JP2003160123A5 - - Google Patents

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【書類名】 明細書
【発明の名称】 樹脂製容器、樹脂製容器の製造方法及び樹脂製容器入り飲料
【特許請求の範囲】
【請求項1】 容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器において、容器の口部の少なくとも一部が加熱により結晶化されており、容器製造におけるブロー成形金型の金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を用いて製造したことを特徴とする樹脂製容器。
【請求項2】 口部の結晶化度は、5%以上42%以下であることを特徴とする請求項1に記載の樹脂製容器。
【請求項3】 口部の下端に連続する容器胴部の結晶化度を10%以上35%以下にしてあることを特徴とする請求項1又は2に記載の樹脂製容器。
【請求項4】 口部の結晶化はキャップが螺合する外側部分の結晶化度が内側部分の結晶化度よりも高いことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂製容器。
【請求項5】 キャップが螺合する螺子条部分のみが結晶化されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂製容器。
請求項6】 容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器の製造方法であって、非耐熱性樹脂材を試験管形状に形成した中間成形品を得るプリフォーム工程と、プリフォーム成形品の容器口部に対応する部分を加熱して結晶化する白化工程と、白化工程後にプリフォーム成形品を金型でブロー成形するブロー成形工程とを備え、ブロー成形工程における金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を用いて製造したことを特徴とする樹脂製容器の製造方法。
請求項7 請求項6に記載の樹脂製容器の製造方法であって、白化工程では、キャップが螺合する容器口部の一部のみを結晶化させていることを特徴とする樹脂製容器の製造方法。
請求項8】 請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂製容器並びに請求項6又は7に記載の製造方法により製造した樹脂容器に乳の入った飲料又はお茶系飲料を充填したことを特徴とする樹脂製容器入り飲料。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、飲料を完全無菌状態で空容器に充填するいわゆるアセプティック充填に用いられる樹脂製容器、その製造方法及び樹脂製容器入り飲料に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、アセプティック充填は、ペットボトル(ポリエチレン・テレフタレート製容器)を薬液リンスにより殺菌し、無菌水リンスをした後、殺菌済みの飲料を常温でペットボトルに充填するものである。
かかるアセプティック充填は、充填する飲料の温度を常温で行うため、そのペットボトルは従来の耐熱ボトル(後述)よりも耐熱処理を行わないものが使用されている。
一方、飲料の種類によっては、高温(約70乃至100℃)に加熱した飲料を容器に充填するものがある(ホットパック充填)。かかるホットパック充填では、高温の飲料を充填するため、口部を結晶化し且つ胴部の耐熱性も上げて耐熱性を高めた耐熱ボトルを用いている。このようなボトルとして特開平8−244745号公報や、特開昭55−12031号公報が公知である。
一方、缶入り飲料では、冬場等に製品を店で販売する際には加熱プレートに缶入り飲料を載せて加温する缶ウォーマに収納して飲料を温めて販売したり、自動販売機で加温販売することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、アセプティック充填により製造したペットボトル飲料(樹脂製容器入り飲料)では、耐熱性が要求されない樹脂製のボトル(非耐熱性ボトル又は並ボトルともいう)を用いているので、加温すると熱収縮等により容器口部が変形して、容器口部に螺合しているキャップとの密閉性に影響を及ぼす可能性がある。
これに対して、ホットパック充填により製造したペットボトル飲料では、胴部及び口部とも耐熱性となっている。このため、その後の加温販売が可能であるが、胴部及び口部とも耐熱性になっているので、ボトル容器の重量が重く且つ使用後のボトル廃棄処理や再生処理がし難いという問題があり、地球環境の観点からも改善が望まれている。
【0004】
そこで、本発明は、アセプティック充填した樹脂製容器入り飲料の加温販売が可能であるとともに、製造が容易であって、軽量で且つ地球環境にやさしい樹脂製容器、樹脂製容器の製造方法及び樹脂製容器入り飲料の提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器において、容器の口部の少なくとも一部が加熱により結晶化されており、容器製造におけるブロー成形金型の金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を用いて製造したことを特徴とする。
【0006】
