JP3661970B2 - 自動フィッシュロースター - Google Patents

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強 成願
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株式会社日立ホームテック
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、魚等を焼く両面焼きの自動フィッシュロースターに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来この種のフィッシュロースターとしては、特開平8−243034号公報に提案されている方式がある。
【0003】
このフィッシュロースターは、調理メニューに応じて上下発熱体の通電電力を制御するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のフィッシュロースターには下記問題点がある。
【0005】
(1)弱火の調理時に調理時間が長くなる。
【0006】
(2)弱火のときヒータの表面温度が十分に上がらず、魚に適度な焦げ目をつけるには長時間焼く必要があるが、調理時間を長くすると、魚内部の油脂分、旨味成分が水分と一緒に飛んでしまい、乾燥してパサパサした仕上がりとなる。
【0007】
(3)通電電力制御を行う手段として、トライアック等半導体による方法は、リレー等と比べると一般に高価であり、またスイッチング時のノイズを除去するためのフィルターも必要になる等により製品が非常に高価になってしまう。一方リレーを使用する場合においては、寿命および動作時のノイズ発生の点で頻繁なオンオフができないため、きめ細かい電力制御ができない。
【0008】
(4)魚を連続して焼く場合など、調理庫の温度が高い状態で調理をスタートすると、魚が熱いと誤判定して、すぐに電力が制御され、生焼け状態となる。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の問題点を解決するため本発明では、加熱調理する調理庫と、調理庫内の空気を排気する排気ファンと、魚を乗せる焼き網と前記焼き網より上に位置する上部発熱体と、下に位置する下部発熱体と、調理庫内の温度を検出する温度検出手段と、調理メニューを設定する調理メニュー設定手段と、上部発熱体、下部発熱体の通電制御を行う制御手段からなり、調理メニュー設定手段で設定された調理メニューで調理をスタートすると、所定の時間排気ファン(16)により調理庫(1)内の空気を排気した後、温度検出手段(5)により検出される温度を初期温度T0とし、初期温度T0と設定された調理メニューとにより所定の判定温度計算式により判定温度T1を決定し、その後上部発熱体(2)と下部発熱体(3)の通電制御を開始し、この時点から温度検出手段(5)により検出される温度が判定温度T1に達するまでの時間t0と、設定された調理メニューから所定の残時間計算式により調理残時間t1を決定するフィッシュロースターとしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1では、設定された調理メニューで調理をスタートすることにより上下発熱体の通電開始され、スタートから温度検出手段により検出される温度判定温度Tに達するまでの時間t0と、設定された調理メニューから所定の残時間計算式により調理残時間t1を決定するように上部発熱体と下部発熱体を通電制御するものである。
【0011】
これにより、自動で魚の種類、量に関わらず強火で両面から焼き上げるため、魚表面には食欲をそそる適度な焦げ目が付き、魚内部は旨味成分を残したまま、しっとりと焼き上げることができる。また、ヒータ制御は調理スタート時のオンと終了時のオフのみであるため、一般的なリレーを使用することが可能となり、低コストで達成することができる。
【0012】
また、調理庫内の空気を外部へ排出する排気ファンを備え、調理スタートから所定の時間t2経過後の温度検出手段の検出温度を初期温度T0として、判定温度T1を補正し、この間は上部発熱体及び下部発熱体に通電せず、排気ファンのみを通電するようにしたものである。
【0013】
