JP3721336B2 - 樹脂製容器入り飲料の製造方法及び樹脂製容器入り飲料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料を完全無菌状態で容器に充填するいわゆるアセプティック充填を用いた樹脂製容器入り飲料の製造方法及び樹脂製容器入り飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、飲料の充填方式には、アセプティック充填とホットパック充填とがある。アセプティック充填は、ペットボトル(ポリエチレン・テレフタレート製容器)を薬液リンスにより殺菌し、無菌水リンスをした後、殺菌済みの飲料を常温でペットボトルに充填するものである。
ホットパック充填は、高温(約80乃至100℃)に加熱した飲料をペットボトルに充填するものであり、かかるホットパック充填では、高温の飲料を充填するため、口部を結晶化し且つ胴部の耐熱性も上げて耐熱性を高めた耐熱ボトルを用いている。
【0003】
アセプティック充填は、ホットパック充填に比べて、殺菌条件が向上できるため飲料の種類等の中身に制約がなく、且つ充填温度を常温レベルに下げられるため香味等について品質の良い飲料の充填を可能にしている。また、アセプティック充填に用いる容器は、一般に、常温充填のため耐熱性が不要であるから、ホットパック充填用の容器よりも耐熱性が低く且つ肉薄になっている。
【0004】
近年、樹脂製容器入り飲料において、冬場等に製品を店で販売する際には加熱プレートに缶入り飲料を載せて加温する缶ウォーマに収納して飲料を温めて(約55℃〜60℃)販売したり、自動販売機で加温販売することが行われている。このような加温販売に、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が望まれているが、アセプティック充填用の容器は、胴部の耐熱性が低く且つ肉薄であるため、そのまま加温販売に用いることができない。この場合、アセプティック充填用の容器としてホットパック充填用の容器を用いることが考えられる。
【0005】
一方、加温販売を目的とした樹脂製容器として、特開平9−240651号公報や特開平11−321839号公報には、加温販売時における容器底部の変形を抑制する技術が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、アセプティック充填にホットパック充填用の容器を用いた場合でも、アセプティック充填では充填時の飲料の泡立ちを考慮して、充填時に内容液(飲料)が零れないように、容器上部に空気部分(以下「空寸」という)を設けているため、内容液(飲料)のほかにこの空寸部分の気体の膨張率が大きく、加温すると容器本体の圧力上昇が大きく、容器の基本形態を維持できなくなるおそれがある。
例えば、容器本体内の圧力が高まると、図10に二点鎖線で示すように、容器本体が膨れて、隣接配置している隣の容器に引掛けって取り出し難くなったり、著しく外観を悪化させるという問題がある。
一方、上述の2つの公開公報には、容器本体の加温や膨張による容器底部の変形を抑制する技術にとどまるものであり、加温時の圧力上昇による容器本体の基本形態、特に容器胴部の基本形態の変形防止には有効ではない。
【0007】
そこで、本発明は、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が可能であり、且つ加温販売時の容器内内圧の上昇による容器膨張を抑制できるとともに加温販売時における外観の良好な樹脂製容器入り飲料の製造方法及び樹脂製容器入り飲料の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を無菌環境下で樹脂製容器に充填する樹脂製容器入り飲料の製造方法において、平面視略V字形状の押圧部材のV字部分に容器胴部を挿入して容器胴部を押圧することにより容器胴部を容器の内側に凹ませた状態で常温よりも高い温度の飲料を充填し、充填後キャップを巻き締めて、キャップ巻き締め後に押圧部材の押圧を解除することを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の発明では、アセプティック充填による飲料の充填工程において、容器本体を内側に凹ませるように変形させ、内容積を販売時よりも小さくした状態で、飲料を充填する。容器内の容積は販売時よりもちいさいから、同じ容積の飲料を充填すれば容器内にできる空寸部分が占める容積を小さくできる。そして、飲料充填後にキャップを締めて製品とする。
容器本体の凹みは飲料の水圧や容器の塑性変形により元に戻り又は多少凹みが残って、容器本体内は減圧状態になる。容器の凹みが多少残っても容器全体の形態にはほとんど影響を及ぼさず、外観を害することがない。