この請求項1に記載の発明では、樹脂製容器の胴部には常温で飲料を充填するから容器に耐熱性が要求されない。従って、容器胴部の耐熱性を低くできるので、樹脂材選択の自由度が高く、且つ樹脂材料として廉価なものを用いることができ、樹脂製容器の製造コストを低減できる。更に、ボトル胴部に耐熱処理を従来の耐熱ボトルほどは施す必要もないので、樹脂製容器の製造工程が簡易である。
特に、アセプティック充填においては、この樹脂製容器の口部のみを白化処理(結晶化処理)したものを用いるだけであるから、製造が容易であり且つ製造コストも安価である。
容器の口部には、加熱による結晶化によりその部分の熱に対する強度を高めているから、加温販売しても容器の口部が熱により変形するのを防止でき、熱変形によるキャップとの密閉性を向上できる。
しかも、アセプティック充填用のボトルの製造において、口部にのみ白化処理を施すものであるから、既存の設備をそのまま利用することができ、且つ製造も容易である。
樹脂製容器は、耐熱性が要求されないアセプティック充填用のボトルをそのまま使用できるから、ホットパック充填用ボトルに比較して軽量であり、使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
ブロー成形金型において、金型温度を120℃以下とすることにより、金型の加熱媒体として水を使用することができるので、製造工程及び製造設備を簡易にできるとともに、加熱媒体を水とすることにより、取り扱い易く且つ環境に与える影響も少ない。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、口部の結晶化度は、5%以上42%以下であることを特徴とする。
【0008】
この請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、口部の結晶化度を5%以上42%以下にすることで、加温販売に必要な耐熱性を得られながら結晶化を行うクリスタライザーによる加熱温度を低くしたり、加熱時間を短縮したりすることができ、これによりクリスタライザーの設備及び制御を簡単にできるとともに消費エネルギーを最小限に押さえることができ、あるいは生産効率を向上させることができる。
口部の結晶化度は5%以上としているのは、5%よりも低くすると必要な耐熱性が得られ難いからであり、42%以下としているのは42%よりも結晶化度が多くなると耐熱性は十分であるが必要以上に結晶化のためにエネルギーが消費されることになり、エネルギーの無駄が生じるとともにクリスタライザーの設備及び制御が大型化するからである。
更に、口部の結晶化度は、更に望ましくは10%以上38%未満である。口部の結晶化度を10%以上とすることにより、加温販売時の加温温度が異なる全ての市場の要求に対応できる耐熱性を付与できる。また、口部の結晶化度を38%未満とすることにより消費するエネルギーも要求される耐熱性の限度に応じた消費エネルギーに押さえることができ、エネルギーの無駄及びクリスタライザーの設備及び制御の大型化を更に押さえることができる。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の発明において、容器胴部は結晶化度を10%以上35%以下にしてあることを特徴とする。
【0010】
この請求項3に記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、容器胴部の結晶化度を10%以上35%以下にすることで、ブロー成形金型の温度を低減でき、金型構造も簡略化できる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明において、口部の結晶化はキャップが螺合する外側部分の結晶化度が内側部分の結晶化度よりも高いことを特徴とする。
【0012】
この請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、結晶化を施す口部において、キャップと嵌合する外側部分のみの結晶化度を高めることによって、結晶化部分を少なくでき、更に樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減を図ることができる。
【0013】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明において、キャップが螺合する螺子条部分のみが結晶化されていることを特徴とする。
この請求項5に記載の発明では、請求項1乃至4のいずれかに記載の発明の作用効果を奏するとともに、更に結晶化部分を少なくでき、樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減をより図ることができる。
【0014】
【0015】
【0016】
請求項6に記載の発明は、容器内を殺菌した後に殺菌済みの飲料を常温で充填する樹脂製容器の製造方法であって、非耐熱性樹脂材を試験管形状に形成した中間成形品を得るプリフォーム工程と、プリフォーム成形品の容器口部に対応する部分を加熱して結晶化する白化工程と、白化工程後にプリフォーム成形品を金型でブロー成形するブロー成形工程とを備え、ブロー成形工程における金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を用いて製造したことを特徴とする。
【0017】