これにより、魚を入れて排気ファンにより調理庫の空気を撹拌して所定の時間が経過し、調理庫の温度が安定してからの温度を検出するため、焼き上がりのバラツキが無くなり、安定した焼き上がり状態を得ることができる。
【0014】
また請求項2では、初期温度T0が所定温度T2以上の場合、温度検出手段により検出される温度がT2以下に下がるまで排気ファンの通電を継続し、検出される温度が所定の温度T2より低くなったときの検出温度を初期温度T0として判定温度T1を決定するようにしたものである。
【0015】
これにより、魚を連続して焼くときなど、調理初期の温度が異常に高く、補正が困難な場合などにおいても、一度排気ファンで調理庫を冷却して補正が可能な温度まで下げてから焼き始めるため、焼き上がりのバラツキが無くなり、安定した焼き上がり状態を得ることができる。
【0016】
【実施例】
以下本発明の一実施例を図面を用いて説明する。
【0017】
図1において、1は前面を開口にした箱形の調理庫で外郭13により覆われ、内部に上部発熱体2、下部発熱体3、触媒ヒータ4、サーミスタ等の温度検出手段5を有している。
【0018】
6は外郭13の前面に配置した調理メニュー設定手段、7は制御手段、8はトレーであり、受皿9、焼き網15、ハンドル10、ドアガラス11により構成されている。
【0019】
12は触媒であり、調理庫1から外郭13の背面に開口した排気口14に至るダクト(図示せず)の調理庫1側に配置され、この触媒12と排気口14の間に調理庫1の煙を強制排気する排気ファン16を備えている。
【0020】
図2は調理メニュー設定手段6の操作部であり、表示部6a、自動調理部6b、手動調理部6c、スタートスイッチ6d、取消スイッチ6eにより構成されている。また自動調理部6bは丸身の魚を焼く丸身スイッチ6aaと干物又切り身の魚を焼く切り身・干物スイッチ6abの2つの自動メニュースイッチと、焼き加減スイッチ6acとよりなり、丸身スイッチ6aaと切り身・干物スイッチ6abは操作部の中でスタートスイッチ6dに次いで大きくなっている。
【0021】
焼き加減スイッチ6acは使用者の好みにより焼き加減を強中弱の3段階に切り換えることができる。手動調理部6cは10分スイッチ、1分スイッチのタイマーセットスイッチ6caと、両面焼きと上火焼きを切り換えるヒーター切り換えスイッチ6cbとで構成されている。
【0022】
図3は各状態における表示部の表示例を示す。(a)は自動調理中の表示状態、(b)は残時間の表示状態、(c)は除煙中の表示状態を示す。図4は自動調理操作時の調理中の各部の状態の変化を示す。図5は調理スタート後のマイコン制御のフローチャートを示す。図6はさんまを1尾と4尾焼いたときの温度検出手段の検知温度Tの変化を示す。
【0023】
次に本発明の一実施例の動作について説明する。
【0024】
まず、トレー8に焼き網15を乗せ、その上に魚を乗せて調理庫1内に挿入する。次に調理メニュー設定手段6の自動調理部6bから丸身スイッチ6aaと切り身・干物スイッチ6abのどちらかのスイッチを押し、好みにより焼き加減スイッチ6acを押して焼き加減の強中弱を選択する。続いてスタートスイッチ6dを押すと調理が開始される。
【0025】
調理開始後の制御手順を図4および図5により説明する。調理がスタートすると、表示部6aは自動調理中を表す表示状態となり、まず排気ファン16と触媒ヒータ4が通電され、触媒ヒータ4により触媒12を加熱し、排気ファン16により調理庫1内の空気を排気する。この状態で所定の時間t2(約30秒)経過すると調理庫1内部の温度が安定し、このときの温度検知手段5の検知温度T(通常は室温とほぼ一致する)を初期温度T0として制御手段7のマイコンにてメモリーする。なお、連続して魚を焼くとき等、t2経過しても検知温度Tが異常に高い(T2以上、例えば80℃以上)場合には、検知温度Tが所定の温度T2以下に下がるまで、上部発熱体2及び下部発熱体3に通電せず、排気ファン16の通電を継続して、温度が所定の温度T2より低くなったときの検出温度Tを初期温度T0として制御手段7のマイコンにてメモリーする。
【0026】
