JP3663225B2 - ユニット建物の設計方法およびユニット建物用cadシステム - Google Patents

ユニット建物の設計方法およびユニット建物用cadシステム Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はユニット建物の設計方法およびユニット建物用CADシステムに関し、複数の箱形建物ユニットを組み立てて建築されるプレハブ式建物の設計に利用される。
【0002】
【背景技術】
プレハブ式建物は、工業化によるコスト低減および品質安定化等のメリットから、近年急速に普及するに至っている。
プレハブ式建物のうち、軸組みカーテンウォール工法は在来工法に近いものであり、工場生産された柱梁および壁用面材を組み立てて建築される。また、木質パネル工法は工場で生産されたパネルを現場で組み立てて建築される。
これらの各プレハブ工法の建物は、それぞれ軸材や面材等の単純な部材の集合体として構成される。
一方、プレハブ化建物のうち、ユニット工法は工場で箱形の建物ユニットを生産し、現場で組み立てるものであり、生産、輸送、現場施工が基本的にユニット単位である。
【0003】
これらのプレハブ式建物は、企画建築として提供されることが一般的であった。企画建築とは、建物の間取りや外観形状等の概略から、組み込み設備の種類や内外装の仕様等の細部までを建物メーカーが設計したものである。
但し、企画建築であっても、顧客の要望に応じて、間取り、設備、仕様に関して幾つかのオプションを選択できる場合が多い。
【0004】
しかし、近年では施主の要望が多様化しており、画一的な企画建物ないしオプション選択では十分な顧客満足が得られないようになっており、プレハブ建物においても多様な個別設計の注文建築への対応が要望されている。
ここで、注文建築への対応にあたっては、各建物毎に最初から設計しなおす必要があり、従来の企画住宅に比べて建物メーカーの設計作業が膨大化する。
このため、プレハブ式建物の注文対応には、作業を効率化するためにCAD(コンピュータ支援設計)システムの導入が必要となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したプレハブ式建物の中でも、ユニット建物は他のプレハブ工法に比べて注文建築への対応およびCAD化が難しいという問題があった。
すなわち、軸組み式建物やパネル式建物で注文建築に対応する場合には、施主注文に応じて間取り等の概略をまとめ、それを具体化する詳細構造や仕様部品をまとめて設計図面を作成し、施主の確認を経て設計が完了し、部品生産ないし建築施工に至ることになる。
つまり、この種の建物では、建物全体が単純に部品の集合体として捉えられるため、間取りプランニング等の概略から使用部材や構造等の詳細の設計までが一体不可分で連続的である。
このため、CAD化にあたっては一連の設計内容を追うことで比較的簡単に行えるとともに、注文対応にあたっても設計作業をやり直すだけで特段の困難はない。
【0006】
しかし、ユニット建物においては、前述のように取り扱いがユニット単位であるため、その設計には単純な部材レベルと建物全体のレベルとの間に、ユニット単体に関する中間的な設計レベルが必要である。
特に、各ユニットのフレームには、建物に組み込まれた状態での構造強度を確保するとともに、輸送等の取り扱いを考慮してユニット単体での自立強度を確保する必要があり、ユニット単体レベルの設計作業が煩雑なものとなる。
【0007】
このようなことから、ユニット建物での概略設計の大幅な変更には、建物全体レベルでの再設計に加え、その内容に応じて各ユニットの再設計等が必要となり、作業およびコストが膨大となる。
さらに、膨大な処理が必要になることから、CAD化にあたっては処理を実行するコンピュータ装置の速度低下が生じ、あるいは処理装置の高速化に伴うコスト上昇等が生じ、CAD化が困難になるという問題がある。
そして、CAD化の遅れに伴って、ユニット建物の注文建築への対応も遅れていた。
【0008】
また、ユニット建物を構成するユニットには、大きさや形状等の異なる多くの種類があるため、このことがユニット建物の設計におけるCAD化をより困難なものとしていた。従って、このような多くの種類のユニットを迅速に効率よく、かつ施主の注文通りに配置しながらユニット建物の設計を行うことができるユニット建物用CADシステムの構築が望まれていた。
【0009】
本発明の目的は、大幅な設計変更にも柔軟迅速に対応でき、特に、多くの種類のユニットがある場合であってもユニット配置作業を効率よく行うことができるユニット建物の設計方法およびユニット建物用CADシステムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、CADシステム全体を基本設計と生産設計とに二分し、基本設計では建物の基本的なユニット配置までの概要(施主に見える部分の形状や仕様、施主が要望する機能等)を設計し、注文に応じた建物を表す必要最小限の事項をまとめ、施主打ち合わせにより設計変更が繰り返される部分の作業負荷を軽減するとともに、生産設計では基本設計で決まった内容に対応した詳細(施主の見えない部分の構造や部品構成)を設計することにより、ユニット単体レベルの複雑な生産設計をも効率的に処理できるようにした。
そして、特に、基本設計において、ユニットの大きさや形状等に応じて多くの種類のユニットを区分することによりユニット配置作業を行うようにし、これらにより前記目的を達成しようとするものである。
【0013】
本発明は、複数の建物ユニットを組み立てて建設されるユニット建物の設計を行うためのユニット建物用CADシステムであって、前記建物内におけるユニット配置を含む前記建物の仕様を指定する基本設計情報を作成する基本設計システムと、前記基本設計情報に基づいて各建物ユニット毎の具体的仕様を含む生産設計情報を作成する生産準備システムと、前記生産準備システムにより作成、追加、修正、参照され、かつ前記基本設計システムにより参照される設計要素データベースと、を備えたコンピュータシステムにより構成され前記基本設計システムは、所定の矩形区画内に収まる基本ユニットの入力を行う基本ユニット入力部と、前記基本ユニットに付属して設けられる付属ユニットの入力を行う付属ユニット入力部と、玄関領域の入力を行う玄関領域入力部とを備え、前記基本設計情報は、前記建物の平面図を含み、前記設計要素データベースは、建物の設計にあたって遵守すべき設計ルール、および建物の基本構造となる建物ユニットの情報を含み、前記基本設計システムにおける前記基本設計情報の作成、前記生産準備システムにおける前記生産設計情報の作成、前記基本ユニット入力部における基本ユニットの入力、前記付属ユニット入力部における付属ユニットの入力、および玄関領域入力部における玄関領域の入力は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理され、設計要素データベースの前記生産準備システムによる作成、追加、修正、参照、および前記基本設計システムによる参照は、コンピュータで自動処理されることを特徴とする。
【0014】
また、前記基本設計システムに、前記基本ユニットまたは前記付属ユニットの周辺に配置される周辺付属部材の入力を行う周辺付属部材入力部を設け、前記周辺付属部材入力部における周辺付属部材の入力は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されるようにしてもよい。
【0015】
さらに、前記基本設計システムは、前記基本ユニットまたは前記付属ユニットの既入力基本設計情報の削除を行うユニット削除部と、前記玄関領域の既入力基本設計情報の解除を行う玄関領域解除部と、前記周辺付属部材の既入力基本設計情報の削除を行う周辺付属部材削除部とを備え、前記ユニット削除部、前記玄関領域解除部、および前記周辺付属部材削除部における既入力基本設計情報の削除は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されることが望ましい。
【0016】
そして、前記基本設計システムは、標準部品として指定された標準指定ユニットの入力を行う標準指定ユニット入力部と、仮入力された状態の前記標準指定ユニットからこの標準指定ユニットと置換配置可能な特殊ユニットへの属性変更を行う属性変更部とを備え、前記標準指定ユニット入力部における標準指定ユニットの入力、および前記属性変更部における属性変更は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されることが望ましい。
【0017】
【作用】
このような本発明においては、基本設計で建物の基本的なユニット配置までの概要(施主に見える部分の形状や仕様、施主が要望する機能等)を設計し、施主との打ち合わせを行って注文に応じた建物を表す必要最小限の事項をまとめる。次に、生産設計では、基本設計で決まった内容に対応した詳細(施主の見えない部分の構造や部品構成)を設計し、工場生産に必要な図面や情報をまとめる。
【0018】
従って、施主打ち合わせにより設計変更が繰り返される部分は簡略でよくなり、繰り返し行われる部分の作業負荷が軽減されるとともに、ユニット単体レベル等の複雑な生産設計は基本設計がまとまった後に一度だけ行えばよくなり、個々に設計が必要な注文住宅への対応が可能になる。また、基本設計では概要の設計が主であるため、繰り返し作業があっても負荷が軽く、かつ負荷の重い生産設計は繰り返しを避けられるため、各々を個別にCAD化することで実用的なCADシステムを構成することが可能となる。
【0019】
そして、特に、基本設計において、設計に使用される複数の建物ユニットを基本ユニットと付属ユニットとに区分したので、多くの種類のユニットがある場合であっても、多様な施主の注文に確実に応じることができ、かつ迅速で効率のよいユニット配置作業が実現される。
さらに、このようなユニット配置作業と、玄関領域の入力作業とを、独立させて別途に行うようにしたので、ユニット配置作業時に、玄関領域の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることが可能となり、設計の効率化がより一層図られるとともに、複数のユニットに跨って配置される玄関領域の入力が可能となり、これらにより前記目的が達成される。
【0020】
また、ユニット配置作業と、ユニットの周辺に配置される周辺付属部材の入力作業とを、独立させて別途に行うようにした場合には、ユニット配置作業時に、周辺付属部材の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることが可能となり、設計の効率化がより一層図られるとともに、複数のユニットの周辺に跨って配置される周辺付属部材の入力が可能となる。
【0021】
さらに、基本設計をCAD化した基本設計システムに、ユニット削除部と、玄関領域解除部と、周辺付属部材削除部とを設けた場合には、既に入力した各基本設計情報の削除を容易に行うことが可能となり、基本設計のやり直しや入力ミスに迅速に対応でき、設計の効率化がより一層図られる。
【0022】
そして、基本設計をCAD化した基本設計システムに、標準指定ユニット入力部と、標準指定ユニットから特殊ユニットへの属性変更を行う属性変更部とを設けた場合には、先ず、設計すべき建物の各部位に、標準部品として指定された標準指定ユニットを仮に入力しておき、次に、必要に応じて、つまり特殊ユニットを配置したい部位がある場合に、この部位に仮入力されている状態の標準指定ユニットを特殊ユニットに置き換えて配置することができるので、逐次各ユニットの内容を一つ一つ詳細に確認しながら各ユニットの入力を行っていく場合に比べ、建物全体の概略像を設計の早期の段階で確認することが可能となるとともに、設計すべき建物に標準指定ユニットが多く用いられる場合には、同様な入力操作を何回も繰り返すという無駄が回避され、設計の効率化がより一層図られる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
(全体構成)
本実施例は、施主の注文に応じて多様なユニット建物を設計しかつ生産施工を支援するCADシステムである。
図1には本実施例の概略が示され、図2には本実施例で行われる処理流れの概略が示されている。
【0024】
ユニット建物用CADシステムS10は、基本設計およびその段階の周辺支援を行う基本設計システムS20と、生産設計およびその周辺支援を行う生産準備システムS30とで構成されている。
各システムS20、S30は、それぞれが既存のコンピュータシステムにより構成され、設定された処理プログラムに基づいて対話式の入力操作により所定の設計作業を実行するものである。
【0025】
各システムS20、S30は、それぞれ操作入力を行うための画像表示装置(ビットマップ式ディスプレイ等)および入力装置(文字やコマンド入力用のキーボード、位置指定用のマウス、ライトペン、タブレット、デジタイザ等)を備えるとともに、作成した図面や積算リスト等の設計情報を出力するための印刷装置(プリンタ、プロッタ等)および記憶装置(磁気ディスク等)ないしは他のコンピュータシステムに接続する通信装置を備えている。これらは何れも既存の機器から適宜選択されたものである。
【0026】
(基本設計システムS20の概要)
基本設計システムS20は、建物メーカーの営業所等に設置され、営業担当者S11が操作して施主S12の注文に応じた基本設計を行うものである。
このために、基本設計システムS20は、意匠設計サブシステムS21、積算サブシステムS22、業務サブシステムS23、設計要素データベースS24を備えている。
【0027】
意匠設計サブシステムS21は、営業担当者S11が操作して基本設計の内容を示す平面図F21、基礎伏図F22、屋根伏図F23、配線図F24(それぞれ生産設計の際に参照される図であり、部品の指定情報等も含む)を作成するとともに、これらの基本設計内容から立面図F25、パース図F26(生産設計に必要ではないが、施主S12に提示する図)を作成するためのものである。
【0028】
積算サブシステムS22は、意匠設計サブシステムS21で作成された各図F21〜F24の内容に基づいて、使用される部品一覧等を示す積算リストL21を作成するものである。
