JP3664062B2 - 燃料電池システム - Google Patents

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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は燃料電池システムに係わり、特に、車載用に好適な大気を圧縮する空気圧縮機を備えた燃料電池システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
排ガス中のNOx,CO,CO2ガス等を低減可能な燃料電池車の空気圧縮に必要なエネルギ消費を最小にして燃料電池装置の発生出力を最適化する方法が、特開平7-14599号公報に記載されている。この公報では、燃料電池の出力を調整するため、空気供給導管中に回転数可変の圧縮機を設け、空気排出導管中に吸収能力の可変な膨張機を設けている。そして、空気容積流量を圧縮機の回転数を介して所定の目標値に調整し、同時に膨張機の吸収能力を制御して、燃料電池装置を所定運転圧力に調整している。
【0003】
また、燃料電池発電装置において、体積効率及び温度効率を高め、圧縮機の所要動力を小さくかつ小型軽量化することが、特開平10-189010号公報に記載されている。この公報においては、燃料電池発電装置は燃料電池とリショルムコンプレッサを備え、燃料電池で発生した水分を凝縮して気液分離装置に保有させ、気液分離装置からリショルムコンプレッサの吸入側に噴射ポンプで水を噴射している。これにより、圧縮空気と水とを熱交換し吐出空気を冷却するとともに、噴射水によりリショルムコンプレッサ内の漏れ通路をシールしている。
【0004】
さらに、燃料電池システム内に残留した水の凍結を防止して確実な始動を可能にすることが特開平2000-21430号公報に記載されている。この公報では、燃料電池システムは、改質器と燃料電池セルとを有している。さらに、メタノールを貯留するメタノールタンクと、燃料電池セル等から排出される水分を貯留する水回収タンクと、メタノールおよび水を混合するメタノール水溶液タンクと、このタンクの下部に接続され、水回収タンク内及び水経路内の水を排水可能な切り換えバルブをも備えている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記いずれの公知例においても、燃料電池本体に供給する空気と水の圧力条件を最適化することまでは考慮されていない。したがって、燃料電池システム全体のエネルギ効率が必ずしも満足の行くものではなかった。例えば、特開平7―14599号公報では、供給空気の温度を制御して燃料電池本体を適正温度範囲に制御することが記載されているが、モニタリングに必要な温度をどこでどのように測定するかについては十分考慮されておらず、燃料電池システムの最適化が困難であった。
【0006】
また、特開平10-189010号公報に記載のものは、ポンプを必要とせずに水注入が可能で空気圧縮機の効率向上が期待できる。しかし、燃料電池本体の上流側で水を冷却分離しているので、分離後の空気による燃料電池本体の温度低下や乾燥障害による性能低下を引き起こすおそれがある。したがって、燃料電池システム全体を最適化することについての配慮が不十分である。さらに、特開平2000-21430号公報に記載のものは、空気圧縮機を燃料電池に使用することが考慮されていない。
【0007】
本発明は上記従来技術の不具合に鑑みなされたものであり、その目的は、燃料電池システム全体のエネルギ効率を向上することにある。本発明の他の目的は、燃料電池を安定に運転開始し、障害を回避した信頼性の高い燃料電池を実現することにある。そして、これらのいずれかを達成することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の特徴は、燃料電池本体と、この燃料電池本体に大気を圧縮して供給する容積型の圧縮機と、燃料電池本体の排気から水分を分離捕集する水捕集手段と、捕集した水分を貯える貯水手段と、水分を分離した排気を減圧する減圧手段とを備えた燃料電池システムにおいて、空気圧縮機に吸込まれた大気が、この空気圧縮機の吐出口、燃料電池本体の空気室、水捕集手段および減圧手段の順に流通する空気流路を形成すると共に、燃料電池本体が運転中は貯水手段から圧縮機に分離した水分を供給可能に構成し、かつ前記燃料電池本体の温度を検出する温度センサと、前記燃料電池本体に供給される空気の温度を検出する温度検出手段と、前記貯水手段から前記圧縮機に導かれる水分が流通する流路に設けられた流路抵抗可変手段と、前記温度センサ及び前記温度検出手段が検出した温度信号が入力され、これらの温度信号に基づいて前記流路抵抗可変手段を制御する制御信号を出力する制御装置とを備えていることにある。