続いて下部発熱体3が通電されて発熱し、魚を加熱する。この結果、調理庫1内が温度上昇し、判定温度T1に達する。このときの経過時間を検出時間t0とする。なお、判定温度T1は初期温度T0による補正を加えた下記判定温度計算式により決定する。各定数は自動メニューの種類ごとに異なる。
【0027】
自動メニュー丸身 T1=A1+T0×B1
自動メニュー干物・切り身 T1=A2+T0×B2
A1、B1、A2、B2:定数
なお、判定温度T1および初期温度T0は実際には制御手段7のマイコンが判定できる信号に変換してからの計算となるため、マイコンが処理しやすい式に変換して処理しても良い。ここで大事なことは、自動メニュー毎に異なる判定温度計算式により判定温度T1を決定することと、初期温度T0により判定温度T1を補正することである。
【0028】
また、判定温度T1に達したとき、下部発熱体3をオフ、上部発熱体2をオンにし、残時間t1を検出時間t0による補正を加えた下記残時間計算式により決定する。各定数は自動メニューの種類ごとに異なる。
【0029】
自動メニュー丸身 t1=C1+t0×D1
自動メニュー干物・切り身 t1=C2+t0×D2
C1、D1、C2、D2:定数
なお、バラツキの少ない安定した焼き上がり状態を得るためには、定数D1,D2は3以下とすることが望ましい。なぜなら、雑音等により検出温度がばらついて、検出時間t0が変動すると、残時間t1はt0の変動のD1またはD2倍ばらつくこととなる。この変動をできるかぎり小さくするため、D1、D2はできるだけ小さくする方が良く、実用的には3以下とする方が良い。
【0030】
上記計算により決定した残時間t1を表示部6aに表示し、以後表示している残時間を時間の経過と共に減算していく。この状態から残時間が1/4t1になると、上部発熱体2をオフにし、下部発熱体3をオンにする。これは上部発熱体2をオンにしたときに魚の裏面に付着した肉汁及び油を焼き上げ、仕上げを良くするためである。
【0031】
次に時間t1が経過し、残時間表示が0になったとき、下部発熱体3の通電を停止し、ブザー(図示せず)を鳴動して使用者に調理終了を報知する。この後、表示部6aは除煙中を表す表示状態となり、所定の時間t3(約1分間)排気ファン16と触媒ヒータ12に通電して、調理後の除煙を行う。使用者はブザーが鳴り、除煙中の表示状態となったときにトレー8を引いて魚を出しても良いが、除煙後に取り出せば、取り出すときの前面からの煙の量を少なくすることができる。
【0032】
上記動作において、魚の量が異なる場合、その量が多いほど調理庫1の温度上昇に時間がかかる。さんま1尾と4尾の例を図6に示す。この結果、さんま4尾の場合は判定温度T1に達する検出時間t0が1尾の場合より長くなるため、残時間計算式よりt0に比例して残時間t1も長くなる。このため、魚の量が少ない場合には、調理時間が短く、魚の量が多い場合には調理時間を長くなるように自動で調整され、同様の焼き加減が得られる。
【0033】
次に魚の種類が異なる場合について説明する。一般には、丸身のままの魚を焼く場合は、内部まで火が通っていることはもちろん、表面に適度な焦げ目の付く焼き加減が好まれている。一方、干物、切り身の魚は火が通っていて、焦げ目の少ないものが好まれる。種々魚焼きの実験を行った結果、丸身用と切り身・干物用の大きく2つのメニューを用意し、そのそれぞれに独立した計算式(判定温度算出用、残時間算出用)を用いて最適な定数を設定すれば、ほとんどの魚の種類に対して自動で適度の焼き加減に焼けることが分かった。例えば、丸身のサンマ、シシャモ、あじなど、その重量、大きさ、厚さなどがかなり異なる場合も、同一の検出温度で同一の計算により残時間を決定すれば、検出時間t0と残時間t1が魚により増減し、ほぼ同様の仕上がりを得ることができた。また、切り身・干物の場合は、丸身より低い検出温度T1とすることにより、定数A2、B2を設定することにより、魚の種類、量が変わっても同様の焼き上がりを得ることができた。
【0034】
以上実験により得られた計算式の定数をマイコンにプログラムして、判定温度、残時間を調理のその都度算出することにより、魚の量、種類が変わった場合などにおいても適度の焼き加減が得られるようにしている。
【0035】
また、本実施例の上下発熱体2、3の制御では1回の調理に1回もしくは2回のオン、オフで良いため、安価なリレーの制御で良い。
【0036】
