JP3135951B2 - 建築躯体の構造設計システム - Google Patents

建築躯体の構造設計システム

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JP3135951B2
JP3135951B2 JP03249620A JP24962091A JP3135951B2 JP 3135951 B2 JP3135951 B2 JP 3135951B2 JP 03249620 A JP03249620 A JP 03249620A JP 24962091 A JP24962091 A JP 24962091A JP 3135951 B2 JP3135951 B2 JP 3135951B2
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株式会社長谷工コーポレーション
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建築躯体の構造をコンピ
ュータを用いて設計するシステムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物を設計するに当たっては、
土地の形状、当該土地の建蔽率、容積率、斜線制限、日
陰制限などの法的規制や、施主の希望、工費などを考慮
して建築物の架構形式、基本平面外郭形状、総階数、ス
パン数などの基本データを表すブロックプランを作成
し、このブロックプランに基づき、架構形態、柱、梁、
耐震壁などの1次部材の断面を検討して建築躯体の構造
設計を行い、この構造設計に基き、再度ブロックプラン
を検討し必要な修正を加えた上で最終的なブロックプラ
ンを作成している。この段階までが所謂企画の段階であ
る。さらに、このようにして定めたブロックプランに基
づいてベランダ、各種開口部、廊下、階段、エレベータ
室などを詳細検討した後、構造計算を行い、その結果に
基づいて柱、梁、耐震壁などの1次部材の断面構造を決
定し、さらにこれに基づいて詳細な配筋を設計してい
る。また、ブロックプランが定まった段階で間仕切りな
どの詳細な内部構造を設計している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】建築躯体の設計を行う
に際しては、ブロックプランを作成した後、このブロッ
クプランに基づいて詳細な設計に移る訳であるが、この
詳細な設計を行っている段階において、施主から設計変
更が出され、その内容によってはブロックプランやそれ
に基づく建築躯体の構造設計をやり直す必要が生じるこ
とがしばしばある。このように、ブロックプランや躯体
の構造設計をやり直すには多くの時間と労力を要するも
のであり、これによって事業計画に不都合が生じたり、
施主の希望に答えられなくなる場合が多い。また、一般
にブロックプランの設計者と建築躯体の設計者とは別人
であり、両者の間での連絡はあるが、人的ミスによって
これらの間に不整合が生じたり、実施工を加味して設計
しているが設計者の熟練度によっては現場において大幅
に設計変更が行われることがあったりし、これによって
さらに事業計画に遅れが生ずる恐れもある。最近では、
建築物を構成する部材については規格の統一が図られて
いるが、工法に関しては規格化されていることは少な
く、したがって現場においては熟練を有する建築技能工
が必要となっているが、熟練工が少なくなって来てお
り、その確保が困難となって来ている。
【0004】本発明の目的は上述した従来の欠点を除去
し、ブロックプランの作成およびそれに基づく建築躯体
の設計を自動的に行うことによって、企画段階での時間
および労力を大幅に軽減し、設計変更に容易かつ迅速に
対処することができるとともにブロックプランと建築躯
体との間の情報のやりとりおよび設計者、施工者、工場
生産者との間の情報のやりとりに不整合をなくすことが
でき、さらに工法をできるだけ規格化することによって
熟練を持たない多能工でも工事を行うことができる建築
躯体の構造設計システムを提供しようとするものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による建築躯体の
構造設計システムは、建築躯体全体の平面輪郭を規定す
る基本平面輪郭形状、開放廊下型、中廊下型、階段室型
などの架構形式、スパン数を少なくとも規定する基本パ
ラメータを入力する第1の入力手段と、この第1の入力
手段によって入力された基本パラメータに基づいて、予
め登録されている多数のブロックプランから所定のブロ