業務サブシステムS23は、意匠設計サブシステムS21で作成された各図F21〜F24の内容、および積算サブシステム22で作成された積算リストL21の内容に基づいて、現場施工(主に基礎施工)およびその部品の発注、建物の生産設計の発注等を手配するための発注書L22、更には建物建設の価格見積書L23を作成するものである。
【0029】
設計要素データベースS24は、意匠設計サブシステムS21での設計および積算サブシステムS22での積算処理の際に参照されるものである。
図11にも示すように、設計要素データベースS24は、生産準備システムS30の設計要素データベースS33の内容が転送されるものであり、その内容として基本設計で使用できる部品情報S1010、各部品の積算情報、設計ルールS1020等が蓄積されている。
【0030】
部品情報S1010は、建物の基本構造となるユニットの情報(寸法、種別等の概略;但し柱梁等の詳細は生産設計で設計する)を始めとする各種部品の情報であり、各部品を構成する最も基本的なレベルの部品を示す単品部品図S1011と、各部品の積算情報S1012(各子部品に必要なねじ等の品番や必要本数、単価等)とを含んでいる。
これらの部品情報S1010は親部品、子部品等の形で階層化、パッケージ化されており、例えば親部品「A型の窓」と指定すれば、子部品として「サッシ」、「取付枠」等が自動的に選択されるようになっている。
【0031】
設計ルールS1020には、特定の構造や部品の設置の際の取り扱い等が含まれており、例えば「ユニット内に階段を設けた場合には階段室に面する梁に補強を入れること」等の情報が含まれている。
【0032】
さらに、設計要素データベースS24には、設計に必要な情報のみならず、各部品の施工作業手順を示す生産マニュアルS1030が含まれている。
生産マニュアルS1030には、工程図面やマニュアルが各部品と一セットで記録されており、各部品が使用される際には該当する工程図面やマニュアルが選択され、設計情報と一緒に出力されるようになっている。
【0033】
(基本設計システムS20での作業の流れ)
営業担当者S11は、施主S12の注文を受け(手順P21;図2参照、以下同じ)、この注文に基づいて基本設計システムS20を操作し、基本設計を行って各図F21〜F26および各リストL21〜L23を作成する(手順P22)。
そして、作成した平面図F21、立面図F25、パース図F26、見積書L23を設計案として施主S12に提示し、その設計内容で良いか確認をとる(手順P23)。
ここで、施主S12から設計内容の変更や追加等を受けた場合には、基本設計を修正し(手順P24)、再び施主S12に提示し、これらを確認が得られるまで繰り返す。
【0034】
施主S12の確認が得られたら、その基本設計の内容で生産準備に入る。
具体的には、基礎伏図F22と発注書L22を基礎施工者S13に送り、建設現場S14に基礎W21を施工させるとともに(手順P25)、基本設計情報W22である平面図F21、屋根伏図F23、配線図F24、積算リストL21とともに、発注書L22を生産準備システムS30に送り、ユニットを含む建物部分の生産設計を実行させる(手順P26)。
以上が基本設計システムS20の概要である。
【0035】
(生産準備システムS30の概要)
生産準備システムS30は、建物メーカーの設計部門等に設置され、メーカー設計者S15が前述の基本設計情報W22に基づいて建物の生産設計を行うものである。
このために、生産準備システムS30は、生産設計サブシステムS31、受発注積算サブシステムS32、設計要素データベースS33を備えている。
【0036】
生産設計サブシステムS31は、メーカー設計者S15が操作して基本設計情報W22の内容を具体的に展開し、工場生産等に必要な個々の部品の詳細な部品図F31、その組み立てを示す組立図F32、生産および施工に関する工程図(作業の指示や作業途中の状態の図示等を含むマニュアル)F33を作成するものである。
ここで、工場生産等に必要な部品情報としては、指定された各部品の構成部品(親部品に対する子部品)の情報(例えば種別、寸法、使用数、加工箇所等)である。そして、構成部品とは、例えばユニットであればそのフレームの柱梁や内外装材、内部に組み込まれる設備等であり、窓サッシであればその枠材や窓ガラス等である。
【0037】
受発注積算サブシステムS32は、生産設計サブシステムS31で作成された各図F31〜F33の内容に基づいて、使用される部品一覧等を示す積算リストL31、および必要な資材を外部発注するための発注書L32を作成するものである。
なお、前述した部品図F31、組立図F32、工程図F33が生産図面F30であり、これらの各図F31〜F33と積算リストL31とを合せたものが生産設計情報W31となる。
【0038】
設計要素データベースS33は、生産設計サブシステムS31での設計および受発注積算サブシステムS32での積算処理の際に参照されるものであり、基本設計で指定された各部品に関する詳細な情報および設計ルール等が蓄積されている(図11参照)。
ここで、設計要素データベースS33は、前述した基本設計システムS20の設計要素データベースS24の内容(部品情報S1010、設計ルールS1020、生産マニュアルS1030)を有し、かつ各々に設計要素データベースS24に設定された各部品等の記録項目に対して工場生産を行うための具体的かつ詳細な情報を適宜付加したものとなっている。なお、設計要素データベースS24には付加された内容以外の基本設計に必要な情報のみが識別され、転送されるようになっている。
【0039】
なお、設計要素データベースS33は、生産設計サブシステムS31および受発注積算サブシステムS32により適宜、情報の追加や訂正が行われるようになっており、更新された内容は基本設計システムS20の設計要素データベースS24にも反映され、相互の連携が確保されるようになっている。
【0040】
(生産準備システムS30での作業の流れ)
基本設計情報W22を受け取ったメーカー設計者S15は生産準備システムS30を操作し、生産設計サブシステムS31により基本設計情報W22の内容に応じた生産設計(手順P31;図2参照、以下同じ)、積算(手順P32)、および部品発注(手順P33)を行い、これにより資材調達(手順P34)、工場生産(手順P35)、現場組み立て(手順P36)が行われる。
【0041】
具体的には、生産準備システムS30から資材業者S16へ、積算リストL31および発注書L32が送られ、これに応じた資材W32が工場S17および現場S14に送られる。
また、生産準備システムS30から工場S17へ、部品図F31、組立図F32、工程図F33、積算リストL31が送られ、これらに基づいて資材W32から部品W33が生産され、建物ユニットおよび現場施工部品として現場S14に送られる。
さらに、生産準備システムS30から組立施工者S18へ、組立図F32、工程図F33が送られ、現場組み立てが行われる。
これらにより、現場S14には、施主S12の注文に応じた建物W34が建築されることになる。
以上が生産準備システムS30の概要である。
【0042】
(基本設計システムS20の詳細)
図3には基本設計システムS20がより詳細に示されている。
基本設計システムS20は、前述したように、各図F21〜F26を作成する意匠設計サブシステムS21、積算リストL21を作成する積算サブシステムS22、発注書L22および見積書L23を作成する業務サブシステムS23、および設計要素情報を記憶する設計要素データベースS24を備えている。
【0043】
このうち、意匠設計サブシステムS21は、各図F21〜F26を作成するために、平面図セクションS211、基礎伏図セクションS212、屋根伏図セクションS213、配線図セクションS214、立面図セクションS215、パース図セクションS216を備えている。
【0044】
各セクションS211〜S214は、それぞれ既存のCADシステムと同様に外部操作により画面表示される画像を見ながら部品選択や位置指定を行うことで各図を作成するものである。
このうち、平面図以外の各セクションS212〜S214には外部操作とともに、先に作成した平面図F21の情報が参照されるようになっている。例えば、基礎伏図F22において、全体の概略形状は平面図F21で指定したユニット配置に準じて自動設定され、これにより重複した入力操作を省略できる等となっている。
【0045】
(平面図セクションS211)
平面図セクションS211は、建物W34の基本的な間取り配置等から一階ないし上階、地下等の各階層の平面形状および仕様等を平面図F21に設定してゆくものである。
図4に示すように、平面図セクションS211は躯体サブセクションS211Aおよび内外装サブセクションS211Bで構成されている。
【0046】
躯体サブセクションS211Aは、ユニット設定モジュールS2111、玄関設定モジュールS2112、バルコニー周辺設定モジュールS2113を備えて構成されている。
内外装サブセクションS211Bは、グリッド設定モジュールS2114、外壁設定モジュールS2115、建具設定モジュールS2116を備えて構成されている。
【0047】
ユニット設定モジュールS2111は、操作画面に表示された空白の平面図画像V2110に対し、使用するユニットの種類や寸法等を選択し、そのユニットを示す矩形を配列してゆくことで、建物の基本となるユニット構成V2111を設定するものである。
使用するユニットは設計要素データベースS24から選択される。種類としては標準ユニット、階高ユニットの別、バルコニーユニット等がある。寸法としては4、5、6モジュールサイズ等の呼び寸法が用いられる。
これにより、平面図F21には使用するユニットの設計情報(種類、寸法、位置等)が埋め込まれることになる。
【0048】
玄関設定モジュールS2112は、設定されたユニット構成V2111の一部に、玄関となる領域V2112を指定するものである。これにより、平面図F21の指定された玄関領域V2112には土間コンクリート施工等の玄関用の設計情報(領域、種別等)が埋め込まれる。
バルコニー周辺設定モジュールS2113は、バルコニーとして設定された部分に手摺や支柱等の付属部材V2113の設計情報(種別、寸法、位置等)を指定するものである。これにより、指定された情報は平面図F21の各部に埋め込まれる。
なお、躯体サブセクションS211Aのさらに詳細な構成および作業の流れは、図12〜図42を用いて後述する。
【0049】
グリッド設定モジュールS2114は、ユニット配置V2111の内部および外部に内外装を設定する位置の基準となるグリッド(仮想的な格子状枠)V2114の設計情報(種別、位置等)を設定するものである。
外壁設定モジュールS2115は、ユニット構成V2111の外周に沿いかつグリッドV2114に従って外壁V2115を設定するものである。この際、外壁の表面模様等も仕様として設定される。この設定はユニット配置の外周を自動的に追跡する自動モードと、逐次操作指定してゆく手動モードとを選択できるようになっている。
建具設定モジュールS2116は、ユニット構成V2111の内部にグリッドV2114に従って窓や扉、あるいはキッチン、トイレやバスユニット等の設備類V2116に関する設計情報(種別、仕様、寸法、位置等)を設定するものである。
【0050】
なお、各設定にあたって、設計情報のうち使用できる部品や構造の種別や仕様等あるいは設置ルール等は、それぞれ設計要素データベースS24を参照することにより適宜選択される。例えば、画面上でユニットを配置する際にはユニットの一覧が別ウインドウ表示され、玄関を設定する際には建物の角隅の場合には角隅用の構造のみが提示される等となっている。
そして、平面図F21には、各設定により埋め込まれたユニットないし設備類の指定等により、設計要素データベースS24に記憶された各々に関するより詳細な情報がリンクされ、これらにより建物の基本的な設計情報が作成されるようになっている。
【0051】
(基礎伏図セクションS212)
基礎伏図セクションS212は、建物W34の基礎の設計情報を基礎伏図F22に設定してゆくものである。
図5に示すように、基礎伏図セクションS212は、基本設定モジュールS2121、玄関設定モジュールS2122、天端設定モジュールS2123、特殊天端設定モジュールS2124、独立基礎設定モジュールS2125、補助設定モジュールS2126を備えて構成されている。
【0052】
基本設定モジュールS2121は、操作画面に表示された空白の基礎伏図画像V2120に対し、平面図F21を参照して基本的な基礎V2121を設定するものである。
基本的な基礎形状の設定とは、例えば平面図F21のユニット構成V2111の外周に対応した位置に連続した布基礎を設定することである。また、必要に応じて指定した領域に土間コンクリートが設定される。
【0053】
玄関設定モジュールS2122は、平面図F21に指定された玄関領域V2112に従って、玄関土間コンクリートV2122を指定するものである。
天端設定モジュールS2123は、先に設定された基礎V2121の基本的な布基礎上端高さを指定するものである。
基礎形状V2121の高さは全体が同じ高さである場合が多いが、一部領域が異なる高さに設定される場合もあり、このような場合には領域と高さを指定することになる。
特殊天端設定モジュールS2124は、先に設定された基礎V2121の基本的な布基礎上端高さと異なる領域V2124を指定し、その高さを指定するものである。
【0054】
独立基礎設定モジュールS2125は、基礎V2121の内部あるいは外部に独立基礎V2125を設定するものである。独立基礎V2125は、比較的大型のユニットの長辺下梁を支持するために適宜設置されるものであり、基礎形状V2121の内側部分のユニット長辺に沿った位置に適宜指定される。
補助設定モジュールS2126は、基礎V2121の各部にユニットのアンカーボルト接合用のシース缶、基礎V2121の布基礎部分を貫通する点検口等の補助的な部品や構造V2126の設定を行うものである。
【0055】
これらの各設定にあたっても、平面図作成時と同様に、設計情報のうち使用できる部品や構造の種別や仕様等あるいは設置ルール等は、それぞれ設計要素データベースS24を参照することにより適宜選択される。
そして、基礎伏図F22には、各設定により埋め込まれた基礎構成の指定等により、設計要素データベースS24に記憶された各々に関するより詳細な情報がリンクされ、これらにより建物の基礎に関する設計情報が作成されるようになっている。