このようにして製造した樹脂製容器入り飲料(製品)を加温した場合に、容器内飲料の膨張や容器内にある空寸部分を占有する空気の膨張により容器内内圧が高まるが、加温前の容器内は減圧状態であるから、加温後の容器内圧の高まりを小さくでき、加温による容器の膨張や変形を抑制できる。また、気体膨脹率は液体膨張率に比較して著しく大きいが、空気(気体)が封入される空寸部分の容積を小さくできるとともにかかる空寸部分が減圧状態であるため、加温による気体膨脹の影響を低減でき、容器の膨張や基本形態の変形の防止効果が大きく、特に、品質に誤解を生じるような容器の大きな膨張や変形を防止できる。
また、本発明により製造した製造樹脂製容器入り飲料を販売時に加温しても、容器内内圧の上昇により容器が変形して隣接配置した他の容器を圧して取り出し難くなるのを防止できる。
更に、空寸部分に封入される空気の容積が小さいから容器内の内容物である飲料の酸化を低減でき、品質保持能力が高い。
樹脂製容器には、ホットパック充填のように高い温度の飲料を充填するわけではないので、容器材料に要求される耐圧性を小さくでき、樹脂材選択の自由度が高く、且つ樹脂製容器の肉厚を薄くでき、軽量であり且つ使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
【0010】
更に、アセプティック充填において、飲料の温度を常温よりも高くしているので、充填後に自然冷却されることにより、飲料及び空寸部分の空気の縮小により容器内が減圧状態になる。したがって、かかる製品をその後加温した場合には容器内内圧の高まりを小さくでき、加温による容器の膨張や変形を抑制できる。特に、空寸部分が減圧状態であるため、加温による気体膨脹の影響を低減でき、容器の膨張や基本形態の変形の防止効果が大きいとともに、品質に誤解を生じるような容器の膨張や変形を防止できる。
【0011】
押圧部材を容器胴部に所定の力で押圧することにより、容器胴部を容易に凹ませることができる。しかも、押圧部材を用いることにより容器胴部に凹みを形成させるための操作が容易にでき、凹み量の調整も容易である。
特に、既存のアセプティック設備への組み込みも容易である。
また、容器胴部は底部や肩部等の他の部位に比較して面積が広いので、少しの凹み量で容器内体積の大幅な減少を図ることができる。
【0012】
【0013】
押圧部材をV字状の凹とすることにより、飲料を充填するときに容器本体を保持でき充填時の安定性が良い。
また、順次移動してくる容器を保持し易く、且つ容器を移動させながら当接したり解除したりし易い。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、容器胴部を凹ませる部分は、ラベルの裏側に位置する領域であることを特徴とする。
【0015】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明において、凹み部分が完全に元の形状に戻らない場合でも、凹み部分はラベルの裏にあるので見え難く、外観に与える影響が少ない。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の発明において、充填時の飲料の温度は30℃〜70℃であることを特徴とする。
【0021】
この請求項3記載の発明では、請求項1に記載の作用効果を奏するとともに、充填する飲料の温度を30℃〜70℃とすることにより、加温販売時の容器の膨張を効果的に低減できるとともに、既存のアセプティック充填設備で容易に実施可能であり、且つ樹脂製容器に要求される耐熱性及び耐圧性を最小限度に押えることができる。
即ち、30℃以上としているのは、これよりも飲料の充填温度が低いと、加温販売時における容器の膨張を効果的に抑制することができないからである。また、70℃以下としているのは、加温販売時の温度が一般的に約55℃〜60℃であり70℃以下であれば、充分に加温販売時の膨張を抑制できるからである。また、これよりも温度が高いと飲料の香味等について品質に影響を与えるおそれがあるとともに樹脂製容器に高い耐熱性が要求されることになり、容器材料選定の自由度が制限されるからである。
飲料の充填温度は、望ましくは50℃〜70℃である。50℃以上としているのは、加温販売時の温度との差が小さく、加温販売時における容器の膨張を確実に抑制できるからである。
【0022】
請求項4記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、容器に充填する飲料は、乳の入った飲料又はお茶系飲料であることを特徴とする。
【0023】
この請求項4記載の発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、特に乳の入った飲料やお茶系飲料では、殺菌性の観点からアセプティック充填が要求されており、しかも耐熱性及び耐圧性の低いアセプティック充填用の容器を使用しているため、従来加温器を用いて加温し難かったが、本発明では容器材料の大きな変更を伴わず加温に供することができるので、これらの飲料においては特に有効である。即ち、冬場等における飲料時にこれらのものは温かいものの需要が高いので、これらの樹脂製容器入り飲料が容器材料の大きな変更や肉厚の大きな増加を伴わずに加温できる。
