JPH0589211A - 建築物の総合生産管理システム - Google Patents

建築物の総合生産管理システム

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JPH0589211A
JPH0589211A JP24962191A JP24962191A JPH0589211A JP H0589211 A JPH0589211 A JP H0589211A JP 24962191 A JP24962191 A JP 24962191A JP 24962191 A JP24962191 A JP 24962191A JP H0589211 A JPH0589211 A JP H0589211A
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JP
Japan
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construction
design
cladding
plan
infill
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JP24962191A
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English (en)
Inventor
Yusaku Ogawa
雄策 小川
Seiji Yamaguchi
清治 山口
Hitoshi Kobayashi
仁司 小林
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Haseko Corp
Original Assignee
Haseko Corp
Hasegawa Komuten Co Ltd
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Publication date
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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P90/00Enabling technologies with a potential contribution to greenhouse gas [GHG] emissions mitigation
    • Y02P90/30Computing systems specially adapted for manufacturing

Landscapes

  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Conveying And Assembling Of Building Elements In Situ (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 集合住宅の企画、設計、施工、維持管理を含
めた生産管理を総合的にサポートし、多様なニーズに迅
速かつ容易に対応して高品質な建物を確保することがで
きるシステムを提供する。 【構成】 集合住宅の容積取りに基づいて概算コストの
計算を行うとともに施工計画書、事業収支計画書、外観
パース図面の作成などを作成する企画手段21と、集合
住宅の主として構造躯体を表すサポートと、主として外
装を表すクラディングと、主として住戸内装を表すイン
フィルとに大別して集合住宅の構造設計および積算を行
う設計手段22と、集合住宅の建築に必要な資材の調達
および流通を管理する流通管理手段23と、サポート、
クラディング、インフィルに大別して建築物の施工を監
理する施工監理手段24と、クラディングおよびインフ
ィルに対する顧客の要望に応じた設計変更を許可する顧
客対応手段25と、サポート、クラディング、インフィ
ルに大別して集合住宅の維持、管理を行う維持管理手段
26とを具えるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築物の総合生産管理シ
ステム、特に集合住宅の総合生産管理システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物、例えば集合住宅を生産管
理するシステムを時間の経過に伴って大別すると、企
画、設計、施工、管理の4つの段階に分けることができ
る。企画段階は、集合住宅を建築しようとする敷地の公
図、現況、設備調査、道路、用途、地域、各種法的な規
制、マーケッティングチェックなどの基本データに基づ
いて大まかな施工計画を立て、さらに容積取りを決定
し、これに基づいて日影図、概算コスト、外観パースな
どを作成して施主に提示し、施主との間でさらに調整を
行って基本ブロックプランを作成し、これに伴って事業
収支計画を立て、近隣折衝などを行うものである。
【0003】また、設計段階は企画段階で作成された企
画に基づいて集合住宅の平面形式や基本平面外郭形状を
表すブロッププランを作成し、これに基づいて施主との
打合せを行い、施主側からの要求に応じてブロックプラ
ンを修正し、このようにして最終的に決定されたブロッ
クプランに基づいてスパン、階高、キャンティー、塔屋
などを設定して躯体の構造断面を設計し、さらに外装、
内装、共用設備などの設計を行うものであり、各種の設
計図を作成するものである。
【0004】施工段階は上述したようにして作成した設
計図に基づいて集合住宅を建築するものであり、この際
建築資材や労働力の手配も必要となる。最後の管理段階
は集合住宅が竣工した後のメインテナンスを行うもので
あり、各住戸の内装のリフォームから外装の変更や修
理、構造躯体の変更や修理、共用設備の点検、改修など
広範囲な維持、管理が要求されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、上述したような
建築物の総合生産管理を行うに当たっては、各段階毎に
専門家を配置し、さらに横の繋がりを持たせるようにし
ているが、横の連絡は人間を介して行われていることが
多いので、人的ミスが混入し易く、生産管理に多大の支
障を来すことがあった。例えば、企画段階で決定した企
画に基づいてブロックプランを作成し、これに基づいて
施主との打合せを行ってブロックプランを修正する必要
