学分割することができる。
分割された(−)−トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン〔以下、(−)体シクロペンテノンと称する〕の旋光度は〔α〕D 20−105°( 0.30、エタノール)であり、(+)−トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン〔以下、(+)体シクロペンテノンと称する〕の旋光度は〔α〕D 20+104°( 0.53、エタノール)である。なお旋光度は前記のDIP−370型旋光計(日本分光社製)を用いて測定した。
次に(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンのそれぞれの質量分析、核磁気共鳴法(NMR)による構造解析、UV吸収スペクトルの測定、赤外吸収スペクトルの測定を上記記載の方法に準じ行う。その結果、両光学活性体は光学分割前のシクロペンテノンと同一の結果を示す。
光学分割された(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンをそれぞれp−ジメチルアミノベンゾイル誘導体とし、J−720型円二色性分散計(日本分光社製)を用い、円二色性スペクトル(CD)を測定し、その結果をジベンゾエートキラリティルールに適用し[ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイエティ(J. Am. Chem. Soc. )、第91巻、第3989〜3991頁(1969)]、その立体配置を決定した。
(−)体シクロペンテノンのp−ジメチルアミノベンゾイル誘導体のCD及び(−)体シクロペンテノンの立体構造を図2に示す。図中縦軸はモル円二色性、横軸は波長(nm)を示す。なお、上記立体構造を、式【II】として下記に示す:
Figure 0003664738
(+)体シクロペンテノンのp−ジメチルアミノベンゾイル誘導体のCD及び(+)体シクロペンテノンの立体構造を図3に示す。図中縦軸はモル円二色性、横軸は波長(nm)を示す。なお、上記立体構造を、式【III】として下記に示す:
Figure 0003664738
図2、3及び式【II】、式【III】に示すように(−)体シクロペンテノンは(−)−(4R,5S)−トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン、(+)体シクロペンテノンは(+)−(4S,5R)−トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンである。
以上、本発明に使用するシクロペンテノン又はその光学活性体はいかなる方法で製造しても良く、明細書で開示の方法で製造しても良く、化学合成方法で合成しても良く、シクロペンテノンのトランス体、シス体及びそれらの混合物も本発明に使用される。
シクロペンテノン又はその光学活性体の塩としては、医薬として許容される塩があり、公知の方法にて変換することができる。
シクロペンテノンは生体内で、例えばSH基含有化合物(例えばシステイン、グルタチオン等)と反応し、医薬として有用な代謝誘導体を生成する。したがって、この代謝誘導体が示す薬効はシクロペンテノンを投与した場合においても得られると考えられる。生体内でのシクロペンテノンとSH基含有化合物との反応生成物は代謝有効物質の一つと推定される。
すなわちSH基含有化合物(R−SH)について例示すれば、シクロペンテノンはSH基含有化合物と反応し、例えば下記一般式【IV】又は下記一般式【V】で表される化合物となる。また一般式【V】で表される化合物は一般式【IV】で表される化合物に変換される。
このようにシクロペンテノンはR−SHの存在下、各代謝誘導体に変換され、生体中において生成されるこれらの代謝誘導体も医薬としての効果を発揮する。
Figure 0003664738
(但し、RはSH基含有化合物からSH基を除いた残基である)。
Figure 0003664738
(但し、RはSH基含有化合物からSH基を除いた残基である)。
したがってこれら生体内で形成される反応生成物、すなわち生体内での代謝誘導体の形成を目的とするシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩の使用も本発明に包含されるものである。
IgE産生抑制作用、遅延型過敏反応抑制作用を有するシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物を有効成分とし、これを公知の医薬用担体と組合せ製剤化すれば抗アレルギー剤を製造することができる。当該製剤の製造は一般的には、シクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物を薬学的に許容できる液状又は固体状の担体と配合し、かつ必要に応じて溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を加えて、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、カプセル剤等の固形剤、通常液剤、懸濁剤、乳剤等の液剤とすることができる。またこれを使用前に適当な担体の添加によって液状となし得る乾燥品とすることができる。
