JP3662226B2 - 樹脂製容器及び樹脂製容器入り飲料 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料を完全無菌状態で空容器に充填するいわゆるアセプティック充填に用いられる樹脂製容器及び樹脂製容器入り飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、飲料の充填方式には、アセプティック充填とホットパック充填とがある。アセプティック充填は、ペットボトル(ポリエチレン・テレフタレート製容器)を薬液リンスにより殺菌し、無菌水リンスをした後、殺菌済みの飲料を常温でペットボトルに充填するものである。
ホットパック充填は、高温(約70乃至100℃)に加熱した飲料をペットボトルに充填するものであり、かかるホットパック充填では、高温の飲料を充填するため、口部を結晶化し且つ胴部の耐熱性も上げて耐熱性を高めた耐熱ボトルを用いている。
【0003】
アセプティック充填は、ホットパック充填に比べて、殺菌条件が向上できるため飲料の種類等の中身に制約がなく、且つ充填温度を常温レベルに下げられるため香味等について品質の良い飲料の充填を可能にしている。また、アセプティック充填に用いる容器は、一般に、常温充填のため耐熱性が不要であるから、ホットパック充填用の容器よりも耐熱性が低く且つ薄肉になっている。
【0004】
近年、樹脂製容器入り飲料において、冬場等に製品を店で販売する際には加熱プレートに缶入り飲料を載せて加温する缶ウォーマに収納して飲料を温めて(約55℃〜60℃)販売したり、自動販売機で加温販売することが行われている。このような加温販売に、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が望まれているが、アセプティック充填用の容器は、胴部の耐熱性が低く且つ薄肉であるため、そのまま加温販売に用いることができない。この場合、アセプティック充填用の容器としてホットパック充填用の容器を用いることが考えられる。
【0005】
一方、加温販売を目的とした樹脂製容器として、特開平9−240651号公報や特開平11−321839号公報には、加温販売時における容器底部の変形を抑制する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アセプティック充填にホットパック充填用の容器を用いた場合でも、アセプティック充填では充填時の飲料の泡立ちを考慮して、充填時に内容液(飲料)が零れないように、容器上部に空気部分(以下「空寸」という)を設けているため、内容液(飲料)のほかにこの空寸部分の膨張率が大きく、加温すると容器本体の圧力上昇が大きく、基本形状を維持できなくなるおそれがある。
例えば、容器本体内の圧力が高まると、図9に二点鎖線で示すように、容器本体が膨れて、隣接配置している隣の容器に引掛けて取り出し難くなったり、著しく外観を悪化させるという問題がある。
一方、上述の2つの公開公報には、容器本体の加温や膨張による容器底部の変形を抑制する技術にとどまるものであり、加温時の圧力上昇による容器本体の基本形態、特に容器胴部の基本形態の変形防止には有効ではない。
【0007】
そこで、本発明は、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が可能であるとともに、加温時の容器内内圧の上昇を抑制できるとともに外観の良好な樹脂製容器及び樹脂製容器入り飲料の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器において、容器の口部を除く容器本体に、容器内圧力が飲料充填時の圧力よりも高い圧力になったときに容器内の内圧を受けて変形により内圧を低減する陽圧パネルを備え、陽圧パネルは容器の胴部で且つラベルの装着位置に設けてあり、且つ基本外形面から容器の内側に凹んだ傾斜面部から更に容器の内側に凹んで湾曲形状になっており、内圧を受けたときに湾曲状に凹んだ陽圧パネルが傾斜面部から突出して変形し、変形後に容器本体の基本外形面と同じかそれよりも容器内側に位置することを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明では、アセプティック充填した飲料を加温した場合に、容器内飲料の膨張や容器内にある空寸部分の気体の膨張により容器内内圧が高まると、陽圧パネルがかかる内圧を受けて容器外側に向けて変形して、容器本体の容積を増加させることにより上昇した内圧を吸収する。一方、陽圧パネルは、変形後には容器本体の外形面と同じがそれよりも内側にあるから、変形後の陽圧パネルが容器本体から出張ることがない。したがって、陽圧パネルが容器内内圧により変形しても隣接配置した他の容器を圧して取り出し難くなるのを防止できる。
また、陽圧パネルが変形しても容器の基本形状(形態)には影響を与えることがなく外観が良い。特に、品質に誤解を生じるような容器の膨張や変形を防止できる。