がしばしばある。このため、ブロックプランの作成に多
大の時間と労力をようするばかりでなく、企画段階と設
計段階との連絡が不十分であったり、ミスがあったりす
ると修正したブロックプランを再度修正する必要があ
り、そのための労力および時間が無駄になってしまうこ
とがある。
【0006】さらに、各設計図は別々の人間が作成して
おり、互いに連絡を取り合っていても人的ミスは避ける
ことができず、設計図相互間に矛盾が生ずることにな
る。例えば、現場で建築資材をメーカーへ発注すると、
メーカーは施工図を見て製作図を作成し、これに基づい
て資材を製作して納入しているが、現場で施工したとき
に適合しない場合に、施工図に誤りがあることに気が付
き、改めて製作図を修正して再度製作することになり、
資材の無駄が生ずるだけでなく、工事の遅れにも繋がる
ことになる。また、施工図から製作図を作成するには相
当の熟練を要するが、そのような熟練者の確保が困難と
なってきている。
【0007】さらに、従来は施工業者が建築躯体の施
工、外装の施工、内装の施工、共用設備の施工などの複
雑な取り合いをしており、このため施工管理を円滑に行
うことができず、これが工事の遅れ、品質の低下などに
繋がることがあった。これは、従来の生産管理システム
においては、主として構造躯体を表すサポート、主とし
て外装を表すクラディング、主として内装を表すインフ
ィルを系統的に分類して企画、設計、施工を行っていな
かったためである。また、サポート、クラディング、イ
ンフィルを系統的に分けて施工を行っていないため、資
材の加工および組立に多数の熟練工が必要であったが、
その確保が困難となってきている。
【0008】このように、従来は一貫した系統立った生
産管理システムがないため、企画段階、設計段階、施工
段階、維持管理段階のそれぞれにおける生産性、能率、
正確さが欠けているとともに横の連絡の不備による各種
の手違いが多く見られ、これによって企画から竣工に到
るまでの期間の大巾な遅れ、施主に与える満足度の不
足、各顧客に対する対応の悪さ、入居後の維持管理の不
備など多くの問題点があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した従来の
問題点を軽減できる総合生産管理システムを提供するこ
とを目的とするものである。本発明による建築物の総合
生産管理システムは、敷地の状況、各種の法規制などに
基づいて容積取りを決定して基本ブロックプランを作成
し、これに基づいて概算コストの計算を行うとともに施
工計画書、事業収支計画書、外観パース図面などを含む
企画書類の作成を行う企画手段と、企画手段において決
定された企画に基づいて、建築物の主として構造躯体を
表すサポートと、主として外装を表すクラッディング
と、主として内装を表すインフィルとに大別して建築物
の構造設計および積算を行う設計手段と、前記サポー
ト、クラディング、インフィルに大別して建築物の施工
を監理する施工監理手段とを具えることを特徴とするも
のである。本発明はさらに集合住宅の総合生産管理シス
テムにおいて、集合住宅を建築しようとする敷地の状
況、各種の法的規制、マーケティングリサーチ、施主の
希望などに基づいて集合住宅の容積取りを決定し、これ
に基づいて概算コストの計算を行うとともに施工計画
書、事業収支計画書、外観パース図面の作成などを含む
企画段階で必要とされる書類を作成する企画手段と、こ
の企画手段によって決定された企画に基づき、集合住宅
の主として構造躯体を表すサポートと、主として外装お
よび共用設備を表すクラディングと、主として住戸内装
および住戸内設備を表すインフィルとに大別して集合住
宅の構造設計および積算を行う設計手段と、この設計手
段によって決定された設計に基づき、集合住宅の建築に
必要な資材の調達および流通を管理する流通管理手段
と、前記設計手段によって決定された設計に基づき、前
記サポート、クラディング、インフィルに大別して建築
物の施工を監理する施工監理手段と、前記クラディング
およびインフィルに対する顧客の要望に応じた設計変更
を入力し、それを前記設計手段へ指示する顧客対応手段
と、前記サポート、クラディング、インフィルに大別し
て集合住宅の維持、管理を行う維持管理手段とを具える
ことを特徴とするものである。
【0010】
【作用】このような本発明による建築物の総合生産管理
システムによれば、設計、流通管理、施工、維持管理の
各段階において、主として構造躯体を表すサポートと、
主として外装を表すクラッディングと、主として内装を
表すインフィルとに大別しているので、各段階の横の連
絡を容易かつ正確に行うことができ、したがって連絡の
不備に基づく各種の不都合をなくすことができる。ま
た、各手段においては多数の事例に基づいて予め作成し
た多数のライブラリーを読み出して所望のデータを自動
的に選択するようにしたため企画パース、ブロックプラ
ンなどを容易に作成することができ、したがって施主の
要求に迅速に対応することができる。さらに、施工管理
もサポート、クラディング、インフィルに分けて行うの
で、業者間の複雑な取り合いがなくなり、施工管理を系
統立って行うことができるとともに熟練工の必要度も少
なくなる。また、竣工後の建物の維持、管理についても
サポート、クラディング、インフィルに大別して行って
いるので各種の改修、保全を系統立って行うことができ
る。
【0011】
【実施例】図1は本発明による建築物の総合生産管理シ
ステムの全体の構成を示すブロック図である。本発明に
よる総合生産管理システムは、後述する各種ライブラリ
ーなどのデータを記憶する記憶装置1、所定のプログラ
ムを実行する処理装置2、オペレータが各種データ、パ
ラメータ、コマンドなどを入力するための入力装置3、
各種データや図面を表示する表示装置4と、各種書類や
図面を出力する出力装置5とを具えている。記憶装置1
は大容量を有するものとする必要があるが、その構成は
種々のものが考えられる。出力装置5は書類を出力する
ためのプリンタ51と図面を出力するためのプロッタ5
2とを具えている。
【0012】処理装置2は本発明による総合生産管理シ
ステムの中核をなすものであり、企画を行う企画手段2
1と、この企画手段21によって決定された企画に基づ
き、集合住宅の住空間の基盤となる構造躯体を主として
表すサポートと、外装およびエレベータ、エントラン
ス、塔屋などの共用設備を主として表すクラディング
と、住戸内装および住戸内の種々の設備を主として表す