医薬用担体は、上記投与形態及び剤型に応じて選択することができ、経口剤の場合は、例えばデンプン、乳糖、白糖、マンニット、カルボキシメチルセルロース、コーンスターチ、無機塩等が利用される。また経口剤の調製に当っては、更に結合剤、崩壊剤、界面活性剤、潤沢剤、流動性促進剤、矯味剤、着色剤、香料等を配合することもできる。
一方、非経口剤の場合は、常法に従い本発明の有効成分であるシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物を希釈剤としての注射用蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、注射用植物油、ゴマ油、ラッカセイ油、ダイズ油、トウモロコシ油、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等に溶解ないし懸濁させ、必要に応じ、殺菌剤、安定剤、等張化剤、無痛化剤等を加えることにより調製される。
本発明の抗アレルギー剤は、製剤形態に応じた適当な投与経路で投与される。投与方法も特に限定はなく、内用、外用及び注射によることができる。例えば錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤、カプセル剤は経口投与することができる。注射剤は、例えば静脈内、筋肉内、皮下、皮内等に投与することができる。軟膏剤、クリーム剤等は経皮投与することができる。座剤は直腸投与することができる。また水性あるいは非水性点眼剤を調製することができ、点眼剤で眼に投与する剤型としては眼軟膏剤、塗布液剤、散布剤、インサート剤等がある。更に吸入のためには、有効成分と慣用の製薬賦形剤との溶液又は懸濁液が用いられ、例えば吸入用エアゾールスプレーとして使用される。なお乾燥粉末状の有効成分を肺と直接接触できるようにする吸入器又は他の装置によっても投与することができる。
抗アレルギー剤としての投与量は、その製剤形態、投与方法、使用目的及びこれに適用される患者の年齢、体重、症状によって適宜設定され、一定ではないが一般には製剤中に含有されるシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物の量が成人1日当り10pg〜50mg/kgである。もちろん投与量は、種々の条件によって変動するので、上記投与量より少ない量で十分な場合もあるし、あるいは範囲を超えて必要な場合もある。本発明の薬剤はそのまま経口投与するほか、任意の飲食品に添加して日常的に摂取させることもできる。
シクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物を有効成分としてIgE産生抑制剤、遅延型過敏反応抑制剤を製造することができる。これらの製剤は上記抗アレルギー剤に準じ製剤化することができ、上記抗アレルギーに準じた方法で投与することができる。
またシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩は抗アレルギー用食品又は抗アレルギー用飲料の原料として用いても良い。シクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩を摂取することにより、IgE産生、遅延性過敏反応が起因となる疾病の症状が顕著に改善され、また該疾病の予防効果も優れている。
抗アレルギー用食品又は抗アレルギー用飲料の製造法は、特に限定はないが、調理、加工及び一般に用いられている食品又は飲料の製造法による製造を挙げることができ、製造された食品又は飲料にIgE産生抑制作用、遅延型過敏反応抑制作用を有するシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物が有効物質として含有されていれば良い。
抗アレルギー食品又は抗アレルギー性飲料としては、抗アレルギー作用を有するシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物が含有、添加及び/又は希釈されていれば特にその形状に限定は無く、タブレット状、顆粒状、カプセル状、ゲル状、ゾル状等の形状の経口的に摂取可能な形状物も包含する。
シクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩を有効成分として使用することにより提供されるアレルギー抑制方法は、アレルギーの発症メカニズムの研究や、抗アレルギー剤のスクリーニングに有用である。