ックプランを選択し、設定する手段と、建築躯体の総階
数を入力する第2の入力手段と、この第2の入力手段に
よって入力された建築躯体の総階数に応じて各階の階高
を設定する手段と、前記設定されたブロックプラン、設
定された各階の階高、入力された総階数に基づいて、
柱、梁および耐震壁部材などの1次部材の位置および構
造を各階数別に設定する手段と、設定された柱、梁、耐
震壁部材の連結構造を表す仕口の位置および構造を設定
する手段とを具えることを特徴とするものである。
【0006】
【作用】このような本発明による建築躯体の構造設計シ
ステムによれば、多数のブロックプランを予め登録して
ブロックプランライブラリーを作成しておき、建築躯体
全体の平面輪郭を規定する基本平面外郭形状、開放廊下
型、中廊下型、階段室型などの架構形式、一列に並ぶ戸
数を表すスパン数などの基本パラメータに応じて所定の
ブロックプランを自動的に選択するので、基本的にブロ
ックプランを作成するための時間および労力を従来に比
べて大幅に削減することができる。また、ブロックプラ
ンが定まると、それに応じて建築躯体を構成する柱、
梁、耐震壁などの1次部材の位置および断面構造が定ま
るとともに仕口の位置および構造も定まるので、階数別
の建築躯体の断面構造を表す構造設計をきわめて迅速に
かつ正確に行うことができ、施工段階において収まりに
関する設計の変更をなくすことができる。したがって、
企画の段階での設計変更に容易かつ迅速に対処すること
ができ、全体の事業計画に狂いを生じさせるようなこと
はなくなる。さらに柱、梁、耐震壁などの1次部材など
の構造は工法種別に応じて予めライブラリーに登録して
あるので、工法の規格化ができ、熟練を要しない多能工
でも十分作業が可能となる。
【0007】
【実施例】図1は本発明による建築躯体の構造設計シス
テムの一例の全体の構成を示すブロック図である。本例
では集合住宅の構造設計を行うものである。後述するよ
うな各種のライブラリーを記憶する記憶手段1と、所定
のプログラムを実行する処理手段2と、各種の指令、デ
ータ、パラメータなどを入力する入力手段3と、表示手
段4と、各種の図面を作成するプロッタ5とを具えてい
る。本発明においては、多数のブロックプランを予め作
成してブロックプランライブラリーとして記憶手段1に
記憶しておく。この記憶手段1は任意の形式の記憶装置
を以て構成することができる。入力手段3は、建築躯体
全体の平面輪郭を規定する基本平面外郭形状、開放廊下
型、中廊下型、階段室型などの平面形式、一列に並んだ
戸数を表すスパン数などの基本パラメータや建築躯体の
総階数、構造種別および工法種別などのデータや、処理
手段2の動作を制御する指令や表示手段4およびプロッ
タ5の動作を制御するための指令などを入力するもので
ある。処理手段2は、この入力手段3から入力されたデ
ータに基づいて、多数のブロックプランの中から適切な
ブロックプランを選択するブロックプラン選択システム
2aと、入力された建築躯体の階数および構造種別に応
じて各階の階高を自動的に設定する階高設定システム2
bと、設定されたブロックプラン、設定された各階の階
高、入力された構造種別および工法種別に基づいて、
柱、梁および耐震壁部材などの1次部材の位置および構
造を各階数別に設定する1次部材設定システム2cと、
設定された柱、梁、耐震壁部材の連結構造を表す仕口の
位置および構造を設定する仕口設定システム2d、小
梁、スラブなどの2次部材の位置および構造を設定する
2次部材設定システム2e、出部屋設定システム2f、
非構造部材設定システム2g、構造計算システム2h、
配筋決定システム2iを有している。これらのシステム
の詳細については後に詳述する。
【0008】表示手段4は、構造設計システムプログラ
ムの実行、選択および設定の際の入力およびその確認、
ブロックプラン、1次部材の位置および構造、仕口の位
置および構造、2次部材の位置および構造、出部屋の位
置および構造、片持スラブ、外装材、雑壁などの非構造
部材の位置および構造、配筋の位置および構造などの表
示を行うものである。また、プロッタ5は選択されたブ
ロックプラン、1次部材の位置および構造を表す図面、
仕口の位置および構造を表す図面、建築躯体の各階数ご
との断面図、2次部材の位置および構造を表す図面、片
持スラブ、外装材、雑壁などの非構造部材を表す図面、
配筋図面などを作成するものである。
【0009】図2は本発明による建築躯体の構造設計シ
ステムにおける順次の工程を示すフローチャートであ