インフィルとに大別して集合住宅のブロックプランを決
定し、このブロックプランや各階の階高、構造種別およ
び工法種別などに応じて柱、梁および耐震壁の位置およ
び構造を決定し、さらにこれに基づいて柱、梁、耐震壁
の連結構造を表す仕口の位置および構造を決定し、さら
にこれらに基づいて各階数ごとの断面構造を決定し、さ
らにこのようにして決定した断面構造に基づいて構造計
算を行って最終的なサポートの構造を決定し、さらにク
ラディングおよびインフィルの設計および積算を行う設
計手段22と、この設計手段22によって決定されたサ
ポート、クラディングおよびインフィルに基づき、集合
住宅の建築に必要な資材を洗い出し、その必要な図面と
ともにメーカーへ発注したり、製造された資材を建築現
場への搬入を管理したり、労働力の手配を行ったりする
流通管理手段23と、前記設計手段22によって決定さ
れたサポート、クラディング、インフィル毎に建築物の
施工を監理する施工監理手段24と、集合住宅の顧客の
要望に応じてクラディングおよびインフィルを設定する
顧客対応手段25と、竣工された集合住宅の維持、管理
を、前記サポート、クラディング、インフィルに大別し
ながら行う維持管理手段26とを具えている。
【0013】図2は上述した処理装置2における各処理
手段での主たる動作、相互の関係およびデータの流れを
示すブロック図であり、データは各処理手段の間で直接
伝達される場合と、中央処理手段27を介して伝達され
る場合とがある。図2に示すように、処理手段2は企画
手段21、設計手段22、生産流通手段23、施工監理
手段24、顧客対応手段25および維持管理手段26を
具えているが、本発明においては、設計手段、生産流通
手段、施工監理手段および顧客対応手段においては、基
本的にサポート、クラディングおよびインフィルの3系
統に分けて各種データの処理および必要なデータおよび
書類の作成を行っているので、サポートメーカー、クラ
ディングメーカーおよびインフィルメーカー相互間の複
雑な取り合いが少なくなる。また、これらのメーカーは
専業化されるので規格化が進み、現場組立が容易とな
り、熟練工を必要とせずに、工場加工品で複数の種類の
部材を組み立てる多能工でも十分品質を確保することが
できるようになる。次に、上述した処理装置2に設けら
れている各種の手段についてさらに詳細に説明する。先
ず、企画手段21は、生産技術に裏付けされた企画を作
成し、受注に結び付けることを目的とするもので、具体
的には容積取り、概算コストの計算、事業計画書の作
成、施工計画書の作成、建物のパース図面の作成などを
行うものであり、その機能を図3に示す。この企画手段
21においては、過去の経験を生かして種々のデータを
予め作成して記憶装置1にデータベースとして記憶して
おき、企画段階においては、基本的なパラメータを入力
装置3を介して入力することによって該当するものを選
択し、さらに選択されたものの中から所望のデータを設
定するものである。基本的なパラメータとしては敷地の
面積、地形および現況、取り付き道路の状況、用途地域
の状況や、建蔽率、容積率、高さ制限、日影制限などの
法的規制や、施主の希望などがあり、これらのパラメー
タを入力することによって該当するものをデータベース
の中から自動的に選択する。データベースには過去の経
験を生かして多数の事例が系統的に記憶されており、入
力されたパラメータに該当するものが選択される。通常
は複数の該当事例が選択されるので、さらにこれらの中
から所望のものを決定すれば良い。
【0014】図3に示すように、企画手段21において
は、集合住宅を建築すべき土地の契約がスタートとな
り、その後、事業方針、土地公図、求面図、現況図、用
途容積、接道条件、インフラ、各種法令、役所指導、現
地調査、マーケティングなどの基本データを入力したり
確認をしたりする。一方、企画ライブラリーには施工技
術情報、コスト情報が記憶されており、この企画ライブ
ラリーの情報を基に、入力された基本データに応じて事
業収支計画を作成する。この事業収支計画には損益計
算、資金計画も含まれている。次に、このように作成し
た事業収支計画に基づいて商品の企画を行うが、この際
にも企画ライブラリーから情報を読み出し、基本データ
に基づいて基本設計を行う。この手順としては設計条件
の確認、コンセプトワーク、基本ブロックプラン、法規
チェック、概算計算、ユニットプラン仕様、概算計算が
あり、概算計算の後に企画書の作成をそれぞれ行ってい
る。さらに、企画手段21においては、事業収支計画お
よび企画書に基づいて、開発許認可日程、近隣調整日
程、工事日程、販売日程などの事業日程計画を作成す
る。
【0015】設計手段22は処理装置2の中核を成すも
のであり、企画手段21によって作成された基本設計に
基づいて、集合住宅の躯体を表すブロックプランを作成
し、この作成したブロックプランに基づいて断面構造を
決定し、さらにクラディングおよびインフィルを決定す
るものである。図4は設計手段22における機能を示す
ものであり、先ず企画手段21で作成した基本設計に基
づいてサポートおよびクラディングの設計を行い、さら
にインフィルの設計を行い、設計図面、施工図面、工作
図面などを作成する。また、これらのサポート、クラデ
ィングおよびインフィルの設計に基づいて部品の洗い出
しを行い、さらに積算を行って積算発注データを作成す
る。この設計手段22については、さらに後に詳細に説
明する。
【0016】図5は生産流通手段23の機能を示すもの
である。この 生産流通手段23は各種部材の製造配送
を管理するものであり、その狙いは在庫をできるだけ少
なくし、現場において必要な部材を必要なタイミングで
調達できることである。その内容は、設計手段22、施
工監理手段24および顧客対応手段25からのデータを
受けて発注管理、生産管理、配送管理を行うものであ
る。すなわち、上記の手段からのデータに基づいて生産
・出荷計画を作成し、これに基づいて発注、生産、配送
を系統的に制御するものである。本発明においては、集
合住宅の構造をサポート、クラディングおよびインフィ
ルの3系統に分けて設計しており、発注も基本的には同
じように分けてある。すなわち、3系統別のメーカーに
発注を行い、各メーカーで生産された資材を加工集配セ
ンタに集め、必要な加工を加えた上で、検査を行い、パ
ッケージして現場へ配送するようにしている。
【0017】図6は施工監理手段24の機能を示すもの