【0056】
(屋根伏図セクションS213)
屋根伏図セクションS213は、建物W34の屋根の設計情報を屋根伏図F23に設定してゆくものである。
図6に示すように、屋根伏図セクションS213は、屋根形状設定モジュールS2131と樋設定モジュールS2132とで構成される。
【0057】
屋根形状設定モジュールS2131は、標準プログラムS2133、差し替えプログラムS2134、プログラム編集部S2135、実行プログラムS2136、プログラム実行部S2137を備えている。
標準プログラムS2133は、標準に指定された屋根種別(例えば寄棟型)の各部形状、寸法、仕様を設定するために必要な設定モジュールを画面表示ないし入力操作受付する一連の動作(例えば、平面図F21から建物外形を読み込んで画面表示し、その輪郭に応じた補助線を表示し、棟線の位置入力を受け付ける等の各種動作)を処理するプログラムである。
【0058】
差し替えプログラムS2134は、標準(寄棟型)の標準プログラムS2133に対し、その一部を差し替えることで異なる屋根種別(軒先カット式寄棟型、台形ユニット式寄棟型、切妻型等)を設定するための動作プログラムを生成する差分プログラムであり、例えば標準プログラムS2133の差し替え対象部分を示す対象情報と差し替えられるプログラム内容を示す差し替え情報との組合せを屋根種別の名称等の識別情報とともにまとめて構成されている。
【0059】
プログラム編集部S2135は、外部入力された屋根種別の指定に基づいて標準プログラムS2133および差し替えプログラムS2134から実行プログラムS2136を生成するものである。具体的には、指定された屋根種別が標準の寄棟型ならば、標準プログラムS2133をそのまま実行プログラムS2136とする。一方、指定された屋根種別が標準以外の形式ならば、差し替えプログラムS2134から指定された形式に該当する識別情報を検索し、この識別情報が附された差し替え情報および対象情報を取り出し、標準プログラムS2133の対象情報で指定される部分を差し替え情報に入れ換えることで編集を行い、実行プログラムS2136とする。
【0060】
プログラム実行部S2137は、編集された実行プログラムS2136を実行することにより、操作画面に所定の表示を行い、操作入力を受け付けることにより、先に指定された種別の屋根V2131の設計情報を設定するものである。
【0061】
樋設定モジュールS2132は、操作画面に屋根V2131の画像を表示するとともに、樋の種別(外樋や内樋等)の指定を受け、指定された形式の軒樋V2132を屋根V2131の外周を巡るように自動設定する。さらに、外部入力により縦樋位置を指定し、建物外壁に沿った縦樋の情報を設定可能である。
【0062】
配線図セクションS214は、平面図F21の各階層に対し、平面図F21で指定された設備類のうち、給排水が必要なもの(バス、トイレ、キッチン、エアコン等)、電気配線が必要なもの(照明、固定式の電気器具、壁面等のスイッチ、コンセント等)について、それぞれ必要な配管や配線を建物躯体内に指定するものである。指定方式等は既存のCADシステムに準じたものが利用される。
【0063】
立面図セクションS215は、平面図F21および屋根伏図F23の設計情報に基づいて、建物の立面図F25を自動生成する。具体的には、平面図F21および屋根伏図F23から外形を取り出し、指定された外装(窓サッシや縦樋等)の位置や仕様等を読み出し、外壁の仕様から模様等を読み出し、これらにより建物各方向の立面を作成する。これらの一連の処理は既存のCADシステムに準じたものが利用される。
【0064】
パース図セクションS216は、立面図セクションS215と同様に、平面図F21および屋根伏図F23の設計情報に基づいて、建物のパース図F26を自動生成する。このパース図作成処理も既存のCADシステムに準じたものが利用される。
【0065】
以上に述べた各セクションS211〜S216により、平面図F21ないしパース図F26が作成される。このうち、立面図F25とパース図F26を除く各図F21〜F24は積算サブシステムS22および業務サブシステムS23に送られ、積算リストL21、発注書L22、見積書L23の作成が行われる。
【0066】
積算サブシステムS22は、平面図F21、基礎伏図F22、屋根伏図F23、配線図F24に設定された設計情報に基づいて、必要な部品(例えば、指定された外壁の仕様の外壁パネルが何枚必要か、あるいは指定されたエアコン等の設置に付随して必要となる部品は何か等)をリストアップして積算リストL21とするとともに、価格の小計ないし合計を計算する。この際、使用する部品の選択ないしは付随する部品の選択等にあたっては設計要素データベースS24が参照される。
【0067】
業務サブシステムS23は、平面図F21〜配線図F24および積算リストL21の情報に基づいて、必要な発注等の業務をまとめ、基礎施工者S13および生産準備システムS30向けの発注書L22を作成するとともに、施主S12に提示するための見積書L23を作成し、発注等を行う。
すなわち、基礎伏図S212と発注書L22を基礎施工者S13に送り、平面図F21、立面図F25、パース図F26、見積書L23を営業担当者S11を介して施主S12に送り、平面図F21、屋根伏図F23、配線図F24、積算リストL21、発注書L22を生産準備システムS30に送る。
なお、生産準備システムS30に送られる平面図F21、屋根伏図F23、配線図F24、積算リストL21が基本設計情報W22となる。
【0068】
(生産準備システムS30の詳細)
図7には生産準備システムS30がより詳細に示されている。
生産準備システムS30は、前述したように、基本設計情報W22から生産図面F30(部品図F31、組立図F32、工程図F33)を作成する生産設計サブシステムS31と、生産図面F30から積算リストL31、発注書L32を作成する受発注積算サブシステムS32と、各々での処理の際に参照される設計要素情報を記憶する設計要素データベースS33とを備えている。
なお、部品図F31は単品の部品に関する図面であり、他部材への取付け指示を示す図も含む。組立図F32は複数の単品から組み立てられる部品に関する図面であり、各単品の組み合わせ状態や組立手順の説明等も含む。工程図F33は全体の組立てに関する図面であり、工場施工や現場施工でのマニュアル等に類する内容を含む。
【0069】
(生産設計サブシステムS31)
生産設計サブシステムS31は、建物躯体部分の生産図面F30を作成する躯体生産設計セクションS311、屋根部分の生産図面F30を作成する屋根生産設計セクションS312、建物各部に設置される部品や設備に関する生産図面F30を作成する部品生産設計セクションS313を備えている。
各セクションS311〜S313は、それぞれ既存のCADシステムと同様に外部操作により画面表示される画像を見ながら部品選択や位置指定を行うことで各図を作成するものである。
【0070】
(躯体生産設計セクションS311)
躯体生産設計セクションS311は、設計要素データベースS33を参照しつつ、基本設計情報W22から建物W34の各階層の建物ユニット、各ユニットを構成するフレームや外壁パネル、サッシ、内外装等の部品、各部品を構成する子部品へと順次細部へ展開し、各々を詳細に設計して生産図面F30(部品図F31、組立図F32、工程図F33)を作成するものである。
【0071】
図8に示すように、躯体生産設計セクションS311は、外壁パネル展開モジュールS3111、標準ユニット展開モジュールS3112、特殊ユニット展開モジュールS3113、玄関ユニット展開モジュールS3114、躯体艤装部材展開モジュールS3115、躯体出荷部材展開モジュールS3116を備えるとともに、積算用データ作成モジュールS3117、部品データ登録モジュールS3118を備えている。
【0072】
外壁パネル展開モジュールS3111は、図9のように、基本設計情報W22から各建物ユニットの配置V3101を読み出し、外壁V3102が装着されるユニットV3103を選別するとともに、選別された各ユニットV3103の外壁部分に基本設計情報W22が指定する仕様の外壁パネルV3104を割り付けてゆく。この際、基本設計情報W22に基づき、窓サッシ等が配置される場合には、当該窓サッシを避けてその周囲に小形外壁パネルを配列する等の処理を行う。これらにより、各ユニット毎に使用する外壁パネルおよび付随する取付金具等の部品コードを決定し、各部品の部品図F31、その組み立て状態を示す組立図F32、部品の生産ないし組み立ての手順等を示す工程図F33として生産図面F30に設定してゆく。
【0073】
標準ユニット展開モジュールS3112は、基本設計情報W22から各ユニットの仕様を読み出し、標準ユニットと指定されたものについての部品展開を行う。ここで、標準ユニットとは、標準高さ、階高、階低の直方体ユニットであり、台形ユニット、セットバックユニット等を除く。但し、標準ユニットであっても玄関が指定されるユニットも除く。
部品展開は、図9のように、順次選択したユニットV3103に対し、基本設計情報W22からそのフレームV3105の外形寸法および必要強度等を割り出し、このフレームV3105を妻パネル、天井パネル、床パネル等の親部品V3106に展開し、さらに前記寸法および強度の条件を満たす鋼材等の子部品V3107に展開する。そして、各ユニット毎に親部品、子部品レベルの部品図F31、組立図F32、工程図F33をまとめて生産図面F30に設定してゆく。
【0074】
特殊ユニット展開モジュールS3113は、台形ユニット、セットバックユニット等の特殊な構造および設定が必要なユニットに関する部品展開を行うものである。このモジュールでは、各特殊ユニット毎に異なる設定が付加されるが、基本的には前述した標準ユニットの部品展開と同様な手順で生産図面F30の設定が行われる。
【0075】
玄関ユニット展開モジュールS3114は、玄関に関する特殊な構造および設定が必要なユニットに関する部品展開を行うものである。このモジュールでは、玄関の仕様毎に異なる設定が付加されるが、基本的には前述した標準ユニットの部品展開と同様な手順で生産図面F30の設定が行われる。
【0076】
躯体艤装部材展開モジュールS3115は、基本設計情報W22から建物内に設置される部品情報を読み出し、工場施工段階で各ユニット内に艤装される部品についての詳細を展開するとともに、その組み付けに必要な補助部品の展開を行い、各々の部品図F31、組立図F32、工程図F33をまとめるものである。ここで、躯体艤装部材とは、例えばキッチンユニット、バスユニット、照明器具、収納建具、エアコン等、各々がユニット内に収まるもの(例えば図9の部品V3108)等である。
【0077】
躯体出荷部材展開モジュールS3116は、基本設計情報W22から建物内に設置される部品情報を読み出し、工場施工段階で各ユニット内に艤装しない部品についての詳細を展開するとともに、その組み付けに必要な補助部品の展開を行い、各々の部品図F31、組立図F32、工程図F33をまとめるものである。ここで、躯体出荷部材とは、例えばユニットジョイント材、シール材、配管パイプ等の各ユニット間に跨る部品(例えば図9の部品V3109)、あるいは壁紙、仕上げ材等の現場施工が適したもの等である。これらの躯体出荷部材は、ユニットとともに現場へ出荷され、現場組み立て時に施工されることになる。
【0078】
積算用データ作成モジュールS3117は、各展開モジュールS3111〜S3116で作成された生産図面F30に設定された各部品の部品コードおよび数等をまとめて積算用データを作成するものである。この積算用データは受発注積算サブシステムS321での積算作業に用いられる。
【0079】
部品データ登録モジュールS3118は、各展開モジュールS3111〜S3116で生産図面F30を作成する間に、設計要素データベースS33に登録されていないが使用頻度の高い子部品の組合せを新たな親部品の組合せとして設計要素データベースS33に自動的に追加登録するものである。
【0080】
(屋根生産設計セクションS312)
屋根生産設計セクションS312は、設計要素データベースS33を参照しつつ、基本設計情報W22から建物W34の屋根を構成する屋根パネルや支持構造等の親部品、各部品を構成する子部品へと順次細部へ展開し、各々を詳細に設計して生産図面F30(部品図F31、組立図F32、工程図F33)を作成するものである。
【0081】
図10に示すように、屋根生産設計セクションS312は、屋根情報入力モジュールS3121、屋根形状図作成モジュールS3122、屋根パネル割り実行モジュールS3123、特殊形状情報入力モジュールS3124を備えるとともに、屋根パネル展開モジュールS3125、接合金物展開モジュールS3126、垂直部品展開モジュールS3127、小屋パネル展開モジュールS3128、補助部品展開モジュールS3129を備えている。
【0082】
屋根情報入力モジュールS3121は、基本設計情報W22から建物の屋根に関する基本的な設計情報を読み出すものである。この際、参照する情報は主に屋根伏図F23であるが、屋根を支持する躯体構造(主にユニット配置)を得るために平面図F21も参照される。
屋根形状図作成モジュールS3122は、屋根情報入力モジュールS3121で読み出された屋根の設計情報に基づき、操作画面に表示された空白の平面図画像V3120に屋根形状V3122を自動的に描画するものである。
【0083】
屋根パネル割り実行モジュールS3123は、屋根情報入力モジュールS3121で読み出された屋根の設計情報から外周輪郭形状や登り棟線等を識別し、設計要素データベースS33に登録された屋根パネル割り付けルールに基づいて、基本設計情報W22で指定された屋根を構成するのに適切な屋根パネルの割り付けV3123の設定を自動的に行うものである。
特殊形状情報入力モジュールS3124は、基本設計情報W22に指定されたドーマーや天窓等の特殊形状V3124を画面上で指定するものである。
【0084】
屋根パネル展開モジュールS3125は、屋根パネル割り実行モジュールS3123で設定された割り付けV3123および基本設計情報W22が指定する仕様に基づいて各屋根パネル毎に構造および部品の展開を行い、使用する部品の部品コードを決定し、各部品の部品図F31、その組み立て状態を示す組立図F32、部品の生産ないし組み立ての手順等を示す工程図F33として生産図面F30に設定してゆく。