る。先ず、ステップS1において、ブロックプランを決
定するためにブロックライブラリを記憶手段1から処理
手段2へ読み出し、続いてステップS2において、入力
手段3を介して建築躯体全体の平面輪郭を規定する基本
平面外郭形状、開放廊下型、中廊下型、階段室型などの
架構形式、スパン数などの基本パラメータを入力する。
ブロックプランライブラリーは予め作成した多数のブロ
ックプランを有している。個々のブロックプランは図3
に示すように架構形式、スパン数、雁行箇所数をパラメ
ータとして持っている。ここで、架構形式は開放廊下
型、中廊下型および階段室型の3つの基本形式があり、
大部分の集合住宅はこれらの形式のいづれかに分類され
る。また、雁行箇所数は基本平面外郭形状を表すもの
で、雁行数が0のものは図3Aに示すように段差のない
もので、その基本平面外郭形状が矩形の建物を表し、雁
行箇所数が2のものは、図3Bに示すように2箇所にお
いて段差を有している建物を表している。スパン数は集
合住宅の一列に並んだ戸数を表すもので、本例では2〜
12のスパン数を有する建物のブロックプランが登録さ
れている。また、図3において、縦方向に並んでいる丸
印は単なる寸法の目安であり、柱の位置を示すものでは
ない。
【0010】次に、ステップS3において、入力手段3
を介して入力された基本パラメータに応じて、処理手段
2のブロックプラン選択システム2aを起動し、ブロッ
クプラン自動選択プログラムを実行する。すなわち、入
力された基本パラメータに合致するブロックプランを予
め登録してあるブロックプランライブラリーの中から自
動的に選択する。この場合、複数のブロックプランが選
択される場合があるが、その場合にはオペレータがさら
に判断して所望のブロックプランを選択して設定する。
このために、入力手段3を介して任意のブロックプラン
を表示手段4上に表示できるように構成されている。
【0011】次に、ステップS4において入力手段3を
介して総階数、構造種別を入力し、階高設定システム2
bを起動して各階の高さを自動的に設定する。すなわ
ち、ステップS5において処理手段2は記憶手段1に予
め記憶されている標準階高ライブラリーを読み出す。こ
の読み出された標準階高ライブラリーの中から入力され
た総階数および構造種別に合致したものを自動的に選択
し、各階数の階高を自動的に設定する(ステップS
6)。このようにして建物全体のフレーム構造を表すワ
イヤフレームを作成することができる。図4Aおよび図
4Bは標準階高ライブラリーの内容を示すものであり、
Aは2760mm、Bは2860mmを表すものであ
る。標準階高ライブラリーはRC(鉄筋コンクリート)
造り、SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造りのように構
造種別毎に用意されているので、入力手段3を介して入
力された構造種別および総階数をパラメータとして自動
的に設定することができる。例えば、SRC構造の8階
建ての集合住宅の場合には、1、2階の階高を2860
mm、3〜8階の階高を2760mmと自動的に設定す
る。
【0012】上述したようにして所望のブロックプラン
を選択し、設定し、さらに各階の階高を設定した後、ス
テップS7において入力手段3を介して単位スパンの長
さおよび奥行きの寸法を設定する。このように寸法を設
定すると、処理手段2は通り芯設定プログラムを実行し
て通り芯を自動的に決定し、さらにこのようにして決定
した通り芯を基準として芯出しを行い、柱位置および梁
位置などを自動的に決定する(ステップS8)。
【0013】上述したようにして、ブロックプランを決
定し、総階数、各階の階高を設定し、さらにスパン長さ
および奥行き寸法を設定したら、次に構造躯体の断面構
造を設定するための1次部材設定システム2cを起動す
る。この断面構造設定プログラムを実行するには、さら
にPC工法、ハーフPC工法、大型型枠工法、先組鉄筋
工法などの工法種別を特定する必要があるので、入力手
段3を介して工法種別を入力する(ステップS9)。記
憶手段1には、図5および6に示すように柱の標準断面
寸法が構造種別毎に指定された柱標準断面ライブラリー
と、図7に示すように標準断面寸法毎の柱の構造を工法
種別毎に表す柱構造ライブラリーと、図8および図9に
示すように構造種別毎に梁の標準断面寸法を指定する梁
標準断面ライブラリーと、図10に示すように各標準寸
法の梁の構造を工法種別毎に指定する梁構造ライブラリ
ーと、図11に示すように構造種別および工法種別をパ
