JP3662961B2 - 自動原稿送り装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、電子複写装置等の画像読み取り機能を有する装置の、原稿が画像読み取り位置に載置されるプラテンガラス上に、原稿を自動的に搬送するための自動原稿送り装置としては、種々知られており、実用に供されている。このような従来の自動原稿送り装置においては、原稿トレイ上にセットされた複数枚の原稿をプラテンガラス上に分離取り込みするための原稿分離取り込み機構と、プラテンガラス上の複写済みの原稿を排出するための排紙機構とを別個に備えて構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来構成の自動原稿送り装置においては、2つの機構に駆動源を別々に備えているため、配置スペースの点や部品点数の増大の点において問題がある。このため、近年、上述した駆動源を2つの機構に共通化した構成が考えられている。しかしながら、このように2つの機構に駆動源を共通化することにより、原稿の分離取り込み動作と、原稿の排出動作とを別々に実行させなければならず、複写時間が長くかかる問題点が新たに指摘されており、解決が要望されている。
【0004】
【発明の目的】
この発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、この発明の目的は、原稿の給紙処理のための駆動源と、原稿を排出するための排紙処理のための駆動とを共通化した状態で、コストの低廉化を達成することが出来ると共に、複写時間の短縮化を図ることの出来る自動原稿送り装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、この発明に係わる自動原稿送り装置は、例えば、請求項1の記載によれば、原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラスへの該原稿の取り込み方向とは逆の排出方向に沿って、排出させる排出手段と、この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に基づいて、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段とを具備することを特徴としている。
【0006】
また、この発明に係わる自動原稿送り装置は、例えば、請求項9の記載によれば、原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、原稿トレイ側に配設された原稿分離ローラと、プラテンガラス側に配設された原稿レジストローラとを備え、前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラスへの該原稿の取り込み方向とは逆の排出方向に沿って排出させる排出手段と、この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、前記原稿分離ローラと原稿レジストローラとの間の原稿搬送路に介設され、ここを搬送される原稿の先端を検出する第2の検出手段と、前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に基づいて、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記第2の検出手段の検出に基づいて、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
【実施例】
以下に、この発明に係わる自動原稿送り装置の一実施例の構成を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
[全体構成の概略説明]
図1に示すように、この一実施例の自動原稿送り装置10は、詳細な図示を省略する電子複写装置Cの上面の後端縁に回動自在に取り付けられ、この電子複写装置Cの上面に配設されたプラテンガラスP(図2に示す)を全面的に覆う閉塞位置と、この閉塞位置から上方に回動され、プラテンガラスPを全面的に開放する開放位置との間で回動自在に設定されている。
【0010】
この自動原稿送り装置10は図1に示す閉塞位置にある状態で、この自動原稿送り装置10の図中左側に取り付けられた原稿トレイ12上に載置された少なくとも1枚の原稿Dを、自動的にプラテンガラスP上に取り込み搬送して複写動作に供し、この原稿Dの複写動作の終了に基づいて原稿DをプラテンガラスP上から取り出して、排紙台14上に排出するように構成されている。一方、この自動原稿送り装置10は、図示していないが開放位置にある状態で、複写動作が起動されても、何ら原稿搬送動作を実行しないように構成されている。
【0011】
[自動原稿送り装置10の概略構成の説明]
この自動原稿送り装置10は、図2に示すように、電子複写装置Cの上面後端縁に図示しないヒンジを介して取り付けられると共に、電子複写装置Cの上面全体を覆うことが出来る様に構成された装置本体としての外装カバー16を備え、この外装カバー16の図中左側面には、原稿取り込み口18が形成されると共に、この原稿取り込み口18に連通した状態で、原稿トレイ12が着脱自在に取り付けられている。この原稿トレイ12は、取り付け状態において、図中右下がりの傾斜状態となるように設定されている。また、この外装カバー16の上面には、凹部20が形成されており、この凹部20の底部により複写済みの原稿Dが排出される排紙台14が規定されている。また、この凹部20の図中左側面には、複写済みの原稿Dが排出される排出口22が形成されている。
【0012】
この外装カバー16内には、図中左側に位置すると共に、上述した原稿取り込み口18に連通した状態で、原稿取り込み口18から挿入された原稿Dを1枚1枚に分離した状態でプラテンガラスP上に取り込むための原稿分離取込機構24が配設されている。また、この外装カバー16の下面には、上述したプラテンガラスPを全面的に覆う状態で、原稿押さえシート26が配設されている。この原稿押さえシート24は、図3に示すように、原稿分離取込機構26に対向する図中左側縁の幅方向(即ち、原稿Dの搬送方向に直交する方向)に沿う中央部には、矩形状の切り欠き28が形成されており、この切り欠き28内に位置した状態で、図4に示すように、原稿搬送機構30が配設されている。
【0013】
この原稿搬送機構30は、詳細は後述するが、原稿分離取込機構24を介して取り込まれた原稿Dを図中左方向にも、また、右方向にも搬送することが出来るように構成されている。また、再び図2に示すように、この原稿搬送機構30の左上方には、原稿搬送機構30により図中左方に搬送されてきた複写済みの原稿Dを排出するための原稿排出機構32が配設されている。
【0014】
ここで、外装カバー16の下面の左側には、原稿自動送り装置10の閉塞状態において、丁度、プラテンガラスPの左側端縁に対向する位置に、プラテンガラスP上の原稿Dの停止位置、即ち、原稿複写位置を正確に規定するためのストッパ機構34が配設されている。
【0015】
以下に、この自動原稿送り装置10を構成する個々の機構及び部品について、詳細に説明する。
【0016】
[原稿押さえシート26の説明]
この原稿押さえシート26は、可撓性を有する薄い合成樹脂製フィルムから、原稿Dに対して充分に小さい摩擦係数を有して形成されている。この原稿押さえシート26は、使用最大サイズの原稿よりも僅かに大きく設定されている。また、この原稿押さえシート26の上面には、図2及び図3に示すように、上述した切り欠き28を除く部分の、原稿Dの搬送方向に関して左端部、中央部、右端部の合計3カ所で、夫々、原稿Dの幅方向に沿って延出するフレーム部材36A、36B、36Cが接着剤等を介して固着されている。これらフレーム部材36A、36B、36Cは、各々の両端で、外装カバー16の下面に所定量だけ上下動可能な状態で吊り下げられている。また、各フレーム部材36A、36B、36Cの両端部は、原稿押さえシート26よりも夫々僅かに外方に突出している。
【0017】
詳細には、図5に示すように、各フレーム部材36A、36B、36Cの両端部の左右の側縁には、外装カバー16に向けて突出する一対の吊持片37A、37Bが夫々一体的に取り付けられており、各吊持片37A、37Bは、弾性変形可能になされている。各吊持片37A、37Bの先端(上端)には、係止フック38A、38Bが突出形成されている。また、外装カバー16の下面には、各フレーム部材36A、36B、36Cの両端に対応する位置に、取り付け用凹部16aが各々形成されており、各取り付け用凹部16aの左右の開口端縁を規定する位置に、対応する係止フック38A、38Bが夫々係止される張り出し片16b、16cが突出形成されている。
【0018】
このようにして、原稿押さえシート26を外装カバー16に取り付けるに際しては、外装カバー16に3本のフレーム部材36A、36B、36Cを下方から近接させ、夫々の両端部に形成した吊持片37A、37Bを、夫々に対応する取り付け用凹部16a内に挿入させる。これにより、各吊持片37A、37Bは、一旦弾性変形して互いに内方に偏位した後、各々の係止フック38A、38Bが対応する張り出し片16b、16cに係合することになる。このようにして、各フレーム部材36A、36B、36Cは、外装カバー16の下面に脱落不能な状態でスナップ係合することになる。
【0019】
尚、原稿押さえシート26を外装カバー16から取り外すに際しては、操作者の手指により一対の吊持片37A、37Bを互いに内方に弾性変形させることにより、上述したスナップ係合が解除され、簡単に各フレーム部材36A、36B、36C(従って、原稿押さえシート26)は外装カバー16から取り外されることとなる。また、これらフレーム部材36A、36B、36Cが外装カバー16に取り付けられている状態において、各吊持片37A、37Bの先端と、凹部16aの天井面との間に規定される間隙により、各フレーム部材36A、36B、36は、図中上下方向に沿って変位可能な状態に設定されている。
【0020】
また、各フレーム部材36A、36B、36Cの両端部の上面には、上述した一対の吊持片37A、37Bの丁度中間に位置した状態で、支持ポスト39が植設されている。この支持ポスト39には、後述するコイルスプリング41が外嵌される事になる。
【0021】
ここで、各フレーム部材36A、36B、36Cの、原稿押さえシート26より突出する両端部の下面には、図5に示すように、一対の突起40A、40Bが一体的に突出形成されている。これら突起40A、40Bは、下方に突出する円弧面を有すると共に、原稿Dの搬送方向に沿って互いに離間した状態で形成されている。これら突起40A、40Bの突出量Gは、使用最大厚さを有する原稿の厚さよりも僅かに大きく設定されている。また、各フレーム部材36A、36B、36Cの夫々の吊り下げ位置では、図6に示すように、外装カバー16との間にコイルスプリング41が介設されており、各フレーム部材36A、36B、36Cを下方に付勢している。
【0022】
これにより、この自動原稿送り装置10を閉塞位置に回動した状態において、各フレーム部材36A、36B、36Cは、プラテンガラスPの上面に確実に当接する事になり、突起40A、40Bを介して、プラテンガラスPの上面と原稿押さえシート26の下面との間に、所定の間隙Gが形成されることになる。従って、プラテンガラスPと原稿押さえシート26との間で原稿Dが搬送可能な状態が確実に達成されると共に、例えカールした原稿Dであったとしても、プラテンガラスP上に実質的に密着した状態が達成されることになる。
【0023】
ここで、この自動原稿送り装置10が装着される電子複写装置Cは、原稿DがプラテンガラスP上に、両者の中心線が一致した状態で載置されるように設定されており、また、複数種類の原稿サイズを複写することが出来るように構成されている。このため、この一実施例においては、再び図4に一点鎖線で示すように、上述した切り欠き28の大きさは、使用最小サイズの原稿DMINよりも一回り小さく設定されている。この結果、例え最小サイズの原稿DMINがプラテンガラスP上に取り込まれる場合においても、この切り欠き28に収容された原稿搬送機構30により確実に原稿複写位置まで搬送されることになると共に、複写動作時において、この原稿搬送機構30が誤って複写されることが確実に防止されることになる。
