JP3663545B2 - 蛇篭とその形成施工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、河川の防災工事や一般的な護岸工事その他の工事等において好適に使用される蛇篭とその形成施工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、河川の防災工事等や護岸工事用等の敷設部材として石等の中詰材を詰めた鉄線製蛇篭が使用されている。この蛇篭としては、鉄線製網を角形状又は円筒状に形成して蛇篭となし、この前後の少なくとも一方の開口部から石等の中詰材を詰め込み、鉄線製網蓋で被覆する施工法が採用されている。
【0003】
しかしながら、角形状蛇篭は、地面や隣接する蛇篭との接触面積が大きいため、地震、車等の走行による振動、工事等により発生される振動等の各種の振動のうち比較的弱い振動に対しては優れた形状安定性を示すが、振動に対する柔軟性に欠けているため、衝撃力を吸収することなく、広範囲に伝達してしまい、広い範囲で損傷を生じさせてしまったり、あるいは弱い箇所に集中することにより、局部的に大きな衝撃力をまともに受けて大きな損傷を受け易い欠点がある。また、各蛇籠間に適当な間隙が存在しないので、近年、要望されている生物の良好な生育環境を形成したり、あるいは自然の景観の保全という面からすると、未だ不十分である。
【0004】
さらに、上記の欠点が改善されている円筒状蛇篭は、地面や隣接する蛇篭との接触面積が小さいため、地震等の各種の振動に対する形状安定性に欠けており、損傷を受け易く、また激流等に対する耐久性に欠けるなどの欠点がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる現状に鑑み、地震等の各種の振動あるいは激流に対して優れた形状安定性を示すとともに、振動に対する柔軟性にも優れており、隣接する蛇篭との衝撃力を吸収することにより損傷を受けにくい蛇篭を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記の目的を達成するものであって、請求項1の発明は、上面と下面とがともに四角形状をなす角形蛇篭において、角形立方体状骨材の長手方向に沿って両側面には略中央部において膨出度が最大となるように膨出された膨出部を備えており、上面に中詰材投入用開口部が設けられ、その他の面は網状部材にて形成されており、しかも前記中詰材投入用開口部を閉塞する蓋を備えていることを特徴とする蛇篭である。
【0007】
請求項2の発明は、上面と下面とがともに四角形状をなす角形立方体状骨材の前側面および後側面に、角形立方体状骨材の両側に略半円形状に膨出させた膨出部を装着し、前側面と後側面との間には、前記の側面網部と同形の保形用中間枠材を所望の間隔で装着し、中詰材投入用開口部以外の各面には網状部材を張設し、中詰材投入用開口部から中詰材を投入して、蓋で被覆することを特徴とする蛇籠の形成施工方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施例である図面にしたがって具体的に説明する。
図1〜図3において、1は本発明の蛇篭であって、該蛇篭1は角形立方体状骨材11を備えており、その上面2と下面3とは、長方形、正方形等の四角形状をなしており、しかも平行状態にあり、地面に対して平行に多数積み重ねて敷設することができる。
【0009】
側面4,4,5,5は、相対する一対の側面4、4と、これと直交する他の相対する一対の側面5、5とから形成されている。側面4,4,5,5は、基本的形状では四角形状をなしており、その略中央部において膨出度が最大となるような膨出部6を有するものであり、この膨出部6の形状は図1〜3に示すように略半円形状が最適であるが、略中央部において膨出度が最大となるような形状であれば、三角形状、半楕円形状等、その他であっても良い。このように基本的には四角形状をなしているにもかかわらず、さらに膨出部6をも有することにより、優れた安定性と柔軟性とを兼備させることができる。
【0010】
特に、図1〜3に示すように、相対する一対の側面5,5は膨出部6を有するものであって、残る相対する一対の両側面4,4は垂直状であることが望ましい。これにより、特に優れた安定性と柔軟性とを得ることができるが、長手方向に沿う側面のみを膨出させることが一層、望ましい。
【0011】
さらに、蛇篭1の内部には所要間隔で保形用中間枠材7が配設されており、この保形用中間枠材7は側面に膨出部6を有する側面4,4と同様の形状をなしている。この保形用中間枠材7は、蛇篭1の保形効果を奏するほか、中詰材の移動を防止する効果も奏することができ、蛇篭の一部、特に先端部が破損した場合においても、破損部から流出する中詰材を最小限に食い止めることができ、蛇篭全体の機能の低下を未然に防止することが可能である。
【0012】
