JP3664375B2 - 偏向ヨーク及び水平偏向コイルの巻線方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏向ヨーク及びそれに用いる水平偏向ヨークの巻線方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
3電子銃インライン型カラー受像管を使用した画像表示装置において、3本の電子銃から発せられる3つの電子ビームをスクリーン面(画面)上に良好に集中(コンバーゼンス)させるための方法の1つとして、セルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークを用いる方法がある。セルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークは、上下一対のサドル型水平偏向コイルと、左右一対のサドル型垂直偏向コイルから構成されるのが一般的で、良好なコンバーゼンス特性を得る仕組みになっている。
【0003】
ところが、実際には、ほとんどの3電子銃インライン型カラー受像管において、画面上下のラスタ歪みを適切に補正すると、図6に示すようなミスコンバーゼンスパターンが生じる。図6中の実線はR(赤)の横線の輝線、破線はB(青)の横線の輝線を、Xは画面の水平方向を表している。即ち、画面垂直方向の端部領域においては、第1・第3象限ではRがBよりも上方にずれ、第2・第4象限ではRがBよりも下方にずれる。また、画面垂直方向の中間領域においては、第1・第3象限ではRがBよりも下方にずれ、第2・第4象限ではRがBよりも上方にずれる。この端部領域のパターンを逆クロス、中間領域のパターンを正クロスと呼び、通常このように端部領域と中間領域とでクロスパターンが反転しているミスコンバーゼンスを反転トリレンマと呼んでいる。
【0004】
この反転トリレンマを改善する手段として、例えば特許第2967683号に示されているように、垂直偏向コイルに中間タップを設けてダイオードスイッチング回路と組み合わせる方法や、水平偏向コイルと接続した可飽和リアクタとダイオードスイッチング回路とを組み合わせる方法等が実用化されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
これらの従来の改善手段においては、反転トリレンマ補正のための回路や可飽和リアクタ等の部品を追加しなければならないためコストアップとなり、また、偏向ヨークの組立工数の増加を招くという問題点があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いることなく、反転トリレンマを改善することができる偏向ヨーク及び水平偏向コイルの巻線方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した従来の技術を解決するため、
(a)カラー受像管のネック部に装着される偏向ヨークであり、前記ネック部側を小径部、前記カラー受像管の画面側を大径部とし、前記小径部と前記大径部との間を側面部とした水平偏向コイルを備えた偏向ヨークにおいて、
前記側面部に、少なくとも第1及び第2の開口部を三角形状に形成し、前記第1の開口部の三角形状の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に20〜35%の範囲内であって、前記第1の開口部の一頂点と前記カラー受像管の管軸とを結んで前記管軸に直交する線と、前記画面の水平軸とのなす角が10〜25°の範囲内にし、前記第2の開口部の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に55〜70%の範囲内であって、前記第2の開口部の一頂点と前記管軸とを結んで前記管軸に直交する線と、前記画面の水平軸とのなす角が25〜40°の範囲内にしたことを特徴とする偏向ヨークを提供し、
(b)カラー受像管のネック部に装着される偏向ヨークに用いる水平偏向コイルを形成する水平偏向コイルの巻線方法であり、凸型と凹型との間の巻線スペースに電線を巻線して、前記ネック部側を小径部、前記カラー受像管の画面側を大径部とし、前記小径部と前記大径部との間を側面部とした水平偏向コイルを形成する水平偏向コイルの巻線方法において、