である。この施工監理手段24は、省力化、高品質管理
を目的として建築現場を支援するものであり、その内容
は支店単位での予算管理および工事進捗状況の把握、技
術安全の推進、工事管理に分けられ、さらに現場におい
ては予算の組替え、基本データの入力などの現場予算の
管理、自動ファクシミリ配信、在庫情報などの発注・受
入れ処理を行うものである。各現場にはモデムを介して
中央の情報処理センタに接続されたコンピュータやプリ
ンタなどを設け、実施計画、仮設計画、品質管理、安全
管理などの施工計画書や役所、施主へ提出する書類を作
成している。さらに、現場で作成したデータはモデムや
ファクシミリを介してサポート、クラディング、インフ
ィルの各資材生産メーカーや関連業者へ伝送するととも
に情報処理センタへも伝送できるように構成する。現場
でのデータの入力または更新はできるだけリアルタイム
で行うようにする必要がある。
【0018】図7は顧客対応手段25の機能を示すもの
であり、集合住宅を購入した顧客の要望に応じてクラデ
ィングおよびインフィルの変更を行うものであるが、原
則としてサポートの変更までは伴わないものである。ク
ラディングおよびインフィルが変更された場合には、設
計手段22において新たな設計図を作成し、これに基づ
いて部品の洗い出しを再度行って新たな発注データを作
成するとともに生産流通手段23および生産管理手段2
4における管理を行うものである。このように顧客対応
手段25において各住戸の顧客に要望に正確かつ迅速に
対応することができ、顧客サービスの向上を図ることが
できとともに納期を守ることができる。
【0019】図8は維持管理手段26の機能を示すもの
である。この維持管理手段26は既存の集合住宅の維持
管理に基づいてデータベースを作成し、これに基づいて
建物の劣化、振動、騒音、結露などの性能の評価や構造
体の物理的な耐久性の確保、外装材の変更、各住戸の専
用部分のリフォームなどの修繕計画のコンサルティング
システムを構築して、最適、迅速なメンテナンスを実現
することを目的とするものである。 集合住宅の住人に
よる管理組合に対して竣工図および維持管理計画書を作
成する。管理会社はこれらのデータに基づいて性能評価
およびコンサルティングを行う際には、設計手段22、
生産流通手段23、施工監理手段24および顧客対応手
段25で作成した各種のデータを利用できるようにす
る。したがって、管理会社はこれらのデータに基づいて
修繕計画書を作成し、修繕コストおよび工期の見積を行
ったり、サポートメーカー、クラディングメーカー、イ
ンフィルメーカーに対して必要な修繕および改修を依頼
を行うことができ、したがって維持・管理に不都合が生
ずる恐れはなくなる。
【0020】上述したように処理装置2の中の設計手段
22は本発明による総合生産管理システムの中核を成す
部分であるので、以下これについてさらに詳細に説明す
る。図9は設計手段22の機能を示すブロック図であ
る。入力装置3から入力されたデータに基づいて、多数
のブロックプランの中から適切なブロックプランを選択
するブロックプラン選択システム22aと、入力された
建築躯体の階数および構造種別に応じて各階の階高を自
動的に設定する階高設定システム22bと、設定された
ブロックプラン、設定された各階の階高、入力された構
造種別および工法種別に基づいて、柱、梁および耐震壁
部材などの1次部材の位置および構造を各階数別に設定
する1次部材設定システム22cと、設定された柱、
梁、耐震壁部材の連結構造を表す仕口の位置および構造
を設定する仕口設定システム22d、小梁、スラブなど
の2次部材の位置および構造を設定する2次部材設定シ
ステム22e、出部屋設定システム22f、クラディン
グ設定システム22g、構造計算システム22h、配筋
決定システム22iを有している。これらのシステムの
詳細については後に詳述する。
【0021】図10は本発明による建築躯体の構造設計
システムにおける順次の工程を示すフローチャートであ
る。先ず、ステップS1において、ブロックプランを決
定するためにブロックライブラリを記憶装置1から処理
装置2へ読み出し、続いてステップS2において、入力
装置3を介して建築躯体全体の平面輪郭を規定する基本
平面外郭形状、開放廊下型、中廊下型、階段室型などの
架構形式、スパン数などの基本パラメータを入力する。
ブロックプランライブラリーは予め作成した多数のブロ
ックプランを有している。個々のブロックプランは図1
1に示すように架構形式、スパン数、雁行箇所数をパラ
メータとして持っている。ここで、架構形式は開放廊下
型、中廊下型および階段室型の3つの基本形式があり、
大部分の集合住宅はこれらの形式のいづれかに分類され
る。また、雁行箇所数は基本平面外郭形状を表すもの
で、雁行数が0のものは図11Aに示すように段差のな
いもので、その基本平面外郭形状が矩形の建物を表し、
雁行箇所数が2のものは、図11Bに示すように2箇所
において段差を有している建物を表している。スパン数
は集合住宅の一列に並んだ戸数を表すもので、本例では
2〜12のスパン数を有する建物のブロックプランが登
録されている。また、図11において、縦方向に並んで
いる丸印は単なる寸法の目安であり、柱の位置を示すも
のではない。
【0022】次に、ステップS3において、入力装置3
を介して入力された基本パラメータに応じて、処理装置
2のブロックプラン選択システム22aを起動し、ブロ
ックプラン自動選択プログラムを実行する。すなわち、
入力された基本パラメータに合致するブロックプランを
予め登録してあるブロックプランライブラリーの中から
自動的に選択する。この場合、複数のブロックプランが
選択される場合があるが、その場合にはオペレータがさ
らに判断して所望のブロックプランを選択して設定す
る。このために、入力装置3を介して任意のブロックプ
ランを表示装置4上に表示できるように構成されてい
る。
【0023】次に、ステップS4において入力装置3を
介して総階数、構造種別を入力し、階高設定システム2
2bを起動して各階の高さを自動的に設定する。すなわ
ち、ステップS5において処理措置2は記憶装置1に予
め記憶されている標準階高ライブラリーを読み出す。こ
の読み出された標準階高ライブラリーの中から入力され
た総階数および構造種別に合致したものを自動的に選択
し、各階数の階高を自動的に設定する(ステップS
6)。このようにして建物全体のフレーム構造を表すワ