この請求項6に記載の発明では、ブロー成形工程において、金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を使用することにより、製造工程及び製造設備を簡易にできるとともに、加熱媒体を水とすることにより、取り扱い易く且つ環境に与える影響も少ない。
【0018】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の樹脂製容器の製造方法であって、白化工程では、キャップが螺合する容器口部の一部のみを結晶化させていることを特徴とする。
【0019】
この請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、白化工程では、容器口部の一部のみを結晶化させているので、請求項3又は4に記載の発明と同様に、結晶化部分を少なくでき、樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減を図ることができる。
【0020】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の樹脂製容器並びに請求項6又は7に記載の製造方法により製造した樹脂容器に乳の入った飲料又はお茶系飲料を充填したことを特徴とする。
【0021】
この請求項8に記載の発明では、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、特に乳の入った飲料やお茶系飲料では、殺菌性の観点からアセプティック充填が要求されており、アセプティック充填用の容器を使用しているため、従来加温器を用いて加温し難かったこれらの飲料においては特に有効である。即ち、冬場等における飲料時にこれらのものは温かいものの需要が高いので、これらの樹脂製容器入り飲料が加温できれば、消費者の需要も高い。
乳の入った飲料としては、乳の入ったコーヒーや、乳の入った紅茶、ココア、牛乳等がある。お茶系飲料としては、混合茶、麦茶、玉露茶、煎茶等がある。もちろん、本発明に適用される飲料には、その他にブラックコーヒーや健康飲料、果汁飲料等も含み、全ての飲料に適用可能である。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図であり、図2は図1の矢印A部の断面図であり、図3は図1に示す樹脂製容器の底面図であり、図4は図1に示す樹脂製容器の製造工程図であり、図5は樹脂製容器入り飲料の製造工程図であり、図6は樹脂製容器入り飲料の加温販売を説明する斜視図である。
【0023】
本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1は、アセプティック充填により製造したものであるが、アセプティック充填用の樹脂容器2には、口部4が結晶化してある。この樹脂製容器入り飲料1は、図6に示すような加温器3による加温販売が可能である。尚、加温器3は、加熱されたホットプレート5に缶入り飲料7や本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1を載置して加温するものである。
【0024】
樹脂製容器2は、ポリエチレン・テレフタレート(PET)製の飲料用ボトルであり、概して口部4と、胴部8と、底部10とから構成されている。口部4には、キャップ9が装着されて密封されている。尚、図1において、符号12はネックサポートリングである。
【0025】
この樹脂製容器2は、図4にその製造工程を示すように、PETをプリフォーム工程S1により射出成形して試験管状の中間成形品を得た後、白化工程S2でクリスタライザーにより口部4を白化結晶させている。クリスタライザーによる加熱は、本実施の形態では、口部4の内側に支持部材を挿入して口部4の周囲に配置されたヒータで熱処理している。このように、口部4の内側に支持部材を挿入することにより、加熱時に口部4の内側の形状を保持するとともに、支持部材の冷却性能付与などにより、結晶化における口部4の半径方向の温度制御(温度勾配)や結晶化度の調整を図ることができる。
【0026】
結晶化度(白化度)は、加温販売時等の条件に応じて任意に設定可能である。本実施の形態では、口部全体を白化しているが、半透明状態、あるいは半濁状態の白化であってもよい。半濁状態にすれば、従来の耐熱ボトルの完全な白化口部と比較して、結晶化度の少ない容器を提供でき、白化工程が簡略化できるからである。
口部の結晶化度は、5%以上42%以下であることが望ましく、更に望ましくは10%以上38%未満である。口部の結晶化度を5%以上42%以下にすることで、必要な耐熱性を得られながら結晶化を行うクリスタライザーによる加熱温度を低くしたり、加熱時間を短縮したりすることができ、これによりクリスタライザーの設備及び制御を簡単にできるとともに消費エネルギーを最小限に押さえることができ、あるいは生産効率を向上させることができる。
口部の結晶化度を10%以上38%未満とすることにより耐熱性の限度に応じた消費エネルギーに押さえつつクリスタライザーの設備及び制御の簡易化を図ることができる。
これに対して、従来のアセプティックボトルの口部の結晶化度は4%以上5%未満であり、耐熱ボトルの口部では38%乃至42%である。結晶化度の測定は、サンプルの密度を測定することによりその結晶化度を求めている(いわゆる密度勾配管法)。