前記電線の巻線時に前記巻線スペースに複数の分割ピンを挿入して前記側面部に少なくとも第1及び第2の開口部を三角形状に形成し、前記第1の開口部の三角形状の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に20〜35%の範囲内であって、分割ピンが前記巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピンと前記カラー受像管の管軸とを結ぶ線と前記画面の水平軸とのなす角が10〜25°の範囲内に第1の分割ピンを前記巻線スペースに挿入して形成すると共に、前記第2の開口部の三角形状の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に55〜70%の範囲内であって、分割ピンが前記巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピンと前記管軸とを結ぶ線と前記画面の水平軸とのなす角が25〜40°の範囲内に第2の分割ピンを前記巻線スペースに挿入して形成することを特徴とする水平偏向コイルの巻線方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の偏向ヨーク及び水平偏向コイルの巻線方法について、添付図面を参照して説明する。図1は本発明の偏向ヨークで用いる水平偏向コイルの一実施例を示す側面図、図2は本発明の偏向ヨークで用いる水平偏向コイルの一実施例を示す正面図、図3は本発明の水平偏向コイルを巻線する巻線装置の一実施例を示す側面図、図4は本発明の水平偏向コイルを巻線する巻線装置の一実施例を示す分解斜視図、図5は本発明の偏向ヨークの全体構成例を示す斜視図である。
【0009】
本発明の偏向ヨークは、水平偏向コイルが発生する磁界のみで反転トリレンマを改善しようとするものである。図1,図2は反転トリレンマを改善するのに好適な水平偏向コイルの構成例を示している。図1におけるYは偏向ヨークをカラー受像管に装着した場合の画面の垂直方向、Zはカラー受像管の管軸方向である。図1は図2の右側より見た側面図であり、図2は水平偏向コイルを画面側より見た平面図である。水平偏向コイルはY軸に対して左右対称であるので、図1の側面図は図2の左側より見た側面図と同一である。
【0010】
図1,図2において、水平偏向コイル2は、小径側フランジ(小径部)2Aと、大径側フランジ(大径部)2Bと、小径側フランジ2Aと大径側フランジ2Bとを連結する側面部2Cとよりなる。側面部2Cの中央部には、窓部2Dが形成され(図2参照)、一対の水平偏向コイル2が突き合わされる面は、突き合わせ部2Eとなる。水平偏向コイル2を巻線装置によって巻線する場合には、そのコイルを形成する電線の巻回時に、分割ピンと称されるピンによって電線の位置を規制して、所望の巻線分布を形成する。なお、巻線装置の詳細については後に詳述する。
【0011】
図1,図2に示すように、水平偏向コイル2の全長である小径側フランジ2Aから大径側フランジ2Bまでの長さをL0とすると、大径側フランジ2BからZ方向にL1の位置に分割ピン5031,5033を挿入し、L2の位置に分割ピン5032,5034を挿入して電線を位置規制している。分割ピン5031〜5034を総称して分割ピン503と呼ぶこととする。分割ピン5031,5033の位置には、突き合わせ部2E側に頂点を向けた三角形の開口2CO1,2CO3が形成され、分割ピン5032,5034の位置には、突き合わせ部2E側に頂点を向けた三角形の開口2CO2,2CO4が形成されている。分割ピン503の位置が開口2CO1〜2CO4の頂点となる。
【0012】
ここで、L1は、L0の20〜35%の範囲内、L2は、L0の55〜70%の範囲内となるように設定している。即ち、水平偏向コイル2の全長における大径側フランジ2Bから20〜35%の範囲内に開口2CO1,2CO3を形成するための分割ピン5031,5033を挿入し、55〜70%の範囲内に開口2CO2,2CO4を形成するための分割ピン5032,5034を挿入する。換言すれば、水平偏向コイル2の全長における大径側フランジ2Bから20〜35%の範囲内に頂点を有する三角形の開口2CO1,2CO3を形成し、55〜70%の範囲内に頂点を有する三角形の開口2CO2,2CO4を形成する。
【0013】
さらに、図2に示すように、Z軸に直交する面内において、分割ピン5031,5033とZ軸とを結ぶ線とX軸とのなす角をθ1、分割ピン5032,5034とZ軸とを結ぶ線とX軸とのなす角をθ2とすると、θ1を10〜25°、θ2を25〜40°の範囲となるように設定している。換言すれば、X軸から10〜25°の範囲内に頂点を有する三角形の開口2CO1,2CO3を形成し、25〜40°の範囲内に頂点を有する三角形の開口2CO2,2CO4を形成する。
【0014】
また、本発明とは直接的には関連しないが、側面部2Cの大径側フランジ2B側の部分は、複数のセクションに分割されている。一方の側面部2C(図2の右側)の大径側フランジ2B側の部分は、分割ピン5011,5012,5013,5014によって、複数のセクション2C1,2C2,2C3,2C4に分割されている。他方の側面部2C(図2の左側)の大径側フランジ2B側の部分は、分割ピン5015,5016,5017,5018によって、複数のセクション2C5,2C6,2C7,2C8に分割されている。分割ピン5011〜5018を総称して分割ピン501と呼ぶこととする。なお、図1においては、分割ピン501の図示を省略している。