イヤフレームを作成することができる。図12Aおよび
図12Bは標準階高ライブラリーの内容を示すものであ
り、表中において、Aは2760mm、Bは2860m
mを表すものである。標準階高ライブラリーはRC(鉄
筋コンクリート)造り、SRC(鉄骨鉄筋コンクリー
ト)造りのように構造種別毎に用意されているので、入
力装置3を介して入力された構造種別および総階数をパ
ラメータとして自動的に設定することができる。例え
ば、SRC構造の8階建ての集合住宅の場合には、1、
2階の階高を2860mm、3〜8階の階高を2760
mmと自動的に設定する。
【0024】上述したようにして所望のブロックプラン
を選択し、設定し、さらに各階の階高を設定した後、ス
テップS7において入力装置3を介して単位スパンの長
さおよび奥行きの寸法を設定する。このように寸法を設
定すると、処理装置2は通り芯設定プログラムを実行し
て通り芯を自動的に決定し、さらにこのようにして決定
した通り芯を基準として芯出しを行い、柱位置および梁
位置などを自動的に決定する(ステップS8)。
【0025】上述したようにして、ブロックプランを決
定し、総階数、各階の階高を設定し、さらにスパン長さ
および奥行き寸法を設定したら、次に構造躯体の断面構
造を設定するための1次部材設定システム22cを起動
する。この断面構造設定プログラムを実行するには、さ
らにPC工法、ハーフPC工法、大型型枠工法、先組鉄
筋工法などの工法種別を特定する必要があるので、入力
装置3を介して工法種別を入力する(ステップS9)。
記憶装置1には、図13および14に示すように柱の標
準断面寸法が構造種別毎に指定された柱標準断面ライブ
ラリーと、図15に示すように標準断面寸法毎の柱の構
造を工法種別毎に表す柱構造ライブラリーと、図16お
よび図17に示すように構造種別毎に梁の標準断面寸法
を指定する梁標準断面ライブラリーと、図18に示すよ
うに各標準寸法の梁の構造を工法種別毎に指定する梁構
造ライブラリーと、図19に示すように構造種別および
工法種別をパラメータとして梁断面寸法を表す梁断面ラ
イブラリーと、図20に示すよう内壁および外壁毎に耐
震壁の構造を表す耐震壁ライブラリーとが予め記憶され
ており、ステップS10においてこれらのライブラリー
を読み出して設定する。図15および図18において、
Fcはコンクリート設計基準強度を表し、SDは鉄筋強
度を表すものである。また、主筋本数の最初の数字は本
数を表し、後の数字は鉄筋の径を表すものであり、例え
ば4−D22は直径が22mmの異形鉄筋を4本使用す
ることを示している。さらに、2−D10−200@
は、剪断補強筋を表しており、最初の数字は主筋と直交
する断面において中心を通る水平線または垂直線が補強
筋と交差する箇所の数を表しており、次の記号は補強筋
の種類および直径を表しており、最後の数字はピッチを
表している。したがって、上の例では、直径10mmの
異形鉄筋を200mmのピッチで主筋を囲むように配置
することを表している。1次部材設定システム22cを
起動するに当たっては最初にこれらのライブラリーを記
憶装置1から処理装置2へ読み出す。
【0026】柱断面を設定するに当たっての基本ルール
としては、各柱とも全階同一断面を基本とするが、階数
が7階を越える場合には2段階の設定とする。また、断
面寸法モジュールは50mmとし、中柱の成は100m
m×nとし、妻柱の成は100mm×(n−1)を標準
とし、巾はともに50mm×nとする。本例ではこのよ
うに中柱と妻柱に分けて設定しているが、さらに雁行柱
を設けてもよく、また全ての柱を中柱だけで設定するよ
うにしても良い。
【0027】梁断面の設定については、各梁全階同一寸
法とするが、7階を越える場合には2段階の設定として
いる。梁成のバリエーションは730mmおよび830
mmの2種類とし、躯体梁下寸法は2030mmに統一
してある。巾は共に50mm×nとする。これは、本実
施例においては階高を2種類に限定しているためであ
り、3種類以上の階高を設定する場合には、階高の種類
に応じて梁成のバリエーションの種類を設定しておくこ
とになる。
【0028】耐震壁の断面設定については、内壁および
外壁とも全階同一寸法を基本とするが、階数が7階を越
える場合には、2段階の設定とする。断面寸法モジュー
ルは厚さのみ30mmとし、150mmから30mmの
ピッチで270mmまで設定してある。耐震壁ライブラ
リーにおいて、記号EWはEW−耐震壁を示し、その後
の数字は厚さをcmの単位で表し、その後のアルファベ
ットは配筋の種類を表しており、本例では配筋は全てダ
ブル配筋であり、配筋のタイプはA〜Cの3種類として
ある。また、鉄筋の表示方法は柱や梁と同様である。
【0029】各階数別の断面構造を設定するには、設計
物件の構造規模、総階数などにより標準断面ライブラリ
ーから所定の標準断面を選択する。これにより柱、梁の
断面寸法が確定される。次に、柱、梁の断面ライブラリ
ーから確定したものを順次選択して表示装置4に表示し
てオペレータが確認を行う。また、耐震壁を設定するに
当たっては、構造規模に応じて耐震壁ライブラリーの中
から適切なものをコンピュータが自動的に選択する。こ
の場合、開口を有する耐震壁に対しては、開口補強筋ラ
イブラリーから所定の開口補強筋を選択し、確認の上確
定する。このようにして耐震壁を設定する。このように
して各階数毎の柱、梁、耐震壁を次々と設定することに
よって各階数毎の断面構造を決定することができる(ス
テップ10)。
【0030】次に、ステップS11において、上述した
ようにして決定した柱、梁および耐震壁を連結する仕口
の設定を、仕口設定システム22dによって行う。記憶
装置1には、柱、梁、耐震壁を連結する構造を表す仕口
ライブラリーが予め記憶されており、仕口を設定するに
当たっては先ずこの仕口ライブラリーを読み出す。ブロ
ックプランの梁の各交点には、50モジュールに合わせ
てデフォルトで設定した仕口形状、ここでは柱芯、柱に
対する梁位置が入力される。また、ブロックプランの基
本平面外郭形状毎に図21に示すように横方向に基点、
中央、端部と分け、縦方向ではバルコニー側、廊下側と
分けて各部位を設定する。
【0031】仕口を設定する基本設計ルールとしては、
仕口部分の柱の鉄骨芯出し位置および柱に対する梁鉄骨
芯位置が鉄骨を通して接合できる位置になることである
が、各部位毎の芯出し(返り寸法)は、バルコニー側は
内壁から250mm、廊下側は外壁から250mm、妻