【0085】
接合金物展開モジュールS3126は、屋根パネル展開モジュールS3125で設定された屋根パネルの構造および屋根パネル割り実行モジュールS3123で設定された割り付けV3123に基づいて、各屋根パネルの接合に必要な接合部品の展開を行い、屋根パネルと同様に生産図面F30に設定してゆく。
ここで、接合部品とは、屋根パネル同士を接合するパネル接合金物、屋根パネルと小屋パネルとの接合を行う外周接合金物、屋根架構面のユニット同士の接合を行う柱頭接合金物等である。
【0086】
垂直部品展開モジュールS3127は、屋根パネル展開モジュールS3125で設定された屋根パネルの構造および屋根パネル割り実行モジュールS3123で設定された割り付けV3123に基づいて、各屋根パネルの支持に必要な垂直部品の展開を行い、屋根パネルと同様に生産図面F30に設定してゆく。
ここで、垂直部品とは、屋根パネルを支持あるいは補強する束、ブレース、谷木等である。
【0087】
小屋パネル展開モジュールS3128は、屋根パネル展開モジュールS3125で設定された屋根パネルの構造、屋根パネル割り実行モジュールS3123で設定された割り付けV3123、および基本設計情報W22に基づいて、屋根の底部(躯体最上階部分の上面)に配置されて屋根構造のベースとなる小屋パネルの構造および部品の展開を行い、屋根パネルと同様に生産図面F30に設定してゆく。この際、小屋パネルの割り付けは躯体最上階部分のユニット割りに準拠され、割り付けられた小屋パネル毎に子部品に展開される。
【0088】
補助部品展開モジュールS3129は、屋根パネル展開モジュールS3125で設定された屋根パネルの構造、屋根パネル割り実行モジュールS3123で設定された割り付けV3123、および基本設計情報W22に基づいて、樋や鼻隠し等の軒先部品、軒天材等の軒天部品、仕上げ材その他の屋根副資材等の補助部品の展開を行い、屋根パネルと同様に生産図面F30に設定してゆく。
なお、屋根生産設計セクションS312には、図示しないが躯体生産設計セクションS311と同様な積算用データ作成モジュールおよび部品データ登録モジュールが設けられ、積算用データL31が出力される。
【0089】
(部品生産設計セクションS313)
部品生産設計セクションS313は、躯体生産設計セクションS311および屋根生産設計セクションS312で1セットとして取り扱われる部品についての詳細な生産設計を行うものである。このような部品としては、インテリア、内装部品、間仕切り、設備機器など、室内で目につきやすい部品、あるいは機能として居住者に関係が大きい部品が主である。
設計の際には、指定された部品について、取付け部位の位置や形態等や、施主注文に応じた仕様を参照して種別を決定し、部品図F31および組立図F32を作成する。
【0090】
また、部品生産設計セクションS313は、躯体生産設計セクションS311および屋根生産設計セクションS312で設計を行う際に、基本設計情報W22には該当する仕様等の部品が設計要素データベースS33に無い場合、必要に応じて該当する仕様等の部品を詳細に設計し、設計要素データベースS33に追加登録する処理を行うものである。
但し、通常の部品でこのような処理は少なく、専ら種類が多岐に渡る間仕切りに対して行われる。
【0091】
(受発注積算サブシステムS32)
受発注積算サブシステムS32は、生産設計サブシステムS31で設定された積算用データ等を参照して積算リストL31を作成する積算セクションS321と、積算セクションS321で作成された積算リストL31等を参照して発注書L32を作成する営業受発注セクションS322および工場受発注セクションS323を備えている。
各セクションS311〜S313は、それぞれ既存のコンピュータを用いた積算システムあるいは受発注管理システムと同様なものである。
【0092】
積算セクションS321は、生産設計サブシステムS31の各セクションS311〜S313から送られる積算用データに基づいて、各セクションによる生産図面F30に示された各部品を生産するにあたって必要な子部品や資材等のリストをまとめ、価格等の情報とともに積算リストL31を作成する。
営業受発注セクションS322は、積算セクションS321で作成された積算リストL31に基づいて、部品生産用の資材を供給する業者(子部品を生産する外部業者を含む)向けの発注書L32を作成し、該当する資材の情報を記載した積算リストL31とともに資材業者に送るものである。
工場受発注セクションS323は、積算セクションS321で作成された積算リストL31に基づいて、部品の生産を実行する工場向けの発注書L32を作成し、該当する部品の情報を記載した積算リストL31とともに工場に送るものである。
【0093】
(躯体サブセクションS211Aの詳細な構成)
図12に示すように、躯体サブセクションS211Aは、ユニット設定モジュールS2111、玄関設定モジュールS2112、バルコニー周辺設定モジュールS2113を備えて構成されている。
【0094】
ユニット設定モジュールS2111は、所定の矩形区画内に収まる基本ユニットの入力を行う基本ユニット入力部10と、基本ユニットに付属して設けられる付属ユニットの入力を行う付属ユニット入力部20と、基本ユニットまたは付属ユニットについての既に入力された基本設計情報の削除を行うユニット削除部30とを備えて構成されている。
【0095】
ここで、基本ユニットとしては、標準ユニット(最も標準的な高さ寸法を有する矩形形状のユニット)、階高ユニット(標準ユニットよりも高さ寸法の大きい矩形形状のユニット)、階低ユニット(標準ユニットよりも高さ寸法の小さい矩形形状のユニット)、台形ユニット(台形形状を有するユニット)、セットバックユニット(基準位置から引っ込んで配置される引っ込みユニット)、カーポートユニット(車庫ユニット)等が用意されている。
また、付属ユニットとしては、ハンガーユニット(基本ユニットにぶら下がる状態で配置されるユニット)、バルコニーユニット、ピロティユニット(庇ユニット)等、基本ユニットの側面であって建物外周を形成する部分に主に配置されるユニット(多くは基本ユニットから建物外部側に突出して配置される)が用意されている。
そして、これらの基本ユニットおよび付属ユニットの各設計情報は、設計要素データベースS24に記憶されている。
【0096】
基本ユニット入力部10は、標準部品として指定された標準指定ユニットの入力を行う標準指定ユニット入力部11と、仮入力された状態の標準指定ユニットからこの標準指定ユニットと置換配置可能な特殊ユニットへの属性変更を行う属性変更部12とを備えて構成されている。
また、属性変更部12は、標準指定ユニットから特殊ユニットへの属性変更だけではなく、特殊ユニットから標準指定ユニットへの属性変更、あるいは特殊ユニットから別の種類の特殊ユニットへの属性変更も行うことができるようになっている。
【0097】
ここで、標準指定ユニットとは、前述した基本ユニットのうち、標準ユニット、階高ユニット、階低ユニットであり、高さ寸法はそれぞれ異なるものの、配置した時に、所定の矩形区画(直方体状の立体的区画)を確保できるものである。また、特殊ユニットとは、前述した基本ユニットのうち、台形ユニット、セットバックユニット、カーポートユニット等であり、その形状は矩形形状であるとは限らないが、標準指定ユニットにより確保された所定の矩形区画内に収まるもの、つまり、標準指定ユニットと置き換えて配置できるものである。
【0098】
付属ユニット入力部20は、ハンガーユニットの入力を行うハンガーユニット入力部21と、バルコニーユニットの入力を行うバルコニーユニット入力部22と、ピロティユニットの入力を行うピロティユニット入力部23とを備えて構成されている。
【0099】
玄関設定モジュールS2112は、玄関領域の入力を行う玄関領域入力部41と、玄関領域についての既に入力された基本設計情報の削除を行う玄関領域解除部42とを備えて構成されている。
【0100】
バルコニー周辺設定モジュールS2113は、周辺付属部材であるバルコニー手摺の入力を行う周辺付属部材入力部であるバルコニー手摺入力部51と、バルコニー手摺についての既に入力された基本設計情報の削除を行う周辺付属部材削除部であるバルコニー手摺削除部52と、周辺付属部材である脚付バルコニーユニットの柱脚の配置を行う周辺付属部材入力部である柱脚配置部53とを備えて構成されている。
【0101】
(躯体サブセクションS211Aの作業の流れの詳細)
躯体サブセクションS211Aにおいては、以下のようにしてユニット配置を含む各種の基本設計情報の作成を行う。
先ず、基本ユニット入力部10の標準指定ユニット入力部11により標準指定ユニットを入力し、ユニット配置の概略を決定する。この際には、各ユニットの内容を詳細に考慮することなく、各部位に配置するユニットの高さ寸法(標準高さ、階高、階低の別)、およびユニットの平面的な大きさ(モジュールサイズで決められた平面矩形区画の大きさの選択、ここで1モジュールサイズ=910mm等)を考慮するのみである。
続いて、付属ユニット入力部20のハンガーユニット入力部21、バルコニーユニット入力部22、またはピロティユニット入力部23を用いて付属ユニットを入力する。なお、基本的には、付属ユニットの入力は、基本ユニットの入力の後に行うが、後述するユニット重なりチェック機能を用いれば、逆順で行うこともできる。
さらに、必要に応じて、基本ユニット入力部10の属性変更部12により標準指定ユニットから特殊ユニットへの置換配置を行い、ユニット配置を完了する。
【0102】
そして、以上のユニット配置の際には、ユニット削除部30を適宜用いて配置変更や誤入力の訂正を行うことができる。
また、以上のユニット配置の際には、各ユニットの重なりチェックが行われる。例えば、標準ユニット入力時に他の標準ユニットとの重なりをチェックしたり、標準ユニット入力時にハンガーユニットとの重なりをチェックしたり、あるいは標準ユニット入力時にバルコニーユニットとの重なりをチェックしたりして、重なり部分が有った場合には、入力できないようになっている。
そして、以上のユニット配置の際には、各ユニットの配置と合せて、柱の配置も行われる。
【0103】
次に、ユニット配置を完了した後に、玄関領域入力部41により玄関領域の入力を行う。そして、玄関領域解除部42により領域変更や誤入力の訂正を適宜行うことができる。
また、バルコニーユニットが配置されている場合には、必要に応じて、バルコニー手摺入力部51によりバルコニー手摺の入力を行うとともに、脚付バルコニーユニットである場合には、柱脚配置部53により柱脚の配置を行う。そして、バルコニー手摺削除部52により入力変更や誤入力の訂正を適宜行うことができる。
【0104】
(標準指定ユニット入力部11での作業の流れ)
[標準ユニットの入力]
先ず、図13に示す如く、高さ寸法の異なる複数の標準指定ユニット(標準ユニット、階高ユニット、階低ユニット等)を標準指定ユニットメニュー14の高さ寸法選択メニュー14Aとして画像表示装置の画面上に表示する(画面G1)。設計者は、この高さ寸法選択メニュー14Aに従って入力装置を用いてどの高さ寸法の標準指定ユニットとするかの選択を行う。ここでは「標準ユニット」を選択するものとする(入力操作M1)。
そして、設計者の高さ寸法選択のための入力を受け付けた後に、標準指定ユニットの大きさを選択するための標準指定ユニットメニュー14の大きさ選択メニュー14Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G2)。設計者は、この大きさ選択メニュー14Bに従って入力装置を用いて標準指定ユニットの大きさを選択する。ここでは「40*25(4.0×2.5モジュールサイズ)」を選択するものとする(入力操作M2)。
【0105】
設計者の大きさ選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択した標準指定ユニット(大きさ「40*25」の「標準ユニット」)を配置する原点を指定するとともに(画面G3の入力操作M3)、配置する方向を指定する(画面G3の入力操作M4)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択した標準指定ユニットが描かれる(画面G4)。
【0106】
続いて、選択した標準指定ユニットを別の部位にも配置する場合には、図14に示す如く、前述した画面G3における入力操作M3,M4と同様にして、配置する原点を指定するとともに(画面G5の入力操作M5)、配置する方向を指定する(画面G5の入力操作M6)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、標準指定ユニット(大きさ「40*25」の「標準ユニット」)が描かれる(画面G6)。
さらに、大きさの異なる「標準ユニット」(例えば、大きさ「25*25」の「標準ユニット」)を配置する場合には、再び、大きさ選択メニュー14Bを画像表示装置の画面上に表示し、同様な操作を繰り返して大きさの異なる「標準ユニット」を配置する(画面G7)。
【0107】
[階高ユニットの入力]
また、別の高さ寸法を有する標準指定ユニットを選択する場合には、図15に示す如く、再び、高さ寸法選択メニュー14Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G8)。設計者は、高さ寸法選択メニュー14Aに従ってどの高さ寸法の標準指定ユニットとするかの選択を行う。ここでは「階高ユニット」を選択するものとする(入力操作M7)。
そして、大きさ選択メニュー14Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G9)。設計者は、この大きさ選択メニュー14Bに従って標準指定ユニットの大きさを選択する。ここでは「30*25」を選択するものとする(入力操作M8)。
【0108】
設計者の高さ寸法選択および大きさ選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択した標準指定ユニット(大きさ「30*25」の「階高ユニット」)を配置する原点を指定するとともに(画面G10の入力操作M9)、配置する方向を指定する(画面G10の入力操作M10)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択した標準指定ユニットが描かれる(画面G11)。ここで、画面G11に描画された標準指定ユニット中の「KH」の記号表示は、「階高ユニット」を意味するものである。また、「KH」の記号表示のない標準指定ユニットは、「標準ユニット」を示している。