乳の入った飲料としては、乳の入ったコーヒーや、乳の入った紅茶、ココア、牛乳等がある。お茶系飲料としては、混合茶、麦茶、玉露茶、煎茶等がある。
【0024】
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造したことを特徴とする樹脂製容器入り飲料である。
【0025】
この請求項5記載の発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏する樹脂製容器入り飲料を提供することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明するが、まず、図1乃至図5を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。図1は、第1実施の形態にかかる飲料の充填工程を示す容器の正面図であり、図2は図1に示す容器の平面図であり、図3は樹脂製容器入り飲料の製造工程図であり、図4は第1実施の形態により製造した樹脂製容器入り飲料の正面図であり、図5は樹脂製容器入り飲料の加温販売を説明する斜視図である。
【0027】
本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1は、アセプティック充填により製造するものであるが、樹脂製容器2としては、耐熱性容器を用いており且つ口部4が結晶化してある。この樹脂製容器入り飲料1は、図5に示すような加温器3による加温販売が可能である。尚、加温器3は、加熱されたホットプレート5に缶入り飲料7や本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1を載置して加温するものである。
【0028】
樹脂製容器(以下単に「容器」ということもある。)2は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)製の飲料用ボトルであり、概して口部4と容器本体14とから構成されており、更に、容器本体14は、肩部6と、胴部8と、底部10とから構成されている。口部4には、キャップ9が装着されて密封されている。
【0029】
口部4には、白化結晶化されており、耐熱性が付与されている。このように白化結晶化させて耐熱性を高め、加温時におけるキャップ9の密閉性の低下を防止するとともに、必要最小限の耐熱処理に留めている。白化処理は、PETをプリフォーム工程により射出成形して試験管状の中間成形品を得た後、白化工程でクリスタライザーにより口部4を白化結晶させている。
【0030】
次に、本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1の製造工程について説明する。
図3において、ステップS1で製造ラインに樹脂製容器2が供給されると、ステップS2でこの樹脂製容器2が洗浄水により予備洗浄される。続いてステップS3で薬剤リンスによる殺菌処理がされる。殺菌薬剤としては、過酢酸系殺菌剤が用いられる。次に、ステップS4で、滅菌水によるリンスを行って仕上げリンスし、その後、充填工程のステップS5〜ステップS8で常温による飲料の充填を行う。飲料は、例えば殺菌した乳入りコーヒー飲料である。
【0031】
ステップS5では、順次搬送されてくる空容器2を対抗配置した押圧部材31で保持するが、押圧部材31は平面視略V字形状の凹部33で容器胴部8を挟み、次に押圧部材31を容器2に向けて移動させ、容器胴部8を押圧して胴部8を凹ませる。胴部8の凹み量の調整は、押圧部材31の押圧量により調整できる。このように胴部8を凹ませることにより、容器2内の容積が小さくなる。容器2の凹み部分は、容器胴部8において上下方向の略中央としている。この部分は、ラベル11が配置される裏側部分になり外部から見え難いとともに凹み量を大きくとることができるからである。
【0032】
ステップS6では、容器胴部8を凹ませた状態のまま飲料を充填する。容器を押圧部材31で保持したまま飲料を充填するので、容器2を安定させた状態で飲料の充填ができる。所定量の飲料を充填後、ステップS8でキャップ9を巻き締める。
そして、キャップ巻き締め後にステップS8により押圧部材31を容器2から引き離して容器胴部8との当接を解除する。
一方、キャップ9は別工程により殺菌処理される。ステップS11でキャップ9が供給されると樹脂製容器2と同様にステップS12の予備洗浄、ステップS13の薬剤リンス、ステップS14の仕上げリンス工程の後、上述のステップS7で飲料が充填された樹脂製容器2に装着され、キャップ巻き締めが行われる。その後、ステップS9のラベリング、ステップS10の印字、ステップS15のケーシング工程を得て、樹脂製容器入り飲料1がケースに詰められて出荷される。
【0033】
このようにして製造された樹脂製容器入り飲料1は、そのまま店頭に陳列されたり、冷蔵庫や自動販売機で冷却されたりするが、冬場等では加温器3により温められた状態で陳列したり、自動販売機で加温して販売することもできる。