さらに本実施例では、上部発熱体2と下部発熱体3を交互に通電しているが、同時に通電した場合も、計算式をこの条件で設定すれば同様の効果を得ることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上、説明したように、本発明によれば、自動調理をヒータの電力を変える方法ではなく、調理時間を調節する方法により行い、魚の種類、量に関わらず強火で両面から焼き上げるため、魚表面には食欲をそそる適度な焦げ目が付き、魚内部は旨味成分を残したまま、しっとりと焼き上げることができる。また、上下発熱体の制御は一回の調理中1回もしくは2回のオンオフ制御で良いため、一般的なリレーを使用することができるため、低コストで達成することができる。
【0038】
また、大きく2つの自動メニューとそれぞれに独自の計算式を用いることにより、丸身、干物、切り身の魚のほとんどを適度の焼き加減に焼くことができる。これにより、魚の種類が変わった場合などにおいても自動で最適の焼き加減とすることができる。
【0039】
また、魚の種類、量が変わった場合も2種類の自動調理メニューの選択のみで済むため、魚を焼く度に取扱説明書や調理ブックを見る必要が無く簡単な操作で悩むこともなく調理を開始できる。
【0040】
また、初期温度の検知は、排気ファンを動作させて、調理庫内の温度雰囲気を安定させてからの状態を検知するため、焼き上がりのバラツキが無くなり、安定した焼き上がり状態を得ることができる。
【0041】
さらに、連続して魚を焼く場合も、初期温度により検知温度の補正を行い、検知温度が異常に高温の場合は排気ファンと触媒ヒータのみの冷却動作を行った後の検知温度により判定するため、使用者は連続で焼くことを意識することなく1回目と全く同様の操作で調理を行うことができ、焼き上がり状態も1回目と同様となる。
【0042】
以上、本発明によれば、魚の種類、量に関わらず、また、丸身、切り身、干物などの状態に関わらず、使用者が悩むことなく、非常に簡単な操作で、常に安定した焼き上がり状態を得ることができ、その効果は絶大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の斜視図である。
【図2】本発明の調理メニュー設定手段の操作部の説明図である。
【図3】本発明の表示部の表示例である。
【図4】本発明の調理手順の動作図である。
【図5】本発明の調理手順のフローチャートである。
【図6】本発明の調理手順の動作グラフである。
【符号の説明】
1 調理庫
2 上部発熱体
3 下部発熱体
4 触媒ヒータ
5 温度検出手段
6 調理メニュー設定手段
7 制御手段
12 触媒
14 排気口
16 排気ファン

Claims (2)

  1. 加熱調理する調理庫(1)と、調理庫(1)内の空気を排気する排気ファン(16)と、魚を乗せる焼き網(15)と前記焼き網(15)より上に位置する上部発熱体(2)と、下に位置する下部発熱体(3)と、調理庫(1)内の温度を検出する温度検出手段(5)と、調理メニューを設定する調理メニュー設定手段(6)と、上部発熱体(2)、下部発熱体(3)の通電制御を行う制御手段(7)からなり、調理メニュー設定手段(6)で設定された調理メニューで調理をスタートすると、所定の時間排気ファン(16)により調理庫(1)内の空気を排気した後、温度検出手段(5)により検出される温度を初期温度T0とし、初期温度T0と設定された調理メニューとにより所定の判定温度計算式により判定温度T1を決定し、その後上部発熱体(2)と下部発熱体(3)の通電制御を開始し、この時点から温度検出手段(5)により検出される温度が判定温度T1に達するまでの時間t0と、設定された調理メニューから所定の残時間計算式により調理残時間t1を決定することを特徴とする自動フィッシュロースター。
  2. 初期温度T0が所定温度T2以上の場合、温度検出手段(5)により検出される温度がT2以下に下がるまで排気ファン(16)の通電を継続し、検出される温度が所定温度T2より低くなったときの検出される温度を初期温度T0とし、判定温度T1を決定することを特徴とする請求項1記載のフィッシュロースター。
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