【0109】
続いて、選択した標準指定ユニットを別の部位にも配置する場合には、前述した画面G10における入力操作M9,M10と同様にして、図16に示す如く、配置する原点を指定するとともに(画面G12の入力操作M11)、配置する方向を指定する(画面G12の入力操作M12)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、標準指定ユニット(大きさ「30*25」の「階高ユニット」)が描かれる(画面G13)。
以後、同様な操作を繰り返して所望の部位に「階高ユニット」を配置していく(画面G14)。
【0110】
[階低ユニットの入力]
また、さらに別の高さ寸法を有する標準指定ユニットを選択する場合には、図17に示す如く、再び、高さ寸法選択メニュー14Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G15)。設計者は、高さ寸法選択メニュー14Aに従ってどの高さ寸法の標準指定ユニットとするかの選択を行う。ここでは「階低ユニット」を選択するものとする(入力操作M13)。
そして、大きさ選択メニュー14Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G16)。設計者は、この大きさ選択メニュー14Bに従って標準指定ユニットの大きさを選択する。ここでは「40*25」を選択するものとする(入力操作M14)。
【0111】
設計者の高さ寸法選択および大きさ選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択した標準指定ユニット(大きさ「40*25」の「階低ユニット」)を配置する原点を指定するとともに(画面G17の入力操作M15)、配置する方向を指定する(画面G17の入力操作M16)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択した標準指定ユニットが描かれる(画面G18)。ここで、画面G18に描画された標準指定ユニット中の「KL」の記号表示は、「階低ユニット」を意味するものである。
【0112】
続いて、選択した標準指定ユニットを別の部位にも配置する場合には、前述した画面G17における入力操作M15,M16と同様にして、図18に示す如く、配置する原点を指定するとともに(画面G19の入力操作M17)、配置する方向を指定する(画面G19の入力操作M18)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、標準指定ユニット(大きさ「40*25」の「階低ユニット」)が描かれる(画面G20)。
以後、同様な操作を繰り返して所望の部位に「階低ユニット」を配置していく(画面G21)。
【0113】
(属性変更部12での作業の流れ)
各部位に暫定的に配置されたユニットのうち必要なユニットのみについて、属性変更部12によりユニットの属性変更を行う。変更の必要のない部位のユニットについては、「標準ユニット」や「階高ユニット」等の標準指定ユニットをそのままの状態で配置しておく。
【0114】
[標準ユニットから台形ユニットへの属性変更]
図19に示す如く、設計者からの変更の必要有りの指令を入力すると、特殊ユニットの一覧表示である属性変更ユニットメニュー15を画像表示装置の画面上に表示する(画面G30)。設計者は、このメニュー15に従って入力装置を用いてどの属性のユニットに変更するかの選択を行う。ここでは「台形ユニット」を選択するものとする(入力操作M30)。なお、標準指定ユニットから特殊ユニットへの属性変更を一旦行った後に再び標準指定ユニットに属性を戻す場合等もあることから、属性変更ユニットメニュー15には、標準指定ユニットが含まれていてもよい。
【0115】
そして、属性変更のための入力を受け付けた後に、さらに属性変更後に配置される「台形ユニット」の詳細種別(例えば、短辺台形ユニット、長辺台形ユニット等)を指定するための詳細種別メニュー16を画像表示装置の画面上に表示する(画面G31)。設計者は、このメニュー16に従って入力装置を用いて詳細種別を選択する。ここでは「長辺台形ユニット(LD1)」を選択するものとする(入力操作M31)。
【0116】
設計者の詳細種別選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、属性変更を行いたいユニットが配置されている領域内を指示するとともに(画面G32の入力操作M32)、「長辺台形ユニット(LD1)」の流れ方向を指示する(画面G33の入力操作M33)。
すると、図20に示す如く、画像表示装置の画面上に、標準指定ユニットである「標準ユニット」に代わって特殊ユニットである「長辺台形ユニット(LD1)」が描かれる(画面G34)。ここで、画面G34に描画された「長辺台形ユニット(LD1)」中の「DAI」の記号表示は、「台形ユニット」を意味するものである。
【0117】
続いて、「長辺台形ユニット(LD1)」を別の部位にも配置する場合には、前述した画面G32,G33における入力操作M32,M33と同様にして、属性変更を行いたいユニットが配置されている領域内を指示するとともに(画面G35の入力操作M34)、「長辺台形ユニット(LD1)」の流れ方向を指示する(画面G36の入力操作M35)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、標準指定ユニットである「標準ユニット」に代わって特殊ユニットである「長辺台形ユニット(LD1)」が描かれる(画面G37)。
【0118】
[階高ユニットからセットバックユニットへの属性変更]
また、属性変更の別の一例として、標準指定ユニットである「階高ユニット」から特殊ユニットである「セットバックユニット」への属性変更の説明を述べる。
図21に示す如く、設計者からの変更の必要有りの指令を入力すると、属性変更ユニットメニュー15を画像表示装置の画面上に表示する(画面G38)。設計者は、このメニュー15に従って入力装置を用いてどの属性のユニットに変更するかの選択を行う。ここでは「セットバックユニット」を選択するものとする(入力操作M36)。
【0119】
そして、属性変更のための入力を受け付けた後に、さらに属性変更後に配置される「セットバックユニット」の詳細種別(例えば、短辺セットバックAユニット(SO)、長辺セットバックAユニット(LO)等)を指定するための詳細種別メニュー17を画像表示装置の画面上に表示する(画面G39)。設計者は、このメニュー17に従って入力装置を用いて詳細種別を選択する。ここでは「長辺セットバックAユニット(LO)」を選択するものとする(入力操作M37)。
【0120】
設計者の詳細種別選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、属性変更を行いたい階高ユニットが配置されている領域内を指示するとともに(画面G40の入力操作M38)、セットバックする方向を指示する(画面G41の入力操作M39)。
すると、図22に示す如く、画像表示装置の画面上に、標準指定ユニットである「階高ユニット」に代わって特殊ユニットである「長辺セットバックAユニット(LO)」が描かれる(画面G42)。ここで、画面G42に描画された「長辺セットバックAユニット(LO)」中の「SB」の記号表示は、「セットバックユニット」を意味するものである。
【0121】
続いて、「長辺セットバックAユニット(LO)」を別の部位にも配置する場合には、前述した画面G40,G41における入力操作M38,M39と同様にして、属性変更を行いたい階高ユニットが配置されている領域内を指示するとともに(画面G43の入力操作M40)、セットバックする方向を指示する(画面G44の入力操作M41)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、標準指定ユニットである「階高ユニット」に代わって特殊ユニットである「長辺セットバックAユニット(LO)」が描かれる(画面G45)。
【0122】
[台形ユニットからカーポートユニットへの属性変更]
また、属性変更のさらに別の一例として、特殊ユニットである「台形ユニット」から特殊ユニットである「カーポートユニット」への属性変更の説明を述べる。
図23に示す如く、設計者からの変更の必要有りの指令を入力すると、属性変更ユニットメニュー15を画像表示装置の画面上に表示する(画面G46)。設計者は、このメニュー15に従って入力装置を用いてどの属性のユニットに変更するかの選択を行う。ここでは「カーポートユニット」を選択するものとする(入力操作M42)。
【0123】
そして、属性変更のための入力を受け付けた後に、さらに属性変更後に配置される「カーポートユニット」の詳細種別(例えば、カーポートユニットC1、カーポートユニットC2等)を指定するための詳細種別メニュー18を画像表示装置の画面上に表示する(画面G47)。設計者は、このメニュー18に従って入力装置を用いて詳細種別を選択する。ここでは「カーポートユニットC3」を選択するものとする(入力操作M43)。
【0124】
設計者の詳細種別選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、属性変更を行いたい台形ユニットが配置されている領域内を指示するとともに(画面G48の入力操作M44)、カーポートユニットの開口の方向を指示する(画面G49の入力操作M45)。
すると、図24に示す如く、画像表示装置の画面上に、特殊ユニットである「台形ユニット」に代わって特殊ユニットである「カーポートユニットC3」が描かれる(画面G50)。ここで、画面G50に描画された「カーポートユニットC3」中の「CAR」の記号表示は、「カーポートユニット」を意味するものである。
【0125】
続いて、配置した「カーポートユニットC3」に隣接する「台形ユニット」を「標準ユニット」に属性変更する場合には、前述した属性変更ユニットメニュー15を画像表示装置の画面上に表示して「標準ユニット」を選択した後、隣接する「台形ユニット」が配置されている領域内を指示する(画面G51の入力操作M46)。
すると、「カーポートユニットC3」の隣接部位には、特殊ユニットである「台形ユニット」に代わって標準指定ユニットである「標準ユニット」が描かれる(画面G52)。
【0126】
[その他の属性変更]
属性変更の例としては、以上に述べた例の他に、例えば、「標準ユニット」から「セットバックユニット」、「標準ユニット」から「カーポートユニット」、「台形ユニット」から「標準ユニット」、「台形ユニット」から他の詳細種別の「台形ユニット」、「台形ユニット」から「セットバックユニット」、「セットバックユニット」から「標準ユニット」、「セットバックユニット」から「台形ユニット」、「セットバックユニット」から他の詳細種別の「セットバックユニット」、「セットバックユニット」から「カーポートユニット」、「セットバックユニット」から「階高ユニット」、「カーポートユニット」から「標準ユニット」、「カーポートユニット」から「台形ユニット」、「カーポートユニット」から「セットバックユニット」、「カーポートユニット」から他の詳細種別の「カーポートユニット」、「階高ユニット」から「台形ユニット」、などが挙げられる。
【0127】
(ハンガーユニット入力部21での作業の流れ)
先ず、図25に示す如く、ハンガーユニットメニュー25の高さ寸法選択メニュー25Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G60)。設計者は、この高さ寸法選択メニュー25Aに従って入力装置を用いてどの高さ寸法のハンガーユニットとするかの選択を行う。ここでは「標準」の高さ寸法を選択するものとする(入力操作M60)。
そして、設計者の高さ寸法選択のための入力を受け付けた後に、ハンガーユニットのパターンを選択するためのハンガーユニットメニュー25のパターン選択メニュー25Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G61)。設計者は、このパターン選択メニュー25Bに従って入力装置を用いてハンガーユニットのパターンを選択する。ここでは「タイプ3」を選択するものとする(入力操作M61)。
【0128】
設計者のパターン選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択したハンガーユニット(高さ寸法が「標準」でパターンが「タイプ3」)を配置する原点を指定するとともに(画面G62の入力操作M62)、配置する方向を指定する(画面G62の入力操作M63)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択したハンガーユニットが描かれる(画面G63)。ここで、画面G63に描画されたハンガーユニット中の「DL」の記号表示は、「ハンガーユニット」を意味するものである。
【0129】
続いて、選択したハンガーユニットを別の部位にも配置する場合には、図26に示す如く、前述した画面G62における入力操作M62,M63と同様にして、配置する原点を指定するとともに(画面G64の入力操作M64)、配置する方向を指定する(画面G64の入力操作M65)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、ハンガーユニット(高さ寸法が「標準」でパターンが「タイプ3」)が描かれる(画面G65)。
以後、同様な操作を繰り返して所望の部位に「ハンガーユニット」を配置していく(画面G66)。
【0130】
(バルコニーユニット入力部22での作業の流れ)