【0024】
[揺動フレーム42A、42Bの説明]
また、再び図3に示すように、上述した原稿押さえシート26の切り欠き28の幅方向両側に位置する舌片部分26A、26Bの上面には、夫々の全面に渡り揺動フレーム42A、42Bが接着剤等を介して固着されている。ここで、各揺動フレーム42A、42Bは、各々の右端部で、左側のフレーム部材36Aの左側端縁に揺動自在に軸支されており、各々の左端部を、後述する揺動機構44の揺動レバー46A、46Bに各々連結されている。換言すれば、原稿押さえシート26の図中左端部、即ち、原稿分離取込機構24に対向する側の端部は、揺動機構44により上下動自在に支持されているものである。
【0025】
ここで、各揺動フレーム42A、42Bの外方端部は、対応する舌片部分26A、26Bの外方端縁よりも僅かに外方に突出しており、各突出端部の下面には、上述した突起40A、40Bが同様に形成されている。
【0026】
尚、図7に実線の全線で示すように、揺動レバー46A、46Bが下位置に揺動されている場合には、原稿押さえシート26の左側端部、即ち、両舌片部分26A、26Bの左側端部は、夫々の先端部分が後述するストッパ機構34の位置規制部材の先端に乗り上げた状態となり、また、図7に実線の半線で示すように、揺動レバー46A、46Bが上位置に揺動されている場合には、原稿押さえシート26の左側端部は、プラテンガラスP上から上方に大きく離間するように設定されている。
【0027】
[揺動機構44の説明]
ここで、この揺動機構44は、図3、図7及び図8に示すように、原稿押さえシート26の図中左端縁の左上方に配設されると共に、幅方向に沿って延出する揺動駆動シャフト48を備え、この揺動駆動シャフト48には、上述した揺動レバー46A、46Bが後述する態様で取り付けらえている。これら揺動レバー46A、46Bの先端には、連結ピン50A、50Bが互いに対向する状態で植設されており、これら連結ピン50A、50Bを夫々介して、揺動フレーム42A、42Bに連結されている。
【0028】
この揺動駆動シャフト48の後方部には、図9に示すように、後方に位置する(即ち、図中上方に位置する)第2の揺動レバー46Bよりも更に後方に位置した状態で、従動歯車52が配設されており、この従動歯車52は、その軸方向位置を係止された状態で回転自在に揺動駆動シャフト48に嵌合している。この従動歯車52には、後述する駆動機構54の伝達歯車198が歯合しており、この駆動機構54の可逆転の動作により、図中時計方向、または、反時計方向に回転駆動されることになる。この従動歯車52の後方端面には、従動スリーブ56が揺動駆動シャフト48に同軸に一体的に連接されている。
【0029】
また、この揺動駆動シャフト48には、従動歯車52から後方(図中上方)に離間した状態で、係止リング58が一体的に取り付けられている。この係止リング58の前方端面には、伝達スリーブ60が同軸に一体的に連接されている。そして、従動歯車52と係止リング58との間には、従動スリーブ56及び伝達スリーブ60の夫々の外周面に股がって巻回された状態で、コイルスプリングから構成されるトルクリミッタ部材62が図中左巻き状態で外嵌されている。そして、このトルクリミッタ部材62は、その前方(図中下方)端部において、従動スリーブ54に係止されており、また、その後方端部を、係止リング58の前方端面に弾性的に当接している。
【0030】
従って、駆動機構54により従動歯車52が図9において時計方向に回転駆動される場合には、トルクリミッタ部材62は締まる方向に回転されることになり、これによりトルクリミッタ部材62は従動スリーブ56と伝達スリーブ60との外周面に緊密に巻き付けられ、従動歯車52と係止リング56とは、トルクリミッタ部材62を介して機械的に連結された状態で、一体的に回転することになる。即ち、駆動機構54の従動歯車52を図中時計方向に回転させようとする駆動力は揺動駆動シャフト48にそのまま伝達され、この揺動駆動シャフト48は図中時計方向に回転駆動されることになる。
【0031】
また、駆動機構54により従動歯車52が図9において反時計方向に回転駆動される場合には、トルクリミッタ部材62は緩む方向に回転されることになり、これにより係止リング58は、トルクリミッタ部材62の圧接力のみを介して従動歯車52に係合することになる。従って、揺動駆動シャフト48にこれを停止させようとする負荷が作用していない状態においては、従動歯車52の回転に基づいて揺動駆動シャフト48は一体的に回転駆動されることになるが、一旦、揺動駆動シャフト48にこれを停止させようとする負荷が作用すると、揺動駆動シャフト48は即座にその回転を停止し、トルクリミッタ部材62の後方端部は係止リング58の前方端面に摺接することになる。即ち、従動歯車52の図中反時計方向の回転に拘らず、係止リング56(従って、揺動駆動シャフト48)は何ら回転しない状態となる。
【0032】
一方、この揺動駆動シャフト48の前方部には、第1の揺動レバー46Aの基端部が回動自在に外嵌されており、この基端部の後方端面には、第1の従動スリーブ64Aが同軸に一体的に連接されている。また、この揺動レバー46Aよりも更に後方に位置した状態で、第1の係止リング66Aが揺動駆動シャフト48に一体的に取り付けられている。この第1の係止リング66Aの前方端面には、第1の伝達スリーブ68Aが同軸に一体的に連接されている。そして、第1の揺動レバー46Aと第1の係止リング66Aとの間には、第1の従動スリーブ64A及び第1の伝達スリーブ68Aの夫々の外周面に股がって巻回された状態で、コイルスプリングから構成される第1のトルクリミッタ部材70Aが、図中左巻き状態で外嵌されている。そして、この第1のトルクリミッタ部材70Aは、その後方端部において、第1の係止リング66Aに係止されており、また、その前方端部を、第1の揺動レバー46Aの後方端面に弾性的に当接している。
【0033】
従って、駆動機構54により揺動駆動シャフト48(従って、第1の係止リング66A)が図9において反時計方向に回転駆動される場合には、第1のトルクリミッタ部材70Aは締まる方向に回転されることになり、これにより第1のトルクリミッタ部材70Aは第1の従動スリーブ64Aと第1の伝達スリーブ68Aとの外周面に緊密に巻き付けられ、第1の揺動レバー46Aと第1の係止リング66Aとは、第1のトルクリミッタ部材70Aを介して機械的に連結された状態で、一体的に回転することになる。即ち、駆動機構54による揺動駆動シャフト48を図中反時計方向に回転させようとする駆動力は、第1の揺動レバー46Aにそのまま伝達され、この第1の揺動レバー46Aは図中反時計方向に回転駆動されることになる。
【0034】
また、駆動機構54により揺動駆動シャフト48が図9において時計方向に回転駆動される場合には、第1のトルクリミッタ部材70Aは緩む方向に回転されることになり、これにより第1の揺動レバー46Aは、第1のトルクリミッタ部材70Aの圧接力のみを介して第1の係止リング66Aに係合することになる。従って、第1の揺動レバー46Aにこれを停止させようとする負荷が作用していない状態においては、第1の係止リング66Aの回転に基づいて第1の揺動レバー46Aは一体的に回転駆動されることになるが、一旦、第1の揺動レバー46Aにこれを停止させようとする負荷が作用すると、第1の揺動レバー46Aは即座にその回転を停止し、第1のトルクリミッタ部材70Aの前方端部は第1の揺動レバー46Aの後方端面に摺接することになる。即ち、揺動駆動シャフト48の図中時計方向の回転に拘らず、第1の揺動レバー46Aは何ら回転しない状態となる。
【0035】
他方、この揺動駆動シャフト48の後方部には、第2の揺動レバー46Bの基端部が回動自在に外嵌されており、この基端部の前方端面には、第2の従動スリーブ64Bが同軸に一体的に連接されている。また、この第2の揺動レバー46Bよりも更に前方に位置した状態で、第2の係止リング66Bが揺動駆動シャフト48に一体的に取り付けられている。この第2の係止リング66Bの後方端面には、第2の伝達スリーブ68Bが同軸に一体的に連接されている。そして、第2の揺動レバー46Bと第2の係止リング66Bとの間には、第2の従動スリーブ64B及び第2の伝達スリーブ68Bの夫々の外周面に股がって巻回された状態で、コイルスプリングから構成される第2のトルクリミッタ部材70Bが、図中右巻き状態で外嵌されている。そして、この第2のトルクリミッタ部材70Bは、その前方端部において、第2の係止リング66Bに係止されており、また、その後方端部を、第2の揺動レバー46Bの前方端面に弾性的に当接している。
【0036】
従って、駆動機構54により揺動駆動シャフト48(従って、第2の係止リング66B)が図9において反時計方向に回転駆動される場合には、第2のトルクリミッタ部材70Bは締まる方向に回転されることになり、これにより第2のトルクリミッタ部材70Bは第2の従動スリーブ64Bと第2の伝達スリーブ68Bとの外周面に緊密に巻き付けられ、第2の揺動レバー46Bと第2の係止リング66Bとは、第2のトルクリミッタ部材70Bを介して機械的に連結された状態で、一体的に回転することになる。即ち、駆動機構54による揺動駆動シャフト48を図中反時計方向に回転させようとする駆動力は、第2の揺動レバー46Bにそのまま伝達され、この第2の揺動レバー46Bは図中反時計方向に回転駆動されることになる。
【0037】
また、駆動機構54により揺動駆動シャフト48が図9において時計方向に回転駆動される場合には、第2のトルクリミッタ部材70Bは緩む方向に回転されることになり、これにより第2の揺動レバー46Bは、第2のトルクリミッタ部材70Bの圧接力のみを介して第2の係止リング66Bに係合することになる。従って、第2の揺動レバー46Bにこれを停止させようとする負荷が作用していない状態においては、第2の係止リング66Bの回転に基づいて第2の揺動レバー46Bは一体的に回転駆動されることになるが、一旦、第2の揺動レバー46Bにこれを停止させようとする負荷が作用すると、第2の揺動レバー46Bは即座にその回転を停止し、第2のトルクリミッタ部材70Bの前方端部は第2の揺動レバー46Bの後方端面に摺接することになる。即ち、揺動駆動シャフト48の図中時計方向の回転に拘らず、第2の揺動レバー46Bは何ら回転しない状態となる。
【0038】
このように揺動機構44は構成されているので、揺動駆動シャフト48が図中反時計方向に回動して、揺動レバー46A、46Bが反時計方向に回動された場合、即ち、上方に揺動された場合には、揺動レバー46A、46Bは図7に示すストッパ72に当接して、上位置を規定されることになる。このように揺動レバー46A、46Bが図7において実線の半線で示すように上位置に揺動された場合において、反時計方向に回動している従動歯車52は、トルクリミッタ部材62が係止リング58に対して摺動することにより、揺動駆動シャフト48に対して空回りすることとなる。
【0039】
このように揺動レバー46A、46Bが上位置に揺動されている状態で、原稿押さえシート26の左側端部は、プラテンガラスPから上方に大きく離間することになる。従って、原稿分離取込機構24で原稿トレイ12上から取り込まれた原稿Dは、この大きく開いたプラテンガラスPと原稿押さえシート26との間を介して、プラテンガラスP上に送り込まれ、このようにして、原稿Dはジャムする事無く、確実にプラテンガラスP上に取り込まれることになる。
【0040】