【0015】
以上をまとめると、大径側フランジ2BからZ方向に20〜35%の範囲内においては、X軸から10〜25°の範囲内に分割ピン5031,5033を挿入して開口2CO1,2CO3を形成し、大径側フランジ2BからZ方向に55〜70%の範囲内においては、X軸から25〜40°の範囲内に分割ピン5032,5034を挿入して開口2CO2,2CO4を形成する。より好ましくは、25〜35%の範囲内で12〜20°の範囲内、60〜70%の範囲内で27〜37°の範囲内、さらに好ましくは、28〜34%の範囲内で14〜18°の範囲内、62〜68%の範囲内で30〜34°の範囲内である。これらは、本発明者が、実験により、種々の形状の水平偏向コイル2を作成して反転トリレンマの補正特性を評価することにより最適条件を見出したものである。
【0016】
ところで、セルフコンバーゼンス方式の偏向ヨークの水平偏向磁界はピンクッション形にする必要がある。従来においては、R/Bに対するG(緑)の感度や歪み特性を改善するために、大径側フランジ2B側を強いピンクッション磁界、小径側フランジ2A側を弱いバレル磁界、大径側フランジ2Bから小径側フランジ2Aまでの中間領域は平均的にピンクッション磁界となるようにするのが一般的である。この大径側フランジ2B側の強いピンクッション磁界が反転トリレンマ発生の最大要因である。
【0017】
そこで、本発明においては、前述の位置に分割ピン5031〜5034を挿入し、開口2CO1〜2CO4を形成することにより、大径側フランジ2B側の強いピンクッション磁界を弱め、その分、大径側フランジ2Bから小径側フランジ2Aまでの中間領域のピンクッション磁界を強める。これにより、Z軸方向の磁界分布のバランスを最適化して、反転トリレンマを改善するものである。本発明による水平偏向コイル2を17型カラー受像管用の偏向ヨークに組み込み、反転トリレンマを確認したところ、反転トリレンマは約70%程度低減し、約30%に改善されたことが確認された。この反転トリレンマを約30%に改善した偏向ヨークは、従来の改善手段を搭載した偏向ヨークと比較しても遜色ないものである。
【0018】
このように、本発明は、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いることなく、反転トリレンマを改善することができる。但し、さらに反転トリレンマを補正するため、本発明の構成である水平偏向コイル2に加え、他の改善手段(回路や部品等)を用いることを否定するものではない。本発明は、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いることなく、単独で用いる場合のみならず、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いた上で、併用して用いる場合のいずれの場合も含む。
【0019】
以上のように、本発明の偏向ヨークを構成する水平偏向コイル2の側面部2Cには、水平偏向コイル2の巻線工程における複数の分割ピン503による位置規制によって複数の開口2CO1〜2CO4が形成されている。大径側フランジ2Bから小径側フランジ2Aまでの長さL0における大径側フランジ2Bから小径側フランジ2A方向に20〜35%の範囲内においては、分割ピン503が巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピン503とZ軸とを結ぶ線とX軸とのなす角として10〜25°の範囲内に設けた分割ピン5031,5033(第1の分割ピン)によって開口2CO1,2CO3(第1の開口)が形成されている。55〜70%の範囲内においては、25〜40°の範囲内に設けた分割ピン5032,5034(第2の分割ピン)によって開口2CO2,2CO4(第2の開口)が形成されている。
【0020】
次に、図3,図4を用いて、以上説明した本発明の偏向ヨークに用いる水平偏向コイル2を得るための、水平偏向コイルの巻線装置と本発明の水平偏向コイルの巻線方法とについて説明する。なお、この巻線装置は、巻線装置における巻型以外の部分は従来と同様であるので、図3,図4では、巻型のみを図示し、他の部分の図示を省略している。
【0021】
図3,図4において、この巻線装置における巻型は、凸型51と凹型52とよりなる。凸型51と凹型52とを図3のように組み合わせて対向させると、両者の間には巻線スペースが形成され、その巻線スペースにコイルとなる電線が順次巻線され、サドル型水平偏向コイル2が形成される。
【0022】