【0010】
また、起動時において、制御装置は流路抵抗可変手段が通常運転時よりも少量の水分を圧縮機に供給するか或いは供給を停止するように制御することが望ましい。
【0011】
上記目的を達成するための本発明の第2の特徴は、燃料電池本体と、この燃料電池本体に大気を圧縮して供給する容積型の圧縮機と、燃料電池本体の排気から水分を分離捕集する水捕集手段と、捕集した水分を貯える貯水手段と、水分を分離した排気を減圧する減圧手段とを備えた燃料電池システムにおいて、貯水手段はこの貯水手段に溜められた水の温度を検出する温度検出手段とこの水を加熱する加熱手段とを有し、燃料電池本体で発電した電気を蓄える蓄電池とこの蓄電池の充電量を監視する手段とを設け、水温検出手段が検出した温度が、予め定めた設定値以下となったときには加熱手段に蓄電池から電力を送り、監視手段が監視する充電量が予め定めた設定値以下になったときには、燃料電池本体を作動させて通常運転を開始して蓄電池に充電するよう指令する制御手段を設けたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
燃料電池は水素を直接、あるいは水素を含む燃料から改質により発生させた水素を酸素と結合する化学反応を利用して電力を生み出すエネルギ変換器の一種で、近年、研究開発が進められている。水素と反応させる酸素としては、大気中の酸素を利用している。燃料電池の出力向上あるいは小型化のためには、単位容積当たりの出力増加が必要である。そこで、水素と酸素の結合反応を促進するため、供給する空気を大気圧以上に昇圧している。
【0013】
また、燃料電池を連続して運転するためには、水の供給も不可欠である。現在有望な燃料電池である固体高分子型の燃料電池(PEFC)では、燃料電池本体内にイオン交換可能な電解質膜を備え、この電解質膜を水で濡らしている。燃料電池の排気中には水素と酸素が反応して発生した水蒸気が多量に含まれているので、この水蒸気を分離回収して電解質膜を濡らす水としている。
【0014】
このような原理を用いた本発明に係る燃料電池システムの一実施例を、図面を用いて説明する。図1は燃料電池システムの系統図である。この図1においては、燃料電池本体への圧縮空気供給系と水の循環系とを詳述している。また、改質器やその周辺機器、発生電力の交流への変換器、及び制御機器については、図示を省略または簡略化して示している。
【0015】
燃料電池本体1は、電解質膜11を水素極(アノード)13と酸素極(カソード)14とで挟んでいる。そして、アノード13とカソード14から、電力線12を用いて直流電力を取り出している。電解質11は燃料電池の種類によりその材質が異なる。本実施例では高分子電解質膜を用いている。アノード13に、燃料気体が供給される水素室15が形成されており、カソード14には空気室が形成されている。
【0016】
なお、燃料気体は、水素を多く含む気体であり、例えばメタノールガスや水素ガスそのものである。水素室15に水素を供給する方法としては、貯蔵した水素を用いる方法や改質器において水素を含有する化合物から水素を取り出す方法がある。
【0017】
次に、空気室16へ大気中の空気を圧縮して送り込む流路系について説明する。空気取入れ端に、空気中を浮遊する塵埃などの進入を防止する空気濾過器21を設ける。空気濾過器21を経た空気は、吸入流路22を介してスクリュー式の空気圧縮機2の吸入口に至る。空気圧縮機2で圧縮された空気は、空気圧縮機2の吐出口に接続された耐圧配管製の上流流路23を経て空気室16へ導かれる。
【0018】
なお、本実施例では空気圧縮機2としてスクリュー圧縮機を採用しているが、容積形の圧縮機であればスクロール式あるいは往復動式などであってもかまわない。スクリュー圧縮機では雌雄一対のロータに形成された歯溝間に吸入されたガスを、ロータが回転することにより一方の軸端から他方の軸端まで移送する。その際、吸入されたガスを収容する圧縮室が吸入側端面で形成され、ロータの回転に伴ってその容積を拡大した後に縮小に転じ、吐出側端面で消滅する。圧縮室形成から最大容積になる間にスクリュー圧縮機の吸入口と連通して空気を吸い込む。その後、圧縮室が閉じたまま容積を縮小し続ける。その結果、圧縮室の内圧が上昇する。内圧が所定圧力に達したらスクリュー圧縮機の吐出口に連通するように、ケーシングに吐出口が形成されている。
【0019】
空気室16の出口に接続された下流配管24も、耐圧構造となっている。この下流配管24の途中には、水捕集器3が設けられている。水捕集器3を経た圧縮ガスは、膨張機4に導かれ、減圧する。膨張機4を出たガスは、サイレンサ25から大気へ開放される。