また、揺動駆動シャフト48が図中時計方向に回動して、揺動レバー46A、46Bが時計方向に回動された場合、即ち、下方に揺動された場合には、揺動レバー46A、46Bはこれらが連結された揺動フレーム42A、42BがプラテンガラスP上に当接することにより、下位置を規定されることになる。このように揺動レバー46A、46Bが図7において実線の全線で示すように下位置に揺動されている場合において、時計方向に回動している第1及び第2の係止リング66B、66Aは、対応するトルクリミッタ部材70A、70Bが夫々揺動レバー46A、46Bに対して摺動することにより、揺動駆動シャフト48に対して空回りすることになる。
【0041】
そして、このように揺動レバー46A、46Bが下位置に揺動されている状態で、揺動フレーム42A、42Bは、突起40A、40Bを介してプラテンガラスP上に当接することになる。この結果、原稿押さえシート26の舌片部分26A、26Bは、突起40A、40Bを介して所定の間隙Gを確保された状態で、プラテンガラスPに近接し、また、原稿押さえシート26の左側端部は、ストッパ機構34の後述する位置規制部材上に乗り上げる状態にもたらされる。従って、後述する原稿搬送機構30の作動により、プラテンガラスP上の原稿Dが図中左方に搬送される場合において、原稿Dの左端部は、この原稿押さえシート26によりプラテンガラスP上に押さえ付けられ、例え原稿Dの左端部が上方に向けてカールしていたとしても、確実に後述する位置規制部材に当接させられることとなり、このようにして、原稿Dは常に所定の原稿複写位置に確実に停止されることになる。
【0042】
このように揺動機構44は構成されているので、駆動機構54により揺動駆動シャフト48が図中時計方向に回転駆動されることにより、揺動レバー46A、46B(従って、揺動フレーム42A、42B)は、下位置に揺動され、この下位置に保持されることになる。また、駆動機構54により揺動駆動シャフト48が図中反時計方向に回転駆動されることにより、揺動レバー46A、46B(従って、揺動フレーム42A、42B)は、上位置に揺動され、この上位置に保持されることになる。
【0043】
[原稿搬送機構30の説明]
一方、上述した原稿搬送機構30は、図4及び図6に示すように、図示しない取り付けねじを介して外装カバー16の下面に着脱自在に取り付けられた前後一対の支持フレーム74A、74Bを備え、これら支持フレーム74A、74Bは、原稿押さえシート26に形成された切り欠き28内で、原稿Dの搬送方向に沿って夫々延出する前方縁及び後方縁に沿って延びる様に配設されている。これら支持フレーム74A、74Bの図中左端には、切り欠き28の開口端縁の直左方に位置した状態で、且つ、幅方向に沿って延出した状態で、搬送駆動シャフト76が回転自在に軸支されている。
【0044】
この搬送駆動シャフト76は、その後端に従動歯車78が同軸に固着された第1の分割シャフト部76Aと、この第1の分割シャフト76Aの前方端に、カップリング部材80を介して回転方向には連結され、軸方向には着脱自在に連結される第2の分割シャフト部76Bとから構成されている。この第2の分割シャフト部76Bの、上述した切り欠き28の直左方に位置する部分には、駆動プーリ82が同軸に固定されている。尚、この従動歯車78は、上述した駆動機構54を構成する従動歯車198に噛合している。
【0045】
また、これら支持フレーム74A、74Bの図中右端には、切り欠き28の底部に対応する縁部の直左方に位置した状態で、且つ、幅方向に沿って延出した状態で、従動シャフト84が回転自在に軸支されている。この従動シャフト84には、駆動プーリ82と搬送方向に関して整合した状態で、従動プーリ86が同軸に固定されている。そして、これら駆動プーリ82と従動プーリ86とには、両者に渡り、エンドレスの搬送ベルト88が張設されている。
【0046】
ここで、両支持フレーム74A、74Bの搬送方向に沿う略中間部には、幅方向に沿って延出する支軸90が掛け渡されている。この支軸90の前後両端には、一対の第1の揺動アーム92A、92Bが揺動自在に軸支されている。これら第1の揺動アーム92A、92Bの図中左端には、第1の圧接プーリ94が回転自在に軸支されている。
【0047】
尚、この第1の圧接プーリ94は、原稿押さえシート26の両舌片部分26A、26Bの図中左端縁よりも、僅かに切り欠き28内に入り込んだ位置に、換言すれば、図中右方に偏位した位置に、位置決めされている。また、これら第1の揺動アーム92A、92Bの図中右端と、上述した支持フレーム74A、74Bの上端折曲片(図示せず)との間には、一対の第1のコイルスプリング96A、96Bが夫々介設され、夫々が取り付けられた第1の揺動アーム92A、92Bを引き上げる方向に、換言すれば、第1の圧接プーリ94をプラテンガラスPに向けて偏位させるように付勢している。
【0048】
一方、支軸90の前後両端には、上述した第1の揺動アーム92A、92Bと入れ子状態で、一対の第2の揺動アーム98A、98Bが揺動自在に軸支されている。これら第2の揺動アーム98A、98Bの図中右端には、第2の圧接プーリ100が回転自在に軸支されている。一方、これら第2の揺動アーム98A、98Bの図中左端と、上述した支持フレーム74A、74Bの上端折曲片との間には、一対の第2のコイルスプリング102A、102Bが夫々介設され、夫々が取り付けられた第2の揺動アーム98A、98Bを引き上げる方向に、換言すれば、第2の圧接プーリ100をプラテンガラスPに向けて偏位させるように付勢している。
【0049】
このように原稿搬送機構30は構成されているので、第1及び第2の圧接プーリ94、100の作用によって、搬送ベルト88は常に所定の張力が作用した状態で、ピンと張った状態が維持されることになる。また、この自動原稿送り装置10が閉塞位置にある状態において、第1及び第2の圧接プーリ94、100の間に位置する搬送ベルト88の部分は、プラテンガラスPの上面に弾性的に密着し、これとの間にもたらされた原稿Dを搬送ベルト88の走行に基づいて、確実に図中左方に、または、図中右方に搬送することが出来ることになる。
【0050】
また、上述した構成の原稿搬送機構30においては、以上の説明から明白なように、搬送駆動シャフト76は、カップリング部材80を介して分割可能に成されている。従って、図示しない取り付けねじを取り外すことにより、この原稿搬送機構30は、ユニットとして、外装カバー16から簡単に取り外すことが出来ることになる。この結果、例えば消耗品としての搬送ベルト88の取り替えを、簡単に行うことが出来、装置の保守・点検の作業製が向上することになる。
【0051】
[ストッパ機構34の説明]
上述したように、原稿分離取込機構24を介して、一旦、プラテンガラスP上に図中左方から取り込まれた原稿Dを、原稿搬送機構30を逆転駆動して、図中左方に搬送させて所定の原稿複写位置に正確に位置決めさせるために、ストッパ機構34が設けられている。このストッパ機構34は、図10に示すように、原稿分離取込機構24とプラテンガラスPとの間に介設された位置規制部材104を備え、この位置規制部材104は、図中左端において、回動自在に外装カバー16に軸支されている。
【0052】
ここで、この位置規制部材104には、図示しない板ばねが下方から弾性的に当接しており、これにより、常時、図中反時計方向の回動付勢力を受けている。即ち、この位置規制部材104の図中右端は、常時、上方へ付勢されている。尚、この位置規制部材104は、自動原稿送り装置10が閉塞位置にある状態において、プラテンガラスPの直左方で、幅方向略全域に渡り延出するように取り付けられている。
【0053】
また、外装カバー16の下面には、位置規制部材104の両端であって、使用最大サイズの原稿よりも夫々僅かに外方に位置した状態で、取り付けステイ106が固定されている。両取り付けステイ106の図中左方部分には、搬送方向に沿って進退自在にプランジャ108を備えた電磁ソレノイド110が夫々取り付けられている。各電磁ソレノイド110は、これが励磁されることにより、プランジャ108を引き込み駆動するように構成されている。また、両取り付けステイ106の図中右方には、押し込みレバー112が幅方向に沿って延出する回転軸線回りに夫々回動自在に軸支されている。ここで、各押し込みレバー112は逆Y字状に形成され、各々の分岐部において軸支されている。
【0054】
ここで、各押し込みレバー112の図中上端は、これと取り付けステイ106との間に張設されたコイルスプリング114の付勢力により、図中反時計方向に回動付勢されている。また、各押し込みレバー112の図中左端には、長溝114が形成されており、各長溝116内にプランジャ108の先端に取り付けられた連結ピン118が嵌合して連結されている。
【0055】
また、各押し込みレバー112の図中右端は、これが連結されたプランジャ108が電磁ソレノイド110から外方に突出した位置で上方に偏位し、プランジャ108が電磁ソレノイド110内に引き込まれた位置で下方に偏位するように設定されている。尚、上方に偏位した押し込みレバー112の図中右端に位置規制部材104が下方から当接する上方位置において、図10において実線の全線で示すように、位置規制部材104はこれの先端がプラテンガラスPよりも上方に突出し、この突出端縁に対して原稿Dが図中右方から当接可能な状態となる様に設定されている。即ち、この上方位置により、位置規制部材104の位置規制実行位置が規定される。尚、正確には、詳細は後述するが、この位置規制部材104の図中右端から右方に距離L’だけ離間した位置に、原稿Dの図中左端がもたらされることにより、この原稿Dの複写位置が規定されるように設定されている。
【0056】
そして、下方に偏位した押し込みレバー112の図中右端に下方から当接する位置において、図10において実線の半線で示すように、位置規制部材104の先端がプラテンガラスPと略面一状態となる様に設定されている。この下方位置により、位置規制部材104の位置規制解除位置が規定されることになる。この位置規制部材104が規制解除位置にある状態において、プラテンガラスP上の原稿Dは、原稿搬送機構30の逆駆動により、図中左方に搬送され、後述する原稿排出機構32により、排出口22を介して排紙台14上に排出されることになる。
【0057】
以上のように構成されたストッパ機構34においては、電磁ソレノイド110に通電されておらず、これが消磁されている状態で、図10に実線の全線で示すように、コイルスプリング114の付勢力により、プランジャ108は電磁ソレノイド110から突出するように引き出されており、従って、押し込みレバー112は上方位置に引き上げられ、これにより位置規制部材104は規制実行位置にもたらされることになる。
【0058】
一方、電磁ソレノイド110に通電されて、これが励磁された場合にのみ、図10に実線の半線で示すように、コイルスプリング114の付勢力に対抗して、プランジャ108は電磁ソレノイド110内に引き込み駆動され、従って、押し込みレバー112は下方位置に押し下げられ、これにより位置規制部材104は規制解除位置にもたらされることになる。
【0059】
[原稿分離取込機構24の説明]
原稿トレイ12上に載置された原稿Dを、プラテンガラスP上に取り込むための原稿分離取込機構24は、図8及び図11に示すように、外装カバー16内の図中左端部に配設されている。この原稿分離取込機構24は、図8に示すように、外装カバー16内に取り込まれた原稿Dを図中右方に向けて案内するための原稿ガイド部材120を備えている。この原稿ガイド部材120の図中左側部分の上面は、ここに取り込まれた原稿Dの先端が当接する原稿受け面120aが規定され、この原稿受け面120aに原稿の搬送方向に沿って連続した上面は、原稿ガイド面120bとして規定されている。
【0060】
ここで、原稿受け面120aは、略水平に延出するように設定され、一方、原稿トレイ12の原稿載置面は、水平面に対して所定の鋭角で傾斜するように設定されている。これにより、原稿受け面120aと原稿トレイ12の原稿載置面とは、所定の鈍角で交差することになる。このようにして、この一実施例においては、この原稿受け面120aに当接した複数の原稿は、最上位値にある原稿の先端が後述する原稿分離ローラ122に最も近接する状態に保持されることになる。
【0061】