樹脂製容器入り飲料1は、そのまま店頭に陳列されたり、冷却される場合には、仮に胴部8に凹みが残っていても凹み量は小さいため、容器2の基本形態に影響を及ぼすことがなく、且つ外観を著しく損なうことがない。特に、凹み部分はラベル11の裏にあるので、外部から解り難い。
【0034】
一方、加温器3により温められたり自動販売機で加温されると、容器内飲料の膨張や容器内にある空寸部分27を占有する空気の膨張により容器内内圧が高まるが、加温前の容器内は減圧状態であるから、加温後の容器内圧の高まりが小さく、加温による容器の膨張や変形を抑制できる。容器内膨張による容器の変形がないかあるいはあっても少ないから、加温販売時に隣接配置した他の容器を圧して加温器3や自動販売機からの取り出しを妨げることがない。
また、空寸部分27に封入される空気の容積が小さいから容器内の内容物である飲料の酸化を低減でき、品質保持能力が高い。
【0035】
以下に、添付図面の図6乃至図8を参照して本発明の他の実施の形態を説明するが、上述した実施の形態と同一の部分には、同一の符号を付することにより、その部分の詳細な説明を省略する。
【0036】
図6に第2実施の形態にかかる飲料の製造方法の工程を示す。この第2実施の形態では、飲料の充填工程S6において、上述した第1実施の形態と異なり、容器を凹ませることは行わずに、飲料の充填温度を常温(約25℃)よりも高い温度に加温したものを充填している。充填する飲料の温度は、例えば、約50℃である。その他の工程は、上述した実施の形態と同じである。
【0037】
この第2実施の形態では、充填時の飲料の温度を常温よりも高くしているので、充填後に自然冷却されることにより飲料及び空寸部分空気の縮小により容器内が減圧状態になる。したがって、かかる製品をその後加温した場合には容器内圧の高まりを小さくでき、加温による容器2の膨張や変形を抑制できる。特に、空寸部分27が減圧状態であるため、加温による気体膨脹の影響を低減でき、容器2の膨張や基本形態の変形の防止効果が大きいとともに、品質に誤解を生じるような容器の膨張や変形を防止できる。
また、空寸部分27では充填された飲料の蒸気圧により封入される空気の量を少なくでき容器内の内容物である飲料の酸化を低減でき、品質保持能力が高い。
尚、充填する飲料の温度を、30℃〜70℃の範囲で種々設定して容器に充填したところ、充填温度の違いにより加温販売時の容器の変形量は異なるものの、約25℃の常温で充填したものに比較して従来よりも変形量を小さくすることができた。
【0038】
図7〜図9に第3実施の形態を示す。この第3実施の形態では、容器2として耐圧性ボトルを用い、且つ図9に示すように通常のアセプティック充填により飲料の製造をおこなっている。
容器2は、胴部8が円筒形状であり且つ底部10をペタロイド形状とした容器2を用いて、飲料は常温で且つ無菌環境下でアセプティック充填したものである。
ペタロイド形状とは、容器底部10に下方に向けて湾曲形状に突設した多数の脚部12を形成したものである。
【0039】
この第3実施の形態では、容器2は胴部8が円筒形状であり且つ底部10をペタロイド形状として耐圧性を高めている。また、容器2の肉厚は耐圧性を高める為、従来のアセプティック用ボトル(いわゆる並ボトル)よりも厚くしてある。
この第3実施の形態では、樹脂製容器2に耐圧性ボトルを用いているので、加温販売する場合に容器内圧の上昇が生じても、かかる容器内圧の上昇により容器2が変形するのを防止でき、隣接配置した他の容器を圧して取り出し難くなることがなく、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が可能である。
【0040】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
例えば、上述した第1実施の形態において、充填する飲料を第2実施の形態のように加温してもよい。この場合には上述した第1及び第2実施の形態を合わせた相乗効果を得ることができる。
第1実施の形態において、押圧部材31の形状は限定されず、円筒形状や角柱形状等の棒状であってもよく、また容器2との当接部分を湾曲させたものであってもよい。
【0041】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、飲料をアセプティック充填する工程において、容器本体を内側に凹ませた状態で飲料を充填することにより、製造後に容器内を減圧状態にできるので、本発明により製造した樹脂製容器入り飲料(製品)を加温した場合に、加温による容器内圧の高まりを小さくできる。これにより、加温による容器の膨張を抑制でき、特に、品質に誤解を生じるような容器の膨張や基本形態の変形を防止できる。
また、樹脂製容器入り飲料を加温販売しても、容器内内圧の上昇により容器が変形して隣接配置した他の容器を圧して取り出し難くなるのを防止できる。更に、空寸部分に封入される空気の容積が小さいから容器内の内容物である飲料の酸化を低減でき、品質保持能力が高い。