【0020】
水捕集器3では、圧縮空気を一旦露点以下に冷却する。そして、液化析出した水分を重力で分離している。水捕集器3の下部には貯水槽31が形成されており、その底面には水配管32が接続されている。水配管32には、電動弁33が設けられており、流路抵抗を変えることができる。電動弁33を経た水は、圧縮機2のケーシングを貫通する流路を通って圧縮機内部に形成される圧縮室に導かれる。
【0021】
この水の注入位置は圧縮機の性能や信頼性に重要な意味を持つ。注入位置が吐出側に近過ぎるか、あるいは吐出口よりも下流にあると、水を注入しても空気の圧縮により発生する熱を効率よく奪うことができない。したがって、圧縮動力の低減には役立たない。さらに、注入位置の内圧が高いので、差圧吸入が困難になる。
【0022】
一方、注入位置が吸入口よりも上流側にあると、水が気化した分だけ空気の吸入が阻害されて体積効率の低下が生じる。また、流路壁面が濡れるので停止時に凍結したり内部の腐食を促進するなどの好ましくない現象を発生しやすい。そこで、本実施例では圧縮室が最大容積となって吸入口を閉じると同時あるいは直前に、水の注入が開始されるように注入口を形成する。
【0023】
ところで、膨張機4の回転動力を出力する出力軸と圧縮機2の回転動力の入力軸を共通軸6として一体化している。これは、膨張機4で発生する回転動力を圧縮機2の駆動動力に利用するためである。しかしながら、通常の運転条件では膨張機4の出力は圧縮機2の駆動に要する動力より小さい。そこで、共通軸6に動力を供給する電動機5の出力軸を連結している。
【0024】
上流流路23の内部には、流路内を流れる空気の温度を検出する温度センサ34が配設されている。また酸素極14の表面にも温度センサ37が備えられている。これら温度センサ34、37の出力は制御装置7に入力される。制御装置7は、温度センサ34、37が検出した温度に基づいて、水配管32に介在させた電動弁33に制御信号36を出力する。
【0025】
貯水槽31には貯水温度を検出する温度センサ35が取付けられている。貯水槽31の底部背面側には、電熱線ヒータ41が設けられている。このヒータ41及び貯水槽31を断熱材42が覆っている。ヒータ41および蓄電池44には、制御盤43を介して燃料電池本体1で発生した電力が供給されている。この燃料電池本体1からの電力線の途中には、必要に応じて電圧変換器が設けられている。なお、制御盤43からの電力の供給/停止を、制御装置7が指令している。
【0026】
次にこのように構成した本実施例の動作について、説明する。初めに、定常運転について説明する。空気圧縮機2に吸い込まれた大気は、圧縮室の拡大過程で吸入口から圧縮室に吸い込まれる。そして、圧縮室容積がほぼ最大の時に吸入口が閉じられ、その後容積が縮小することにより圧縮される。圧縮開始と相前後して水が注入される。水の温度は圧縮機に吸入された空気の温度と同じか僅かに高い程度である。したがって、圧縮されて温度上昇した空気に対して、注入された水は相当低い温度であるから、熱交換して空気を冷却する。水は空気に比較して単位体積当たりの比熱が非常に大きい。しかも水は、高温では気化する際に潜熱を奪うから、圧縮された空気に注水すると、水の注入の無い乾燥状態に比較して格段に空気温度が低下する。水の冷却効果で空気は等温圧縮に近づくので、圧縮動力が低減される。圧縮室は所定の位置で吐出口を開口し、圧縮した空気を吐き出す。
【0027】
圧縮機2に水を注入すると空気を冷却できるが、さらに、シール効果も得られる。つまり、従来、雌雄両ロータ間やケーシングと各ロータ間に形成される僅かな隙間から漏洩する空気が圧縮機の効率を低下させているが、水を注入することにより水が隙間を塞ぐためである。
【0028】
燃料電池本体1の電解質膜11は、水で濡れた状態で機能する。そして、乾燥高温空気が空気室16に流れると、酸素極14とともに乾燥し効率が低下する。本実施例では供給空気が水蒸気を多く含むので、酸素極14を透過して電解質膜11から散逸する水の量を減らすことができる。また、温度条件によっては酸素極14の面に結露させることにより水分を供給することもできる。
【0029】
酸素極14では、水素極14から電解質膜11を透過してきた水素イオンと電力線12を経由してきた電子が空気中の酸素と結合して水を発生する。その一部は、水蒸気として空気室16に放出される。このため、燃料電池本体1から排出される空気には水蒸気が多量に含まれる。そこで、水捕集器3では排出する空気を一旦冷却し、この空気に含まれる水蒸気を液化して空気から分離する。水分を分離した空気は、膨張機4を通過する際に圧力が降下する。このとき、回転動力を発生して圧縮機2の駆動動力の一部に用いられる。圧力が低下した空気は、サイレンサ25から大気に放出される。