尚、この原稿受け面120aは、原稿Dに対して所定の第1の摩擦係数μ1を有するように設定されている。また、この原稿ガイド部材120とプラテンガラスPとの間に上述したストッパ機構34を構成する位置規制部材104が介設されている。
【0062】
この原稿ガイド部材120の図中左側の上方には、上述した原稿受け面120aから僅かに上方に浮いた状態で、原稿分離ローラ(原稿取り込みローラ)122が回転自在に配設されている。この原稿分離ローラ122は、図12に示すように、駆動機構54により図中反時計方向にのみ沿って回転駆動される分離駆動シャフト124の略中央部に同軸に固定されている。ここで、この原稿分離ローラ122の表面は、原稿Dに対して所定の第2の摩擦係数μ2を有するように設定されている。
【0063】
また、図11に示すように、上述した原稿ガイド部材120の原稿受け面120aの、原稿分離ローラ122の直下方に位置する部分には、開口126が形成されており、この開口126内には、分離パッド128がコイルスプリング130により上方に付勢され、原稿分離ローラ122の下部に下方から圧接する状態で配設されている。ここで、この分離パッド128の上面は、プラテンガラスPの上面と略平行となるように設定されている。また、この分離パッド122の表面は、原稿Dに対して所定の第3の摩擦係数μ3を有するように設定されている。
【0064】
このようにして、複数の原稿Dが原稿トレイ12上に載置された場合、これらの原稿Dは、自重により原稿トレイ12の原稿載置面上を滑り落ち、原稿取り込み口18を介して外装カバー16内にその先端が入り込むと共に、原稿受け面120a上で最上位置の原稿から順次、図中左方に向けて斜めに並んだ状態で配列されることになる。
【0065】
一方、図8及び図11に示すように、原稿ガイド部材120の原稿ガイド面120bの図中右側の上方には、これから僅かに上方に浮いた状態で、原稿レジストローラ132が回転自在に配設されている。この原稿レジストローラ132は、図3及び図4に示すように、駆動機構54により図中反時計方向にのみ沿って回転駆動されるレジスト駆動シャフト134の略中央部に、3分割された状態で同軸に固定されている。詳細には、これら原稿レジストローラ132は、使用最小サイズの原稿DMINの幅内に収まる状態で配設されている。
【0066】
この原稿レジストローラ132の直下方に位置する原稿ガイド面120bの部分には、開口136が形成されており、この開口136内には、圧接ローラ138が板ばね140により上方に付勢され、原稿レジストローラ1132の下部に下方から圧接する状態で配設されている。
【0067】
[フラッパ142の説明]
ここで、再び図8及び図11に示すように、レジスト駆動シャフト134には、原稿Dの搬送路を切り替えるためのフラッパ142がその基端部で回動自在に取り付けられている。このフラッパ142は、略直角三角形状に形成され、その直角部分においてレジスト駆動シャフト134に、図中右方に突出するようにして取り付けられている。そして、このフラッパ142の図中右端は、原稿ガイド部材120の図中右端を通過して、位置規制部材104の上面に自重により当接している。尚、このフラッパ142の原稿ガイド部材120に対向する辺に相当する第1のガイド面142aは、略平面から構成され、斜辺に相当する第2のガイド面142bは、略円弧状に凹むように形成されている。
【0068】
このようにフラッパ142は構成されているので、図13に実線の全線で示すように、ストッパ機構34の位置規制部材104が上方の位置規制実行位置にあろうとも、また、図13に実線の半線で示すように、下方の位置規制解除位置にあろうとも、フラッパ142の図中右端は、常に、位置規制部材104の上面に当接する状態が維持されることになる。
【0069】
そして、原稿レジストローラ132の図中反時計方向の回転に基づいて、図中右方に取り出されてきた原稿Dは、このフラッパ142の第1のガイド面と位置規制実行位置にある位置規制部材104の上面との間を通り抜けて、プラテンガラスP上に取り込まれることになる。一方、複写動作終了後、原稿搬送機構30の逆駆動に基づいて、プラテンガラスP上から図中左方に搬送されてきた原稿Dは、位置規制解除位置にある位置規制部材104の上面を通り、これに当接しているフラッパ142の第2のガイド面142bに乗り上げ、この第2のガイド面142bにより、原稿分離取込機構24に向けてではなく、後述する原稿排出機構32に向けて搬送されることになる。
【0070】
[パドル144の説明]
また、上述した分離駆動シャフト124には、再び図12に示すように、原稿分離ローラ122の両側に夫々位置した状態で、一対のパドル144A、144Bが外嵌されている。更に、分離駆動シャフト124には、両パドル144A、144Bの夫々外側に隣接した状態で、原稿分離ローラ122の外径と同一の外径にを有するように形成されたフランジ部材146A、146Bが取り付けられている。
【0071】
各パドル144A、144Bは、図11に示すように、分離駆動シャフト124の外周に固定されると共に、原稿分離ローラ122の外径よりも小径に形成された軸部144aと、この軸部144aの外周面から接線方向に延出するパドル本体144bとから一体的に形成されている。ここで、このパドル本体144bは、所定の弾性を有するように形成されると共に、その外面が原稿Dに対して所定の第4の摩擦係数μ4を有するように設定されている。
【0072】
尚、上述した原稿ガイド部材120の原稿受け面120aの原稿Dに対する所定の第1の摩擦係数μ1と、原稿分離ローラ122の表面の原稿Dに対する所定の第2の摩擦係数μ2と、分離パッド122の表面の原稿Dに対する所定の第3の摩擦係数μ3と、パドル本体144bの外面の原稿Dに対する所定の第3の摩擦係数μ4との間には、以下の不等式で示される関係が規定されている。
【0073】
μ2>μ3>μ4>μ1
即ち、この不等式を原稿Dに対する摩擦係合力として捕らえると、
(原稿分離ローラ122の摩擦係合力)>(分離パッド122の摩擦係合力)>(パドル144の摩擦係合力)>(原稿ガイド部材120の摩擦係合力)
と表現されることになる。
【0074】
ここで、原稿トレイ12上に載置した複数の原稿Dが原稿取込口18を介して原稿分離ローラ122と分離パッド128との間に滑り落ちてきた状態では、上述したように、最上位置の原稿の先端が、原稿分離ローラ122と分離パッド128との転接部から離れた位置で止まってしまっていることになる。従って、仮にパドル144が設けられていないとすると、例え原稿分離ローラ122が回転したとしても、最上位置の原稿は決して分離取込されることはない状態となる。
【0075】
しかしながら、この一実施例においては、上述し様にパドル144A、144Bが設けられているので、原稿分離ローラ122の図中反時計の回転により、先ず図14に示すように、パドル144の外面が最上位置の原稿に係合し、これを図中右方に向けて手繰り寄せる事になる。このパドル144A、144Bによる手繰り寄せ動作により、最上位置の原稿は、図15に示すように原稿分離ローラ122と分離パッド128との転接部に強制的にもたらされ、引き続く原稿分離ローラ122の図中反時計方向の回転により、1枚だけ分離された状態で、原稿レジストローラ132に向けて確実に取り込まれることになる。
【0076】
[パドルガイド148A、148Bの説明]
上述したように原稿分離ローラ122の回転に基づいて原稿レジストローラ132に向かって分離取込された原稿Dは、停止中の原稿レジストローラ132と圧接ローラ138との転接部に当接することになるが、詳細は後述するが、この当接後、更に所定時間だけ原稿分離ローラ122の回転が継続されることにより、この原稿Dの中途部は上向きの凸状となる様に(即ち、所謂レジストループを形成するように)変形することになる。このように変形することにより、原稿D自身の持つ剛性(所謂、紙の腰の強さ)により、原稿Dの先端は、その幅方向の全長に渡り、均一に原稿レジストローラ132と圧接ローラ138との転接部に当接することになる。このようにして、原稿レジストローラ132の図中反時計方向の回転に基づいて、原稿DをプラテンガラスPに向けて搬送する際における原稿Dの斜行が防止されることになる。
【0077】
このようにして原稿Dの斜行を防止するためには、上述したように原稿Dが原稿レジストローラ132と圧接ローラ138との転接部に当接する状態において、レジストループを形成するように変形をしなければならないものである。換言すれば、原稿分離ローラ122と原稿レジストローラ132との間に、原稿Dがレジストループを形成するに充分な空間Sが確保される事が必要となる。
【0078】
しかしながら、上述したパドル144A、144Bのパドル本体144bの先端の回動軌跡が、この空間S内に位置すると、このパドル本体144bの先端により原稿Dが蹴られて、上述したレジストループが損なわれることになる。これを防止するためには、例えば、パドル本体144bの回転軌跡が空間内Sから外れるように、分離駆動シャフト124をレジスト駆動シャフト134から離間させれば良いことになる。しかし、このように分離駆動シャフト124とレジスト駆動シャフト134との離間距離を長く取ると、装置が無用に大型化することとなり、近年の装置の小型化の観点からは好ましくない。
【0079】
このため、この一実施例においては、再び図11に示すように、両パドル144A、144Bの図中右側に、これらパドル144A、144Bが分離駆動シャフト124の回転に伴って、決して、上述した空間Sに入り込むことが無いように、パドルガイド148A、148Bが夫々配設されている。このパドルガイド148A、148Bは、外装カバー16に固定された取り付け部材150に取り付けられており、夫々の先端は、対応するパドル144A、144Bに隣接するフランジ部材146A、146Bの近傍にまで延出している。
【0080】
このようにパドルガイド148A、148Bは構成されているので、図15に示すように、パドル144A、144Bが最上位置の原稿Dを図中左方に送り出した後、更に分離駆動シャフト124の回転に伴って図中反時計方向に回転されたとしても、図16に示すように、パドル144A、144Bのパドル本体144bは、夫々の軸部144aと対応するパドルガイド148A、148Bとの間の間隙を通り抜けようとして、弾性的に変形することになる。この結果、図17に示すように、パドル144A、144Bのパドル本体144bは、決して、上述した空間S内に入り込むこと無く、元の待機位置まで回転復帰することになる。
【0081】
このようにして、この一実施例においては、パドル144A、144Bを用いることにより、確実に最上位置の原稿Dが、原稿分離ローラ122と分離パッド128との転接部にもたらされ、原稿Dの分離・取込動作が確実に実行されることになると共に、このようにパドル144A、144Bを用いているにも拘らず、上述した空間Sを最小の大きさに押さえた状態で装置を大型化すること無く、レジストループを確実に形成させて、原稿Dの先端をその幅方向全長に渡り、原稿レジストローラ132と圧接ローラ138との転接部に確実に当接させることが出来、従って、原稿Dの斜行を防止することが出来ることになる。
【0082】
また、上述したように、両パドル144A、144Bに夫々隣接した状態で、フランジ部材146A、146Bを設けているので、これらパドル144A、144Bにより手繰り寄せられた原稿Dが、パドルガイド148A、148Bの上方に入り込んで、ジャムることが確実に防止されることになる。
【0083】
[原稿排出機構32の説明]
次に、図8を参照して、上述した原稿排出機構32の構成を詳細に説明する。
【0084】
この原稿排出機構32は、上述した原稿搬送機構30の駆動プーリ82及びストッパ機構34の位置規制部材104の間と、排出口22との間を略円弧状に連結する排紙ガイド152と、一部が排出口22に望んだ状態で回転自在に軸支され、駆動機構54により図中時計方向に沿って回転駆動される排紙ローラ154と、図6及び図7に示すように、排紙ローラ154に圧接して、両者の転接部に至った原稿Dを排紙ローラ154の図中時計方向の回転に基づいて排出口22に向けて搬送させるための圧接プレート156とを備えて構成されている。