側は外壁から250mm、中通りはスパン梁芯となるよ
うに設定する。鉄骨芯は図22に示すように決定する。
このようにして各仕口の位置および構造を設定すること
によって建築躯体の階数ごとの平断面構造が決定される
ことになる(ステップS12)。
【0032】以上のようにして構造躯体の構造を設計す
ることができるが、本例においてはさらに、配筋をも自
動的に設定するものである。このために、先ず最初にス
テップS13において、2次部材設定システム22eを
起動して小梁、スラブなどの2次部材の位置および構造
を設定する。すなわち、小梁の構造を表す小梁ライブラ
リーおよびスラブの構造を示すスラブライブラリーを予
め作成して記憶装置1に記憶しておき、2次部材の設定
を行うに当たっては最初にこれらのライブラリーを読み
出す。
【0033】小梁と内スラブとの間には密接な関係があ
るが、小梁をなくした方が生産性、施工性が向上すると
ともに躯体からの制限がない自由な空間を提供できるの
で、基本的には小梁なしとする。しかし、現在スラブに
採用されているアンボンド工法などを使用してもスパン
および奥行きの寸法には限界がある。その理由は空間施
工の寸法を階高から確保すると、スラブ厚さは最大24
0mmまでしか確保することができないためである。し
たがって、スパンおよび奥行き寸法の自由な広がりを確
保するためには小梁が必要である。小梁には様々な配置
パターンがあるが、工業化工法を導入し易くするため
に、図23に示す5種類のみに限定し、複雑な配置は採
用していない。すなわち、小梁なし、日型配置、目型配
置などの5種類である。
【0034】上述した5種類の小梁の中から所望の小梁
を設定するに当たっては、小梁を使用する部位によって
異なる属性を持つものとし、使用部位によりグルーピン
グする。すなわち、部屋内スラブに用いる部屋内用小梁
の配置パターンは上述した5種類の中から選択するが、
エレベータシャフト用小梁は、棟内型のエレベータシャ
フトが取り付くスラブに、シャフトの壁に沿って設けら
れ、棟外型の場合にはシャフトと躯体とのつなぎ梁に使
用するものである。塔屋(例えばエレベータの機械室)
の内スラブに設ける塔屋用小梁、塔屋屋上において、R
階スラブ四方を囲む顎付きの逆梁、高架水槽付きの塔屋
屋上において高架水槽の架台としての逆梁など、それぞ
れの部位の応じた複数の小梁を指定する小梁ライブラリ
ーを予め作成して記憶装置1に記憶しておく。図24に
小梁ライブラリーの一例を示す。
【0035】図25はスラブライブラリーの一例を示す
ものである。スラブライブラリーは工法種別毎に厚さを
指定するものであるが、工法種別毎のスラブとしては、
本例では在来スラブ、アンボンドスラブ、ボイドスラ
ブ、合成スラブの4種類のスラブを用意する。在来工法
のスラブの要素としてはスラブ厚と配筋構造とがあり、
これらを表す記号を割り当てる。
【0036】例えば、SA14というスラブ記号は、S
は在来工法スラブを表し、Aは配筋タイプを表し、14
は厚さを表すものであり、厚さは14、15、18、2
0の4種類が用意されており、配筋タイプはA〜Dの4
つのタイプが用意されている。工業化工法スラブの内ア
ンボンドスラブはSABで表し、それにスラブ厚さを表
す数字を添える。アンボンドスラブの長スパン化のメリ
ットを考慮してスパン長(横方向寸法:lx)6.5〜
8.0mの間で選択するようにし、縦方向寸法(ly)
は8.0〜13.0mまで設定してある。ボイドスラブ
はSEBで表し、それに厚さを表す数字を添えてある。
ボイドスラブは、コンクリート強度およびスパン長が決
まると厚さが決定されるので、横方向寸法のみが示され
ている。このようにして決定された厚さに適切なボイド
型枠高さを決定し、計算によって求まる配筋データを与
えるものである。スラブ厚さは210〜240mmと
し、スパン長はそれに合わせて5.8〜6.6mとす
る。なお、本例ではコンクリート強度は210としてあ
る。合成スラブは基本的に在来工法スラブと同一であ
り、記号SKと、配筋タイプを示すA〜Dの記号と、厚
さを表す数字とで識別されている。ただし、配筋の施工
性を考慮してAタイプの配筋は設定していない。
【0037】スラブ選択手順としては、在来工法スラブ
の場合には、スラブの小梁位置決定の後を受けてスラブ
設計に入り、その構造計算を満たすスラブをスラブライ
ブラリーの中からオペレータが選択する。アンボンドス
ラブの種類を決定する条件はスラブの縦横の寸法であ
る。したがって、企画の段階でスラブの縦横の寸法が設
定されると、自動的にスラブライブラリーから所望のア
ンボンドスラブが選択される。ボイドスラブの種類を決
定する条件はスラブの横方向の寸法である。したがっ
て、企画の段階でスラブの横方向の寸法が設定される
と、スラブライブラリーから適切なボイドスラブが自動
的に選択される。このようにしてスラブ種類が選択され
ると次にPC板割り付けを行い、割り付けされた各PC
板にボイド型枠を割り付け、これに合わせてトラス筋を
配置する。合成スラブを選択する場合には、在来工法ス
ラブと同様にスラブの小梁位置を決定した後、スラブ設
計に入り、その構造計算を満たすスラブをスラブライブ
ラリーの中から選択する。スラブ種類が決定されると、
次にPC板割り付けを行い、割り付けされた各PC板に
合わせてトラス筋を配置する。
【0038】上述したように、スラブライブラリーに用
意した4種類の工法の内、スパン長さにより自動的にス
ラブ種類を選択できるのは、アンボンドスラブとボイド
スラブであるが、図26はこれらのスラブの厚さをスパ
ン長さをパラメータして表すスラブマトリックスを示す
ものである。
【0039】図10に示すように、小梁、スラブなどの
2次部材の設定(ステップS13)を終了したら、次に
ステップS14において部屋設定システム22fを起動
してフレーム外およびセットバック部の出部屋の基本形
状の設定を行う。本例では、この出部屋の設定を上述し
た2次部材のライブラリーおよびパラメータにより入力
しているが、出部屋用ライブラリーを予め作成してお
き、その中から条件に合うものを自動的に選択し、必要
に応じて選択された中から最適のものを指定するように
しても良い。
【0040】さらに、外装材、片持スラブ、雑壁、共用
設備などのクラディングを設定するために、ステップS
15においてクラディング設定システム22gを起動す
る。このクラディングの設定も種々のライブラリーを予