樹脂製容器には、常温で飲料を充填するから容器材料に耐熱性が要求されないとともに加温時の耐圧性も要求されないので、樹脂材選択の自由度が高く、且つ樹脂製容器の肉厚を薄くでき、軽量であり且つ使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
【0010】
【0011】
陽圧パネルはラベルの下にあるので、陽圧パネルは外から見えず、陽圧パネルの変形による容器外形の変化が外から分かり難く、外観に及ぼす影響が少ない。
また、胴部本体は他の部位に比較して面積が広いので、陽圧パネルを広く設定でき、容器内圧力を広い範囲で調整することができる。
陽圧パネルがラベルに隠されて見え難いから、陽圧パネルの形状の自由度が高い。
陽圧パネルを湾曲面とすることで、陽圧パネルにおける圧力の局所的な集中による不規則な変形を防止でき、陽圧パネルの変形後の外観がよい。
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の樹脂製容器において、容器本体は、横断面が略多角形の角型容器であり、各陽圧パネルは多角形の側面パネルに設けてあることを特徴とする。
【0017】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の作用効果を奏するとともに、いわゆる角型容器は、容器内の圧力上昇により容器側面がその圧力を受けて変形しやすいが、かかる角型の容器に陽圧パネルを用いることにより、有効に基本外形の変化を防止できる。
【0018】
【0019】
【0020】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の樹脂製容器に乳の入った飲料又はお茶系飲料を充填したことを特徴とする樹脂製容器入り飲料である。
【0021】
この請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、特に乳の入った飲料やお茶系飲料では、殺菌性の観点からアセプティック充填が要求されており、しかも耐熱性及び耐圧性の低いアセプティック充填用の容器を使用しているため、従来加温器を用いて加温し難かったが、本発明では容器材料の大きな変更を伴わず加温に供することができるので、これらの飲料においては特に有効である。即ち、冬場等における飲料時にこれらのものは温かいものの需要が高いので、これらの樹脂製容器入り飲料が容器材料の大きな変更や肉厚の大きな増加を伴わずに加温できる。
乳の入った飲料としては、乳の入ったコーヒーや、乳の入った紅茶、ココア、牛乳等がある。お茶系飲料としては、混合茶、麦茶、玉露茶、煎茶等がある。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明するが、まず、図1乃至図4を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。図1は、第1実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図であり、図2は図1に示すA−A断面図であり、図3は樹脂製容器入り飲料の加温販売を説明する斜視図であり、図4は樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【0023】
本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1は、アセプティック充填により製造したものであるが、樹脂製容器2としては、耐熱性容器を用いており且つ口部4が結晶化してある。この樹脂製容器入り飲料1は、図3に示すような加温器3による加温販売が可能である。尚、加温器3は、加熱されたホットプレート5に缶入り飲料7や本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1を載置して加温するものである。
【0024】
樹脂製容器2は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)製の飲料用ボトルであり、概して口部4と容器本体14とから構成されており、更に、容器本体14は、肩部6と、胴部8と、底部10とから構成されている。口部4には、キャップ9が装着されて密封されている。
【0025】
この樹脂製容器2は、胴部8の横断面が略四角形状であり、4つのパネル面を有するとともに、胴部8は上下に2つのパネル面を有するので、合計8つのパネル面15が設けられている。本実施の形態では、8つのパネル面15に陽圧パネル17が設けられている。胴部8にはラベル11が装着されており、本実施の形態では陽圧パネル17はラベル11の裏に位置している。