【0085】
この排紙ローラ154は、後述する排紙駆動シャフト158に同軸に固定されており、後述する駆動機構54の駆動動作に基づいて、排紙駆動シャフト158が回転駆動されることに応じて、図中時計方向に沿って回転駆動されるように設定されている。
【0086】
ここで、この排紙ガイド152は、その下部において、フラッパ142のガイド面142bから図中右方に所定距離だけ離間すると共に、その上部において、外装カバー14内に配設された配設ブロック(図示せず)の円弧状の右側端面に対向する状態に設定されている。このように排紙ガイド152は構成されているので、原稿搬送機構30が逆方向に駆動されることにより、プラテンガラスP上に位置する原稿Dは、フラッパ142及び配設ブロックと排紙ガイド152との間で規定される排紙通路を通って、排出口22に向けて排出搬送されることになる。そして、このように排紙通路を通って排出されてきた原稿Dは、その先端が排紙ローラ154と圧接プレート156との転接部にもたらされることにより、その後、排紙ローラ154の回転に基づいて、排紙台14上に排出されることになる。
【0087】
[原稿センサの説明]
以上のように構成される自動原稿送り装置10においては、原稿トレイ12上への原稿Dのセットの有無を検出するための入口センサ160と、原稿レジストローラ132による原稿Dのレジスト状態を規定するための第2の検出手段としてのレジストセンサ162と、原稿Dの排紙状態を検出するための第1の検出手段としての排紙センサ164とが配設されている。即ち、この入り口センサ160は、これが動作されていない状態において、原稿トレイ12上に原稿Dが存在していないことを意味するものであり、これにより、所謂エンプティセンサとして機能することになる。
【0088】
ここで、入り口センサ160は、原稿取込口18と原稿分離ローラ122との間の所定位置に配設され、原稿取込口18を介して外装カバー16内にセットされた原稿Dの先端により動作されるように、所謂ゲタセンサから構成されている。また、レジストセンサ162は、原稿分離ローラ122と原稿レジストローラ132との間の所定位置に配設され、原稿分離ローラ122により分離搬送されてきた原稿Dの先端により動作されるように、所謂フォトレフレクタから構成されている。このレジストセンサ162は、上述した取付部材150の下面に取り付けられている。一方、排紙センサ164は、排紙通路中の所定の位置に配設され、排紙中の原稿Dの先端により動作されるように、所謂ゲタセンサから構成されている。
【0089】
以上のように構成される入り口センサ160、レジストローラ162、排紙センサ164は、図18に示すように、後述する制御機構166に接続され、この制御機構166におけるタイミング制御動作に用いられるように設定されている。
【0090】
[駆動機構54の説明]
次に、図19及び図20を参照して、上述した駆動機構54の構成を詳細に説明する。
【0091】
この駆動機構54は、外装カバー16の後側部内に配設されており、図19に示すように、可逆転可能で、且つ、変速制御可能な駆動モータ168を、図示しない取付基板に固定した状態で備え、この駆動モータ168のモータシャフト168aには、第1の駆動プーリ170が同軸に固着されている。この第1の駆動プーリ170よりも原稿取込口18側の取付基板には、従動シャフト172が回転自在に軸支されており、この従動シャフト172には、第1の従動プーリ174が同軸に固着されている。これら第1の駆動プーリ170及び従動プーリ174には、第1のエンドレスベルト176が掛け渡されており、駆動モータ168の駆動力が従動シャフト172に伝達されるように成されている。
【0092】
尚、この一実施例においては、駆動モータ168は、高速回転と低速回転の2つの回転速度で、且つ、正方向(この一実施例においては図中反時計方向)及び逆方向(この一実施例においては、図中時計方向)の何れの方向にも回転駆動できるように構成されている。また、図示していないが、この駆動モータ168のモータシャフト168aには、これの回転量を検出するためのロータリエンコーダREが装着されており、このロータリエンコーダREは、回転量に応じたパルス信号を出力するように構成されている。具体的には、このロータリエンコーダREは、この一実施例においては、モータシャフト168aが、原稿Dを1mmだけ搬送するに相当する量だけ回転する毎に、2パルスを出力するように構成されている。
【0093】
この従動シャフト172には、これと同軸に第1の伝達歯車178が固着されており、この第1の伝達歯車178の上側には、第1の伝達シャフト180が取付基板に回動自在に軸支された状態で配設されており、この第1の伝達シャフト180には、第1の伝達歯車178と噛合する第2の伝達歯車182が同軸に固定されている。この第2の伝達歯車182は、駆動力断続手段としての例えば電磁クラッチ装置184の入力シャフト184aに同軸に固定された第1の従動歯車186に噛合している。また、この電磁クラッチ装置184の出力シャフト184bは、上述した分離駆動シャフト124に一体回転するように連結されている。
【0094】
ここで、この電磁クラッチ装置184は、制御装置166の制御のもとで、入力シャフト184aに伝達された駆動力を、任意に、出力シャフト184bに伝達・遮断することが出来るように構成される。この電磁クラッチ装置184は、制御装置166からの伝達制御信号の入力に基づいて、入力シャフト184aと出力シャフト184bとを機械的に連結し、入力シャフト184aに伝達された駆動力をそのまま出力シャフト184bに伝達すると共に、制御装置166からの中断制御信号の入力に基づいて、入力シャフト184aと出力シャフト184bとの機械的な連結状態を解除して、入力シャフト184aに伝達された駆動力が出力シャフト184bに伝達されないように構成されている。
【0095】
一方、第1の伝達シャフト180には、これと同軸に駆動プーリ188が固定されている。また、上述したレジスト駆動シャフト134には、第1のワンウエイクラッチ機構が内蔵された第2の従動歯車190が連結されている。この第2の従動歯車190には、従動プーリ192が同軸に固定されており、レジスト駆動シャフト134の一端部に外嵌されている。そして、この駆動プーリ188と従動プーリ192との間に、第2のエンドレスベルト194が掛け渡されている。
【0096】
この第2の従動歯車190の第1のワンウエイクラッチ機構は、第2の従動歯車190の図20における反時計方向回りの回転をレジスト駆動シャフト134に伝達し、図中時計方向回りの回転をレジスト駆動シャフト134に伝達しないように構成されている。
【0097】
また、上述した第2の従動歯車190には、取付基板に回動自在に軸支された第2の伝達シャフト196に同軸に固定された第3の伝達歯車198が噛合しており、この第3の伝達歯車198には、その上側において、上述した揺動駆動シャフト48に同軸に固定された従動歯車52が噛合すると共に、その下側において、上述した搬送駆動シャフト76に同軸に固定された従動歯車78が噛合している。
【0098】
一方、上述した従動歯車52には、取付基板に回動自在に軸支された第3の伝達シャフト200に同軸に固定された第4の伝達歯車200が噛合している。また、上述した排紙駆動シャフト158には、第2のワンウエイクラッチ機構が内蔵された第3の従動歯車204が外嵌されており、この第3の従動歯車204は、第4の伝達歯車200に噛合している。ここで、第2のワンウエイクラッチ機構は、第3の従動歯車204の図20における時計方向回りの回転を排紙駆動シャフト158に伝達し、図中反時計方向回りの回転を排紙駆動シャフト158に伝達しないように構成されている。
【0099】
以上のように駆動機構54は構成されているので、駆動モータ168が正方向に駆動、即ち、モータシャフト168aが図中反時計方向に回転駆動された場合には、この駆動力は、電磁クラッチ装置184の所謂ワンウエイクラッチの伝達作用により、分離駆動シャフト124に反時計方向の駆動力として伝達され、これにより原稿分離ローラ122は図中反時計方向に回転駆動されて、これに係合する原稿Dは図中右方に搬送されることになると共に、搬送駆動シャフト76に図中時計方向の駆動力として伝達され、これにより、搬送ベルト88は図中時計方向に走行駆動されて、これに係合する原稿Dは図中左方に搬送されることになり、更に、第3の従動歯車204に内蔵された第2のワンウエイクラッチ機構の伝達作用により、排紙駆動シャフト158に図中時計方向の駆動力として伝達され、これにより排紙ローラ154は図中時計方向に回転駆動されて、これに係合する原稿Dは排出口22に向けて排出されることになる。
【0100】
ここで、このような駆動モータ168の正方向の駆動力は、第2の従動歯車190へは図中時計方向の駆動力として伝達されることになるが、この第2の従動歯車190に内蔵されたワンウエイクラッチ機構の非伝達作用によりレジスト駆動シャフト134へは伝達されない。この結果、駆動モータ168が正方向に駆動されたとしても、レジスト駆動シャフト134(従って、原稿レジストローラ132)は図中時計方向回りに回転駆動されることはない。このようにして、原稿Dの分離取込動作中における原稿Dの搬送動作が禁止されることになる。
【0101】
一方、駆動モータ168が逆方向に駆動、即ち、モータシャフト168aが図中時計方向に回転駆動された場合には、この駆動力は、第2の伝達歯車190に内蔵された第1のワンウイエクラッチ機構の伝達作用により、レジスト駆動シャフト134に反時計方向の駆動力として伝達され、これにより原稿レジストローラ132は図中反時計方向に回転駆動されて、これに係合する原稿D(即ち、原稿分離ローラ122により原稿レジストローラ132まで分離取り込まれた原稿D)は、図中右方に搬送されることになると共に、搬送駆動シャフト76に反時計方向の駆動力として伝達され、これにより、搬送ベルト88は図中反時計方向に走行駆動されて、これに係合する原稿Dは図中右方に搬送されることになる。
【0102】
ここで、このような駆動モータ168の逆方向の駆動力は、第1の従動歯車186へは図中時計方向の駆動力として伝達されることになるが、電磁クラッチ装置184の所謂ワンウエイクラッチの非伝達作用により分離駆動シャフト124へは伝達されない。この結果、駆動モータ168が逆方向に駆動されたとしても、分離駆動シャフト124(従って、原稿分離ローラ122)は図中時計方向回りに回転駆動されることはない。このようにして、原稿Dの搬送動作中における原稿Dの取込動作が禁止されることになる。
【0103】
また、同様に、この駆動モータ168の逆方向の駆動力は、第3の従動歯車204へは図中反時計方向の駆動力として伝達されることになるが、この第3の従動歯車204に内蔵された第2のワンウエイクラッチ機構の非伝達作用により排紙駆動シャフト158へは伝達されない。この結果、駆動モータ168が逆方向に駆動されたとしても、排紙駆動シャフト158(従って、排紙ローラ154)は図中反時計方向回りに回転駆動されることはない。このようにして、原稿Dの搬送動作中における排紙動作が禁止されることになる。
【0104】
[制御装置166の説明]
以上のように構成される駆動機構54を駆動制御して、原稿Dを原稿トレイ12上から1枚づつ分離取り出して、電子複写装置CのプラテンガラスP上に搬送すると共に、複写動作終了後の原稿Dを排紙台14上に排出させるための制御装置166の制御手順を、図21乃至図24に示すフローチャート及び図25乃至図29に示す動作図を参照して、詳細に説明する。
【0105】
先ず、図21、図22、図25乃至図29を参照して、制御装置166の給紙処理の制御手順を説明し、次に、図23及び図24を参照して、制御装置166の排紙処理の制御手順を説明する。
【0106】
[給紙処理の説明]