先ず、図27に示す如く、バルコニーユニットメニュー26の詳細種別メニュー26Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G70)。ここで、バルコニーユニットの詳細種別としては、脚付バルコニーユニット(基本ユニットから突出して取り付く脚付きのバルコニーユニット)、キャンチバルコニーユニット(基本ユニットから突出して取り付くバルコニーユニット)、下屋バルコニーユニット(基本ユニットまたはピロティユニットの上に載るバルコニーユニット)、セットバックバルコニーユニット(セットバックユニットとともに標準指定ユニットにより確保される所定の矩形区画を占有し、あたかもユニットの一部となるように配置されるバルコニーユニット)などが用意されている。
設計者は、この詳細種別メニュー26Aに従って入力装置を用いてどの種別のバルコニーユニットとするかの選択を行う。ここでは「脚付バルコニーユニット」を選択するものとする(入力操作M70)。
【0131】
そして、設計者の詳細種別選択のための入力を受け付けた後に、バルコニーのパターン(大きさや形状等)を選択するためのバルコニーユニットメニュー26のパターン選択メニュー26Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G71)。ここで、バルコニーの大きさは、複数の基本ユニットに跨る大きさであってもよい。
設計者は、このパターン選択メニュー26Bに従って入力装置を用いてバルコニーユニットのパターンを選択する。ここでは「20M*40M L型」を選択するものとする(入力操作M71)。
【0132】
設計者のパターン選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択したバルコニーユニット(詳細種別が「脚付バルコニーユニット」でパターンが「20M*40M L型」)を配置する原点を指定するとともに(画面G72の入力操作M72)、配置する方向を指定する(画面G72の入力操作M73)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択したバルコニーユニットが描かれる(画面G73)。ここで、画面G73に描画されたバルコニーユニット中の「AB」の記号表示は、「脚付バルコニーユニット」を意味するものである。このような記号表示としては、他にキャンチバルコニーユニットを意味する「CB」、下屋バルコニーユニットを意味する「GB」、セットバックバルコニーユニットを意味する「SB」などがある。
【0133】
続いて、選択したバルコニーユニットを別の部位にも配置する場合には、図28に示す如く、前述した画面G72における入力操作M72,M73と同様にして、配置する原点を指定するとともに(画面G74の入力操作M74)、配置する方向を指定する(画面G74の入力操作M75)。
すると、画像表示装置の画面上の別の部位にも、バルコニーユニット(詳細種別が「脚付バルコニーユニット」でパターンが「20M*40M L型」)が描かれる(画面G75)。
【0134】
(ピロティユニット入力部23での作業の流れ)
先ず、図29に示す如く、ピロティユニットメニュー27の高さ寸法選択メニュー27Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G80)。設計者は、このメニュー27Aに従って入力装置を用いてどの高さ寸法のピロティユニットとするかの選択を行う。ここでは「標準」の高さ寸法を選択するものとする(入力操作M80)。
【0135】
そして、設計者の高さ寸法選択のための入力を受け付けた後に、ピロティユニットのパターン(大きさ等)を選択するためのピロティユニットメニュー27のパターン選択メニュー27Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G81)。設計者は、このメニュー27Bに従って入力装置を用いてピロティユニットのパターンを選択する。ここでは「50*25」を選択するものとする(入力操作M81)。
【0136】
設計者のパターン選択のための入力を受け付けた後に、ポーチ柱の種類を選択するためのピロティユニットメニュー27のポーチ柱選択メニュー27Cを画像表示装置の画面上に表示する(画面G82)。設計者は、このポーチ柱選択メニュー27Cに従って入力装置を用いてピロティユニットのポーチ柱の種類を選択する。ここでは「ポーチ柱1」を選択するものとする(入力操作M82)。
【0137】
設計者のポーチ柱種類選択のための入力を受け付けた後に、画像表示装置の画面上において、選択したピロティユニット(高さ寸法が「標準」、パターンが「50*25」、種類が「ポーチ柱1」)を配置する原点を指定するとともに(画面G83の入力操作M83)、配置する方向を指定し(画面G83の入力操作M84)、さらにポーチ柱の配置方向を指定する(画面G83の入力操作M85)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択したピロティユニットおよびポーチ柱が描かれる(画面G84)。ここで、画面G84に描画されたピロティユニット中の「PI」の記号表示は、「ピロティユニット」を意味するものである。また、ポーチ柱は一本に限定されるものではなく、ピロティユニットの長辺方向の長さ等に応じて複数本配置されるようにしてもよい。
【0138】
(ユニット削除部30での作業の流れ)
先ず、図30に示す如く、既に入力されている標準指定ユニット(ここでは標準ユニット)を削除したい場合には、画像表示装置の画面上において、削除したい標準指定ユニットが配置されている領域内を指示する(画面G90の入力操作M90)。
すると、この標準指定ユニットは、画像表示装置の画面上から削除される(画面G91)。
【0139】
次に、既に入力されている特殊ユニット(ここでは台形ユニット)を削除したい場合には、画像表示装置の画面上において、削除したい特殊ユニットが配置されている領域内を指示する(画面G92の入力操作M91)。
すると、この特殊ユニットは、画像表示装置の画面上から削除される(画面G93)。
【0140】
さらに、図31に示す如く、既に入力されているハンガーユニットを削除したい場合には、画像表示装置の画面上において、削除したいハンガーユニットが配置されている領域内を指示する(画面G94の入力操作M92)。
すると、このハンガーユニットは、画像表示装置の画面上から削除される(画面G95)。
【0141】
そして、既に入力されているバルコニーユニットを削除したい場合には、画像表示装置の画面上において、削除したいバルコニーユニットが配置されている領域内を指示する(画面G96の入力操作M93)。
すると、このバルコニーユニットは、画像表示装置の画面上から削除される(画面G97)。
【0142】
また、図32に示す如く、既に入力されているピロティユニットを削除したい場合には、画像表示装置の画面上において、削除したいピロティユニットが配置されている領域内を指示する(画面G98の入力操作M94)。
すると、このピロティユニットは、画像表示装置の画面上から削除される(画面G99)。
【0143】
(玄関領域入力部41での作業の流れ)
先ず、図33に示す如く、玄関領域メニュー44の玄関パターン選択メニュー44Aを画像表示装置の画面上に表示する(画面G100)。設計者は、このメニュー44Aに従って入力装置を用いてどのパターンの玄関領域とするかの選択を行う。ここでは「長辺方向L納まり玄関」を選択するものとする(入力操作M100)。
続いて、入力装置を用いて玄関領域を設定するユニットを選択する(画面G101の入力操作M101)。なお、画面G101の各ユニットの内部に描かれている点線は、内外装サブセクションS211Bのグリッド設定モジュールS2114により入力されたものである。
【0144】
設計者の玄関領域を設定するユニット選択のための入力を受け付けた後に、玄関領域メニュー44の玄関モデュールタイプ選択メニュー44Bを画像表示装置の画面上に表示する(画面G102)。設計者は、このメニュー44Bに従って入力装置を用いてどのモデュールタイプの玄関とするかの選択を行う。ここでは「Dパターン(中上に余り幅の空き)」を選択するものとする(入力操作M102)。
すると、画像表示装置の画面上に、選択したユニットが拡大表示されるとともに、そのユニットの内部には、選択した玄関モデュールタイプに基づいて玄関モデュールが表示される(画面G103)。ここで、玄関モデュールタイプとは、画面G103に示されているような、短辺を1/2モデュールで分割する幅のうち1/2モデュール幅(455.0mm)よりも小さな幅となる余り部分、つまり「余り幅」が、どこに位置するかによってパターン化してタイプ分けし、区別するものである。
【0145】
そして、ユニットが拡大表示された後に、図34に示す如く、ユニットの内部に描かれている玄関モデュールを参照しながら、玄関領域を設定する。玄関領域の設定は、玄関領域P点(玄関間口の基準位置)の指定(画面G104の入力操作M103)、および玄関領域Q点(玄関サッシの設定位置)の指定(画面G104の入力操作M104)により行う。
すると、拡大表示が解除され、画像表示装置の画面上には、長辺方向L納まりの玄関領域が表示される(画面G105)。また、玄関領域部分では、柱の自動追加およびユニット柱からポーチ柱への変更が行われる。
【0146】
また、前述した玄関領域メニュー44の玄関パターン選択メニュー44Aで「長辺方向凹納まり玄関」を選択した場合には、図35に示す如く、玄関領域P点(玄関間口の基準位置)の指定(画面G106の入力操作M105)、および玄関領域Q点(玄関サッシの設定位置)の指定(画面G106の入力操作M106)を行う。
すると、画像表示装置の画面上に、長辺方向凹納まりの玄関領域が表示される(画面G107)。
【0147】
(玄関領域解除部42での作業の流れ)
先ず、図36に示す如く、玄関領域があるユニット領域内を指示する(画面G110の入力操作M110)。
すると、玄関領域が解除される(画面G111)。また、同時に玄関領域入力部41で自動追加された柱の削除およびポーチ柱からユニット柱への変更も行われる。
【0148】
(バルコニー手摺入力部51での作業の流れ)
先ず、図37に示す如く、バルコニー手摺のタイプを選択するためのバルコニー手摺メニュー55を画像表示装置の画面上に表示する(画面G120)。設計者は、このメニュー55に従って入力装置を用いてどのタイプのバルコニー手摺とするかの選択を行う。ここでは「和風」を選択するものとする(入力操作M120)。
【0149】
続いて、バルコニー手摺の配置基準点の指定を行う。この指定は、入力装置を用いてバルコニーユニットの端点を順次指示することにより行う(画面G121の入力操作M121,M122,M123,M124)。
そして、全てのバルコニー手摺配置基準点の指定を完了した後に、入力装置を用いて指定の終了を指示する。
すると、画像表示装置の画面上に、バルコニー手摺が表示される(画面G122)。
【0150】
(バルコニー手摺削除部52での作業の流れ)
先ず、図38に示す如く、画像表示装置の画面上に、バルコニー手摺と合せてバルコニー手摺配置基準点が表示される(画面G130)。
次に、削除したいバルコニー手摺の配置基準点を指示する(画面G131の入力操作M130)。
すると、画像表示装置の画面上から、指示されたバルコニー手摺が削除される(画面G132)。
【0151】
続いて、同様にして、削除したいバルコニー手摺の配置基準点を指示すると(画面G133の入力操作M131)、図39に示す如く、指示されたバルコニー手摺が削除され(画面G134)、さらに、削除したいバルコニー手摺の配置基準点を指示すると(画面G135の入力操作M132)、指示されたバルコニー手摺が削除され(画面G136)、さらに、削除したいバルコニー手摺の配置基準点を指示すると(画面G137の入力操作M133)、指示されたバルコニー手摺が削除される(画面G138)。
【0152】
(柱脚配置部53での作業の流れ)
柱脚配置部53は、図40に示す如く、上階に脚付バルコニーユニット(記号表示「AB」)が配置されている場合に起動される(画面G140)。
先ず、画像表示装置の画面上に、脚付バルコニーユニットがある階の下階のユニット配置を示す平面図を起動して表示する(画面G141)。
続いて、入力装置を用いて「柱脚位置自動」を指示し、上階のバルコニーユニットおよびその柱脚配置位置を画像表示装置の画面上に点線で表示する(画面G142)。なお、上階にバルコニーユニットがない場合には、「柱脚位置自動」を指示しても、このような表示はなされず、バルコニーユニットが上階に配置されていない旨のメッセージが画面上に出力される。
【0153】
次に、配置する柱脚タイプを選択するための柱脚タイプ選択メニュー56を画像表示装置の画面上に表示する(画面G143)。設計者は、このメニュー56に従って入力装置を用いてどのタイプの柱脚とするかの選択を行う。ここでは「柱脚1」を選択するものとする(入力操作M140)。
【0154】
その後、画像表示装置の画面上において、入力装置を用いて柱脚配置原点を指定する(画面G144の入力操作M141)。
すると、画像表示装置の画面上に、柱脚が表示される(画面G145)。
そして、同様にして、別の位置に柱脚配置原点を指定すると(画面G146の入力操作M142)、その位置に柱脚が表示され(画面G147)、さらに別の位置に柱脚配置原点を指定すると(画面G148の入力操作M143)、その位置に柱脚が表示される(画面G149)。
【0155】
以下、本実施例の効果を説明する。
(全体構成の効果)
本実施例のユニット建物用CADシステムS10においては、先ず基本設計システムS20により建物の概要に関する基本設計を行い、続く生産準備システムS30により生産に必要な詳細な生産設計を行うことができる。
つまり、基本設計システムS20により、建物の基本的なユニット配置までの概要(施主S12に見える部分の形状や仕様、施主が要望する機能等)を設計し、施主との打ち合わせを行って注文に応じた建物を表す必要最小限の事項を基本設計情報W22としてまとめることができる。
また、生産準備システムS30により、基本設計で決まった内容に対応した詳細(施主の見えない部分の構造や部品構成)を設計し、工場生産に必要な生産図面F30や積算リストL31等の情報にまとめることができる。
【0156】
従って、施主打ち合わせにより設計変更が繰り返される部分は簡略でよくなり、繰り返し行われる部分の作業負荷が軽減されるとともに、ユニット単体レベル等の複雑な生産設計は基本設計がまとまった後に一度だけ行えばよくなり、個々に設計が必要な注文住宅への対応ができる。