凸型51の大径側(図3の下側)には、水平偏向コイル2を巻線するに際し、電線の巻線分布を決定し、複数のセクション2C1〜2C8に分割するための複数の分割ピン501が設けられている。分割ピン501それぞれはそれぞれの駆動部53によって駆動される。即ち、駆動部53それぞれは、巻線工程において、凸型51と凹型52との間の巻線スペース内への選択的な出し入れ(挿入・待避)が制御される。さらに、凹型52には、側面部2Cに、三角形の開口2CO1〜2CO4を形成するための複数の分割ピン503が設けられている。分割ピン503それぞれはそれぞれの駆動部55によって、巻線スペース内への選択的な出し入れ(挿入・待避)が制御される。なお、図3,図4においては、簡略化のため、分割ピン501,503や駆動部53,55を部分的に図示している。
【0023】
本実施例においては、分割ピン501はカラー受像管(図示せず)の管軸(Z軸)に相当する図3の上下方向と略平行方向にその出し入れが制御され、分割ピン503は例えば側面部2Cの略法線方向にその出し入れが制御される。
【0024】
以上のように、本発明の水平偏向コイルの巻線方法は、凸型51と凹型52との間の巻線スペースに電線を巻線して、カラー受像管のネック部側を小径側フランジ2A、カラー受像管の画面側を大径側フランジ2Bとし、小径側フランジ2Aと大径側フランジ2Bとの間を側面部2Cとした水平偏向コイル2を形成する。
また、電線の巻線時に巻線スペースに複数の分割ピン503を挿入して側面部2Cにおける巻線分布を規制する。
【0025】
そして、大径側フランジ2Bから小径側フランジ2Aまでの長さL0における大径側フランジ2Bから小径側フランジ2A方向に20〜35%の範囲内においては、分割ピン503が巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピン503とZ軸とを結ぶ線とX軸とのなす角として10〜25°の範囲内に分割ピン5031,5033(第1の分割ピン)を挿入する。55〜70%の範囲内においては、25〜40°の範囲内に分割ピン5032,5034(第2の分割ピン)を挿入する。
【0026】
さらに、図5を用いて、本発明の偏向ヨークの全体構成例について説明する。図5に示す構成例は、本発明とは直接関係のない構成を含んでいる。本発明の偏向ヨークは図5に示すものに限定されるものではない。図5において、この偏向ヨークは、例えば一対の半環状のものを組み合わせたセパレータ1により、一方(図中の上側)が小径部とされ、他方(図中の下側)が大径部とされた漏斗状に形成されている。なお、小径部はカラー受像管のネック側であり、大径部は画面側である。
【0027】
このセパレータ1の内面には一対のサドル型水平偏向コイル2,2が装着され、外面には一対のサドル型垂直偏向コイル3,3が装着され、セパレータ1は水平偏向コイル2,2と垂直偏向コイル3,3とを電気的に絶縁して保持する。垂直偏向コイル3,3の外面にはフェライト等からなるコア4が装着されている。水平偏向コイル2は、前述の巻線装置及び本発明の水平偏向コイルの巻線方法によって形成され、図1,図2の如く構成されたものである。
【0028】
水平偏向コイル2は、上記のように、小径側(ネック側)フランジ2A(ここでは図示せず)と大径側(画面側)フランジ2Bとを備える。小径側フランジ2Aはセパレータ1の小径側に設けた収納部(図示せず)に収納され、大径側フランジ2Bは大径側フランジ1bに収納される。垂直偏向コイル3も、小径側フランジ(図示せず)と大径側フランジ3Bとを備える。
【0029】
このように構成される偏向ヨークには、通常、偏向特性を補正する回路が必要であり、このような回路等を搭載した基板5がセパレータ1の側面に取り付けられている。セパレータ1の小径側には、複数枚のフランジ1a1,1a2,1a3なる小径側フランジ1aが設けられている。小径側フランジ1aの最も小径側のフランジ1a1上には、一対の4Pコイルと称される4極の補正コイル7が嵌着されている。
【0030】
最も大径側のフランジ1a3には、基板5をセパレータ1に装着するための爪8が一体成形によって設けられている。基板5には、孔5aが形成されており、この孔5aにフランジ1a3に設けた爪8が係合するようになっている。一方、大径側フランジ1bには、一対の板状のリブ9が一体成形によって設けられている。基板5はその下端部を一対のリブ9によって挟まれて保持される。このようにして、基板5は、フランジ1a3に設けた爪8及びリブ9によって、セパレータ1の側面に取り付けられる。
【0031】
さらに、基板5にはリード線を接続するための端子である複数のピン10が取り付けられており、これらのピン10には、水平偏向コイル2のリード線2aや垂直偏向コイル3のリード線3a、補正コイル7のリード線7aがからませてある。また、この偏向ヨークに電流を供給するため、電源に接続するコネクタ11には、コネクタワイヤ12が接続されており、コネクタワイヤ12のリード線12aも基板5のピン10にからませてある。