図示しない電源がオンすることにより、制御装置166の制御動作が起動するが、入口センサ160がオンするまで実質的に給紙処理は開始されない(ステップS10でNO)。ここで、電源オン時において既に原稿Dが原稿トレイ12上に載置されているか、電源オン動作後、原稿Dが原稿トレイ12上に載置されるかして、入口センサ160オンすると(即ち、ステップS10でYES)、電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力すると共に、第1の所定時間(この一実施例においては、2秒)のタイマーをスタートさせ(ステップS12)、電磁クラッチ装置184を駆動力伝達状態に設定する。
【0107】
ここで、このように入口センサ160のオン動作に基づいて、電磁クラッチ装置184が動力伝達状態に設定されると共に、駆動モータ168は停止状態に設定されているので、この電磁クラッチ装置184に連結された原稿分離ローラ122は、その回転を禁止された状態にもたらされることになる。この結果、仮に、原稿Dが強く押し込まれたとしても、この原稿Dの押し込み応じて原稿分離ローラ122が強制的に回転され、原稿Dが誤って原稿分離ローラ122よりも搬送方向前方に送り出されることが、確実に防止されることになる。
【0108】
また、このタイマーが2秒をタイムアップするまでの間(ステップS14でNO)、図示しないコピースタートスイッチがオンされない限り(ステップS16でNO)、このタイムカウント動作を実行し、タイムアップするまでにコピースタートスイッチがオンされる(ステップS16でYES)と、後述するステップS22に飛ぶ。一方、コピースタートスイッチがオンしないままで2秒間がタイムアップする(ステップS14でYES)と、電磁クラッチ装置184に中断制御信号を出力し(ステップS18)、電磁クラッチ装置184を駆動力伝達中断状態に設定する。
【0109】
この後、コピースタートスイッチのオンを待ち(ステップS20でNO)、コピースタートがオンすると(ステップS20でYES)、電磁クラッチ装置184に中断制御信号を出力し、電磁ソレノイド110を励磁させて、位置規制部材104を下方位置に回動させると共に、第2の所定時間(この一実施例においては、100ms)のタイマーをスタートさせる(ステップS22)。このように電磁クラッチ装置184を駆動力伝達の中断状態に設定することにより、、この後において駆動モータ168が正方向に回転駆動されたとしても、原稿分離ローラ122は回転されずに、原稿トレイ12上の原稿Dは分離搬送されないことになる。そして、この100msの時間の経過を待ち(ステップS24でNO)、100msが経過すると(ステップ24でYES)、駆動モータ168を正方向に高速で回転駆動させると共に、第1の所定数(この一実施例では、296)のパルスのカウントを開始する(ステップS26)。
【0110】
この結果、原稿トレイ12上の原稿Dは、原稿分離ローラ122が図中反時計方向に回動されないので、その位置に留まり、プラテンガラスP上に複写済みの原稿Dがある場合には、この複写済みの原稿Dが、搬送ベルト88の図中時計方向の走行により、図中左方に高速で搬送されることになる。これにより、この複写済みの原稿Dは、予めステップS22で下方位置に下降されプラテンガラスPと面一になされた位置規制部材104上を通過し、フラッパ142の第2のガイド面142bに沿って、排紙通路を排出口22に向けて高速で排出されることになる。
【0111】
このパルスカウント値である「296」は、プラテンガラスP上に複写済みの原稿Dがある場合に、搬送ベルト88が時計方向に走行駆動されて排出されることになる複写済みの原稿Dの先端が、排紙センサ164をオン動作させるに充分な値に設定されている。従って、プラテンガラスP上に複写済みの原稿Dがない場合には、ステップS30でYESと判断されることはないが、プラテンガラスP上に複写済みの原稿Dがある場合には、「296」のパルス数をカウントしている間に、必ず、排紙センサ164が排出される原稿Dの先端によりオン動作されることになる。
【0112】
ここで、カウンタが296パルスをカウントアップする迄の間(ステップS28でNO)までの間、排紙センサ164がオンされない限り(ステップS30でNO)、このカウント動作を実行し、カウントアップするまでに排紙センサ164がオンされる(ステップS30でYES)と、後述する排紙処理に飛ぶ。一方、排紙センサ164がオン動作しないままで「296」のパルス数がカウントアップする(ステップS28でYES)と、一旦、駆動モータ168を停止し、停止動作の安定を待つため、第3の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS32)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS34でNO)。
【0113】
そして、50msがタイムアップする(ステップS34でYES)と、電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力すると共に、電磁ソレノイド110を消磁して、位置規制部材104を上方位置に上昇させ、更に、電磁クラッチ装置184における切り替え動作、及び、電磁ソレノイド110による位置規制部材104の上昇動作の安定を待つため、第4の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS36)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS38でNO)。この50msがタイムアップする(ステップS38でYES)と、駆動モータ168を正方向に、低速で回転駆動する(ステップS40)。
【0114】
この結果、原稿トレイ12上の原稿Dは、原稿分離ローラ122の図中反時計方向の回動により、原稿レジストローラ132に向けて低速で確実に分離搬送されると共に、排出動作中の複写済みの原稿Dは、この時点から低速で排出されることになる。これにより、排出動作中の複写済みの原稿Dは、排出口22から勢い良く飛び出すこと無く、ゆっくりと排出され、排紙台14上に確実に排出されることになる。
【0115】
このように駆動モータ168が低速で正方向に駆動されて、原稿トレイ12上から原稿Dが分離搬送された後、この搬送中の原稿Dの先端がレジストセンサ162をオン動作させるのを待つ(ステップS42でNO)。そして、レジストセンサ162がオン動作すると(ステップS42でYES)、第2の所定数(この一実施例では、70)のパルスのカウントを開始する(ステップS44)。
【0116】
このパルスカウント値は、この値に対応する回転量だけ駆動モータ168が回転駆動されることにより、原稿Dの先端が、停止中の原稿レジストローラ132と圧接ローラ138との互いの転接部に当接し、この原稿Dが更に送られて、図25に示すように、この原稿Dに所謂レジストループが形成されるに充分な値に設定されている。
【0117】
この後、カウンタが70パルスをカウントアップするのを待ち(ステップS46でNO)、70パルスがカウントアップする(ステップS46でYES)と、一旦、駆動モータ168を停止し、停止動作の安定を待つため、第5の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS48)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS50でNO)。
【0118】
そして、50msがタイムアップする(ステップS50でYES)と、電磁クラッチ装置184に中断制御信号を出力すると共に、電磁クラッチ装置184における切り替え動作の安定を待つため、第6の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS52)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS54でNO)。この50msがタイムアップする(ステップS54でYES)と、駆動モータ168を逆方向に、高速で回転駆動する(ステップS56)。
【0119】
この駆動モータ168の逆方向の駆動により、電磁クラッチ装置184のワンウエイクラッチ機能により原稿分離ローラ122は停止したままで、原稿レジストローラ132が図中反時計方向に回転され、これの転接部に当接していた原稿Dは、プラテンガラスPに向けて搬送されることになる。また、この駆動モータ168の逆方向の駆動により、揺動駆動シャフト48は図中反時計方向に回転駆動され、これにより、揺動フレーム42A、42B(従って、夫々の下面に取り付けられた原稿押えシート26A、26B)は、図26に示すように、上位置に揺動駆動されることになる。この結果、原稿押えシート26A、26Bの図中左端は、位置規制部材104及びプラテンガラスPの上面から共に上方に大きく離間すると共に、プラテンガラスPと原稿押えシート26A、26Bとの間で所謂楔形状が形成されることとなり、従って、原稿Dの先端は、ジャムることなく円滑にプラテンガラスP上に案内されることになる。
【0120】
そして、図27に示すように、搬送中の原稿Dの後端がレジストセンサ162を通過して、これをオフ動作させるのを待ち(ステップS58でNO)、レジストセンサ162がオフ動作すると(ステップS58でYES)、この時点から、第3の所定数(この一実施例では、126)のパルスのカウントを開始する(ステップS60)。
【0121】
このパルスカウント値である「126」は、この値に対応する回転量だけ駆動モータ168が回転駆動されることにより、図28に示すように、プラテンガラスP上において原稿Dの後端(図中、左端)が、位置規制部材104の図中右端から、図中右方に距離Lだけ離間した位置にもたらされるように設定されている。
【0122】
この後、カウンタが126パルスをカウントアップするのを待ち(ステップS62でNO)、126パルスがカウントアップする(ステップS62でYES)と、一旦、駆動モータ168を停止し、停止動作の安定を待つため、第7の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS64)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS66でNO)。
【0123】
そして、50msがタイムアップする(ステップS66でYES)と、駆動モータ168を正方向に、低速で回転駆動すると共に、第4の所定数(この一実施例では、25)のパルスのカウントを開始する(ステップS68)。この駆動モータ168の正方向の回転により、揺動駆動シャフト48は、図中時計方向に回転駆動され、これにより、揺動フレーム42A、42B(従って、夫々の下面に取り付けられた原稿押えシート26A、26B)は、図29に示すように、下位置に揺動駆動されることになる。この結果、原稿押えシート26A、26Bは、その左端を位置規制部材104上に載置されると共に、プラテンガラスPの上面を全面に渡り覆う状態となる。具体的には、原稿押えシート26A、26Bは、上述した突起40A、40Bの突出量だけ離間した状態で、プラテンガラスPに略近接する状態となる。
【0124】
また、駆動モータ168の正方向の回転により、搬送ベルト88は図中時計方向に走行駆動され、プラテンガラスP上にもたらされた原稿Dは、このプラテンガラスP上を図中左方に向けて搬送されることになる。
【0125】
ここで、このパルスカウント値である「25」は、この値に対応する回転量だけ駆動モータ168が正方向に回転駆動されることにより、図29に示すように、プラテンガラスP上において原稿Dの後端(図中、左端)が、位置規制部材104の図中右端から、図中右方に距離L’だけ離間した位置にもたらされるように設定されている。
【0126】
この後、カウンタが25パルスをカウントアップするのを待ち(ステップS70でNO)、25パルスがカウントアップして(ステップS70でYES)、原稿Dの後端(図中左端)が位置規制部材104の図中右端から距離L’だけ離間した複写位置にもたらされると、一旦、駆動モータ168を停止し、停止動作の安定を待つため、第8の所定時間(この一実施例においては、40ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS72)、この40msのタイムアップを待つ(ステップS74でNO)。