め用意しておき、その中から入力されたパラメータに応
じて該当するものを自動的に選択し、さらに必要に応じ
てその中から最適なものを指定する。
【0041】このようにして、建築躯体を構成する1次
部材の位置および構造、2次部材の位置および構造、出
部屋の位置および構造、外壁や共用設備を規定するクラ
ディングの位置および構造を設定した後、ステップS1
6において構造計算システム22hを起動して構造計算
を行う。この構造計算は自動構造計算ソフトを利用して
自動的に行うことができる。構造計算が終了したら、最
後にステップS17において配筋設定システム22iを
起動し、構造計算の結果に基づいて施工性と経済性の面
から柱、梁の最適の配筋を決定する。耐震壁については
上述したように配筋は既に決定されている。この配筋決
定は自動配筋決定ソフトを利用して自動的に行う。
【0042】本例においては、このようにして建築躯体
の柱、梁、耐震壁などの1次部材の位置および構造を各
階数毎に設定するデータを得ることができるとともに小
梁、スラブなどの2次部材の位置および構造、出部屋の
位置および構造、外壁や共用設備などのクラディングの
位置および構造を設定するデータを得ることができる。
このようにして得た各種の設定データは記憶装置1に記
憶する。このようにして記憶装置1に記憶した各種のデ
ータを入力装置3を介して読み出して表示装置4のスク
リーン上に表示したり出力装置5のプリンタ51やプロ
ッタ52によって各種の書類や図面を作成することがで
きる。
【0043】図27は処理装置2の設計手段22の中の
クラディング設定システム22gによるクラディングの
設計手法を示すフローチャートである。クラディングは
上述したように外装と共用設備を表すものであり、その
グレードが予め決められている。すなわち、材質および
工法が予め決められた仕上げライブラリーを読み出し、
入力装置3を介してグレードを指定することによってグ
レードに応じた各部位の仕上げが自動的に選択される。
したがって、各部位毎に仕上げ構造を指定する手間を省
くことができる。
【0044】次に、形状ライブラリーを読み出し、各部
位の形状パターンを選択する。例えばベランダの手すり
に関していえば、幾つかの形状パターンを断面構造を含
めて形状ライブラリーに予め登録しておき、入力装置3
を介して選択するようにする。このようにして形状パタ
ーンを決定したら、さらに各パターン毎に寸法を決め
る。この寸法はモジュール寸法として設定するかまたは
既定値を選ぶことによって設定することができる。
【0045】次に、クラディングに関する構造ライブラ
リーを読み出し、外装および共用設備の各部位の配筋を
決定する。配筋は断面により自動的に設定されるものと
構造ライブラリー中の配筋リストから選択するものとが
ある。共用設備としては、各種機械室、エレベータ、受
水槽・高架水槽、防火設備、消火栓、避雷針、共用アン
テナ、分電盤、配電盤などの各種盤類などがあるが、こ
れらはグレードによって基本的に決められており、設置
位置に関しても予め決められているが、勿論変更も可能
である。さらに、付帯工事ライブラリーを読み出して構
造躯体とサッシなどのクラディング部材との隙間を埋め
る工事の仕様を決定する。付帯工事ライブラリーには各
サッシと関連する付帯工事の仕様が決められているの
で、サッシに対応して自動的に決定されることになる。
【0046】さらに、付属部品ライブラリーを読み出
し、物干し金具、忍び返しなどの付属部品およびその配
置を決定する。これも予めグレードに応じて規格化され
ており、指定されたグレードに応じて自動的に決定され
ることになるが、その配置に関しては一定のルールが設
けられている。例えば、部品の取り付けルールとして庇
の場合、壁板および出窓壁にしか取り付けられないよう
なルールがある。最後に、ディテールライブラリーを読
み出し、屋上アスファルト防水工事の仕様、屋上排気出
口小屋の仕様などを決定する。このようなクラディング
の内容によってはサポートとの関連を有するものもあ
り、特に配管ルート、配線ルートによってはサポートの
設計変更をしなけばならない場合もある。
【0047】図28はインフィルの設計手順を示すフロ
ーチャートである。インフィルは各住戸毎に決定しなけ
ればならないので、先ず最初に住戸の指定を行う。クラ
ディングと同様にインフィルもグレード付けが成されて
おり、グレードを指定することによって標準的な建築仕
様が決められるようになっている。勿論、顧客の要望に
応じて建築仕様を変更することも可能である。次に、住
戸内の各部屋の指定を行うとともにその部屋の用途を入
力する。この用途の指定によって予め決められている内
部建具が選択される。この場合にも顧客の要望に応じて
特殊な建具を入力することができる。
【0048】さらに、ユニット化を大幅に採り入れてあ
り、予めきめられた標準のユニット部品を自動的に設定
するようになっているが、顧客の要望に応じて変更も可
能である。さらに、家具・備品を設定するが、これもグ
レードに応じて予め標準品が決められており、顧客の要
望に応じて変更もできるようになっている。
【0049】このようにしてインフィルの構造を決定し
たら、次にそれに基づいて意匠図面を作成する。さら
に、衛生設備の設定を行うが、これも指定されたグレー
ドに応じて予め決められたものが自動的に選択されるよ
うになっているが、顧客の希望に応じて変更も可能とな
っている。このようにして決定した衛生設備に基づいて
配管が自動的に決定され、衛生設備図面を作成する。さ
らに、電気設備の設定を行うが、これは自動的に決定さ
れるものであるが、顧客の要望に応じて変更もできるよ
うになっているが、他の部材との競合を避けるために一
定のルールが設けてある。このようにして設定した電気
設備に基づいて配線ルートが自動的に決定され、電気設
備図面を作成する。最後にこのようにして決定したイン
フィルの各部材を拾い出して積算処理を行い、積算書を
作成する。この場合の単価は標準単価で計算を行う。
【0050】上述したようにして決定したサポート、ク
ラディングおよびインフィルのデータは処理装置2から
記憶装置1へ伝送してここに実績データとして記憶し、
次の集合住宅を建築する際の総合生産管理データとして
利用できるようにする。このように、本発明においては
実績データを蓄積して行くので、各種のパラメータを自
動的に選択するときに所望のものが選択される確率が高
くなる。
【0051】