【0030】
水捕集器3で分離された水は、水捕集器3の下部に形成した貯水槽31に滴下する。貯水槽31に一時的に貯えられた水は、水配管32を通じて圧縮機2に導かれ、再び吸入空気に注入される。水捕集器3内の圧力は貯水槽31部分をも含めて、ほぼ大気圧である圧縮開始位置における圧縮室内の圧力より高い。そのため、水を供給するためのポンプは不要であり、圧縮室内圧力と貯水槽内の圧力との差圧だけで、圧縮機1へ注水が可能になる。
【0031】
燃料電池本体1の発電能力は、電解質膜11ならびにその周囲の温度にも依存する。これらの温度は、大気温よりも高いことが望ましい。燃料電池の通常運転時には、燃料電池自身の発熱と供給される空気や燃料の温度および放熱をバランスさせることにより、最適な温度範囲で運転されている。この温度制御について以下に説明する。
【0032】
燃料電池本体1の温度を検出するため、酸素極14に温度センサ37を設けている。この温度センサ37が検出した温度と、燃料電池に供給される空気の温度を検出する温度センサ34が検出した空気温度とを制御装置7に入力する。制御装置7はこれらの温度情報に基づいて、電動弁33に開度調整を制御信号36で指示する。例えば温度が高すぎる場合には流路損失を減らして流量を増し、多くの水で空気を冷却する。逆に温度が低すぎる場合には、水の流量を減らす。
【0033】
次に、起動時の運転について説明する。起動時には本システム全体が大気温に近い温度であるから、そのままでは発電能力が低い。燃料電池の用途によっては早急な立ち上がり、すなわち短い暖気運転時間が要求される。その場合は、次のように運転する。
【0034】
起動直後の予め設定した時間だけあるいは所定の温度に達するまで、制御装置7は制御弁33を制御して、通常運転時より水注入量を減らすかあるいは水注入を停止する。圧縮機2の吐出空気は圧縮熱で温度上昇する。この温度上昇した空気を空気室16に供給して燃料電池本体1を暖める。このようにすることにより、燃料電池全体の温度を、速やかに最適値に近づけることが可能になる。この暖気運転の過程では圧縮機2の動力は通常運転時よりも多くなるが、暖気時間は通常運転時間に比較して短いので、エネルギ消費量への影響は小さい。また、水蒸気の含有が少ない空気を供給するので電解質膜11に含まれる水が散逸するおそれがあるが、暖気運転時間は短い時間であるから、すぐに水を供給することにより電解質膜11を濡れた状態に維持できる。なお、水分の散逸が懸念される場合には、ポンプ等を設けて水を供給することで対応可能である。
【0035】
燃料電池を寒冷条件で用いると、停止後に凍結する恐れがある。そこで、燃料電池を停止する前に乾燥運転する。乾燥運転は、起動運転と同様に水注入を停止した運転である。水を注入せずに、圧縮機2や空気流路23、24内部の水分を減らし、その後運転を停止する。圧縮機2の停止後に電動弁33を開放すると、水配管32内に残った水は重力で貯水槽31に戻される。貯水槽31に貯えた水は、一個所に集中しているから、保温や電熱などの手段を講ずることにより容易に凍結を防止できる。
【0036】
本実施例では、燃料電池を停止している時でも制御装置7は稼動状態にある。そして、貯水槽31に貯えた水の温度は、温度センサ35で監視し続けられる。水の温度が次第に下降して、所定の温度(例えば5℃)以下になったことをセンサ35が感知したら、制御装置7は配電盤43に蓄電池44の電力をヒータ41に流すように指令する。これにより水が加熱される。水の温度が予め設定した値(例えば7℃以上)まで上昇したことを温度センサ35が確認したら、加熱を停止する。このようにして、貯水槽内の水の凍結を防止できる。
【0037】
上述した凍結防止を長期間にわたり実行すると、蓄電池44に貯えた電力が消費し尽くされヒータによる加熱が困難となる。そこで、蓄電池44の蓄電量を検出する手段を設け、蓄電量の消費状態を制御装置7に入力し、その状態に応じて燃料電池を自動運転する。この蓄電量の消費による運転も通常の起動運転と同様である。蓄電池本体1で発生した電力は制御盤43を介して蓄電池44に送られる。そして、蓄電池44が十分に充電されたことを蓄電量検出手段が検出したら、燃料電池の運転を停止し、再び通常の凍結防止運転に戻る。
【0038】
なお、上記実施例においては、空気室の下流側に膨張機4を設けているが、燃料電池システムの容量が小さい時や空気室の設定圧力が低い場合には膨張機で取り出す動力は有効なほどの量にならないので、膨張機4に代えて膨張弁を用いるようにしてもよい。その場合、共通軸8を廃して圧縮機2を電動機等の駆動手段で駆動するようにする。その結果、圧縮機2と排気流路を簡素化できる。