ラメータとして梁断面寸法を表す梁断面ライブラリー
と、図12に示すよう内壁および外壁毎に耐震壁の構造
を表す耐震壁ライブラリーとが予め記憶されており、ス
テップS10においてこれらのライブラリーを読み出し
て設定する。図7および図10において、Fcはコンク
リート設計基準強度を表し、SDは鉄筋強度を表すもの
である。また、主筋本数の最初の数字は本数を表し、後
の数字は鉄筋の径を表すものであり、例えば4−D22
は直径が22mmの異形鉄筋を4本使用することを示し
ている。さらに、2−D10−200@は、せん断補強
筋を表しており、最初の数字は主筋と直交する断面にお
いて中心を通る水平線または垂直線が補強筋と交差する
箇所の数を表しており、次の記号は補強筋の種類および
直径を表しており、最後の数字はピッチを表している。
したがって、上の例では、直径10mmの異形鉄筋を2
00mmのピッチで主筋を囲むように配置することを表
している。1次部材設定プログラム2cを実行するに当
たっては最初にこれらのライブラリーを記憶手段1から
処理手段2へ読み出す。
【0014】柱断面を設定するに当たっての基本ルール
としては、各柱とも全階同一断面を基本とするが、階数
が7階を越える場合には2段階の設定とする。また、断
面寸法モジュールは50mmとし、中柱の成は100m
m×nとし、妻柱の成は100mm×(n−1)を標準
とし、巾はともに50mm×nとする。本例ではこのよ
うに中柱と妻柱に分けて設定しているが、さらに雁行柱
を設けてもよく、また全ての柱を中柱だけで設定するよ
うにしても良い。
【0015】梁断面の設定については、各梁全階同一寸
法とするが、7階を越える場合には2段階の設定として
いる。梁成のバリエーションは730mmおよび830
mmの2種類とし、躯体梁下寸法は2030mmに統一
してある。巾は共に50mm×nとする。これは、本実
施例においては階高を2種類に限定しているためであ
り、3種類以上の階高を設定する場合には、階高の種類
に応じて梁成のバリエーションの種類を設定しておくこ
とになる。
【0016】耐震壁の断面設定については、内壁および
外壁とも全階同一寸法を基本とするが、階数が7階を越
える場合には、2段階の設定とする。断面寸法モジュー
ルは厚さのみ30mmとし、150mmから30mmの
ピッチで270mmまで設定してある。耐震壁ライブラ
リーにおいて、記号EWはEW−耐震壁を示し、その後
の数字は厚さをcmの単位で表し、その後のアルファベ
ットは配筋の種類を表しており、本例では配筋は全てダ
ブル配筋であり、配筋のタイプはA〜Cの3種類として
ある。また、鉄筋の表示方法は柱や梁と同様である。
【0017】各階数別の断面構造を設定するには、設計
物件の構造規模、総階数などにより標準断面ライブラリ
ーから所定の標準断面を選択する。これにより柱、梁の
断面寸法が確定される。次に、柱、梁の断面ライブラリ
ーから確定したものを順次選択して表示手段4に表示し
てオペレータが確認を行う。また、耐震壁を設定するに
当たっては、構造規模に応じて耐震壁ライブラリーの中
から適切なものをコンピュータが自動的に選択する。こ
の場合、開口を有する耐震壁に対しては、開口補強筋ラ
イブラリーから所定の開口補強筋を選択し、確認の上確
定する。このようにして耐震壁を設定する。このように
して各階数毎の柱、梁、耐震壁を次々と設定することに
よって各階数毎の断面構造を決定することができる(ス
テップ10)。
【0018】次に、ステップS11において、上述した
ようにして決定した柱、梁および耐震壁を連結する仕口
の設定を、仕口設定システム2dによって行う。記憶手
段1には、柱、梁、耐震壁を連結する構造を表す仕口ラ
イブラリーが予め記憶されており、仕口を設定するに当
たっては先ずこの仕口ライブラリーを読み出す。ブロッ
クプランの梁の各交点には、50モジュールに合わせて
デフォルトで設定した仕口形状、ここでは柱芯、柱に対
する梁位置が入力される。また、ブロックプランの基本
平面外郭形状毎に図13に示すように横方向に基点、中
央、端部と分け、縦方向ではバルコニー側、廊下側と分
けて各部位を設定する。
【0019】仕口を設定する基本設計ルールとしては、
仕口部分の柱の鉄骨芯出し位置および柱に対する梁鉄骨
芯位置が鉄骨を通して接合できる位置になることである
が、各部位毎の芯出し(返り寸法)は、バルコニー側は
内壁から250mm、廊下側は外壁から250mm、妻
側は外壁から250mm、中通りはスパン梁芯となるよ
うに設定する。鉄骨芯は図14に示すように決定する。