【発明の効果】上述したように本発明による建築物の総
合生産管理システムによれば、企画、設計、流通管理、
施工監理、顧客対応、維持管理の各段階での情報のやり
とりを迅速かつ正確に行うことができるので、連絡の不
備による不都合が生ずるようなことはなく、仮に設計変
更があってもそれによる不都合が生ずることはない。ま
た、設計、流通管理、施工監理、維持監理の段階では、
主として構造躯体を表すサポートと、主として外装を表
すクラディングと、主として内装を表すインフィルとに
大別してデータの管理を行っているので、業者間の複雑
な取り合いがなくなり、施工管理を系統立って行うこと
ができるとともに熟練工の必要度も少なくなり、多能工
であっても十分な高品質を確保することができる。各手
段においては多数の事例に基づいて予め作成した多数の
ライブラリーを読み出して所望のデータを自動的に選択
するようにしたため企画パース、ブロックプランなどを
容易に作成することができ、したがって施主の要求に迅
速に対応することができる。さらに、竣工後の建物の維
持、管理についてもサポート、クラディング、インフィ
ルに大別して行っているので各種の改修、保全を系統立
って行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による建築物の総合生産管理シス
テムの全体の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は処理装置に設けられた各種手段の関係お
よびデータの流れを示すブロック図である。
【図3】図3は企画手段の機能を示すブロック図であ
る。
【図4】図4は設計手段の機能を示すブロック図であ
る。
【図5】図5は流通管理手段の機能を示すブロック図で
ある。
【図6】図6は施工監理手段の機能を示すブロック図で
ある。
【図7】図7は顧客対応手段の機能を示すブロック図で
ある。
【図8】図8は維持管理手段の機能を示すブロック図で
ある。
【図9】図9は設計手段の詳細な構成を示すブロック図
である。
【図10】図10は躯体構造設計の手順を示すフローチ
ャートである。
【図11】図11AおよびBはブロックライブラリーに
記憶されているブロックプランの数例を示す図である。
【図12】図12AおよびBは階数と階高との関係を示
す図である。
【図13】図13はRC造りの柱の標準断面寸法を示す
図である。
【図14】図14はSRC造りの柱の標準断面寸法を示
す図である。
【図15】図15は柱ライブラリーの一例を示す図であ
る。
【図16】図16はRC造りの梁の標準寸法を示す図で
ある。
【図17】図17はSRC造りの梁の標準寸法を示す図
である。
【図18】図18は梁ライブラリーの一例の標準断面寸
法を示す図である。
【図19】図19は構造種別および工法種別をパラメー
タとする柱の断面寸法を示す図である。
【図20】図20は耐震壁ライブラリーの一例を示す図
である。
【図21】図21は通り芯、仕口設定部位を示す図であ
る。
【図22】図22は鉄骨死におよび仕口の構成を示す図
である。
【図23】図23は小梁の構成を示す図である。
【図24】図24は小梁ライブラリーの一例を示す図で
ある。
【図25】図25はスラブライブラリーの一例を示す図
である。
【図26】図26はスラブマトリックスの一例を示す図
である。
【図27】図27はクラディングの設計手順を示すフロ
ーチャートである。
【図28】図28はインフィルの設計手順を示すフロー
チャートである。
【符号の説明】
1 記憶装置 2 処理装置 3 入力装置 4 表示装置 5 出力装置 21 企画手段 22 設計手段 23 流通管理手段 24 施工監理手段 25 顧客対応手段 26 維持管理手段 22a ブロックプラン選択システム 22b 階高設定システム 22c 1次部材設定システム 22d 仕口設定システム 22e 2次部材設定システム 22f 出部屋設定システム 22g クラディング設定システム 22h 構造計算システム 22i 配筋決定システム 51 プリンタ 52 プロッタ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 敷地の状況、各種の法規制などに基づい
    て容積取りを決定して基本ブロックプランを作成し、こ
    れに基づいて概算コストの計算を行うとともに施工計画
    書、事業収支計画書、外観パース図面などを含む企画書
    類の作成を行う企画手段と、 企画手段において決定された企画に基づいて、建築物の
    主として構造躯体を表すサポートと、主として外装を表
    すクラッディングと、主として内装を表すインフィルと
    に大別して建築物の構造設計および積算を行う設計手段
    と、 前記サポート、クラディング、インフィルに大別して建
    築物の施工を監理する施工監理手段とを具えることを特
    徴とする建築物の総合生産管理システム。
  2. 【請求項2】 集合住宅を建築しようとする敷地の状
    況、各種の法的規制、マーケティングリサーチ、施主の
    希望などに基づいて集合住宅の容積取りを決定し、これ
    に基づいて概算コストの計算を行うとともに施工計画
    書、事業収支計画書、外観パース図面の作成などを含む
    企画段階で必要とされる書類を作成する企画手段と、 この企画手段によって決定された企画に基づき、集合住
    宅の主として構造躯体を表すサポートと、主として外装
    および共用設備を表すクラディングと、主として住戸内
    装および住戸内設備を表すインフィルとに大別して集合
    住宅の構造設計および積算を行う設計手段と、 この設計手段によって決定された設計に基づき、集合住
    宅の建築に必要な資材の調達および流通を管理する流通
    管理手段と、 前記設計手段によって決定された設計に基づき、前記サ
    ポート、クラディング、インフィルに大別して建築物の
    施工を監理する施工監理手段と、 前記クラディングおよびインフィルに対する顧客の要望
    に応じた設計変更を入力し、それを前記設計手段へ指示
    する顧客対応手段と、 前記サポート、クラディング、インフィルに大別して集
    合住宅の維持、管理を行う維持管理手段とを具えること
    を特徴とする集合住宅の総合生産管理システム。
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