容器材料に要求される耐圧性を小さくでき、樹脂材選択の自由度が高く、樹脂製容器の肉厚を薄くでき、軽量であり且つ使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
【0042】
容器胴部に押圧部材を押し当てて凹ませているので、既存設備への組み込みが容易である。
【0043】
押圧部材をV字状とすることにより、飲料の充填時に容器本体を保持でき充填時の安定性が良い。
特に、順次搬送されてくる容器を保持し易く、且つ容器を移動させながらの凹み形成がし易い。
更に、アセプティック充填において、充填する飲料の温度を高くしているので、充填後に自然冷却されることにより飲料及び空寸部分空気の縮小により容器内を減圧状態にできる。したがって、かかる製品をその後加温した場合には容器内圧の高まりを小さくでき、加温による容器の膨張や変形を抑制できる。
特に、容器の膨張や基本形態の変形の防止効果が大きいとともに、品質に誤解を生じるような容器の膨張や変形を防止できる。
【0044】
請求項2記載の発明によれば、請求項1に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、製造後に凹み部分が完全に元の形状に戻らない場合でも、凹み部分はラベルの裏にあるので見え難く、外観に与える影響が少ない。
【0045】
【0046】
【0047】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の効果を奏するとともに、充填する飲料の温度を30℃〜70℃とすることにより、加温販売時の容器の膨張を効果的に低減できるとともに、既存のアセプティック充填設備を利用して容易に実施でき、且つ樹脂製容器に要求される耐熱性及び耐圧性を最小限度に押えることができる。
【0048】
請求項4に記載の発明によれば、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとともに、従来加温器を用いて加温し難く且つ冬場等における加温の需要が高い乳入り飲料やお茶系飲料を、容器材料の大きな変更や肉厚の大きな増加を伴わずに提供できる。
【0049】
請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏する樹脂製容器入り飲料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施の形態における充填工程を示す容器の正面図である。
【図2】 図1に示す充填時の容器の平面図である。
【図3】 第1実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【図4】 第1実施の形態により製造した樹脂製容器入り飲料の正面図である。
【図5】 樹脂製容器入り飲料の加温販売を説明する斜視図である。
【図6】 本発明の第2実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【図7】 本発明の第3実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図である。
【図8】 図7に示す容器の底面図である。
【図9】 第3実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【図10】 従来の樹脂製容器を示す正面図である。
【符号の説明】
1 樹脂製容器入り飲料
2 樹脂製容器
8 胴部
10 底部
27 空寸部分
31 押圧部材
S5 容器加圧工程
S6 飲料充填工程
S7 キャップ巻き締め工程
S8 容器加圧解除工程
Claims (5)
- 容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を無菌環境下で樹脂製容器に充填する樹脂製容器入り飲料の製造方法において、平面視略V字形状の押圧部材のV字部分に容器胴部を挿入して容器胴部を押圧することにより容器胴部を容器の内側に凹ませた状態で常温よりも高い温度の飲料を充填し、充填後キャップを巻き締めて、キャップ巻き締め後に押圧部材の押圧を解除することを特徴とする樹脂製容器入り飲料の製造方法。
- 容器胴部を凹ませる部分は、ラベルの裏側に位置する領域であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
- 充填時の飲料の温度は30℃〜70℃であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器入り飲料の製造方法。
- 容器に充填する飲料は、乳の入った飲料又はお茶系飲料であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂製容器入り飲料の製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の製造方法により製造したことを特徴とする樹脂製容器入り飲料。
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