このようにして各仕口の位置および構造を設定すること
によって建築躯体の階数ごとの平断面構造が決定される
ことになる(ステップS12)。
【0020】以上のようにして構造躯体の構造を設計す
ることができるが、本例においてはさらに、配筋をも自
動的に設定するものである。このために、先ず最初にス
テップS13において、2次部材設定システム2eを起
動して小梁、スラブなどの2次部材の位置および構造を
設定する。すなわち、小梁の構造を表す小梁ライブラリ
ーおよびスラブの構造を示すスラブライブラリーを予め
作成して記憶手段1に記憶しておき、2次部材の設定を
行うに当たっては最初にこれらのライブラリーを読み出
す。
【0021】小梁と内スラブとの間には密接な関係があ
るが、小梁をなくした方が生産性、施工性が向上すると
ともに躯体からの制限がない自由な空間を提供できるの
で、基本的には小梁なしとする。しかし、現在スラブに
採用されているアンボンド工法などを使用してもスパン
および奥行きの寸法には限界がある。その理由は空間施
工の寸法を階高から確保すると、スラブ厚さは最大24
0mmまでしか確保することができないためである。し
たがって、スパンおよび奥行き寸法の自由な広がりを確
保するためには小梁が必要である。小梁には様々な配置
パターンがあるが、工業化工法を導入し易くするため
に、図15に示す5種類のみに限定し、複雑な配置は採
用していない。すなわち、小梁なし、日型配置、目型配
置などの5種類である。
【0022】上述した5種類の小梁の中から所望の小梁
を設定するに当たっては、小梁を使用する部位によって
異なる属性を持つものとし、使用部位によりグルーピン
グする。すなわち、部屋内スラブに用いる部屋内用小梁
の配置パターンは上述した5種類の中から選択するが、
エレベータシャフト用小梁は、棟内型のエレベータシャ
フトが取り付くスラブに、シャフトの壁に沿って設けら
れ、棟外型の場合にはシャフトと躯体とのつなぎ梁に使
用するものである。塔屋(例えばエレベータの機械室)
の内スラブに設ける塔屋用小梁、塔屋屋上において、R
階スラブ四方を囲む顎付きの逆梁、高架水槽付きの塔屋
屋上において高架水槽の架台としての逆梁など、それぞ
れの部位の応じた複数の小梁を指定する小梁ライブラリ
ーを予め作成して記憶手段1に記憶しておく。図16に
小梁ライブラリーの一例を示す。
【0023】図17はスラブライブラリーの一例を示す
ものである。スラブライブラリーは工法種別毎に厚さを
指定するものであるが、工法種別毎のスラブとしては、
本例では在来スラブ、アンボンドスラブ、ボイドスラ
ブ、合成スラブの4種類のスラブを用意する。在来工法
のスラブの要素としてはスラブ厚と配筋構造とがあり、
これらを表す記号を割り当てる。
【0024】例えば、SA14というスラブ記号は、S
は在来工法スラブを表し、Aは配筋タイプを表し、14
は厚さを表すものであり、厚さは14、15、18、2
0の4種類が用意されており、配筋タイプはA〜Dの4
つのタイプが用意されている。工業化工法スラブの内ア
ンボンドスラブはSABで表し、それにスラブ厚さを表
す数字を添える。アンボンドスラブの長スパン化のメリ
ットを考慮してスパン長(横方向寸法:lx)6.5〜
8.0mの間で選択するようにし、縦方向寸法(ly)
は8.0〜13.0mまで設定してある。ボイドスラブ
はSEBで表し、それに厚さを表す数字を添えてある。
ボイドスラブは、コンクリート強度およびスパン長が決
まると厚さが決定されるので、横方向寸法のみが示され
ている。このようにして決定された厚さに適切なボイド
型枠高さを決定し、計算によって求まる配筋データを与
えるものである。スラブ厚さは210〜240mmと
し、スパン長はそれに合わせて5.8〜6.6mとす
る。なお、本例ではコンクリート強度は210としてあ
る。合成スラブは基本的に在来工法スラブと同一であ
り、記号SKと、配筋タイプを示すA〜Dの記号と、厚
さを表す数字とで識別されている。ただし、配筋の施工
性を考慮してAタイプの配筋は設定していない。
【0025】スラブ選択手順としては、在来工法スラブ
の場合には、スラブの小梁位置決定の後を受けてスラブ
設計に入り、その構造計算を満たすスラブをスラブライ
ブラリーの中からオペレータが選択する。アンボンドス
ラブの種類を決定する条件はスラブの縦横の寸法であ
る。したがって、企画の段階でスラブの縦横の寸法が設
定されると、自動的にスラブライブラリーから所望のア
ンボンドスラブが選択される。ボイドスラブの種類を決
定する条件はスラブの横方向の寸法である。したがっ