上面に中詰材投入用開口部8が設けられ、その他の面は網状部材9にて形成されており、さらに前記中詰材投入用開口部8を閉塞する蓋10を備えており、中詰材を装填して閉じて細い針金等で固定することが可能であり、これにより、中詰材の機械挿入ができることとなり、簡易で敏速な装填が可能となる。なお、蓋10は開閉可能に装着されていることが望ましいが、これに限らない。
【0013】
本発明の蛇篭1の形成、施工方法の一例を述べるに、角形立方体状骨材11の前側面4および後側面4に、角形状部の両側に補強用骨材12にて補強して略半円形状に膨出させた膨出部を備えた側面網部13を装着し、前側面4と後側面4との間には、前記の側面網部13と同形の保形用中間枠材7を所望の間隔で装着し、中詰材投入用開口部8以外の各面には網状部材9を張設する。
【0014】
図1においては、中詰材投入用開口部8を上面2に形成したので、上面2を除く側面4、4、5、5と下面3に網状部材9を張設することにより、図1の蛇篭本体を形成することができる。上面2の中詰材投入用開口部8から手作業またはこれより作業効率の優れた機械的作業にて詰め石を投入したのち、蓋10を針金等で固着することにより、本発明の蛇篭1の施工が簡易に短時間で行える。
【0015】
図2においては、中詰材投入用開口部8を前側面4に形成したので、前側面4を除く側面4、5、5と上面2と下面3に網状部材9を張設することにより、蛇篭本体を形成することができる。前側面4の中詰材投入用開口部8から手作業などにて詰め石を投入したのち、蓋10を針金等で固着することにより、本発明の蛇篭の施工が簡易に行える。
【0016】
本発明の蛇篭1を敷設する場合には、図3に示すように、隣接する蛇篭1の両側面の膨出部6が点接触aするように敷設することが望ましい。さらに、蛇篭1を積み重ねる場合には図3に示すように膨出部6の位置が異なる位置となることが望ましい。このように敷設する場合には、適度の間隙bが生じて、雨水が適度に通過したり、蓄水されたりして、植物の良好な生育環境を形成することにより、自然の景観の保全に有用である。
【0017】
上述のように、本発明の蛇篭は側面の膨出部6が円弧状等であって、上下方向にも伸縮性があって、しかも隣接する蛇篭と先端同士で接触し得るので、横方向にも自由度があり、施工後の状態で全体的に優れた弾力性を有していて、各種の振動に対して優れた柔軟性を有しており、隣接する蛇篭から過度の規制を受けることなく、従来の角形蛇篭の安定性等の利点を確保しながらも、その欠点であった優れた自由度をも兼備している。
【0018】
さらに、図3に示すように施工した場合には、前述のように膨出部6の近傍に間隙bが形成されるので、前述の雨水等の浸透性、蓄水性が改善されるのみならず、間隙bの形成により衝撃に対して柔軟性が向上するほか、川底や川岸に敷設する場合には、水流に整流を起こすことを促し、スムーズな水流を得ることができたり、また水中の生物の棲息を促進する効果をも奏することができる。
【0019】
【発明の効果】
上記の説明から明らかなように、本発明によれば、地震等の各種の振動に対して優れた形状安定性を示すとともに、振動に対する柔軟性にも優れており、隣接する蛇篭との衝撃力を吸収することにより損傷を受けにくい蛇篭を提供することができる。本発明の蛇篭は、施工後の状態で全体的に優れた弾力性を有していて、各種の振動に対して優れた柔軟性を有しており、隣接する蛇篭から過度の規制を受けることなく、従来の角形蛇篭の安定性等の利点を確保しながらも、その欠点であった優れた自由度をも兼備しているものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の蛇篭の一例の概略図である。
【図2】 蛇篭の他の実施例を示す要部の正面図である。
【図3】 本発明の蛇篭の敷設状態の一例を示す正面図である。
【符号の説明】
1 蛇篭
2 上面
3 下面
4 側面
5 側面
6 膨出部
7 保形用中間枠材
8 中詰材投入用開口部
9 網状部材
10 蓋
11 角形立方体状骨材
12 補強用骨材
13 側面網部
Claims (2)
- 上面と下面とがともに四角形状をなす角形蛇篭において、角形立方体状骨材の長手方向に沿って両側面には略中央部において膨出度が最大となるように膨出された膨出部を備えており、上面に中詰材投入用開口部が設けられ、その他の面は網状部材にて形成されており、しかも前記中詰材投入用開口部を閉塞する蓋を備えていることを特徴とする蛇篭。
- 上面と下面とがともに四角形状をなす角形立方体状骨材の前側面および後側面に、角形立方体状骨材の両側に略半円形状に膨出させた膨出部を装着し、前側面と後側面との間には、前記の側面網部と同形の保形用中間枠材を所望の間隔で装着し、中詰材投入用開口部以外の各面には網状部材を張設し、中詰材投入用開口部から中詰材を投入して、蓋で被覆することを特徴とする蛇籠の形成施工方法。
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