また、基本設計では概要の設計が主であるため、繰り返し作業があっても負荷が軽く、かつ負荷の重い生産設計は繰り返しを避けられるため、各々を個別にCAD化することで実用的なCADシステムを構成することができる。
【0157】
(設計要素データベースS24、S33の効果)
基本設計システムS20ないし生産準備システムS30においては、それぞれ共通の設計要素情報を登録した設計要素データベースS24、S33を参照し、共通の設計基準に基づいて各々の設計を行うことにより、基本設計で設定したが生産設計で対応できない等の不都合を回避できるとともに、部品や構造のコード化、パッケージ化による情報量や処理負荷の軽減を図ることができる。
また、設計要素データベースS24、S33の登録は、生産準備システムS30側で行い、基本設計システムS20に転送するようにしたため、登録内容に生産上の困難部分を回避するルール等を予め盛り込むことができ、基本設計と生産設計を分割しても設計ないし生産を確実に行うことができる。
【0158】
さらに、設計要素データベースS24、S33には「ルールとして登録されている」ものの「具体的な部品が規定されていない」場合など、生産設計サブシステムS31によって順次追加登録できるようにしたため、予め使用可能性の低い部品等は部品登録を省略しておき、必要性や使用頻度に応じて追加することができ、設計要素データベースS24、S33のコンパクト化を図ることができる。そして、これにより記憶装置等の機材の簡略化、低コスト化が図れるとともに、登録内容のメンテナンス性をも向上することができる。
【0159】
(基本設計システムS20の全体的な効果)
基本設計システムS20では、意匠設計サブシステムS21、積算サブシステムS22、業務サブシステムS23で構成することで、図情報や積算情報を含む基本設計情報W22の作成とともに進行管理等の業務を効率よく行うことができる。
すなわち、意匠設計サブシステムS21により、平面図F21、基礎伏図F22、屋根伏図F23、配線図F24の設計を行うことで、施主S12との打ち合わせに必要な立面図F25やパース図F26を自動作成することができる。
【0160】
特に、意匠設計サブシステムS21では、基礎伏図F22、屋根伏図F23、配線図F24の基本的な設定(ユニット配置や外形、間取りや設備類の配置等)の際に、平面図F21の設計情報が自動的に参照されるため、同様な設定についての重複した操作を省力化できるとともに、設計情報の一貫性、整合性を容易に確保することができる。
そして、積算サブシステムS22では、平面図F21ないし配線図F24の設計情報を参照して積算リストL21を自動作成できるとともに、業務サブシステムS23では、施主S12向けの見積書L23および基礎施工者S13や生産準備システムS30向けの発注書L22をも自動作成することができる。
【0161】
(基本設計システムS20の平面図セクションS211の効果)
基本設計システムS20の平面図セクションS211では、ユニット設定、玄関設定、バルコニー周辺設定を順次処理することで躯体に関する設定を行い、グリッド設定、外壁設定、建具設定を順次処理することで内外装に関する設定を行うことができる。
【0162】
特に、躯体サブセクションS211Aでは、基本的なユニット設定モジュールS2111の後で玄関設定モジュールS2112を実行することで、土間や上がり框等の特殊な処理が必要な玄関部分の設定をユニット設定とは別に処理することができる。
このため、玄関となるべき部位であっても当該部位のユニットに関する設定を他の部分と同様に前段のユニット設定モジュールS2111で処理することができ、あるいは玄関専用ユニットの設定等を行うために前段のユニット設定モジュールS2111が複雑化する等の不都合を回避できる。
【0163】
また、内外装サブセクションS211Bでは、グリッド設定モジュールS2114により、先に設定されたユニット配置上に基準位置を示すグリッドを設定することができる。そして、このグリッドに基づいて内外装を設定するようにしたので、詳細な位置寸法等の指定を行うことなくグリッドに基づく正確な位置設定を行うことができる。
さらに、建具の設定を行う建具設定モジュールS2116とは別に、外壁設定モジュールS2115を設けることで、他の内外装とは処理の相違が大きい外壁パネルの設定を確実かつ容易に行うことができる。
【0164】
(基本設計システムS20の基礎伏図セクションS212の効果)
基本設計システムS20の基礎伏図セクションS212では、基礎の基本設定、玄関設定で領域を確定し、通常および特殊な天端を設定するとともに、独立基礎および補助的な設定を行うことで、基礎の設計を行うことができる。
【0165】
特に、基本設定モジュールS2121で全体的な布基礎の設定を行った後、玄関設定モジュールS2122を実行することで、土間や上がり框等の特殊な処理が必要な玄関部分の設定を基本設定とは別に処理することができる。
また、基本設定モジュールS2121で全体的な布基礎の設定を行った後、独立基礎設定モジュールS2125を実行することで、布基礎とは異なり設置の有無がある独立基礎の設定を適宜行うことができる。
このため、基本設定モジュールS2121では玄関や独立基礎を考慮することなく、包括的かつ連続的な基礎の基本設定を行うことができ、処理の単純化により自動化を容易に促進することができる。
【0166】
さらに、天端設定モジュールS2123で基本的な天端高さの設定を行ったのち、特殊天端設定モジュールS2124で特殊な部分の天端高さを設定することで、天端設定モジュールS2123の処理の単純化が図れるとともに、特殊天端をも確実に設定することができる。
【0167】
(基本設計システムS20の屋根伏図セクションS213の効果)
基本設計システムS20の屋根伏図セクションS213では、屋根形状設定モジュールS2131で屋根の基本形状を設定し、続く樋設定モジュールS2132で軒樋および縦樋の設定を行うことができる。
【0168】
特に、屋根形状設定モジュールS2131では、標準プログラムS2133および差替えプログラムS2134を準備しておき、屋根形状に応じて標準プログラムの一部を差替えプログラムで置換することで標準以外の各種屋根形状に対応できるとともに、各種屋根形状毎にそれぞれ完全な実行プログラムを用意する場合に比べてプログラムサイズをコンパクト化でき、共通部分を共用化することでメンテナンス性をも向上することができる。
【0169】
(生産準備システムS30の全体的な効果)
生産準備システムS30では、生産設計サブシステムS31と受発注積算サブシステムS32とで構成することで、生産に向けた詳細設計ないし積算発注等の業務を効率よく行うことができる。
特に、生産設計サブシステムS31により、基本設計情報W22に設定された内容を詳細に設計することで、工場S17での生産や資材業者S16への発注に必要な生産図面F30(部品図F31、組立図F32、工程図F33)を自動作成することができる。
この際、生産設計サブシステムS31では、躯体生産設計セクションS311、屋根生産設計セクションS312、部品生産設計セクションS313で構成することにより、処理内容が大幅に異なる躯体と屋根とを別個に処理できるとともに、各々で用いる部品等をさらに別個に処理することができる。
そして、受発注積算サブシステムS32では、生産図面F30を参照して積算リストL31を自動作成できるとともに、資材業者S16および工場S17向けの発注書L32をも自動作成することができる。
【0170】
(生産準備システムS30のマニュアル添付に関する効果)
生産準備システムS30では、生産設計サブシステムS31において部品図F31、組立図F32とともに、該当する部品等に関する生産マニュアル(工程図F33)を作成することにより、工場や現場での施工作業を容易かつ確実にすることができる。
特に、生産設計サブシステムS31では、建物に使用する部品に対応したマニュアルを選択して工場や現場に配布するため、使用する部品に対応しないマニュアルが配布される等の誤りや、全ての部品に対応したマニュアルを用いるような冗長性を排除することができ、必要なマニュアルを確実に供給することで、作業を容易かつ効率よく行うことができる。
【0171】
(生産準備システムS30の躯体生産設計セクションS311の効果)
生産準備システムS30の躯体生産設計セクションS311では、外壁パネル展開、標準ユニット展開、特殊ユニット展開、玄関ユニット展開を順次処理することによりユニット部分の詳細を設計することができ、躯体艤装部品展開および躯体出荷部品展開によりユニットに艤装あるいは添付出荷される部品までの詳細設計を行うことができる。
【0172】
特に、一般的な標準ユニットを処理する標準ユニット展開モジュールS3112と、それ以外の特殊ユニットを処理する特殊ユニット展開モジュールS3113とを分けることで、数が多い標準ユニットについては当該ユニットに最適化された処理を行うことで全体としての処理効率を高めることができる。一方で、特殊ユニット展開モジュールS3113では特殊ユニットに必要な多数のパラメータ設定等に確実に対応することができる。
【0173】
また、各ユニット展開モジュールS3112、S3113とは別に、玄関ユニット展開モジュールS3114を設けることで、土間や上がり框等の特殊な処理が必要な玄関部分の設定を標準および特殊のユニット設定とは別に処理することができ、玄関が形成されるユニットが標準であっても特殊であっても確実な対応を行うことができる。
さらに、各ユニット展開モジュールS3112〜S3114の処理に先だって、外壁パネル展開モジュールS3111で各ユニットに適宜装着される外壁パネルの展開を行うことで、各ユニット展開の際に具体的な外壁支持構造まで含めた詳細設計を行うことができる。
【0174】
そして、躯体生産設計セクションS311では、前述したユニット展開の後、躯体艤装部品展開モジュールS3115により工場S17で艤装施工する部品を展開するとともに、躯体出荷部材展開モジュールS3116により艤装施工せずにユニットとともに出荷する部材を展開することができる。
これらの艤装部品と出荷部材とを分けたことにより、躯体艤装部品展開モジュールS3115ではユニット単位の処理を行うとともに、躯体出荷部材展開モジュールS3116ではユニット間の部材等を建物単位で処理することができ、確実な処理を行うことができる。
【0175】
また、躯体生産設計セクションS311では、前述した各モジュールS3111〜S3116で展開された生産図面F30に基づいて、積算用データ作成モジュールS3117で積算用データL31を作成することで、次の受発注積算サブシステムS312での処理を容易にすることができる。
さらに、部品データ登録モジュールS3118により、生産図面F30および積算用データL31を含む生産設計情報W31に基き、必要に応じて前述した設計要素データベースS33への追加登録等を行うことができる。
【0176】
(生産準備システムS30の屋根生産設計セクションS312の効果)
生産準備システムS30の屋根生産設計セクションS312では、屋根の基本形状を設計した後、当該屋根形状を構成する細部の部品展開を行うことにより、屋根の詳細設計を行うことができる。
このうち、屋根の基本形状の設計においては、屋根情報入力モジュールS3121で入力した基本設計情報W22に基づいて屋根形状図作成モジュールS3122で作図することで屋根の基本形状を得ることができる。
【0177】
また、屋根パネル割り実行モジュールS3123により、設計要素データベースS33に登録されたルールに基づいて、屋根の基本形状を構成する屋根パネルを適切に割り付けることができる。
このため、屋根の形状が様々であっても、割り付けられた屋根パネルをそれぞれ生産や輸送が容易な部品とすることができる。
【0178】
これらの屋根情報入力ないし屋根パネル割り実行の処理は、新たな設計情報の入力等が必要ないため、一連の処理として自動実行することができる。
そして、特殊形状情報入力モジュールS3124により、自動化できない特殊な処理あるいは特殊な部品の設定等をも確実に行うことができる。
【0179】
一方、細部の部品展開にあたっては、屋根パネル展開モジュールS3125、接合金物展開モジュールS3126、垂直部品展開モジュールS3127、小屋パネル展開モジュールS3128、補助部品展開モジュールS3129により分担して行うため、各々を順次あるいは並行して処理することができる。
【0180】
(躯体サブセクションS211Aの細部の効果)
設計に使用される複数の建物ユニットを基本ユニットと付属ユニットとに区分し、それぞれ基本ユニット入力部10と付属ユニット入力部20とにより別個に入力できるようにしたので、多くの種類のユニットがある場合であっても、多様な施主の注文に確実に応じることができ、かつ迅速で効率のよいユニット配置作業を実現できる。
【0181】
さらに、玄関領域入力部41を各ユニット入力部10,20とは別途に設け、ユニット配置作業と玄関領域の入力作業とを、独立させて別途に行うようにしたので、ユニット配置作業時に、玄関領域の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることができ、設計の効率化をより一層図ることができるとともに、複数のユニットに跨って配置される玄関領域の入力にも容易に対応できる。
【0182】
また、周辺付属部材入力部であるバルコニー手摺入力部51および柱脚配置部53を各ユニット入力部10,20とは別途に設け、ユニット配置作業と、ユニットの周辺に配置される周辺付属部材の入力作業とを、独立させて別途に行うようにしたので、ユニット配置作業時に、周辺付属部材の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることができ、設計の効率化をより一層図ることができるとともに、複数のユニットの周辺に跨って配置される周辺付属部材の入力にも容易に対応できる。
【0183】
さらに、ユニット削除部30、玄関領域解除部42、バルコニー手摺削除部52が設けられているので、既に入力した各基本設計情報の削除を容易に行うことができ、基本設計のやり直しや入力ミスに迅速に対応でき、設計の効率化をより一層図ることができる。
【0184】