加温販売時の樹脂製容器入り飲料の温度は一般に50乃至70℃であり、ホットパック充填における70乃至100℃の飲料温度まで要求されないので、必要な結晶化度は、ホットパック充填に必要な耐熱性よりも低い耐熱性を満たす程度で足りる。
【0027】
白化工程S2の後にプリフォーム成形品(中間品)をブロー成形機でブロー成形する(ブロー成形工程S3)。ブロー成形機では、金型内でプリフォーム成形品を加熱した後に高圧空気を吹き込んで膨らませてボトル形状に成形する。
このブロー成形機の金型温度は、120℃以下であり、好ましくは80℃以下に設定するとともに本実施の形態ではブロー成形品の肉厚も従来の耐熱ボトルよりも薄く設計してある。また、金型の加熱温度をこのように低くすることにより、金型の加熱に用いる加熱媒体として水を使用することができ、加熱媒体が取り扱い易く、且つ装置の整備も簡易なものにできる。胴部8の結晶化度は、耐熱性と、設備の簡易化と、消費エネルギーの無駄の防止との兼ね合いから35%以下としている。アセプティックボトルの胴部の結晶化度は、温水で殺菌するものは温水に対する必要な耐熱性を満たす必要から27%以上33%以下であるが、それ以外の耐熱性を必要としない殺菌方法まで考慮すると結晶化度は10%以上35%以下の範囲に設定される。
これに対して従来の耐熱ボトルでは、更に結晶化度を上げるため(胴部結晶化度を35%を超え54%以下にするため)金型温度は一般に130℃以上であり、加熱媒体として水は使用できず、オイルを使用している。従って、加熱媒体が取り扱い難い。
【0028】
使用する樹脂重量(目付け)は、本実施の形態では350ml容器の場合で22乃至25gであり、従来の耐熱性ボトルでは耐熱性付与のため約26g必要としていたことに比べると使用する樹脂量も少なくできる。即ち、従来の耐熱性ボトルに比較して約1乃至4g使用する樹脂量を少なくでき地球環境にやさしいとともに、コストの低減を図ることができ且つ容器の重量自体も低減できる。
このようにして、軽量なアセプティック充填用樹脂製容器(ボトル)を製造する(S4)。
【0029】
樹脂製容器2の底部10は、図3に示すように、平面方向のリブ11の他、略中央部に上方に向けた凹部13が形成されているとともに凹部13の周囲には放射状のリブ15が複数形成されている。このように、底部10を凹凸状に形成することによりアセプティック充填用容器を加温したときに容器2内の気圧変化に耐えることができる。
また、本実施の形態では、容器2にホットパック充填しないから、容器2に耐減圧性が要求されず、ホットパック用の耐熱性容器のように胴部8に機能性を追及した減圧パネルが必要ないので、デザインの自由度も高い。
【0030】
次に、本実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料1の製造工程について説明するが、以下に説明する製造方法は、アセプティック充填用樹脂容器(以下単に「ボトル」という)2、即ち、非耐熱性容器を用いたアセプティック充填飲料である。
【0031】
まず、ステップS1で製造ラインにボトル2が供給されると、ステップS2でこのボトル2が洗浄水により予備洗浄される。続いてステップS3で薬剤リンスによる殺菌処理がされる。次に、ステップS4で、滅菌水によるリンスを行って仕上げリンスし、その後、ステップS5で常温による飲料の充填を行う。飲料は、例えば殺菌した乳入りコーヒー飲料である。
【0032】
一方、キャップ9は別工程により殺菌処理される。ステップS11でキャップ9が供給されるとボトル2と同様にステップS12の予備洗浄、ステップS13の薬剤リンス、ステップS14の仕上げリンス工程の後、ステップS6で飲料が充填されたボトル2に装着され、キャップ巻き締めが行われる。その後、ステップS7のラベリング、ステップS8の印字、ステップS9のケーシング工程を得て、樹脂製容器入り飲料1がケースに詰められて出荷される。
このようにして製造された樹脂製容器入り飲料1は、そのまま店頭に陳列されたり、冷蔵庫や自動販売機で冷却されたりするが、冬場等では容器2の口部4が耐熱処理されているので、加温器3により温められた状態で陳列したり、自動販売機で加温して販売することもできる。即ち、口部4はキャップ装着部が結晶化されているので、加温してもキャップ9との密閉性が良好に保たれる。
【0033】
本発明は、上述した実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲内において、種々の変形が可能である。
例えば、樹脂性容器は、ガスバリヤー性樹脂層をラミネートしたものであってもよい。ガスバリヤー性樹脂層としては、芳香族ポリエステル樹脂の延伸発泡シートや、ポリアミド樹脂が用いられる。更に、耐熱性樹脂層とガスバリヤー性樹脂層とで交互に3層又は5層に構成した樹脂材で容器を構成して、容器に耐熱性及びガスバリヤー性を付与するものであってもよい。
【0034】
また、口部4の結晶化処理は、図7に符合Eで示すように、キャップ9との螺子条が形成されている外側のみを結晶化するものであってもよく、あるいは内側から外側に向けて結晶化度に勾配をつけて、外側程次第に結晶化度を高めるものであってもよい。または、符号Fで示すように、口部4の上半分を結晶化するものであってもよい。
更に、図8に示すように、キャップ9と螺合する螺子条17にのみ結晶化を図るものであってもよい。