【0039】
以上述べたように本実施例によれば、燃料電池システムを小形化しながらエネルギ効率を向上することができる。また、起動から通常の運転に至るまでの暖気時間も短く、寒冷条件における停止後の凍結防止も可能である。さらに、長期間停止に対しても凍結防止が有効、で高い信頼性と使い勝手向上を実現している。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば、燃料電池本体の温度を検出する温度センサと、燃料電池本体に供給される空気の温度を検出する温度検出手段と、貯水手段から圧縮機に導かれる水分が流通する流路に設けられた流路抵抗可変手段とを備え、前記温度センサ及び前記温度検出手段が検出した温度信号に基づいて前記流路抵抗可変手段を制御し、大気から分離した水分を圧縮機に注水するようにしたので、燃料電池本体に供給される空気には水蒸気が多く含まれ且つ燃料電池本体を適切な温度範囲で運転できるから、燃料電池システムのエネルギ効率を向上させることができる。
また、起動時において、制御装置は流路抵抗可変手段が通常運転時よりも少量の水分を圧縮機に供給するように制御することにより、圧縮熱で温度上昇した空気を燃料電池本体に供給して暖めることができ、燃料電池全体の温度を速やかに最適値に近づけることが可能になる。
さらに、凍結防止手段を設けたものでは、長期にわたり信頼性高く燃料電池を運転することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る燃料電池システムの一実施例の系統図である。
【符号の説明】
1……燃料電池本体、2……空気圧縮機、3……水捕集器、4……膨張機、5……電動機、6……共通軸、7……制御装置、11……電解質膜、12……電力端子、13……水素極、14……酸素極、15……水素室、16……空気室、21……空気濾過器、22……吸入流路、23……上流流路、24……下流流路、25……サイレンサ、31……貯水槽、32……水流路、33……電動弁、34…温度センサ、35……温度センサ、36……制御信号、41……ヒータ、42……断熱材、43……制御盤、44…蓄電池。

Claims (3)

  1. 燃料電池本体と、この燃料電池本体に大気を圧縮して供給する容積型の圧縮機と、前記燃料電池本体の排気から水分を分離捕集する水捕集手段と、捕集した水分を貯える貯水手段と、水分を分離した排気を減圧する減圧手段とを備えた燃料電池システムにおいて、
    前記空気圧縮機に吸込まれた大気が、この空気圧縮機の吐出口、前記燃料電池本体の空気室、前記水捕集手段および前記減圧手段の順に流通する空気流路を形成すると共に、前記燃料電池本体が運転中は前記貯水手段から前記圧縮機に分離した水分を供給可能に構成し、かつ
    前記燃料電池本体の温度を検出する温度センサと、
    前記燃料電池本体に供給される空気の温度を検出する温度検出手段と、
    前記貯水手段から前記圧縮機に導かれる水分が流通する流路に設けられた流路抵抗可変手段と、
    前記温度センサ及び前記温度検出手段が検出した温度信号が入力され、これらの温度信号に基づいて前記流路抵抗可変手段を制御する制御信号を出力する制御装置と
    を備えていることを特徴とする燃料電池システム。
  2. 起動時において、前記制御装置は前記流路抵抗可変手段が通常運転時よりも少量の水分を前記圧縮機に供給するか或いは供給を停止するように制御することを特徴とする請求項に記載の燃料電池システム。
  3. 燃料電池本体と、この燃料電池本体に大気を圧縮して供給する容積形の圧縮機と、前記燃料電池本体の排気から水分を分離捕集する水捕集手段と、捕集した水分を貯える貯水手段と、水分を分離した排気を減圧する減圧手段とを備えた燃料電池システムにおいて、前記貯水手段はこの貯水手段に溜められた水の温度を検出する温度検出手段とこの水を加熱する加熱手段とを有し、前記燃料電池本体で発電した電気を蓄える蓄電池とこの蓄電池の充電量を監視する手段とを設け、前記水温検出手段が検出した温度が、予め定めた設定値以下となったときには前記加熱手段に蓄電池から電力を送り、前記監視手段が監視する充電量が予め定めた設定値以下になったときには、燃料電池本体を作動させて通常運転を開始して蓄電池に充電するよう指令する制御手段を設けたことを特徴とする燃料電池システ
    ム。
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