以上、本発明の医薬及び飲食品はIgEの産生を抑制し、IgE産生により媒介されるか悪化する症状、例えばIgEが起因となるアレルギー疾患、例えば気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、じん麻疹、アナフィラキシーショック等の症状改善及び/又は疾患予防に極めて有用である。また遅延型過敏反応を抑制し、遅延型過敏反応を伴う疾病、例えば接触性過敏症、アレルギー性接触性皮膚炎、細菌アレルギー、ウイルスアレルギー、薬物アレルギー、甲状腺炎、アレルギー性脳炎等の治療、予防において有用である。
本発明で使用する化合物はその生理活性の有効量の投与を行っても毒性は認められず、例えば経口投与の場合シクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩のいずれかを100mg/kgでラットに単回投与しても死亡例は認められない。
実施例
以下、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における%は重量%を意味する。
参考例 1
10gのD−グルクロン酸(シグマ社製 G 5269)を1リットルの水に溶解し、121℃で4時間加熱した後約10mlになるまで減圧下濃縮した。これに酢酸ブチル:酢酸:水=3:2:2混合液の上層40mlを加えて混合後、遠心によって得た上清を減圧下約10mlまで濃縮した。
上記抽出液をカラムクロマトグラフィー用シリカゲルBW−300SP(2×28cm、冨士シリシア化学社製)にアプライし、酢酸ブチル:酢酸:水=3:2:2の上層を溶離液としてコンプレッサーで0.2kg/cm2に加圧し、毎分5mlの流速で分離を行った。1画分当り10mlになるようにフラクショネーションを行い、各画分の一部をとって薄層クロマトグラフィーで分析したところ61番から80番までの画分に高純度のシクロペンテノンが含まれていた。これらの画分を集めて減圧下濃縮した後40mlのクロロホルムで抽出し、抽出液を減圧下濃縮することによって100mgのシクロペンテノンを得た。
この画分をパルパックタイプSカラムを用いた順相HPLCで分離し、215nmの紫外線吸収で検出したところ、純度は98%であった。
上記シクロペンテノン113.9mgをエタノール2.85mlに溶かした。このエタノール溶液にヘキサン/エタノール(94/6)3.85mlを更に加え、17mg/mlのシクロペンテノン溶液を調製した。この液を0.5μmのフィルターでろ過し、光学分割HPLC試料溶液とした。
この試料溶液を以下の条件で光学分割HPLCを行い、前ピークの(−)体シクロペンテノン及び後ピークの(+)体シクロペンテノンのフラクションをそれぞれ集め、減圧乾固し、(−)体シクロペンテノン43.2mg、(+)体シクロペンテノン43.0mgをそれぞれ得た。
光学分割HPLC条件
カラム:キラールパックAS(ダイセル化学工業)2.0cm×25.0cm
カラム温度:40℃
移動相:ヘキサン/エタノール(94/6)
流速:14.0ml/min
検出:UV 210nm
試料注入量:150μl(2.55mg)
得られた(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンは両者共に約1%のエナンチオマーを含有していたため再度上記の条件で光学分割した。その結果、前ピークの(−)体シクロペンテノン30.0mgから19.7mgのエナンチオマーを含有しない(−)体シクロペンテノンを、後ピークの(+)体シクロペンテノン37.4mgから27.7mgのエナンチオマーを含有しない(+)体シクロペンテノンをそれぞれ得た。なお(−)体シクロペンテノン及び(+)体シクロペンテノンの光学分割HPLCの溶出時間はそれぞれ33分、40分であった。
実施例 1
1群5匹の5週令のBALB/c系雄性マウス(日本クレア社)に、卵白アルブミン(シグマ社)の0.01%生理食塩水溶液100μl及びアラム(Alum)[商品名イムジェクト アラム(Imject Alum);ピアス社]100μlを腹腔内投与して感作し、その11日後に眼底静脈より末梢血を採取した。
採取した血液は遠心分離(2000rpm,5分)後、血漿を分離し、ELISA(IgEマウスEIAキット;生化学工業)で血漿中総IgE量を測定した。
シクロペンテノン投与群は抗原感作日から採血前日まで10mg/kgを1日1回強制経口投与した。
また対照群では蒸留水を同様に経口投与し、非感作群を無処置群とした。
その結果を表1に示す。卵白アルブミン感作による血漿中総IgE量の上昇はシクロペンテノンの投与により抑制された。
Figure 0003664738
(2)1群5匹の5週令のWister系雄性ラット(日本エスエルシー社)に、卵白アルブミン(シグマ社)の0.01%生理食塩水溶液100μl及びアラム(Alum)[商品名イムジェクト アラム(Imject Alum);ピアス社]100μlを腹腔内投与して感作し、その14日後に腹大静脈より血液を採取した。
採取した血液は遠心分離(2000rpm,5分)後、血漿を分離し、48時間ラット受身皮膚アナフィラキシー(PCA)反応で抗原特異的IgE量を測定した。