【0032】
基板5の端部には、リード線2a,3a,7aを通すための複数の溝5bがピン10の近傍に形成されている。基板5方向に引き回されたリード線2a,3a,7aは、それぞれ基板5の端部に形成した溝5bに収められ、ピン10にからませて半田付けされる。なお、ここでは半田は図示していない。なお、ネック側フランジ1aのフランジ1a3には、略L字状のリブ13が一体成形により設けられており、水平偏向コイル2のリード線2aは、リブ13とフランジ1a3とがなす略コ字状の凹部14を通して溝5bに収められている。
【0033】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の偏向ヨーク及び水平偏向コイルの巻線方法は、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いることなく、反転トリレンマを改善することができる。
また、反転トリレンマ補正のための回路や部品を用いることなく、反転トリレンマを改善することができる水平偏向コイルを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の偏向ヨークで用いる水平偏向コイルの一実施例を示す側面図である。
【図2】本発明の偏向ヨークで用いる水平偏向コイルの一実施例を示す正面図である。
【図3】水平偏向コイルの巻線装置の一適用例を示す側面図である。
【図4】水平偏向コイルの巻線装置の一適用例を示す分解斜視図である。
【図5】本発明の偏向ヨークの一構成例を示す斜視図である。
【図6】反転トリレンマを示す図である。
【符号の説明】
2 水平偏向コイル
2A 小径側フランジ(小径部)
2B 大径側フランジ(大径部)
2C 側面部
2D 窓部
2E 突き合わせ部
2C1〜2C8 セクション
2CO1〜2CO4 開口
3 垂直偏向コイル
501,503,5011〜5018,5031〜5034 分割ピン
51 凸型
52 凹型
53,55 ピン駆動部
Claims (2)
- カラー受像管のネック部に装着される偏向ヨークであり、前記ネック部側を小径部、前記カラー受像管の画面側を大径部とし、前記小径部と前記大径部との間を側面部とした水平偏向コイルを備えた偏向ヨークにおいて、
前記側面部に、少なくとも第1及び第2の開口部を三角形状に形成し、
前記第1の開口部の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に20〜35%の範囲内であって、前記第1の開口部の一頂点と前記カラー受像管の管軸とを結んで前記管軸に直交する線と、前記画面の水平軸とのなす角が10〜25°の範囲内にし、
前記第2の開口部の一頂点を、前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に55〜70%の範囲内であって、前記第2の開口部の一頂点と前記管軸とを結んで前記管軸に直交する線と、前記画面の水平軸とのなす角が25〜40°の範囲内にしたことを特徴とする偏向ヨーク。 - カラー受像管のネック部に装着される偏向ヨークに用いる水平偏向コイルを形成する水平偏向コイルの巻線方法であり、凸型と凹型との間の巻線スペースに電線を巻線して、前記ネック部側を小径部、前記カラー受像管の画面側を大径部とし、前記小径部と前記大径部との間を側面部とした水平偏向コイルを形成する水平偏向コイルの巻線方法において、
前記電線の巻線時に前記巻線スペースに複数の分割ピンを挿入して前記側面部に少なくとも第1及び第2の開口部を三角形状に形成し、
前記第1の開口部の三角形状の一頂点を、
前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に20〜35%の範囲内であって、分割ピンが前記巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピンと前記カラー受像管の管軸とを結ぶ線と前記画面の水平軸とのなす角が10〜25°の範囲内に第1の分割ピンを前記巻線スペースに挿入して形成すると共に、
前記第2の開口部の三角形状の一頂点を、
前記大径部から前記小径部までの長さにおける前記大径部から前記小径部方向に55〜70%の範囲内であって、分割ピンが前記巻線スペースに挿入される位置における断面で見たとき、その分割ピンと前記管軸とを結ぶ線と前記画面の水平軸とのなす角が25〜40°の範囲内に第2の分割ピンを前記巻線スペースに挿入して形成することを特徴とする水平偏向コイルの巻線方法。
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