JP4746462B2 - 地下構造物 - Google Patents
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Description
このような地下構造物は、一般的に、掘削された穴に鉄筋コンクリート基礎を構築し、この鉄筋コンクリート基礎の上に、金属製パネルを組み立てて構築されたり、現場で鉄筋コンクリートを打設して構築されたりしている。そして、鉄筋コンクリート基礎の層厚を大きくすること又は鉄筋コンクリート基礎にアンカーボルトを打ち込むことなどにより、地下水等による地下構造物の浮き上りを防止することが図られていた(特許文献1参照)。
このような観点から、本発明は、地下水による地下構造物の浮き上がりを防止すると共に、施工が簡易である地下構造物を提供することを課題とする。
ここで、本発明において、箱状体とは、穴の下面に接する底部と、この底部に垂直に設けられた3枚以上の壁部とからなり、上部が開放した有底筒状体と、この有底筒状体の上部が閉鎖した囲繞体の両方を含む概念である。
また、カウンターウエイトを底部の一部に設けることにより、カウンターウエイトの上面と底部の上面とに段差が生じ、凹部が形成される。これにより、この凹部を作業用通路として利用することができるため、収納の利便性を向上させることができる。
また、かかる発明によれば、箱状体は、現場における型枠の形成、鉄筋の配筋及びコンクリートの打設等の作業を行う必要がないため、早期かつ簡易に施工することができる。また、カウンターウエイトの重量を大きくすることにより、箱状体自体の軽量化を図ることができるため、壁部、底部を必要強度内において薄くすることができる。これにより、箱状体を形成する各部材の搬送がしやすくなり、施工性を向上させることができる。
本発明の実施形態について図面を参照して詳細に説明する。説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
箱状体2の上面には根太Nを支持する土台D,Dが設置されており、床Pには、地下構造物1に出入りできるように出入り口K及びはしごHが備えられている。なお、本実施形態に係る地下構造物1の用途は、例えば、収納庫とする。
また、地下構造物1を埋設する深さは、特に限定する趣旨ではなく、用途、経済性等を考慮して施工すればよい。例えば、本実施形態においては、箱状体2の下側を地中に埋設し、上側を地面Zより突出させたが、箱状体2の上面に天板を設けるなどして、上側を閉鎖し、地上と出入りできる手段を設けた上で、箱状体2を全て地中Gに埋設してもよい。
なお、端体部4及び基体部5は、本実施形態においては、単一のコンクリートからなるプレキャストコンクリート部材としたが、これに限定される趣旨ではなく、端体部4及び基体部5を構成する底部6a及び6b、壁部7a及び7bをそれぞれプレキャストコンクリート部材として形成した後、それぞれの部材を組み合わせて端体部4、基体部5を形成してもよい。
また、箱状体2は、本実施形態においては、プレキャストコンクリート部材から形成したが、これに限定されるものではなく、現場で型枠を設けた後、コンクリートを打設して形成してもよい。
また、本実施形態に係るカウンターウエイト3は、プレキャストコンクリート部材を用いる。
なお、カウンターウエイト3は、本実施形態においては、コンクリートから形成されているが、これに限定されるものではなく、鉛や鉄筋等であってもよい。
本実施形態においては、箱状体2を形成する端体部4及び基体部5は、プレキャストコンクリート部材を用いるため、工場等によりあらかじめ形成されるものとする。
図4の(a)に示すように、基礎の計画位置Lを考慮して、地面Zの掘削箇所を選定し、掘削機Yを用いて穴Sを掘削する。その際、穴Sが崩れないように、矢板R(埋め殺し)を用いて土留めをする(図4の(b)参照)。
次に、図4の(b)に示すように、掘削した穴Sの底部に、割り栗石Qを敷き詰めて上面を平らにする。必要に応じて、モルタルなどを用いて、敷き固める。
次に、図4の(c)に示すように、クレーンUを用いて端体部4及び基端部5を穴Sに搬入すると共に、隣接する各躯体を継ぎ手Tにより連結する。
次に、図4の(d)に示すように、箱状体2に型枠Mを構築し、フレッシュコンクリートNを打設し、養生する。そして、型枠Mを脱型することで、カウンターウエイト3,3が形成され、地下構造物1が完成する。
なお、本実施形態においては、このような施工方法を採用したが、本発明を限定するものではなく、他の施工方法、施工順であってもよい。
なお、本実施形態においては、箱状体2の横の長さv及び奥行きwの両者を455mmモジュールで設定したが、これに限定するものではなく、箱状体2の横の長さv及び奥行きwのどちらか一方を455mmモジュールで設定してもよい。
に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更可能である。
図5は、第二実施形態を示した分解斜視図である。地下構造物21は、箱状体22とカウンターウエイト23,23・・・とからなる。箱状体22を形成する基体部25,25,25は、底部26、壁部27,27及び頂部28からなり断面視矩形の環状を呈している。カウンターウエイト23の奥行きpは、基体部25の奥行きyと略同等である。基体部25の上面には、出入り口又は換気口として穴Eが設けられている。
また、第二実施形態の施工方法は、端体部24及び基体部25を全て搬入する前に、カウンターウエイト23を搬入させておく点を除いては、第一の実施形態と略同等である。
図6は、第三実施形態を示した斜視図である。図6に示すように、地下構造物31は、箱状体32及びカウンターウエイト33,33からなる。箱状体32は、底部36の端部から垂直に立設する壁部37,37,37,37により形成されている。底部36及び壁部37は、共に平板のプレキャストコンクリート部材である。
第三実施形態によれば、形状が単純な平板のプレキャストコンクリート部材を組み合わせるだけで箱状体32が形成されるため、搬送、施工が容易となる。
なお、第三実施形態の施工順序、施工方法は、上記したものに限定する趣旨ではない。
2 箱状体
3 カウンターウエイト
3a カウンターウエイトの上面
4 端体部
5 基体部
6 底部
7 壁部
8 凹部
9 端面
21 地下構造物
22 箱状体
23 カウンターウエイト
31 地下構造物
32 箱状体
33 カウンターウエイト
v 箱状体の横の長さ
w 箱状体の奥行き
x 端体部の奥行き(側面の幅)
y 基体部の奥行き(側面の幅)
Claims (5)
- 地中に埋設される地下構造物であって、
底部と、この底部に対して垂直に設けられた壁部とを有する箱状体と、
前記底部に設けられたカウンターウエイトと、を有し、
前記箱状体は、プレキャストコンクリート部材で形成されており、
予め成形された前記カウンターウエイトが前記底部の一部に搬入されることにより、前記箱状体の下部に凹部が形成されていることを特徴とする地下構造物。 - 前記カウンターウエイトは、上面が平坦であり、この上面と前記底部が略平行に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の地下構造物。
- 前記凹部は、前記箱状体の略中央に形成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の地下構造物。
- 前記箱状体を構成するプレキャストコンクリート部材は、
前記箱状体の両端を構成する端体部と、
この端体部に介設される単数又は複数の基体部とからなり、
隣接する前記端体部と前記基体部又は隣接する前記基体部同士の端面を、継ぎ手を介して連結し、形成されることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の地下構造物。 - 前記箱状体の横の長さ及び奥行きの少なくとも一方は、455mmモジュールであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の地下構造物。
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