て、企画の段階でスラブの横方向の寸法が設定される
と、スラブライブラリーから適切なボイドスラブが自動
的に選択される。このようにしてスラブ種類が選択され
ると次にPC板割り付けを行い、割り付けされた各PC
板にボイド型枠を割り付け、これに合わせてトラス筋を
配置する。合成スラブを選択する場合には、在来工法ス
ラブと同様にスラブの小梁位置を決定した後、スラブ設
計に入り、その構造計算を満たすスラブをスラブライブ
ラリーの中から選択する。スラブ種類が決定されると、
次にPC板割り付けを行い、割り付けされた各PC板に
合わせてトラス筋を配置する。
【0026】上述したように、スラブライブラリーに用
意した4種類の工法の内、スパン長さにより自動的にス
ラブ種類を選択できるのは、アンボンドスラブとボイド
スラブであるが、図18はこれらのスラブの厚さをスパ
ン長さをパラメータして表すスラブマトリックスを示す
ものである。
【0027】図2に示すように、小梁、スラブなどの2
次部材の設定(ステップS13)を終了したら、次にス
テップS14において部屋設定システム2fを起動して
フレーム外およびセットバック部の出部屋の基本形状の
設定を行う。本例では、この出部屋の設定を上述した2
次部材のライブラリーおよびパラメータにより入力して
いるが、出部屋用ライブラリーを予め作成しておき、そ
の中から条件に合うものを自動的に選択し、必要に応じ
て選択された中から最適のものを指定するようにしても
良い。
【0028】さらに、外装材、片持スラブ、雑壁などの
非構造部材を設定するために、ステップS15において
非構造部材設定システム2gを起動する。この非構造部
材の設定も種々のライブラリーを予め用意しておき、そ
の中から入力されたパラメータに応じて該当するものを
自動的に選択し、さらに必要に応じてその中から最適な
ものを指定する。
【0029】このようにして、建築躯体を構成する1次
部材の位置および構造、2次部材の位置および構造、出
部屋の位置および構造、外壁や共通設備を規定する非構
造部材の位置および構造を設定した後、ステップS16
において構造計算システム2hを起動して構造計算を行
う。この構造計算は自動構造計算ソフトを利用して自動
的に行うことができる。構造計算が終了したら、最後に
ステップS17において配筋設定システム2iを起動
し、構造計算の結果に基づいて施工性と経済性の面から
柱、梁の最適の配筋を決定する。耐震壁については上述
したように配筋は既に決定されている。この配筋決定は
自動配筋決定ソフトを利用して自動的に行う。
【0030】本例においては、このようにして建築躯体
の柱、梁、耐震壁などの1次部材の位置および構造を各
階数毎に設定するデータを得ることができるとともに小
梁、スラブなどの2次部材の位置および構造、出部屋の
位置および構造、外壁や共通設備などの非構造部材の位
置および構造を設定するデータを得ることができる。こ
のようにして得た各種の設定データは記憶手段1に記憶
する。このようにして記憶手段1に記憶した各種のデー
タを入力手段3を介して読み出して表示手段4のスクリ
ーン上に表示したりプロッタ5によって種々の図面を作
成することができる。
【0031】本発明は上述した実施例にのみ限定される
ものではなく、種々の変更および変形が可能である。例
えば、上述した実施例では、建築躯体の構造を設定した
後、2次部材の位置および構造を設定したり、出部屋を
設定したり、非構造部材を設定するようにしたが、本発
明においては建築躯体の構造を設定するだけでも良い。
さらに、構造計算を行った後に、その結果に基づいて
柱、梁、耐震壁の配筋を自動的に決定するようにした
が、配筋の決定は必ずしも自動的に行う必要はない。ま
た、上述した実施例ではプロッタを設けて建築躯体の断
面構造図を出力するようにしたが、本発明においては建
築躯体の構造を設定するデータを得ることが重要であ
り、必ずしも図面を作成する必要はない。また、或る階
においてセットバックしているような建物については、
例えばワイヤフレームを設定する段階または各階の1次
部材の位置および構造が決定された段階でセットバック
した部分のフレームを削除するようにすれば良い。前者
の場合にはセットバックを加味して1次部材の設定が行
われるが、後者の場合にはセットバックの有無とは無関
係に1次部材の設定が行われることになる。さらに、上
述した実施例では、総階数および構造種別に基づいて階
高を決めているが、階数に応じて予め構造種別を決めて
おけば総階数のみに基づいて階高を決めることができ