そして、基本ユニット入力部10には、標準指定ユニット入力部11と属性変更部12とが設けられているので、先ず、設計すべき建物の各部位に、標準部品として指定された標準指定ユニットを仮に入力しておき、次に、必要に応じて、つまり特殊ユニットを配置したい部位がある場合に、この部位に仮入力されている状態の標準指定ユニットを特殊ユニットに置き換えて配置することができるので、逐次各ユニットの内容を一つ一つ詳細に確認しながら各ユニットの入力を行っていく場合に比べ、建物全体の概略像を設計の早期の段階で確認することができるとともに、設計すべき建物に標準指定ユニットが多く用いられる場合には、同様な入力操作を何回も繰り返すという無駄を回避でき、設計の効率化をより一層図ることができる。
【0185】
なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲内での変形等は本発明に含まれるものである。
すなわち、前述したシステムの構成にあたり、使用するコンピュータシステムの形式や規模等は実施にあたって適宜選択すればよく、入出力装置の形式や種類等も同様である。
【0186】
また、コンピュータシステム上で前述したシステムを実現することは、既存のコンピュータ技術を利用しつつ前述した実施例で明らかにされた機能に基づいて行えばよく、具体的アルゴリズム、操作画面あるいは出力情報のデザイン等も適宜選択すればよく、前述した実施例において特に詳細に示された躯体サブセクションS211Aの構成および作業の流れは、その一例である。
さらに、前述したシステムで入出力される基本設計情報W22や生産設計情報W31の具体的な形式や内容も実施にあたって適宜選択すればよく、設計要素データベースS24、S33についても同様である。
【0187】
そして、ユニット建物の設計という点では、設計に必要な図面および部品リスト等が出力できればよく、見積書L23、発注書L32等の作成機能は適宜省略してもよい。
さらに、前記実施例では基礎を現場施工するために、基本設計システムS20で作成した基礎伏図F23を現場に送ったが、プレキャストコンクリートブロックを配列するプレハブ基礎等を用いる場合には、基礎伏図F23をも生産設計システムS30に送り、プレハブ基礎部品の詳細設計を行うようにしてもよい。
【0188】
また、前記実施例の躯体サブセクションS211Aでは、周辺付属部材入力部として、バルコニー手摺入力部51および柱脚配置部53が用意されていたが、本発明の周辺付属部材入力部は、これらのバルコニー周辺に配置される周辺付属部材の入力部に限定されるものではなく、基本ユニットまたは付属ユニットの周辺に配置されるものの入力部であれば任意である。
【0189】
さらに、前記実施例の躯体サブセクションS211Aでは、基本ユニット入力部10が、標準指定ユニット入力部11と属性変更部12とを備えた構成となっていたが、付属ユニット入力部20にこのような属性変更可能な構成を適用してもよい。
【0190】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば、施主に見える部分の形状や仕様、施主が要望する機能等について、建物の基本的なユニット配置までの概要をまとめて基本設計を行い、施主との打ち合わせを行って注文に応じた建物を表す必要最小限の事項をまとめるとともに、基本設計で決まった内容に対応した詳細、つまり施主の見えない部分の構造や部品構成等に関する生産設計を行い、工場生産に必要な図面や情報をまとめることができる。
従って、施主打ち合わせにより設計変更が繰り返される部分は簡略でよくなり、繰り返し行われる部分の作業負荷が軽減されるとともに、ユニット単体レベル等の複雑な生産設計は基本設計がまとまった後に一度だけ行えばよくなり、個々に設計が必要な注文住宅にも対応することができる。
また、基本設計では概要の設計が主であるため、繰り返し作業があっても負荷が軽く、かつ負荷の重い生産設計は繰り返しを避けられるため、各々を個別にCAD化することで実用的なCADシステムを構成することができる。
そして、特に、基本設計において、設計に使用される複数の建物ユニットを基本ユニットと付属ユニットとに区分したので、多くの種類のユニットがある場合であっても、多様な施主の注文に確実に応じることができ、かつ迅速で効率のよいユニット配置作業を実現できるという効果がある。
さらに、このようなユニット配置作業と、玄関領域の入力作業とを、独立させて別途に行うようにしたので、ユニット配置作業時に、玄関領域の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることができ、設計の効率化をより一層図ることができるとともに、複数のユニットに跨って配置される玄関領域の入力にも容易に対応できるという効果がある。
【0191】
また、ユニット配置作業と、ユニットの周辺に配置される周辺付属部材の入力作業とを、独立させて別途に行うようにした場合には、ユニット配置作業時に、周辺付属部材の配置位置や配置形態を考慮せずに作業を進めることができ、設計の効率化をより一層図ることができるとともに、複数のユニットの周辺に跨って配置される周辺付属部材の入力にも容易に対応できるという効果がある。
【0192】
さらに、基本設計をCAD化した基本設計システムに、ユニット削除部と、玄関領域解除部と、周辺付属部材削除部とを設けた場合には、既に入力した各基本設計情報の削除を容易に行うことができるので、基本設計のやり直しや入力ミスに迅速に対応でき、設計の効率化をより一層図ることができるという効果がある。
【0193】
そして、基本設計をCAD化した基本設計システムに、標準指定ユニット入力部と、標準指定ユニットから特殊ユニットへの属性変更を行う属性変更部とを設けた場合には、先ず、設計すべき建物の各部位に、標準部品として指定された標準指定ユニットを仮に入力しておき、次に、必要に応じて、つまり特殊ユニットを配置したい部位がある場合に、この部位に仮入力されている状態の標準指定ユニットを特殊ユニットに置き換えて配置することができるので、逐次各ユニットの内容を一つ一つ詳細に確認しながら各ユニットの入力を行っていく場合に比べ、建物全体の概略像を設計の早期の段階で確認することができるとともに、設計すべき建物に標準指定ユニットが多く用いられる場合には、同様な入力操作を何回も繰り返すという無駄を回避でき、設計の効率化をより一層図ることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の全体を示す模式図。
【図2】前記実施例の設計手順概要を示すフローチャート。
【図3】前記実施例の基本設計システムの構成を示すブロック図。
【図4】前記実施例の平面図セクションの構成を示すブロック図。
【図5】前記実施例の基礎伏図セクションの構成を示すブロック図。
【図6】前記実施例の屋根伏図セクションの構成を示すブロック図。
【図7】前記実施例の生産準備システムの構成を示すブロック図。
【図8】前記実施例の躯体生産設計セクションの構成を示すブロック図。
【図9】前記実施例の生産準備システムの処理を示す模式図。
【図10】前記実施例の屋根生産設計セクションの構成を示すブロック図。
【図11】前記実施例の設計要素データベースの構成を示すブロック図。
【図12】前記実施例の基本設計システムの中の躯体サブセクションの詳細な構成を示すブロック図。
【図13】前記実施例の躯体サブセクションの中の標準指定ユニット入力部での作業の流れの第一説明図。
【図14】前記実施例の標準指定ユニット入力部での作業の流れの第ニ説明図。
【図15】前記実施例の標準指定ユニット入力部での作業の流れの第三説明図。
【図16】前記実施例の標準指定ユニット入力部での作業の流れの第四説明図。
【図17】前記実施例の標準指定ユニット入力部での作業の流れの第五説明図。
【図18】前記実施例の躯体サブセクションの中の属性変更部の作業の流れの第一説明図。
【図19】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第二説明図。
【図20】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第三説明図。
【図21】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第四説明図。
【図22】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第五説明図。
【図23】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第六説明図。
【図24】前記実施例の属性変更部の作業の流れの第七説明図。
【図25】前記実施例の躯体サブセクションの中のハンガーユニット入力部の作業の流れの第一説明図。
【図26】前記実施例のハンガーユニット入力部の作業の流れの第二説明図。
【図27】前記実施例の躯体サブセクションの中のバルコニーユニット入力部の作業の流れの第一説明図。
【図28】前記実施例のバルコニーユニット入力部の作業の流れの第二説明図。
【図29】前記実施例の躯体サブセクションの中のピロティユニット入力部の作業の流れの第一説明図。
【図30】前記実施例の躯体サブセクションの中のユニット削除部の作業の流れの第一説明図。
【図31】前記実施例のユニット削除部の作業の流れの第二説明図。
【図32】前記実施例のユニット削除部の作業の流れの第三説明図。
【図33】前記実施例の躯体サブセクションの中の玄関領域入力部の作業の流れの第一説明図。
【図34】前記実施例の玄関領域入力部の作業の流れの第二説明図。
【図35】前記実施例の玄関領域入力部の作業の流れの第三説明図。
【図36】前記実施例の躯体サブセクションの中の玄関領域解除部の作業の流れの第一説明図。
【図37】前記実施例の躯体サブセクションの中のバルコニー手摺入力部の作業の流れの第一説明図。
【図38】前記実施例の躯体サブセクションの中のバルコニー手摺削除部の作業の流れの第一説明図。
【図39】前記実施例のバルコニー手摺削除部の作業の流れの第二説明図。
【図40】前記実施例の躯体サブセクションの中の柱脚配置部の作業の流れの第一説明図。
【図41】前記実施例の柱脚配置部の作業の流れの第二説明図。
【図42】前記実施例の柱脚配置部の作業の流れの第三説明図。
【符号の説明】
S10 ユニット建物用CADシステム
S20 基本設計システム
S30 生産準備システム
W22 基本設計情報
W31 生産設計情報
W34 建物
S211A 躯体サブセクション
10 基本ユニット入力部
11 標準指定ユニット入力部
12 属性変更部
20 付属ユニット入力部
21 ハンガーユニット入力部
22 バルコニーユニット入力部
23 ピロティユニット入力部
30 ユニット削除部
41 玄関領域入力部
42 玄関領域解除部
51 バルコニー手摺入力部
52 バルコニー手摺削除部
53 柱脚配置部

Claims (4)

  1. 複数の建物ユニットを組み立てて建設されるユニット建物の設計を行うためのユニット建物用CADシステムであって、
    前記建物内におけるユニット配置を含む前記建物の仕様を指定する基本設計情報を作成する基本設計システムと、前記基本設計情報に基づいて各建物ユニット毎の具体的仕様を含む生産設計情報を作成する生産準備システムと、前記生産準備システムにより作成、追加、修正、参照され、かつ前記基本設計システムにより参照される設計要素データベースと、を備えたコンピュータシステムにより構成され
    前記基本設計システムは、所定の矩形区画内に収まる基本ユニットの入力を行う基本ユニット入力部と、前記基本ユニットに付属して設けられる付属ユニットの入力を行う付属ユニット入力部と、玄関領域の入力を行う玄関領域入力部とを備え
    前記基本設計情報は、前記建物の平面図を含み、
    前記設計要素データベースは、建物の設計にあたって遵守すべき設計ルール、および建物の基本構造となる建物ユニットの情報を含み、
    前記基本設計システムにおける前記基本設計情報の作成、前記生産準備システムにおける前記生産設計情報の作成、前記基本ユニット入力部における基本ユニットの入力、前記付属ユニット入力部における付属ユニットの入力、および玄関領域入力部における玄関領域の入力は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理され、設計要素データベースの前記生産準備システムによる作成、追加、修正、参照、および前記基本設計システムによる参照は、コンピュータで自動処理されることを特徴とするユニット建物用CADシステム。
  2. 請求項に記載したユニット建物用CADシステムにおいて、
    前記基本設計システムは、前記基本ユニットまたは前記付属ユニットの周辺に配置される周辺付属部材の入力を行う周辺付属部材入力部を備え
    前記周辺付属部材入力部における周辺付属部材の入力は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されることを特徴とするユニット建物用CADシステム。
  3. 請求項に記載したユニット建物用CADシステムにおいて、
    前記基本設計システムは、前記基本ユニットまたは前記付属ユニットの既入力基本設計情報の削除を行うユニット削除部と、前記玄関領域の既入力基本設計情報の解除を行う玄関領域解除部と、前記周辺付属部材の既入力基本設計情報の削除を行う周辺付属部材削除部とを備え
    前記ユニット削除部、前記玄関領域解除部、および前記周辺付属部材削除部における既入力基本設計情報の削除は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されることを特徴とするユニット建物用CADシステム。
  4. 請求項から請求項のいずれかに記載したユニット建物用CADシステムにおいて、
    前記基本設計システムは、標準部品として指定された標準指定ユニットの入力を行う標準指定ユニット入力部と、仮入力された状態の前記標準指定ユニットからこの標準指定ユニットと置換配置可能な特殊ユニットへの属性変更を行う属性変更部とを備え
    前記標準指定ユニット入力部における標準指定ユニットの入力、および前記属性変更部における属性変更は、設計者の入力操作に応じてコンピュータで処理されることを特徴とするユニット建物用CADシステム。
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