陽圧パネル17は、容器本体14の基本外形面19から、容器内側に凹んだ傾斜面部21から更に容器内側に湾曲状に凹んで設けられている。傾斜面部21における基本外形面19からの凹み寸法Eは、傾斜面部21の容器内側端25から陽圧パネル17の底部までの寸法Fと同等かそれよりも小さくなっており、陽圧変パネル17が傾斜面部21の容器内側端25から容器外側に向けて変形したときに基本外形面19より容器内側に位置するようになっている。これにより、陽圧パネル17が容器内圧を受けて変形したときに、容器から突設せず外観を良好にするとともに、隣接配置された容器に当接して圧することがない。また、陽圧パネル17を連続した一つの湾曲面としているので、陽圧パネル17が変形したときに、変形後の形状を一定にでき、不規則に変形するのを防止できる。
口部4には、白化結晶化されており、耐熱性が付与されている。このように白化結晶化させて耐熱性を高め、加温時におけるキャップ9の密閉性の低下を防止するとともに、必要最小限の耐熱処理に留めている。白化処理は、PETをプリフォーム工程により射出成形して試験管状の中間成形品を得た後、白化工程でクリスタライザーにより口部4を白化結晶させている。
【0026】
尚、加温販売時の樹脂製容器入り飲料の温度は一般に50乃至70℃であり、ホットパック充填における70乃至100℃の飲料温度まで要求されないので、必要な結晶化度は、ホットパック充填に必要な耐熱性よりも低い耐熱性を満たす程度で足りる。
【0027】
次に、本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1の製造工程について説明する。
まず、ステップS1で製造ラインに樹脂製容器2が供給されると、ステップS2でこの樹脂製容器2が洗浄水により予備洗浄される。続いてステップS3で薬剤リンスによる殺菌処理がされる。殺菌薬剤としては、過酢酸系殺菌剤が用いられる。次に、ステップS4で、滅菌水によるリンスを行って仕上げリンスし、その後、ステップS5で常温による飲料の充填を行う。飲料は、例えば殺菌した乳入りコーヒー飲料である。
【0028】
一方、キャップ9は別工程により殺菌処理される。ステップS11でキャップ9が供給されると樹脂製容器2と同様にステップS12の予備洗浄、ステップS13の薬剤リンス、ステップS14の仕上げリンス工程の後、ステップS6で飲料が充填された樹脂製容器2に装着され、キャップ巻き締めが行われる。その後、ステップS7のラベリング、ステップS8の印字、ステップS9のケーシング工程を得て、樹脂製容器入り飲料1がケースに詰められて出荷される。
このようにして製造された樹脂製容器入り飲料1は、そのまま店頭に陳列されたり、冷蔵庫や自動販売機で冷却されたりするが、冬場等では容器2の口部4が耐熱処理されているので、加温器3により温められた状態で陳列したり、自動販売機で加温して販売することもできる。
樹脂製容器入り飲料1は、そのまま店頭に陳列されたり、冷却される場合には、容器内圧力の上昇はほとんどないので、陽圧パネル17は変形せず、容器内側に凹んだ状態にある。一方、加温器3により温められたり自動販売機で加温されると、容器内液(飲料)及び空寸部分にある気体の熱膨張により容器内圧力が高まる。すると、陽圧パネル17が容器内側から圧力を受けて、傾斜面部21の容器内側端25から外側に向けて変形し、容器内容積を増加させることにより、容器内圧力を低減する。変形後の陽圧パネル17は、基本外形面19と同等かそれよりも内側にあるので、外観もよく、且つ隣接配置された容器に当接したり、圧することがないので、加温器3や自動販売機からの取り出しを妨げることがない。
【0029】
以下に、添付図面の図5乃至図8を参照して本発明の他の実施の形態を説明するが、上述した実施の形態と同一の作用効果を奏する部分には、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略する。
【0030】
図5に第2実施の形態を示す。この第2実施の形態では、樹脂製容器2の肩部6にも陽圧パネル17を設けたものである。容器肩部6には、空寸部分27があり、液体よりも熱膨張率の高い気体が封入されているので、容器が加温されたときに直接気体の膨張を受けて圧力の高まりを低減することができる。
【0031】
図6に第3実施の形態を示す。この第3実施の形態では、容器底部10に陽圧パネル17を設けたものである。
【0032】
図7及び図8に第4実施の形態を示す。この第4実施の形態では、陽圧パネル17を半球形状とし且つ多数設けたものである。この第4実施の形態では、陽圧パネルの面積単位あたりにおける容積変化を最も大きくできるとともに、意匠性が高く外観がよい。
【0033】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
例えば、陽圧パネル17の形状は特に限定されず、上述した円弧形状や半球形状に限定されず、例えば台形等であってもよい。
第2実施の形態では、胴部8に陽圧パネル17を設けないで、肩部6のみに陽圧パネル17を設けるものであってもよい。