すなわち血漿の倍々希釈系列を4倍から64倍まで、生理食塩水を用いて作製し、毛刈りした7週令のWister系雄性ラットの背部の皮内に0.1mlずつ注射した。皮内注射の48時間後、0.05%卵白アルブミン及び0.5%エバンスブルー(ナカライテスク社製)の混液1mlを尾静脈より注射した。尾静脈注射30分後、ラットを断頭、放血死させ、背部に現れた青色スポットを観察し、直径5mm以上のスポットを陽性とし、最高希釈度をIgE力価として表した。
シクロペンテノン投与群は抗原感作日から3日間、1mg/kgあるいは10mg/kgのシクロペンテノンを1日1回腹腔内投与した。また対照群では蒸留水を同様に腹腔内投与した。
その結果を表2に示す。
Figure 0003664738
卵白アルブミン感作による抗原特異的IgE量の上昇は用量依存的にシクロペンテノンの投与により抑制された。
以上、シクロペンテノンによりIgE産生が抑制された。また(−)体シクロペンテノン、(+)体シクロペンテノンも同様のIgE産生抑制活性が認められた。
実施例 2
c57BL/6マウス(メス、5週齢、体重約20g)は日本SLCより購入し、1週間の予備飼育の後、実験に用いた。遅延型過敏反応の惹起抗原であるヒツジ赤血球(清水実験材料)を生理食塩水(大塚製薬)で3回洗い1x109cells/mlに調整し、200μlをマウスの腹腔内に注射して抗原感作した。
感作から5日後に同様に調整した抗原40μlを右足足蹠に注射して抗原誘発し、足浮腫を惹起した。シクロペンテノンは1群5匹のマウスに抗原感作日から1日1回、3日間腹腔内に1mg/kg又は10mg/kgを投与した。
抗原誘発から2日後にマウスの右足容積を足浮腫測定装置(ウゴバジル社)で測定し、DTHの指標とした。測定値は抗原誘発前に測定したマウスの右足容積からの増加率を算定して表示した。
結果を図1に示す。すなわち図1はシクロペンテノンの遅延型過敏反応抑制作用を示す図であり、縦軸は増加率(%)、横軸はシクロペンテノン投与量(mg/kg)を示す。なお図中**は対照に対してp<0.01で有意であることを意味する。
シクロペンテノンは1mg/kgの投与で、遅延型過敏反応を抑制し、10mg/kgの投与で有意な遅延型過敏反応抑制作用を示した。
また(−)体シクロペンテノン、(+)体シクロペンテノンも同様の効果を示した。
実施例 3
注射剤
(1)生理食塩液(日本薬局方収載品)にシクロペンテノンを1%濃度で加え注射剤を作製した。
(2)生理食塩水(前記と同じ)に(−)体シクロペンテノン及びグリシルリチン酸をそれぞれ0.5%及び0.1%濃度で加え、注射剤を作製した。
実施例 4
錠剤
(1)シクロペンテノン100mgと微結晶性セルロースの適量とを含有する錠剤を調製し、糖衣を施し、錠剤を作製した。
(2)(+)体シクロペンテノン0.1mg、グリシルリチン酸ジカリウム10mg及び微結晶セルロースの適量を含有する錠剤を調製し、糖衣を施し、錠剤を作製した。
発明の効果
本発明によりIgE産生抑制作用、遅延型過敏反応抑制作用を有するシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩から選択される少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する抗アレルギー剤が提供される。
またシクロペンテノン若しくはその光学活性体又はそれらの塩が有するIgE産生抑制作用、遅延型過敏反応抑制作用によって、これらの化合物を含有する食品又は飲料を摂取することによりIgEの産生が抑制され、又遅延型過敏反応が抑制されることにより、これらの食品又は飲料は、例えばIgEの産生により媒介される疾病、該因子の産生により悪化する疾病、例えば気管支喘息、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎、アレルギー性結膜炎、じん麻疹、アナフィラキシーショック、接触性過敏症等のアレルギー疾患の症状の改善又は該疾病の予防に極めて有用な抗アレルギー用食品又は抗アレルギー用飲料である。また遅延型過敏反応を伴う疾病、例えば接触性過敏症、アレルギー性接触性皮膚炎、細菌アレルギー、真菌アレルギー、ウイルスアレルギー、薬物アレルギー、甲状腺炎、アレルギー性脳炎等の治療、予防において有用である。
また本発明の方法はアレルギー抑制、例えばIgEの産生量の調節に極めて有用である。

Claims (1)

  1. 下記式【I】で表される4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン若しくはその光学活性体又はその塩から選択される少なくとも1以上の化合物を有効成分として含有することを特徴とする抗アレルギー剤。
    Figure 0003664738
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