【0127】
そして、40msがタイムアップする(ステップS74でYES)と、電子複写装置Cの図示しない制御装置に対して、複写開始信号を出力し、電子複写装置Cにおける複写動作を開始させると共に、第9の所定時間(この一実施例においては、300ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS76)、この300msのタイムアップを待つ(ステップS78でNO)。
【0128】
そして、300msがタイムアップする(ステップS78でYES)と、電磁ソレノイド110を励磁して、位置規制部材104を下方位置に下降させ(ステップS80)、後述する排紙処理において、この位置規制部材104が排紙動作の邪魔にならないようになされている。このようにして、一連の原稿の給紙処理を終了し、複写動作の終了を待つ(ステップS82でNO)。この後、複写動作が終了すると(ステップS82でYES)、排紙処理が開始される。
【0129】
[排紙処理の説明]
この排紙処理が開始されると、駆動モータ168を正方向に、高速で回転駆動させると共に、第5の所定数(この一実施例では、57)のパルスのカウントを開始する(ステップS84)。この駆動モータ168の正方向の回転により、搬送ベルト88は図中時計方向に走行駆動され、プラテンガラスP上にある複写済みの原稿Dは、このプラテンガラスP上を図中左方に向けて排出されることになる。この排紙途中において、排紙センサ164が複写済みの原稿の先端によりオンされるのを待ち(ステップS86でNO)、排紙センサ164がオンされると(ステップS86でYES)、原稿Dの搬送方向の長さを2で割った長さを搬送するに必要なパルス数のカウントを開始する(ステップS88)。
【0130】
ここで、この一実施例においては、図示していないが、原稿サイズ検出機構により、原稿トレイ12上から分離取り込まれた原稿Dのサイズが予め検出されており、この検出結果に応じて、原稿Dの搬送方向長さが判明しているものである。
【0131】
そして、このカウントアップを待ち(ステップS90でNO)、このパルス数のカウントアップが終了した時点で(ステップ90でYES)、駆動モータ168の駆動方向を正方向に維持したままの状態で、駆動速度を高速から低速に変更する(ステップS92)。この結果、排紙センサ164がオンしてから原稿Dの長さの半分だけ排出された時点から、排出速度が減速され、ゆっくりとした排出動作に移行することになる。
【0132】
この後、排紙センサ164を複写済みの原稿Dが通過して、これをオフするのを待ち(ステップS94でNO)、排紙センサ164がオフすると(ステップ94でYES)、この時点において入口センサ160がオフしているかを判断する(ステップS96)。ここで、入口センサ160がオフしていない、即ち、原稿トレイ12上に複写すべき原稿Dが残っていると判断される場合には、上述した給紙処理を再開すべく、上述したステップ36に飛び、これ以降を実行する。
【0133】
一方、入口センサ160がオフしている、即ち、原稿トレイ12上に複写すべき原稿Dが残っていないと判断される場合には、この時点から、第6の所定数(この一実施例では、95)のパルスのカウントを開始する(ステップS98)。ここで、このパルスカウント値である「95」は、この値に対応する回転量だけ駆動モータ168が正方向に回転駆動されることにより、複写済みの原稿Dが排出口22から完全に排出され、排紙台14上に排紙されるに充分な値に設定されている。
【0134】
そして、このカウントアップを待ち(ステップS100でNO)、このパルス数のカウントアップが終了した時点で(ステップ100でYES)、駆動モータ168の駆動を停止し、停止動作の安定を待つため、第10の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS102)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS104でNO)。
【0135】
このようにして、50msがタイムアップする(ステップS104でYES)と、一連の排紙処理が終了することとなり、上述した制御手順を終了することになる。
【0136】
このように、この一実施例においては、排紙処理において、複写済みの原稿を、その先端が排紙センサ164をオンさせてから、その排紙原稿の搬送長さの半分を排出するまでの間は、高速で排出させ、半分を過ぎた時点から、低速で排出させるように構成されている。この結果、この一実施例によれば、排紙動作にかかる時間、即ち、排紙時間を極力短く抑制して、排紙効率を高めることが出来ると共に、最終的に排紙原稿が排出口22から排出される際には、ゆっくりした排出速度であるので、確実に排紙台14上に排出され、排紙動作の確実性が担保されることになる。
【0137】
また、この一実施例においては、排紙動作を、駆動モータ168の正方向の回転により達成している。この結果、この排紙動作の途中において、動作速度を高速から低速に切り替えるタイミングで、電磁クラッチ装置184を動力伝達状態に切り替えることにより、原稿トレイ12上の原稿Dの分離取り込み動作が起動されることになる。
【0138】
このように、この一実施例によれば、原稿Dの分離取り込み動作が、複写済み原稿の排出動作の途中で開始されることとなり、複数枚の原稿の複写動作時における全体の複写時間の短縮化を効果的に達成することが出来ることになる。また、この原稿Dの分離取り込み動作は、低速で実行されるため、その動作の確実性も担保されることになり、装置の信頼性の向上を計ることが出来ることになる。
【0139】
[取り忘れ原稿の排紙処理]
ここで、上述した給紙処理のステップS30に於いて、YESと判断される場合、即ち、排紙センサ164がオンしたと判断される場合には、原稿トレイ12上の原稿Dを具体的に分離取込する前の段階で、プラテンガラスP上から原稿Dが排出されてきた原稿Dによりオンされるものであり、この原稿Dは、プラテンガラスP上に取り忘れられて残っていた原稿を意味している。この為、このステップS30においてYESと判断された場合には、この取り忘れ原稿Dを確実に排紙するための排紙処理を実行しなければならない。
【0140】
この為、この一実施例においては、このような状態で排紙センサ164がオンした場合には、この時点から、第7の所定数(この一実施例においては、257)のパルス数のカウントを開始する(ステップS106)。ここで、この「257」のパルス数は、取り忘れ原稿Dが最小サイズの原稿であったとしてもこれを確実に排紙することが出来るようにするために設定されており、この一実施例においては、使用最小サイズの原稿の搬送方向に沿う長さに対応した値に設定されている。
【0141】
ここで、上述した排紙処理におけるステップ88においては、排紙センサ164がオンしてから、原稿Dの搬送方向の長さの半分に相当するパルス数をカウントするように説明したが、ここで排紙される原稿は、取り忘れ原稿である為、予めそのサイズを検出することが出来ないものであり、この為、最小サイズの原稿であってもこれを確実に排出することが出来るように設定されている。
【0142】
そして、このカウントアップを待ち(ステップS108でNO)、このパルス数のカウントアップが終了した時点で(ステップ108でYES)、駆動モータ168の駆動方向を正方向に維持したままの状態で、駆動速度を高速から低速に変更する(ステップS110)。この結果、排紙センサ164がオンしてから「257」のパルス数に対応する長さだけ排出された時点から、排出速度が減速され、ゆっくりとした排出動作に移行することになる。
【0143】
この後、排紙センサ164を複写済みの原稿Dが通過して、これをオフするのを待ち(ステップS112でNO)、排紙センサ164がオフすると(ステップ112でYES)、駆動モータ168の駆動を停止し、停止動作の安定を待つため、第11の所定時間(この一実施例においては、50ms)のタイマーをスタートさせ(ステップS114)、この50msのタイムアップを待つ(ステップS116でNO)。
【0144】
このようにして、50msがタイムアップする(ステップS116でYES)と、取り忘れ原稿Dの一連の排紙処理が終了することとなり、上述した給紙処理におけるステップ36に進み、これ以降の制御手順を実行することになる。
【0145】
このように、この一実施例においては、原稿Dの複写動作のための原稿取り込み動作において、例え、プラテンガラスP上に取り忘れ原稿が残っていたとしても、これを確実に排紙することが出来ると共に、その排出動作に際して、最小原稿の搬送方向に総長さ分だけは、高速で排出すると共に、これ以降は、低速で排出するように設定しているので、排出時間を効果的に短くすることが出来ると共に、取り忘れ原稿が排出口22から排出される際には、低速で排出されるため、勢い良く飛び出て排紙台14から外れることが、効果的に抑制され、取り忘れ原稿の排紙動作の確実性が担保されることになる。
【0146】
この発明は、上述した一実施例の構成に限定されること無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。
【0147】
例えば、上述した一実施例においては、この自動原稿送り装置を、電子複写装置Cに適用する場合につき説明したが、この発明は、このような適用に限定されること無く、例えば、イメージリーダ等の画像読み取り装置や、電子ファクシミリ装置等にも適用することが出来るものであり、要は、原稿の画像読み取り機能を有するものであれば、基本的に何にでも適用することが出来るものである。
【0148】
また、上述した一実施例においては、位置規制部材104は、自動原稿送り装置10側に配設されるように説明したが、この発明は、このような構成に限定されること無く、例えば、電子複写装置C側に配設されるように構成しても良い。
【0149】
また、上述した一実施例において用いた数値は、一例であり、具体的な適用に応じて種々変更されることは言うまでもない。
【0150】
また、上述した一実施例においては、排紙処理において、ステップS36における電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力するタイミングを、ステップS94に示すように、排紙センサ164がオフ(即ち、排紙センサ164による原稿の後端を検出)したタイミングに基づく様に説明したが、この発明は、このような構成に限定される事無く、例えば、ステップ96を省略して、ステップ92において駆動モータ168を減速制御すると同時に、電磁クラッチ装置184の伝達制御信号を出力するように構成しても良いし、また、ステップS92において駆動モータ168を減速制御してから、図示しないタイマを用いて所定時間経過した後、電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力するように構成しても良いものである。
【0151】
また、上述した一実施例においては、制御装置166は、第1の検出手段としての排紙センサ164の検出に基づいて、駆動力断続手段としての電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力し、また、単一の駆動源としての駆動モータ168を低速状態で動作させる様に説明したが、この発明は、このような制御態様に限定される事無く、例えば、排紙センサ164の検出に基づいて、電磁クラッチ装置184に伝達制御信号を出力し、また、第2の検出手段としてのレジストセンサ162による原稿Dの先端の検出直後に、または、この検出後、第2の所定時間経過した時点で、駆動モータ168を低速状態で動作させる様に構成して良いものである。
【0152】
尚、この場合、この第2の所定時間は、レジストセンサ162を通過した原稿の先端が、原稿レジストローラ132に係合するまでの時間に設定されている。