陽圧パネル17は必ずしもラベル11の裏に設けることに限らない。
【0034】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、容器内飲料の膨張や容器内にある空寸部分の気体の膨張により容器内内圧が高まると、陽圧パネルがかかる内圧を受けて容器外側に向けて変形して、容器本体の容積を増加させて上昇した内圧を吸収することができ、しかも、変形後の陽圧パネルは、容器本体の外形面と同じがそれよりも内側にあるから、変形後の陽圧パネルが容器本体から出張ることがなく、隣接配置した他の容器を圧して取り出し難くなるのを防止できる。
陽圧パネルが変形しても容器の基本形状(形態)には影響を与えることがなく外観が良い。特に、品質に誤解を生じるような容器の膨張や変形を防止できる。 樹脂製容器には、常温で飲料を充填するから容器材料に高い耐熱性が要求されないとともに加温時の高い耐圧性も要求されないので、樹脂材選択の自由度が高く、且つ樹脂製容器の肉厚を薄くでき、軽量であり且つ使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
【0035】
陽圧パネルはラベルの下にあるので、陽圧パネルは外から見えず、陽圧パネルの変形による容器外形の変化が外から分かり難く、外観に及ぼす影響が少ない。
胴部本体は他の部位に比較して面積が広いので、陽圧パネルを広く設定でき、容器内圧力を広い範囲で調整することができる。
陽圧パネルがラベルに隠されて見え難いから、陽圧パネルの形状の自由度が高い。
陽圧パネルを湾曲面とすることで、陽圧パネルにおける圧力の局所的な集中による不規則な変形を防止でき、陽圧パネルの変形後の外観がよい。
【0036】
【0037】
【0038】
請求項2に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、いわゆる角型容器は、容器内の圧力上昇により容器側面がその圧力を受けて変形しやすいが、かかる角型の容器に陽圧パネルを用いることにより、有効に基本外形の変化を防止できる。
【0039】
【0040】
請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、乳の入った飲料やお茶系飲料では、殺菌性の観点からアセプティック充填が要求されており、耐熱性及び耐圧性の低いアセプティック充填用の容器を使用しているため、従来加温器を用いて加温し難かったが、容器材料の大きな変更や肉厚の大きな増加を伴わずに加温に供することができる。
【0041】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図である。
【図2】 図1の矢印A―A断面図である。
【図3】 樹脂製容器入り飲料を加温器で温めている状態を示す斜視図である。
【図4】 本発明の実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【図5】 本発明の第2実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図である。
【図6】 本発明の第3実施の形態にかかかる樹脂製容器における底部の断面図である。
【図7】 本発明の第3実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図である。
【図8】 図7に示す陽圧パネルの断面図である。
【図9】 従来の樹脂製容器を示す正面図である。
【符号の説明】
1 樹脂製容器入り飲料
2 樹脂製容器
4 口部
6 肩部
8 胴部
9 キャップ
10 底部
17 陽圧パネル
19 基本外形面
21 傾斜面部

Claims (3)

  1. 容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器において、容器の口部を除く容器本体に、容器内圧力が飲料充填時の圧力よりも高い圧力になったときに容器内の内圧を受けて変形により内圧を低減する陽圧パネルを備え、陽圧パネルは容器の胴部で且つラベルの装着位置に設けてあり、且つ基本外形面から容器の内側に凹んだ傾斜面部から更に容器の内側に凹んで湾曲形状になっており、内圧を受けたときに湾曲状に凹んだ陽圧パネルが傾斜面部から突出して変形し、変形後に容器本体の基本外形面と同じかそれよりも容器内側に位置することを特徴とする樹脂製容器。
  2. 容器本体は、横断面が略多角形の角型容器であり、各陽圧パネルは多角形の側面パネルに設けてあることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
  3. 請求項1又は2に記載の樹脂製容器に、乳の入った飲料又はお茶系飲料を充填したことを特徴とする樹脂製容器入り飲料。
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