る。同様に、1次部材の位置および構造を設定する際に
も総階数で構造種別を予めきめておけば、ブロックプラ
ン、総階数および各階の階高のみに基づいて1次部材の
位置および構造を設定することもできる。
【0032】
【発明の効果】上述したように、本発明の建築躯体の構
造設計システムによれば、多数のブロックプランを予め
記憶しておき、種々の条件に合ったものを自動的に選択
し、さらに選択されたものの中から所望のものを指定す
るようにしたので、ブロックプランの設定をきわめて簡
単かつ迅速に行うことができる。したがって、企画の段
階において施主側から設計変更が提案されてもそれに対
して迅速に対応することができ、全体の計画の遅れを最
小限に留めることができるとともに施主側の希望に最大
限に答えることができる。さらに、ブロックプランの決
定後、スパン長さを指定し、階数を指定することによっ
て各階数の階高を自動的に設定し、これに対応して柱、
梁、耐震壁の構造が自動的に設定されるので、各階数毎
の断面形状を容易にしかも正確に決定することができ、
ブロックプランの設計者と建築躯体の構造の設計者とが
別人であっても躯体がロックプランと矛盾するようなこ
とはなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明による建築躯体の構造設計システ
ムの一例の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は本発明による建築躯体の構造設計システ
ムの一例における順次のステップを示すフローチャート
である。
【図3】図3AおよびBはブロックプランライブラリー
に記憶されているブロックプランの数例を示す図であ
る。
【図4】図4Aおよび図4Bは階数と階高との関係を表
す図である。
【図5】図5はRC造の柱の標準断面寸法を示す図であ
る。
【図6】図6はSRC造の柱の標準断面寸法を示す図で
ある。
【図7】図7は柱ライブラリーの一例を示す図である。
【図8】図8はRC造の梁の標準断面寸法を示す図であ
る。
【図9】図9はSRC造の梁の標準断面寸法を示す図で
ある。
【図10】図10は梁ライブラリーの一例を示す図であ
る。
【図11】図11は構造種別および工法種別をパラメー
タとする柱の断面寸法を示す図である。
【図12】図12は耐震壁ライブラリーの一例を示す図
である。
【図13】図13は通り芯、仕口設定部位を示す図であ
る。
【図14】図14は鉄骨芯および仕口の構成を示す図で
ある。
【図15】図15は小梁の構成を示す図である。
【図16】図16は小梁ライブラリーの一例を示す図で
ある。
【図17】図17はスラブライブラリーの一例を示す図
である。
【図18】図18はスラブマトリックスの一例を示す図
である。
【符号の説明】
1 記憶手段 2 処理手段 2a ブロックプラン選択システム 2b 階高設定システム 2c 1次部材設定システム 2d 仕口設定システム 2e 2次部材設定システム 2f 出部屋設定システム 2g 非構造部材設定システム 2h 構造計算システム 2i 配筋設定システム 3 入力手段 4 表示手段 5 プロッタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G06F 17/50 680 G06F 17/50 634 特許ファイル(PATOLIS) JICSTファイル(JOIS)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも建築躯体全体の基本平面外郭
    形状、架構形式、スパン数を規定する基本パラメータを
    入力する第1の入力手段と、 この第1の入力手段によって入力された前記基本パラメ
    ータに基づいて、予め登録されている多数のブロックプ
    ランの中から所望のブロックプランを選択し、設定する
    手段と、 建築躯体の総階数を入力する第2の入力手段と、 該第2の入力手段によって入力された建築躯体の総階数
    に応じて各階の階高を設定する手段と、 前記設定されたブロックプラン、設定された各階の階
    高、入力された総階数に基づいて、柱、梁および耐震壁
    部材などの1次部材の位置および構造を各階数別に設定
    する手段と、 設定された柱、梁、耐震壁部材の連結構造を表す仕口の
    位置および構造を設定する手段とを具えることを特徴と
    する建築躯体の構造設計システム。
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