【0153】
このようにレジストセンサ162の検出結果を用いて駆動モータ168を低速状態に移行させることにより、原稿分離ローラ122による原稿の分離動作が迅速に実行され、動作時間の短縮化を更に図ることが出来ると共に、原稿の先端は原稿レジストローラ132にゆっくり当接することにより、原稿の先端の損傷が確実に防止されると共に、レジストループの形成が確実に達成されることになる。
【発明の詳細な説明】
【0154】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明に係わる自動原稿送り装置は、請求項1の記載によれば、原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラス上から前記排紙台に排出させる排出手段と、この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に伴い、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段とを具備することを特徴としている。
【0162】
また、この発明に係わる自動原稿送り装置は、請求項3の記載によれば、原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、原稿トレイ側に配設された原稿分離ローラと、プラテンガラス側に配設された原稿レジストローラとを備え、前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラス上から前記排紙台に排出させる排出手段と、この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、前記原稿分離ローラと原稿レジストローラとの間の原稿搬送路に介設され、ここを搬送される原稿の先端を検出する第2の検出手段と、前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に基づいて、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記第2の検出手段の検出に基づいて、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段とを具備することを特徴としている。
【0171】
従って、この発明によれば、原稿の給紙処理のための駆動源と、原稿を排出するための排紙処理のための駆動とを共通化した状態で、コストの低廉化を達成することが出来ると共に、複写時間の短縮化を図ることの出来る自動原稿送り装置が提供されることになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係わる自動原稿送り装置の一実施例の構成の外観を、概略的に示す斜視図である。
【図2】図1に示す自動原稿送り装置の構成を、略中心線に沿って切断した状態で示す正面断面図である。
【図3】自動原稿送り装置に備えられる原稿押えシートを、フレーム部材及び揺動フレームに固着された状態で示す上面図である。
【図4】自動原稿送り装置に備えられる原稿搬送機構を水平面で切断した状態で、原稿押えシートと共に示す上面図である。
【図5】揺動フレームの取付状態を拡大した状態で示す正面図である。
【図6】原稿搬送機構の構成を垂直面で切断した状態で示す正面断面図である。
【図7】揺動フレームの揺動状態を示す正面断面図である。
【図8】原稿分離取込機構の構成を拡大した状態で示す正面断面図である。
【図9】揺動機構の構成を取り出して示す上面図である。
【図10】ストッパ機構の構成を取り出して示す正面図である。
【図11】原稿分離取込機構の構成を取り出した状態で拡大して示す正面断面図である。
【図12】原稿分離取込機構の分離駆動シャフトを取り出して示す上面図である。
【図13】フラッパの構成を、位置規制部材と共に取り出して示す正面図である。
【図14】パドルを、原稿の手繰り寄せ動作の開始直前状態で示す正面図である。
【図15】パドルを、原稿の手繰り寄せ動作開始状態で示す正面図である。
【図16】パドルを、パドルガイドに当接する直前の状態で示す正面図である。
【図17】パドルを、パドルガイドにより変形された状態で示す正面図である。
【図18】この自動原稿送り装置の制御系の構成を示すブロック図である。
【図19】この自動原稿送り装置に備えられる駆動機構の構成を取り出して示す上面図である。
【図20】図19に示す駆動機構の構成を示す正面図である。
【図21】図18に示す制御装置における給紙処理の制御手順の前半を示すフローチャートである。
【図22】図18に示す制御装置における給紙処理の制御手順の後半を示すフローチャートである。
【図23】図18に示す制御装置における排紙処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図24】取り忘れ原稿の排紙処理の制御手順を示すフローチャートである。
【図25】原稿をレジストレーションさせた状態で示す正面図である。
【図26】原稿を、レジストローラを回転させることによる搬送開始直前状態で示す正面図である。
【図27】原稿を、これの後端がレジストセンサをオフさせる直前状態で示す正面図である。
【図28】原稿を、プラテンガラス上に搬送した状態で示す正面図である。
【図29】原稿を、プラテンガラス上の複写位置まで搬送した状態で示す正面図である。
【符号の説明】
C 電子複写装置
D 原稿
DMIN 最小サイズの原稿
P プラテンガラス
RE ロータリエンコーダ
S レジストループを形成させるための空間
10 自動原稿送り装置
12 原稿トレイ
14 排紙台
16 外装カバー
18 原稿取込口
20 凹部
22 排出口
24 原稿分離取込機構
26 原稿押えシート
26A;26B 舌片部分
28 切り欠き
30 原稿搬送機構
32 原稿排出機構
34 ストッパ機構
36A;36B;36C フレーム部材
37A;37B 吊持片
38A;38B 係止フック
39 支持ポスト
40A;40B 突起
41 コイルスプリング
42A;42B 揺動フレーム
44 揺動機構
46A;46B 揺動レバー
48 揺動駆動シャフト
50A;50B 連結ピン
52 従動歯車
54 駆動機構
56 従動スリーブ
58 係止リング
60 伝達スリーブ
62 トルクリミッタ部材
64A;64B 第1及び第2の従動スリーブ
66A;66B 第1及び第2の係止リング
68A;68B 第1及び第2の伝達スリーブ
70A;70B トルクリミッタ部材
72 ストッパ
74A;74B 支持フレーム
76 搬送駆動シャフト
76A;76B 第1及び第2の分割シャフト部
78 従動歯車
80 カップリング部材
82 駆動プーリ
84 従動シャフト
86 従動プーリ
88 搬送ベルト
90 支軸
92A;92B 第1の揺動アーム
94 第1の圧接プーリ
96 第1のコイルスプリング
98A;98B 第2の揺動アーム
100 第2の圧接プーリ
102 第2のコイルスプリング
104 位置規制部材
106 取付ステイ
108 プランジャ
110 電磁ソレノイド
112 押し込みレバー
114 コイルスプリング
116 長溝
118 連結ピン
120 原稿ガイド部材
120a 原稿受け面
120b 原稿ガイド面
122 原稿分離ローラ
124 分離駆動シャフト
126 開口
128 分離パッド
130 コイルスプリング
132 原稿レジストローラ
134 レジスト駆動シャフト
136 開口
138 圧接ローラ
140 板ばね
142 フラッパ
142a 第1のガイド面
142b 第2のガイド面
144A;144B パドル
146A;146B フランジ部材
148A;148B パドルガイド
150 取付部材
152 排紙ガイド
154 排紙ローラ
156 圧接プレート
158 排紙駆動シャフト
160 入口センサ
162 レジストセンサ
164 排紙センサ
166 制御装置
168 駆動モータ
168a モータシャフト
170 第1の駆動プーリ
172 従動シャフト
174 第1の従動プーリ
176 第1のエンドレスベルト
178 第1の伝達歯車
180 第1の伝達シャフト
182 第2の伝達歯
184 電磁クラッチ装置
186 第1の従動歯車
188 第2の駆動プーリ
190 第2の従動歯車
192 第2の従動プーリ
194 第2のエンドレスベルト
196 第2の伝達シャフト
198 第3の伝達歯車
200 第3の伝達シャフト
202 第4の伝達歯車
204 第3の従動歯車

Claims (3)

  1. 原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、
    前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、
    中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、
    前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラス上から前記排紙台に排出させる排出手段と、
    この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、
    前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に基づいて、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段と、
    を具備することを特徴とする自動原稿送り装置。
  2. 前記単一の駆動源は、可逆転可能な電動モータから構成され、
    前記原稿分離手段は、前記電動モータの正方向の回転により前記原稿をプラテンガラスに向けて搬送する原稿分離ローラと、前記電動モータの逆方向の回転により原稿をプラテンガラスに搬送する原稿レジストローラとを備え、
    前記排出手段は、前記電動モータの正方向の回転により、前記プラテンガラス上の原稿を前記排出方向に沿って搬送する排紙ローラを備えることを特徴とする請求項1に記載の自動原稿送り装置。
  3. 原稿トレイ上に載置された少なくとも1枚の原稿を、単一の可変速の駆動源を用いて、少なくとも原稿画像読み取り機能を有する装置のプラテンガラス上に取り込み、所定の画像読み取り位置にセットして、所定の画像読み取り動作を受けさせ、その後、排紙台に排出するように構成された自動原稿送り装置において、
    原稿トレイ側に配設された原稿分離ローラと、プラテンガラス側に配設された原稿レジストローラとを備え、前記原稿トレイ上に載置された原稿を1枚ずつ分離した状態で、前記プラテンガラスに向けて取り込ませる原稿分離手段と、
    中断制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの前記原稿分離手段への駆動力の伝達を中断させ、伝達制御信号の入力に基づいて、前記単一の駆動源からの駆動力を、該原稿分離手段に伝達させる駆動力断続手段と、
    前記プラテンガラス上の原稿を、前記画像読み取り動作終了後、該プラテンガラス上から前記排紙台に排出させる排出手段と、
    この排出手段による排出動作の途中のタイミングを検出する第1の検出手段と、
    前記原稿分離ローラと原稿レジストローラとの間の原稿搬送路に介設され、ここを搬送される原稿の先端を検出する第2の検出手段と、
    前記排出手段による排出動作が少なくとも開始される時点で、前記駆動力断続手段に前記中断制御信号を出力し、前記排出動作の起動に基づいて、前記単一の駆動源を高速状態で動作させ、前記第1の検出手段の検出に基づいて、前記駆動力断続手段に前記伝達制御信号を出力し、また、前記第2の検出手段の検出に基づいて、前記単一の駆動源を低速状態で動作させる制御手段と、
    を具備することを特徴とする自動原稿送り装置。
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