【0035】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、アセプティック充填を行った樹脂製容器入り飲料を、加温器で加温しても、容器の収縮等による変形を防止でき、樹脂製容器にアセプティック充填した飲料を、そのまま加温器により温めることができる。
しかも、樹脂製容器には常温で飲料を充填するから、容器に耐熱性が要求されないので、容器胴部の耐熱性を低くでき、樹脂材選択の自由度が高く、且つ樹脂材料として廉価なものを用いることができ、樹脂製容器の製造コストを低減できる。更に、ボトル胴部にホットパック用のボトルほどは耐熱用の処理を施す必要もないので、樹脂製容器の製造工程が簡易である。
容器口部には、加熱による結晶化によりその部分の熱に対する強度を高めているから、加温販売しても容器口部が熱により変形するのを防止できる。
アセプティック充填用のボトルの製造において、口部にのみ白化処理(結晶化処理)を施すものであるから、既存の設備をそのまま利用することができ、且つ製造も容易である。
特に、アセプティック充填容器の口部のみを白化処理するだけであるから、製造が容易であり且つ製造コストも安価である。
樹脂製容器は、ホットパック充填用ボトルに比較して軽量であり、樹脂材としても耐熱用の特別のものを用いていないので、使用後の廃棄処理や再生処理が容易で、地球環境にやさしい。
ブロー成形金型において、金型温度を120℃以下とすることにより、金型の加熱媒体として水を使用することができるので、製造工程及び製造設備を簡易にできるとともに、加熱媒体を水とすることにより、取り扱い易く且つ環境に与える影響も少ない。
【0036】
請求項2に記載の発明では、請求項1に記載の発明と同様な作用効果を奏するとともに、口部の結晶化度を5%以上42%以下にすることで、加温販売するのに必要な耐熱性を得られながら結晶化を行うクリスタライザーによる加熱温度を低くしたり、加熱時間を短縮したりすることができ、これによりクリスタライザーの設備及び制御を簡単にできるとともに消費エネルギーを最小限に押さえることができ、あるいは生産効率を向上させることができる。
【0037】
請求項3に記載の発明によれば、請求項1又は2に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、容器胴部の結晶化度を10%以上35%以下としたのでブロー成形の金型温度を低くでき、樹脂製容器の製造工程や金型構造を簡略化できる。
【0038】
請求項4に記載の発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載の発明と同様な効果を奏するとともに、結晶化を施す口部において、キャップと勘合する外側部のみの結晶化度を高めることによって、必要な結晶化部分を少なくでき、更に樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減を図ることができる。
【0039】
請求項5に記載の発明によれば、請求項1乃至4のいずれかに記載の効果を奏するとともに、更に結晶化部分を少なくでき、樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減をより多く図ることができる。
【0040】
【0041】
請求項6に記載の発明によれば、ブロー成形工程において、金型温度を120℃以下とし且つ金型の加熱媒体として水を使用することにより、製造工程及び製造設備を簡易にできる。即ち、加熱媒体を水とすることにより、取り扱い易く且つ環境に与える影響も少ない。
【0042】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、白化工程では、容器口部の一部のみを結晶化させているので、請求項4又は5に記載の発明と同様に、結晶化部分を少なくでき、樹脂製容器の製造コストの低減と、地球環境への影響の低減を図ることができる。
【0043】
請求項8に記載の発明によれば、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の発明と同様な効果を奏するとともに、特に乳の入った飲料やお茶系飲料では、殺菌性の観点からアセプティック充填が要求されており、アセプティック充填用の容器を使用しているので、従来加温器を用いて加温されなかったこれらの飲料においては特に効果的である。即ち、冬場等における飲料時にこれらのものは温かいものの需要が高いので、これらの樹脂製容器入り飲料がアセプティック充填用容器のまま加温できれば、消費者の需要も高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施の形態にかかる樹脂製容器の正面図である。
【図2】
図1の矢印A部の断面図である。
【図3】
図1に示す樹脂製容器の底面図である。
【図4】
図1に示す樹脂製容器の製造工程図である。
【図5】
本発明の実施の形態にかかる樹脂製容器入り飲料の製造工程図である。
【図6】
樹脂製容器入り飲料を加温器で温めている状態を示す斜視図である。
【図7】
本発明の変形例にかかる樹脂製容器の口部の断面図である。
【図8】
本発明の変形例にかかる樹脂製容器の螺子条部分を抜き出して示す断面図である。
【符号の説明】
1 樹脂製容器入り飲料
2 樹脂製容器
4 口部
8 胴部
9 キャップ
17 螺子条


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